JP3801476B2 - シーラントフィルムおよび積層体 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、エチレン・α-オレフィン系重合体成分とプロピレン系重合体とからなるプロピレン系樹脂組成物を用いたシーラントフィルム、ならびにそのフィルムを用いた積層体、およびそれらの用途に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、ポリプロピレンは光学特性、耐熱性、剛性に優れるために各種包装材料に使用されている。しかし、ポリプロピレンは脆化温度が高いために、衝撃を受けた場合に破壊しやすい問題がある。また、ポリプロピレンは融点が高いために、ヒートシールを行う際にシール温度、シール時間を充分に取る必要があることから、製袋時の生産性が良くない。
【0003】
ポリプロピレン系フィルムの耐衝撃性、低温ヒートシール性を向上させる目的で、ポリプロピレン樹脂にエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体などのエラストマーを改質剤として配合する手法がよく知られている。
【0004】
しかしながら、ポリプロピレン樹脂にエラストマーを配合すると、低温ヒートシール性は改質されるもの完全シール時のヒートシール強度の低下、フィルムブロッキング性の悪化、透明性の低下が起こるため、エラストマーの配合量には制限があった。また、包装材料には、冷凍貯蔵品の落袋時の破袋を押さえるために、常温での耐衝撃性だけではなく、低温での耐衝撃性が要求される場合がある。低温衝撃性は、常温での耐衝撃性と必ずしも一致するものではなく、このような低温衝撃性を高めるためには、改質剤として柔らかいゴムを使うことが考えられるが、このような柔らかいゴムをポリプロピレン樹脂に配合するとフィルムのブロッキング性が悪化することになり、上記と同じ問題を抱えることになる。
【0005】
このため、低温ヒートシール性、ヒートシール強度、耐衝撃性、耐フィルムブロッキング性、光学特性とのバランスが高レベルで保持できるような改質剤が求められている。一方、上記のような包装用フィルムには、内容物の充填性に優れることが求められている。充填性は、高速充填性に繋がる低温シール性と、充填のしやすさに繋がる腰の強さ、すなわち高剛性の材料が求められる。ポリプロピレンはエチレン系樹脂と比較して、透明性、剛性に優れる材料であるが、ガラス転移温度、融点が高いため、低温での耐衝撃性、低温シール性が劣るため、剛性、透明性、ヒートシール強度を維持しつつ耐衝撃性、低温シール性が改良可能な樹脂改質剤の出現が求められていた。
【0006】
特開平2−43242には、ポリプロピレン樹脂と、エチレン・α−オレフィン共重合体とプロピレン・α−オレフィン共重合体からなる組成物が記載されている。本発明の組成物からなるフィルムは、エチレン・α−オレフィン共重合体のみをポリプロピレンの改質材として使用したフィルムと比較して、ヒートシール強度は向上するものの、フィルムインパクト強度、特に低温インパクト強度の改質効果が低いため、本発明の組成物から成るフィルムを冷凍食品向け包装材料に用いた場合、冷凍保管時に落袋した時に破袋しやすい問題がある。
【0007】
また、特開平11−221884には、ポリプロピレン樹脂と、エチレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体からなるシーラントフィルムが記載されている。本発明からなるフィルムは、低温ヒートシール性は優れるもの、低温フィルムインパクト強度が低い問題がある。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、完全ヒートシール時のヒートシール強度を損なわずに、低温ヒートシール性、低温耐衝撃性を改質し得るプロピレン系重合体組成物からなるシーラントフィルム、ならびにその積層体を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明に係るシーラントフィルムは、
[A]
(1) ASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重下)が0.1〜50g/10minであり、
(2) 示差熱量計で測定される融点が120〜165℃である、
結晶性プロピレン重合体60〜95重量%と、
[B]
下記エチレン・α-オレフィン系共重合体(B-1)とエチレン系重合体(B-2)とを合計5〜40重量%;
(B-1)(E)エチレンと、(α1)炭素数4〜20のα-オレフィンとの共重合体であって、(b-1-i)エチレンから誘導される構成単位の含量が50〜70モル%、炭素数4〜20のα-オレフィンから誘導される構成単位の含量が30〜50モル%であり、
(b-1-ii)135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜10.0dl/gである、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)を、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)と、エチレン系共重合体(B-2)との合計100重量部に対して1〜50重量部、
(B-2)(E)エチレンと、(α2)炭素数3〜20のα-オレフィン、環状オレフィンまたは環状ポリエンから選ばれる少なくとも1種との共重合体であって、
(b-2-i)密度が0.870〜0.895g/cm3の範囲にあり、
(b-2-ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.3〜50g/10分の範囲にあるエチレン系共重合体(B-2)をエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)と、エチレン系共重合体(B-2)との合計100重量部に対して50〜99重量%
とからなるプロピレン系重合体組成物からなり、厚さ0.5〜200μmであることを特徴としている。
【0010】
本発明のシーラントフィルムにおいては、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の(b-1-iii)密度が0.863g/cm3以下であることが好ましい。
【0011】
また、本発明のシーラントフィルムにおいては、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の(b-1-iv)13C-NMRスペクトルおよび下記一般式(1)から求められるB値が0.9〜1.5であることが好ましい;
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、
[PO]は共重合体中のα-オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、
[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するエチレン・α-オレフィン連鎖数の割合である。)。
【0012】
また本発明に係るシーラントフィルムにおいては、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の(b-1-v)13C-NMRスペクトルにより測定したTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下であることが好ましい。
【0013】
本発明に係るシーラントフィルムにおいては、エチレン系重合体(B-2)の、(b-2-iii) 示差走査型熱量計(DSC)で測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の温度(Tm)と密度(d)とが、Tm<400×d−250で示される関係を満足することが好ましい。
【0014】
また本発明に係るシーラントフィルムを構成するプロピレン系重合体組成物が、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)とエチレン系重合体(B-2)との組成物と、プロピレン系重合体[A]とから得られるものであることが好ましい。
【0015】
また本発明に係るシーラントフィルムにおいては、前記のエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の密度d1とエチレン系共重合体(b-2)の密度d2との比(d2/d1)が1.05以下であることが好ましい。
【0016】
また本発明に係るシーラントフィルムにおいては、弾性率の温度依存性を測定したとき、プロピレン系重合体[A]のガラス転移温度に起因する減衰率のピークと、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)のガラス転移温度に起因する減衰率のピークとが融合しておらず、かつプロピレン系重合体[A]のガラス転移温度に起因する減衰率のピークと、前記エチレン系共重合体(B-2)のガラス転移温度に起因する減衰率のピークとが融合していないプロピレン系重合体組成物からなることが好ましい。
【0017】
また本発明に係るシーラントフィルムは食品包装用であることが好ましく、レトルト食品包装用であることがさらに好ましい。
【0018】
また、本発明に係る積層体は、上記シーラントフィルムに、ポリオレフィンフィルム、無延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリアミドフィルム、無延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリエステルフィルム、金属蒸着フィルム、アルミニュウム箔、エチレンビニルアルコールフィルムから選ばれるフィルムが1種類以上積層されてなることを特徴としている。
【0019】
前記積層体においては、不飽和カルボン酸がグラフトされたオレフィン系樹脂、エチレン・α、β不飽和カルボン酸共重合体、アイオノマーを接着層として積層されていることが好ましい。
【0020】
また本発明に係る積層体は、ポリイソシアネート、ポリエステル、ポリエチレンイミン、変性ポリオレフィン、芳香族エステル、脂肪族エステルから選択されるアンカーコーティング剤を使用して、ドライラミネーション、ないしは押出ラミネーションにて積層されたものであることが好ましい。
【0021】
また本発明に係る積層体は、食品包装用であることが好ましく、レトルト食品包装用であることがより好ましい。
【0022】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るシーラントフィルムおよび積層体について具体的に説明する。
【0023】
まず本発明に係るシーラントフィルムを構成する、プロピレン系重合体組成物について説明する。
【0024】
プロピレン系重合体組成物
本発明に係るシーラントフィルムを構成する、プロピレン系重合体組成物は、結晶性プロピレン重合体[A]と、エチレン・αオレフィン共重合体(B-1)と、エチレン系共重合体(B-2)とからなることを特徴としている。
【0025】
[結晶性プロピレン系重合体[A]]
本発明では、下記のような特性を有する特定のプロピレン重合体が用いられる。このプロピレン重合体は、下記の特性を有していればホモポリプロピレンであっても、プロピレンブロック共重合体、プロピレンランダム共重合体であってもよい。
【0026】
プロピレンブロック共重合体は、高結晶性のポリプロピレン成分(結晶成分)と、常温(23℃)n-デカン可溶成分であるエチレン・プロピレン共重合ゴム成分(ゴム成分)とから形成されていることが好ましい。
【0027】
(1) 本発明で用いられるプロピレン重合体のメルトフローレート(MFR;ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)は、0.1〜50g/10分好ましくは0.5〜30g/10分である。
【0028】
このようなMFR値のプロピレン重合体からは、流動性に優れることから、フィルムの生産性に優れるプロピレン系重合体組成物が得られる。なおMFR値が50g/10分を超えるプロピレン重合体から形成されるフィルムは耐衝撃性(フィルムインパクト強度)、耐ブロッキング性に劣ることがある。
【0029】
(2)本発明で用いられるプロピレン重合体の示差熱量計で測定される融点は、通常120〜165℃好ましくは130〜165℃である。
融点が120℃より低いと、樹脂のベタツキ成分となる低結晶成分が増加するため、成形フィルムの耐ブロッキング性が悪化するため、実用上好ましくない。
なおプロピレン重合体の常温n-デカン可溶成分含量は、試料(プロピレン重合体)5gを、沸騰n-デカン200cc中に5時間浸漬して溶解した後、室温まで冷却して、析出した固相をG4ガラスフィルターで濾過した後、乾燥して測定した固相重量から逆算して求めることができる。
【0030】
(3) 本発明で用いられるポリプロピレンが、ポリプロピレンブロック共重合体である場合、ポリプロピレンブロック共重合体は、常温n-デカン不溶成分を、通常99.9〜70重量%好ましくは99.9〜80重量%の量で含有している。
この常温n-デカン不溶成分は、プロピレン重合体の高結晶性ポリプロピレン成分(アイソタクティックポリプロピレン)であり、具体的に、常温n-デカン不溶成分の13C−NMR法により求められるペンタッドアイソタクティシティI5は、通常0.95以上好ましくは0.97以上である。
【0031】
ペンタッドアイソタクティシティI5は、エイ・ザムベル(A.Zambelli )らにより、Macromolecules 6、925(1973) に提案された方法すなわち13C−NMR法(核磁気共鳴法)によって測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクティック分率であり、プロピレン単位が5個連続してアイソタクティック結合したプロピレンモノマー単位の分率である。
【0032】
上述のNMRの測定におけるピークの帰属は、Macromolecules 8、687(1975) の記載に基づいて行われる。また13C−NMRは、フーリエ変換NMR[500MHz(水素核測定時)]装置を用いて、周波数125MHzで、20000回の積算測定することにより、シグナル検出限界を0.001まで向上させて測定することができる。
【0033】
常温n-デカン不溶成分のI5がこのような値であるプロピレン重合体からは、剛性に優れた組成物を得ることができる。
【0034】
また本発明で用いられる結晶性プロピレン重合体[A]は、3-メチル-1- ブテン、3,3-ジメチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-メチル-1- ヘキセン、3,5,5-トリメチル-1- ヘキセン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなどの単独重合体または共重合体を、たとえば前重合により形成される前重合体として含有していると、結晶化速度が大きい。
【0035】
上記のような本発明で用いられる結晶性プロピレン重合体は、種々の方法により製造することができるが、たとえば立体規則性触媒を用いて製造することができる。
【0036】
具体的には、固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分とさらに必要に応じて電子供与体とから形成される触媒を用いて製造することができる。
【0037】
本発明では、固体状チタン触媒成分としては、具体的に、三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物が、比表面積が100m2/g以上である担体に担持された固体状チタン触媒成分、あるいはマグネシウム、ハロゲン、電子供与体(好ましくは芳香族カルボン酸エステルまたはアルキル基含有エーテル)およびチタンを必須成分とし、これらの必須成分が比表面積100m2/g以上である担体に担持された固体状チタン触媒成分が挙げられる。これらのうち、特に後者の固体状チタン触媒成分が好ましい。
【0038】
また有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物が好ましく、有機アルミニウム化合物としては具体的に、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライドなどが挙げられる。なお有機アルミニウム化合物は、使用するチタン触媒成分の種類に合わせて適宜選択することができる。
【0039】
電子供与体としては、窒素原子、リン原子、硫黄原子、ケイ素原子あるいはホウ素原子などを有する有機化合物を使用することができ、好ましくは上記のような原子を有するエステル化合物およびエーテル化合物などが挙げられる。
【0040】
このような触媒は、さらに共粉砕等の手法により活性化されてもよく、また上記のようなオレフィンが前重合されていてもよい。
【0041】
[エチレン・αオレフィン共重合体(B-1)]
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)は、エチレン(以下Eと称することがある)と炭素数4〜20のα-オレフィン(以下α1と称することがある)との共重合体である。
【0042】
この炭素数4〜20のα-オレフィンとしては、具体的に、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン1-オクテン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましく使用される。
【0043】
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の各構成成分の含量(b-1-i)は、エチレン(E)から誘導される構成単位の含量が50〜70モル%、好ましくは、50〜68モル%であり、炭素数4〜20のα-オレフィン(α1)から誘導される構成単位の含量が30〜50モル%、好ましくは32〜50モル%である。
【0044】
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)は、(b-1-ii)135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜10.0dl/g、好ましくは1〜8dl/g、より好ましくは2〜7dl/gの範囲にある。
【0045】
また本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)は、密度(b-1-iii)が0.863g/cm3以下であり、好ましくは0.855〜0.860g/cm3の範囲にある。
【0046】
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)は、(b-1-iv)13C-NMRスペクトルおよび下記一般式(1)から求められるB値が、0.9〜1.5、好ましくは1.0〜1.2である。
【0047】
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、
[PO]は共重合体中のα-オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、
[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するエチレン・α-オレフィン連鎖数の割合である。)
このB値は、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)中のエチレンと炭素数4〜20のα-オレフィンとの分布状態を表す指標であり、J.C.Randall (Macromolecules, 15, 353(1982)) 、J.Ray (Macromolecules, 10, 773(1977)) らの報告に基づいて求めることができる。
【0048】
上記B値が大きいほど、エチレンまたはα-オレフィン共重合体のブロック的連鎖が短くなり、エチレンおよびα-オレフィンの分布が一様であり、共重合ゴムの組成分布が狭いことを示している。なおB値が1.0よりも小さくなるほどエチレン・α-オレフィン共重合体の組成分布は広くなり、取扱性が悪化するなどの悪い点がある。
【0049】
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)は、(b-1-v)13C-NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下、好ましくは、0.2以下、より好ましくは0.01未満である。
【0050】
ここで13C-NMRスペクトルにおけるTααおよびTαβは、炭素数4以上のα-オレフィンから誘導される構成単位中のCH2のピーク強度であり、下記に示すように第3級炭素に対する位置が異なる2種類のCH2を意味している。
(ここでRは炭素数2以上の炭化水素基を表す。)
このようなTαβ/Tαα強度比は、下記のようにして求めることができる。エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の13C-NMRスペクトルを、たとえば日本電子(株)製JEOL-GX270 NMR測定装置を用いて測定する。測定は、試料濃度5重量%になるように調整されたヘキサクロロブタジエン/d6-ベンゼン=2/1(体積比)の混合溶液を用いて、67.8MHz、25℃、d6-ベンゼン(128ppm)基準で行う。測定された13C-NMRスペクトルを、リンデマンアダムスの提案(Analysis Chemistry43, p1245(1971))、J.C.Randall (Review Macromolecular Chemistry Physics, C29, 201(1989)) に従って解析してTαβ/Tαα強度比を求める。
【0051】
さらに本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)は、(b-1-vi)示差走査型熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度が−60℃以下であることが好ましく、−65℃以下であることがより好ましい。
【0052】
さらに本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)は、(b-1-vii)結晶化度が好ましくは1%以下で、0.5%以下であることがより好ましい。
【0053】
このようなエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)は、特に製法に制限はないが、たとえば、メタロセン系触媒の存在下にエチレンと炭素数4〜20のα-オレフィンとを共重合させることによって製造することができる。
【0054】
このようなメタロセン系触媒は、メタロセン化合物(a)と、有機アルミニウムオキシ化合物(b)および/またはメタロセン化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物(c)とから形成されていてもよく、さらに(a)、(b)および/または(c)とともに有機アルミニウム化合物(d)とから形成されていてもよい。
【0055】
以下にこれらの各成分について説明する。
【0056】
[(a)メタロセン化合物]
本発明で好ましく用いられるメタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物(a)は、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体的には下記一般式(2)で表される。
【0057】
MLx …(2)
(一般式(2)中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属、xは遷移金属Mの原子価、Lは配位子である。)
一般式(2)において、Mで示される遷移金属の具体的なものとしては、ジルコニウム、チタンおよびハフニウムなどがあげられる。
【0058】
一般式(2)において、Lは遷移金属に配位する配位子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、たとえばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;さらにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などがあげられる。
【0059】
上記シクロペンタジエニル骨格を有する基は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。一般式(2)で表される化合物が配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士が、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基などを介して結合していてもよい。
【0060】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配位子)Lとしては、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO3Ra)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Raはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、またはハロゲン原子もしくはアルキル基で置換されたアリール基である。)などが挙げられる。
【0061】
炭素数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基などが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基およびドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等のアラルキル基などが挙げられる。
【0062】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基などが挙げられる。アリーロキシ基としては、フェノキシ基などが挙げられる。スルホン酸含有基(-SO3Ra)としては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンスルホナト基などが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0063】
前記一般式(2)で表されるメタロセン化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的に、下記一般式(3)で表される。
R2 kR3 lR4 mR5 nM …(3)
(一般式(3)中、Mは一般式(2)の遷移金属であり、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3、R4およびR5はそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有するかまたは有しない基(配位子)である。kは1以上の整数、k+l+m+n=4である。)
このようなメタロセン化合物(a)としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムハイドライドクロリド、などが挙げられる。なお、上記例示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含む。また本発明では、上記のようなジルコニウム化合物において、ジルコニウム金属を、チタン金属またはハフニウム金属に置き換えたメタロセン化合物(a)を用いることができる。
【0064】
さらにメタロセン化合物(a)として、前記一般式(3)中の、R2、R3、R4およびR5の少なくとも2個、たとえばR2およびR3がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を使用することもできる。このときR4およびR5はそれぞれ独立に一般式(2)中で説明したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様である。
【0065】
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物(a)としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0066】
また、rac-エチレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライドなども挙げられる。
【0067】
一般式(3)で表されるメタロセン化合物(a)は、公知の方法にて製造することができる(たとえば、特開平4-268307号公報参照)。
【0068】
また、rac-ジメチルシリレン-ビス(4,7-ジメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,7-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,6-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0069】
上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置換したメタロセン化合物(a)を用いることもできる。
【0070】
また、rac-ジメチルシリレン-ビス(4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4−フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(1-アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドなども挙げられる。
【0071】
また上記化合物において、ジルコニウム金属をチタニウム金属またはハフニウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
【0072】
また、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを例示することもできる。
【0073】
また本発明では、メタロセン化合物(a)として、下記一般式(4)で表される化合物を用いることもできる。
LaMX2 …(4)
(一般式(4)中、Mは周期率表第IV族またはランタニド系列の金属である。Laは非局在化π結合基の誘導体であり、金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与している基である。Xはそれぞれ独立に水素、ハロゲンまたは20以下の炭素、ケイ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である。)
一般式(4)で表される化合物の中では、下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
【0074】
【化1】
一般式(5)中、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウム、Xは一般式(4)と同様である。CpはMにπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基である。Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期率表第IVA族の元素(たとえばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)、Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成してもよい。
【0075】
このような一般式(5)で表される化合物としては、(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)チタンジクロリドなどが挙げられる。
【0076】
また上記メタロセン化合物において、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置換した化合物を挙げることもできる。
【0077】
本発明では、メタロセン化合物(a)は単独であるいは2種以上組合せて用いられる。またメタロセン化合物(a)は、炭化水素またはハロゲン化炭化水素などに希釈して用いてもよい。さらにメタロセン化合物(a)は、担体と接触させて用いることもできる。
【0078】
[有機アルミニウムオキシ化合物(b)]
メタロセン系触媒を形成する際に用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(b)としては、たとえば従来公知のアルミノオキサンがあげられ、メチルアルミノオキサンなどが挙げられる。
【0079】
[イオン化イオン性化合物(c)]
イオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物と称される場合もある)(c)としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。
【0080】
ルイス酸としては、Mg含有ルイス酸、Al含有ルイス酸、B含有ルイス酸などが挙げられ、このうちB含有ルイス酸が好ましい。B含有ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子を示す。)で表される化合物であり、具体的には、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0081】
イオン性化合物は、カチオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩であり、アニオンは前記メタロセン化合物(a)と反応することによりメタロセン化合物(a)をカチオン化し、イオン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定化させる働きがある。このようなアニオンとしては、有機ホウ素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アルミニウムアニオンなどがあり、比較的嵩高で遷移金属カチオン種を安定化させるものが好ましい。カチオンとしては、金属カチオン、有機金属カチオン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。さらに詳しくは、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアンモニウムカチオン、フェロセニウムカチオンなどである。
【0082】
このようなイオン性化合物として具体的には、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などのトリアルキル置換アンモニウム塩、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などのトリアルキル置換アンモニウム塩、ジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などのジアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
【0083】
また、ホウ素原子を含有するイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもできる。
【0084】
前記ボラン化合物としては、デカボラン(14);
ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0085】
前記カルボラン化合物としては、4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0086】
上記のようなイオン化イオン性化合物(c)は、単独であるいは2種以上組合せて用いられる。また有機アルミニウムオキシ化合物(b)およびイオン化イオン性化合物(c)は、前記担体化合物に担持させて用いることもできる。
【0087】
またメタロセン系触媒を調製するに際しては、有機アルミニウムオキシ化合物(b)またはイオン化イオン性化合物(c)とともに、必要に応じて有機アルミニウム化合物(d)を用いてもよい。
【0088】
[有機アルミニウム化合物(d)]
必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物(d)としては、例えば下記一般式(6)で表される有機アルミニウム化合物を例示することができる。
R1 nAlX3-n … (6)
(式(15)中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
上記一般式(6)において、R1は炭素数1〜12の炭化水素基例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0089】
このような有機アルミニウム化合物(d)としては、具体的に、以下のような化合物が用いられる。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0090】
[エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の製造]
本発明では、上記のようなメタロセン化合物(a)と、有機アルミニウムオキシ化合物(b)および/またはイオン化イオン性化合物(c)と、必要に応じて有機アルミニウム化合物(d)とから形成される触媒の存在下に、エチレン(E)と炭素数4〜20のα-オレフィン(α1)とを、通常液相で共重合させる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α-オレフィンを溶媒として用いてもよい。
【0091】
この共重合は、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。共重合をバッチ法で実施するに際しては、前記触媒成分は以下のような濃度で用いられる。
【0092】
メタロセン化合物(a)と有機アルミニウムオキシ化合物(b)またはイオン化イオン性化合物(c)とからなるメタロセン系触媒が用いられる場合には、重合系内のメタロセン化合物(a)の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。また有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
【0093】
イオン化イオン性化合物(c)の場合は、重合系内のメタロセン化合物(a)に対するイオン化イオン性化合物(c)のモル比(イオン化イオン性化合物(c)/メタロセン化合物(a))で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
【0094】
また有機アルミニウム化合物を用いる場合には、通常約0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
【0095】
共重合反応は、通常、反応温度が−20〜+150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
【0096】
エチレンおよびα-オレフィンは、上記特定組成のエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)が得られるような量で重合系に供給される。共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
【0097】
上記のようにしてエチレンとα−オレフィンとを共重合させると、通常エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)を含む重合液として得られる。この重合液は、常法により処理され、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)が得られる。
【0098】
[エチレン系共重合体(B-2)]
本発明で用いられるエチレン系共重合体(B-2)は、エチレン(E)と、炭素数3〜20のα-オレフィン、環状オレフィン系化合物または芳香族ビニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つ化合物(α2)との共重合体である。
【0099】
α-オレフィンとしては、具体的に、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン1-オクテン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、プロペン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンが好ましく使用される。
【0100】
環状オレフィンとしては、下記一般式(7)または(8)で表される環状オレフィンが挙げられる。
【0101】
【化2】
式中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、kは0または1である。なおkが1の場合には、kを用いて表される環は6員環となり、kが0の場合にはこの環は5員環となる。
【0102】
R1〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0103】
さらに上記一般式(8)において、R15とR16とが、R17とR18とが、R15とR17とが、R16とR18とが、R15とR18とが、あるいはR16とR17とがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単環または多環の基を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環が二重結合を有していてもよい。
【0104】
【化3】
式中、pおよびqはそれぞれ独立に、0または正の整数であり、rおよびsはそれぞれ独立に、0、1または2である。また、R21〜R39はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
【0105】
ここでハロゲン原子は、上記一般式(7)中のハロゲン原子と同じである。また炭化水素基としては、通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、炭素原子数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基などが挙げられる。これらアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0106】
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。
【0107】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。ここで、R29およびR30が結合している炭素原子と、R33が結合している炭素原子またはR31が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R29とR33とが、または、R30とR31とが互いに共同して、メチレン基(-CH2-) 、エチレン基(-CH2CH2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-) の内のいずれかのアルキレン基を形成している。
【0108】
さらに、r=s=0のとき、R35とR32またはR35とR39とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。上記のような一般式(7)または(8)で表される環状オレフィンとしては、具体的には、ビシクロ-2-ヘプテン誘導体(ビシクロヘプト-2-エン誘導体)、トリシクロ-3-デセン誘導体、トリシクロ-3-ウンデセン誘導体、テトラシクロ-3-ドデセン誘導体、ペンタシクロ-4-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ-3-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ-3-ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ-4-ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ-4-ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ-5-エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-4-エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ-5-ドコセン誘導体、ノナシクロ-5-ペンタコセン誘導体、ノナシクロ-6-ヘキサコセン誘導体、シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセン誘導体などが挙げられる。
【0109】
エチレン系共重合体(B-2)中の各構成単位の含量は、エチレン(E)から誘導される構成単位の含量が80〜93モル%であり、炭素数3〜20のα-オレフィン、環状オレフィン、および芳香族ビニル化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物(α2)から誘導される構成単位の含量が1〜20モル%であることが好ましい。
【0110】
本発明で用いられるエチレン系共重合体(B-2) の密度(b-2-i)は、0.870〜0.895g/cm3、好ましくは0.875〜0.89g/cm3の範囲にある。
【0111】
本発明で用いられるエチレン系共重合体(B-2) の(b-2-ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートは、0.3〜50g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分の範囲にある。
【0112】
本発明で用いられるエチレン系共重合体(B-2) の(b-2-iii)示差走査型熱量計(DSC)で測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の温度(Tm)と密度(d)とが、好ましくはTm<400×d−250、より好ましくは、Tm<450×d−297、さらに好ましくは、Tm<500×d−344特に好ましくは、Tm<550×d−391で示される関係を満足している。
【0113】
また本発明で用いられるエチレン系共重合体(B-2)は、上記(b-2-i)〜(b-2-iii)に加えて、室温における溶融張力(MT)と、190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)とが、MT≦2.2×MFR-0.84である関係を満足していることが望ましい。
【0114】
さらに、本発明で用いられるエチレン系共重合体(B-2) は、室温におけるn-デカン可溶成分量分率(W(重量%))と密度とが、(a) MFR≦10g/10分のとき、W<80×exp(−100(d−0.88))+0.1好ましくは、W<60×exp(−100(d−0.88))+0.1より好ましくは、W<40×exp(−100(d−0.88))+0.1で示される関係を満たし、(b) MFR>10g/10分のとき、W<80×(MFR−9)0.26×exp(−100(d−0.88))+0.1で示される関係を満たしていることがより好ましい。
【0115】
[エチレン系共重合体 (B-2)の製造方法]
このようなエチレン系共重合体(B-2) は、前述のメタロセン系触媒の存在下にエチレン(E)と炭素数3〜20のα-オレフィン、環状オレフィンまたは芳香族ビニル化合物とから選ばれる少なくとも1つの化合物(α2)とを共重合させることによって製造することができる。メタロセン系触媒としては、前述と同様のものが挙げられ、特に制限はないが、たとえば、以下のような化合物が挙げられる。
【0116】
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムハイドライドクロリドなど。なお、上記例示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含む。また本発明では、上記のようなジルコニウム化合物において、ジルコニウム金属を、チタン金属またはハフニウム金属に置き換えたメタロセン化合物を用いることができる。
【0117】
さらに、本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の密度d1とエチレン系重合体(B-2)の密度d2の比(d2/d1)は、1.05以下であり好ましくは1.04以下であることが好ましい。エチレン系重合体組成物が上記の範囲内にあると、透明性及び破断伸びに優れ、さらには改質剤としての性能に優れる。
【0118】
本発明に係るシーラントフィルムを構成するプロピレン系重合体組成物においては、上記エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)を、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)とエチレン系共重合体(B-2)との合計100重量%に対して1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%の割合で用い、上記エチレン系共重合体(B-2)をエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)とエチレン系共重合体(B-2)との合計100重量%に対して50〜99重量%、好ましくは60〜97重量%の割合で用いる。
【0119】
本発明では、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)とエチレン系共重合体(B-2)とで、あらかじめ組成物を形成させてから、[A]プロピレン系重合体との組成物としても良く、また、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)とエチレン系共重合体(B-2)と[A]プロピレン系重合体とを同時に混合することもでき、このほかにもたとえば3種のうち2種であらかじめ組成物を形成させてから、3種目を混合して最終的な組成物とすることも可能である。
【0120】
たとえば、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)とエチレン系共重合体(B-2)とで、あらかじめ組成物を形成する場合、この組成物は、ポリプロピレンフィルムのヒートシール強度の低下を抑制しつつ耐衝撃性および低温ヒートシール性の改質材として有用である。
【0121】
本発明のシーラントフィルムに用いられるプロピレン系重合体組成物は、弾性率の温度依存性を測定したとき、プロピレン系重合体[A]のガラス転移温度に起因する減衰率のピークと、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)のガラス転移温度に起因する減衰率のピークとが融合しておらず、かつプロピレン系重合体[A]のガラス転移温度に起因する減衰率のピークと、前記エチレン系共重合体(B-2)のガラス転移温度に起因する減衰率のピークとが融合していないことが好ましい。なお、対象とする2種のピークが、明確に2つのピークとして現れる場合、すなわち2つのピークの最高点同士の間に鞍部が存在する場合を「融合していない」と判定する。このような「融合していない」ピークを有するプロピレン系重合体組成物は、耐衝撃性および剛性がともに優れている。なおこのように対象とする2種のピークが、明確に2つのピークとして現れない場合、すなわち2つのピークが融合している場合、このようなプロピレン系重合体組成物は、耐衝撃性、剛性がやや低下する場合がある。
【0122】
本発明に係るエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)とエチレン系共重合体(B-2)を用いて、ポリプロピレン樹脂を改質するには、上記エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)とエチレン系共重合体(B-2)とであらかじめ組成物を形成させてから、この組成物とプロピレン系重合体[A]とを単軸押し出し機、または2軸押出機により溶融混練して作成したペレット、またはエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)とエチレン系共重合体(B-2)とであらかじめ形成させた組成物のペレットとポリプロピレン樹脂のペレットをヘンシェルミキサー等でドライブレンドを行った後に、フィルム成形するのが好ましい。
【0123】
フィルム成形は公知のフィルム成形方法、すなわちキャスト成形、インフレーション成形、押出ラミネーション成形が可能であり、これら成形法で得られたフィルムは耐衝撃性、低温シール性、光学特性に優れている。これら、フィルム成形時の加工温度は、成形方法により異なり、キャスト成形、インフレーション成形では190〜260℃、押出ラミネーション成形では250〜310℃の範囲が好ましい。
【0124】
得られるフィルムの厚みは特に制限はないが、0.5〜200μmの厚みが好ましく、1〜100μmの範囲が更に好ましい。
【0125】
得られるフィルムは単層での使用も可能であるが、ガスバリア性、フィルムの剛性を付与する目的で、無延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリアミドフィルム、無延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリエステルフィルム、金属蒸着フィルム、アルミニュウム箔、エチレンビニルアルコールとの積層フィルムとしての使用も可能である。本発明で得られるフィルムと上記フィルムとの積層法として、不飽和カルボン酸がグラフトされたオレフィン系樹脂、エチレン・α、β不飽和カルボン酸共重合体、アイオノマー等を接着層として共押出を行う方法。ポリイソシアネート、ポリエステル、ポリエチレンイミン、変性ポリオレフィン、芳香族エステル、脂肪族エステルから選択されるアンカーコーティング剤を使用して、ドライラミネーション、ないしは押出ラミネーションを行う方法が選択できる。
【0126】
上記のような各成分に加えて本発明の目的を損なわない範囲で、核剤、酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物などの流れ性改良剤、ウェルド強度改良剤などの添加剤などを含有していてもよい。
【0127】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などを用いることができる。
【0128】
フェノール系酸化防止剤としては、たとえば2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ステアリル(3,3-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)チオグリコレート、ステアリル-β-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェノール)プロピオネート、ジステアリル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、2,4,6-トリス(3',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシベンジルチオ)-1,3,5-トリアジン、ジステアリル(4-ヒドロキシ-3-メチル-5-tert-ブチルベンジル)マロネート、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシル)p-クレゾール]、ビス[3,5-ビス[4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)ブチリックアシド]グリコールエステル、4,4'-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、ビス[2-tert-ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-tert-ブチル)ベンジルイソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、2-オクチルチオ-4,6-ジ(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチル)フェノキシ-1,3,5-トリアジン、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)などのフェノール類および4,4'-ブチリデンビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)の炭酸オリゴエステル(たとえば重合度2〜10)などの多価フェノール炭酸オリゴエステル類が挙げられる。
【0129】
硫黄系酸化防止剤としては、たとえばジラウリル−、ジミリスチル−、ジステアリル−などのジアルキルチオジプロピオネートおよびブチル−、オクチル−、ラウリル−、ステアリル−などのアルキルチオプロピオン酸の多価アルコール(たとえばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート)のエステル(例えばペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート)が挙げられる。
【0130】
リン系酸化防止剤としては、たとえばトリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチル-ジフエニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)-4,4'-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)ジホスファイト、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ホスファイト、トリス(モノ・ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、水素化-4,4'-イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)]・1,6-ヘキサンジオールジホスファイト、フェニル・4,4'-イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス[4,4'-イソプロピリデンビス(2-tert-ブチルフェノール)]ホスファイト、フェニル・ジイソデシルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト)、トリス(1,3-ジ-ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、4,4'-イソプロピリデンビス(2-tert-ブチルフェノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10-ジ-ヒドロ-9-オキサ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられる。
【0131】
さらに他の酸化防止剤として、6-ヒドロキシクロマン誘導体たとえばα、β、γ、δの各種トコフェロールあるいはこれらの混合物、2-(4-メチル-ペンタ-3-エニル)-6-ヒドロキシクロマンの2,5-ジメチル置換体、2,5,8-トリメチル置換体、2,5,7,8-テトラメチル置換体、2,2,7-トリメチル-5-tert-ブチル-6-ヒドロキシクロマン、2,2,5-トリメチル-7-tert-ブチル-6-ヒドロキシクロマン、2,2,5-トリメチル-6-tert-ブチル-6-ヒドロキシクロマン、2,2-ジメチル-5-tert-ブチル-6-ヒドロキシクロマンなどを用いることもできる。
【0132】
また一般式 MxAly(OH)2x+3y-2z(A)z・aH2O(MはMg、CaまたはZnであり、Aは水酸基以外のアニオンであり、x、y、zは正数、aは0または正数である)で示される複化合物、たとえば
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、
Mg6Al2(OH)20CO3・5H2O、
Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、
Mg10Al2(OH)22(CO3)2・4H2O、
Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O、
Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O、
Zn6Al2(OH)16CO3・4H2O、
Zn6Al2(OH)16SO4・4H2O、
Mg6Al2(OH)16SO3・4H2O、
Mg6Al2(OH)12CO3・3H2Oなどをたとえば塩酸吸収剤として用いることができる。
【0133】
光安定剤としては、たとえば2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン-2,2'-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンなどのヒドロキシベンゾフェノン類、2-(2'-ヒドロキシ-3'-tert-ブチル-5'-メチルフェニル)ー5ークロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール類、フェニルサリシレート、p-tert-ブチルフェニルサリシレート、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート類、2,2'-チオビス(4-tert-オクチルフェノール)Ni塩、[2,2'-チオビス(4-tert-オクチルフェノラート)]-n-ブチルアミンNi、(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホン酸モノエチルエステルNi塩などのニッケル化合物類、α-シアノ-β-メチル-β-(p-メトキシフェニル)アクリル酸メチルなどの置換アクリロニトリル類およびN'-2-エチルフェニル-N-エトキシ-5-tert-ブチルフェニルシュウ酸ジアミド、N-2-エチルフェニル-N'-2-エトキシフェニルシュウ酸ジアミドなどのシュウ酸ジアニリド類、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジン)セバシエート、ポリ[{(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ}-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル{4-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン]、2-(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジル)エタノールとコハク酸ジメチルとの縮合物などのヒンダードアミン化合物が挙げられる。
【0134】
滑剤としては、たとえばパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの脂肪族炭化水素類、カプリン類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸類またはこれらの金属塩類(たとえばリチウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩)、パルミチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの脂肪族アルコール類、カプロン類アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリル酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミドなどの脂肪族アミド類、脂肪族とアルコールとのエステル類、フルオロアルキルカルボン酸またはその金属塩、フルオロアルキルスルホン酸金属塩などのフッ素化合物類が挙げられる。
【0135】
上記のような添加剤は、プロピレン系重合体組成物100重量部に対して、0.0001重量部〜10重量部の量で用いることができる。
【0136】
本発明に係るプロピレン系重合体組成物は、上記のような添加剤類を含有することによって、物性バランス、耐久性、塗装性、印刷性、耐傷付き性および成形加工性などが一層向上された成形体を形成することができる。
【0137】
また本発明に係るプロピレン系重合体組成物は、上述のように核剤を含有していてもよい。 核剤としては、従来知られている種々の核剤が特に制限されることなく用いられるが、中でも下記に挙げる芳香族リン酸エステル塩、ジベンジリデンソルビトールなどの核剤が好ましい。
【0138】
具体的には、たとえばナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4-t-オクチルフェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム- ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート) 、マグネシウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム(4,4'-ジメチル-5,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス[(4,4'-ジメチル-6,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニル) フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フオスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、アルミニウム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェル)フォスフェート] およびアルミニウム-トリス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] およびこれらの組合せを例示することができる。これらのうちではナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
【0139】
また、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-エチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-i-プロピルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-オクチルフェニル)フォスフェート、カリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェートおよびこれらの組合せを例示することができる。これらのうちではナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
【0140】
また、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3-ベンジリデン-2-4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトールおよび1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの組合せを例示することができる。これらのうちでは、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの組合せが好ましい。
【0141】
さらに核剤としては、芳香族カルボン酸の金属塩、脂肪族カルボン酸の金属塩を用いることができ、具体的には、安息香酸アルミニウム塩、p-t-ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム、チオフェネカルボン酸ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0142】
またタルクなどの無機化合物を核剤として用いることもできる。
【0143】
上記のような核剤は、結晶性プロピレン重合体[A]100重量部当り0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、特に好ましくは0.1〜3重量部の量で組成物中に含有されていてもよい。
【0144】
上記のような核剤を含有していると、プロピレン系重合体組成物の結晶化速度が向上され、結晶化時に結晶粒子を微細化することができることから、透明性に優れるフィルムを成形することができる。
【0145】
本発明にかかるシーラントフィルムは、 食品包装用であることが好ましい。またレトルト食品包装用であることが特に好ましい。
【0146】
また本発明に係る積層体は、食品包装用であることが好ましい。またレトルト食品包装用であることが特に好ましい。
【0147】
【発明の効果】
本発明のプロピレン系重合体組成物からなるフィルムは、低温ヒートシール性、耐衝撃性、透明性に優れるため、内容物の確認が容易で、かつ包装適性、落袋強度に優れる包装材料を得ることが可能である。
【0148】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0149】
なお、各樹脂成分の物性は以下のようにして評価した。
1.エチレン・α - オレフィン共重合体 (B-1) の物性
(1)密度
190℃、2.16kg荷重におけるMFR測定後のストランドを、密度勾配管法により測定した。
(2)α-オレフィン含量、、Tαβ/Tαα、B値
13C−NMRスペクトルによって決定した。
(3)極限粘度[η]
135℃、デカリン中で測定した。
(4)Mw/Mn
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
(5)MFR10/MFR2
ASTM D-1238に準拠し、190℃における10kg荷重でのMFR10と、2.16kg荷重でのMFR2とを測定し、比を算出した。この比が大きいと、ポリマーの溶融時の流動性が優れていることを示し、すなわち加工性が高い。
(6)ガラス転移温度
常温から30℃/分で200℃まで昇温した後、5分間保持し、10℃/分で−150℃まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線から求めた。
(7)結晶化度
DSC測定時の吸熱ピークから、単位重さ当たりの融解熱量を求め、これをポリエチレンの結晶の融解熱量70cal/gで除して求めた。
2 . エチレン系重合体( B- 2)、プロピレン系重合体 [ A ] の物性
(1)密度
190℃、2.16kg荷重におけるMFR測定後のストランドを、密度勾配管法により測定した。
(2)α-オレフィン含量
13C−NMRスペクトルによって決定した。
(3)溶融張力(MT)
溶融したポリマーを一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定される。重合体の造粒ペレットを測定試料とし、東洋精機製作所製、MT測定器を用い、樹脂温度190℃、押出速度15mm/分、巻き取り速度10〜20m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で測定した。
(4)MFR
ASTM D-1238に準拠し、エチレン系は190℃、プロピレン系は230℃における2.16kg荷重でのMFRを測定した。
(5)軟化点(Tm)
DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度をTmとする。測定は、試料をアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち、20℃/分で室温まで降温し、ついで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
3.プロピレン系重合体組成物およびそのフィルムの物性
(7)粘弾性
レオメトリックス社製のRDSIIを用いて62.5rad/secの周波数で−80〜50℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、ポリプロピレン系重合体[C]のガラス転移温度に起因する減衰率(tan δ)のピークと、エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のガラス転移温度に起因する減衰率(tan δ)のピークとが分離しているか融合しているか判断した。
[製造例1]
充分窒素置換した容量2リットルの攪拌機付きSUS製オートクレーブに、23℃でヘキサン845mlを挿入した。このオートクレーブに、攪拌機を回し、かつ氷水で冷却しながら1-ブテンを155ミリリットルを挿入した。次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、さらに、全圧が8kgとなるようにエチレンで加圧した。オートクレーブの内圧が8kgになったところで、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)の1.0mM/mlデカン溶液を1.0ml窒素で圧入した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で0.3mM、rac-ジメチルシリレン-ビス[1-(2-メチル-4-フェニル-インデニル)]ジルコニウムジクロリドを0.001mMの量で含むトルエン溶液0.3mlのトルエン溶液を、窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。
【0150】
その後30分間、オートクレーブを内温60℃になるように温度調整し、かつ圧力が8kgとなるように直接的にエチレンの供給を行った。重合開始30分後、オートクレーブにポンプでメタノール5mlを挿入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液に2lのアセトンを攪拌しながら注いだ。
【0151】
得られた溶媒を含むゴム鞠状の重合体を130℃、13時間、600torrで乾燥したところ、1-ブテンを39mmol含むエチレン・1-ブテン共重合体47gが得られた。
【0152】
得られたエチレン・1-ブテン共重合体(b-1-1)の基本特性を表1に示す。また、モノマーの種類、仕込み量を変えた以外は同様にして、エチレン・α-オレフィン共重合体(b-1-2)〜(b-1-4)を得た。
【0153】
得られたエチレン・α-オレフィン共重合体(b-1-2)〜(b-1-4)の基本特性を表1に示す。
【0154】
【表1】
また本発明に用いるプロピレン系重合体[A]を表2に示す。
【0155】
【表2】
【0156】
[実施例1]
エチレン・1-ブテン共重合体(b-1-1)20重量%と、エチレン系共重合体(b-2-1)80重量%をラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて60rpm、200℃で5分間混練し、ペレット化して、エチレン・1-ブテン共重合体/エチレン系共重合体プレブレンドペレットを得た。得られたプレブレンドペレットについて、引っ張り弾性率、JIS A硬度の評価を行った。
【0157】
結果を表3に示す。
[実施例2〜4]
表3に示すような配合で、実施例1と同様に引っ張り弾性率とJIS A硬度の評価を行った。
【0158】
結果を表3に示す。
[比較例1〜2]
表3に示すような配合で、実施例1と同様に引っ張り弾性率とJIS A硬度の評価を行った。
【0159】
結果を表3に示す。
【0160】
【表3】
【0161】
[実施例5]
実施例1で得られたエチレン・1-ブテン共重合体組成物(B−1)ペレット15重量%に、ランダムポリプロピレン(A−1)85重量%、安定剤としてイルガノックス1076を0.1重量%、イルガフォス168を0.1重量%加え、スクリュー径40mmφ、ダイ幅350mmのキャスト成形機を用いて、設定温度230℃、引取り速度10m/minで厚み70μmのフィルム成形を行った。得られたフィルムの物性評価を行った。
【0162】
結果を表4に示す。
[実施例6〜8、比較例3〜5]
α-オレフィンの含量が異なるエチレン・α-オレフィン共重合体組成物(B−2〜B−6、b−2−)3を使用した以外は実施例5と同様にしてペレットを成形し、評価した。
【0163】
結果を表4に示す。
【0164】
【表4】
【0165】
[実施例9]
実施例1で得られたエチレン・1-ブテン共重合体組成物(B−1)ペレット10重量%に、ブロックポリプロピレン(A−2)90重量%、安定剤としてイルガノックス1076を0.1重量%、イルガフォス168を0.1重量%加え、スクリュー径40mmφ、ダイ幅350mmのキャスト成形機を用いて、設定温度230℃、引取り速度10m/minで厚み70μmのフィルム成形を行った。得られたフィルムの物性評価を行った。
【0166】
結果を表5に示す。
[実施例10、比較例6、7]
α-オレフィンの含量が異なるエチレン・α-オレフィン共重合体組成物(B−2、B−5、b−2−3)を使用した以外は実施例5と同様にしてペレットを成形し、評価した。
【0167】
結果を表5に示す。
【0168】
【表5】
Claims (15)
- [A]
(1) ASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重下)が0.1〜50g/10minであり、
(2) 示差熱量計で測定される融点が120〜165℃である。
結晶性プロピレン重合体60〜95重量%と、
[B]
下記エチレン・α-オレフィン系共重合体(B-1)とエチレン系重合体(B-2)とを合計5〜40重量%;
(B-1)(E)エチレンと、(α1)炭素数4〜20のα-オレフィンとの共重合体であって、(b-1-i)エチレンから誘導される構成単位の含量が50〜70モル%、炭素数4〜20のα-オレフィンから誘導される構成単位の含量が30〜50モル%であり、(b-1-ii)135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜10.0dl/gである、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)を、
エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)と、エチレン系共重合体(B-2)との合計100重量部に対して1〜50重量部、
(B-2)(E)エチレンと、(α2)炭素数3〜20のα-オレフィン、環状オレフィンまたは環状ポリエンから選ばれる少なくとも1種との共重合体であって、
(b-2-i)密度が0.870〜0.895g/cm3の範囲にあり、(b-2-ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.3〜50g/10分の範囲にあるエチレン系共重合体(B-2)を、
エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)と、エチレン系共重合体(B-2)との合計100重量部に対して50〜99重量部
とからなるプロピレン系重合体組成物からなり、厚さ0.5〜200μmであることを特徴とするシーラントフィルム。 - エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の(b-1-iii)密度が0.863g/cm3以下であることを特徴とする請求項1記載のシーラントフィルム。
- エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の(b-1-iv)13C-NMRスペクトルおよび下記一般式(1)から求められるB値が0.9〜1.5である関係を満たすことを特徴とする、請求項1または2記載のシーラントフィルム;
B値=[POE]/(2・[PE][PO]) …(1)
(式中、[PE]は共重合体中のエチレンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[PO]は共重合体中のα-オレフィンから誘導される構成単位の含有モル分率であり、[POE]は共重合体中の全ダイアド(dyad)連鎖に対するエチレン・α-オレフィン連鎖数の割合である。)。 - エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の(b-1-v) 13C-NMRスペクトルにより測定したTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.5以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のシーラントフィルム。
- エチレン系重合体(B-2)の、(b-2-iii) 示差走査型熱量計(DSC)で測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の温度(Tm)と密度(d)とが、Tm<400×d−250で示される関係を満足することを特徴とする、請求項1記載のシーラントフィルム。
- プロピレン系重合体組成物が、エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)とエチレン系重合体(B-2)との組成物と、プロピレン系重合体[A]とから得られるものであることを特徴とする、請求項1記載のシーラントフィルム。
- 前記のエチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)の密度d1とエチレン系共重合体(B-2)の密度d2との比(d2/d1)が1.05以下であることを特徴とする請求項1記載のシーラントフィルム
- 弾性率の温度依存性を測定したとき、プロピレン系重合体[A]のガラス転移温度に起因する減衰率のピークと、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(B-1)のガラス転移温度に起因する減衰率のピークとが融合しておらず、かつプロピレン系重合体[A]のガラス転移温度に起因する減衰率のピークと、前記エチレン系共重合体(B-2)のガラス転移温度に起因する減衰率のピークとが融合していないことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物からなるシーラントフィルム。
- 食品包装用であることを特徴とする請求項1記載のシーラントフィルム。
- レトルト食品包装用であることを特徴とする請求項8記載のシーラントフィルム。
- 請求項1記載のシーラントフィルムに、ポリオレフィンフィルム、無延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリアミドフィルム、無延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリエステルフィルム、金属蒸着フィルム、アルミニュウム箔、エチレンビニルアルコールフィルムから選ばれるフィルムが1種類以上積層されている積層体。
- 前記積層体において、不飽和カルボン酸がグラフトされたオレフィン系樹脂、エチレン・α、β不飽和カルボン酸共重合体、アイオノマーを接着層として積層されていることを特徴とする請求項11記載の積層体
- 前記積層体が、ポリイソシアネート、ポリエステル、ポリエチレンイミン、変性ポリオレフィン、芳香族エステル、脂肪族エステルから選択されるアンカーコーティング剤を使用して、ドライラミネーション、ないしは押出ラミネーションにて積層されたものであることを特徴とする請求項11記載の積層体。
- 食品包装用であることを特徴とする請求項11記載の積層体。
- レトルト食品包装用であることを特徴とする請求項14記載の積層体。
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