JP4544440B2 - 鞍乗型車両用映像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、鞍乗型車両用映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来車両では、車体の左右側後方や後方を確認するために、サイドミラーやバックミラーが設けられているが、ミラーを見るときに、左右に視線を移動しなければならない。このため、自動四輪車では、車体の左右側方や後方にCCDカメラを備え、CCDカメラで撮像した映像をナビゲーションシステムの表示部に映し出すようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような映像表示装置を自動二輪車等の鞍乗型車両に備えることが考えられるが、CCDカメラが外方に出っ張っていると障害物と接触する虞があり、またライダーが撮像の邪魔になる等配置場所に制限がある。
【0004】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、運転者が撮像の邪魔になることがなく、デットスペースを利用して配置した鞍乗型車両に最適な鞍乗型車両用映像表示装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0006】
請求項1に記載の発明は、『ハンドルを車体に対して回動可能に支持した鞍乗型車両において、
車体の左右側後方を撮像しかつ車体に支持された複数の側後方撮像手段と、
前記撮像した映像を表示する表示手段とを備え、
前記側後方撮像手段は、
上下方向で運転者の足を置くステップ部より上方かつ前記ハンドルより下方に配置され、
左右方向で前記ハンドルの両端部より内方さらに車両前後方向で運転者が着座するシートの後端より前方における前記車体のフロントカウルに撮像視野を広げるように形成された凹部に配置したことを特徴とする鞍乗型車両用映像表示装置。』である。
【0007】
この請求項1に記載の発明によれば、側後方撮像手段は、上下方向で運転者の足を置くステップ部より上方かつハンドルより下方に配置され、左右方向でハンドルの両端部より内方さらに車両前後方向で運転者が着座するシートの後端より前方における車体のフロントカウルに撮像視野を広げるように形成された凹部に配置したことで、運転者が撮像の邪魔になることがなく、デットスペースを利用して配置することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、『車体の後方を撮像する後方撮像手段を備え、
前記後方撮像手段により撮像した映像を前記表示手段に表示し、
前記後方撮像手段を車体後部に支持すると共に、少なくとも前記後方撮像手段の上面が 前記車体後部の車体カバーで覆われる位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両用映像表示装置。』である。
【0009】
この請求項2に記載の発明によれば、請求項1に加え、後方撮像手段を車体後部に支持すると共に、少なくとも後方撮像手段の上面が車体後部の車体カバーで覆われる位置に配置されるため、太陽光の入射、雨水の入水を防止でき、好ましい映像を得ることができ、耐久性も向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の鞍乗型車両用映像表示装置の実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明はこの実施の形態に限定されない。
【0013】
まず、図1乃至図6の実施の形態について説明する。図1は鞍乗型車両用映像表示装置を備えるスクータ型車両の側面図、図2はスクータ型車両の正面図、図3はスクータ型車両の背面図、図4は後方から視たスクータ型車両の斜視図、図5は表示部の正面図、図6は側後方撮像手段の配置を示す図である。図7は参考例の側後方撮像手段の配置を示す図である。
【0014】
この実施の形態では、鞍乗型車両としてスクータ型車両を示している。このスクータ型車両の車体1には前輪2と後輪3が支持され、前輪2はハンドル4により操向される。ハンドル4を車体1に対して回動可能に支持し、このハンドル4は、左右の車幅方向に延び、左右の両側にはミラー9が取り付けられている。
【0015】
車体1は、フロントカウル5とリヤカウル6で覆われ、リヤカウル6の上部にはシート7が配置されている。フロントカウル5とシート7との間にはステップ部8が設けられ、シート7に着座した乗員がステップ部8に足を載せて運転するようになっている。
【0016】
フロントカウル5の上部にはスクリーン10が取り付けられ、さらに前側には左右一対の前照灯12がそれぞれ配置されている。また、フロントカウル5には、前照灯12を中心にして上下対称位置に、左右一対の上側車幅灯13と下側車幅灯14が配置されている。下側車幅灯14は、上下方向に長いランプが用いられ、確実に走行路面を照射するようになっている。
【0017】
このスクータ型車両には、車体1の左右側後方を撮像する側後方撮像手段20と、車体の後方を撮像する後方撮像手段30と、この撮像した映像を表示する表示手段21が備えられている。表示手段21は液晶表示部で構成され、フロントカウル5のハンドル4より前側位置に配置されている。
【0018】
表示手段21には、通常状態では側後方撮像手段20、後方撮像手段30から得られる左右の映像を同時に表示させておいてもよいし、後方を表示させておいてもよいし、表示させておかなくてもよい。
【0019】
表示手段21は、車両の中央に配置すると、走行状態の感覚をつかみやすいが、配置スペースや用途等の関係から車両の左右にオフセットして配置してもよい。
【0020】
左右一対の側後方撮像手段20は、CCDカメラで構成され、この側後方撮像手段20はフロントカウル5のシート側に設けられ、上下方向でハンドル4より下方の車体側で、かつ左右方向でハンドル4の両端部4aより内方に配置されている。フロントカウル5には後方の撮像視野を広げるように凹部6dが形成され、この凹部6dに側後方撮像手段20が配置されている。また、側後方撮像手段20を凹部6dに配置することで、運転者25や障害物が接触することがないようにしている。
【0021】
このように側後方撮像手段20が上下方向でハンドル4より下方の車体側で、かつ左右方向でハンドル4の両端部4aより内方に配置されており、図3及び図6に示すように、側後方撮像手段20をミラー9の位置に配置すると運転者25の肩の部分で後方の視野が狭くなるが、ミラー9の下方位置で車体幅や運転者25の胴や腰の部分で後方を見通せる位置であり、運転者25が撮像の邪魔になることがなく、デットスペースを利用して配置することができる。
【0022】
後方撮像手段30は、車体外面より凹んだ位置31に配置され、この実施の形態ではスタンディングハンドル32のグリップ32aとリヤカウル6の後端部6aの間に配置されている。参考例としては、図7に示すように、リヤカウル6で構成される車体カバーに車体外面より凹んだ凹部6bを形成し、この凹部の凹んだ位置31に後方撮像手段30を配置するようにしてもよい。また、後方撮像手段30の下方位置には、テールライト99が配置され、意図的にテールライト99のブレーキランプに赤い光が入るようにした場合に、球切れやスイッチの接触不良などでを走行中に確認できる。
【0023】
このように後方撮像手段30の上面が車体で覆われる位置31に配置することで、太陽光の入射、雨水の入水を防止でき、好ましい映像を得ることができ、耐久性も向上する。
【0024】
次に、図8乃至図16の参考例の実施の形態について説明する。図8は鞍乗型車両用映像表示装置を備える自動二輪車の側面図、図9は自動二輪車の平面図、図10は自動二輪車の正面図、図11は自動二輪車の背面図、図12は前側方向指示器の正面図、図13は前側方向指示器の側面図、図14は前側方向指示器の平面図、図15は尾灯の正面図、図16は尾灯の側面図である。
【0025】
この実施の形態では、鞍乗型車両としてオンロード用の自動二輪車を示している。このオンロード用の自動二輪車の車体101には前輪102と後輪103が支持され、前輪102はハンドル104により操向される。ハンドル104を車体101に対して回動可能に支持し、このハンドル104は、左右の車幅方向に延び、左右の両側にはミラー109が取り付けられている。
【0026】
車体101は、フロントカウル105とリヤカウル106で覆われ、リヤカウル106の上部にはシート107が配置されている。
【0027】
フロントカウル105の上部にはスクリーン110が取り付けられ、さらに前側には前照灯112が配置されている。また、フロントカウル5には、左右に一対の前側方向指示器115が設けられ、リヤカウル106には左右に一対の後側方向指示器116が設けられている。また、リヤカウル106には、尾灯117が設けられている。
【0028】
この自動二輪車には、車体101の左右側後方を撮像する側後方撮像手段120と、車体の後方を撮像する後方撮像手段130,131と、この撮像した映像を表示する表示手段121が備えられている。表示手段121は液晶表示部で構成され、フロントカウル105のハンドル104より前側位置に配置されている。
【0029】
表示手段121には、通常状態では側後方撮像手段120、後方撮像手段130,131から得られる左右の映像を同時に表示させておいてもよいし、後方を表示させておいてもよいし、表示させておかなくてもよく、配置も前記実施の形態と同様に構成され、車両の中央に配置すると、走行状態の感覚をつかみやすいが、配置スペースや用途等の関係から車両の左右にオフセットして配置してもよい。
【0030】
側後方撮像手段120及び後方撮像手段130,131は、CCDカメラで構成され、これらの撮像手段を車体に設けたライト手段に一体的に設けられている。
【0031】
即ち、側後方撮像手段120は、前側方向指示器115に一体的に設けられ、後方撮像手段130は後側方向指示器116に一体的に設けられ、後方撮像手段131は尾灯117に一体的に設けられ、既存のライト手段を利用して配置され、容易に広範囲な映像を撮像可能になるばかりか、配線が容易である。
【0032】
図14乃至図16は側後方撮像手段120を前側方向指示器115に一体的に設けた具体的な実施の形態を示し、前側に方向指示器用レンズ115aが設けられ、後側に撮像用レンズ115bが設けられている。前側方向指示器115の内部には電球115cとCCDカメラ120aが設けられ、CCDカメラ120aは撮像用レンズ115bを介して撮像する。
【0033】
後方撮像手段130は、後側方向指示器116に図12乃至図14と同様に一体的に設けられるから説明を省略する。
【0034】
図15及び図16は後方撮像手段131を尾灯117に一体的に設けた具体的な実施の形態を示し、前側に尾灯用レンズ117aと撮像用レンズ117bが設けられている。尾灯117の内部には一対の電球117cとCCDカメラ131aが設けられ、CCDカメラ131aは撮像用レンズ117bを介して撮像する。
【0035】
このように側後方撮像手段120は、前側方向指示器115に内蔵して一体的に設けられ、後方撮像手段130は後側方向指示器116に内蔵して一体的に設けられ、後方撮像手段131は尾灯117に内蔵して一体的に設けられているが、内蔵しないで固着する等により近接して配置するものであってもよい。
【0036】
【発明の効果】
前記したように、請求項1に記載の発明では、側後方撮像手段が、上下方向で運転者の足を置くステップ部より上方かつハンドルより下方に配置され、左右方向でハンドルの両端部より内方さらに車両前後方向で運転者が着座するシートの後端より前方における車体のフロントカウルに撮像視野を広げるように形成された凹部に配置したことで、運転者が撮像の邪魔になることがなく、デットスペースを利用して配置することができる。
【0037】
請求項2に記載の発明では、請求項1に加え、後方撮像手段を車体後部に支持すると共に、少なくとも後方撮像手段の上面が車体後部の車体カバーで覆われる位置に配置されるため、太陽光の入射、雨水の入水を防止でき、好ましい映像を得ることができ、耐久性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】鞍乗型車両用映像表示装置を備えるスクータ型車両の側面図である。
【図2】スクータ型車両の正面図である。
【図3】スクータ型車両の背面図である。
【図4】後方から視たスクータ型車両の斜視図である。
【図5】表示部の正面図である。
【図6】側後方撮像手段の配置を示す図である。
【図7】側後方撮像手段の配置を示す図である。
【図8】鞍乗型車両用映像表示装置を備える自動二輪車の側面図である。
【図9】自動二輪車の平面図である。
【図10】自動二輪車の正面図である。
【図11】自動二輪車の背面図である。
【図12】前側方向指示器の正面図である。
【図13】前側方向指示器の側面図である。
【図14】前側方向指示器の平面図である。
【図15】尾灯の正面図である。
【図16】尾灯の側面図である。
【符号の説明】
1 車体
4 ハンドル
4a ハンドル4の両端部
20 側後方撮像手段
21 表示手段
30 後方撮像手段
31 車体外面より凹んだ位置
Claims (2)
- ハンドルを車体に対して回動可能に支持した鞍乗型車両において、
車体の左右側後方を撮像しかつ車体に支持された複数の側後方撮像手段と、
前記撮像した映像を表示する表示手段とを備え、
前記側後方撮像手段は、
上下方向で運転者の足を置くステップ部より上方かつ前記ハンドルより下方に配置され、
左右方向で前記ハンドルの両端部より内方さらに車両前後方向で運転者が着座するシートの後端より前方における前記車体のフロントカウルに撮像視野を広げるように形成された凹部に配置したことを特徴とする鞍乗型車両用映像表示装置。 - 車体の後方を撮像する後方撮像手段を備え、
前記後方撮像手段により撮像した映像を前記表示手段に表示し、
前記後方撮像手段を車体後部に支持すると共に、少なくとも前記後方撮像手段の上面が
前記車体後部の車体カバーで覆われる位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両用映像表示装置。
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