JP4549444B2 - プロピレン系重合体組成物および熱成形体 - Google Patents

プロピレン系重合体組成物および熱成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、プロピレン系重合体組成物および熱成形体に関するものであり、さらに詳しくは、剛性と耐衝撃性とのバランスに優れた熱成形体が得られるプロピレン系重合体組成物および該組成物から得られる熱成形体に関するものである。
【0002】
【背景技術】
ポリプロピレンは、剛性、耐熱性、耐衝撃性などに優れているため、種々の成形方法により成形され、多方面の用途に供されている。そして、成形方法や用途に応じて要求される特性も異なっている。たとえば下水道用パイプ、上水道用パイプまたはガスパイプの材料として用いる場合は、パイプ疲労特性、機械強度、成形性などに優れることが要求される。また最近は、パイプの薄肉化などの経済性向上のため剛性の向上が求められつつあり、消費電力減少のため成形性も求められている。さらにフィルムの材料として用いる場合には、耐衝撃強度などが要求され、透明性が要求されることもある。
【0003】
本発明者らは、機械的強度に優れた熱成形体、特にパイプ、フィルムが得られるようなプロピレン系重合体組成物について検討した結果、メルトフローレート、示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が特定の範囲にある密度が低いプロピレン系重合体と、メルトフローレート、示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が特定の範囲にある密度が高いプロピレン系重合体とからなる組成物は、機械的強度に優れた熱成形体が得られ、特にこの組成物から得られるパイプおよびフィルムは優れた特性を有することを見出して本発明を完成するに至った。
【0004】
【発明の開示】
本発明に係るプロピレン系重合体組成物は、
(A)(1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.001〜8g/10分の範囲にあり、
(2)示差走査型熱量計(DSC)により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)が95〜145℃の範囲にあり、
(3)密度が885〜905kg/m3の範囲にあり、
(4)炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が1.5〜11モル%の範囲にあるプロピレン系重合体:10〜90重量%と、
(B)(1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.1〜600g/10分の範囲にあり、
(2)示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が145〜170℃の範囲にあり、
(3)密度が905〜916kg/m3の範囲にあり、
(4)炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が0〜2モル%の範囲にあるプロピレン系重合体:90〜10重量%とからなり、
(1)プロピレン系重合体(A)のメルトフローレート(MFRA(g/10分))と、プロピレン系重合体(B)のメルトフローレート(MFRB(g/10分))とが
0.1≦log(MFRB/MFRA)≦6.1
を満たし、
(2)プロピレン系重合体(A)の密度(dA(kg/m3))と、プロピレン系重合体(B)の密度(dB(kg/m3))とが
≦dB−dA17
を満たしている。
【0005】
このようなプロピレン系重合体組成物を熱成形して得られる熱成形体は、剛性に優れている。
プロピレン系重合体組成物からパイプを成形する場合、該組成物は、
(1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.005〜2.0g/10分の範囲にあり、
(2)示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が128〜157℃の範囲にあり、
(3)密度が899〜911kg/m3の範囲にあり、
(4)200℃で成形したプレスシート試験片の曲げ弾性率が800〜1900MPaの範囲にあることが好ましい。
【0006】
このようなプロピレン系重合体組成物を熱成形してパイプを成形すると、得られるパイプは、剛性および耐クリープ性に優れる。
またプロピレン系重合体組成物からフィルムを成形しようとする場合、該組成物は、
(1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが4〜25g/10分の範囲にあり、
(2)示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が128〜157℃の範囲にあり、
(3)密度が899〜911kg/m3の範囲にあり、
(4)200℃で成形したプレスシート試験片の曲げ弾性率が800〜1900MPaの範囲にあることが好ましい。
【0007】
このようなプロピレン系重合体組成物を熱成形してフィルムを成形すると、得られるフィルムは、剛性、透明性および耐衝撃性に優れる。
本発明では、前記プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)は、メタロセン系触媒を用いて製造されたものであることが好ましい。
【0008】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明に係るプロピレン系重合体組成物および該組成物から得られる熱成形体について具体的に説明する。
【0009】
本発明に係るプロピレン系重合体組成物は、下記プロピレン系重合体(A)と下記プロピレン系重合体(B)とからなる組成物である。
プロピレン系重合体組成物を形成するプロピレン系重合体(A)は、下記(1)〜(4)の要件を満たしている。
【0010】
(1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFRは、通常0.001〜8g/10分、好ましくは0.005〜6g/10分の範囲にある。
(2)DSCにより測定されるTmは、通常95〜145℃、好ましくは100〜140℃の範囲にある。
(3)密度は、通常885〜905kg/m3、好ましくは887〜903kg/m3の範囲にある。
(4)炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合は、通常1.5〜11モル%、好ましくは2〜10モル%の範囲にある。ここで炭素原子数が4〜20のα−オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられ、α−オレフィンとしては、炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。
【0011】
プロピレン系重合体組成物を形成するプロピレン系重合体(B)は、下記(1)〜(4)の要件を満たしている。
【0012】
(1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFRは、通常0.1〜600g/10分、好ましくは0.3〜500g/10分の範囲にある。
(2)DSCにより測定されるTmは、通常145〜170℃、好ましくは147〜168℃の範囲にある。
(3)密度は、通常905〜916kg/m3、好ましくは906〜915kg/m3の範囲にある。
(4)炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合は、通常0〜2モル%、好ましくは0〜1モル%の範囲にある。α−オレフィンとしては、炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。
【0013】
前記プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)は、種々の方法により製造することができるが、たとえば固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分とから形成されるチタン触媒、もしくはこれら両成分および電子供与体から形成される高活性チタン触媒、またはメタロセン化合物とアルミノキサンなどとから形成されるメタロセン系触媒を用いて製造することができる。本発明では、プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)は、メタロセン系触媒を用いて製造されたものであることが好ましく、特に下記のようなメタロセン系触媒を用いて製造されたものであることが好ましい。
【0014】
本発明で用いられるプロピレン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)を製造する際に好適に用いられるメタロセン系触媒は、周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とからなる。
【0015】
メタロセン系触媒を形成する周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物は、具体的には、次式(I)で表される。
11 x … (I)
式中、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属であり、具体的にはジルコニウム、チタンまたはハフニウムである。xは遷移金属M1の原子価を示し、遷移金属に配位する配位子L1の個数を示す。
【0016】
1は遷移金属に配位する配位子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子L1は、シクロペンタジエニル基、インデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などのシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は、アルキル基;シクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;トリアルキルシリル基;ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
【0017】
該メタロセン化合物が配位子L1としてシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、アルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基、置換シリレン基などの結合基を介して結合されていることが望ましい。
【0018】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のL1としては、炭素原子数が1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO3a、但し、Raはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基またはアルキル基で置換されたアリール基である。)、ハロゲン原子、水素原子などが挙げられる。
【0019】
以下に、M1がジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個含むメタロセン化合物を例示する。
エチレン-ビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、
エチレン-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
メチルフェニルシリレン-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン-ビス(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(4,7-ジメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,7-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,6-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(1-アントリル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0020】
また、上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換えたメタロセン化合物を例示することもできる。
上記のようなメタロセン化合物は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
【0021】
また上記のようなメタロセン化合物は、粒子状担体に担持させて用いることもできる。このような粒子状担体としては、SiO2、Al23、B23、MgO、ZrO2、CaO、TiO2、ZnO、SnO2、BaO、ThOなどの無機担体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などの有機担体を用いることができる。これらの粒子状担体は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
【0022】
次に、メタロセン系触媒を形成する有機アルミニウムオキシ化合物およびイオン化イオン性化合物について説明する。
有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0023】
なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
イオン化イオン性化合物としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。
【0024】
ルイス酸としては、BR3(式中、Rはフッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子である。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトルフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0025】
イオン性化合物としてはトリアルキル置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。具体的には、トリアルキル置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。ジアルキルアンモニウム塩としては、たとえばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもできる。
【0026】
ボラン化合物としては、デカボラン(14)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0027】
カルボラン化合物としては、4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0028】
上記のようなイオン化イオン性化合物は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
前記有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物は、上述した粒子状担体に担持させて用いることもできる。
【0029】
また触媒を形成するに際しては、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とともに以下のような有機アルミニウム化合物を用いてもよい。
【0030】
有機アルミニウム化合物としては、分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が利用できる。このような化合物としては、たとえば下記一般式で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
【0031】
(R1mAl(O(R2))npq
(式中、R1およびR2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が通常1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかも、m+n+p+q=3である。)
【0032】
前記プロピレン系重合体(A)は、上記のようなメタロセン系触媒の存在下に常法に従い、プロピレンと少量の炭素原子数が4〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより製造することができる。前記プロピレン系重合体(B)は、上記のようなメタロセン系触媒の存在下に常法に従い、プロピレンを単独重合させるか、またはプロピレンと少量の炭素原子数が4〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより製造することができる。
【0033】
プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)がメタロセン系触媒を用いて製造された重合体であると、これらの重合体は低分子量成分の割合が少ないため、プロピレン系重合体組成物は熱成形時の焼け焦げがほとんどなく、熱成形体は、臭気がほとんどない。また、結晶厚みが均一となるため熱成形体は、フィルムインパクトのような耐衝撃性や耐クリープ性などに優れる。
【0034】
プロピレン系重合体組成物は、前記プロピレン系重合体(A)10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%と、前記プロピレン系重合体(B)90〜10重量%、好ましくは80〜20重量%とからなり、
(1)プロピレン系重合体(A)のMFR(MFRA(g/10分))と、プロピレン系重合体(B)のMFR(MFRB(g/10分))とが
0.1≦log(MFRB/MFRA)≦6.1
好ましくは、
0.2≦log(MFRB/MFRA)≦5.7
を満たし、(2)プロピレン系重合体(A)の密度(dA(kg/m3))と、プロピレン系重合体(B)の密度(dB(kg/m3))とが
2≦dB−dA≦31
好ましくは、
4≦dB−dA≦28
を満たしている。
【0035】
プロピレン系重合体組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が必要に応じて配合されていてもよい。
【0036】
プロピレン系重合体組成物は、公知の方法を利用して製造することができる。
たとえば、1個の重合器を用い重合を反応条件の異なる2段以上に分けて、プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)を重合することにより製造することができる。具体的には、二段重合プロセスにより、前段でプロピレン系重合体(A)を重合し、後段でプロピレン系重合体(B)を重合するか、または前段でプロピレン系重合体(B)を重合し、後段でプロピレン系重合体(A)を重合することにより製造することができる。
【0037】
また、複数の重合器を用い、一方の重合器でプロピレン系重合体(A)を重合し、次に他方の重合器で前記プロピレン系重合体(A)の存在下にプロピレン系重合体(B)を重合するか、または一方の重合器でプロピレン系重合体(B)を重合し、次に他方の重合器で前記プロピレン系重合体(B)の存在下でプロピレン系重合体(A)を重合することにより製造することもできる。
【0038】
さらに、下記のような方法で製造することもできる。
(1)プロピレン系重合体(A)、プロピレン系重合体(B)、および所望により添加される他の成分を、押出機、ニーダー等を用いて機械的にブレンドする方法。
(2)プロピレン系重合体(A)、プロピレン系重合体(B)、および所望により添加される他の成分を適当な良溶媒(たとえば;ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素溶媒)に溶解し、次いで溶媒を除去する方法。
(3)プロピレン系重合体(A)、プロピレン系重合体(B)、および所望により添加される他の成分を適当な良溶媒にそれぞれ別個に溶解した溶液を調製した後混合し、次いで溶媒を除去する方法。
(4)上記(1)〜(3)の方法を組み合わせて行う方法。
【0039】
本発明のプロピレン系重合体組成物をブロー成形、真空・圧空成形、カレンダー成形、インフレーション成形、キャスト成形、押出成形、発泡成形、延伸フィルム成形、射出成形などの種々の熱成形法により成形することにより熱成形体が得られる。
【0040】
本発明のプロピレン系重合体組成物は、成形性に優れている。
上記プロピレン系重合体組成物からパイプを成形する場合は、以下のような組成物を用いることが好ましい。
【0041】
(1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.005〜2.0g/10分、好ましくは0.01〜1.5g/10分の範囲にあり、
(2)示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が128〜157℃、好ましくは130〜155℃の範囲にあり、
(3)密度が899〜911kg/m3、好ましくは900〜910kg/m3の範囲にあり、
(4)200℃で成形したプレスシート試験片の曲げ弾性率が800〜1900MPa、好ましくは900〜1800MPaの範囲にある組成物。
【0042】
このような物性を有するプロピレン系重合体組成物は、パイプ成形性に優れ、得られるパイプは剛性および耐クリープ性に特に優れる。
このようなプロピレン系重合体組成物は、たとえば230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFRが0.05〜0.1g/10分の範囲にあり、DSCにより測定されるTmが105〜115℃の範囲にあり、密度が885〜895kg/m2の範囲にあり、炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が2〜8モル%の範囲にあるプロピレン系重合体(A):30〜70重量部と、
230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFRが0.1〜0.8g/10分の範囲にあり、DSCにより測定されるTmが150〜160℃の範囲にあり、密度が905〜915kg/m2の範囲にあり、炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が0〜1.0モル%の範囲にあるプロピレン系重合体(B):70〜30重量部とを押出機で溶融混練することにより製造することができる。
【0043】
また、二段重合プロセスにより、前段で230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFRが0.002〜0.02g/10分の範囲にあり、DSCにより測定されるTmが105〜140℃の範囲にあり、密度が885〜904kg/m2の範囲にあり、炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が2〜8モル%の範囲にあるプロピレン系重合体(A)を重合し、
後段で230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFRが10〜120g/10分の範囲にあり、DSCにより測定されるTmが145〜165℃の範囲にあり、密度が906〜920kg/m2の範囲にあり、炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が0〜1.5モル%の範囲にあるプロピレン系重合体(B)を、プロピレン系重合体(A)が30〜70重量%、プロピレン系重合体(B)が70〜30重量%となるように重合することにより製造することもできる。
【0044】
また、上記プロピレン系重合体組成物からフィルムを形成する場合は、以下のような組成物を用いることが好ましい。
(1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが4〜25g/10分、好ましくは5〜20g/10分の範囲にあり、
(2)示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が128〜157℃、好ましくは130〜155℃の範囲にあり、
(3)密度が899〜911kg/m3、好ましくは900〜910kg/m3の範囲にあり、
(4)200℃で成形したプレスシート試験片の曲げ弾性率が800〜1900MPa、好ましくは900〜1800MPaの範囲にある組成物。
【0045】
このような物性を有するプロピレン系重合体組成物は、フィルム成形性に優れ、得られるフィルムは透明性および耐衝撃性に特に優れる。
このようなプロピレン系重合体組成物は、たとえば230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFRが4〜7g/10分の範囲にあり、DSCにより測定されるTmが105〜115の範囲にあり、密度が888〜895kg/m2の範囲にあり、炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が2〜8モル%の範囲にあるプロピレン系重合体(A):30〜70重量部と、
230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFRが10〜20g/10分の範囲にあり、DSCにより測定されるTmが150〜160℃の範囲にあり、密度が905〜915kg/m2の範囲にあり、炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が0〜1.0モル%の範囲にあるプロピレン系重合体(B):70〜30重量部とを押出機で溶融混練することにより製造することができる。
【0046】
また、二段重合プロセスにより、前段で230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFRが0.01〜2.0g/10分の範囲にあり、DSCにより測定されるTmが105〜140℃の範囲にあり、密度が885〜904kg/m2の範囲にあり、炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が2〜8モル%の範囲にあるプロピレン系重合体(A)を重合し、
後段で230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFRが100〜550g/10分の範囲にあり、DSCにより測定されるTmが145〜170℃の範囲にあり、密度が906〜920kg/m2の範囲にあり、炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が0〜1.0モル%の範囲にあるプロピレン系重合体(B)を、プロピレン系重合体(A)が30〜70重量部、プロピレン系重合体(B)が70〜30重量部となるように重合することにより製造することもできる。
【0047】
前記プロピレン系重合体組成物からパイプを製造するには、通常の押出成形法を採用することができる。このようにして成形されたパイプは、耐クリープ性に優れている。
【0048】
前記プロピレン系重合体組成物からフィルムを製造するには、キャスティング法、溶融押出法などの従来公知の成形法を採用することかできる。このようにして形成されたフィルムは、透明性に優れ、耐衝撃性に優れている。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係るプロピレン系重合体組成物は、機械的強度に優れた熱成形体を製造することができる。また本発明に係るプロピレン系重合体組成物は、パイプ成形性に優れ、得られたパイプは剛性および耐クリープ性に特に優れる。本発明に係るプロピレン系重合体組成物から形成されたフィルムは、透明性に優れ、耐衝撃性に優れている。
【0050】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明では組成物の物性および成形体の物性は以下のようにして測定して求めた。
【0051】
メルトフローレート(MFR)
ASTM D1238−65Tに準拠して、230℃、2.16kg荷重下で測定した。
【0052】
融点(Tm)
示差走査型熱量計(DSC)により、5mgの試料を200℃にて完全に溶解し、10℃/分の速度で降温した後、さらに10℃/分の速度で昇温する際に検出される吸熱ピークのピーク位置の温度を融点とした。
【0053】
密度
MFR測定により得られるストランドを用い、気泡が混入していない部分を約1cm切取り、それを密度勾配管中に入れることにより測定した。
【0054】
α−オレフィン含量
10mmφの試料管中で約200mgの試料を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させ、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500MHz、パルス繰返し時間4.2秒、パルス幅6μsec.の測定条件下で13C−NMRスペクトルを測定することにより求めた。
【0055】
曲げ弾性率(FM)
ASTM D790に準じて、230℃で成形した厚み2mmのプレスシートから打ち抜いたFM試験片を、23℃、スパン間32mm、曲げ速度5mm/minで試験することにより求めた。
【0056】
耐クリープ性
JIS K6762に準拠して、成形後48時間以上経過した長さ50cmのパイプの両端に密閉治具を取付け、80℃の水槽中に浸漬する。次いで、フープストレスが6MPaとなるようにパイプ内部に窒素を吹き込み内圧を一定に保ち、破壊が起こるまでの時間を測定し耐クリープ性を評価した。
【0057】
透明性(Haze)
ASTM D1003に準拠して測定した。
【0058】
フィルムインパクト
東洋精機製作所製振子式フィルム衝撃試験機(フィルムインパクトテスター)により測定した。
【0059】
〔実施例1〕
メタロセン系触媒を用い定法に従い、初段で表1に示すような物性を有するプロピレン・オクテン共重合体(A-1)を重合し、後段で表2に示すような物性を有するプロピレン単独重合体(B-1)を重量比((A-1)/(B-1))が47/53となるように2段重合して、表3に示すような物性を有するプロピレン系重合体組成物(C-1)を得た。このプロピレン系重合体組成物(C-1)100重量部に対して、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ベンジルベンゼンを0.4重量部、テトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.2重量部、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネートを0.2重量部、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートを0.15重量部およびステアリン酸カルシウムを0.1重量部配合して、単軸押出機により230℃にて溶融混練することによりペレット化した。次いで、このペレットを用い260℃にて押出成形することにより外形が60mm、内径が5.5mmのパイプを製造した。プロピレン系重合体組成物(C-1)は、パイプ成形性に優れていた。得られたパイプの耐クリープ性を表3に示す。
【0060】
〔実施例2〕
メタロセン系触媒を用い定法に従い、初段で表1に示すような物性を有するプロピレン・オクテン共重合体(A-2)を重合し、後段で表3に示すような物性を有するプロピレン単独重合体(B-2)を重量比((A-2)/(B-2))が47/53となるように2段重合して表3に示すような物性を有するプロピレン系重合体組成物(C-2)を得た。このプロピレン系重合体組成物を用いて実施例1と同様にしてパイプを製造した。プロピレン系重合体組成物(C-2)は、パイプ成形性に優れていた。得られたパイプの耐クリープ性を表3に示す。
【0061】
〔実施例3〕
メタロセン系触媒を用い定法に従い製造した、表1に示すような物性を有するプロピレン・オクテン共重合体(A-3)69重量%と、メタロセン系触媒を用い定法に従い製造した、表2に示すような物性を有するプロピレン単独重合体(B-3)31重量%とからなり表3に示すような物性を有するプロピレン系重合体組成物(C-3)100重量部に、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ベンジルベンゼンを0.4重量部、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.2重量部、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネートを0.2重量部、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートを0.15重量部およびステアリン酸カルシウムを0.1重量部配合して、単軸押出機により230℃にて溶融混練することによりペレット化した。次いで、このペレットを用い260℃にて押出成形することによりパイプを製造した。プロピレン系重合体組成物(C-3)は、パイプ成形性に優れていた。得られたパイプの耐クリープ性を表3に示す。
【0062】
〔実施例4〕
メタロセン系触媒を用い定法に従い、初段で表1に示すような物性を有するプロピレン・オクテン共重合体(A-4)を重合し、後段で表2に示すような物性を有するプロピレン単独重合体(B-4)を重量比((A-4)/(B-4))が60/40となるように2段重合して、表3に示すような物性を有するプロピレン系重合体組成物(C-4)を得た。得られたプロピレン系重合体組成物(C-4)100重量部に、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.06重量部、トリス-モノ/ジ ノニル-フェニルフォスファイトを0.06重量部、ステアリン酸カルシウムを0.05重量部、エルシルアミドを0.1重量部およびシリカを0.15重量部を配合して、単軸押出機により230℃にて溶融混練することによりペレット化した。次いで、このペレットを用い260℃にてキャストフィルム成形することにより厚さ50μmのフィルムを製造した。プロピレン系重合体組成物(C-4)は、フィルム成形性に優れていた。得られたフィルムの透明性およびフィルムインパクト強度、ならびにプレスシートの曲げ弾性率を表3に示す。
【0063】
〔実施例5〕
メタロセン系触媒を用い定法に従い製造した表1に示すような物性を有するプロピレン・オクテン共重合体(A-5)49重量%と、メタロセン系触媒を用い定法に従い製造した表2に示すような物性を有するプロピレン単独重合体(B-5)51重量%とからなり、表3に示すような物性を有するプロピレン系重合体組成物(C-5)100重量部に、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.06重量部、トリス-モノ/ジノニル-フェニルフォスファイトを0.06重量部、ステアリン酸カルシウムを0.05重量部、エルシルアミドを0.1重量部およびシリカを0.15重量部を配合して、2軸押出機により230℃にて溶融混練することによりペレット化した。次いで、このペレットを用い260℃にてキャストフィルム成形することにより厚さ50μmのフィルムを製造した。プロピレン系重合体組成物(C-5)は、フィルム成形性に優れていた。得られたフィルムの透明性およびフィルムインパクト強度、ならびにプレスシートの曲げ弾性率を表3に示す。
【0064】
〔実施例6〜9〕
メタロセン系触媒を用い定法に従い製造した表1に示すような物性を有するプロピレン・オクテン共重合体と、メタロセン系触媒を用い定法に従い製造した表2に示すような物性を有するプロピレン単独重合体とからなり、表3に示すような組成および物性を有するプロピレン系重合体組成物を用いたこと以外は、実施例5と同様にしてプロピレン系重合体組成物のペレットを製造した。次いで、このペレットを用い260℃にてキャストフィルム成形することにより厚さ50μmのフィルムを製造した。プロピレン系重合体組成物は、いずれもフィルム成形性に優れていた。得られたフィルムの透明性およびフィルムインパクト強度、ならびにプレスシートの曲げ弾性率を表3に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004549444
【0066】
【表2】
Figure 0004549444
【0067】
【表3】
Figure 0004549444

Claims (7)

  1. (A)(1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.001〜8g/10分の範囲にあり、
    (2)示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が95〜145℃の範囲にあり、
    (3)密度が885〜905kg/m3の範囲にあり、
    (4)炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が1.5〜11モル%の範囲にあるプロピレン系重合体:10〜90重量%と、
    (B)(1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.1〜600g/10分の範囲にあり、
    (2)示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が145〜170℃の範囲にあり、
    (3)密度が905〜916kg/m3の範囲にあり、
    (4)炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が0〜2モル%の範囲にあるプロピレン系重合体:90〜10重量%とからなり、
    (1)プロピレン系重合体(A)のメルトフローレート(MFRA(g/10分))と、プロピレン系重合体(B)のメルトフローレート(MFRB(g/10分))とが
    0.2≦log(MFRB/MFRA)≦5.7
    を満たし、
    (2)プロピレン系重合体(A)の密度(dA(kg/m3))と、プロピレン系重合体(B)の密度(dB(kg/m3))とが
    6≦dB−dA≦17
    を満たすことを特徴とするプロピレン系重合体組成物。
  2. 前記プロピレン系重合体組成物は、
    (1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.005〜2.0g/10分の範囲にあり、
    (2)示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が128〜157℃の範囲にあり、
    (3)密度が899〜911kg/m3の範囲にあり、
    (4)200℃で成形したプレスシート試験片の曲げ弾性率が800〜1900MPaの範囲にある組成物である請求の範囲第1項に記載のプロピレン系重合体組成物。
  3. 前記プロピレン系重合体組成物は、
    (1)230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが4〜25g/10分の範囲にあり、
    (2)示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が128〜157℃の範囲にあり、
    (3)密度が899〜911kg/m3の範囲にあり、
    (4)200℃で成形したプレスシート試験片の曲げ弾性率が800〜1900MPaの範囲にある組成物である請求の範囲第1項に記載のプロピレン系重合体組成物。
  4. 前記プロピレン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)は、メタロセン系触媒を用いて製造されたものである請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物。
  5. 請求の範囲第1項に記載のプロピレン系重合体組成物を熱成形して得られることを特徴とする熱成形体。
  6. 請求の範囲第2項に記載のプロピレン系重合体組成物を熱成形して得られることを特徴とするパイプ。
  7. 請求の範囲第3項に記載のプロピレン系重合体組成物を熱成形して得られることを特徴とするフィルム。
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