JPH10195264A - ポリプロピレン製パイプ - Google Patents

ポリプロピレン製パイプ

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JPH10195264A
JPH10195264A JP9002346A JP234697A JPH10195264A JP H10195264 A JPH10195264 A JP H10195264A JP 9002346 A JP9002346 A JP 9002346A JP 234697 A JP234697 A JP 234697A JP H10195264 A JPH10195264 A JP H10195264A
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JP
Japan
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range
polypropylene
measured
pipe
olefin
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JP9002346A
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Shinya Matsunaga
永 慎 也 松
Akira Todo
堂 昭 藤
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性に優れたポリプロピレン製パイプを提供
すること。 【解決手段】 230℃、2.16kg荷重下で測定さ
れるメルトフローレートが0.005〜5g/10分の範
囲にあり、示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線
の最大ピーク位置の温度が128〜172℃の範囲にあ
り、密度が898〜917kg/m3 の範囲にあり、炭
素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成
単位の含有割合が0〜6モル%の範囲にあり、200℃
で成形したプレスシート試験片の曲げ弾性率が800〜
2600MPaの範囲にあるポリプロピレンを熱成形し
て得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレンを主成
分とするポリマー(以下「ポリプロピレン」という)か
らなるパイプに関し、さらに詳しくは、剛性、耐クリー
プ性のバランスに優れたポリプロピレン製パイプに関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリプロピレンは、剛性、耐熱
性、耐衝撃性などに優れているため、種々の成形方法に
より成形され、多方面の用途に供されている。そして、
成形方法や用途に応じて要求される特性も異なってい
る。たとえば下水道用、上水道用パイプまたはガスパイ
プの材料として用いる場合は、パイプ疲労特性、機械強
度、成形性などが要求される。最近は、パイプの薄肉化
などの経済性向上のため剛性の向上が求められつつあ
り、消費電力減少のため成形性も求められている。
【0003】本発明者らは、剛性、耐クリープ性などの
機械的強度に優れたポリプロピレン製パイプについて検
討した結果、メルトフローレート、示差走査型熱量計に
より測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度および
密度が特定の範囲にあり、炭素原子数が4〜20のα−
オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が特定の範
囲にあり、曲げ弾性率が特定の範囲にあるポリプロピレ
ンからなるパイプは優れた特性を有することを見出して
本発明を完成するに至った。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、剛性、耐クリープ性のバラン
スに優れたポリプロピレン製パイプを提供することを目
的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明に係るポリプロピレン製パイプ
は、(1) 230℃、2.16kg荷重下で測定されるメ
ルトフローレートが0.005〜5g/10分の範囲にあ
り、(2) 示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線の
最大ピーク位置の温度が128〜172℃の範囲にあ
り、(3) 密度が898〜917kg/m3 の範囲にあ
り、(4) 炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導
かれる構成単位の含有割合が0〜6モル%の範囲にあ
り、(5) 200℃で成形したプレスシート試験片の曲げ
弾性率が800〜2600MPaの範囲にあるポリプロ
ピレンから得られることを特徴としている。
【0006】前記ポリプロピレンが、メタロセン触媒に
より重合されたものである場合、ポリプロピレン製パイ
プは、(1) 230℃、2.16kg荷重下で測定される
メルトフローレートが0.005〜5g/10分の範囲に
あり、(2) 示差走査型熱量計により測定される吸熱曲線
の最大ピーク位置の温度が128〜157℃の範囲にあ
り、(3) 密度が898〜911kg/m3 の範囲にあ
り、(4) 炭素原子数が4〜20のα−オレフィンから導
かれる構成単位の含有割合が0〜5.5モル%の範囲に
あり、(5) ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より測定される分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜
3.5の範囲にあり、(6) 200℃で成形したプレスシ
ート試験片の曲げ弾性率が800〜1900MPaの範
囲にあることが好ましい。
【0007】また前記ポリプロピレンが、チタン系のチ
ーグラーナッタ触媒により重合されたものである場合、
ポリプロピレン製パイプは、(1) 230℃、2.16k
g荷重下で測定されるメルトフローレートが0.005
〜5g/10分の範囲にあり、(2) 示差走査型熱量計によ
り測定される吸熱曲線の最大ピーク位置の温度が158
〜172℃の範囲にあり、(3) 密度が909〜917k
g/m3 の範囲にあり、(4) 炭素原子数が4〜20のα
−オレフィンから導かれる構成単位の含有割合が0〜
2.0モル%の範囲にあり、(5) ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーにより測定される分子量分布(Mw
/Mn)が3.6〜30の範囲にあり、(6) 200℃で
成形したプレスシート試験片の曲げ弾性率が1000〜
2600MPaの範囲にあることが好ましい。
【0008】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリプロピレ
ン製パイプについて具体的に説明する。本発明に係るパ
イプの材料となるポリプロピレンは、プロピレン単独重
合体またはプロピレンと炭素原子数が4〜20のα−オ
レフィンとの共重合体である。
【0009】炭素原子数が4〜20のα−オレフィンと
しては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル
-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-
テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エ
イコセンなどが挙げられ、炭素原子数が4〜10のα−
オレフィンが好ましい。これらのα−オレフィンは、プ
ロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、また、
ブロック共重合体を形成してもよい。
【0010】本発明の好適な態様としては、下記のよう
なポリプロピレン製パイプがある。これには、例えばメ
タロセン系触媒を用いて製造されるポリプロピレンを用
いることができる。 (1) 230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFR
が0.005〜5g/10分、好ましくは0.01〜1g
/10分の範囲にあり、(2) 示差走査型熱量計(DSC)
により測定されるTmが128〜157℃、好ましくは
130〜155℃の範囲にあり、(3) 密度が898〜9
11kg/m3 、好ましくは900〜910kg/m3
の範囲にあり、(4) 炭素原子数が4〜20のα−オレフ
ィンから導かれる構成単位の含有割合が0〜5.5モル
%、好ましくは0〜5.0モル%の範囲にあり、(5) ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り測定される分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜3.
5、好ましくは1.8〜3.2の範囲にあり、(6) 20
0℃で成形したプレスシート試験片の曲げ弾性率が80
0〜1900MPa、好ましくは900〜1800MP
aの範囲にあるポリプロピレンからなるパイプ。
【0011】このようなポリプロピレン製パイプは、剛
性、耐クリープのバランスが良好であり、適度な強度を
保ちながら柔軟性に富む屈曲および回復をするので、取
扱いが容易である。これらポリプロピレンの結晶厚みが
均一であることによるものと考えられる。
【0012】また本発明の他の好適な態様として、下記
のようなポリプロピレン製パイプがある。これには、例
えばチタン系のチーグラーナッタ触媒を用いて製造され
るポリプロピレンを用いることができる。 (1) 230℃、2.16kg荷重下で測定されるMFR
が0.005〜5g/10分、好ましくは0.01〜1g
/10分の範囲にあり、(2) DSCにより測定されるTm
が158〜172℃、好ましくは160〜170℃の範
囲にあり、(3) 密度が909〜917kg/m3 、好ま
しくは910〜914kg/m3 の範囲にあり、(4) 炭
素原子数が4〜20のα−オレフィンから導かれる構成
単位の含有割合が0〜3モル%、好ましくは0〜2モル
%であり、(5) ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)により測定される分子量分布(Mw/M
n)が3.6〜30、好ましくは3.8〜25の範囲に
あり、(6) 200℃で成形したプレスシート試験片の曲
げ弾性率が1700〜2300MPa、好ましくは10
00〜2600MPaの範囲にあるポリプロピレン製パ
イプ。
【0013】このようなポリプロピレン製パイプは、剛
性、耐クリープ性のバランスが良好であり、特に耐クリ
ープ性に優れている。前記ポリプロピレンは、種々の方
法により製造することができるが、たとえば固体状チタ
ン触媒成分と有機金属化合物触媒成分とから形成される
チタン触媒、もしくはこれら両成分および電子供与体か
ら形成される高活性チタン触媒、またはメタロセン化合
物とアルミノキサンなどとから形成されるメタロセン系
触媒を用いて製造することができる。
【0014】本発明で用いられるポリプロピレンを製造
する際に好適に用いられるメタロセン系触媒は、周期律
表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、
有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化
イオン性化合物とからなる。
【0015】メタロセン系触媒を形成する周期律表第4
族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物は、具体的
には、次式(I)で表される。 M1 1 x … (I) 式中、Mは周期律表第4族から選ばれる遷移金属であ
り、具体的にはジルコニウム、チタンまたはハフニウム
である。xは遷移金属Mの原子価を示し、遷移金属に配
位する配位子Lの個数を示す。
【0016】Lは遷移金属に配位する配位子であり、こ
れらのうち少なくとも1個の配位子Lは、シクロペンタ
ジエニル基、インデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロイン
デニル基、フルオレニル基などのシクロペンタジエニル
骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジエニル
骨格を有する配位子は、アルキル基、シクロアルキル
基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子などの置換基
を有していてもよい。
【0017】該メタロセン化合物が配位子Lとしてシク
ロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合
には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有す
る基同士は、アルキレン基、置換アルキレン基、シリレ
ン基、置換シリレン基などの結合基を介して結合されて
いることが望ましい。
【0018】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素原子数が1〜12の炭化水素
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基
(−SO3a 、但し、Ra はアルキル基、ハロゲン原
子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子
で置換されたアリール基またはアルキル基で置換された
アリール基である。)、ハロゲン原子、水素原子などが
挙げられる。
【0019】以下に、Mがジルコニウムであり、かつシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個含むメタ
ロセン化合物を例示する。エチレン-ビス(インデニ
ル)ジメチルジルコニウム、エチレン-ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジフェニルシリレン-ビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、メチルフェニルシリレン-ビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-エチレン-ビ
ス(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(4,7-ジメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,7-トリメチル-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2,4,6-トリメチル-1-インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(4-
フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メ
チル-4-(1-アントリル)-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリドなど。
【0020】また、上記のような化合物においてジルコ
ニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き
換えたメタロセン化合物を例示することもできる。また
本発明では、メタロセン化合物として下記一般式(II)
で示される遷移金属化合物を用いることもできる。
【0021】L2 2 2 … (II) M2 は、周期率表第4族またはランタニド系列の金属で
あり、L2 は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属
2 活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、Xは、
互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子もしくは
ハロゲン原子であるか、または20個以下の炭素原子、
ケイ素原子もしくはゲルマニウム原子を含有する炭化水
素基、シリル基もしくはゲルミル基である。
【0022】このような前記一般式(II)で示される化
合物のうちでは、下記一般式(III)で示される遷移金属
化合物が好ましい。
【0023】
【化1】
【0024】式中、M2 はチタン、ジルコニウムまたは
ハフニウムであり、Xは、上記と同じである。CpはM
2 にπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロ
ペンタジエニル基である。
【0025】Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期率表
第14族の元素(たとえばケイ素、ゲルマニウムまたは
スズ)であり、Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含
む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成してもよい。
【0026】このような前記一般式(III)で示される
化合物としては、具体的に、(ジメチル(t-ブチルアミ
ド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラ
ン)チタンジクロリド、((t-ブチルアミド)(テトラ
メチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイ
ル)チタンジクロリドなどが挙げられる。
【0027】上記のようなメタロセン化合物は、1種単
独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。ま
た上記のようなメタロセン化合物は、粒子状担体に担持
させて用いることもできる。
【0028】このような粒子状担体としては、Si
2 、Al23 、B23 、MgO、ZrO2 、Ca
O、TiO2 、ZnO、SnO2 、BaO、ThOなど
の無機担体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-
ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニル
ベンゼン共重合体などの有機担体を用いることができ
る。これらの粒子状担体は、1種単独でまたは2種以上
組合わせて用いることができる。
【0029】次に、メタロセン系触媒を形成する有機ア
ルミニウムオキシ化合物およびイオン化イオン性化合物
について説明する。有機アルミニウムオキシ化合物は、
従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平
2−78687号公報に例示されているようなベンゼン
不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよ
い。
【0030】なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少
量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有し
ていてもよい。イオン化イオン性化合物としては、ルイ
ス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン
化合物を例示することができる。
【0031】ルイス酸としては、BR3 (式中、Rはフ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子であ
る。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトルフル
オロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロ
フェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-
トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス
(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0032】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。具体的に、トリアルキル
置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられ
る。ジアルキルアンモニウム塩としては、たとえばジ
(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイオン性
化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートなどを挙げることもできる。
【0033】ボラン化合物としては、デカボラン(1
4)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ド
デカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)
などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0034】カルボラン化合物としては、4-カルバノナ
ボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビ
ス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハ
イドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩
(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げら
れる。
【0035】上記のようなイオン化イオン性化合物は、
1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができ
る。前記有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化
イオン性化合物は、上述した粒子状担体に担持させて用
いることもできる。
【0036】また触媒を形成するに際しては、有機アル
ミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物と
ともに以下のような有機アルミニウム化合物を用いても
よい。
【0037】有機アルミニウム化合物としては、分子内
に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が利
用できる。このような化合物としては、たとえば下記一
般式で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
【0038】(R1 m Al(O(R2 ))npq (式中、R1 およびR2 は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が通常1〜15、好ましくは1〜
4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは
0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0
≦q<3を満たす数であって、しかも、m+n+p+q
=3である。) 本発明で用いられるポリプロピレンは、上記のようなメ
タロセン系触媒の存在下に常法に従い、プロピレンを単
独重合させるか、またはプロピレンと少量の炭素原子数
が4〜20のα−オレフィンとを共重合させることによ
り製造することができる。
【0039】メタロセン系触媒を用いて製造されたポリ
プロピレンは、低分子量成分の割合が少ないため、熱成
形時の焼け焦げがほとんどなく、このようなポリプロピ
レンから製造された熱成形体は、臭気がほとんどない。
【0040】前記ポリプロピレンからパイプを製造する
には、通常の押出成形法を採用することができる。この
ようにして成形されたパイプは、耐クリープ性に優れて
いる。また、従来のポリプロピレンよりも剛性が高いの
で、薄肉化が可能となり経済的に有利である。
【0041】本発明に係るポリプロピレン製パイプに
は、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、
多価フェノール系安定剤などの耐熱安定剤、帯電防止
剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、
滑剤、顔料、フタロシアニンブルーなどの染料、従来の
ポリプロピレン用核剤として公知の核剤、可塑剤、老化
防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が必要に応
じて配合されていてもよい。なかでも顔料および/また
は線量を0.01〜3重量%の量で配合することが好ま
しい。また、本発明のポリプロピレン製パイプには、2
種以上の多価フェノール系の耐熱安定剤を配合すること
が好ましく、通常耐熱安定剤を0.01〜1重量%の量
で配合する。
【0042】本発明に係るポリプロピレン製パイプは、
その形状には特に制限はなく、断面形状が円形、多角形
その他いかなる形状であってもよい。本発明に係るポリ
プロピレン製パイプは、通常内径が10〜1000mm
程度、外形が20〜1200mm程度、肉厚が1〜20
0mm程度である。
【0043】
【発明の効果】本発明に係るポリプロピレン製パイプ
は、特定のポリプロピレンから形成されているので機械
的強度に優れている。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0045】
【実施例1】メタロセン系触媒を用い定法に従って製造
した、表1に示すような物性を有するプロピレン・オク
テン共重合体(P−1)100重量部に対して、1,3,5-
トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ
キシフェニル)ベンジルベンゼンを0.4重量部、テト
ラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタンを0.2重量部、n-
オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフ
ェニル)プロピオネートを0.2重量部、2,4-ジ-t-ブ
チルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエ
ートを0.15重量部およびステアリン酸カルシウムを
0.1重量部配合して、単軸押出機により230℃にて
溶融混練することによりペレット化した。次いで、26
0℃にて押出成形することにより外形が60mm、内径
が5.5mmのパイプを製造した。得られたパイプの耐
クリープ性を表1に示す。
【0046】なお、表1に記載した物性は以下のように
して測定して求めた。メルトフローレート(MFR) ASTM D1238−65Tに準拠して、230℃、
2.16kg荷重下で測定した。
【0047】融点(Tm) 示差走査型熱量計(DSC)により、5mgの試料を2
00℃にて完全に溶解し、10℃/分の速度で降温した
後、さらに10℃/分の速度で昇温する際に検出される
吸熱ピークのピーク位置の温度を融点とした。
【0048】密度 MFR測定により得られるストランドを用い、気泡が混
入していない部分を約1cm切取り、それを密度勾配管
中に入れることにより測定した。
【0049】α−オレフィン含量 10mmφの試料管中で約200mgの試料を1mlの
ヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させ、測定温度1
20℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1
500MHz、パルス繰返し時間4.2秒、パルス幅6
μsec.の測定条件下で13C−NMRスペクトルを測
定することにより求めた。
【0050】分子量分布(Mw/Mn) ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
よりo-ジクロルベンゼンを溶媒として135℃で測定す
ることにより求めた。
【0051】曲げ弾性率(FM) ASTM D790に準じて、230℃で成形した厚み
2mmのプレスシートから打ち抜いたFM試験片を、2
3℃、スパン間32mm、曲げ速度5mm/minで試
験することにより求めた。
【0052】耐クリープ性 JIS K6762に準拠して、成形後48時間以上経
過した長さ50cmのパイプの両端に密閉治具を取付
け、80℃の水槽中に浸漬する。次いで、フープストレ
スが6MPaとなるようにパイプ内部に窒素を吹き込み
内圧を一定に保ち、破壊が起こるまでの時間を測定し耐
クリープ性を評価した。
【0053】
【実施例2、3】実施例1においてプロピレン・オクテ
ン共重合体(P−1)に代えて、メタロセン系触媒を用
い定法に従い製造した、表1に示すような物性を有する
プロピレン単独重合体(P−2)、プロピレン・オクテ
ン共重合体(P−3)をそれぞれ用いたこと以外は実施
例1と同様にしてパイプを製造した。得られたパイプの
耐クリープ性を表1に示す。
【0054】
【実施例4、5】実施例1においてプロピレン・オクテ
ン共重合体(P−1)に代えて、チーグラーナッタ触媒
を用い定法に従い製造した、表1に示すような物性を有
するプロピレン・オクテン共重合体(P−4)、プロピ
レン単独重合体(P−5)をそれぞれ用いたこと以外は
実施例1と同様にしてパイプを製造した。得られたパイ
プの耐クリープ性を表1に示す。
【0055】
【実施例6】実施例1においてプロピレン・オクテン共
重合体(P−1)に代えて、チーグラーナッタ触媒を用
い定法に従い2段重合により製造した、表1に示すよう
な物性を有するプロピレン単独重合体(P−6)を用い
たこと以外は実施例1と同様にしてパイプを製造した。
得られたパイプの耐クリープ性を表1に示す。
【0056】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) 230℃、2.16kg荷重下で測定
    されるメルトフローレートが0.005〜5g/10分の
    範囲にあり、(2) 示差走査型熱量計により測定される吸
    熱曲線の最大ピーク位置の温度が128〜172℃の範
    囲にあり、(3) 密度が898〜917kg/m3 の範囲
    にあり、(4) 炭素原子数が4〜20のα−オレフィンか
    ら導かれる構成単位の含有割合が0〜6モル%の範囲に
    あり、(5) 200℃で成形したプレスシート試験片の曲
    げ弾性率が800〜2600MPaの範囲にあるポリプ
    ロピレンからなることを特徴とする熱成形により得られ
    るポリプロピレン製パイプ。
  2. 【請求項2】(1) 230℃、2.16kg荷重下で測定
    されるメルトフローレートが0.005〜5g/10分の
    範囲にあり、(2) 示差走査型熱量計により測定される吸
    熱曲線の最大ピーク位置の温度が128〜157℃の範
    囲にあり、(3) 密度が898〜911kg/m3 の範囲
    にあり、(4) 炭素原子数が4〜20のα−オレフィンか
    ら導かれる構成単位の含有割合が0〜5.5モル%の範
    囲にあり、(5) ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
    ーにより測定される分子量分布(Mw/Mn)が1.5
    〜3.5の範囲にあり、(6) 200℃で成形したプレス
    シート試験片の曲げ弾性率が800〜1900MPaの
    範囲にあるポリプロピレンからなることを特徴とする熱
    成形により得られるポリプロピレン製パイプ。
  3. 【請求項3】前記ポリプロピレンが、メタロセン触媒を
    用いて製造されたものである請求項2に記載のポリプロ
    ピレン製パイプ。
  4. 【請求項4】(1) 230℃、2.16kg荷重下で測定
    されるメルトフローレートが0.005〜5g/10分の
    範囲にあり、(2) 示差走査型熱量計により測定される吸
    熱曲線の最大ピーク位置の温度が158〜172℃の範
    囲にあり、(3) 密度が909〜917kg/m3 の範囲
    にあり、(4) 炭素原子数が4〜20のα−オレフィンか
    ら導かれる構成単位の含有割合が0〜3.0モル%の範
    囲にあり、(5) ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
    ーにより測定される分子量分布(Mw/Mn)が3.6
    〜30の範囲にあり、(6) 200℃で成形したプレスシ
    ート試験片の曲げ弾性率が1000〜2600MPaの
    範囲にあるポリプロピレンからなることを特徴とする熱
    成形により得られるポリプロピレン製パイプ。
  5. 【請求項5】 前記ポリプロピレンが、チタン系のチー
    グラーナッタ触媒を用いて製造されたものである請求項
    4に記載のポリプロピレン製パイプ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007004706A1 (ja) 2005-07-01 2007-01-11 Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. 配管部材用プロピレン系樹脂組成物並びにそれを用いて成形した配管部材および多層配管部材
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