JP4570313B2 - 薄膜磁性体記憶装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄膜磁性体記憶装置に関し、より特定的には、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有するメモリセルを備えたランダムアクセスメモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
低消費電力で不揮発的なデータの記憶が可能な記憶装置として、MRAM(Magnetic Random Access Memory)デバイスが注目されている。MRAMデバイスは、半導体集積回路に形成された複数の薄膜磁性体を用いて不揮発的なデータ記憶を行ない、薄膜磁性体の各々に対してランダムアクセスが可能な記憶装置である。
【0003】
特に、近年では磁気トンネル接合を利用した薄膜磁性体をメモリセルとして用いることによって、MRAMデバイスの性能が飛躍的に進歩することが発表されている。磁気トンネル接合を有するメモリセルを備えたMRAMデバイスについては、“A 10ns Read and Write Non-Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell", ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.2, Feb. 2000.、“Nonvolatile RAM based on Magnetic Tunnel Junction Elements", ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.3, Feb. 2000.、および“A 256kb 3.0V 1T1MTJ Nonvolatile Magnetoresistive RAM", ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.6, Feb.2001.等の技術文献に開示されている。
【0004】
図39は、磁気トンネル接合部を有するメモリセル(以下、単に「MTJメモリセル」とも称する)の構成を示す概略図である。
【0005】
図39を参照して、MTJメモリセルは、記憶データレベルに応じて電気抵抗が変化するトンネル磁気抵抗素子TMRと、データ読出時にトンネル磁気抵抗素子TMRを通過するセンス電流Isの経路を形成するためのアクセス素子ATRとを備える。アクセス素子ATRは、代表的には電界効果型トランジスタで形成されるので、以下においては、アクセス素子ATRをアクセストランジスタATRとも称する。アクセストランジスタATRは、トンネル磁気抵抗素子TMRと固定電圧(接地電圧GND)との間に結合される。
【0006】
MTJメモリセルに対して、データ書込を指示するためのライトワード線WWLと、データ読出を実行するためのリードワード線RWLと、データ読出およびデータ書込において、記憶データのデータレベルに対応した電気信号を伝達するためのデータ線であるビット線BLとが配置される。
【0007】
図40は、MTJメモリセルからのデータ読出動作を説明する概念図である。
図40を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定された一定の磁化方向を有する強磁性体層(以下、単に「固定磁化層」とも称する)FLと、外部かの印加磁界に応じた方向に磁化される強磁性体層(以下、単に「自由磁化層」とも称する)VLと、固定磁化層FLの磁化方向を固定するための反強磁性体層AFLとを有する。固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの間には、絶縁体膜で形成されるトンネルバリア(トンネル膜)TBが設けられる。自由磁化層VLは、書込まれる記憶データのレベルに応じて、固定磁化層FLと同一方向または固定磁化層FLと反対方向に磁化される。これらの固定磁化層FL、トンネルバリアTBおよび自由磁化層VLによって、磁気トンネル接合が形成される。
【0008】
データ読出時においては、リードワード線RWLの活性化に応じてアクセストランジスタATRがターンオンする。これにより、ビット線BL〜トンネル磁気抵抗素子TMR〜アクセストランジスタATR〜接地電圧GNDの電流経路に、センス電流Isを流すことができる。
【0009】
トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLのそれぞれの磁化方向の相対関係に応じて変化する。具体的には、固定磁化層FLの磁化方向と、自由磁化層VLの磁化方向とが平行である場合には、両者の磁化方向が反対(反平行)方向である場合に比べてトンネル磁気抵抗素子TMRは小さくなる。
【0010】
したがって、自由磁化層VLを記憶データに応じた方向に磁化すれば、センス電流Isによってトンネル磁気抵抗素子TMRで生じる電圧変化は、記憶データレベルに応じて異なる。したがって、たとえばビット線BLを一定電圧にプリチャージした後に、トンネル磁気抵抗素子TMRにセンス電流Isを流せば、ビット線BLの電圧を検知することによって、MTJメモリセルの記憶データを読出すことができる。
【0011】
図41は、MTJメモリセルに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【0012】
図41を参照して、データ書込時においては、リードワード線RWLが非活性化され、アクセストランジスタATRはターンオフされる。この状態で、自由磁化層VLを書込データに応じた方向に磁化するためのデータ書込電流が、ライトワード線WWLおよびビット線BLにそれぞれ流される。自由磁化層VLの磁化方向は、ライトワード線WWLおよびビット線BLをそれぞれ流れるデータ書込電流の向きの組合せによって決定される。
【0013】
図42は、MTJメモリセルに対するデータ書込時におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を説明する概念図である。
【0014】
図42を参照して、横軸は、トンネル磁気抵抗素子TMR内の自由磁化層VLにおいて磁化容易軸(EA:Easy Axis)方向に印加される磁界を示す。一方、縦軸H(HA)は、自由磁化層VLにおいて磁化困難軸(HA:Hard Axis)方向に作用する磁界を示す。磁界H(EA)およびH(HA)は、ビット線BLおよびライトワード線WWLをそれぞれ流れる電流によって生じる2つの磁界の一方ずつにそれぞれ対応する。
【0015】
MTJメモリセルにおいては、固定磁化層FLの固定された磁化方向は、自由磁化層VLの磁化容易軸に沿っており、自由磁化層VLは、記憶データのレベル(“1”および“0”)に応じて、磁化容易軸方向に沿って、固定磁化層FLと平行あるいは反平行(反対)方向に磁化される。以下、本明細書においては、自由磁化層VLの2種類の磁化方向にそれぞれ対応するトンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗をR1およびR0(ただし、R1>R0)でそれぞれ示すこととする。
【0016】
MTJメモリセルは、このような自由磁化層VLの2種類の磁化方向と対応させて、1ビットのデータ(“1”および“0”)を記憶することができる。
【0017】
自由磁化層VLの磁化方向は、印加される磁界H(EA)およびH(HA)の和が、図中に示されるアステロイド特性線の外側の領域に達する場合においてのみ新たに書換えることができる。すなわち、印加されたデータ書込磁界がアステロイド特性線の内側の領域に相当する強度である場合には、自由磁化層VLの磁化方向は変化しない。
【0018】
アステロイド特性線に示されるように、自由磁化層VLに対して磁化困難軸方向の磁界を印加することによって、磁化容易軸に沿った磁化方向を変化させるのに必要な磁化しきい値が下げることができる。
【0019】
図42の例のようにデータ書込時の動作点を設計した場合には、データ書込対象であるMTJメモリセルにおいて、磁化容易軸方向のデータ書込磁界は、その強度がHWRとなるように設計される。すなわち、このデータ書込磁界HWRが得られるように、ビット線BLまたはライトワード線WWLを流されるデータ書込電流の値が設計される。一般的に、データ書込磁界HWRは、磁化方向の切換えに必要なスイッチング磁界HSWと、余裕分ΔHとの和で示される。すなわち、HWR=HSW+ΔHで示される。
【0020】
MTJメモリセルの記憶データ、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向を書換えるためには、ライトワード線WWLとビット線BLとの両方に所定レベル以上のデータ書込電流を流す必要がある。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層VLは、磁化容易軸(EA)に沿ったデータ書込磁界の向きに応じて、固定磁化層FLと平行もしくは、反対(反平行)方向に磁化される。トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦書込まれた磁化方向、すなわちMTJメモリセルの記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。
【0021】
このようにトンネル磁気抵抗素子TMRは、印加されるデータ書込磁界によって書換可能な磁化方向に応じてその電気抵抗が変化するので、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層VLの2通りの磁化方向と、記憶データのレベル(“1”および“0”)とそれぞれ対応付けることによって、不揮発的なデータ記憶を実行することができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
このようなMTJメモリセルを集積配置して、MRAMデバイスを構成する場合には、MTJメモリセルが半導体基板上に行列状に配置される構成が一般的である。
【0023】
図43は、行列状に集積配置されたMTJメモリセルのアレイ構成を示す概念図である。
【0024】
図43においては、MTJメモリセルをn行×m列(n,m:自然数)に配置するアレイ構成が示される。既に説明したように、各MTJメモリセルに対して、ビット線BL、ライトワード線WWLおよびリードワード線RWLを配置する必要がある。
【0025】
データ書込時において、データ書込対象に選択された選択メモリセルに対しては、対応するライトワード線WWLおよびビット線BLに所定のデータ書込電流がそれぞれ流れる。例えば、図43において、斜線で示したMTJメモリセルがデータ書込対象に選択された場合には、ライトワード線WWL6に行方向のデータ書込電流Ipが流され、ビット線BL2に列方向のデータ書込電流Iwが流される。したがって、選択メモリセルにおいては、磁化容易軸方向のデータ書込磁界H(EA)および磁化困難軸方向のデータ書込磁界H(HA)の両方が、図42に示したスイッチング磁界HSWを超えて印加されるので、書込データのレベルに応じた方向に自由磁化層VLを磁化することができる。
【0026】
一方、非選択メモリセルのうちの、選択メモリセルと同一のメモリセル行またはメモリセル列に属するメモリセル群、図43の例においては、ライトワード線WWL6に対応する非選択メモリセルおよび、ビット線BL2に対応する非選択メモリセルに対しては、磁化容易軸方向のデータ書込磁界H(EA)あるいは磁化困難軸方向のデータ書込磁界H(HA)のいずれか一方のみがスイッチング磁界HSWを超えて印加される。これらのメモリセル群においては、自由磁化層VLにおける磁化方向の更新、すなわちデータ書込は理論的には実行されない。
【0027】
しかしながら、これらの一方の方向のみのデータ書込磁界がスイッチング磁界HSWを超えて印加されている非選択のメモリセル群において、もう一方の方向に沿った磁気ノイズがさらに印加された場合には、誤ってデータ書込が実行されるおそれがある。
【0028】
このような、磁気ノイズの代表例としては、メモリアレイに対してデータ読出およびデータ書込を実行するための周辺回路に対して動作電圧を供給するための電源電圧配線および接地配線を流れる電流によって生じる磁界が挙げられる。電源電圧配線および接地配線を流れる電流は、周辺回路の動作時にピーク的に生じる傾向にあるので、これらの配線からの磁気ノイズはある程度の強度を有している。
【0029】
特に、高集積化の目的で、これらの電源配線を、メモリアレイに近接して、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの近傍に配置する場合には、電源配線からの磁気ノイズによる動作マージンの低下およびデータ誤書込に対する対策を講じる必要がある。
【0030】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、周辺回路等に対応して設けられた電源配線、より詳しくは電源電圧配線および接地配線からの磁気ノイズの影響を抑制して、安定的に動作する薄膜磁性体記憶装置を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
この発明に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的なデータ記憶を実行する複数のメモリセルが配置されたメモリアレイを備える。複数のメモリセルの各々は、所定磁界の印加に応答して書換可能な磁化方向に応じて、電気抵抗が変化する磁気記憶部を有する。薄膜磁性体記憶装置は、さらに、メモリアレイに隣接した領域に配置され、メモリアレイに対してデータ読出およびデータ書込を実行するための周辺回路と、周辺回路に動作電圧を供給するための第1および第2の電源配線とを備える。第1および第2の電源配線は、第1の電源配線を流れる電流によって生じる磁界と、第2の電源配線を流れる電流によって生じる磁界とが、メモリアレイにおいて互いに打ち消し合うように配置される。
【0032】
好ましくは、第1の電源配線は、電源電圧を供給する電源電圧配線であり、第2の電源配線は、接地電圧を供給する接地配線である。
【0033】
また好ましくは、第1および第2の電源配線は、磁気記憶部よりも上層側および下層側のいずれか一方側において同一方向に沿って配置される。動作時において、第1および第2の電源配線をそれぞれ流れる電流は、反対方向である。
【0034】
好ましくは、第1および第2の電源配線は、メモリアレイの上部領域および下部領域の少なくとも一方を通過するように配置される。
【0035】
さらに好ましくは、第1および第2の電源配線は、異なる配線層にそれぞれ設けられた第1および第2の金属配線によって、上下に重なり合うように形成される。
【0036】
あるいは、好ましくは、第1および第2の電源配線は、同一方向に沿って複数本ずつ設けられる。動作時において、複数本のうちの1本の第1の電源配線を流れる電流の方向と、他の1本の第1の電源配線を流れる電流の方向とは反対方向であり、かつ、複数本のうちの1本の第2の電源配線を流れる電流の方向と、他の1本の第2の電源配線を流れる電流の方向とは反対方向である。
【0037】
さらに好ましくは、1本の第1の電源配線および他の1本の第1の電源配線は、磁気記憶部よりも上層側および下層側のいずれか一方側に形成された配線層を用いて、互いに近接させて配置される。
【0038】
また、さらに好ましくは、1本の第2の電源配線および他の1本の第2の電源配線は、磁気記憶部よりも上層側および下層側のいずれか一方側に形成された配線層を用いて、互いに近接させて配置される。
【0039】
あるいは、さらに好ましくは、1本の第1の電源配線は、第1および第2の電源配線のうちの動作時に流れる電流の方向が同一である他の1本と対を成すように配置される。対を成す2本の電源配線は、磁気記憶部を挟んで上下方向に対称に配置される。
【0040】
特に、1本の第1の電源配線は、磁気記憶部よりも上層側および下層側のいずれか一方側において、第1および第2の電源配線のうちの動作時に流れる電流の方向が反対である他の1本と近接して配置される。
【0041】
この発明の他の構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的なデータ記憶を実行する複数のメモリセルが配置されたメモリアレイを備える。複数のメモリセルの各々は、所定磁界の印加に応答して書換可能な磁化方向に応じて、電気抵抗が変化する磁気記憶部を有する。薄膜磁性体記憶装置は、さらに、メモリアレイに隣接した領域に配置され、メモリアレイに対してデータ読出およびデータ書込を実行するための周辺回路と、周辺回路に動作電圧を供給するための第1および第2の電源配線とを備える。第1および第2の電源配線は、第1および第2の電源配線を流れる電流によってそれぞれ生じる磁界が、メモリアレイにおいて磁気記憶部の磁化容易軸方向に沿った方向に作用するように配置される。
【0042】
好ましくは、第1および第2の電源配線は、第1の電源配線を流れる電流によって生じる磁界と、第2の電源配線を流れる電流によって生じる磁界とが、メモリアレイにおいて互いに打ち消し合うように配置される。
【0043】
また好ましくは、複数のメモリセルは行列状に配置され、薄膜磁性体記憶装置は、メモリセル行およびメモリセル列の一方にそれぞれ対応して設けられ、各々が、選択メモリセルに対して磁化容易軸方向に沿った磁界を主に印加するために、選択的にデータ書込電流の供給を受ける複数の第1の書込配線と、メモリセル行およびメモリセル列の他方にそれぞれ対応して設けられ、各々が、選択メモリセルに対して磁化困難軸方向に沿った磁界を主に印加するために、選択的にデータ書込電流の供給を受ける複数の第2の書込配線とを備える。複数の第1の書込配線の配線ピッチは、複数の第2の書込配線の配線ピッチよりも大きい。
【0044】
この発明のさらに他の構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的なデータ記憶を実行する複数のメモリセルが配置されたメモリアレイを備える。複数のメモリセルの各々は、所定磁界の印加に応答して書換可能な磁化方向に応じて、電気抵抗が変化する磁気記憶部を有する。薄膜磁性体記憶装置は、さらに、メモリアレイに隣接した領域に配置され、メモリアレイに対してデータ読出およびデータ書込を実行するための周辺回路と、周辺回路に動作電圧を供給するための第1および第2の電源配線とを備える。第1および第2の電源配線の各々は、最も近接したメモリセルの磁気記憶部において、電源配線を流れるピーク電流によって生じるピーク磁界の強度が、メモリセルの磁化特性を考慮して決定される所定強度よりも小さくなるように、最も近接したメモリセルの磁気記憶部から所定距離以上離して配置される。
【0045】
さらに好ましくは、薄膜磁性体記憶装置は、データ書込時において、所定磁界を生成するためのデータ書込電流を流すために設けられる書込データ線をさらに備える。データ書込時において、データ書込電流によって生じる磁界の強度は、磁気記憶部の磁化方向を書換えるために必要な第1の磁界強度と、マージン分に相当する第2の磁界強度との和で示される。所定強度が第2の磁界強度よりも小さくなるように、所定距離は設計される。
【0046】
この発明のさらに別の構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的なデータ記憶を実行する複数のメモリセルが配置されたメモリアレイを備える。複数のメモリセルの各々は、印加される磁界に応答して書換えられる磁化方向に応じて、電気抵抗値が変化する磁気記憶部を有する。薄膜磁性体記憶装置は、さらに、メモリアレイに隣接した領域に配置され、メモリアレイに対してデータ読出およびデータ書込を実行するための周辺回路と、周辺回路に対してメモリアレイを挟んで第1の方向に沿った反対側の領域に配置され、周辺回路の動作電源電圧の供給を受ける電源ノードと、第1の方向に沿って電源ノードと周辺回路との間に設けられ、動作電源電圧を伝達するための電源配線と、電源ノードとメモリアレイとの間の領域および周辺回路とメモリアレイとの間の領域の少なくとも一方において、電源配線と接地電圧との間に設けられるデカップル容量とを備える。
【0047】
この発明のさらに別の1つの構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的なデータ記憶を実行する複数のメモリセルが行列状に配置されたメモリアレイと、メモリアレイの端部において、メモリセル行およびメモリセル列の少なくとも一方に沿って配置された、各々が固定された磁化方向を有する複数のダミー磁性体とを備える。
【0048】
好ましくは、各ダミー磁性体の磁化方向は、各ダミー磁性体から発生される磁界がメモリアレイへの磁気ノイズを打ち消す方向ように定められる。
【0049】
さらに好ましくは、薄膜磁性体記憶装置は複数の配線をさらに備え、各ダミー磁性体の磁化方向は、複数の配線のうちの自身に最も近接した1本によって発生される磁界を打ち消すように設定される。
【0050】
また好ましくは、各ダミー磁性体は、各メモリセルと同様の形状に設計され、各メモリセルおよび各ダミー磁性体は、固定された磁化方向を有する第1の磁性体層と、印加された磁界によって更新可能な磁化方向を有する第2の磁性体層とを有する。
【0051】
さらに好ましくは、各メモリセルおよび各ダミー磁性体の第1の磁性体層と、各ダミー磁性体の第2の磁性体層との各々は、同一方向に沿って磁化される。
【0052】
あるいは好ましくは、各メモリセルは、固定された磁化方向を有する第1の磁性体層と、データ書込動作時に印加される磁界によって更新可能な磁化方向を有する第2の磁性体層とを有する。各ダミー磁性体は、第1の磁性体層と同一方向に固定的に磁化された第3の磁性体層を有する。
【0053】
この発明のさらに他の構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的なデータ記憶を実行するための第1の磁性体を含む複数のメモリセルが配置されたメモリアレイと、メモリアレイに対応して配置され、各々が、複数のメモリセルの少なくとも1つに含まれる第1の磁性体層と電気的に接続される複数の第1の配線と、メモリアレイ外の領域に配置され、複数の第1の配線と同一配線層に形成される第2の配線、およびメモリアレイ外の領域において第1の磁性体層と同一層に形成され、第2の配線と電気的に接続される第2の磁性体を含むインダクタンス素子とを備える。
【0054】
好ましくは、第1および第2の磁性体は、同様の形状および構造を有する。また好ましくは、薄膜磁性体記憶装置は、動作電圧を供給するための電源配線をさらに備え、インダクタ素子は、電源配線のピーク電流を抑制するために、電源配線と直列に電気的に結合される。
【0055】
この発明のさらに他の1つ構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、行列状に配置され各々が磁気的なデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、複数のメモリセルのうちのデータ書込対象に選択された選択メモリセルに対して、データ書込のための書込磁界を印加するための第1の配線と、複数のメモリセルに対して第1の配線よりも遠くに配置され、書込磁界を発生させる書込電流を第1の配線へ供給するための、第2の配線とを備える。データ書込において、第1および第2の配線からそれぞれ生じる磁界は、第1および第2の配線の長手方向に沿った少なくとも一部の領域において、互いに打ち消し合う方向に作用する。
【0056】
好ましくは、第1および第2の配線は、同一方向に沿って配置される。また、好ましくは、第2の配線は、第1および第2の電圧をそれぞれ供給するための第1および第2の電源配線を含み、データ書込において、第1および第2の電源配線からそれぞれ生じる磁界は、第1および第2の電源配線の長手方向に沿った少なくとも一部の領域において、互いに打ち消し合う方向に作用する。
【0057】
あるいは好ましくは、第1の配線は、複数のメモリセルのうちの所定区分ごとに設けられる。第2の配線は、第1の配線と同一方向に沿って設けられ、第1および第2の電圧の一方の電圧を供給するための第1の電源配線と、第1の配線と同一方向に沿って設けられ、第1および第2の電圧の他方の電圧を供給するための第2の電源配線とを含む。薄膜磁性体記憶装置は、第1の配線の一端に対応して設けられ、対応する所定区分がデータ書込対象に選択されたときに、第1および第2の電源配線の一方の配線と一端とを接続するための第1のドライブ回路と、第1の配線の他端に対応して設けられ、対応する所定区分がデータ書込対象に選択されたときに、データ書込時に第1および第2の電源配線の他方の配線と一端とを接続するための第2のドライブ回路とをさらに備える。
【0058】
さらに好ましくは、第1および第2の電源配線は、第1および第2の電圧をそれぞれ供給する第1および第2の電源ノードと電気的に結合される。第1および第2のドライブ回路は、書込データのレベルに応じて、一方および他方の配線をそれぞれ選択する。特に、このような構成においては、第1および第2の電源配線は、両端のそれぞれにおいて、第1および第2の電源ノードと結合される。
【0059】
また、さらに好ましくは、薄膜磁性体記憶装置は、書込データに応じて、第1の電源配線を第1および第2の電圧の一方と電気的に結合するための第1の電源スイッチ回路と、書込データに応じて、第2の電源配線を第1および第2の電圧の他方と電気的に結合するための第2の電源スイッチ回路とをさらに備える。第1および第2のドライブ回路において、一方および他方の配線は、書込データのレベルにかかわらず固定的に設定される。特に、このような構成においては、第1の電源スイッチ回路は、第1の電源配線の両端の各々に対応して設けられ、第2の電源スイッチ回路は、第2の電源配線の両端の各々に対応して設けられる。
【0060】
また好ましくは、第1の配線によって印加される書込磁界は、各メモリセルの磁化容易軸方向に沿った成分を主に有し、第1の配線を流れる電流の方向は、書込データに応じて設定される。
【0061】
あるいは好ましくは、第1の配線によって印加される書込磁界は、各メモリセルの磁化困難軸方向に沿った成分を主に有し、第1の配線を流れる電流の方向は、書込データにかかわらず一定である。
【0062】
また好ましくは、第2の配線は、K本(K:2以上の整数)の第1の配線ごとに設けられ、データ書込において、同一の第2の配線と対応付けられるK本の第1の配線のうちの多くとも1本に対して書込電流が供給される。
【0063】
さらに好ましくは、第1および第2の配線は同一方向に沿って設けられ、第2の配線は、第1および第2の配線の長手方向に沿って互いに隣接する複数本の第1の配線によって共有される。
【0064】
また、さらに好ましくは、第1および第2の配線は同一方向に沿って設けられ、第2の配線は、第1および第2の配線の幅方向に沿って互いに隣接する複数本の第1の配線によって共有される。
【0065】
この発明のさらに他の1つの構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的なデータ記憶を実行する、複数のバンクに分割配置された複数のメモリセルと、複数のバンクにそれぞれ対応して設けられ、各々が対応するバンクに対して少なくともデータ書込動作を実行するための複数の周辺回路と、複数の周辺回路にそれぞれ対応し設けられ、各々が対応する周辺回路へ動作電圧を供給するための複数の電源配線とを備える。1回のデータ書込動作において、複数のバンクは、選択的にデータ書込対象とされ、各電源配線は、対応するバンク、および対応するバンクと同時にデータ書込対象とされる可能性を有する他のバンクを除く残りのバンクのうちの少なくとも一部に対応する領域に設けられる。
【0066】
好ましくは、各電源配線は、残りのバンクの少なくとも一部の上部領域に設けられる。また好ましくは、各電源配線は、残りのバンクの少なくとも一部の近接領域に設けられる。
【0067】
この発明のさらに他の1つの構成に従う薄膜磁性体記憶装置は、各々が磁気的なデータ記憶を実行する、行列状に配置された複数のメモリセルと、メモリセル行およびメモリセル列の一方にそれぞれ対応して設けられ、各々が、選択メモリセルに対して磁化容易軸方向に沿った磁界を主に印加するために、選択的にデータ書込電流の供給を受ける複数の第1の書込配線と、メモリセル行およびメモリセル列の他方にそれぞれ対応して設けられ、各々が、選択メモリセルに対して磁化困難軸方向に沿った磁界を主に印加するために、選択的にデータ書込電流の供給を受ける複数の第2の書込配線と、導電性材料によって形成される複数の配線とを備える。各メモリセルにおいて、対応する第1の書込配線を除く他の第1の配線のうちの最も近接する1本から受ける磁界ノイズと、対応する第2の書込配線を除く他の第2の配線のうちの最も近接する1本から受ける磁界ノイズとが重畳された場合に、磁化容易軸方向に沿った残りマージンと磁化困難軸方向に沿った残りマージンとは異なる。複数の配線のうちの各メモリセルからの距離が最も短い最近接の配線の配置方向は、最近接の配線を流れる電流によって生じる磁界が、各メモリセルにおいて、磁化容易軸および磁化困難軸のうちの残りマージンが大きい一方に沿った成分を主に有するように設計される。
【0068】
好ましくは、最近接の配線の配置方向は、複数の第1の書込配線の配線ピッチと、複数の第2の書込配線の配線ピッチとに応じて設計される。さらに好ましくは、最近接の配線は、複数の第1および第2の書込配線のうちの配線ピッチが大きい一方と平行に配置される。
【0069】
この発明のさらに他の1つの構成に従う薄膜磁性体記憶装置は各々が磁気的なデータ記憶を実行する、行列状に配置された複数のメモリセルと、メモリセル行およびメモリセル列の一方にそれぞれ対応して設けられ、各々が選択メモリセルに対して磁化容易軸方向に沿った磁界を主に印加するために、選択的にデータ書込電流の供給を受ける複数の第1の書込配線と、メモリセル行およびメモリセル列の他方にそれぞれ対応して設けられ、各々が、選択メモリセルに対して磁化困難軸方向に沿った磁界を主に印加するために、選択的にデータ書込電流の供給を受ける複数の第2の書込配線と、データ書込電流の経路に含まれる電源配線とを備える。各メモリセルにおいて、対応する第1の書込配線を除く他の第1の配線のうちの最も近接する1本から受ける磁界ノイズと、対応する第2の書込配線を除く他の第2の配線のうちの最も近接する1本から受ける磁界ノイズとが重畳された場合に、磁化容易軸方向に沿った残りマージンと磁化困難軸方向に沿った残りマージンとは異なる。電源配線の配置方向は、自身を流れる電流によって生じる磁界が、各メモリセルにおいて、磁化容易軸および磁化困難軸のうちの残りマージンが大きい一方に沿った成分を主に有するように設計される。
【0070】
好ましくは、電源配線の配置方向は、複数の第1の書込配線の配線ピッチと、複数の第2の書込配線の配線ピッチとに応じて設計される。さらに好ましくは、電源配線は、複数の第1および第2の書込配線のうちの配線ピッチが大きい一方と平行に配置される。
【0071】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。
なお、図中における同一符号は、同一または相当する部分を示すものとする。
【0072】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
【0073】
図1を参照して、MRAMデバイス1は、外部からの制御信号CMDおよびアドレス信号ADDに応答してランダムアクセスを実行し、書込データDINの入力および読出データDOUTの出力を実行する。
【0074】
MRAMデバイス1は、外部からの制御信号CMDおよびアドレス信号ADDに応答してランダムアクセスを実行し、書込データDINの入力および読出データDOUTの出力を実行する。MRAMデバイス1は、複数のMTJメモリセルが行列状に配置されたメモリアレイ2と、メモリアレイ2に対してデータ読出およびデータ書込を実行するために、メモリアレイ2の周辺領域に配置される周辺回路5a,5b,5cとを備える。なお、以下においては、周辺回路5a,5b,5cを総称して、周辺回路5あるいは周辺回路5♯とも称する。
【0075】
メモリアレイ2の構成については後ほど詳細に説明するが、MTJメモリセルの行(以下、単に「メモリセル行」とも称する)に対応して複数のライトワード線WWLおよびリードワード線RWLが配置される。また、MTJメモリセルの列(以下、単に「メモリセル列」とも称する)に対応してビット線BLが配置される。
【0076】
周辺回路5は、メモリアレイ2の周辺領域に配置された、コントロール回路10と、行デコーダ20と、列デコーダ25と、ワード線ドライバ30と、読出/書込制御回路50,60とを含む。なお、これらの周辺回路の配置は、図1に示される配置例に限定されるものではない。
【0077】
コントロール回路10は、制御信号CMDによって指示された所定動作を実行するために、MRAMデバイス1の全体動作を制御する。行デコーダ20は、アドレス信号ADDによって示されるロウアドレスRAに応じて、メモリアレイ2における行選択を実行する。列デコーダ25は、アドレス信号ADDによって示されるコラムアドレスCAに応じてメモリアレイ2における列選択を実行する。
【0078】
ワード線ドライバ30は、行デコーダ20の行選択結果に基づいて、リードワード線RWL(データ読出時)もしくはライトワード線WWL(データ書込時)を選択的に活性化する。ロウアドレスRAおよびコラムアドレスCAによって、データ読出もしくはデータ書込対象に指定されたMTJメモリセル(以下、「選択メモリセル」とも称する)が示される。
【0079】
ライトワード線WWLは、ワード線ドライバ30が配置されるのとメモリアレイ2を挟んで反対側の領域6において、接地電圧GNDと結合される。読出/書込制御回路50,60は、データ読出およびデータ書込時において、選択されたメモリセル列(以下、「選択列」とも称する)のビット線BLに対してデータ書込電流およびセンス電流(データ読出電流)を流すために、メモリアレイ2に隣接する領域に配置される回路群を総称したものである。
【0080】
図2は、メモリアレイ2の構成例を示す回路図である。
図2を参照して、メモリアレイ2は、n行×m列(n,m:自然数)に配置された複数のMTJメモリセルMCを有する。各MTJメモリセルMCに対して、リードワード線RWL、ライトワード線WWL、ビット線BLおよび基準電圧配線SLが配置される。リードワード線RWLおよびライトワード線WWLは、メモリセル行にそれぞれ対応して、行方向に沿って配置される。一方、ビット線BLおよび基準電圧配線SLは、メモリセル列にそれぞれ対応して、列方向に沿って配置される。
【0081】
この結果、メモリアレイ2全体においては、リードワード線RWL1〜RWLn、ライトワード線WWL1〜WWLn、ビット線BL1〜BLmおよび基準電圧配線SL1〜SLmが設けられる。なお、以下においては、ライトワード線、リードワード線、ビット線および基準電圧配線を総括的に表現する場合には、符号WWL、RWL、BLおよびSLをそれぞれ用いて表記することとし、特定のライトワード線、リードワード線、ビット線および基準電圧配線を示す場合には、これらの符号に添え字を付して、RWL1,WWL1,BL1,SL1のように表記するものとする。
【0082】
ワード線ドライバ30は、データ書込において、選択されたメモリセル行(以下、「選択行」とも称する)に対応するライトワード線WWLの一端を、電源電圧Vccと結合する。上述したように、各ライトワード線WWLの他端は、領域6において接地電圧GNDと結合されるので、選択行のライトワード線WWL上に、ワード線ドライバ30から領域6へ向かう方向に、行方向のデータ書込電流Ipを流すことができる。
【0083】
図3は、MTJメモリセルに対するデータ書込およびデータ読出動作を説明する動作波形図である。
【0084】
まず、データ書込時の動作について説明する。ワード線ドライバ30は、行デコーダ20の行選択結果に応じて、選択行に対応するライトワード線WWLを活性化(ハイレベル、以下「Hレベル」と表記する)するために、電源電圧Vccと結合する。一方、非選択行においては、ライトワード線WWLは、非活性化状態(ローレベル、以下「Lレベル」と表記する)に維持されて、その電圧は接地電圧GNDに維持される。
【0085】
これにより、選択行のライトワード線WWLに対して、行方向のデータ書込電流Ipが流される。この結果、選択行に属するMTJメモリセル中のトンネル磁気抵抗素子TMRの各々に対して、自由磁化層VLの磁化困難軸HAに沿った方向の磁界が印加される。一方、非選択行のライトワード線WWLには電流は流れない。
【0086】
リードワード線RWLは、データ書込時においては活性化されず、非活性化状態(Lレベル)に維持される。基準電圧配線SLは、アクセストランジスタATRがオンしないデータ書込時においては、特に作用せず、その電圧は接地電圧GNDに維持される。
【0087】
読出/書込制御回路50および60は、メモリアレイ2の両端におけるビット線BLの電圧を制御することによって、選択列のビット線BLに、書込データのデータレベルに応じた方向のデータ書込電流±Iwを生じさせる。
【0088】
たとえば、“1”の書込データを書込む場合には、読出/書込制御回路60側のビット線電圧を高電圧状態(Hレベル:電源電圧Vcc)に設定し、反対側の読出/書込制御回路50側のビット線電圧を低電圧状態(Lレベル:接地電圧GND)に設定する。これにより、読出/書込制御回路60から50へ向かう方向のデータ書込電流+Iwが、選択列のビット線BL上を流れる。
【0089】
一方、“0”の記憶データを書込む場合には、読出/書込制御回路50側および60側におけるビット線電圧の設定を入換えて、読出/書込制御回路50から60へ向かう方向へデータ書込電流−Iwを選択列のビット線BL上に流すことができる。
【0090】
ビット線BLを流れる列方向のデータ書込電流±Iwによって生じるデータ書込磁界は、トンネル磁気抵抗素子TMRにおいて、自由磁化層VLの磁化容易軸に沿った方向に印加される。
【0091】
このように、データ書込電流Ipおよび±Iwの方向を設定することによって、選択メモリセル中の自由磁化層VLを書込データのレベルに応じた方向に、磁化容易軸方向に沿って磁化できる。
【0092】
なお、磁化容易軸に沿った方向の磁界を生じさせるためのデータ書込電流±Iwの方向を書込データのレベルに応じて制御し、磁化困難軸に沿った方向の磁界を発生するためのデータ書込電流Ipの方向を、書込データのレベルにかかわらず一定とすることによって、ライトワード線WWLにデータ書込電流を流すための構成を簡略化している。
【0093】
次に、データ読出動作について説明する。
データ読出時において、ワード線ドライバ30は、行デコーダ20の行選択結果に応じて、選択行に対応するリードワード線RWLを活性化(Hレベル)する。非選択行においては、リードワード線RWLは、非活性状態(Lレベル)に維持される。また、データ読出時においては、ライトワード線WWLの各々は活性化されることなく、非活性状態(Lレベル:接地電圧GND)に維持されたままである。
【0094】
データ読出動作前において、ビット線BLは、たとえば接地電圧GNDにプリチャージされる。この状態から、データ読出が開始されて、選択行においてリードワード線RWLがHレベルに活性化されると、対応するアクセストランジスタATRがターンオンする。アクセストランジスタATRがターンオンしたMTJメモリセルの各々において、対応するトンネル磁気抵抗素子TMRは、基準電圧(接地電圧GND)およびビット線の間に電気的に結合される。
【0095】
たとえば、選択列に対応するビット線を電源電圧Vccでプルアップすれば、選択メモリセルのトンネル磁気抵抗素子TMRに対してのみ、センス電流Isを流すことができる。これにより、選択列のビット線BLには、選択メモリセル中のトンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗に応じた、すなわち選択メモリセルの記憶データレベルに応じた電圧変化が生じる。
【0096】
選択メモリセルの記憶データが“0”および“1”である場合における、ビット線BLの電圧変化をそれぞれΔV0およびΔV1とすれば、ΔV0およびΔV1の中間値に設定される参照電圧Vrefおよび選択列のビット線BLの電圧差を検知・増幅して、選択メモリセルの記憶データを読出すことができる。
【0097】
このように、基準電圧配線SLの電圧レベルは、データ読出時およびデータ書込時のいずれにおいても、接地電圧GNDに設定される。したがって、基準電圧配線SLは、接地電圧GNDを供給するノードと、たとえば読出/書込制御回路50もしくは60内の領域において結合する対応とすればよい。また、この基準電圧配線SLは、行方向および列方向のいずれに設けてもよい。
【0098】
なお、以下の説明で明らかになるように、本願発明は、メモリアレイ2の周辺回路に対して動作電圧を供給するための電源配線の配置に向けられたものである。したがって、図2においては、最もシンプルなメモリアレイの構成を例示したが、メモリアレイ2におけるMTJメモリセルやビット線BL等の信号配線の配置にかかわらず、本願発明を適用することが可能である。たとえば、開放型ビット線や折返し型ビット線構成のメモリアレイ構成に対しても、本願発明を適用することができる。
【0099】
図4は、周辺回路に対する電源配線の実施の形態1に従う配置を説明するブロック図である。
【0100】
図4に示された周辺回路5は、図1に示された周辺回路5a,5b,5cの各々に相当する。図4を参照して、周辺回路5の動作電圧である、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDの供給は、電源電圧配線PLおよび接地配線GLによってそれぞれ実行される。なお、以下においては、電源電圧配線PLおよび接地配線GLを総称する場合には、単に「電源配線」とも称する。
【0101】
電源電圧配線PLは、外部から電源電圧Vccの供給を受ける電源ノード7と結合されて、周辺回路5に対して電源電圧Vccを供給する。同様に、接地配線GLは、外部から接地電圧GNDの供給を受ける接地ノード8と結合されて、周辺回路5に対して接地電圧GNDを供給する。これらの電源配線は、電源電圧配線PLを流れる電流によって生じる磁界と、接地配線GLを流れる電流によって生じる磁界とが、メモリアレイ2において互いに打消し合う方向に作用するように配置される。
【0102】
一例として、図4に示される構成においては、電源電圧配線PLおよび接地配線GLは、同一方向に沿って、周辺回路5の近傍領域に設けられる。さらに、電源電圧配線PLおよび接地配線GLをそれぞれ流れる電流の方向が、互いに反対方向となるように、電源ノード7および接地ノード8は配置される。
【0103】
図5および図6は、実施の形態1に従う電源配線の第1および第2の配置例をそれぞれ示すためのX−Y断面図である。
【0104】
図5を参照して、実施の形態1に従う第1の配置例においては、電源電圧配線PLおよび接地配線GLの両方は、メモリアレイ2の近傍領域において、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側もしくは下層側のいずれか一方側の金属配線層を用いて配置される。図5においては、電源電圧配線PLおよび接地配線GLをトンネル磁気抵抗素子TMRより上層側に配置する例を示したが、これらの電源配線の両方を、トンネル磁気抵抗素子TMRよりも下層側に配置する構成としてもよい。
【0105】
このような構成とすることによって、電源電圧配線PLを流れる電流によって生じる磁界(図5中に実線で表記)、接地配線GLを流れる電流によって生じる磁界(図5中に点線で表記)とは、メモリアレイ2において、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRにおいて互いに打消し合うように作用する。
【0106】
これらの電源配線においては、特に電源投入時や、回路動作時において、突入的にピーク電流が発生するが、このようなピーク電流による電源配線からの磁気ノイズについても、メモリアレイ2では互いに打消すように作用するので、MTJメモリセルに対するデータ誤書込を防止して、MRAMデバイスを安定的に動作させることができる。
【0107】
さらに、電源電圧配線PLおよび接地配線GLを、同一の金属配線層に形成される金属配線を用いて配置できるので、MRAMデバイスの形成に必要な金属配線層の数を削減して、製造プロセスの簡略化に寄与することができる。
【0108】
図6を参照して、実施の形態1に従う第2の配置例においては、電源電圧配線PLおよび接地配線GLは、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側もしくは下層側のいずれか一方側において異なる金属配線層を用いて、上下方向に重なり合うようにレイアウトされる。
【0109】
このような構成とすれば、電源電圧配線PLおよび接地配線GLからメモリアレイ2までのそれぞれの距離の差を、より小さくすることができる。これにより、メモリアレイにおける、電源配線からの磁気ノイズ同士の打消し合い効果が、さらに大きなものとなる。これにより、図5に示した配置例と比較して、動作マージンの確保や誤動作の防止をさらに効果的に実行することができる。
【0110】
[実施の形態1の変形例1]
実施の形態1の変形例1においては、メモリアレイが複数のメモリブロックに分割され、これらのメモリブロックに対応して周辺回路が配置される場合における、電源配線の配置について説明する。
【0111】
図7および図8は、実施の形態1の変形例1に従う、周辺回路用の電源配線の第1および第2の配置例をそれぞれ示すブロック図である。
【0112】
図7を参照して、図1に示したメモリアレイ2は、たとえば2つのメモリブロックMBaおよびMBbに分割される。実施の形態1の変形例1に従う第1の配置例においては、メモリブロックMBaおよびMBbの境界部に、これらのメモリブロック間で共有される周辺回路5が配置される。周辺回路5に対する電源電圧Vccおよび接地電圧GNDの供給は、実施の形態1と同様に、電源電圧配線PLおよび接地配線GLによって行なわれる。さらに、電源電圧配線PLの両端にそれぞれ対応して電源ノード7aおよび7bを設け、接地配線GLの両端にそれぞれ対応して接地ノード8aおよび8bが設けられる。電源電圧配線PLおよび接地配線GLの具体的な配置は、図5および図6に示したのと同様とすればよい。
【0113】
このような構成とすることにより、周辺回路5内の各回路部分に電源電圧Vccおよび接地電圧GNDを供給する、電源電圧配線PLおよび接地配線GL上の電流経路において、これらの電流経路を通過する電流によってメモリブロックにそれぞれ生じる磁界は、互いに打消し合う方向に作用する。これにより、複数のメモリブロックに分割されたメモリアレイ2に周辺回路を配置する場合においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0114】
図8を参照して、実施の形態1の変形例1に従う第2の配置例においては、各メモリブロックごとに周辺回路が配置される場合の構成が示される。一例として、メモリブロックMBaおよびMBbにそれぞれ対応して、周辺回路5および5♯が設けられるものとする。
【0115】
周辺回路5に対する電源電圧Vccおよび接地電圧GNDの供給は、電源電圧配線PLaおよび接地配線GLaによって行なわれる。同様に、周辺回路5♯に対する電源電圧Vccおよび接地電圧GNDの供給は、電源電圧配線PLbおよび接地配線GLbによって行われる。
【0116】
電源電圧配線PLa,PLbおよび接地配線GLa,GLbの各々は、同一方向に沿って配置される。さらに、電源電圧配線PLaおよびPLbに電源電圧Vccをそれぞれ供給するための電源ノード7aおよび7bは、これらの電源配線が配置される方向に沿って、メモリブロック(メモリアレイ)を挟んで互いに反対側に位置するように配置される。同様に、接地配線GLaおよびGLbに接地電圧GNDをそれぞれ供給するための接地ノード8aおよび8bについても、電源ノード7aおよび7bと同様に、メモリブロック(メモリアレイ)を挟んで互いに反対側の領域に配置される。
【0117】
さらに、同一の周辺回路に対応する電源ノードおよび接地ノードは、メモリブロック(メモリアレイ)を挟んで互いに反対側の領域に配置される。これにより、周辺回路5に対応して設けられる電源電圧配線PLaおよび接地配線GLaにおいて、電流は互いに同一方向に流される。同様に、周辺回路5♯に対応する電源電圧配線PLbおよび接地配線GLbにおいても、電流は互いに同一方向に流される。さらに、電源電圧配線PLaおよびPLbをそれぞれ流れる電流は互いに反対方向に設定され、接地配線GLaおよびGLbをそれぞれ流れる電流も、互いに反対方向に設定される。
【0118】
電源電圧配線PLa,PLbおよび接地配線GLa,GLbは、図5または図6に示したのと同様に、トンネル磁気抵抗素子TMRよりも上層側および下層側のいずれか一方側の金属配線層を用いて配置すればよい。
【0119】
このような構成とすることにより、複数のメモリブロックに分割されたメモリアレイにおいて、各メモリブロックごとに周辺回路を配する構成においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0120】
[実施の形態1の変形例2]
実施の形態1およびその変形例1においては、周辺回路の電源配線がメモリアレイの周辺部(近傍)に配置される場合の構成について説明した。しかし、MRAMデバイスをより高集積化するために、メモリアレイの上部領域または下部領域を通過させて、これらの電源配線を配置するケースも生じる。
【0121】
図9は、周辺回路に対する電源配線の実施の形態1の変形例2に従う第1の配置例を説明するブロック図である。
【0122】
図9を参照して、実施の形態1の変形例2に従う第1の配置例においては、周辺回路5に対して電源電圧Vccおよび接地電圧GNDを供給するための電源電圧配線PLおよび接地配線GLは、メモリアレイ2の上部領域および下部領域の少なくとも一方を通過するように、メモリアレイ2を横断するように配置される。
【0123】
電源ノード7および接地ノード8と周辺回路5とは、電源配線が配置される方向に沿って、メモリアレイ2を挟んで互いに反対側の領域に位置するように配置される。これにより、電源電圧配線PLおよび接地配線GLをそれぞれ流れる電流の向きは、互いに反対方向に設定される。
【0124】
図10は、実施の形態1の変形例2に従う電源配線の第1の配置例を示すための断面図である。図10(a)〜(c)は、図9におけるP−Q断面図に相当する。
【0125】
図10(a)に示される配置例においては、電源電圧配線PLおよび接地配線GLは、図5に示した配置例と同様に、トンネル磁気抵抗素子TMRよりも上層側および下層側のいずれか一方側の金属配線層を用いて配置される。図10(a)においては、電源電圧配線PLおよび接地配線GLをトンネル磁気抵抗素子TMRより上層側に配置する例を示したが、これらの電源配線の両方を、TMRよりも下層側に配置する構成としてもよい。さらに、これらの電源配線を同一金属配線層に形成することによって、MRAMデバイスの形成に必要な金属配線数を削減することができる。
【0126】
このような構成とすることにより、電源配線がメモリアレイ2の上部領域または下部領域を横断するように配置される構成においても、電源配線からの磁気ノイズによる動作マージンの低下やデータ誤書込の発生を回避することができる。
【0127】
図10(b)に示される別の配置例においては、図6に示される配置例と同様に、電源電圧配線PLおよび接地配線GLは、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側もしくは下層側のいずれか一方側において、異なる金属配線層を用いて上下方向に重なり合うようにレイアウトされる。
【0128】
このように配置しても、図10(a)と同様に、電源配線からの磁気ノイズによる悪影響を回避することができる。なお、図10(b)の構成においても、電源電圧配線PLおよび接地配線GLの両方をトンネル磁気抵抗素子TMRの下層側に配置してもよい。
【0129】
ただし、図10(c)に示されるように、互いに逆方向の電流が流される電源電圧配線PLおよび接地配線GLをトンネル磁気抵抗素子を挟んで、上層側および下層側の一方ずつに配置する構成とすれば、これらの電源配線によって生じる磁気ノイズが、トンネル磁気抵抗素子の配置領域(メモリアレイ)において、互いに強め合うようになってしまう。したがって、電源電圧配線PLおよび接地配線GLにそれぞれ逆方向の電流が流れる配置である場合には、これらの電源配線を、トンネル磁気抵抗素子の上層側あるいは下層側のいずれか一方側にまとめて配置する必要があることがわかる。
【0130】
図11は、周辺回路に対する電源配線の実施の形態1の変形例2に従う第2の配置例を説明するブロック図である。
【0131】
図11を図9と比較して、実施の形態1の変形例2に従う第2の配置例においては、周辺回路5に対して電源電圧Vccおよび接地電圧GNDを供給するための電源電圧配線および接地配線の各々は、複数本ずつ配置される。図11には、2本ずつの電源電圧配線PL1,PL2および接地配線GL1,GL2が配置される例が代表的に示される。電源電圧配線PL1,PL2の各々における電流方向は同一である。同様に、接地配線GL1,GL2の各々における電流方向も同一である。このような配置とすることにより、各配線の電流密度を低減して、エレクトロマイグレーション等による断線の危険性を抑制できる。
【0132】
図12は、実施の形態1の変形例2に従う電源配線の第2の配置例を示すための断面図である。図12(a)〜(c)は、図11におけるV−W断面図に相当する。
【0133】
図12(a)に示される配置例においては、電源電圧配線PL1,PL2および接地配線GL1,GL2は、図10(a)に示した配置例と同様に、トンネル磁気抵抗素子TMRよりも上層側および下層側のいずれか一方側の金属配線層を用いて配置される。図12(a)の配置例においても、これらの電源配線群をTMRよりも下層側に配置する構成としてもよい。さらに、これらの電源配線を同一金属配線層に形成することによって、MRAMデバイスの形成に必要な金属配線数を削減することができる。
【0134】
図12(b)に示される配置例においては、図10(b)に示した配置例と同様に、電源電圧配線PL1,PL2および接地配線GL1,GL2は、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側もしくは下層側のいずれか一方側において、異なる金属配線層を用いて上下方向に重なり合うようにレイアウトされる。なお、図12(b)の配置例においても、これらの電源配線群をTMRよりも下層側に配置する構成としてもよい。
【0135】
図12(c)に示される配置例においては、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側および下層側の両方を用いて、電源配線群が配置される。たとえば、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側の同一金属配線層を用いて、電源電圧配線PL1および接地配線GL1が配置され、トンネル磁気抵抗素子TMRの下層側に形成された金属配線層を用いて、電源電圧配線PL2および接地配線GL2が配置される。
【0136】
さらに、トンネル磁気抵抗素子の上層側と下層側との間においては、同一方向に電流が流される配線同士が、対を成して上下方向に重なるように配置される。
好ましくは、対を成す配線同士は、トンネル磁気抵抗素子TMRを挟んで上下対称に配置される。たとえば、電源電圧配線PL1は、同一方向に電流が流れる電源電圧配線PL2と対を成すように、トンネル磁気抵抗素子TMRを挟んで上下対称に配置される。同様に、接地配線GL1は、接地配線GL2と対を成すように、トンネル磁気抵抗素子TMRを挟んで上下対称に配置される。
【0137】
このような構成とすることにより、各電源配線からの磁気ノイズは、トンネル磁気抵抗素子TMRにおいて互いに打ち消し合う方向に作用する。したがって、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側および下層側の両方の金属配線層を用いて、電源配線からの磁気ノイズの悪影響を抑制可能な電源配線の配置を実現することができる。
【0138】
[実施の形態1の変形例3]
実施の形態1の変形例3においては、メモリアレイを挟んで両側に周辺回路が配置される構成における電源配線の配置について説明する。
【0139】
図13は、実施の形態1の変形例3に従う、電源配線の配置を説明するブロック図である。
【0140】
図13を参照して、実施の形態1の変形例3においては、メモリアレイ2を挟んで互いに反対側の領域に配置される周辺回路5aおよび5bに対して、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDを供給するための電源配線群が示される。
【0141】
周辺回路5aに対しては、電源電圧配線PLaおよび接地配線GLaによって、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDが供給される。周辺回路5bに対しては、電源電圧配線PLbおよび接地配線GLbによって、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDがそれぞれ供給される。さらに、図9に示した構成と同様に、同一の周辺回路に電源供給を実行するための電源電圧配線および接地配線には、互いに反対方向に電流が流される。
【0142】
たとえば、周辺回路5aに対応する電源ノード7aおよび接地ノード8aは、メモリアレイ2を挟んで周辺回路5aと反対側の領域に配置される。電源電圧配線PLaは、電源ノード7aと周辺回路5aとの間に設けられ、接地配線GLaは、接地ノード8aと周辺回路5aとの間に設けられる。
【0143】
同様に、周辺回路5bに対応する電源ノード7bおよび接地ノード8bは、メモリアレイ2を挟んで周辺回路5bと反対側の領域に配置される。電源電圧配線PLbは、電源ノード7bと周辺回路5bとの間に設けられ、接地配線GLbは、接地ノード8bと周辺回路5bとの間に設けられる。
【0144】
したがって、電源電圧配線PLaおよびPLbをそれぞれ流れる電流は互いに反対方向に設定され、接地配線GLaおよびGLbをそれぞれ流れる電流も、互いに反対方向に設定される。
【0145】
図14は、実施の形態1の変形例3に従う電源配線の配置を説明するための断面図である。図14(a)〜(c)は、図13におけるR−S断面図に相当する。
【0146】
図14(a)を参照して、第1の配置例においては、電源電圧配線PLa,PLbおよび接地配線GLa,GLbは、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側および下層側のいずれか一方側の金属配線層を用いて配置される。さらに、互いに反対方向の電流が流される電源電圧配線PLaおよびPLbは、互いに近接して配置される。同様に、接地配線GLaおよびGLbも、互いに近接して配置される。
【0147】
このような構成とすることにより、トンネル磁気抵抗素子TMRの配置領域であるメモリアレイにおいて、電源配線からの磁気ノイズの影響を抑制することが可能となる。なお、図14(a)においては、電源配線群がトンネル磁気抵抗素子TMRより上層側に配置する例を示したが、これらの電源配線群を、TMRよりも下層側に配置する構成としてもよい。さらに、電源配線群を同一金属配線層に形成すれば、MRAMデバイスの形成に必要な金属配線数を削減することができる。
【0148】
図14(b)を参照して、第2の配置例においては、電源電圧配線PLaおよびPLbは、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側および下層側のいずれか一方側において、近接する異なる金属配線層を用いて、上下方向に重なるように配置される。同様に、接地配線GLaおよびGLbも、異なる金属配線層を用いて、上下方向に重なるように互いに近接して配置される。
【0149】
さらに、同一の金属配線層に設けられる電源配線同士は、互いに逆方向の電流が流れるように配置される。すなわち、電源電圧配線PLaと同一の金属配線層に接地配線GLaが配置され、電源電圧配線PLbと同一の金属配線層には、接地配線GLbが形成される。
【0150】
このような構成とすることにより、図14(a)に示す構成と同様に、トンネル磁気抵抗素子TMRが配置される領域(メモリアレイ)において、電源配線からの磁気ノイズの悪影響を抑制することができる。
【0151】
なお、図14(b)においては、トンネル磁気抵抗素子TMRより上層側に電源配線群が配置される例を示したが、これらの電源配線群を、トンネル磁気抵抗素子TMRの下層側に形成された金属配線層を用いて形成することも可能である。
【0152】
図14(c)を参照して、第3の配置例においては、図12(c)の配置例と同様に、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側および下層側の両方を用いて、電源配線群が配置される。たとえば、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側の同一金属配線層を用いて、電源電圧配線PLaおよびPLbが配置され、トンネル磁気抵抗素子TMRの下層側に形成された金属配線層を用いて、接地配線GLbおよびGLaが配置される。
【0153】
さらに、同一方向に電流が流される配線同士が、トンネル磁気抵抗素子TMRを挟んで、上層側および下層側のそれぞれにおいて、対を成して上下対称に配置される。たとえば、電源電圧配線PLaは、同一方向に電流が流れる接地配線GLbと、対を成すように、トンネル磁気抵抗素子TMRを挟んで上下対称に配置される。同様に、電源電圧配線PLbは、接地配線GLaと対を成すように、トンネル磁気抵抗素子TMRを挟んで上下対称に配置される。
【0154】
このような構成とすることにより、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側および下層側の両方の金属配線層を用いて、電源配線からの磁気ノイズの悪影響を抑制可能な電源配線の配置を実現することができる。
【0155】
なお、図に示した電源電圧配線PLa,PLbおよび接地配線GLa,GLbを流れる電流の向きは、図13と同様である。したがって、図に示された実施の形態1の変形例1の第2の配置例に従う電源配線群を、図14(a)〜(c)と同様の構造で、メモリアレイ2の近傍に設けることも可能である。
【0156】
[実施の形態2]
従来の技術の項で説明したように、MRAMデバイスにおいては、選択メモリセルへのデータ書込時に、選択メモリセルと同一のメモリセル行に属する非選択メモリセルに対しては、磁化困難軸(HA)方向のみについて、所定のデータ書込磁界が印加される。同様に、選択メモリセルと同一のメモリセル列に属する非選択メモリセルに対しては、磁化容易軸(EA)の一方のみについて、所定のデータ書込磁界が印加される。
【0157】
各トンネル磁気抵抗素子TMRにおいては、自由磁化層VLが磁化容易軸(EA)方向に沿って、記憶データのレベル(“1”または“0”)に応じた方向に磁化されているので、自由磁化層VLの磁化方向が誤って書換えられる、すなわちデータ誤書込が最も生じやすい非選択メモリセルは、選択メモリセルと同一のビット線に対応付けられるメモリセル群であることになる。
【0158】
すなわち、選択列に属する非選択メモリセル群に磁気ノイズが印加されて、磁化困難軸(HA)方向の磁界強度が、図42に示したスイッチング磁界強度HSWを超えてしまうと、データ誤書込が発生する。したがって、メモリアレイ2においては、磁化困難軸(HA)方向の磁気ノイズを特に抑制する必要がある。
【0159】
また、データ読出時等において、電源配線等からの磁気ノイズによって、MTJメモリセルにおいて自由磁化層VLの磁化方向が回転して磁化容易軸(EA)方向からずれてしまうと、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値が、R1およびR0の中間値となってしまい、データ読出マージンの低下を招いてしまう。
【0160】
図15は、電源配線の実施の形態2に従う第1の配置例を示すブロック図である。
【0161】
図15を参照して、メモリアレイ2上において、ライトワード線WWLは行方向に沿って配置され、ビット線BLは列方向に沿って配置される。ライトワード線WWLを流れるデータ書込電流Ipによって生じるデータ書込磁界は、トンネル磁気抵抗素子TMRにおいて磁化困難軸(HA)方向に印加される。一方、ビット線BLを流れるデータ書込電流±Iwによって生じる磁界は、トンネル磁気抵抗素子TMRにおいて、磁化容易軸(EA)方向に印加される。
【0162】
メモリアレイ2に対応して設けられる周辺回路5に対しては、磁化容易軸(EA)方向のデータ書込磁界を発生するためのビット線BLと同一方向に沿って、電源電圧配線PLおよび接地配線GLが配置される。電源電圧配線PLに対しては電源ノード7を介して電源電圧Vccが供給され、接地配線GLに対しては、接地ノード8を介して接地電圧GNDが供給される。
【0163】
このような構成とすることにより、電源電圧配線PLおよび接地配線GLを流れる電流によって生じる磁界、すなわち電源配線からの磁気ノイズを、メモリアレイ2において、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁界容易軸(EA)方向に作用させることができる。
【0164】
このような構成とすることにより、選択列に属する非選択メモリセル群に対して、磁化困難軸(HA)方向の磁気ノイズを抑制することによって、データ書込時における電源配線からの磁気ノイズに起因する誤書込の発生を防止できる。
【0165】
また、データ書込時以外においても、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層VLの磁化方向が回転するような磁気ノイズが作用することが防止できるので、電源配線からの磁気ノイズに起因するデータ読出マージンの低下を回避することができる。
【0166】
さらに、実施の形態2と実施の形態1およびその変形例に示した構成とを組合せて、電源電圧配線PLおよび接地配線GLからそれぞれ生じる磁気ノイズがメモリアレイ2において互いに打ち消し合うようにこれらの電源配線を配置すれば、メモリアレイにおいて電源配線からの磁気ノイズの影響をさらに抑制することが可能となる。
【0167】
図16は、電源配線の実施の形態2に従う第2の配置例を示すブロック図である。
【0168】
図16を参照して、メモリアレイ2の上部または下部領域を通過させて、メモリアレイ2を横断するように電源配線が配置される構成においても、図15と同様の構成が適用できる。
【0169】
すなわち、このような配置例においても、電源電圧配線PLおよび接地配線GLを流れる電流によって生じる磁界の方向を、メモリアレイ2において、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁界容易軸(EA)方向に作用させることによって、図15で説明したのと同様の効果を共有することができる。
【0170】
[実施の形態2の変形例]
図17は、電源配線の実施の形態2の変形例に従う第1の配置例を示すブロック図である。
【0171】
図17を参照して、実施の形態2の変形例に従う構成においては、図15で説明した実施の形態2に従う構成に加えて、電源配線からの磁気ノイズの影響が、メモリアレイ2において所定強度以下となるように考慮した配置が行なわれる。
【0172】
図17を参照して、電源電圧配線PLから最も近接したMTJメモリセル中のトンネル磁気抵抗素子TMRまでの距離rは、電源配線を流れるピーク電流を考慮して定められる。このようなピーク電流は、たとえば設計時の回路シミュレーションによって求めることができる。
【0173】
すなわち、電源電圧配線PLを流れるピーク電流をIpeakとすると、ピーク電流に対応する磁気ノイズのピーク強度Hpeakは、下式(1)で示される。なお、(1)式において、kは比例定数である。
【0174】
Hpeak=k・(Ipeak/r) …(1)
距離rは、(1)に示したHpeakが、MTJメモリセルの磁化特性を考慮して決定された所定強度hpよりも小さくなるように、下記(2)式に従って設計される。
【0175】
Hpeak<hp …(2)
(2)式中の所定強度hpは、図42に示されたマージン分の磁界強度Δhに相当する。一般的には、マージン分の磁界強度Δhは、スイッチング磁界強度HSWの20%程度に設定される。このように設計することによって、電源配線によって生じる磁気ノイズによってMRAMの動作安定性が阻害されることを回避できる。
【0176】
なお、図17で示した構成は、電源配線(電源電圧配線および接地配線)の各々について適用される。すなわち、接地配線GLの配置についても、接地配線GLに最も近接したMTJメモリセル中のトンネル磁気抵抗素子TMRまでの距離が同様に設計される。
【0177】
図18は、電源配線の実施の形態2の変形例に従う第2の配置例を示すブロック図である。
【0178】
図18を参照して、メモリアレイ2の上部または下部領域を通過させて、メモリアレイ2を横断するように電源配線が配置される構成においても、図17と同様の構成が適用できる。
【0179】
この場合においても、各電源配線と最も近接するトンネル磁気抵抗素子TMRとの距離rに着目して、上記(1)および(2)式に従って、各電源配線の配置レイアウトを設計すればよい。また、実施の形態2の変形例と実施の形態1およびその変形例に示した構成とを組合せれば、メモリアレイにおいて電源配線からの磁気ノイズの影響をさらに抑制することが可能となる。
【0180】
なお、図17および図18には、電源配線からの磁気ノイズがトンネル磁気抵抗素子TMRの磁界容易軸(EA)方向に作用するように、電源配線が配置される構成について説明したが、実施の形態2の変形例の適用はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、各電源配線の配置レイアウトは、電源配線が配置される方向に関らず、最も近接するトンネル磁気抵抗素子TMRとの距離に着目して設計することができる。
【0181】
[実施の形態3]
実施の形態2でも述べたように、電源配線からの磁気ノイズは、ピーク電流が流れる場合に最も大きくなる。一般的に、電源配線に対しては、電源変動を抑制するためにデカップル容量が配置される。電源配線を流れる、ピーク電流のような高周波電流は、このデカップル容量を通過する。デカップル容量は、ある程度のキャパシタンスを持たせる必要があることから、比較的広い面積を占有する。
したがって、MRAMデバイスの小型化・高集積化の観点から、デカップル容量を効率的に配置することは重要である。
【0182】
図19および図20は、実施の形態3に従うデカップル容量の第1および第2の配置例をそれぞれ説明するブロック図である。
【0183】
図19を参照して、電源電圧配線PLは、たとえば列方向に沿って配置されて、電源ノード7に入力された電源電圧Vccを周辺回路5へ伝達する。電源ノード7および周辺回路5は、電源電圧配線PLが配置される方向に沿って、メモリアレイ2を挟んで互いに反対側の領域に配置される。接地ノード8および接地配線GLは、周辺回路5と同一側の領域に配置される。したがって、電源電圧配線PLは、電源ノード7およびメモリアレイ2の間の領域と、メモリアレイ2の近傍を通過する領域と、メモリアレイ2および周辺回路5の間の領域との両方にわたって配置される。
【0184】
デカップル容量70は、メモリアレイ2の近傍を通過する領域を避けて、メモリアレイ2と周辺回路5との間の領域において、電源電圧配線PLと接地配線GLとの間に電気的に結合される。周辺回路5での消費電流に応答して電源電圧配線PLに生じるピーク電流は、デカップル容量70よりも先で発生するので、このようなピーク電流は、メモリアレイ2に近接した領域で流れることがなくなる。したがって、デカップル容量を効率的に配置して、メモリアレイ2における電源配線からの磁気ノイズの強度をさらに抑制することが可能となる。
【0185】
電源電圧配線PLは、列方向以外の方向に沿って配置することも可能であるが、列方向に沿ってビット線BLと同一方向に沿って配置すれば、実施の形態2と同様に電源配線を配置できるので、電源配線からの磁気ノイズの悪影響を抑制できる。
【0186】
図20を参照して、メモリアレイ2の上部または下部領域を通過させて、メモリアレイ2を横断するように電源配線が配置される構成においても、図19と同様の構成が適用できる。
【0187】
この場合においても、デカップル容量70は、メモリアレイ2に近接した領域を避けて、電源電圧配線PL上のメモリアレイ2および周辺回路5の間の領域において、接地配線GLとの間に電気的に結合される。このような構成とすることにより、電源配線がメモリアレイ2を横断するように配置される構成においても、図19の配置と同様の効果を得ることができる。
【0188】
[実施の形態3の変形例1]
図21および図22は、実施の形態3の変形例1に従うデカップル容量の第1および第2の配置例を示すブロック図である。
【0189】
図21を参照して、周辺回路5、電源ノード7、電源電圧配線PL、接地配線GLおよび接地ノード8の配置は、図19と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
【0190】
実施の形態3の変形例1に従う構成においては、デカップル容量71は、電源電圧配線PL上において、電源ノード7およびメモリアレイ2の間の領域に対応して設けられ、電源電圧配線PLと接地電圧GNDとの間に電気的に結合される。このような構成とすることにより、周辺回路5の消費電流によって生じるピーク電流は、電源電圧配線PL上のメモリアレイ2に近接した領域を流れることなく、デカップル容量71によって除去される。したがって、実施の形態3と同様に、電源配線からの磁気ノイズによるメモリアレイ2に対する悪影響をさらに抑制することが可能となる。
【0191】
図22を参照して、メモリアレイ2の上部または下部領域を通過させて、メモリアレイ2を横断するように電源配線が配置される構成においても、図21と同様の構成が適用できる。
【0192】
この場合においても、デカップル容量71は、メモリアレイ2に近接した領域を避けて、電源電圧配線PL上の電源ノード7およびメモリアレイ2の間の領域に対応して設けられる。このような構成とすることにより、電源配線がメモリアレイ2を横断するように配置される構成においても、図21の配置と同様の効果を得ることができる。
【0193】
[実施の形態3の変形例2]
図23および図24は、実施の形態3の変形例2に従うデカップル容量の第1および第2の配置例を示すブロック図である。
【0194】
図23を参照して、実施の形態3の変形例2においては、MRAMデバイスのレイアウト設計に比較的余裕がある場合に対応して、実施の形態3およびその変形例1を組合せたデカップル容量の配置が示される。すなわち、図23に示される配置例においては、図19および図21にそれぞれ示されたデカップル容量70および71の両方が配置される。このような構成とすることにより、電源電圧配線PLからメモリアレイ2に作用する磁界ノイズの強度をさらに抑制することが可能である。
【0195】
同様に、図24に示される配置例においては、メモリアレイ2の上部または下部領域を通過させて、メモリアレイ2を横断するように電源配線が配置される構成において、図20および図22にそれぞれ示されたデカップル容量70および71の両方が配置される。このような構成とすることにより、メモリアレイ2に作用する電源配線からの磁界ノイズの強度をさらに抑制することが可能である。
【0196】
なお、実施の形態3およびその変形例1および2に従うデカップル容量の配置は、実施の形態1および2、ならびにそれらの変形例に従って配置された電源配線に対して適用することが可能である。この場合には、それぞれの実施の形態で説明した効果を合わせて享受できるので、電源配線からの磁気ノイズがMTJメモリセルに対して及ぼす悪影響をより強力に排除して、MRAMデバイスを安定的に動作させることができる。
【0197】
[実施の形態4]
図25は、実施の形態4に従うメモリアレイ周辺の構成を示す概念図である。
【0198】
図25を参照して、実施の形態4に従う構成においては、複数のメモリセルMCが行列に配置されたメモリアレイ2の端部の周辺領域110を用いて、複数のダミー磁気抵抗素子DTMRが配置される。各ダミー磁気抵抗素子DTMRは、メモリセル行およびメモリセル列の少なくとも一方に沿って、行状または列状に配置される。
【0199】
各ダミー磁気抵抗素子DTMRは、メモリセルMC中のトンネル磁気抵抗素子TMRと同様の形状および構造を有する。すなわち、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびダミー磁気抵抗素子DTMRの各々は、図40および図41に示した構造と同様に、固定された磁化方向を有する固定磁化層FLと、印加された磁界によって更新(書換)可能な磁化方向を有する自由磁化層VLと、固定磁化層FLの磁化方向を固定するための反強磁性体層AFLとを有する。
【0200】
既に説明したように、各メモリセルMCにおいて、固定磁化層FLの磁化方向11は固定され、自由磁化層VLの磁化方向12は、書込データに応じたデータ書込磁界によって書換えられる。これに対して、ダミー磁気抵抗素子DTMRにおいては、自由磁化層VLの磁化方向12dは、固定磁化層FLの磁化方向11dと同一方向に揃えられる。これらの磁化方向11dおよび12dは、これらのダミー磁気抵抗素子DTMRに最も近接して設けられる配線13によって生じる磁界を打消す方向に設定される。
【0201】
たとえば、この近接して設けられる配線13が、電源電圧配線PLや接地配線GL等の電源配線である場合には、これらの配線は一般的にチップの最上層部分に配置されるため、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびダミー磁気抵抗素子DTMRは、配線13よりも下層側に位置することになる。したがって、配線13からダミー磁気抵抗素子DTMRに作用する磁界は、図25中に点線で示す方向(図25での左方向)となるため、ダミー磁気抵抗素子DTMRにおける磁化方向11dおよび12dは、これと反対方向(図25での右方向)に設定されている。
【0202】
このような構成とすることにより、メモリアレイ2の周辺部に配置された電源配線等の配線13からのメモリアレイ2に配置されたメモリセルMCへの磁気ノイズを弱めることができる。これにより、各メモリセルMCの動作安定性が向上する。
【0203】
また、各メモリセルMCにおける固定磁化層の磁化方向1と、ダミー磁気抵抗素子DTMRにおける磁化方向11d(固定磁化層)および磁化方向12(自由磁化層)との各々が揃えられているので、メモリセルMCの固定磁化層FLを磁化するための工程において、ダミー磁気抵抗素子DTMRを同時に磁化することができる。すなわち、ダミー磁気抵抗素子DTMRを磁化する工程を、専用に設ける必要がない。
【0204】
また、メモリアレイ端部に配置されたダミー磁気抵抗素子DTMRによって、メモリアレイ端部における磁界の不連続性を避けることができ、メモリアレイ2端部領域に配置されたメモリセルMCの動作マージンを損なうことがない。また、ダミー磁気抵抗素子DTMRと、トンネル磁気抵抗素子TMRとが同様の形状および構造を有するので、専用の製造工程を設けることなく、これらのダミー磁気抵抗素子DTMRを製造できる。
【0205】
さらに、メモリアレイ2の端部での加工形状の不連続性を避けることができるので、当該端部においてトンネル磁気抵抗素子TMRの形状が不均一化することを防止できる。同様に、配線群についても加工形状の連続性を確保するために、選択的なデータ書込を実行する必要のないダミー磁気抵抗素子に対しても、ライトワード線WWLに相当するダミーライトワード線DWWLと、ビット線BLに相当するダミービット線DBLとがそれぞれ配置される。
【0206】
[実施の形態4の変形例]
図26は、実施の形態4の変形例に従うメモリアレイ周辺の構成を示す概念図である。
【0207】
図26を参照して、実施の形態4の変形例に従う構成においては、メモリアレイ2端部の周辺領域110において、ダミー磁気抵抗素子DTMRに代えて、ダミー磁性体26が配置される点で異なる。ダミー磁性体26は、固定された磁化方向を有する磁性体を含むが、当該磁性体は、各メモリセルMC中のトンネル磁気抵抗素子TMRと同様の形状および構造を有していない。たとえば、ダミー磁性体26は、トンネル磁気抵抗素子TMR中の反強磁性体層AFLに相当する磁性体によって形成することが可能である。このように、トンネル磁気抵抗素子TMRと異なる形状および構造のダミー磁性体26を周辺領域に配置した場合においても、実施の形態4と同様に、メモリアレイ2の周辺部に配置された電源配線等の配線13からのメモリアレイ2に配置されたメモリセルMCへの磁気ノイズを弱めることができる。これにより、各メモリセルMCの動作安定性が向上する。
【0208】
[実施の形態5]
図27は、実施の形態5に従うメモリアレイ周辺の構成を示す概念図である。
【0209】
図27を参照して、実施の形態5に従う構成においては、メモリアレイ2の外部領域において、インダクタンス素子を構成するための配線130が配置される。配線130は、たとえば周辺回路5部分に設けられる。また、メモリアレイ2端部の周辺領域110に、実施の形態4またはその変形例と同様にダミー磁気抵抗素子DTMRもしくはダミー磁性体26を配置することによって、メモリアレイ2に配置されたメモリセルMCへの磁気ノイズを弱めることができる。配線130は、各メモリセルMC中のトンネル磁気抵抗素子TMRと同様の形状および構造を有する磁性体ITMRと電気的に結合されている。
【0210】
図28は、インダクタンス素子の構造を説明するための断面図である。図28には、メモリアレイ2におけるメモリセルMC部分に対応する断面図と、周辺回路5における配線130の断面図とが比較される。
【0211】
図28を参照して、メモリアレイ2においては、半導体基板SUB上にアクセストランジスタATRが形成される。アクセストランジスタATRは、n型領域であるソース/ドレイン領域32および34と、ゲート33とを有する。ソース/ドレイン領域32は、コンタクトホール35に形成される金属膜を介して、基準電圧配線SLと電気的に結合される。リードワード線RWLは、ゲート層において、ゲート33同士を接続する配線として設けられる。
【0212】
ライトワード線WWLは、基準電圧配線SLの上層に設けられた金属配線層に形成される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、ライトワード線WWLの上層側に配置されストラップ37およびコンタクトホール36に形成された金属膜を介して、アクセストランジスタATRのソース/ドレイン領域34と電気的に結合される。ストラップ37は、トンネル磁気抵抗素子TMRをアクセストランジスタATRと電気的に結合するために設けられ、導電性の物質で形成される。ビット線BLは、トンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合されて、トンネル磁気抵抗素子TMRの上層側に設けられる。
【0213】
これに対して、周辺回路5において、ビット線BLと同一配線層に形成された配線130は、コンタクトホール39に形成された金属膜を介して、磁性体ITMRと電気的に結合される。磁性体ITMRは、メモリアレイ2におけるトンネル磁気抵抗素子TMRと同一層に形成され、かつ同一の形状および構造を有するものとする。このため、これらの磁性体ITMRは、特別な製造工程を設けることなく、メモリセルMCの製造工程において同時に製造することが可能である。
【0214】
再び図27を参照して、配線130と接続された磁性体ITMRにおいて、固定磁化層の磁化方向11iと自由磁化層の磁化方向12iとは同一方向に揃っている。これらの磁化方向11iおよび12iを、トンネル磁気抵抗素子TMRにおける固定磁化層の磁化方向11と同一方向に揃えることにより、磁性体ITMRを磁化するための専用工程を設ける必要がなくなる。
【0215】
このように、配線130およびこれと結合された少なくとも1個の磁性体ITMRとによって構成されたインダクタンス素子31は、回路素子として、あるいは、動作電圧を供給するための電源配線に直列に接続して、電源投入時等に生じる突入電流等のピーク電流を抑制するために用いることができる。
【0216】
さらに、インダクタンス素子31を構成する配線130を流れる電流は、当該電流によって生じる磁界が磁性体ITMRの自由磁化層の磁化方向12iを書換るためのしきい値よりも小さくなるように設定しておけば、インダクタンス素子31のインダクタンス値を安定的に維持できる。
【0217】
[実施の形態6]
実施の形態6においては、電源配線およびデータ書込電流が流れる配線の好ましい配置関係について説明する。
【0218】
図29は、実施の形態6に従うビット線および電源配線の配置を示す概念図である。
【0219】
図29を参照して、メモリアレイ2に行列状に配置されたメモリセルMCに対して、メモリセル列にそれぞれ対応してビット線BLが配置され、メモリセル行にそれぞれ対応してライトワード線WWLが配置される。既に説明したように、ビット線BLには、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化容易軸方向に沿った磁界を発生するためのデータ書込電流が流され、ライトワード線WWLに対しては、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化困難軸方向に沿った磁界を発生するためのデータ書込電流が流される。すなわち、ビット線BLは、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化困難軸方向HAに沿って配置され、ライトワード線WWLはトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化容易軸方向EAに沿った方向に配置される。ビット線BLは、各メモリセル列において、複数に分割されて配置される。たとえば、第1番目のメモリセル列に対応して、ビット線BL11,BL21,BL31,…が分割して配置される。
【0220】
同一のメモリセル列に対応して設けられる複数のビット線に対応して、ビット線BLと平行に配置された1組の電源電圧配線PLおよび接地配線GLが設けられる。電源電圧配線PLおよび接地配線GLは、その長手方向に沿って隣接するビット線BL11,BL21,BL31,…によって共有される。電源電圧配線PLは、その一端側において、電源電圧Vccを供給する電源ノード7と電気的に結合され、接地配線GLは、その一端側において、接地電圧GNDを供給する接地ノード8と電気的に結合される。選択メモリセルへデータ書込磁界を印加するビット線BL、ビット線BLへデータ書込電流を供給するための電源電圧配線PLおよび接地配線GLよりも、トンネル磁気抵抗素子TMRに近接して配置されている。
【0221】
さらに、各ビット線BLの一端側および他端側にそれぞれ対応して、ビット線ドライバが配置される。たとえば、ビット線BL11の一端側および他端側にそれぞれ対応してビット線ドライバBDVa11およびBDVb11が配置され、ビット線BL21の一端側および他端側にそれぞれ対応してビット線ドライバBDVa21およびBDVb21が配置され、ビット線BL31の一端側および端側にそれぞれ対応して、ビット線ドライバBDVa31およびBDVb31が配置される。以下においては、ビット線BLの一端側に対応して設けられるビット線ドライバBDVa11,BDVa21,BDVa31,…をビット線ドライバBDVaとも総称し、ビット線BLの他端側にそれぞれ対応して設けられるビット線ドライバBDVb11,BDVb21,BDVb31,…をビット線ドライバBDVbとも総称する。
【0222】
図30は、図29に示されたビット線ドライバの構成を示す回路図である。
図30を参照して、ビット線ドライバBDVaは、ビット線BLの一端側に相当するノードNaおよび電源電圧配線PLの間に電気的に結合されるPチャネルMOSトランジスタ41と、ノードNaおよび接地配線GLの間に電気的に結合されるNチャネルMOSトランジスタ42と、対応する列選択線CSLおよび書込データDINのNAND論理演算結果を出力する論理ゲート44と、書込データDINおよび対応する列選択線の反転レベル/CSLのNOR論理演算結果を出力する論理ゲート46とを有する。論理ゲート44の出力はトランジスタ41のゲートへ入力され、論理ゲート46の出力はトランジスタ42のゲートへ入力される。列選択線CSLは、対応するメモリセル列が選択された場合にHレベルへ活性化され、それ以外の場合にLレベルへ非活性化される。
【0223】
ビット線ドライバBDVbは、ビット線BLの他端側に相当するノードNbおよび電源電圧配線PLの間に電気的に結合されるPチャネルMOSトランジスタ51と、ノードNbおよび接地配線GLの間に電気的に結合されるNチャネルMOSトランジスタ52と、対応する列選択線CSLおよび反転された書込データ/DINのNAND論理演算結果を出力する論理ゲート54と、反転された書込データ/DINおよび対応する列選択線の反転レベル/CSLのNOR論理演算結果を出力する論理ゲート56とを有する。論理ゲート54の出力はトランジスタ51のゲートへ入力され、論理ゲート56の出力はトランジスタ52のゲートへ入力される。
【0224】
したがって、選択列(列選択線CSL=Hレベル)においては、ビット線ドライバBDVaおよびBDVbが活性化される。書込データDINのレベルに応じて、活性化されたビット線ドライバBDVaは、電源電圧配線PLおよび接地配線GLの一方を選択的にノードNaと接続し、活性化されたビット線ドライバBDVbは、電源電圧配線PLおよび接地配線GLの他方を選択的にノードNbと接続する。
【0225】
一方、非選択列(列選択線CSL=Lレベル)においては、ビット線ドライバBDVaは非活性されて、ノードNaを電源電圧配線PLおよび接地配線GLのいずれとも接続せず、ビット線ドライバBDVbは非活性化されて、ノードNbを電源電圧配線PLおよび接地配線GLのいずれとも接続しない。
【0226】
再び図29を参照して、一例として、ビット線BL21に対応するメモリセルがデータ書込対象に選択され、データ書込電流の方向がビット線ドライバBDVa21からBDVb21へ向かう方向となる書込データが与えられた場合の動作について説明する。
【0227】
この場合には、ビット線ドライバBDVa21およびBDVb21が活性化され、その他のビット線ドライバは非活性化される。したがって、データ書込電流は、電源ノード7〜電源電圧配線PL(ビット線BL11対応領域)〜ビット線ドライバBDVa21〜ビット線BL21〜ビット線ドライバBDVb21〜接地配線GL(ビット線BL21対応領域およびビット線BL11領域)〜接地ノード8の経路を流れる。
【0228】
したがって、ビット線BL11対応領域において、電源電圧配線PLおよび接地配線GLのそれぞれにおける電流方向は互いに反対であるので、図10(a),(b)で説明したのと同様に、これらの配線からトンネル磁気抵抗素子TMRに対して発生する磁界は互いに打消し合う。すなわち、同じ組を成す電源電圧配線PLおよび接地配線GLは、図10(a)に示されるように同一配線層を用いて左右方向に並べて配置することも、図10(b)に示されるように異なる配線層を用いて上下方向に重なるように配置することも可能である。
【0229】
また、ビット線BL21を流れるデータ書込電流と、ビット線BL21対応領域における接地配線GLの通過電流とも、互いに反対方向であるので、非選択メモリセルに対して、両者からそれぞれ作用する磁界は互いに打ち消し合う。さらに、ビット線BL31以降の領域においては、ビット線BL,電源電圧配線PLおよび接地配線GLの両方に電流が流れないので、磁界ノイズは発生しない。
【0230】
このような構成とすることにより、選択列のビット線BLに供給されるデータ書込電流の電流経路に含まれる配線群からの非選択メモリセルへの磁界ノイズを軽減させて、MRAMデバイスの動作信頼性を向上させることができる。
【0231】
[実施の形態6の変形例1]
実施の形態6の変形例1においては、ビット線ドライバの構成を簡素化するための構成について説明する。
【0232】
図31は、実施の形態6の変形例1に従うビット線および電源配線の配置を示す概念図である。
【0233】
図31を参照して、実施の形態6の変形例1に従う構成においては、電源電圧配線PLおよび接地配線GLに代えて、書込電流配線WCLおよび/WCLが配置される。書込電流配線WCLに対応して、電源スイッチ回路100が配置され、書込電流配線/WCLに対応して電源スイッチ回路105が設けられる。電源スイッチ回路100は、書込データDINに応じて、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDの一方と書込電流配線WCLとを接続し、電源スイッチ回路105は、書込データの反転レベル/DINに応じて、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDの他方と書込制御配線/WCLとを接続する。したがって、書込電流配線WCLおよび/WCLは、書込データDINに応じて、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDの一方ずつと相補的に接続される。
【0234】
さらに、ビット線ドライバBDVa11〜BDVa31,…に代えてビット線ドライバBDVa′11〜BDVa′31,…が配置され、ビット線ドライバBDVb11〜BDVb31,…に代えてビット線ドライバBDVb′11〜BDVb′31,…がそれぞれ設けられる。以下においては、ビット線ドライバBDVa′11〜BDVa′31,…をビット線ドライバBDVa′とも総称し、ビット線ドライバBDVb′11〜BDVb′31,…をビット線ドライバBDVb′とも総称する。その他の部分の構成については、図29に示した実施の形態6に従う構成と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
【0235】
図32は、図31に示されたビット線ドライバの構成を示す回路図である。
図32を参照して、ビット線ドライバBDVa′は、書込電流配線WCLおよびノードNa(ビット線BLの一端側)の間に電気的に結合されたNチャネルMOSトランジスタ81を有する。ビット線ドライバBDVb′は、ノードNb(ビット線BLの他端側)および書込電流配線/WCLの間に電気的に結合されたNチャネルMOSトランジスタ82を有する。トランジスタ81および82の各ゲートは、対応する列選択線CSLと接続される。
【0236】
実施の形態6の変形例1に従う構成においては、電源スイッチ回路100および105によって、書込電流配線WCL,/WCLを電源電圧Vccおよび接地電圧GNDと選択的に接続できるため、ビット線ドライバBDVa′およびBDVb′において、書込データに応じた書込電流配線WCLおよび/WCLの間の選択を行なう必要がない。すなわち、各ビット線ドライバBDVa′,BDVb´において、書込電流配線WCLおよび/WCLのいすれかを固定的に選択できる。したがって、各ビット線ドライバを、トランジスタゲートのみで構成することができ、その構成を簡素化することができる。この結果、回路面積が小型化され、MRAMデバイスを搭載したチップの小型化を図ることができる。
【0237】
再び図31を参照して、ビット線BL21に対応するメモリセルがデータ書込対象に選択され、データ書込電流の方向がビット線ドライバBDVa21からBDVb21へ向かう方向となる書込データが与えられた場合において、書込電流配線WCL,/WCLおよび選択されたビット線BL21を流れる電流の方向は、図29での電源電圧配線PL,接地配線GLおよび選択されたビット線BL21のそれぞれと同様となる。また、書込データのレベルが反対である場合には、電源スイッチ回路100,105によって、書込電流配線WCL,/WCLと電源電圧Vcc,接地電圧GNDとの間の接続関係が入れ替えられるので、電源電圧配線PL,接地配線GLおよび選択されたビット線BL21のそれぞれに、上記とは逆方向に電流を流すことができる。
【0238】
したがって、実施の形態6の変形例1に従う構成においても、実施の形態6に従う構成と同様に、選択列のビット線BLに供給されるデータ書込電流の電流経路に含まれる配線群からの非選択メモリセルへの磁界ノイズを軽減させて、MRAMデバイスの動作信頼性を向上させることができる。
【0239】
[実施の形態6の変形例2]
実施の形態6の変形例2においては、実施の形態6に従う構成において、電源電圧配線PLおよび接地配線GLの両端を電源ノードおよび接地ノードとそれぞれ接続する構成について説明する。
【0240】
図33は、実施の形態6の変形例2に従うビット線および電源配線の配置を示す概念図である。
【0241】
図33を参照して、実施の形態6の変形例2に従う構成においては、電源電圧配線PLがその両端において電源電圧Vccを供給する電源ノード7aおよび7bとそれぞれ接続される点と、接地配線GLがその両端において接地電圧GNDを供給する接地ノード8aおよび8bとそれぞれ接続される点で、実施の形態6に従う構成と異なる。その他の部分の構成については、図29に示した実施の形態6に従う構成と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0242】
図33においても、ビット線BL21に対応するメモリセルがデータ書込対象に選択され、データ書込電流の方向がビット線ドライバBDVa21からBDVb21へ向かう方向となる書込データが与えられた場合の動作が代表的に示される。このような場合には、電源ノード7aから供給される電流I1および電源ノード7bから供給される電流I2の和である(I1+I2)が、ビット線BL21上をデータ書込電流として流れる。このように供給されたデータ書込電流(I1+I2)は、接地配線GL上において、接地ノード8aへの電流I1および接地ノード8bへの電流I2に分配される。
【0243】
したがって、ビット線BL11対応領域においては、電源電圧配線PLおよび接地配線GL上を、同一レベルの電流I1が互いに反対方向に流れる。さらに、ビット線BL31以降の対応領域においては、電源電圧配線PLおよび接地配線GL上を、同一レベル電流I2が互いに反対方向に流れる。したがって、電源電圧配線PLおよび接地配線GLのこれらの領域に対応する部分から発生される同程度の強度の磁界ノイズは、メモリセルMC部分において互いに打消し合う方向に作用する。
【0245】
[実施の形態6の変形例3]
実施の形態6の変形例3においては、実施の形態6の変形例1に示した、書込電流配線WCLおよび/WCLに対して、実施の形態6の変形例2に示した構成と同様に、その両端にそれぞれ対応して電源スイッチ回路を配置する構成について説明する。
【0246】
図34は、実施の形態6の変形例3に従うビット線および電源配線の配置を示す概念図である。
【0247】
図34を参照して、実施の形態6の変形例3に従う構成は、書込電流配線WCLの両端にそれぞれ対応して電源スイッチ回路100aおよび100bが配置され、書込電流配線/WCLの両端にそれぞれ対応して電源スイッチ回路105aおよび105bが配置される点で、図31に示した実施の形態6の変形例1に従う構成と異なる。電源スイッチ回路100aおよび100bの各々は、電源スイッチ回路100と同様に動作し、電源スイッチ回路105aおよび105bの各々は、電源スイッチ回路105と同様に動作する。したがって、書込電流配線WCLおよび/WCLは、図33に示されたその両端を電源電圧Vccと結合された電源電圧配線PLおよびその両端を接地電圧GNDと接続された接地配線GLの一方ずつと同等に作用する。
【0248】
したがって、実施の形態6の変形例3に従う構成においては、実施の形態6の変形例2と同様の効果に加えて、各ビット線ドライバBDVa′およびBDVb′の構成を簡素化して、チップ面積の小型化を図ることができる。
【0249】
[実施の形態6の変形例4]
実施の形態6の変形例4においては、1組の電源電圧配線PLおよび接地配線GLが、複数のメモリセル列に対応して配置される構成が示される。
【0250】
図35は、実施の形態6の変形例4に従うビット線および電源配線の配置を示す概念図である。
【0251】
図35を参照して、実施の形態6の変形例4に従う構成においては、1組の電源電圧配線PLおよび接地配線GLは、複数のメモリセル列ごとに配置される。
たとえば図35においては、2個のメモリセル列に対応して1組の電源電圧配線PLおよび接地配線GLが配置されている。図35に示された1組の電源電圧配線PLおよび接地配線GLに対応付けられるビット線BL11〜BL31…,BL12〜BL32…にそれぞれ対応するビット線ドライバBDVa11,BDVb11〜BDVa31,BDVb31…およびBDVa12,BDVb12〜BDVa32,BDVb32…の各々は、共通の電源電圧配線PLおよび接地配線GLからデータ書込電流の供給を受ける。すなわち、電源電圧配線PLおよび接地配線GLは、その長手方向に沿って隣接するビット線間のみならず、その幅方向に沿って隣接するビット線間で共有する構成とすることもできる。
【0252】
このような構成とすることにより、実施の形態6に従う構成と同様の磁気ノイズ軽減効果を享受した上で、電源電圧配線PLおよび接地配線GLの配置本数を削減できる。
【0253】
実施の形態6の変形例1から3にそれぞれ示した構成においても同様に、複数のメモリセル列ごとに1組の電源電圧配線PLおよび接地配線GLを配置することができる。また、このような構成において、各メモリセル列においてビット線BLを分割しない構成とすることも可能である。
【0254】
さらに、図29、図33、図3等に示した構成において、電源ノード7,7a,7bと電源電圧配線PLとの間に、一定電流を供給するための電流源回路を設け、電源電圧配線PLへの電源電圧Vccの供給が、当該電流源回路を介して実行される構成としてもよい。これにより、データ書込電流を所定レベルへ安定的に維持できる。
【0255】
また、実施の形態6およびその変形例においては、ビット線BLを流れるデータ書込電流を供給するための電源電圧配線PLおよび接地配線GLの配置を示したが、同様の構成をライトワード線WWLを流れるデータ書込電流を供給するための電源電圧配線PLおよび接地配線GLの配置へも同様に適用できる。ただし、ライトワード線WWL上のデータ書込電流は書込データレベルにかかわらず一定方向とすればよいので、たとえば、各ライトワード線の一端側は単に接地配線GLと接続するだけでよく、その他端側において、行選択結果に応じて電源電圧配線PLと当該他端とを接続するトランジスタスイッチを設ければよい。
【0256】
[実施の形態7]
実施の形態7においては、メモリアレイ2に対する電源配線の効果的な配置を説明する。
【0257】
図36は、実施の形態7に従う電源配線の第1の配置例を説明するブロック図である。
【0258】
図36を参照して、実施の形態7に従う構成においては、図1等に示された複数のメモリセルが配置されたメモリアレイは、バンクBAaおよびBAbに分割される。さらに、バンクBAaに対応する周辺回路5aおよびバンクBAbに対応する周辺回路5bとが配置される。バンクBAaおよびBAbは、選択的にデータ書込対象とされ、両者が同時にデータ書込対象となる可能性はないものとする。
【0259】
周辺回路5aに対して電源電圧Vccおよび接地電圧GNDをそれぞれ供給するための電源電圧配線PLaおよび接地配線GLaは、バンクBAbに対応する領域を用いて配置される。すなわち、電源ノード7aおよび接地ノード8aは、周辺回路5aから見てバンクBAb側に配置される。
【0260】
同様に、周辺回路5bに対して電源電圧Vccおよび接地電圧GNDをそれぞれ供給するための電源電圧配線PLbおよび接地配線GLbは、バンクBAaに対応する領域を用いて配置される。すなわち、電源ノード7bおよび接地ノード8bは、周辺回路5bから見てバンクBAa側に配置される。
【0261】
このような構成とすることにより、バンクBAaに対するデータ書込が実行されている期間中において、データ書込電流を供給するための電源電圧配線PLaおよび接地配線GLaから生じる磁気ノイズは、データ書込動作が非実行であるバンクBAbに対応する領域でのみ発生する。したがって、データ書込動作中のバンクBAaにおいて、データ書込マージンを低下させるような磁気ノイズが影響することがない。
【0262】
同様に、バンクBAbに対するデータ書込が実行されている期間中において、データ書込電流を供給するための電源電圧配線PLbおよび接地配線GLbから生じる磁気ノイズは、データ書込動作が非実行であるバンクBAaに対応する領域でのみ発生する。したがって、データ書込動作中のバンクBAbにおいて、データ書込マージンを低下させるような磁気ノイズが影響することがない。
【0263】
このような構成とすることにより、データ書込動作時における非選択メモリセルでの誤書込発生を防止して、MRAMデバイスの動作信頼性を向上できる。
【0264】
図37は、実施の形態7に従う電源配線の配置の第2の例を示すブロック図である。
【0265】
図37を参照して、周辺回路5aに対して動作電圧を供給するための電源電圧配線PLaおよび接地配線GLaは、バンクBAbの近傍領域に配置してもよい。同様に、周辺回路5bに対して動作電圧を供給するための電源電圧配線PLbおよび接地配線GLbをバンクBAaの近傍領域に配置してもよい。このような構成としても、図36に示した構成と同様に、データ書込動作における非選択メモリセルでの誤書込発生を防止して、MRAMデバイスの動作信頼性を向上できる。
【0266】
なお、図3および図3においては、メモリアレイが相補的にデータ書込対象となる2個のバンクに分割される場合を例示したが、本願発明の適用はこのような場合に限定されるものではない。すなわち、メモリアレイが3以上の任意の複数個に分割される構成においても、それぞれのバンクに対応する電源配線を、当該バンクおよび当該バンクと同時にデータ書込対象となる可能性のある他のバンクを除いた残りのバンクに対応する領域を用いて配置する構成とすれば、同様の効果を享受することができる。
【0267】
また、電源配線の配置は、図36および37での例示に限られず、実施の形態1から3およびそれらの変形例に従った配置とすることも可能である。
【0268】
[実施の形態8]
MRAMデバイスにおいては、各メモリセルへのデータ書込磁界を発生するための2種類の配線(本実施の形態におけるビット線BLおよびライトワード線WWL)を設ける必要がある。これらの2種類の配線には、データ書込時には必然的にデータ書込電流が流されるので、これらの2種類の配線から隣接する非選択メモリセルへ作用する磁気ノイズは、定常的なノイズとなる。したがって、これらの配線を除く他の配線を、上記定常的ノイズを考慮して配置すれば、非選択メモリセルにおけるデータ誤書込を有効に防止できる。
【0269】
図38は、非選択メモリセルに印加される定常的ノイズを説明する概念図である。
【0270】
図38を参照して、データ書込時には、書込データに応じて、選択メモリセルへ対して動作点120あるいは121に相当するデータ書込磁界が印加される。
動作点120,121は、図42で説明したアステロイド特性線の外側領域にマージンを有するように設計されている。
【0271】
一方、隣接行のライトワード線WWLおよび隣接列のビット線BLの両方にデータ書込電流が流され、すなわちデータ誤書込が最も懸念される非選択メモリセルに印加される定常的ノイズは、符号122で示される点に相当するものとする。符号122で示された点とアステロイド特性線との間の縦軸および横軸にそれぞれ沿った距離ΔMhおよびΔMeは、当該非選択メモリセルにおける、磁化困難軸方向および磁化容易軸方向に沿ったデータ誤書込の発生に対するマージン(以下、「残り磁界マージン」とも称する)を示している。
【0272】
すなわち、当該非選択メモリセルに対して、さらに、残り磁界マージンΔMhを超えて磁化困難軸方向の磁気ノイズが印加されれば、誤書込が発生してしまう。同様に、当該非選択メモリセルに対して、さらに、残り磁界マージンΔMeを超えて磁化容易軸方向の磁気ノイズが印加されれば、誤書込が発生してしまう。
両方向の磁気ノイズが重畳されて印加された場合には、それぞれが残り磁界マージンΔMe,ΔMhを超えていなくても誤書込が発生してしまうおそれがあるが、このようにして示された残り磁界マージンΔMeおよびΔMhは、各メモリセルMCが、磁化困難軸および磁化容易軸のいずれの方向に沿った磁気ノイズに対して相対的に弱いかを判断する尺度として用いることが可能である。
【0273】
したがって、各メモリセルへのデータ書込磁界を発生するためのビット線BLおよびライトワード線WWLを除く他の導電性の配線のうちのメモリセルMC(すなわちトンネル磁気抵抗素子TMR)との距離が最も短い配線(以下、「最近接配線」との称する)の配置方向を、当該最近接配線からの磁気ノイズの方向が残りマージンΔMe、ΔMhの大きい方と一致するように設ければ、非選択メモリセルにおけるデータ誤書込の発生を効果的に防止することができる。
【0274】
特に、トンネル磁気抵抗素子TMRの形状は、その磁化特性を安定させるために細長形状に設計されるので、磁化容易軸に沿った磁界を発生するためのビット線BLの配線ピッチと、磁化困難軸に沿った磁界を発生するためのライトワード線WWLの配線ピッチとの間には差異が生じる。すなわち、図38で示したような残り磁界マージンΔMh,ΔMeの大小は、これらの配線ピッチから推察することができる。具体的には、ビット線BLおよびライトワード線WWLの配線ピッチが小さい一方から生じる磁界の方向において、残り磁界マージンは小さいものと考えられる。したがって、最近接の配線の配置方向を、ビット線BLおよびライトワード線配線ピッチが大きい方と同一方向に沿って、すなわち平行に設計すればよい。
【0275】
一般的には、トンネル磁気抵抗素子TMRの長辺方向がその磁化容易軸方向と一致するように設計されるので、この場合には、磁化容易軸に沿った磁界を発生するためのビット線BLの配線ピッチは、磁化困難軸に沿った磁界を発生するためのライトワード線WWLの配線ピッチよりも大きくなる。したがって、最近接配線は、ビット線BLと平行に配置することが望ましい。あるいは、両者の配線ピッチの関係が逆転する場合には、最近接配線は、ライトワード線WWLと平行に配置することが望ましい。
【0276】
さらに、最近接の配線のみならず、電源配線等の比較的通過電流が大きい配線についても、その配置方向を同様に設計することが望ましい。
【0277】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0281】
【発明の効果】
請求項に記載の薄膜磁性体記憶装置は、電源配線からの磁気ノイズを、メモリアレイにおいて、磁気記憶部(トンネル磁気抵抗素子)の磁界容易軸方向に作用させることができる。したがって、選択列に属する非選択メモリセル群に対する磁化困難軸方向の磁気ノイズを抑制して、データ書込時における電源配線からの磁気ノイズに起因する誤書込の発生を防止できる。さらに、データ書込時以外においても、磁気記憶部(トンネル磁気抵抗素子)に記憶された磁化方向が回転するような磁気ノイズがメモリセルに印加されることを防止できるので、電源配線からの磁気ノイズに起因するデータ読出マージンの低下を回避することができる。
【0282】
請求項に記載の薄膜磁性体記憶装置は、第1および第2の電源配線の発生する磁界がメモリアレイにおいて互いに打ち消し合うので、請求項に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、電源配線からの磁気ノイズによるデータ誤書込および動作マージンの低下を防止して、より安定的に動作することができる。
【0283】
請求項に記載の薄膜磁性体記憶装置は、請求項に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、磁化困難軸方向に沿ったデータ書込磁界を発生させるための配線の配置ピッチが、磁化容易軸方向に沿ったデータ書込磁界を発生させるための配線の配置ピッチよりも狭い構成において、磁気ノイズによるデータ誤書込を効果的に防止することができる。
【0286】
請求項4に記載の薄膜磁性体記憶装置は、メモリアレイ端部に配置されたダミー磁性体
によって、メモリアレイ端部における磁界の不連続性を避けることができるので、メモリアレイ端部領域に配置されたメモリセルの動作マージンを損なうことがない。さらに、磁気ノイズを弱めることができるので、動作安定性がさらに向上する。
【0287】
請求項5に記載の薄膜磁性体記憶装置は、メモリアレイ周辺部に配置された配線からのメモリセルへの磁気ノイズを弱めることができる。これにより、請求項4に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、動作安定性がさらに向上する。
【0288】
請求項に記載の薄膜磁性体記憶装置は、ダミー磁性体の形状および構造が各メモリセルと同様であるので、請求項4に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、専用の製造工程を設けることなくダミー磁性体を製造できる。また、メモリアレイ端部での加工形状の不連続性を避けることができるので、当該端部においてメモリセルの形状が不均一化することを防止できる。さらに、ダミー磁性体を磁化する工程を専用に設ける必要がない。
【0289】
請求項に記載の薄膜磁性体記憶装置は、請求項4に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、ダミー磁性体を磁化する工程を専用に設ける必要がない。
【0292】
請求項1013記載の薄膜磁性体記憶装置は、非選択メモリセルにおいて、書込磁界の漏れ磁界に相当する第1の配線からの磁気ノイズと、書込電流の伝達経路中の第2の配線からの磁気ノイズとが互いに弱め合うので、非選択メモリセルへの磁界ノイズを軽減させて、MRAMデバイスの動作信頼性を向上させることができる。さらに、ドライブ回路の配置によって、複数の第1の配線によって同一の電源配線を共有するとともに、選択メモリセルに対応する第1の配線に対してのみ選択的に書込電流を流すことができるので、選択メモリセルに対応する第1の配線を除く他の第1の配線に対応する領域において、非選択メモリセルへのデータ誤書込の発生を防止できる。
【0295】
請求項11および12記載の薄膜磁性体記憶装置は、各ドライブ回路において書込データに応じた電源配線の選択を行なう必要がない。したがって、請求項に記載の薄膜磁性体記憶装置が奏する効果に加えて、ドライブ回路の面積を小型化することができる。
【0297】
請求項1415および16に記載の薄膜磁性体記憶装置は、選択的にデータ書込対象とされる、すなわち同時にデータ書込の対象となることがない複数のバンクにメモリセルが分割配置された構成において、データ書込動作時における非選択メモリセルでの誤書込発生を防止して、MRAMデバイスの動作信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に従うMRAMデバイスの全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】 図1に示されたメモリアレイの構成例を示す回路図である。
【図3】 MTJメモリセルに対するデータ書込およびデータ読出動作を説明する動作波形図である。
【図4】 周辺回路に対する電源配線の実施の形態1に従う配置を説明するブロック図である。
【図5】 電源配線の実施の形態1に従う第1の配置例を示すための図4におけるX−Y断面図である。
【図6】 電源配線の実施の形態1に従う第2の配置例を示すための図4におけるX−Y断面図である。
【図7】 周辺回路に対する電源配線の実施の形態1の変形例1に従う第1の配置例を説明するブロック図である。
【図8】 周辺回路に対する電源配線の実施の形態1の変形例1に従う第2の配置例を説明するブロック図である。
【図9】 周辺回路に対する電源配線の実施の形態1の変形例2に従う第1の配置例を説明するブロック図である。
【図10】 実施の形態1の変形例2に従う電源配線の第1の配置例を示すための図9におけるP−Q断面図である。
【図11】 周辺回路に対する電源配線の実施の形態1の変形例2に従う第2の配置例を説明するブロック図である。
【図12】 実施の形態1の変形例2に従う電源配線の第2の配置例を示すための図11におけるV−W断面図である。
【図13】 周辺回路に対する電源配線の実施の形態1の変形例3に従う配置を説明するブロック図である。
【図14】 実施の形態1の変形例3に従う電源配線の配置例を示すための図13におけるR−S断面図である。
【図15】 電源配線の実施の形態2に従う第1の配置例を示すブロック図である。
【図16】 電源配線の実施の形態2に従う第2の配置例を示すブロック図である。
【図17】 電源配線の実施の形態2の変形例に従う第1の配置例を示すブロック図である。
【図18】 電源配線の実施の形態2の変形例に従う第2の配置例を示すブロック図である。
【図19】 実施の形態3に従うデカップル容量の第1の配置例を説明するブロック図である。
【図20】 実施の形態3に従うデカップル容量の第2の配置例を説明するブロック図である。
【図21】 実施の形態3の変形例1に従うデカップル容量の第1の配置例を示すブロック図である。
【図22】 実施の形態3の変形例1に従うデカップル容量の第2の配置例を示すブロック図である。
【図23】 実施の形態3の変形例2に従うデカップル容量の第1の配置例を示すブロック図である。
【図24】 実施の形態3の変形例2に従うデカップル容量の第2の配置例を示すブロック図である。
【図25】 実施の形態4に従うメモリアレイ周辺の構成を示す概念図である。
【図26】 実施の形態4の変形例に従うメモリアレイ周辺の構成を示す概念図である。
【図27】 実施の形態5に従うメモリアレイ周辺の構成を示す概念図である。
【図28】 図27に示されたインダクタンス素子の構造を説明するための断面図である。
【図29】 実施の形態6に従うビット線および電源配線の配置を示す概念図である。
【図30】 図29に示されたビット線ドライバの構成を示す回路図である。
【図31】 実施の形態6の変形例1に従うビット線および電源配線の配置を示す概念図である。
【図32】 図31に示されたビット線ドライバの構成を示す回路図である。
【図33】 実施の形態6の変形例2に従うビット線および電源配線の配置を示す概念図である。
【図34】 実施の形態6の変形例3に従うビット線および電源配線の配置を示す概念図である。
【図35】 実施の形態6の変形例4に従うビット線および電源配線の配置を示す概念図である。
【図36】 実施の形態7に従う電源配線の第1の配置例を説明するブロック図である。
【図37】 実施の形態7に従う電源配線の第2の配置例を説明するブロック図である。
【図38】 実施の形態8に従う配線の配置を説明するための非選択メモリセルに印加される定常的ノイズを示す概念図である。
【図39】 MTJメモリセルの構成を示す概略図である。
【図40】 MTJメモリセルからのデータ読出動作を説明する概念図である。
【図41】 MTJメモリセルに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【図42】 MTJメモリセルに対するデータ書込時におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を説明する概念図である。
【図43】 行列状に集積配置されたMTJメモリセルのアレイ構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 MRAMデバイス、2 メモリアレイ、5,5a,5b,5c,5# 周辺回路、7,7a,7b 電源ノード、8,8a,8b 接地ノード、11,11d,11i 磁化方向、12,12d,12i 磁化方向、13 配線、20行デコーダ、25 列デコーダ、26 ダミー磁性体、30 ワード線ドライバ、31 インダクタンス素子、50,60 読出/書込制御回路、70,71デカップル容量、100,100a,100b,105,105a,105b電源スイッチ回路、110 周辺領域、BAa,BAb バンク、BDVa,BDVa´,BDVb,BDVb´ ビット線ドライバ、BL ビット線、EA磁化容易軸、DTMR ダミー磁気抵抗素子、GL,GLa,GLb 接地配線、GND 接地電圧、HA 磁化困難軸、Ip,±Iw データ書込電流、Is センス電流、MBa,MBb メモリブロック、MC MTJメモリセル、PL,PLa,PLb 電源電圧配線、RWL リードワード線、SL 基準電圧配線、TMR トンネル磁気抵抗素子、TMR 各トンネル磁気抵抗素子、VL 自由磁化層、Vcc 電源電圧、Vref 読出参照電圧、WCL,/WCL 書込電流配線、WWL ライトワード線、ΔMh,ΔMe 残り磁界マージン。

Claims (16)

  1. 各々が磁気的なデータ記憶を実行する複数のメモリセルが配置されたメモリアレイを備え、
    前記複数のメモリセルの各々は、
    所定磁界の印加に応答して書換可能な磁化方向に応じて、電気抵抗が変化する磁気記憶部を有し、
    前記メモリアレイに隣接した領域に配置され、前記メモリアレイに対してデータ読出およびデータ書込を実行するための周辺回路と、
    前記周辺回路に動作電圧を供給するための第1および第2の電源配線とをさらに備え、
    前記第1および第2の電源配線は、前記第1および第2の電源配線を流れる電流によってそれぞれ生じる磁界が、前記メモリアレイにおいて前記磁気記憶部の磁化容易軸方向に沿った方向に作用するように配置される、薄膜磁性体記憶装置。
  2. 前記第1および第2の電源配線は、前記第1の電源配線を流れる電流によって生じる磁界と、前記第2の電源配線を流れる電流によって生じる磁界とが、前記メモリアレイにおいて互いに打ち消し合うように配置される、請求項1に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  3. 前記複数のメモリセルは行列状に配置され、
    前記薄膜磁性体記憶装置は、
    メモリセル行およびメモリセル列の一方にそれぞれ対応して設けられ、各々が、選択メモリセルに対して磁化容易軸方向に沿った磁界を主に印加するために、選択的にデータ書込電流の供給を受ける複数の第1の書込配線と、
    前記メモリセル行およびメモリセル列の他方にそれぞれ対応して設けられ、各々が、選択メモリセルに対して磁化困難軸方向に沿った磁界を主に印加するために、選択的にデータ書込電流の供給を受ける複数の第2の書込配線とをさらに備え、
    前記複数の第1の書込配線の配線ピッチは、前記複数の第2の書込配線の配線ピッチよりも大きい、請求項1に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  4. 各々が磁気的なデータ記憶を実行する複数のメモリセルが行列状に配置されたメモリアレイと、
    前記メモリアレイの端部において、メモリセル行およびメモリセル列の少なくとも一方に沿って配置された、各々が固定された磁化方向を有する複数のダミーの磁性体とを備え、
    各前記ダミーの磁性体の磁化方向は、各前記ダミーの磁性体から発生される磁界が前記メモリアレイに作用する磁気ノイズを打ち消す方向に定められる、薄膜磁性体記憶装置。
  5. 複数の配線をさらに備え、
    各前記ダミーの磁性体の磁化方向は、前記複数の配線のうちの、前記メモリアレイに最も近接した1本によって発生される磁界を打ち消すように設定される、請求項4に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  6. 各前記ダミーの磁性体は、各前記メモリセルと同様の形状に設計されたダミー磁気抵抗素子であり、
    各前記メモリセルおよび各前記ダミー磁気抵抗素子は、
    固定された磁化方向を有する第1の磁性体層と、
    印加された磁界によって更新可能な磁化方向を有する第2の磁性体層とを有し、
    各前記メモリセルおよび各前記ダミー磁気抵抗素子の前記第1の磁性体層と、各前記ダミー磁気抵抗素子の前記第2の磁性体層との各々は、同一方向に沿って磁化される、請求項4に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  7. 各前記メモリセルは、
    固定された磁化方向を有する第1の磁性体層と、
    データ書込動作時に印加される磁界によって更新可能な磁化方向を有する第2の磁性体層と、
    前記第1の磁性体層の磁化方向を固定するための反強磁性体層とを有し、
    各前記ダミーの磁性体は、前記メモリセル中の反強磁性体層に相当する磁性体によって形成され、前記第1の磁性体層と同一方向に固定的に磁化されたダミー磁性体である、請求項4に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  8. 行列状に配置され、各々が磁気的なデータ記憶を実行する複数のメモリセルと、
    前記複数のメモリセルのうちのデータ書込対象に選択された選択メモリセルに対して、データ書込のための書込磁界を印加するための第1の配線と、
    前記複数のメモリセルに対して前記第1の配線よりも遠くに配置され、前記書込磁界を発生させる書込電流を前記第1の配線へ供給するための、第2の配線とを備え、
    前記第1の配線は、前記複数のメモリセルのうちの所定区分ごとに設けられ、
    前記第2の配線は、
    前記第1の配線と同一方向に沿って設けられ、第1および第2の電圧の一方の電圧を供給するための第1の電源配線と、
    前記第1の配線と同一方向に沿って設けられ、前記第1および第2の電圧の他方の電圧を供給するための第2の電源配線とを含み、
    前記第1の配線の一端に対応して設けられ、対応する前記所定区分がデータ書込対象に選択されたときに、前記第1および第2の電源配線の一方の配線と前記一端とを接続するための第1のドライブ回路と、
    前記第1の配線の他端に対応して設けられ、対応する前記所定区分がデータ書込対象に選択されたときに、前記データ書込時に前記第1および第2の電源配線の他方の配線と前記他端とを接続するための第2のドライブ回路とをさらに備え、
    前記データ書込において、前記データ書込対象に選択された所定区分に対応する前記第1の配線を流れる前記書込電流によって生じる第1の磁界と、前記第1および前記第2の電源配線のうちの、当該第1の配線と隣接する部分を流れる前記書込電流によって生じる第2の磁界とは、互いに打ち消し合う方向に作用する、薄膜磁性体記憶装置。
  9. 前記第1および第2の電源配線は、前記第1および第2の電圧をそれぞれ供給する第1および第2の電源ノードと電気的に結合され、
    前記第1および第2のドライブ回路は、書込データのレベルに応じて、前記一方および他方の配線をそれぞれ選択する、請求項8記載の薄膜磁性体記憶装置。
  10. 前記第1および第2の電源配線は、両端のそれぞれにおいて、前記第1および第2の電源ノードと結合される、請求項9に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  11. 書込データに応じて、前記第1の電源配線を前記第1および第2の電圧のうちの前記一方の電圧と電気的に結合するための第1の電源スイッチ回路と、
    前記書込データに応じて、前記第2の電源配線を前記第1および第2の電圧のうちの前記他方の電圧と電気的に結合するための第2の電源スイッチ回路とをさらに備え、
    前記第1および第2のドライブ回路において、前記一方および他方の電源配線は、書込データのレベルにかかわらず固定的に設定される、請求項8に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  12. 前記第1の電源スイッチ回路は、前記第1の電源配線の両端の各々に対応して設けられ、
    前記第2の電源スイッチ回路は、前記第2の電源配線の両端の各々に対応して設けられる、請求項11に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  13. 前記第1の配線によって印加される前記書込磁界は、各前記メモリセルの磁化容易軸方向に沿った成分を主に有し、
    前記第1の配線を流れる電流の方向は、書込データに応じて設定される、請求項8に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  14. 各々が磁気的なデータ記憶を実行する、複数のバンクに分割配置れた複数のメモリセルと、
    前記複数のバンクにそれぞれ対応して設けられ、各々が対応するバンクに対して少なくともデータ書込動作を実行するための複数の周辺回路と、
    前記複数の周辺回路にそれぞれ対応し設けられ、各々が対応する周辺回路へ動作電圧を供給するための複数の電源配線とを備え、
    1回のデータ書込動作において、前記複数のバンクは、選択的にデータ書込対象とされ、
    各前記電源配線は、対応するバンク、および前記対応するバンクと同時に前記データ書込対象とされる可能性を有する他のバンクを除く残りのバンクのうちの少なくとも一部に対応する領域に設けられる、薄膜磁性体記憶装置。
  15. 各前記電源配線は、前記残りのバンクの少なくとも一部の上部領域に設けられる、請求項14に記載の薄膜磁性体記憶装置。
  16. 各前記電源配線は、前記残りのバンクの少なくとも一部の近接領域に設けられる、請求項14に記載の薄膜磁性体記憶装置。
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