JP4543807B2 - エアバッグ装置を備えたステアリングホイール - Google Patents

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Description

この発明は、エアバッグ装置を備えたステアリングホイール、特に、ステアリングホイール略中央のパッド部に固定部を設け、その周囲にエアバッグ装置を備えるステアリングホイールに関する。
従来から、ステアリングホイール略中央のパッド部分に、エアバッグ装置を備えたステアリングホイールが知られている。
このように、エアバッグ装置を備えたステアリングホイールには、下記特許文献1,2のように、ステアリングホイール略中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、この固定部の周囲を取り囲むようにエアバッグ装置を配置したステアリングホイールも知られている。
国際公開第97/34783号パンフレット 米国特許出願公開第2002/0135163号明細書
ところで、ステアリングホイールのパッド部には、運転者の操作性の便宜を考慮して、様々な操作部(例えば、操作スイッチやホーンスイッチ)を設ける場合がある。
前述の特許文献2には、展開しない固定部にタッチパネル式のディスプレイを配置して、ステアリングホイールのパッド部上で、操作を行えるように構成したものを開示している。
しかし、タッチパネル式では、運転者がディスプレイを視認して操作位置を確認して操作しなければならないため、運転者は、操作のたびにディスプレイを目視しなければならず、操作性が悪いといった問題がある。
そこで、固定部に押圧式(ボタン式)の操作部を設けることが考えられる。
しかしながら、ステアリングホイールのパッド部に、押圧式の操作部を設けた場合には、別の問題が生じる。それは、エアバッグ装置が作動した場合の問題である。
すなわち、パッド部に固定部を設け、その固定部の周囲を取り囲むように配置したエアバッグ装置の場合、エアバッグ作動時に、展開カバー部が固定部との固定を解除して激しい勢いで展開されるため、固定部に設けた操作部に大きな衝撃が伝達される。その際、操作部しくは破損した操作部の一片が飛散すると、飛散した操作部しくはその一片がエアバッグクッション膨張に伴い、運転者等に接触するおそれがある。
そこで、この発明は、ステアリングホイール略中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、この固定部の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイールにおいて、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作部を、上記固定部の表面に設け、その操作部を突出部と基部とからなる略凸形状とし、その操作部の基部を固定部に係合することで、操作部は、基部が固定部に係止されて、固定部から飛散しにくくなって、安全性を高めることができるエアバッグ装置を備えたステアリングホイールを提供することを目的とする。
この発明のエアバッグ装置を備えたステアリングホイールは、ステアリングホイール略中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、この固定部の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイールであって、前記固定部の表面に、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作部を設け、該操作部は、その外形を、ステアリングシャフト軸方向に延びる突出部のスイッチ本体と、該スイッチ本体の下端でステアリングシャフト軸と直交方向に延びる基部とからなる略凸形状とし、該操作部の基部を、固定部に係合するように構成し、スイッチ本体の下側に設けられた上部接点とを備え、前記固定部の内部に、前記スイッチ本体の下方に離間して形成され、上面に設けた下部接点を備える基部を設け、前記スイッチ本体と下部接点が設けられた側の基部との間に介装されたスプリングを備え、該基部の下方にエアバッグクッションが配置されているものである。
上記構成によれば、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作部を、固定部の表面に設け、その操作部を突出部と基部とからなる略凸形状とし、その操作部の基部を固定部に係合することで、操作部は、基部が固定部に係止されて、固定部から飛散しにくくなる。
すなわち、基部がフック状に固定部に係合されるため、操作部の飛散方向の動きが固定部で規制され、操作部の固定部からの飛散が防止される。
この発明のエアバッグ装置を備えたステアリングホイールは、また、ステアリングホイール略中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、この固定部の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイールであって、前記固定部の表面に、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作部を設け、該操作部はその外形を、ステアリングシャフト軸方向に延びる突出部のスイッチ本体と、該スイッチ本体の下端でステアリングシャフト軸と直交方向に延びる基部とからなる略凸形状とし、該操作部の基部を、固定部に係合するように構成し、スイッチ本体の下側に設けられた上部接点とを備え、前記固定部の内部に、前記スイッチ本体の下方に離間して形成され、上面に設けた下部接点を備える基部を設け、前記スイッチ本体と下部設点が設けられた側の基部との間に介装されたスプリングを備え、該基部の下方にエアバッグクッションが配置され、前記ステアリングホイールに、パッド部から連なるスポーク部を設け、該スポーク部もしくはパッド部外縁部に、押圧式の第二操作部を配置し、前記操作部の上部のステアリングシャフト軸方向の厚みを、該第二操作部の上部の厚みよりも、厚肉に設定したものである。
上記構成によれば、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作部を、固定部の表面に設け、その操作部の上部のステアリングシャフト軸方向の厚みを、スポーク部しくはパッド部外縁部に配置した押圧式の第二操作部の上部の厚みよりも、厚肉に設定することで、操作部の剛性を第二操作部の剛性よりも高くすることができる。
このため、エアバッグ作動の際の影響を受けにくい第二操作部では、レイアウトスペースをコンパクトに構成することができ、操作部では、剛性を高めることで、操作部の破損・変形を防止することができる。
請求項1に係る発明によれば、基部がフック状に固定部に係合されるため、操作部の飛散方向の動きが固定部で規制され、操作部の固定部からの飛散が防止される。
よって、固定部に押圧式の操作部を設けることで、操作性を高めつつも、エアバッグ作動時に操作部の飛散を防いで、安全性を高めることができる。
請求項に係る発明によれば、エアバッグ作動の際の影響を受けにくい第二操作部では、レイアウトスペースをコンパクトに構成することができ、操作部では、剛性を高めることで、操作部の破損・変形を防止することができる。
よって、固定部に押圧式の操作部を設けることで、操作性を高めつつも、エアバッグ作動時に操作部の飛散を防いで、安全性を高めることができる。
加えて、第二操作部をコンパクトに構成したためスポーク部の剛性低下が抑制できる。
この発明の実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1は本願発明の実施形態におけるエアバッグ装置を備えたステアリングホイールの斜視図、図2はエアバッグ作動時におけるステアリングホイールと運転者との関係を示した模式図である。
図1に示すように、ステアリングホイール1は、運転者が把持するリング部2と、左右および下側に延びる3本のスポーク部3a,3b,3cと、中央のパッド部4とからなり、ボス部Bを介して、ステアリングシャフト(図示せず)上端部に固定される。そして、このステアリングホイール1をステアリングシャフト軸S廻りに回動操作することで、操舵を行えるように構成している。
前述のパッド部4には、エアバッグ装置のユニット体5を設けている。このユニット体5は、そのステアリングシャフト軸Sに直交する面での内方側で中心部分の固定部6と、その周囲を取り囲むようにドーナツ状に配置したエアバッグ展開部7とで構成している。
この実施態様では、固定部6の表面に、ナビゲーション装置N(図12参照)の操作スイッチ8を設けている。なお、この操作スイッチ8は、オーディオ装置等、その他の装置であってもよい。
また、この実施態様では、ユニット体5を押圧操作することで、ホーン(警報)が鳴るように構成している。具体構造については後述する。
なお、リング部2およびスポーク部3a,3b,3cについては、従来と同様の構造であるため、詳細な説明を省略する。
図2に示すように、ステアリングホイール1のエアバッグ装置が作動した場合には、通常のエアバッグ装置と同様に、ステアリングホイール1と運転者Mの間にエアバッグクッション9が膨張をする。しかし、固定部6の部分では、エアバッグクッション9は膨張しない。
もっとも、エアバッグクッション9の内部には、高圧ガスが充填されるため、運転者Mに当接する部分では、固定部6を設けたことによる隙間は潰される。よって、パッド部4に固定部6を設けたとしても、エアバッグ装置における運転者保護は確実に行なわれる。
図3は本実施形態におけるエアバッグ装置のユニット体5の単体斜視図、図4はステアリングホイール1全体を含めたユニット体5の正面図、図5は図4におけるA−A線矢視断面図、図6はユニット体5を押圧操作した状態を示す断面図、図7は図5の要部詳細図である。
図3〜図7に示すように、ステアリングホイール1のパッド部4には、エアバッグ装置のユニット体5を設けている。
このユニット体5は、図5に示すようにステアリングホイール1のフレームをなす芯がね10に対して、各スポーク部3a,3b,3cに対応する中間部に立設した三つの支持ピン11(図面では二つ)にコイルスプリング12を介してフローティング支持させることで、ストローク可動に構成している。
この固定を行うステアリングホイール1の芯がね10には、その両端のリング部2に対応する部分にウレタン材13を被覆して、リング部2を形成している。また、その下方側(パッド部4に対して運転者Mとは反対側。以下、同様。)には、化粧カバー部材14を設け、芯がね10が露出するのを防止している。そして、芯がね10の中央部には、ステアリングシャフトに対してスプライン結合されるシャフト嵌合穴15を形成している。
また、ユニット体5の側方には、ユニット体5とリング部2との間のスキを塞ぐスペーサ部材16,16を設け、芯がね10に螺合固定している。このスペーサ部材のうち左側のスペーサ部材16には、押圧式のスポークスイッチ17を設けている。このスポークスイッチ17はスペース的にコンパクトに構成する必要があるため、薄型のスイッチで構成している。
前述のユニット体5の固定部6は、パッド部4表面を構成する固定プレート61と、固定プレート61を支持する支持ブラケット62と、エアバッグクッション9に対して、ガスを供給する円筒状のインフレータ63とで構成している。
一方、ユニット体5のエアバッグ展開部7は、パッド部4表面を構成する展開カバー部71と、その内方でステアリングシャフト軸S方向に折畳まれたエアバッグクッション9とで構成している。
なお、このユニット体5を支持するため、インフレータ63の外周部には、リテーナ18が設けられ、このリテーナ18の外端部を、展開カバー部71の脚部71aを介して、支持ピン11に遊嵌した受け皿部材19に固定している。
前述の固定プレート61は、上面(パッド部4に対して運転者側。以下、同様。)を封鎖した円盤状の硬質性の樹脂部材で構成し、その上面には、前述の押圧式の操作スイッチ8を設けている。
前述の支持ブラケット62は、インフレータ63の上方を跨ぐような形で折り曲げ形成した帯状部材で構成し、その両端をインフレータ63の側部およびリテーナ18上面に固定している。また、支持ブラケット62の中央部には、固定ボルト20を設け、前述の固定プレート61を螺合固定している。
前述のインフレータ63は、円筒状のカップ部材二つを向かい合うように接合して構成し、内部には、図示しないガス発生剤を内蔵している。なお、21はスクイブ(点火具)であり、エアバッグ作動時に、ガス発生剤に着火を行うものである。
この固定部6は、エアバッグ作動時において展開作動しないため、その表面部分を剛性のあるものとして構成することができる。よって、固定プレート61を押圧操作した場合には、剛性のある操作感を得ることができる。
前述のエアバッグ展開部7のうち、展開カバー部71は、断面略T字状の比較的柔軟な合成樹脂部材で構成している。前述のように、その脚部71aは、ステアリングシャフト軸S方向の下端部でリテーナ18および受け皿部材19に固定している。これにより、展開カバー部71はユニット体5に固定される。
また、展開カバー部71の内周端部71bは、固定プレート61の外周端部61aに対して、内側に嵌合係止され、エアバッグクッション9の上方への反発を抑えた状態で、その位置を維持している。これにより、展開カバー部71は、経年変化等で固定プレート61との間の接合が剥離したとしても、その位置を保持することができる。
また、展開カバー部71の外周端部71cには、前述のスペーサ部材16に設けた受け面に対して上方から当接する当接部71dを設けている。当接部71dを設けることで、展開カバー部71が一定以上落ち込まなくなるため、後述のように、ユニット体5を押圧操作しても、その外周端部71cがスペーサ部材16に引っ掛からないようにすることができる。
前述のエアバッグクッション9は、ステアリングシャフト軸S方向に折畳まれ、その上部開口端部9aを、固定プレート61と支持ブラケット62との間に挟持固定し、下部開口端部9bを、支持ブラケット62とリテーナ18との間で挟持固定することで、展開カバー部71の下方側でユニット体5に固定している。
このように、ステアリングシャフト軸S方向と直交する方向で、エアバッグクッション9の端部9a,9bを固定することで、エアバッグクッション9を軸方向にコンパクトに固定することができる。
このエアバッグ展開部7は、エアバッグ作動時において展開する必要があるため、その表面部分を柔軟にするしかない。このため、この部分を押圧操作した場合には、剛性の低い操作感しか得られない。
図6は、このユニット体5を押圧操作した状態を示した図であるが、このようにステアリングシャフト軸S方向に押圧することで、ユニット体5は、支持ピン11のコイルスプリング12の付勢力に抗して下方にストロークする。
このように、ユニット体5がストローク移動することで、受け皿部材19の内周部に設けたスリーブ接点22が(図7参照)、支持ピン11の中間部に設けたピン接点23に接するため、ホーン回路(図示せず)が閉成され、ホーンを鳴らすことができる。すなわち、ユニット体5全体をストローク可動とすることで、ホーンスイッチとして機能させるのである。
このように、ユニット体5をホーンスイッチとして機能させることにより、固定部6のみならず、エアバッグ展開部7を押圧してもホーンを鳴らすことができる。このため、パッド部4のほぼ全体の広い範囲を、ホーンスイッチとして機能させることができ、咄嗟の際のホーンの操作性を確保することができるのである。
次に、エアバッグ作動に関する構造および作用について詳述する。
図3、図4に示すように、展開カバー部71の裏面には、薄肉化されてエアバッグクッション9の膨張圧力によって破断可能な破断溝24を、中央の固定部6近傍から略放射線状に複数延設している。
このように破断溝24…を設けることで、展開カバー部71を、複数のパーツに分割して展開するように構成できる。
ここで、展開カバー部71が湾曲断面形状である場合、湾曲量が大きいと曲げ剛性が高まり、破断溝24の一部にエアバッグクッション9の膨張圧力の応力が集中せずに展開性能が悪化するが、本実施形態のように複数のパーツに分割することで、各パーツの断面の湾曲量が小さくなり、変形が容易となるため、破断溝24の一部に応力が集中しやすくなり、展開性能を高めることができる。
特に、本実施態様では、意匠性を向上するために上側の展開カバー部71の方の曲率を大きくしているが、本実施態様のように、上側の展開カバー部71を複数のパーツに分割して展開するように構成することで、確実に展開カバー部71の展開を行わせることができる。
図8は、本実施形態におけるエアバッグ作動時を示す要部詳細断面図である。
この図に示すように、エアバッグ装置が作動すると、インフレータ63からガスが噴出し、エアバッグクッション9が膨張する。展開カバー部71はエアバッグクッション9の膨張圧力を受けて、その内周端部71bが変形して固定プレート61のとの係合が解除される。これにより、破断溝24が内周端部71b側から破断していき、展開カバー部71が展開する。そして脚部71aに設けた破断溝71d(図7参照)で展開カバー部71表面が脚部と分離して、図示しないヒンジ部を支点として展開することで、エアバッグクッション9が運転者M側へ膨張する。
すなわち、展開カバー部71は、その内周端部71bの係合が解除されることにより、展開が促進され、エアバッグクッション9の膨張を阻害しないように構成している。
次に、固定部6の固定プレート61に設けた押圧式の操作スイッチ8の詳細構造について、図9の詳細断面図に基づいて説明する。
この図に示すように、固定プレート61に設けた操作スイッチ8は、固定プレート61に形成した嵌合穴61bに嵌合するスイッチ本体81と、固定プレート61内部に形成した基部82と、その基部82とスイッチ本体81の間に介装したコイルスプリング83と、スイッチ本体81の下面に設けた上部接点84および基部82の上面に設けた下部接点85とからなる。上部接点84にはスイッチ配線86が結線され、下部接点85にはアース87が結線されている。
前述のスイッチ本体81は、下部に抜け留めの基部81aを設け、内部にコイルスプリング83を介装するための筒状溝81bを設けた突出部81cとからなる略凸形状の立方体で構成している。
このスイッチ本体81は、その突出部81cが固定プレート61の上面61cより上方に僅かに突出するように設定している。もっとも、ある程度のストローク量を確保するため、その周囲の固定プレート61の上面61cを凹ませている(凹部61d)。このように設定することで、できるだけ、固定プレート61の上面からの突出量を抑えつつも、スイッチ本体81のストローク量を確保することができる。
また、このスイッチ本体81の上部の厚みt1は、展開カバー部71の厚みt2よりも、さらにはスポークスイッチ17の厚みt3(図7参照)よりも肉厚に設定している。このように、スイッチ本体81の厚みt1を厚くすることで、スイッチ本体81自体の剛性を高めることができ、スイッチ本体81の破損・変形を防止することができる。これにより、確実にスイッチ本体81が固定プレート61から飛散するのを防止している。
なお、スイッチ本体81を成形する材料をより変形または破損しにくい材料とすることでも、同様にスイッチ本体81の飛散を防止できる。
前述の基部82は、その中央部にスイッチ本体81から延びるガイドピン81dを案内する案内溝82aを形成し、スイッチ本体81のストローク方向を案内している。
前述のコイルスプリング83は、スイッチ本体81の筒状溝81b内に位置し、スイッチ本体81を上方に付勢している。このコイルスプリング83のバネ係数は、前述の支持ピン11に設けたコイルスプリング12のバネ係数よりも低いものに設定され、ユニット体5の押圧操作力よりも小さな押圧操作力で、操作スイッチ8を操作できるように設定している。
このように設定することで、運転者が操作したい装置に対して適切に操作信号を送ることができる。すなわち、操作スイッチ8を押圧することでナビゲーション装置Nに対して操作信号を送りたい場合は、軽い押圧力で操作することで、操作スイッチ8のみが押圧方向に変位してナビゲーション装置Nに操作信号を送ることができる。一方、ユニット体5を押圧してホーンを鳴らしたい場合は、ある程度重い押圧力で操作することで、ユニット体5全体が押圧方向に変位して、ホーンを鳴らすことができるのである。
なお、下部接点85、上部接点84、スイッチ配線86、及びアース87については、従来のスイッチ構造と同様であるため詳細な説明を省略する。
このように、この操作スイッチ8を固定プレート61に設けることで、エアバッグ装置を設けたステアリングホイール1であっても、中央のパッド部4において、スイッチ操作を行うことができるため、運転者Mのスイッチ操作性を高めることができる。
もっとも、エアバッグ作動時の影響により、この操作スイッチ8が固定プレート61から飛散するおそれがあるが、前述のようにスイッチ本体81や固定プレート61を構成しているため、この問題を解消することができる。
図10、図11に、他の実施態様の操作スイッチ108の詳細構造について示す。図10は図9と同様の詳細断面図、図11はこの操作スイッチ108のうちスイッチ本体181単品の三面図および断面図を示したものである。
この操作スイッチ108も、固定プレート61の嵌合穴61bに嵌合するスイッチ本体181と、固定プレート61内部に形成した基部182と、その基部182とスイッチ本体181の間に介装した菱形スプリング183と、菱形スプリング183の両端に設けた上部接点184および基部182の上面に設けた下部接点185とから構成している。また、上部接点184にはスイッチ配線86が、下部接点185にはアース87が結線されている。なお、その他の構成要素については、前述の実施態様と同様であるため、符号を付して説明を省略する。
この操作スイッチ108においても、スイッチ本体181を押圧操作することで、菱形スプリング183の付勢力に抗してスイッチ本体181を下方に移行させる。スイッチ本体181が下方に移行することで、菱形スプリング183の両端に設けた上部接点184と基部182の上面に設けた下部接点185が接触して、操作信号をナビゲーション装置Nに送ることができる。
なお、この菱形スプリング183のバネ係数も、支持ピン11に設けたコイルスプリング12のバネ係数よりも低いものに設定し、誤操作を防止している。
この操作スイッチ108は、図11に示すように、スイッチ本体181の形状が図9のものと異なる。すなわち、断面略ハット状の立方体で構成することで内部を中空にして、スイッチ本体181自体の軽量化を図りつつ、その内部に側壁181bを連結する連結リブ181cを設け、スイッチ本体181の剛性を高めているのである。
このように、連結リブ181cを設けることで、スイッチ本体181の下部まで剛性を高めることができるため、下部のフランジ部181aの位置が確実に規定され、固定プレート61からの抜けが確実に防止される。
よって、この構造においても、エアバッグ作動時の影響により、操作スイッチ108の破損・変形を防止して固定プレート61から飛散するおそれを解消している。
次に、操作スイッチ8,108からの操作信号を受けた際のナビゲーション装置Nの作動状態について、図12のブロック図により説明する。
図12に示すように、ナビゲーション装置Nには、入力装置として前述の操作スイッチ8を連結し、出力装置としてスピーカ31、表示装置32を連結している。こうしたシステム構成において、操作スイッチ8からの操作信号を受信したナビゲーション装置は、所定の演算を行い、表示装置32に所定のナビゲーション表示を行う。
この実施態様では、さらに、操作信号を受信したことを運転者Mに認識させるため、受信直後に、スピーカ31から操作受信音を発するように構成している。このように操作受信音を発することで、運転者Mは、操作スイッチ8による操作信号が適切にナビゲーション装置Nに送られたことを認識できるため、不必要に操作スイッチ8を押圧操作するおそれがなくなる。特に、本実施態様のように、操作スイッチ8の押圧操作力を小さく設定した場合には、運転者Mは、操作信号が送信されたか否かが分かりにくいため、このように操作受信音を発することは、運転者Mの認識を高める上で効果的である。また、操作信号の受信を認知せずに運転者Mが、徐々に大きな押圧力で操作スイッチ8を押圧することで、誤ってホーンが作動されることも防止できる。
なお、このように操作受信音を発する以外に、表示装置32に受信した旨の表示をしてもよいし、また、操作スイッチ8自体を発光させるなどして、操作信号の受信を運転者Mに認識させるように構成してもよい。また、操作スイッチ8自体に押圧操作により、操作感が伝わるような機構を設けてもよい。
次に、以上のように構成した本実施態様の作用および効果について詳述する。
この実施態様のエアバッグ装置を備えたステアリングホイール1は、ステアリングホイール1略中央のパッド部4にエアバッグ作動時に展開しない固定部6を設け、この固定部6の周囲にエアバッグ展開部7を設けたステアリングホイール1であって、前記固定部6の表面に、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作スイッチ8を設け、該操作スイッチ8のスイッチ本体81のステアリングシャフト軸S方向の厚みを、前記エアバッグ展開部7の展開カバー部71の厚みよりも、肉厚に設定したものである。
上記構成によれば、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作スイッチ8を、固定部6の表面に設け、その操作スイッチ8のスイッチ本体81の厚みを、前記エアバッグ展開部7の展開カバー部71の厚みよりも肉厚に設定することで、操作スイッチ8の剛性を、展開カバー部71の剛性よりも高くできる。
このため、エアバッグ作動時に展開を行う展開カバー部71より、剛性の高い操作スイッチ8の方が破損しにくくなるため、操作スイッチ8の破損・変形を防止することができる。
よって、固定部6に押圧式の操作スイッチ8を設けることで、操作性を高めつつも、エアバッグ作動時に操作スイッチ8の飛散を防いで、安全性を高めることができる。
この実施態様の発明のエアバッグ装置を備えたステアリングホイール1は、ステアリングホイール1略中央のパッド部4にエアバッグ作動時に展開しない固定部6を設け、この固定部6の周囲にエアバッグ展開部7を設けたステアリングホイール1であって、前記固定部6の表面に、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作スイッチ8を設け、該操作スイッチ8のスイッチ本体81の外形を、ステアリングシャフト軸S方向に延びる突出部81cと該突出部81cの下端でステアリングシャフト軸Sと直交方向に延びる基部81aとからなる略凸形状とし、該スイッチ本体81の基部81aを、固定部6に係合するように構成したものである。
上記構成によれば、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作スイッチ8を、固定部6の表面に設け、その操作スイッチ8のスイッチ本体81を突出部81cと基部81aとからなる略凸形状とし、そのスイッチ本体81の基部81aを固定部6に係合することで、操作スイッチ8は、基部81aが固定部6に係止されて、固定部6から飛散しにくくなる。
すなわち、基部81aがフック状に固定部6に係合されるため、操作スイッチ8の飛散方向の動きが固定部6で規制され、操作スイッチ8の固定部6からの飛散が防止される。
よって、固定部6に押圧式の操作スイッチ8を設けることで、操作性を高めつつも、エアバッグ作動時に操作スイッチ8の飛散を防いで、安全性を高めることができる。
この実施態様の発明のエアバッグ装置を備えたステアリングホイール1は、ステアリングホイール1略中央のパッド部4にエアバッグ作動時に展開しない固定部6を設け、この固定部6の周囲にエアバッグ展開部7を設けたステアリングホイール1であって、前記固定部6の表面に、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作スイッチ8を設け、前記ステアリングホイール1に、パッド部4から連なるスポーク部3bを設け、該スポーク部3bに、押圧式のスポークスイッチ17を配置し、前記操作スイッチ8のステアリングシャフト軸S方向の厚みを、該スポークスイッチ17の厚みよりも、肉厚に設定したものである。
上記構成によれば、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作スイッチ8を、固定部6の表面に設け、その操作スイッチ8のスイッチ本体81の厚みを、スポーク部3bに配置した押圧式のスポークスイッチ17の厚みよりも、肉厚に設定することで、操作スイッチ8の剛性をスポークスイッチ17の剛性よりも高くすることができる。
このため、エアバッグ作動の際の影響を受けにくいスポークスイッチ17では、レイアウトスペースをコンパクトに構成することができ、操作スイッチ8では、剛性を高めることで、操作スイッチ8の破損・変形を防止することができる。
よって、固定部6に押圧式の操作スイッチ8を設けることで、操作性を高めつつも、エアバッグ作動時に操作スイッチ8の飛散を防いで、安全性を高めることができる。
加えて、スポークスイッチ17をコンパクトに構成したためスポーク部3bの剛性低下が抑制できる。
この実施態様のエアバッグ装置を備えたステアリングホイール1は、ステアリングホイール1略中央のパッド部4にエアバッグ作動時に展開しない固定部6を設け、この固定部6の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイール1であって、前記固定部6の表面に、押圧操作によって操作を行う操作スイッチ108を設け、該操作スイッチ108のスイッチ本体181を、断面略ハット状に形成し、該スイッチ本体181の内部に、スイッチ本体の側壁181b,181b同士を連結する連結リブ181cを設けたものである。
上記構成によれば、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作スイッチ108を、固定部6の表面に設け、その操作スイッチ108のスイッチ本体181を、断面略ハット状に形成して、その内部に連結リブ181cを設けたことにより、スイッチ本体108内を中空としつつも、その断面形状が連結リブ181cにより変形しにくくなるため、重量を増加することなく剛性を向上することができる。
よって、固定部6に押圧式の操作スイッチ108を設けることで、操作性を高めつつも、エアバッグ作動時に操作スイッチ108の飛散を防いで、安全性を高めることができる。
加えて、操作スイッチ108の軽量化を図ることができ、ステアリングホイール1の軽量化に貢献することができる。
次に、図13に示す他の実施形態について説明する。
この実施形態は、4本スポークのステアリングホイール101に、本願発明を採用した場合の一例を示したものである。
このステアリングホイール101も、運転者Mが把持するリング部102と、左右水平方向及び斜め下方側に延びる4本のスポーク部103a,103b,103c,103dと、中央のパッド部104とからなり、ステアリングシャフト(図示せず)の上端部に固定している。
このパッド部104にも、エアバッグ装置のユニット体105を設け、その中心部分に設けた固定部106と、その周囲を取り囲むようにドーナツ状に配置したエアバッグ展開部107とから構成している。なお、固定部106の表面には、前述の実施態様と同様に固定プレート161を設け、その固定プレートに操作スイッチ8を設けている。
このエアバッグ展開部107の展開カバー部171の裏面にも、前述と同様に破断溝124…を放射状に延びるように形成している。もっとも、この実施態様では、スポーク部が4本あるため、そのスポーク部の数に応じて、破断溝124…の数を増やしている。
このように、本実施態様でも、破断溝124…を複数設けたことにより、前述の実施態様と同様に、確実なエアバッグ作動を得ることができる。
なお、その他の作用効果については、前述の実施態様と同様である。
以上、この発明の構成と、前述の実施態様との対応において、
この発明のエアバッグ装置は、実施態様のエアバッグ展開部7に対応し、
操作部は、操作スイッチ8,108に対応するも、
この発明は、前述の実施態様の構成のみに限定されるものではなく、様々なステアリングホイールの実施態様を含むものである。例えば、エアバッグ装置をユニット体としてストローク可動と構成するものではなく、固定部を完全にステアリングホイールに固定するようなタイプのステアリングホイールであってもよい。
本発明のステアリングホイールの斜視図。 ステアリングホイールと運転者との関係を示した模式図。 ユニット体の単体斜視図。 ステアリングホイール全体を含めたユニット体の正面図。 図4におけるA−A線矢視断面図。 押圧操作時におけるA−A線矢視断面図。 図5の要部詳細図。 エアバッグ作動時の要部詳細断面図。 操作スイッチの詳細断面図。 他の実施形態の操作スイッチの詳細断面図。 スイッチ本体の(a)正面図、(b)側面図、(c)底面図、(d)断面図。 ナビゲーション装置のブロック図。 他の実施形態の図4に対応する正面図。
1,101…ステアリングホイール
4,104…パッド部
6,106…固定部
7,107…エアバッグ展開部(エアバッグ装置)
8,108…操作スイッチ(操作部)
9…エアバッグクッション
17…スポークスイッチ(第二操作部)
71,171…展開カバー部
81,181…スイッチ本体
81a…基部
82,182…基部
83,183…スプリング
84,184…上部接点
85,185…下部接点

Claims (2)

  1. ステアリングホイール略中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、
    この固定部の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイールであって、
    前記固定部の表面に、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作部を設け、
    該操作部は、その外形を、ステアリングシャフト軸方向に延びる突出部のスイッチ本体と、該スイッチ本体の下端でステアリングシャフト軸と直交方向に延びる基部とからなる略凸形状とし、該操作部の基部を、
    固定部に係合するように構成し、スイッチ本体の下側に設けられた上部接点とを備え、
    前記固定部の内部に、前記スイッチ本体の下方に離間して形成され、上面に設けた下部接点を備える基部を設け、
    前記スイッチ本体と下部接点が設けられた側の基部との間に介装されたスプリングを備え、
    該基部の下方にエアバッグクッションが配置されている
    エアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  2. ステアリングホイール略中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、
    この固定部の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイールであって、
    前記固定部の表面に、押圧操作によって操作を行う押圧式の操作部を設け、
    該操作部はその外形を、ステアリングシャフト軸方向に延びる突出部のスイッチ本体と、該スイッチ本体の下端でステアリングシャフト軸と直交方向に延びる基部とからなる略凸形状とし、該操作部の基部を、固定部に係合するように構成し、スイッチ本体の下側に設けられた上部接点とを備え、
    前記固定部の内部に、前記スイッチ本体の下方に離間して形成され、上面に設けた下部接点を備える基部を設け、
    前記スイッチ本体と下部設点が設けられた側の基部との間に介装されたスプリングを備え、
    該基部の下方にエアバッグクッションが配置され、
    前記ステアリングホイールに、パッド部から連なるスポーク部を設け、
    該スポーク部もしくはパッド部外縁部に、押圧式の第二操作部を配置し、
    前記操作部の上部のステアリングシャフト軸方向の厚みを、該第二操作部の上部の厚みよりも、厚肉に設定した
    エアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
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