JP4550715B2 - 競技用計時システム、無線機器、および、タイム送信方法 - Google Patents
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Description
最近では、各計時ポイントにおける通過タイムも含めた競技タイムを計測可能とするために、非接触にて競技者個々の競技タイムを計測する試みがなされている。例えば、競技者にタグ送信機を保持させ、このタグ送信機から送られる情報により、競技タイムを計測する計測システムが開発され、実用化に向けた運用試験等が試みられている。
この他にも、タグ送信機がUHF帯の微弱無線電波等にてIDを送出することにより、タグ送信機の通信距離の拡大を図る技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
これは、方形のループコイルによりトリガ信号が送信されるため、計時エリア内における正確なトリガポイント(例えば、ゴールライン等のような計時ライン)をタグ送信機にて検出することが極めて困難なことに起因している。そのため、タグ送信機は、競技者が計時エリアに入りトリガ信号を検出すると、直ちにIDの送信を開始し、計時エリアを抜けてトリガ信号の検出を終えるまで、IDを送信し続けている。
一方、ID受信ユニットは、このIDを最初に受信すると、その時刻を開始時刻とし、また、このIDの受信を終えると、その時刻を終了時刻とする。そして、開始時刻から終了時刻までの中間の時刻を求めることにより、このIDに対応する競技者の競技タイムを計時していた。
このため、ID受信ユニットにて、開始時刻や終了時刻が正しく得られずに不正確な競技タイムを計時してしまったり、IDの受信が殆ど行えずに計時すべき競技タイムをロストしてしまうという問題があった。
なお、特許文献2に開示されている技術では、コリジョンの発生を抑えるべく、タグ送信機側がランダムな間隔にてIDを送信している。それでも現実には、計時エリア内で各タグ送信機がそれぞれにIDの送信を繰り返すうちに、コリジョンが発生してしまっていた。
各競技者がそれぞれ携帯する複数の無線機器と、当該各無線機器から所定のチャンネルにて送られる情報を受信する受信機と、を含む競技用計時システムであって、
前記無線機器には、
時刻を計時する計時手段と、
走路上に生成された電磁場の電磁界強度の増減に基づいて、予め設置された計時ポイントを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記計時ポイントが検出された際に、前記計時手段にて計時された時刻を計時タイムとして特定するタイム特定手段と、
前記タイム特定手段により特定された前記計時タイムに応じて、複数のチャンネルのうちの一のチャンネルを選択するチャンネル選択手段と、
前記チャンネル選択手段が選択した前記チャンネルにて、他の前記無線機器から前記受信機への送信の有無を判別し、当該送信が無いと判別したときに、前記タイム特定手段により特定された前記計時タイムを含むタイム情報を、当該チャンネルを使用して前記受信機に送信する無線通信手段と、が設けられ、
前記受信機には、
前記各チャンネル毎に、前記無線機器の前記無線通信手段から送信される前記タイム情報を受信する受信手段が設けられている、
ことを特徴とする。
これにより、一方の送信にてコリジョンが発生した場合でも、他方の送信にてコリジョンを発生させることなく、タイム情報を受信機に送信できる。
この結果、コリジョンの発生を抑制しつつ、競技者個々の競技タイムを適切に計時することができる。
この場合には、前記複数の無線機器は、例えば、自己の識別情報(タグID等)に基づいて、予めグループ分けされており、前記送信制御手段は、前記無線通信手段から前記タイム情報を前記グループ毎に送信タイミングをずらして送信させてもよい。
各競技者にそれぞれ携帯される無線機器であって、
時刻を計時する計時手段と、
走路上に生成された電磁場の電磁界強度の増減に基づいて、予め設置された計時ポイントを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記計時ポイントが検出された際に、前記計時手段にて計時された時刻を計時タイムとして特定するタイム特定手段と、
前記タイム特定手段により特定された前記計時タイムに応じて、複数のチャンネルのうちの一のチャンネルを選択するチャンネル選択手段と、
前記チャンネル選択手段が選択した前記チャンネルにて、他の前記無線機器から所定の受信機への送信の有無を判別し、当該送信が無いと判別したときに、前記タイム特定手段により特定された前記計時タイムを含むタイム情報を、当該チャンネルを使用して当該受信機に送信する無線通信手段と、
を備えることを特徴とする。
これにより、一方の送信にてコリジョンが発生した場合でも、他方の送信にてコリジョンを発生させることなく、タイム情報を受信機に送信できる。
この結果、コリジョンの発生を抑制しつつ、競技者個々の競技タイムを適切に計時することができる。
各競技者がそれぞれ携帯する複数の無線機器と、当該各無線機器から所定のチャンネルにて送られる情報を受信する受信機と、を含む競技用計時システムにおけるタイム送信方法であって、
前記無線機器において、時刻を計時する計時ステップと、
前記無線機器において、走路上に生成された電磁場の電磁界強度の増減に基づいて、予め設置された計時ポイントを検出する検出ステップと、
前記無線機器において、前記検出ステップにて前記計時ポイントが検出された際に、前記計時ステップにて計時された時刻を計時タイムとして特定するタイム特定ステップと、
前記無線機器において、前記タイム特定ステップにて特定された前記計時タイムに応じて、複数のチャンネルのうちの一のチャンネルを選択するチャンネル選択ステップと、
前記無線機器において、前記チャンネル選択ステップにて選択された前記チャンネルにて、他の前記無線機器から前記受信機への送信の有無を判別し、当該送信が無いと判別したときに、前記タイム特定ステップにて特定された前記計時タイムを含むタイム情報を、当該チャンネルを使用して前記受信機に送信する無線通信ステップと、
前記受信機において、前記各チャンネル毎に、前記無線通信ステップにて前記無線機器から送信されるタイム情報を受信する受信ステップと、
を備えることを特徴とする。
これにより、一方の送信にてコリジョンが発生した場合でも、他方の送信にてコリジョンを発生させることなく、タイム情報を受信機に送信できる。
この結果、コリジョンの発生を抑制しつつ、競技者個々の競技タイムを適切に計時することができる。
図1は、この発明の実施の形態に適用される競技用計時システムの構成の一例を示す模式図である。
図示するように、この競技用計時システムは、競技が行われる走路及びその周辺に配置される信号発生装置10、ループアンテナ20、受信機30、及び、処理装置40と、競技者RNに保持される無線タグ50とを含んで構成される。
ループアンテナ20は、一例として、図2(a)に示すように、設定用アンテナ部21と、計時用アンテナ部22とから構成される。
一方、計時用アンテナ部22は、2つの幅wの略矩形に形成され、走行方向と直交する直線c,d及び、直線d,eに沿って、走路を横切るようにそれぞれ配置される。そして、給電点s2,s3を有するように形成され、それぞれ各給電点から矢印方向に電流が流れるようになっている。なお、この直線dが、計時を行うための計時ラインLと重なるように、配置される。
また、設定用アンテナ部21と計時用アンテナ部22とは、間隔hだけ隔てて配置されている。
なお、設定用アンテナ部21と計時用アンテナ部22と間を隔てる間隔hは、電磁場20aから電磁場20b,20cに与える影響を小さくし、また、計時用アンテナ部22の特性が発揮されるように、予め実験等により求められている。
具体的には、各アンテナ部の幅wと、間隔hとの長さの比率が3:1になるように、設定用アンテナ部21と計時用アンテナ部22との間を隔てると、良好な電磁場が得られることが明らかになっている。
そのため、設定用アンテナ部21上に生成される電磁場20aが、後述する無線タグ50の増幅回路52における利得(増幅率)を設定するために使用される。例えば、無線タグ50は、電磁場20aの電磁界強度を一定時間Tだけ測定し(サンプリング)し、最大値や平均値等を求め、それらに応じて適切な利得を設定する。
そして、無線タグ50は、設定した利得にて計時用アンテナ部22上に生成される電磁場20b,20cの電磁場検出コイルCによる検出信号を適切に増幅し、当該増幅された検出信号に基づいて電磁場20b,20cの電磁界強度の増減を検出し、当該電磁界強度の増減に基づいて、計時ポイントを検出する。
具体的に受信機30は、予め規定された複数の周波数(例えば、10チャンネル)のうちの、何れかの周波数(何れかのチャンネル)にて無線タグ50から送信される競技タイム等を受信する。そして、受信した競技タイム等を処理装置40に供給する。
つまり、処理装置40は、ループアンテナ20上を通過した各無線タグ50から送信される競技タイム及びタグIDを、受信機30を介して受信すると、所定の記憶部に記憶する。
そして、LFアンテナ51は、検出した電磁場の電磁界強度を示す検出信号を増幅回路52に供給する。
例えば、増幅回路52は、自動利得制御(AGC)が可能であり、ループアンテナ20(設定用アンテナ部21)にて生成される電磁場を最初に検出すると、測定した電磁界強度から適切な利得を設定する。
具体的に増幅回路52は、設定用アンテナ部21にて生成される電磁場20aの電磁界強度を一定時間Tだけ測定し、最大値や平均値等を求め、それらに応じて適切な利得を設定する。そして、利得を設定した後に、計時用アンテナ部22にて生成される電磁場20b,20cの検出信号を増幅する。
なお、増幅回路52は、ループアンテナ20毎(計時ポイント毎)に、利得を設定し直すため、制御部54からの指示に応じて、利得の設定値をクリアする。
すなわち、利得が設定された増幅回路52から供給される電磁場の電磁界強度の増減に基づいて、トリガポイント(つまり、計時ポイント)を検出する。
具体的に、検出回路53は、図3(a)に示すようなループアンテナ20上における電磁場20a〜20cに対して、図3(b)に示すような波形の信号を生成する。なお、電磁場20aに対応する波形は、増幅回路52の利得設定用に使用されるため、図3(b)に示す波形の検出開始後の立ち上がり、すなわち、計時用アンテナ部22上での電磁場20b、20cの変極点を、計時ポイント(計時ラインL)として特定する。
制御部54は、増幅回路52が利得を設定し、検出回路53が計時用アンテナ部22上における電磁場の変極点(電磁場20b、20cの変極点)を検出したタイミングで、計時部55が計時する時刻を競技タイムとして特定する。そして、特定した競技タイムを記憶部56に記憶する。
つまり、複数の無線タグ50が集団で同時期に計時ポイントに到達した際に、それぞれ計時された競技タイムの1/10秒単位の値に応じて、送信に使用するチャンネルが分けられることになる。
具体的にマラソンの場合には、1/10秒で無線タグ50(競技者RN)が約50cm移動することになる。そのため、図4に示すように、例えば、1秒(約5m)の範囲では、1/10秒単位毎(約50cm単位毎)に異なる1つのチャンネル(チャンネル1〜チャンネル10)がそれぞれ割り当てられることになる。そして、1/10秒(約50cmのエリア)内でのみ、各無線タグ50が同じチャンネルを使用することになる。すなわち、送信に使用するチャンネルが1/10秒単位で異なるチャンネルに割り当てられ、同一チャンネルに割り当てられる数が制限される。
より詳細にマラソンでは、1/10秒(約50cm)の範囲内では、走路幅にもよるが、通常の走路幅においては、最大約6人程度の競技者RNが通過可能となり、同一チャンネルに割り当てられる数が多くても6つ程度に制限されることになる。
なお、1秒経過以降には、後続する各無線タグ50に、同様に各チャンネルが順次割り当てられることになるが、先行する同じチャンネルの各無線タグ50が、それまでに(9/10秒以内に)通信を終えるため、先後の同じチャンネルにて、同時期に通信が行われることはない。
その際、制御部54は、同じチャンネル内の他の無線タグ50(同じチャンネルを使用する他の無線タグ50)が送信中(話中)であるかを判別しつつ、無線通信が行える状態になるまで適宜待機する。そして、無線通信が行える状態になると、競技タイム等を受信機30に向けて送信する。
なお、このような競技タイム等を1回だけ送信したとすると、タイミングによっては、同じチャンネルにて他の無線タグ50における送信と重なってしまい、コリジョンが発生してしまうおそれがある。また、コリジョンが生じずに送信できたとしても、まれに、競技タイム等のデータ化け(パリティエラー等)が発生してしまうこともある。
このようなコリジョンやデータ化けの対策として、制御部54は、通信回路57から複数回に亘って、同じ競技タイム等を送信させる。
まず、競技タイムを特定すると、制御部54は、タイミングT1にて、通信回路57にキャリアセンス(同じチャンネル内)を行わせる。なお、キャリアセンスを行う際に、通信回路57は、受信モードとなっている。
このデータ処理時間γは、受信機30が受信済のデータ(競技タイム等)を処理装置40に供給(転送)するために要する時間であり、この間、受信機30では、無線タグ50からの無線送信を受信できない状態となる(つまり、無線未受信期間となる)。そのため、この無線未受信期間を避けるべく、制御部54は、データ処理時間γだけ待機する。
この監視時間βは、通信回路57が受信モードから送信モードに切り替えるために要する時間(受信送信切り替え時間)と同等の時間である。つまり、キャリアセンス後の無線タグ50が実際に送信を開始するまでに時間β(受信送信切り替え時間β)だけ必要となり、この間に、他の無線タグ50が話中でないと判別して送信を行うこと(又は、既に行っていること)も起こり得るため、制御部54は、監視時間βだけ待機する。
通信回路57は、この送信モードへの切り替え(受信送信切り替え)に、上述したように、時間β(受信送信切り替え時間β)だけ要する。
通信回路57は、この送信に、通信時間αだけ要する。
この一連処理時間τは、上述したデータ処理時間γ、監視時間β、受信送信切り替え時間β、及び、通信時間αを加算した時間である。そして、この一連処理時間τを待機することにより、他の無線タグ50にも同様の無線通信を行う機会が与えられる。
なお、制御部54は、この間を利用して、通信回路57を送信モードから受信モードに切り替える。
このグループ時間χは、予め各無線タグ50が属するグループ毎に異なる時間であって、具体的には、グループに応じて、時間βを整数倍(例えば、1倍、2倍、3倍、・・・)した分の時間である。
なお、各無線タグ50は、例えば、タグIDの値(ビット値等)に基づいて、予めグループ分けされているものとする。つまり、各無線タグ50は、自己が属するグループに応じて、異なるグループ時間χが規定されている。
そして、受信送信切り替えが完了すると、制御部54は、タイミングT9にて、通信回路57から競技タイム等を送信させる。つまり、2回目の送信を行う。
つまり、制御部54は、タイミングT11にて、話中でないと判別すると、データ処理時間γだけ待機し、タイミングT12にて話中でないと判別すると、グループ時間χだけ待機する。そして、タイミングT13にて、話中でないと判別すると、通信回路57を受信モードから送信モードに切り替え、タイミングT13にて、通信回路57から競技タイム等を送信させる。
これは、1回目の送信でコリジョンが発生してしまった(同じチャンネルにて他の無線タグ50の送信と重なってしまった)場合でも、2回目の送信では、グループ毎に異なるグループ時間χ(時間βの整数倍)だけ、送信タイミングをずらすことにより、コリジョンの発生を防止するためである。
また、グループ数が多い程、コリジョンの発生確率は小さくなるため、グループ数をより多くすることも考えられるが、弊害として、グループ時間χが長くなってしまうことにより、単位処理時間当たりの処理可能数が減ってしまう。
そのため、同時期に処理しなければならない無線タグ50の数(同時期に計時ポイントに到達することが予想される競技者RNの人数)等を勘案して、グループ数は、適切に定められている。
図5(b)は、タイミングT21にて話中が生じた例である。なお、このタイミングT21は、図5(a)に示すタイミングT1(T6,T11)に対応している。
また、図5(c)は、タイミングT33にて話中が生じた例である。なお、このタイミングT33は、図5(a)に示すタイミングT3(T8,T13)に対応している。
そして、通信時間αの待機を終えると、制御部54は、タイミングT22にて、通信回路57にキャリアセンスを行わせ、話中でないと判別すると、データ処理時間γだけ待機する。つまり、受信機30の無線未受信期間を避ける。
監視時間β(又は、グループ時間χ)の待機を終えると、制御部54は、タイミングT24にて、通信回路57に再度キャリアセンスを行わせ、話中でないと判別すると、通信回路57を受信モードから送信モードに切り替える。
そして、受信送信切り替えが完了すると、制御部54は、タイミングT25にて、通信回路57から競技タイム等を送信させる。
以降、話中が生じないとすると、上記と同様に、制御部54は、データ処理時間γ及び、監視時間β(2回目以上ならば、グループ時間χ)の待機を終えた後、通信回路57に受信送信切り替えを行わせ、タイミングT37にて、通信回路57から競技タイム等を送信させる。
なお、計時部55は、高安定水晶発振器を備えており、時刻の計時を安定して維持することが可能となっている。
この記憶部56には、例えば、競技の計時ポイント分の記憶エリアがそれぞれ設けられており、各計時ポイントにて計時した競技タイムをそれぞれの別の記憶エリアに格納可能となっている。
なお、記憶部56は、例えば、別エリアに、無線タグ50毎(競技者RN毎)に異なる固有の識別情報(タグID)等を予め記憶している。このタグIDは、上述したように、グループ時間χを定めるための、グループ分けに用いられる。
なお、通信回路57は、コリジョンやデータ化けの対策として、同じ競技タイム等を、複数回に亘って送信する。そして、その際、制御部54の制御に基づいて、1回目と2回目以上とで送信タイミングを適宜ずらして、送信する。
また、通信アンテナ58は、通信に使用されるアンテナである。
そして、無線タグ50は、話中であるか否かを判別する(ステップS17)。ここで、話中であると判別すると、上述したステップS15に処理を戻す。また、話中でないと判別すると、無線タグ50は、1回送信済であるか否かを判別する(ステップS18)。つまり、これから1回目の送信を行うのか、また、これから2回目以上の送信を行うのかを判別する。
すなわち、1回目の送信の場合、どの無線タグ50(他の無線タグ50)の送信と重なるか分からないため、無線タグ50は、そのまま監視時間βだけ待機する。また、2回目以上の送信の場合、1回目等の送信でコリジョンが発生した場合を考慮して、送信タイミングをずらすため、グループ毎に異なるグループ時間χ(時間βの整数倍)だけ待機する。
そして、一連処理時間τの待機を終えると、無線タグ50は、2回目以上の送信を行うため、上述のステップS14に処理を戻す。
これにより、一方の送信にてコリジョンが発生した場合でも、他方の送信にてコリジョンを発生させることなく、競技タイム等を受信機30に送信できる。また、同じ競技タイム等を複数回に亘って送信することにより、データ化け(パリティエラー等)にも対応できる。
この結果、コリジョンの発生を抑制しつつ、競技者個々の競技タイムを適切に計時することができる。
なお、一例として、チャンネル1の送受信を説明するが、他のチャンネル(チャンネル2〜10)においても、同様の送受信が行われている。
なお、これらの送信は、互いに衝突してしまう(コリジョンが発生してしまう)。
また、競技タイムを特定したタグDは、タイミングT41にて、話中(タグA,Bが送信中)と判断し、通信時間α、データ処理時間γ、監視時間βと待機する。
監視時間βの待機を終えたタグC,Dは、その後が話中でないため、送信モードに切り替えた後、タイミングT33,T42にて、1回目の送信を行う。
なお、これらの送信は、互いに衝突してしまう(コリジョンが発生してしまう)。
なお、タグA,Bは、グループが異なるため、グループ時間χも異なっている。
そして、今度は話中でないため、タグBは、送信モードに切り替えた後、タイミングT25にて、2回目の送信を行う。なお、図中では省略しているが、タグBも、N回目の送信を行うまで、同様の送信処理を繰り返す。
そして、今度は話中でないため、タグDは、送信モードに切り替えた後、タイミングT46にて、2回目の送信を行う。なお、タグDも、N回目の送信を行うまで、同様の送信処理を繰り返す。
これにより、例えば、タグA,Bの1回目の送信時に、双方の送信が衝突しても(コリジョンが発生しても)、タグAとタグBとで、グループ時間χが異なっているため、双方の2回目の送信時に、送信タイミングが異なることになり、双方の送信と衝突することなく、競技タイム等を受信機30に送信できる。
この結果、コリジョンの発生を抑制しつつ、競技者個々の競技タイムを適切に計時することができる。
上記の実施の形態では、1つの受信機30が、各チャンネルを使用した全ての無線タグ50からの送信を受信する場合について説明したが、複数の受信機30がチャンネル毎に各無線タグ50から送信される競技タイム等を受信するようにしてもよい。
例えば、10台の受信機30を配置し、各受信機30が異なるチャンネルの送信をそれぞれ受信するようにしてもよい。
例えば、競技者RNが計時ラインLを通過した後から、所定時間経過しても(例えば、5秒経過しても)、無線タグ50からの送信を受信できない場合に、所定の送信機からその無線タグ50に向けてタグIDを送信する。
つまり、受信機30にて、競技タイム等を受信できずに、5秒経過した場合に、処理装置40は、所定の送信機からタグIDを送信させ、その無線タグ50を指定して、送信要求を行う。
そして、指定された無線タグ50は、受信機30に向けて、競技タイム等を送信する。
このように、ポーリング受信を更に行うことで、無線タグ50からの送信の取りこぼしを防止することができる。
例えば、駅伝、競歩、身障者車椅子ロードレース、自転車ロードレース、トライアスロン、及び、ランニングやオリエンテーション等の山岳競技等にも適宜適用可能である。
20 ループアンテナ
30 受信機
40 処理装置
50 無線タグ
Claims (6)
- 各競技者がそれぞれ携帯する複数の無線機器と、当該各無線機器から所定のチャンネルにて送られる情報を受信する受信機と、を含む競技用計時システムであって、
前記無線機器には、
時刻を計時する計時手段と、
走路上に生成された電磁場の電磁界強度の増減に基づいて、予め設置された計時ポイントを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記計時ポイントが検出された際に、前記計時手段にて計時された時刻を計時タイムとして特定するタイム特定手段と、
前記タイム特定手段により特定された前記計時タイムに応じて、複数のチャンネルのうちの一のチャンネルを選択するチャンネル選択手段と、
前記チャンネル選択手段が選択した前記チャンネルにて、他の前記無線機器から前記受信機への送信の有無を判別し、当該送信が無いと判別したときに、前記タイム特定手段により特定された前記計時タイムを含むタイム情報を、当該チャンネルを使用して前記受信機に送信する無線通信手段と、が設けられ、
前記受信機には、
前記各チャンネル毎に、前記無線機器の前記無線通信手段から送信される前記タイム情報を受信する受信手段が設けられている、
ことを特徴とする競技用計時システム。 - 前記チャンネル選択手段が、前記計時タイムの1/10秒単位の値に応じて、10チャンネルのうちの1つのチャンネルを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の競技用計時システム。 - 前記無線機器には、前記無線通信手段から前記タイム情報を送信タイミングをずらして複数回に亘って送信させる送信制御手段が設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の競技用計時システム。 - 前記複数の無線機器が、予めグループ分けされており、
前記送信制御手段が、前記無線通信手段から前記タイム情報を前記グループ毎に送信タイミングをずらして送信させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の競技用計時システム。 - 各競技者にそれぞれ携帯される無線機器であって、
時刻を計時する計時手段と、
走路上に生成された電磁場の電磁界強度の増減に基づいて、予め設置された計時ポイントを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記計時ポイントが検出された際に、前記計時手段にて計時された時刻を計時タイムとして特定するタイム特定手段と、
前記タイム特定手段により特定された前記計時タイムに応じて、複数のチャンネルのうちの一のチャンネルを選択するチャンネル選択手段と、
前記チャンネル選択手段が選択した前記チャンネルにて、他の前記無線機器から所定の受信機への送信の有無を判別し、当該送信が無いと判別したときに、前記タイム特定手段により特定された前記計時タイムを含むタイム情報を、当該チャンネルを使用して当該受信機に送信する無線通信手段と、
を備えることを特徴とする無線機器。 - 各競技者がそれぞれ携帯する複数の無線機器と、当該各無線機器から所定のチャンネルにて送られる情報を受信する受信機と、を含む競技用計時システムにおけるタイム送信方法であって、
前記無線機器において、時刻を計時する計時ステップと、
前記無線機器において、走路上に生成された電磁場の電磁界強度の増減に基づいて、予め設置された計時ポイントを検出する検出ステップと、
前記無線機器において、前記検出ステップにて前記計時ポイントが検出された際に、前記計時ステップにて計時された時刻を計時タイムとして特定するタイム特定ステップと、
前記無線機器において、前記タイム特定ステップにて特定された前記計時タイムに応じて、複数のチャンネルのうちの一のチャンネルを選択するチャンネル選択ステップと、
前記無線機器において、前記チャンネル選択ステップにて選択された前記チャンネルにて、他の前記無線機器から前記受信機への送信の有無を判別し、当該送信が無いと判別したときに、前記タイム特定ステップにて特定された前記計時タイムを含むタイム情報を、当該チャンネルを使用して前記受信機に送信する無線通信ステップと、
前記受信機において、前記各チャンネル毎に、前記無線通信ステップにて前記無線機器から送信されるタイム情報を受信する受信ステップと、
を備えることを特徴とするタイム送信方法。
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