JP4578181B2 - 競技用計測システム - Google Patents
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Description
それでもこの計測システムは、ゴール後に所定時間かけてバーコードの読み取りを行うため、そもそも実測よりも遅れたタイムが計測されていた。特に、大勢の競技者が同時期にゴールした場合等では、バーコードの読み取り待ちが生じてしまい、実測よりもかなり遅れたタイムが計測されてしまうという問題があった。
また、ゴールしたタイムだけでなく、各計時ポイント(中間地点等)における通過タイムの計測も行いたいという要望が高まっているが、この計測システムでは、対応できなかった。
具体的には、競技者が携帯する(ゼッケン等に付けられた)発信器から発せられる電波信号等によりタイムを計測したり、また、撮影した映像から競技者やゼッケン等を識別してタイムを計測する、というものである。
また、固有番号信号の受信によるタイムの計測を、そもそも制限のある範囲内(トリガ信号が送信される幅の狭い範囲内)にて、全て行わなければならないため、固有番号信号の重なりが多数であると、複数回の発信が行われたとしても、固有番号信号の取りこぼしが生じてしまうという問題があった。
競技者に携帯される計時機器と、計時位置を規定する計時ラインが含まれる所定の計時ゾーン内に向けてトリガ信号を発する信号発生機器と、前記計時機器から送られる検出タイムを受信するタイム受信機と、前記タイム受信機を制御するコンソールと、を含む競技用計測システムであって、
前記計時機器は、
計時の基準となる基準時刻と同期した時刻を計時する計時手段と、
前記信号発生機器が発する前記トリガ信号を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記トリガ信号に基づいて前記計時ゾーンを判別し、判別した前記計時ゾーンの2地点にて前記計時手段が計時した時刻を、前記検出タイムとしてそれぞれ特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記各検出タイムを前記タイム受信機に向けて送信する送信手段と、を備え、
前記コンソールは、
予め測定された前記計時ゾーンと前記計時ラインとの位置関係を規定するパラメータを記憶する記憶手段と、
前記タイム受信機が受信した前記各検出タイムを取得するタイム取得手段と、
前記記憶手段に記憶される前記パラメータに基づいて、前記タイム取得手段が取得した前記各検出タイムから、競技者が前記計時ラインを通過した時点の計時タイムを算定するタイム算定手段と、を備え、
前記検出手段は、所定の特性を有するアンテナを介して、前記信号発生機器が発する前記トリガ信号を検出し、
前記記憶手段は、前記計時機器のアンテナが、走行する競技者を基準として前方又は後方の指向性を有することを規定する特性情報を記憶し、
前記タイム算定手段は、前記記憶手段に記憶される前記特性情報に基づいて、前記タイム取得手段が取得した前記各検出タイムの一方を計時タイムとして算定する、
ことを特徴とする。
この結果、競技者個々のタイムを適切に計測することができる。
図1は、この発明の実施の形態に適用される競技用計測システム1の構成の一例を示す模式図である。なお、以下ではタイムの計測を行う中継地点やゴール地点を、便宜的にまとめて計時地点として説明する。つまり、計時地点は、中継地点やゴール地点を示すものとする。また、ゴール地点がスタート地点と異なる場合について説明する。
スタートピストルSPは、スタータの操作に応答して、スタート信号をスタート地点のタイマコンソール11に供給する。また、グリップスイッチGSは、計時役員等の操作に応答して、グリップ信号を計時地点のタイマコンソール11に供給する。
タイマコンソール11は、競技のスタート前までに時刻同期の処理を実行し、GPS受信機12が受信した標準時刻に同期した現在時刻の計時を始める。
一方、計時地点のタイマコンソール11は、スタート地点の無線通信端末13から送られたスタート時刻を無線通信端末13にて受信すると、そのスタート時刻を無線通信端末13から取得して自己のメモリに保持する。
タイマコンソール11は、このようにしてスタート時刻を自己のメモリに保持した後に、自己のタイマが計時する現在時刻と保持しているスタート時刻との差に基づいて、ランニングタイムを順次生成し、タイム情報として時刻表示装置14に供給する。
また、計時地点のタイマコンソール11は、グリップスイッチGSからグリップ信号が入力されると、その時刻をグリップ時刻(時刻情報)として映像記録装置22等に供給する。
そして、スタート地点の無線通信端末13は、タイマコンソール11から供給されたスタート時刻を含む通信データを、計時地点の無線通信端末13に送信する。
一方、計時地点の無線通信端末13は、スタート地点の無線通信端末13から送られたスタート時刻を受信し、受信したスタート時刻をタイマコンソール11に供給する。
具体的にスタート地点のランニングタイム送信機15は、スタート直後に全ての無線タグ30に向けて、ブロードキャストにて一斉にランニングタイム、関門ID及び、しきい値nを含む情報を送信する。この関門IDとは、ランニングタイム送信機15(スタート地点や計時地点)に固有の識別情報であり、また、しきい値nとは、送信されたランニングタイムの正確さを無線タグ30にて判別するために使用される値である。
なお、スタート地点のランニングタイム送信機15は、無線タグ30に最初に時刻を設定させるため、連続して複数回(例えば、1秒間隔で3回以上)に渡り、ランニングタイム等を送信する。
一方、計時地点のランニングタイム送信機15は、走行する競技者RNからみて計測ポイント(後述する計時ラインL)より手前に配置されており、近傍に位置する競技者RNの無線タグ30に向けて、ランニングタイム及び、関門IDを含む情報を送信する。
なお、スタート地点のランニングタイム送信機15は、スタート前に、動作確認のために現在時刻等のテストデータを各無線タグ30に向けて送信する。
なお、計時地点のタグID受信機16も、ランニングタイム送信機15と同様に、走行する競技者RNからみて計測ポイントより手前に配置されており、競技者RNが後述する計時ゾーンZに到達する前に、無線タグ30から返信されるタグIDを受信する。
また、スタート地点のタグID受信機16は、スタート前に、動作確認のためのテストデータ(現在時刻等)に応答して無線タグ30から返信されるタグIDも受信する。
具体的にタグコンソール17は、スタート後に取得した各タグIDから、各競技者RNの競技スタートを確認する。なお、スタート前にテストデータに対するタグIDが取得されない場合に、そのタグIDを送信するはずの無線タグ30が故障や電池切れの可能性があるため、適宜交換等が行われる。
一例として、トリガ信号発生装置18は、24GHzのマイクロ波を発生させ、図2(a)に示すように、所定のパラボラアンテナにより計時ゾーンZ内に向けてトリガ信号を送信する。
この他にも、トリガ信号発生装置18は、図2(b)に示すように、ループコイル(ループアンテナ)を用いて、計時ゾーンZ内に長波帯のトリガ信号を発生させてもよい。
具体的に検出タイム受信機19は、タグコンソール20の後述するポーリングリストの順番に従って、各無線タグ30に検出タイムの送信を要求し、応答して無線タグ30から送信される検出タイム等(後述するように、タグID、2地点の検出タイム、関門ID、及び、補正値α)を受信する。
なお、無線タグ30側から後述するようにポーリング要求が送信された場合に、検出タイム受信機19は、その無線タグ30に検出タイムの送信を要求して検出タイム等を受信する。
具体的にタグコンソール18は、図3に示すように、タグID取得部20aと、リスト記憶部20bと、タイム取得手段としての検出タイム取得部20cと、記憶手段としての記憶部20dと、タイム算定手段としての制御部20eと、表示部20fと、操作部20gと、通信部20hと、を含んで構成される。
リスト記憶部20bは、図4に示すようなポーリングリストを記憶する。このポーリングリストは、制御部20eにより適宜生成される。
この補正値αは、無線タグ30にてランニングタイムを受信する度に補正した時刻(時差)を累積した累積時差βから求められた値である。
このパラメータは、2地点の検出タイムから、競技者RNが計時ラインLを通過した時刻(計時タイム)を求めるために使用されるものである。
一般的には、トリガ信号発生装置18を配置する際に、図5(a)に示すように、中央に計時ラインLが位置するように計時ゾーンZを形成する。この場合、図5(b)に示すように、トリガINの検出タイムとトリガOUTの検出タイムとの中間の値が、計時タイムになる(ゴール地点における例外については、後述する)。
しかしながら、実際には、計時ゾーンZの中央に計時ラインLが位置するようにトリガ信号発生装置18を配置できない場合がある。
例えば、設置場所の条件(温湿度、材質など)により、図6(a)に示すように、計時ゾーンZの中央から計時ラインLがずれてしまっている場合には、図6(b)に示すように、無線タグ30が検出するトリガINとトリガOUTとの中間値から、計時ラインLがずれることになる。つまり、トリガIN,トリガOUTと計時ラインLとの位置関係は、図6(c)に示す関係となる。
例えば、図7(a)に示すように、計時ゾーンZの中央に計時ラインLが位置していても、無線タグ30のアンテナの特性(指向性等)により、図7(b)に示すように、実質的に無線タグ30が検出できるトリガINとトリガOUTとの中間値から、計時ラインLがずれることになる。つまり、トリガIN,トリガOUTと計時ラインLとの位置関係は、図7(c)に示す関係となる。
具体的に制御部20eは、タグID取得部20aにてタグIDを取得すると、ポーリングリストにそのタグIDを登録する。なお、タグIDが取得できなかった(タグID受信機16がタグIDを受信できなかった)場合に、制御部20eは、操作部20gからの入力に従って、対象となるタグIDをポーリングリストに登録する。
このように生成したポーリングリストに従って、制御部20eは、検出タイム受信機19を制御し、無線タグ30から送られたタグID、各検出タイム、関門ID、及び、補正値αを含む情報を取得する。
なお、関門IDがその計時地点におけるランニングタイム送信機15の関門IDと異なっている場合(以前に通過した計時地点やスタート地点のランニングタイム送信機15の関門IDである場合)に、制御部20eは、各検出タイムと共に取得した補正値αを使用して、各検出タイムを適宜補正する。
具体的に制御部20eは、記憶部20dに記憶されるパラメータ(γ)と、2地点の検出タイムとを、以下の数式4,5の何れかに代入して、競技者RNが計時ラインLを通過した時点の計時タイムを求める。
T = Tin +(Tot − Tin)× γ
T:計時タイム
Tin:トリガINの検出タイム
Tot:トリガOUTの検出タイム
γ:パラメータ
T = Tot −(Tot − Tin)× γ
T:計時タイム
Tin:トリガINの検出タイム
Tot:トリガOUTの検出タイム
γ:パラメータ
そして、制御部20eは、計時タイムを算定すると、通信部20hを介して、タグIDと共にデータサーバ23に送信する。計時タイム等をデータサーバ23に送信後、制御部20eは、対応するタグIDをポーリングリストから削除する。なお、一定時間が経過してもポーリングリストから削除されずに残っているタグIDがある場合、制御部20eは、そのタグIDを含む未通過者情報を生成し、通信部20hを介して、映像記録装置22に送信する。
操作部20gは、競技役員等の操作に応じた指示情報等を制御部20e等に供給する。例えば、ポーリングリストに追加するタグID等が入力されると、そのタグIDを制御部20e等に供給する。
具体的に撮影装置20は、走行する競技者RNからみてトリガ信号発生装置18よりも遠方に配置され、競技者RNのゼッケン番号や顔等が分かるように、競技者RNの正面(前面)の映像を撮影する。そして、撮影した映像(映像信号)を映像記録装置22に供給する。
そして、タグコンソール20から未通過者情報が送信されると、記録した映像を適宜検索し、未通過者のタイムを特定する。
また、競技のスタートに先立って、データサーバ23は、所定の操作部から、競技者RNの選手情報や使用される無線タグ30のタグID等が入力されると、これらの情報を関連付けて記憶し、タイマコンソール11、タグコンソール20、及び、映像記録装置22に適宜供給する。
具体的に無線タグ30は、図8に示すように、アンテナ31と、受信ユニット32と、タイム補正ユニット33と、計時手段としての計時ユニット34と、トリガアンテナ35と、検出手段としてのトリガ検出ユニット36と、特定手段としてのタイム特定ユニット37と、記憶部38と、送信手段としての送信ユニット39と、から構成される。
受信ユニット32は、アンテナ31を介して、ランニングタイム送信機15から送信されるランニングタイム等を受信する。
具体的に受信ユニット32は、スタート直後にスタート地点のランニングタイム送信機15から送信されるランニングタイム、関門ID及び、しきい値nを含む情報を受信する。なおこの際、ランニングタイム送信機15からは、連続して複数回(例えば、1秒間隔で3回以上)に渡って送信されるランニングタイム等を受信する。
また、受信ユニット32は、計時地点のランニングタイム送信機15から送信されるランニングタイム及び、関門IDを含む情報を受信する。
そして、受信ユニット32は、受信したランニングタイム等をタイム補正ユニット33に供給する。
この他にも受信ユニット32は、検出タイム受信機19から検出タイムの送信要求(ポーリング)を受信する。そして、受信した送信要求を送信ユニット39に供給する。
なお、競技スタート時点では、それまで計時ユニット34にランニングタイムが未設定であったため、タイム補正ユニット33は、スタート地点にてランニングタイム送信機15から送られるランニングタイムを、受信ユニット32が例えば、1秒間隔で3回以上受信した後に、正当なランニングタイムを計時ユニット34に設定する。
なおこの際、タイム補正ユニット33は、スタート地点のランニングタイム送信機15からランニングタイムと共に送られたしきい値nを記憶部38に記憶する。
計時ユニット34は、高安定水晶発振器を備えており、ランニングタイムの計時を安定して維持することが可能となっている。
トリガ検出ユニット36は、トリガアンテナ35を介して、トリガ信号を検出する。そして、検出結果をタイム特定ユニット37に通知する。例えば、トリガ検出ユニット36は、トリガINのタイミング(トリガ信号を検出していない状態から最初にトリガ信号を検出したタイミング)、及び、トリガOUTのタイミング(トリガ信号を検出していた状態から検出を終えたタイミング)を、タイム特定ユニット37に通知する。
例えば、タイム特定ユニット37は、競技者RNが計時ゾーンZに到達し、トリガINのタイミングがトリガ検出ユニット36から通知されると、計時ユニット34が計時しているランニングタイムを1つ目の検出タイムとして特定し、記憶部38に記憶する。その後、競技者RNが計時ゾーンZを通過し、トリガOUTのタイミングがトリガ検出ユニット36から通知されると、計時ユニット34が計時しているランニングタイムを2つ目の検出タイムとして特定し、記憶部38に記憶する。
また、記憶部38は、無線タグ30毎(競技者RN毎)に異なる固有のタグIDを予め記憶している。
また、送信ユニット39は、受信ユニット32が検出タイムの送信要求(ポーリング)を受信した際に、記憶部38からタグID、各検出タイム、関門ID、及び、補正値αを読み出して、検出タイム受信機19に送信する。
なお、送信ユニット39は、検出タイム受信機19から検出タイムの送信要求(ポーリング)が送られない場合等に、自ら検出タイム受信機19に対してポーリング要求を送信してもよい。例えば、自己のタグIDがタグコンソール20のポーリングリストに登録されていないことも考慮して、タイム特定ユニット37が各検出タイムを記憶部38に記憶してから所定時間経過後)までに、検出タイムの送信要求を受信しなかった場合、送信ユニット39は、自発的に検出タイム受信機19に対してポーリング要求を送信する。この際、送信ユニット39は、他の無線タグ30の送信を考慮してタイミングをずらしたり、異なるチャンネルのバンドにてポーリング要求を送信してもよい。
最初に図9を参照して、競技のスタートから、タグコンソール20がポーリングリストを生成するまでの動作について簡単に説明する。
そして、無線タグ30は、受信したランニングタイムの応答として、自己のタグIDをタグID受信機16に送信する(T3)。
具体的に無線タグは、ランニングタイムを受信すると、自己が計時しているランニングタイムとの時差を求める。そして、求めた時差としきい値nとを比較して、ランニングタイムが正確であるか否かを判別する。
ここで、無線タグ30は、求めた時差がしきい値nより大きくない(しきい値n以内である)場合に、自己のランニングタイムを補正する。そして、求めた時差を記憶部38の累積時差βに加算して記憶すると共に、累積時差βから単位時間あたりの補正値αを求め、記憶部38に記憶する(更新する)。また、関門IDの更新も行う。
一方、求めた時差がしきい値nより大きい場合に、無線タグ30は、不正確と思われるランニングタイムをそのまま破棄し、関門IDの更新も行わない。
そして、無線タグ30は、受信したランニングタイムの応答として、自己のタグIDをタグID受信機16に送信する(T6)。
なお、タグコンソール20は、操作部から手動によるタグIDの入力があった場合にも、このタグIDをポーリングリストに登録する。つまり、タグコンソール20が、タグIDが取得できなかった(タグID受信機16がタグIDを受信できなかった)場合に、競技役員等は、タグコンソール20を操作して、検出できなかったタグID(対象となる競技者RNの無線タグ30に対応するタグID)を手動で入力する。
例えば、タグコンソール20は、登録時刻が早い順に従って、1つのタグIDを読み出す。なお、このステップS11が繰り返し実行され、登録時刻が最も遅いタグIDの読み出しを終えると、タグコンソール20は、以前のタグIDが残っている場合に、再度先頭から、登録時刻が早い順に再度タグIDを読み出す。
一方、関門IDが一致していないと判別した場合に、タグコンソール20は、補正値αを使用して、各検出タイムを補正する(ステップS15)。
すなわち、タグコンソール20は、記憶部20dに記憶されるパラメータ(γ)に基づいて、各検出タイムから、競技者RNが計時ラインLを通過した時点の計時タイムを算定する。より具体的には、上述した数式4,5等を用いて計時タイムを求める。
タグコンソール20は、他のタグIDがあると判別すると、ステップS11に処理を戻し、上述したステップS11〜S20の処理を繰り返し実行する。
一方、他のタグIDがないと判別した場合に、タグコンソール20は、計時タイム算定処理を終了する。
この結果、競技者個々のタイムを適切に計測することができる。
しかしながら、タグコンソール20(記憶部20d)に記憶させる情報は、このようなパラメータに限られず、他に、無線タグ30のトリガアンテナ35の特性を規定する特性情報や、トリガ信号発生装置18の設置ポイントを含めた設置環境を規定する設置情報等を記憶させてもよい。
なお、トリガアンテナ35が、走行する競技者RNを基準として前方に指向性を有している場合に、前方からのトリガ信号は受信し易いが、後方からのトリガ信号は受信し難くなる。逆に、トリガアンテナ35が後方に指向性を有している場合に、後方からのトリガ信号は受信し易いが、前方からのトリガ信号は受信し難くなる。
このような場合を考慮すると、図11(a),(b)に示すように、計時ゾーンZの一端(端部A)が計時ラインLと接するようにトリガ信号発生装置18を配置したり、図11(c),(d)に示すように、計時ゾーンZの他の一端(端部B)が計時ラインLと接するようにトリガ信号発生装置18を配置する場合がある。
このような場合、タグコンソール20(制御部20e)は、記憶部20dに記憶される特性情報に基づいて、検出タイム取得部20cが取得した各検出タイムの一方を計時タイムとして算定する。
例えば、トリガアンテナ35が前方に指向性を有しており、図11(c),(d)に示すように計時ゾーンZの端部Bが計時ラインLと接している場合に、タグコンソール20は、トリガOUTの検出タイムを計時タイムとして算定する。
そのため、2地点の検出タイムから計時タイムを正確に算定することが困難となる。
この場合も、上述の図11(a),(b)に示すように、計時ゾーンZの端部Aが計時ラインLと接するようにトリガ信号発生装置18を配置したり、図11(c),(d)に示すように、計時ゾーンZの端部Bが計時ラインLと接するようにトリガ信号発生装置18を配置する必要がある。
つまり、トリガ信号発生装置18の設置ポイントがゴール地点である場合に、タグコンソール20(記憶部20d)には、計時ゾーンの何れか一端が計時ラインと接していることを規定する設置情報を記憶させる。
そして、タグコンソール20(制御部20e)は、記憶部20dに記憶される設置情報に基づいて、検出タイム取得部20cが取得した各検出タイムの一方を計時タイムとして算定する。
これらの場合も、競技者個々のタイムを適切に計測することができる。
しかしながら、ランニングタイム送信機15から送信するのは、ランニングタイムに限られず、他の時刻情報を送信してもよい。例えば、タイマコンソール11にて計時されている現在時刻をランニングタイム送信機15から無線タグ30に向けて送信し、無線タグ30(計時ユニット34)にてこの現在時刻に同期した時刻を計時させるようにしてもよい。
一方、無線タグ30は、経時的に変化するはずの複数の現在時刻を参酌して、正当な現在時刻を計時ユニット34に設定する。そして、現在時刻と共に送られたしきい値n及び、初回設定時刻を記憶部38に記憶する。
なお、この場合も、計時地点で受信した現在時刻と計時ユニット34にて計時した時刻との時差が、記憶部38に記憶したしきい値nよりも大きい場合に、タイム補正ユニット33は、時刻の補正を行わない。
一方、タグコンソール20は、検出タイム受信機19を介してこれらの情報を取得すると、関門IDがその計時地点におけるランニングタイム送信機15の関門IDと異なっている場合に、検出タイムと共に取得した補正値αを使用して、各検出タイムを適宜補正する。タグコンソール20は、パラメータ(γ)に基づいて、各検出タイムから、競技者RNが計時ラインLを通過した時点の計時タイムを算定する。タグコンソール20は、算定した計時タイムを、タグIDと共にデータサーバ23に送信する。そして、データサーバ23は、スタート時刻と計時タイムとから、各競技者RNのタイムを特定する。
例えば、駅伝、競歩、身障者車椅子ロードレース、自転車ロードレース、トライアスロン、及び、ランニングやオリエンテーション等の山岳競技等にも適宜適用可能である。
11 タイマコンソール
12 GPS受信機
13 無線通信端末
14 時刻表示装置
15 ランニングタイム送信機
16 タグID受信機
17,20 タグコンソール
18 トリガ信号発生装置
19 検出タイム受信機
21 撮影装置
22 映像記録装置
23 データサーバ
30 無線タグ
Claims (1)
- 競技者に携帯される計時機器と、計時位置を規定する計時ラインが含まれる所定の計時ゾーン内に向けてトリガ信号を発する信号発生機器と、前記計時機器から送られる検出タイムを受信するタイム受信機と、前記タイム受信機を制御するコンソールと、を含む競技用計測システムであって、
前記計時機器は、
計時の基準となる基準時刻と同期した時刻を計時する計時手段と、
前記信号発生機器が発する前記トリガ信号を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記トリガ信号に基づいて前記計時ゾーンを判別し、判別した前記計時ゾーンの2地点にて前記計時手段が計時した時刻を、前記検出タイムとしてそれぞれ特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記各検出タイムを前記タイム受信機に向けて送信する送信手段と、を備え、
前記コンソールは、
予め測定された前記計時ゾーンと前記計時ラインとの位置関係を規定するパラメータを記憶する記憶手段と、
前記タイム受信機が受信した前記各検出タイムを取得するタイム取得手段と、
前記記憶手段に記憶される前記パラメータに基づいて、前記タイム取得手段が取得した前記各検出タイムから、競技者が前記計時ラインを通過した時点の計時タイムを算定するタイム算定手段と、を備え、
前記検出手段は、所定の特性を有するアンテナを介して、前記信号発生機器が発する前記トリガ信号を検出し、
前記記憶手段は、前記計時機器のアンテナが、走行する競技者を基準として前方又は後方の指向性を有することを規定する特性情報を記憶し、
前記タイム算定手段は、前記記憶手段に記憶される前記特性情報に基づいて、前記タイム取得手段が取得した前記各検出タイムの一方を計時タイムとして算定する、
ことを特徴とする競技用計測システム。
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