JP3841750B2 - 樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物及び該組成物を含むアイソタクチックポリプロピレン系重合体組成物。 - Google Patents
樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物及び該組成物を含むアイソタクチックポリプロピレン系重合体組成物。 Download PDFInfo
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物に関し、さらに詳しくは、透明性、柔軟性、耐熱性、耐摩耗性に優れたフィルム改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタールなどの熱可塑性樹脂は、優れた加工性、耐薬品性、電気的性質、機械的性質などを有しているため、射出成形品、中空成形品、フィルム、シートなどに加工され各種用途に用いられている。しかしながら用途によっては、透明性、柔軟性、ヒートシール性、耐衝撃性などが充分とはいえない場合がある。
【0003】
一方、シンジオタクティックポリプロピレンは、バナジウム化合物とエーテルおよび有機アルミニウムからなる触媒の存在下に低温重合により得られることが知られている。しかしながらこの方法で得られるポリマーは、そのシンジオタクティシティが低く、本来のシンジオタックティックな性質を表しているとは言い難かった。
【0004】
これに対して、J.A.Ewenらにより非対称な配位子を有する遷移金属触媒とアルミノキサンからなる触媒の存在下にシンジオタックティックペンタッド分率が0.7を超えるようなタクティシティの高いポリプロピレンが得られることが初めて発見された(J.Am.Chem.Soc.,1988,110,6255−6256、特開平2−41305))。
【0005】
このJ.A.Ewenらの方法により得られたポリマーは、シンジオタクティシティが高く、アイソタクティックポリプロピレンよりもエラスティックな性質を有している。またシンジオタクティシティの高いプロピレン共重合体も得られており(特開平3−200813)、シンジオタクティシティの高いプロピレン共重合体と種々のポリマーとの組成物が得られている(特開2000−191859、特開2000−191861)。
【0006】
しかし、シンジオタクティシティの高いプロピレン(共)重合体を軟質な成形材料として、例えば、軟質塩化ビニルや加硫ゴム等が使用されている分野に利用しようとする場合、その柔軟性やゴム弾性、機械的強度は充分なものではなかった。
【0007】
一方、プロピレン系重合体にプロピレン構成単位の立体規則性がアイソタクティックであるエチレン−プロピレン共重合体ゴム等を配合することによりその柔軟性や耐衝撃性を改良する試みがなされているが、この方法により得られる樹脂組成物からなる成形物は、柔軟性や耐衝撃性がある程度は改良されるものの充分なものではなかった。
【0008】
本発明者らは、このような状況に鑑み鋭意研究した結果、特定の実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン-エチレン系共重合体とテルペンあるいは石油樹脂とからなるシンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体組成物をアイソタクチックポリプロピレン系重合体の改質材として用いると、透明性と柔軟性、耐熱性、耐摩耗性とのバランスに優れた成形体が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決しようとするものであって、透明性、柔軟性、耐熱性、耐摩耗性に優れた樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明に係る樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、
(A)実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン成分を99〜65モル%の量含み、エチレン成分を1〜35モル%の量含むシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体10〜90重量部と、(B)重量平均分子量Mwが500〜10000であるテルペン樹脂あるいは石油樹脂10〜90重量部を含有することを特徴としている。
【0011】
さらに(A)実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン成分を99〜65モル%の量含み、エチレン成分を1〜35モル%の量含むシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体30〜90重量部と、(B)重量平均分子量Mwが500〜10000であるテルペン樹脂あるいは石油樹脂10〜50重量部、(C)エチレン系重合体0〜40重量部を含有することを特徴としている。
【0012】
本発明に係る樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物の態様には、上記(A)シンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた分子量分布(Mw/Mn)が4以下であり、ガラス転移温度が−5℃以下である。
【0013】
本発明では、上記(A)シンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体が、プロピレンから導かれる繰返し単位を99〜65モル%、好ましくは95〜65モル%、さらに好ましくは90〜65モル%の割合で、エチレンから導かれる繰り返し単位を1〜35モル%、5〜35モル%、さらに好ましくは10〜35モル%の割合で含有する共重合体であることが好ましい。
【0014】
さらに本発明ではテルペン樹脂または石油樹脂(B)は、重量平均分子量が500〜10000で、示差走査型熱量計(DSC)の吸熱曲線から求められるガラス転移点(Tg)が30〜100℃の範囲にあることが好ましい。
【0015】
本発明に係る樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、透明性、柔軟性、耐熱性のバランスに優れている。
【0016】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物について具体的に説明する。本発明に係る樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、特定のシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共系重合体(A)と、特定のテルペン樹脂または石油樹脂(B)と必要によりエチレン系重合体(C)を含んでいる。
【0017】
まず、本発明に係るシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物に含まれる各成分について説明する。
【0018】
シンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)
シンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)は、プロピレンから導かれる繰返し単位を、99〜65モル%、好ましくは95〜65モル%、より好ましくは90〜65モル%、エチレンから導かれる繰返し単位を1〜35モル%、好ましくは5〜35モル%、より好ましくは10〜35モル%の割合で含有している。
【0019】
このような割合でエチレンとプロピレン成分を含有するシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)はテルペン樹脂または石油樹脂(B)との相溶性が良好であり、アイソタクチックプロピレン系重合体あるいはその組成物に添加することにより得られる成形体は、充分な透明性、柔軟性、耐熱性を発揮する傾向がある。
【0020】
このシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)は、非晶性であり、ヤングモジュラスが150MPa以下、好ましくは100MPa以下、より好ましくは50MPa以下である。
【0021】
このようなシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常0.01〜10dl/g、好ましくは0.5〜10dl/g、さらに好ましくは1〜8dl/gの範囲にあることが望ましい。該α-オレフィン重合体(A)の極限粘度[η]が、前記範囲内にあると、耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性、低温特性、耐動的疲労性などの特性に優れた樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物となる。
【0022】
このシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)は、単一のガラス転移温度を有し、かつ示差走査熱量計(DSC)によって測定したガラス転移温度(Tg)が、通常−5℃以下、好ましくは−10℃以下、さらに好ましくは−20℃以下であることが望ましい。該シンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)が前記範囲内にあると、耐寒性、低温特性に優れる。またゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は4.0以下であることが好ましく、特に3.5以下であることが好ましい。
【0023】
またこのシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)は、前記樹脂改質用シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物に10〜90重量部、好ましくは、40〜90重量部、さらに好ましくは、60〜90重量部含有しているのが好ましい。
【0024】
なお、本明細書において実質的にシンジオタクティック構造であるとは、プロピレンのtriad連鎖でみたシンジオタクティシティーが0.6以上であることを意味する。
【0025】
ここでプロピレンのtriad連鎖でみたシンジオタクティシティーについて説明する。このシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)のトリアドシンジオタクティシティ(以下「rr分率」ということがある。)は、該重合体(A)の13C−NMRスペクトルおよび下記式(1)により、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖部の第2単位目の側鎖メチル基の強度(面積)比として求められる。
【0026】
rr分率(%)=PPP(rr)/{PPP(mm)+PPP(mr)+PPP(rr)} …(1)
(式中、PPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)は、それぞれ13C−NMRスペクトルの下記シフト領域で観察される頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖部の第2単位目の側鎖メチル基の面積である。) このようなPPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)は、それぞれ下記構造の頭−尾結合したプロピレン3単位連鎖を示す。 なおメチル炭素領域内(19〜23ppm)では、上記のような頭−尾結合プロピレン3連鎖中のプロピレン単位の側鎖メチル基以外にも、下記のような他の連鎖中のプロピレン単位の側鎖メチル基ピークが観測される。rr分率を求める際には、このようなプロピレン単位3連鎖に基づかないメチル基のピーク面積を下記のように補正する。なお、Pはプロピレンから導かれる繰返し単位を示し、Eはエチレンから導かれる繰返し単位を示す。
【0027】
▲1▼第2領域内では、プロピレン同士が頭−尾結合したPPE3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目の側鎖メチル基に由来するピークが観測される。 このメチル基ピークの面積は、PPE連鎖中の第2単位(プロピレン単位)のメチン基(30.6ppm付近で共鳴)のピーク面積から求めることができる。
【0028】
▲2▼第3領域内では、EPE3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目の側鎖メチル基に由来するピークが観測される。このメチル基ピーク面積は、EPE連鎖中の第2単位(プロピレン単位)のメチン基(32.9ppm付近で共鳴)のピーク面積から求めることができる。
【0029】
▲3▼第2領域および第3領域内では、エチレン・エチレンランダム共重合体中に少量含まれる、下記部分構造(i)、(ii)および(iii)で示されるような位置不規則単位中のメチル基C〜E’に由来するピークが観察される。 第2領域では、メチル基Cピーク、メチル基Dピークおよびメチル基D’ピークが観測され、 第3領域では、メチル基Eピークおよびメチル基E’ピークが観測される。なお位置不規則単位(i)〜(iii)中のメチル基中、メチル基Aピークおよびメチル基Bピークは、それぞれ17.3ppm、17.0ppmで観測され、第1〜3領域内では観測されない。
【0030】
メチル基Cのピーク面積は、隣接するメチン基(31.3ppm付近で共鳴)のピーク面積より求めることができる。 メチル基Dのピーク面積は、構造(ii)のαβメチレン炭素に基づくピーク(34.3ppm付近および34.5ppm付近)のピーク面積の和の1/2より求めることができる。
【0031】
メチル基D’のピーク面積は、構造(iii)のメチル基E’に隣接するメチン基に基づくピーク(33.3ppm付近)の面積より求めることができる。メチル基Eのピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.7ppm付近)のピーク面積より求めることができる。 メチル基E’のピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.3ppm付近)のピーク面積より求めることができる。
【0032】
したがってこれらのピーク面積を第2領域および第3領域の全ピーク面積より差し引くことにより、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖中の第2プロピレン単位の側鎖メチル基のピーク面積を求めることができる。なおスペクトル中の各炭素ピークは、文献(Polymer,30,1350(1989))を参考にして帰属することができる。
【0033】
シンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)の製造
このようなシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)は、下記に示すメタロセン系触媒の存在下にプロピレンから導かれる繰り返し単位が99〜65モル%、エチレンから導かれる繰り返し単位が1〜35モル%となるようにプロピレンとエチレンを共重合させて得られる。
【0034】
このようなメタロセン系触媒としては、
(a)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物と、
(b)(b-1)上記遷移金属化合物(a)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化合物、
(b-2)有機アルミニウムオキシ化合物、
(b-3)有機アルミニウム化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなる少なくとも1つの触媒系が挙げられる。
【0035】
【化1】
【0036】
本発明においては、上記シンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)製造用の触媒としては、上記のようなメタロセン系触媒が好ましく用いられるが、場合によっては上記メタロセン系触媒以外の、従来より公知の▲1▼固体状チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒、▲2▼可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒を用いることもできる。
【0037】
本発明では、上記のようなメタロセン系触媒の存在下に、プロピレンとエチレンを通常液相で共重合させる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、プロピレンを溶媒として用いてもよい。共重合はバッチ法または連続法のいずれの方法でも行うことができる。
【0038】
メタロセン系触媒を用い、共重合をバッチ法で実施する場合には、重合系内の遷移金属化合物(a)は、重合容積1リットル当り、通常0.00005〜1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.5ミリモルとなるような量で用いられる。
【0039】
イオン化イオン性化合物(b-1)は、遷移金属化合物(a)に対するイオン化イオン性化合物のモル比((b-1)/(a))で、0.5〜20、好ましくは1〜10となるような量で用いられる。
【0040】
有機アルミニウムオキシ化合物(b-2)は、遷移金属化合物(a)中の遷移金属原子(M)に対するアルミニウム原子(Al)のモル比(Al/M)で、1〜10000、好ましくは10〜5000となるような量で用いられる。 また有機アルミニウム化合物(b-3)は、重合容積1リットル当り、通常約0〜5ミリモル、好ましくは約0〜2ミリモルとなるような量で用いられる。
【0041】
共重合反応は、通常、温度が−20〜150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃の範囲で、圧力が0を超えて〜80kg/cm2 、好ましくは0を超えて〜50kg/cm2の範囲の条件下に行なわれる。
【0042】
また反応時間(重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常5分間〜3時間、好ましくは10分間〜1.5時間である。
【0043】
プロピレンとエチレンは、上述のような特定組成のシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)が得られるような量でそれぞれ重合系に供給される。なお共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
【0044】
上記のようにしてプロピレンとエチレンを共重合させると、シンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)は通常これを含む重合液として得られる。この重合液は常法により処理され、シンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)が得られる。
【0045】
テルペン樹脂あるいは石油樹脂(B)
本発明に係るテルペン樹脂あるいは石油樹脂(B)は、下記のような特性を有していることが好ましい。
(1)重量平均分子量が500〜1000、好ましくは500〜7000、更に好ましくは500〜5000。
(2)示差走査熱量計(DSC)の吸熱曲線によって得られるガラス転移温度(Tg)が、30〜100℃の範囲、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは50〜100℃の範囲にある。
【0046】
このような特性を有するテルペン樹脂及び石油樹脂は耐熱性及び耐変色性に優れ、これを添加することによって、透明性及び粘着性、応力緩和性に優れた材料が得られる。
【0047】
エチレン系重合体(C)
本発明の樹脂組成物におけるエチレン系重合体(C)としては、高圧法低密度ポリエチレンまたはエチレン・α−オレフィン共重合体が好ましく、その分子構造は、直鎖状であってもよいし、長鎖または短鎖の側鎖を有する分岐状であってもよい。またこれらから選ばれる2種以上のエチレン系重合体のブレンド物であってもよい。高圧法低密度ポリエチレンの場合、密度は0.905〜0.915g/cm3の範囲が好ましく、メルトフローレート(以下、MFR(190℃))が0.1〜20(g/10分)であることが好ましい。このような範囲にあると樹脂改質性能に優れるとともに成形性とのバランスにも優れる。
【0048】
エチレン・α−オレフィン共重合体の場合、コモノマーとして使用されるα−オレフィンとしては、炭素数3〜20、好ましくは3〜10までのα−オレフィンであって、エチレンとのランダム共重合体である。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンおよびそれらの組み合わせを挙げることができ、中でもプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、特に1−ブテン、1−ヘキセンが好ましい。また、必要に応じて他のコモノマー、例えば1,6−ヘキサジエン、1,8−オクタジエン等のジエン類や、シクロペンテン等の環状オレフィン類等を少量含有してもよい。共重合体中のエチレン含量は、80〜95、好ましくは80〜90(モル%)である。エチレン含量がこの範囲にあると透明性、柔軟性、さらには耐衝撃性に優れる。
【0049】
エチレン・α−オレフィン共重合体の場合には密度は、0.860〜0.915、好ましくは870〜0.905、さらに好ましくは0.880〜0.905(g/cm3)である。なお、密度は、ASTM D1505に準拠し、密度勾配管を用いて測定した。密度がこの範囲にあると透明性、柔軟性、さらには耐衝撃性に優れる。
またエチレン・α−オレフィン共重合体の場合には、ASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフロート(以下、MFR(190℃)と略記する)が0.1〜100、好ましくは0.1〜50(g/10分)の範囲にある。さらにエチレン・α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、2〜4、好ましくは2〜3である。MFR、分子量分布がこの範囲にあると樹脂改質性能に優れるとともに成形性のバランスにも優れる。
【0050】
上記エチレン系重合体(C)の製造法については特に制限はないが、ラジカル重合触媒、フィリップス触媒、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒を用いて、エチレンの単独重合、またはエチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。
【0051】
さらに、このエチレン系重合体(C)は、例えば高圧法低密度ポリエチレンと直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体とのブレンドのように、数種類のエチレン系重合体をブレンドした組成物で使用することもできる。
【0052】
また、本発明において使用されるエチレン系重合体(C)は、例えば高圧法ポリエチレンとエチレン−1−ブテン共重合体とのブレンドのように、少なくとも2種以上の異なる密度、メルトフローレートを有するエチレン系重合体の混合物であっても良い。
【0053】
シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物(AA)
本発明のシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物(AA)は実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン成分を99〜65モル%含み、エチレン成分を1〜35モル%含むシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)30〜90重量部、好ましくは30〜70重量部、重量平均分子量Mwが500〜10000であるテルペン樹脂あるいは石油樹脂(B)10〜50重量部、好ましくは10〜40重量部、密度が0.860〜0.905g/cm3のエチレン系重合体(C)0〜40重量部、好ましくは0〜30重量部とからなる。
【0054】
上記のような割合で(A)、(B)および(C)を含有するシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、透明性、柔軟性、耐熱性に優れ、耐摩耗性にも優れる傾向がある。このようなシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)が、通常0.1〜1000g/10分、好ましくは0.5〜100g/10分、さらに好ましくは1〜100g/10分である。
【0055】
シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物(AA)の製造
上記のようなシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物は、各成分を上記のような範囲で種々公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用して製造することができる。
【0056】
このシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物(AA)には、防曇剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、発錆防止剤等、また下記に詳述する「その他の共重合体」(エラストマー、エラストマー用樹脂など)等を、本発明の目的を損わない範囲で配合することもできる。
【0057】
その他の共重合体(F)
本発明に係るシンジオタクティックポリプロピレン系共重合体組成物には、必要により「その他の共重合体(F)」が含まれていてもよい。
【0058】
このような「その他の共重合体(F)」としては、水添されていてもよい芳香族炭化水素系ブロック共重合体、ブテン系重合体などが挙げられる。これらの共重合体は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0059】
このようなシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物は、アイソタクチックプロピレン系重合体の樹脂改質材として配合することができる。
【0060】
本発明のシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物をアイソタクチックプロピレン系重合体を含有する樹脂に配合することにより、透明性、柔軟性、耐熱性、耐摩耗性などの改善されたアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物が得られる。
【0061】
次に、本発明に係るアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物について説明する。
【0062】
アイソタクチックプロピレン系重合体(D)
アイソタクティックプロピレン系重合体(D)は、プロピレンの単独重合体または、プロピレンとエチレンまたは炭素原子数4〜20のα−オレフィンとから得られるプロピレン系ランダム共重合体であって、プロピレンから導かれる繰返し単位(a)と、必要に応じてエチレンから導かれる繰返し単位(b)および/または炭素原子数4〜20のα-オレフィンから導かれる繰返し単位(c)からなり、前記繰返し単位(a)を90〜100モル%、好ましくは90〜99モル%、さらに好ましくは92〜98モル%の割合で含有し、前記繰返し単位(b)を0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜3モル%の割合で含有し、前記繰返し単位(c)を0〜9.5モル%、好ましくは0〜7モル%、さらに好ましくは0〜5モル%の割合で含有している。
【0063】
ここで炭素原子数4〜20のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコサンなどが用いられ、このうち1-ブテンが好ましい。
【0064】
このアイソタクティックプロピレン系重合体(D)の135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜6dl/g、好ましくは1.0〜4dl/gの範囲にあることが望ましく、極限粘度がこのような範囲にあると、良好な流動性を示し、他の成分と配合し易く、また得られた組成物から機械的強度に優れた成形品が得られる傾向がある。
【0065】
また、本発明で用いられるアイソタクティックプロピレン系重合体(D)は示差走査型熱量計(DSC)の吸熱曲線から求められる融点(Tm)が125<Tm<155℃の範囲、好ましくは130<Tm<150℃の範囲にあることが好ましい。このような範囲にあると結晶化速度が速く、加工性に優れる。
【0066】
さらにアイソタクチックプロピレン系重合体(D)としては、弾性率が1000MPa以下であることが好ましく、230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレートは、0.1〜100g/min、好ましくは0.1〜70g/min、さらに好ましくは0.1〜50g/minである。
【0067】
アイソタクティックプロピレン系重合体(D)は従来より公知の▲1▼固体状チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒またはメタロセン触媒を用いて得ることができる。
【0068】
アイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物(BB)
本発明に係るアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物は、シンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物(AA)1〜60重量部と、アイソタクチックプロピレン系重合体(D)99〜60重量部とから形成されている。
【0069】
また本発明のアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物は、シンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物(AA)を10〜60重量部、好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部で含有し、アイソタクチックプロピレン系重合体(D)を99〜60重量部、好ましくは90〜40重量部、さらに好ましくは90〜50重量部で含有していることが好ましい。
【0070】
本発明のアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物は、公知の任意の方法を採用して製造することができ、たとえば、フィルム改質用シンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物(AA)と、アイソタクチックプロピレン系重合体(D)、および所望により添加される他成分を、押出機、ニーダー等を用いて溶融混練することにより得られる。
【0071】
本発明では、シンジオタクティックプロピレン・エチレン系共重合体(A)と、テルペンあるいは石油樹脂(B)必要によりエチレン系重合体(C)とからシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物(AA)を調製し、次に該シンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物(AA)とアイソタクチックプロピレン系重合体(D)とをブレンドしてアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物(BB)を調製することが好ましい。
【0072】
アイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物(BB)からなる成形体
上記のような本発明に係るアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物(BB)は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができるが、特にポリオレフィン組成物をたとえばシート、未延伸または延伸フィルム、フィラメント、他の種々形状の成形体に成形して利用することができる。
【0073】
成形体としては具体的には、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、カレンダー成形、発泡成形などの公知の熱成形方法により得られる成形体が挙げられる。以下に数例挙げて成形体を説明する。
【0074】
本発明に係る成形体がたとえば押出成形体である場合、その形状および製品種類は特に限定されないが、たとえばシート、フィルム(未延伸)、パイプ、ホース、電線被覆、チューブ、フィラメントなどが挙げられ、特にシート、フィルム、チューブなどが好ましい。
【0075】
アイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物(BB)を押出成形する際には、従来公知の押出装置および成形条件を採用することができ、たとえば単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機などを用いて、溶融したアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物(BB)をTダイなどから押出すことによりシートまたはフィルム(未延伸)などに成形することができる。
【0076】
成形体がシート、フィルムの場合は
(i)シンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物(AA);40〜70重量部と、
(ii)アイソタクチックプロピレン系重合体;60〜30重量部の量で含有することが望ましい。
また成形体がチューブの場合は
(i)シンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物(AA);70〜90重量部と、
(ii)アイソタクチックプロピレン系重合体;10〜30重量部の量で
含有することが望ましい。
【0077】
【発明の効果】
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン系共重合体組成物は、アイソタクチックプロピレン系重合体に配合することにより、透明性、柔軟性、耐熱性、耐摩耗性とのバランスに優れたアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物が得られる。
【0078】
【実施例】
以下、本発明について実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何等限定されるものではない。
【0079】
以下、物性試験条件等を記す。
[引張試験]
1.引っ張り弾性率;JIS K6301に準拠して、JIS3号ダンベルを用い、スパン間:30mm、引っ張り速度:30mm/minで23℃にて測定した。
【0080】
2.ヘイズ(%);厚さ1mmの試験片を用いて、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH−20D」にて測定した。
【0081】
3.耐摩耗性試験; 東洋精機製、学振摩耗試験機を用いて、厚さ2mmの試験片を用いて、45R、SUS製の摩耗圧子470gの先端を綿帆布#10に覆い、これを23℃、往復回数100回、往復速度33回/min、ストローク100mmで試料を摩耗させ、その前後のグロス変化率ΔGlossを以下のようにして求めた。
ΔGloss=(摩耗前のGloss−摩耗後のGloss)/摩耗前のGloss×100。
【0082】
4.針侵入温度(℃);JIS K7196に準拠し、厚さ2mmの試験片を用いて、昇温速度5℃/minで1.8mmφの平面圧子に2Kg/cm2の圧力をかけ、TMA曲線より、針進入温度(℃)を求めた。
【0083】
5.フィルム引っ張り弾性率;キャストフィルム成形機を用いて、シリンダー温度230℃、チルロール温度は40℃、スクリュー回転は80rpmの条件下で幅250mm幅、厚さ20ミクロンの試験フィルムを作成し、JIS K6301に準拠して、JIS3号ダンベルを打ち抜き、スパン間:30mm、引っ張り速度:30mm/minで23℃にて測定した。
【0084】
6.フィルムヘイズ(%);キャストフィルム成形機を用いて、シリンダー温度230℃、チルロール温度は40℃、スクリュー回転は80rpmの条件下で幅250mm幅、厚さ20ミクロンの試験フィルムを作成し、フィルム中央部を日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH−20D」にて測定した。
【0085】
7.融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg); DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度をTmとする。 測定は、試料をアルミパンに詰め、100℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち、10℃/分で−150℃まで降温し、ついで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
【0086】
8.極限粘度[η]; 135℃、デカリン中で測定した。
【0087】
9.Mw/Mn;GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
【0088】
【合成例1】
(シンジオタクティックプロピレン・エチレン共重合体の合成(A−1))
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを750ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウム(以下、TIBAと略す。)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモルとなるように0.3ml加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)挿入し、昇温を開始し30℃に到達させた。その後、系内をエチレンで5.5kg/cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0002mM/ml)を3.75ml、(トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート)のトルエン溶液(0.002mM/ml)を2.0ml加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対してジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドが0.001ミリモル/リットル、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートが0.004ミリモル/リットルであった。
【0089】
重合中、エチレンを連続的に供給することにより、内圧を5.5kg/cm2Gに保持した。重合を開始して30分後、重合反応をメチルアルコールを添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下に接触させ、重合体を析出させたのち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。以上のようにして得られたプロピレン・エチレン共重合体の収量は50gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.4dl/gであり、ガラス転移温度Tgは−28℃であり、エチレン含量は24.0モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.9であった。
【0090】
また、前述のDSC測定条件では融解ピークは、実質的に観測されなかった。
【0091】
【合成例2】
(シンジオタクティックプロピレン・エチレン共重合体の合成(A−2))
合成例1において、重合温度を10℃、エチレンの圧力を7kg/cm2、重合時間を15分に変えた以外は、合成例1と同様な操作を行った。得られたプロピレン・エチレン共重合体の収量は、33gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、2.0dl/gであり、ガラス転移温度Tgは−54℃であり、エチレン含量は、45モル%であり、GPCによる分子量分布は2.9であった。また、また、前述のDSC測定条件では融解ピークは、実質的に観測されなかった。
【0092】
【実施例1】
合成例1で得られたシンジオタクチックプロピレン・エチレン共重合体(A−1)
70重量部と、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)製、P125、Tg=68℃、平均分子量1100)(B−1)30重量部とを混合し、溶融混練によりシンジオタクティクプロピレン-エチレン系共重合体組成物(AA−1)のペレットを得た。
【0093】
上記ペレットを用い、熱板温度190℃、余熱6分、加圧(100kg/cm2 )2分で成形したのち、熱板温度20℃のプレス成形機に移して加圧(100kg/cm2 )冷却することにより1mm及び2mm厚のシートを作製した。シート物性を表1に示す。
【0094】
【比較例1】
実施例1において、合成例1で得られたシンジオタクティックプロピレン・エチレン共重合体(A-1)から合成例2で得られたシンジオタクティックプロピレン・エチレン共重合体(A-2)に変えた以外は、実施例1と同様にしてシンジオタクチックプロピレン・エチレン共重合体組成物(AA−2)を得た。シート物性を表1に示す。
【0095】
【実施例2】
グランドポリマー(株)社製プロピレン系ランダム共重合体(D−1)(グランドポリプロ;F337D)60重量部と、実施例1で得られたシンジオタクチックプロピレン・エチレン共重合体組成物(AA−1)40重量部とを混合し、溶融混練によりアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物(BB−1)を得た。
【0096】
上記ペレットを用い、熱板温度190℃、余熱6分、加圧(100kg/cm2 )2分で成形したのち、熱板温度20℃のプレス成形機に移して加圧(100kg/cm2 )冷却することによりび2mm厚のシートを作製した。シート物性を表2に示す。また上記ペレットを用いて、フィルム成形を行い、20ミクロンのキャストフィルムを得た。得られたフィルム物性を表2に示す。
【0097】
【実施例3】
グランドポリマー(株)社製プロピレン系ランダム共重合体(D−1)(グランドポリプロ;F337D)50重量部と、実施例1で得られたシンジオタクチックプロピレン・エチレン共重合体組成物(AA−1)40重量部、エチレン・ブテンー1共重合体(エチレン含量=88.5モル%、MFR=3.6g/10分、密度=0.88g/cm3)10重量部とを混合し、溶融混練によりアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物(BB−2)を得た。
【0098】
上記ペレットを用い、熱板温度190℃、余熱6分、加圧(100kg/cm2 )2分で成形したのち、熱板温度20℃のプレス成形機に移して加圧(100kg/cm2 )冷却することによりび2mm厚のシートを作製した。シート物性を表2に示す。また上記ペレットを用いて、フィルム成形を行い、20ミクロンのキャストフィルムを得た。得られたフィルム物性を表2に示す。
【0099】
【比較例2】
実施例2において、実施例1で得られたシンジオタクティックプロピレン・エチレン共重合体組成物(AA−1)から比較例1で得られたアイソタクティックプロピレン・エチレン共重合体組成物(AA−2)に変えた以外は、実施例2と同様にしてアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物を得た。
【0100】
上記ペレットを用い、熱板温度190℃、余熱6分、加圧(100kg/cm2 )2分で成形したのち、熱板温度20℃のプレス成形機に移して加圧(100kg/cm2 )冷却することによりび2mm厚のシートを作製した。シート物性を表2に示す。
【0101】
また上記ペレットを用いて、フィルム成形を行い、20ミクロンのキャストフィルムを得た。得られたフィルム物性を表2に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
Claims (2)
- 実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン成分を99〜65モル%含み、エチレン成分を1〜35モル%含むシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体(A)30〜90重量部、 重量平均分子量Mwが500〜10000であるテルペン樹脂あるいは石油樹脂(B)10〜50重量部、密度が0.860〜0.915g/cm3のエチレン系重合体(C)0〜40重量部とからなる軟質シンジオタクティックポリプロピレン系組成物(AA)1〜60重量部と、アイソタクチックプロピレン系重合体(D)99〜40重量部とからなることを特徴とするアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物(BB)。
- 請求項1に記載のアイソタクチックポリプロピレン系重合体樹脂組成物からなることを特徴とする包装材用成形体。
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