JP2011068313A - 制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作動時に車輪を的確に制動させることができて、高い制動作用を奏する制動装置を提供すること。
【解決手段】制動装置は、車両の衝突前に作動されて、車両の車輪6を制動可能に構成されて、車輪6における略上半分の領域の外周側を覆うように配置されるタイヤハウス4に収納されて、作動時に、内部に膨張用ガスを流入させて、タイヤハウス4と車輪6との間の隙間を埋めて車輪6のタイヤ7に圧接されるように膨張するエアバッグ19を、備える。エアバッグ19が、塑性変形可能な材料から形成されて、塑性変形しつつ膨張完了される構成とされるとともに、少なくとも車輪6の前方側に配置され、膨張完了時におけるタイヤ7への圧接当初に、タイヤ7への圧接状態を維持可能な形状保持性を有して、かつ、塑性変形可能に、構成されている。
【選択図】図4
【解決手段】制動装置は、車両の衝突前に作動されて、車両の車輪6を制動可能に構成されて、車輪6における略上半分の領域の外周側を覆うように配置されるタイヤハウス4に収納されて、作動時に、内部に膨張用ガスを流入させて、タイヤハウス4と車輪6との間の隙間を埋めて車輪6のタイヤ7に圧接されるように膨張するエアバッグ19を、備える。エアバッグ19が、塑性変形可能な材料から形成されて、塑性変形しつつ膨張完了される構成とされるとともに、少なくとも車輪6の前方側に配置され、膨張完了時におけるタイヤ7への圧接当初に、タイヤ7への圧接状態を維持可能な形状保持性を有して、かつ、塑性変形可能に、構成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両の衝突前に作動されて、車両の車輪を制動可能に構成される制動装置に関する。
従来、車両の衝突前に作動されて、車両の車輪を制動させる制動装置としては、車輪の周囲を覆うように配置されるタイヤハウス内に収納されて、作動時に、内部に膨張用ガスを流入させて、タイヤハウスと車輪のタイヤとの間の隙間を埋めるように膨張する構成のエアバッグを備えるものがあった(例えば、非特許文献1参照)。
発明協会公開技報公技番号2007−503162号
この従来の制動装置に使用されているエアバッグは、膨張完了時に、タイヤハウス内において、車輪におけるタイヤの上面から前面にかけてを覆うように、車輪の周方向に沿うように配置されるとともに、膨張完了時の下端側を、路面と接触させるようにして、配置されることとなる。すなわち、従来の制動装置に使用されているエアバッグは、膨張完了時に、広い面で、タイヤと接触することとなり、また、エアバッグの形成材料は開示されていないものの、このような構成を実現するために、エアバッグは、布材等、可撓性を有したフィルム状の素材から、形成されることが、推測される。そのため、従来の制動装置では、作動時において、膨張するエアバッグが回転するタイヤと接触する際に、エアバッグの周壁が、タイヤに対して巻きついたり、タイヤに対する摩擦によって破れる虞れがあって、車輪を的確に制動させる点に、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、作動時に車輪を的確に制動させることができて、高い制動作用を奏する制動装置を提供することを目的とする。
本発明に係る制動装置は、車両の衝突前に作動されて、車両の車輪を制動可能に構成される制動装置であって、
車輪における略上半分の領域の外周側を覆うように配置されるタイヤハウスに収納されて、作動時に、内部に膨張用ガスを流入させて、タイヤハウスと車輪との間の隙間を埋めて車輪のタイヤに圧接されるように膨張するエアバッグを、備える構成とされ、
エアバッグが、塑性変形可能な材料から形成されて、塑性変形しつつ膨張完了される構成とされるとともに、少なくとも車輪の前方側に配置され、膨張完了時におけるタイヤへの圧接当初に、タイヤへの圧接状態を維持可能な形状保持性を有して、かつ、塑性変形可能に、構成されていることを特徴とする。
車輪における略上半分の領域の外周側を覆うように配置されるタイヤハウスに収納されて、作動時に、内部に膨張用ガスを流入させて、タイヤハウスと車輪との間の隙間を埋めて車輪のタイヤに圧接されるように膨張するエアバッグを、備える構成とされ、
エアバッグが、塑性変形可能な材料から形成されて、塑性変形しつつ膨張完了される構成とされるとともに、少なくとも車輪の前方側に配置され、膨張完了時におけるタイヤへの圧接当初に、タイヤへの圧接状態を維持可能な形状保持性を有して、かつ、塑性変形可能に、構成されていることを特徴とする。
本発明の制動装置では、作動時に、タイヤハウスと車輪のタイヤとの間の隙間を埋めてタイヤに圧接されるように膨張するエアバッグを備える構成であるものの、このエアバッグが、塑性変形可能な材料から形成されて、塑性変形しつつ膨張完了される構成とされることから、作動時に、膨張するエアバッグが、回転する車輪のタイヤと接触することとなっても、タイヤに巻きつくことを、的確に抑制することができる。また、本発明の制動装置では、エアバッグは、膨張完了時におけるタイヤへの圧接当初に、タイヤへの圧接状態を維持可能な形状保持性を有していることから、膨張を完了させたエアバッグは、塑性変形しつつも、タイヤへの圧接状態を維持されることとなり、摩擦抵抗を安定して与えつつ、車輪を的確かつ迅速に制動させることができる。
したがって、本発明の制動装置では、作動時に車輪を的確に制動させることができて、高い制動作用を奏することとなる。
通常、車両において、車輪はサスペンションを介してシャーシ側に連結され、タイヤハウスはボディ側に固定されていることから、車両が衝突物と衝突する際に、車輪がタイヤハウスに対して前方向側に相対移動することとなる。そして、本発明の制動装置では、少なくとも車輪の前方側に配置されるエアバッグが、膨張完了後においても、塑性変形可能に構成されていることから、エアバッグの膨張完了後において車両が衝突物と衝突した際に、車輪がタイヤハウスに対して前方向側に相対移動すれば、車輪の前方側において、タイヤハウスとタイヤとの間の隙間を埋めるように配置されるエアバッグが塑性変形されて、このエアバッグの塑性変形により、車両の衝突時の衝突エネルギーを吸収させることができる。そのため、本発明の制動装置では、車輪の制動と併せて、衝突時の衝撃を低減させることも可能となる。
そして、本発明の制動装置において、エアバッグを、車輪の前方側と後方側となる位置に配置させるとともに、それぞれ独立して構成される前側バッグ部と後側バッグ部とを備える構成とすれば、作動時に、膨張した前側バッグ部と後側バッグ部とによって車輪を挟持するような態様となる。すなわち、上記構成の制動装置では、前側バッグ部に圧接されたタイヤが後方に逃げるように弾性変形することを、後側バッグ部によって抑制することができ、前側バッグ部と後側バッグ部とによって、タイヤを圧接させることができる。また、前側バッグ部と後側バッグ部とをタイヤに接触させることにより、摩擦抵抗を増大させることができ、車輪を安定して迅速に制動させることができる。
さらにまた、上記構成の制動装置において、エアバッグを、車両の前部側に配置される前輪の外周側を覆うように配置されるタイヤハウスに収納させる構成として、前側バッグ部と後側バッグ部との間において、車輪の上方側に配置されて、前側バッグ部及び後側バッグ部と別体とされる上側バッグ部を、有している構成とすれば、車輪の制動性能をさらに高めることができ、また、車両が衝突物と衝突した際において、上側バッグ部を塑性変形させることにより、前下方側へ向かうような運動エネルギーを吸収させることができて、車両が、車体の前端側を下方に向けるように、前傾姿勢となることを防止できる。そのため、車両の前面衝突時において、座席に着座している乗員の前上方側への移動を、抑制できて、好ましい。
さらにまた、上記構成の制動装置において、エアバッグを合成樹脂製とすれば、エアバッグを金属製とする場合と比較して、安価に製造することができ、また、エアバッグ自体を軽量化することができて、好ましい。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書における前後左右の方向は、特に断らない限り、車両Vの前後左右の方向と一致している。
実施形態の制動装置Mは、車両Vの車輪としての左右の前輪6の周囲に配置されるタイヤハウス4に、搭載されている。なお、実施形態では、左側の前輪6に配置される制動装置Mについて説明しているが、図示しない右側の前輪にも、同様の制動装置が、配置されている。右側の前輪に搭載される制動装置は、左側の前輪に搭載される制動装置と左右対称形として、同一の構成であることから、右側の制動装置に関しては、説明を省略する。タイヤハウス4は、図1,2,4に示すように、車両Vのボディ1側の部材であるフロントフェンダーパネル2に連結されるもので、前輪6に対応して略半円弧状に湾曲した形状のフロントフェンダーパネル2の湾曲縁部2aから、車両Vの内側に向かうように、左右方向に沿って延びた略半割円筒状として、前輪6の略上半分の領域の外周側を覆うように、構成されている。実施形態の場合、タイヤハウス4は、フロントフェンダーパネル2の湾曲縁部2aよりも内径寸法を若干大きくして、フロントフェンダーパネル2側の縁部をフロントフェンダーパネル2の湾曲縁部2aと一致させるように、湾曲させて、構成されている(図2,4参照)。すなわち、タイヤハウス4は、フロントフェンダーパネル2の湾曲縁部2aの周縁と面一ではなく、湾曲縁部2aの周縁より凹むように、構成されており、後述するごとく、タイヤハウス4の表面に折り畳まれて取り付けられているエアバッグ19(前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20U)を外から視認し難く、構成されている。このタイヤハウス4は、実施形態の場合、板金製として構成され、エアバッグ19が膨張した際に、エアバッグ19(前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20U)を支持可能に、設定されている。
前輪6は、図1,2に示すように、シャーシ側に連結される図示しないサスペンションと連結されるホイール8と、ホイール8の外周側に配置される略円環状のタイヤ7と、から、構成されている。なお、実施形態の車両Vにおいて、通常時におけるタイヤハウス4の表面とタイヤ7の外周面との間の隙間S(離隔距離)は、図2に示すように、タイヤ7の周方向の全域にわたって略一定とされている。また、実施形態の車両Vには、制動装置Mにおけるエアバッグ19に膨張用ガスを供給するガス供給器14に、作動信号を出力する制御回路10が、配置されている。制御回路10は、図1に示すように、車両Vにおけるボディ1の所定箇所に配置されるもので、実施形態の場合、車両Vの被衝突物との相対速度や距離等を検知可能なミリ波レーダ等からなる衝突予測センサ11と電気的に、接続されている。
制動装置Mは、タイヤハウス4に収納されるエアバッグ19と、エアバッグ19に膨張用ガスを供給するガス供給器14と、を備えている。
ガス供給器14は、実施形態の場合、図1,2に示すように、前輪6の前方に配置される供給器本体15と、供給器本体15から延びてエアバッグ19における後述する各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uに連結される供給パイプ部16と、を、備えている。供給器本体15は、実施形態の場合、圧縮エアを内蔵させて、作動時に、供給パイプ部16を介して各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uに膨張用ガス(エア)を流入させて、各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uを、所定内圧(実施形態の場合、0.23MPa程度)まで膨張可能に、構成されている。この供給器本体15は、実施形態の場合、前輪6の前方側となるボディ1側の所定箇所に、取り付けられて、制御回路10と電気的に接続されている。供給パイプ部16は、供給器本体15から延びるとともに、それぞれ、前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uに膨張用ガス(エア)を供給可能に、前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uに連結されている。
エアバッグ19は、それぞれ、独立した別体として構成されるとともに、前輪6の前方側と後方側となる位置に配置される前側バッグ部20F,後側バッグ部20Bと、前側バッグ部20Fと後側バッグ部20Bとの間において前輪6の上方側に配置される上側バッグ部20Uと、を備えている(図1,2参照)。各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、外形形状を同一として構成されるもので、実施形態の場合、それぞれ、タイヤハウス4側に配置されるボディ側壁部21及びタイヤ7側に配置されるタイヤ側壁部22と、ボディ側壁部21,タイヤ側壁部22間を連結する略円筒形の周壁部23と、を有して、膨張完了時の外形形状を略円柱状として構成されている(図3参照)。すなわち、実施形態の場合、各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、軸方向を、前輪6の中心から延びる線に略沿わせて、前輪6の中心を基準として放射状となるように、配設されている(図2,5参照)。また、実施形態の場合、各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、ボディ側壁部21側を供給パイプ部に連通されるとともに、ボディ側壁部21側の部位をタイヤハウス4の表面に連結させて、タイヤハウス4側に取付固定されている。
これらの前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、周壁部23の領域を蛇腹状に内側に折り込むようにして、タイヤ側壁部22をボディ側壁部21に接近させるようにして、折り畳まれた状態で、ボディ側壁部21側をタイヤハウス4に連結されるようにして、タイヤハウス4に収納されている(図2及び図4のA参照)。そして、ガス供給器14の作動時には、各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、図4のBに示すように、内部に膨張用ガス(エア)を流入させて、周壁部23の折り込みを解消しつつ、タイヤ側壁部22をボディ側壁部21から離隔させて、タイヤ7側に突出させるように、膨張することとなる。各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uを単体で膨張させた場合の膨張完了時のボディ側壁部21とタイヤ側壁部22との離隔距離L1(周壁部23の長さ)(図3のB参照)は、通常時におけるタイヤハウス4の表面とタイヤ7の外周面との間の隙間S(離隔距離L2)(図2参照)よりも、大きく設定されており、各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、膨張完了時に、タイヤ側壁部22をタイヤ7の外周面に圧接させるように、構成されている。
また、実施形態の制動装置Mでは、エアバッグ19を構成する各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、塑性変形可能な材料から形成されて、塑性変形しつつ膨張完了される構成とされている。実施形態の場合、各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、合成樹脂製とされている。詳細には、エアバッグ19を構成する各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、内部に膨張用ガス(エア)を流入させてタイヤ側壁部22をタイヤ7の外周面に圧接させるように膨張し、このタイヤ7への圧接状態を維持された状態で、さらに内圧を高められ、塑性変形した状態で、タイヤハウス4とタイヤ7との間の隙間を埋めるように膨張を完了させることとなり、膨張完了後において、車両Vが衝突物と衝突した際に、前輪6がタイヤハウス4に対して前後方向側に相対移動すれば、タイヤハウス4とタイヤ7との間を埋めるように配置される前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uが塑性変形されて、車両Vの衝突時の衝突エネルギーを吸収させる構成である。すなわち、実施形態の場合、各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、膨張完了時の内圧を、タイヤ7の空気圧(0.20MPa程度)より大きな0.23MPa程度として、弾性変形領域を超えて、塑性変形した状態で膨張を完了させることとなり、膨張完了後に、内部から膨張用ガス(エア)が抜けた場合にも、外形形状を保持されて、タイヤ7への圧接状態を維持される構成である。
そのため、実施形態では、上記の作用を得るために、エアバッグ19を構成する各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uを、90MPa程度(JIS K 7171)の高い曲げ強さを有して、弾性変形領域と塑性変形領域との境界となる降伏点を、50MPa程度に設定される合成樹脂から、構成している。具体的には、前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uを構成する合成樹脂としては、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド樹脂や、ポリプロピレン、ポリスチレン等を使用することができる。
また、各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、肉厚を、1.0〜4.0mm程度(望ましくは1.5〜3.0mm、さらに望ましくは1.5〜2.2mm)に設定することが、好ましい。肉厚が1.0mm未満では、薄すぎて、必要な強度を確保し難く、逆に、肉厚が4.0mmを超えれば、厚すぎて、前輪6のタイヤハウス4に対する前後方向側への相対移動時に、塑性変形し難いためである。なお、実施形態では、各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uにおいて、膨張時に、折り込みを解消されつつ伸びる周壁部23が、ボディ側壁部21,タイヤ側壁部22よりも肉厚を若干薄くして構成されている(図3のB参照)。そして、実施形態では、各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uは、図4のCに示すように、この周壁部23の領域を、外周側に膨らんで撓ませるようにして膨張完了し、さらに、この撓んでいる周壁部23の領域を、図4のDに示すように、屈曲あるいは破損させるようにして、塑性変形されて、エネルギー吸収する構成である。
実施形態の制動装置Mでは、車両Vへの搭載後、車両Vの走行時において、制御回路10が、衝突予測センサ11により、車両Vの衝突を予測すれば、ガス供給器14の供給器本体15に作動信号が出力されて、供給器本体15が、エアバッグ19を構成する各前側バッグ部20F,20B,20Uの内部に膨張用ガスを吐出させるように作動されることとなり、各前側バッグ部20F,20B,20Uが、図5に示すように、車両Vの衝突前に、タイヤハウス4とタイヤ7との間の隙間を埋めて、タイヤ7を圧接するように、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態の制動装置Mでは、作動時に、タイヤハウス4と車輪としての前輪6のタイヤ7との間の隙間を埋めてタイヤ7に圧接されるように膨張するエアバッグ19を備える構成であるものの、このエアバッグ19が、塑性変形可能な材料から形成されて、塑性変形しつつ膨張完了される構成とされることから、作動時に、膨張するエアバッグ19が、回転する前輪6のタイヤ7と接触することとなっても、タイヤ7に巻きつくことを、的確に抑制することができる。また、実施形態の制動装置Mでは、エアバッグ19は、膨張完了時におけるタイヤ7への圧接後に、塑性変形されることとなり、タイヤ7への圧接状態を維持可能な形状保持性を有していることから、膨張を完了させたエアバッグ19は、塑性変形しつつも、タイヤ7への圧接状態を維持されることとなり、タイヤ7と接触しているタイヤ側壁部22によって、摩擦抵抗を安定して与えつつ、前輪6を的確かつ迅速に制動させることができる。
したがって、実施形態の制動装置Mでは、作動時に車輪としての前輪6を的確に制動させることができて、高い制動作用を奏することとなる。
また、実施形態の制動装置Mでは、エアバッグ19における少なくとも前輪6の前方側に配置される前側バッグ部20Fが、膨張完了後においても、塑性変形可能に構成されていることから、エアバッグ19の膨張完了後において車両Vが衝突物と衝突した際に、図6に示すごとく、前輪6がタイヤハウス4に対して前方側に相対移動すれば、タイヤハウス4とタイヤ7との間の隙間を埋めるように配置されるエアバッグ19(前側バッグ部20Fにおける周壁部23及び上側バッグ部20Uの周壁部23の一部)が塑性変形されて、このエアバッグ19の塑性変形により、車両Vの衝突時の衝突エネルギーを吸収させることができる。そのため、実施形態の制動装置Mでは、前輪6の制動と併せて、衝突時の衝撃を低減させることも可能となる。
さらに、実施形態の制動装置Mでは、エアバッグ19が、前輪6の前方側と後方側となる位置に配置されるとともに、それぞれ独立して構成される前側バッグ部20Fと後側バッグ部20Bとを備えていることから、作動時に、膨張した前側バッグ部20Fと後側バッグ部20Bとによって前輪6を挟持するような態様となる。すなわち、実施形態の制動装置Mでは、前側バッグ部20Fに圧接されたタイヤ7が後方に逃げるように弾性変形することを、後側バッグ部20Bによって抑制することができ、前側バッグ部20Fと後側バッグ部20Bとによって、タイヤ7を圧接させることができる。また、前側バッグ部20Fと後側バッグ部20Bとのタイヤ側壁部22全体を、タイヤ7に接触させることにより、摩擦抵抗を増大させることができ、前輪6を安定して迅速に制動させることができる。
さらにまた、実施形態の制動装置Mでは、エアバッグ19が、前側バッグ部20Fと後側バッグ部20Bとの間に、前輪6の上方側に配置されて、前側バッグ部20F及び後側バッグ部20Bと別体とされる上側バッグ部20Uを、有している構成であることから、前輪6の制動性能をさらに高めることができ、また、車両Vが衝突物と衝突した際において、上側バッグ部20Uを塑性変形させることにより、前下方側へ向かうような運動エネルギーを吸収させることができて、車両Vが、車体の前端側を下方に向けるように、前傾姿勢となることを防止できる。そのため、車両Vの前面小衝突時において、座席に着座している乗員の前上方側への移動を、抑制することができる。勿論、このような点を考慮しなければ、上側バッグ部を備えない構成としてもよい。また、エアバッグとして、前側バッグ部と後側バッグ部との2つを配設させる構成とする場合、前側バッグ部と後側バッグ部を、実施形態と比較して、斜め上方に位置するように、配置させれば、上側バッグ部を配置させなくとも、同等の作用を得ることができる。
さらにまた、実施形態の制動装置Mでは、エアバッグ19を合成樹脂製としていることから、エアバッグを金属製とする場合と比較して、安価に製造することができ、また、エアバッグ自体を軽量化することができる。勿論、このような点を考慮しなければ、エアバッグを、アルミニウム等の金属から構成してもよい。
なお、エアバッグ19を構成する各前側バッグ部20F,後側バッグ部20B,上側バッグ部20Uにおけるタイヤ7と接触するタイヤ側壁部22の表面に、凹凸を設けて、タイヤ7に対する摩擦抵抗を増大させるように、エアバッグを構成してもよい。
また、実施形態では、制動装置を、前輪側に配置させているが、制動装置の配置位置はこれに限られるものではなく、上側バッグ部を備えないタイプのエアバッグを搭載する場合には、後輪側に、制動装置を配置させる構成としてもよい。
4…タイヤハウス、
6…前輪(車輪)、
7…タイヤ、
14…ガス供給器、
19…エアバッグ、
20F…前側バッグ部、
20B…後側バッグ部、
20U…上側バッグ部、
V…車両、
M…制動装置。
6…前輪(車輪)、
7…タイヤ、
14…ガス供給器、
19…エアバッグ、
20F…前側バッグ部、
20B…後側バッグ部、
20U…上側バッグ部、
V…車両、
M…制動装置。
Claims (4)
- 車両の衝突前に作動されて、前記車両の車輪を制動可能に構成される制動装置であって、
前記車輪における略上半分の領域の外周側を覆うように配置されるタイヤハウスに収納されて、作動時に、内部に膨張用ガスを流入させて、前記タイヤハウスと前記車輪との間の隙間を埋めて前記車輪のタイヤに圧接されるように膨張するエアバッグを、備える構成とされ、
該エアバッグが、塑性変形可能な材料から形成されて、塑性変形しつつ膨張完了される構成とされるとともに、少なくとも車輪の前方側に配置され、膨張完了時における前記タイヤへの圧接当初に、前記タイヤへの圧接状態を維持可能な形状保持性を有して、かつ、塑性変形可能に、構成されていることを特徴とする制動装置。 - 前記エアバッグが、前記車輪の前方側と後方側となる位置に配置されるとともに、それぞれ独立して構成される前側バッグ部と後側バッグ部とを備える構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の制動装置。
- 前記エアバッグが、前輪の外周側を覆うように配置される前記タイヤハウスに収納される構成として、前記前側バッグ部と前記後側バッグ部との間において、前記前輪の上方側に配置されて、前記前側バッグ部及び前記後側バッグ部と別体とされる上側バッグ部を、有していることを特徴とする請求項2に記載の制動装置。
- 前記エアバッグが、合成樹脂製とされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制動装置。
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