JP2006027471A - エアバッグ装置を備えたステアリングホイール - Google Patents

エアバッグ装置を備えたステアリングホイール Download PDF

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Abstract

【課題】
この発明は、ステアリングホイール中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、この固定部の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイールにおいて、エアバッグクッションが運転者に接触した際の運転者に対する衝撃を緩和しつつも、エアバッグクッションを早期に膨張させることができるエアバッグ装置を備えたステアリングホイールを提供することを目的とする。
【解決手段】
展開カバー部の各パーツ13…は、ステアリングホイール1のリング部2とスポーク部3a,3b,3cに接触せず、その間の空間部分に運転者Mとは反対側に向かって落ち込めるよう形成されている。
【選択図】 図9

Description

この発明は、エアバッグ装置を備えたステアリングホイール、特に、ステアリングホイール中央のパッド部に固定部を設け、その周囲にエアバッグ装置を備えるステアリングホイールに関する。
従来から、ステアリングホイール中央のパッド部分に、エアバッグ装置を備えたステアリングホイールが知られている。
このように、エアバッグ装置を備えたステアリングホイールには、下記特許文献1,2のように、ステアリングホイール中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、この固定部の周囲を取り囲むようにエアバッグ装置を配置したステアリングホイールも知られている。
国際公開第97/34783号パンフレット 米国特許第4828286号明細書
ところで、特許文献1,2に開示されたステアリングホイールの場合、パッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設けているため、展開カバー部の各展開パーツを小さくすることができる。
このため、各展開パーツは、展開時にステアリングホイールのリング部やスポーク部に接触することなく、膨張したエアバッグクッションが、運転者に接触した際には、リング部とスポーク部との間から前方側(パッド部に対して、運転者と反対側)にエアーが移行するのを阻害することなく、運転者に対する衝撃を緩和することができる。
しかし、一方、この特許文献1,2のステアリングホイールの場合、エアバッグクッションの中心部分が、直接運転者側に向かって膨張しないため、エアバッグクッションを早期に膨張させなければならないという要請もある。
そこで、この発明は、ステアリングホイール中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、この固定部の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイールにおいて、エアバッグクッションが運転者に接触した際の運転者に対する衝撃を緩和しつつも、エアバッグクッションを早期に膨張させることができるエアバッグ装置を備えたステアリングホイールを提供することを目的とする。
この発明のエアバッグ装置を備えたステアリングホイールは、ステアリングホイール略中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、この固定部の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイールであって、前記ステアリングホイールは、運転者が把持するリング部と、車幅方向に延びて該リング部と前記パッド部とを連結する横スポーク部とを備え、前記パッド部のエアバッグ装置に、内部にエアバッグクッションを格納する展開カバー部を設け、該展開カバー部に、前記横スポーク部を指向するように、前記固定部近傍から横方向に延びる破断溝を形成し、少なくともパッド部上部の展開カバー部の展開パーツを、パッド部上部の外縁端部をヒンジとして、前記リング部及び横スポーク部に接触せずに展開するように構成したものである。
上記構成によれば、ステアリングホイールは、リング部と横スポーク部とを備え、エアバッグ装置に設けた展開カバー部のうち、少なくともパッド部上部の展開パーツは、パッド部上部の外縁端部をヒンジとして、リング部及び横スポーク部に接触せずに展開することになる。
すなわち、パッド部上部の展開パーツは、パッド部上部の外縁端部をヒンジとすることで大きく展開して、そして、その展開時にはリング部及び横スポーク部に接触しないことになる。
このため、展開パーツは、エアバッグクッションの膨張を阻害することなく、また、エアバッグクッション内のエアーの前方側(パッド部に対して、運転者と反対側。以下、同様)への移行も阻害することはない。
しかも、パッド部上部は、乗員から見てパッド部の外縁端部より内方側にヒンジ部を設ける場合に比して、大きく展開されるため、こうして展開された大きな開口から、エアバッグクッションは早期に膨張される。
この発明の一実施態様においては、前記パッド部とリング部下部とを運転者から見て上下方向に延びて連結する下部スポーク部を備え、前記展開カバー部に、該下部スポーク部を指向するように、前記固定部近傍から下方向に延びる破断溝を形成し、前記展開カバー部の展開パーツを、展開時にパッド部下部の外縁端部をヒンジとして、前記リング部及び下部スポーク部に接触せずに展開するように構成したものである。
上記構成によれば、ステアリングホイールは、パッド部とリング部下部とを連結する下部スポーク部を備え、展開カバー部の展開パーツは、パッド部下部の外縁端部をヒンジとして、リング部及び下部スポーク部に接触せずに展開することになる。
すなわち、この場合も、展開パーツは、パッド部下部の外縁端部をヒンジとすることで大きく展開して、そして、その展開時にはリング部及び下部スポーク部に接触しないことになる。
このため、下部スポーク部を備えたステアリングホイールであっても、展開パーツが大きく展開するために、早期にエアバッグクッションを膨張させることができる。また、展開パーツがリング部及び下部スポーク部に接触しないため、エアバッグクッション内のエアーの前方側への移行を阻害せず、運転者がエアバッグクッションに接触した際の衝撃を緩和することができる。
この発明の一実施態様においては、前記展開カバー部の表面を、曲率を持ったパッド部表面として構成し、運転者から見てパッド部上部の展開カバー部の上下方向の曲率を、パッド部下側の展開カバー部の上下方向の曲率よりも大きく設定し、該パッド部上部の展開カバー部を、複数の展開パーツで展開するように構成したものである。
上記構成によれば、パッド部表面として構成する展開カバー部の曲率を、パッド部下側の展開カバー部の上下方向の曲率より、パッド部下側の展開カバー部の上下方向の曲率より大きく設定することで、パッド部の意匠性を向上することができる。また、曲率の大きいパッド部上部の展開カバー部が、複数の展開パーツで展開するため、曲率が大きく変形しにくいパッド部上部の展開カバー部を、容易に展開させることができる。
よって、ステアリングホイールの意匠性を向上しつつも、確実且つ早期にエアバッグクッションを膨張させることができる。
この発明の一実施態様においては、前記リング部とパッド部を連結するスポーク部を3本としたものである。
上記構成によれば、ステアリングホイールを、スポーク部3本、すなわち、3本スポークとして構成することで、ステアリングホイール内のリング部を直径とする円面積のうち、空間面積を、4本スポークのステアリングホイールより増やすことができる。
このため、展開カバー部の展開パーツを、リング部及びスポーク部に接触しないように展開させることが、より確実に行うことができ、早期にエアバッグクッションを膨張させつつ、運転者がエアバッグクッションに接触した際の衝撃を緩和するといった効果を、より効率的に得ることができる。
この発明によれば、パッド部上部の展開パーツは、パッド部上部の外縁端部をヒンジとすることで大きく展開して、そして、その展開時にはリング部及び横スポーク部に接触しないことになる。
このため、展開パーツは、エアバッグクッションの膨張を阻害することなく、また、エアバッグクッション内のエアーの前方側への移行も阻害することはない。
したがって、ステアリングホイール中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、この固定部の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイールにおいて、エアバッグクッションが運転者に接触した際の運転者に対する衝撃を緩和しつつも、エアバッグクッションを早期に膨張させることができる。
以下、図面に基づいて、この発明の実施形態を詳述する。
図1は本願発明の実施形態におけるエアバッグ装置を備えたステアリングホイールの斜視図、図2はエアバッグ作動時におけるステアリングホイールと運転者との関係を示した模式図である。
図1に示すように、ステアリングホイール1は、運転者が把持するリング部2と、左右及び下側に延びる3本のスポーク部3a,3b,3cと、中央のパッド部4とからなり、ボス部5を介して、ステアリングシャフト(図示せず)上端部に固定される。そして、このステアリングホイール1をステアリングシャフト軸S廻りに回動操作することで、操舵を行えるように構成している。
前述のパッド部4は、そのステアリングシャフト軸Sに直交する面での内方側で中心部分に設けた固定部6と、その周囲を取り囲むようにドーナツ状に配置したエアバッグ装置7とから構成している。
この実施態様では、固定部6にホーンスイッチ60を配置している。このホーンスイッチ60は、直接押圧操作することで、ホーン(警報)が鳴るように構成している。
なお、リング部2及びスポーク部3a,3b,3cについては、従来と同様の構造であるため、詳細な説明を省略する。
図2に示すように、車両が前面衝突して、ステアリングホイール1のエアバッグ装置7が作動した場合には、通常のエアバッグ装置と同様に、ステアリングホイール1と運転者Mの間にエアバッグクッション9が展開をする。しかし、固定部6の部分では、エアバッグクッション9は展開しない。
もっとも、エアバッグクッション9の内部には、高圧ガスが充填されるため、運転者Mに当接する部分では、固定部6を設けたことによる隙間は潰される。よって、パッド部4に固定部6を設けたとしても、エアバッグ装置7における運転者保護は確実に行なわれる。
図3は本実施形態におけるパッド部4の単体斜視図、図4はステアリングホイール1全体を含めたパッド部4の正面図、図5は図4におけるA−A線矢視断面図、図6は図4におけるB−B線矢視断面図、図7は図5の要部詳細図である。
図3〜図7に示すように、ステアリングホイール1中央のパッド部4は、前述のように中心部分に設けた固定部6と、ドーナツ状に設けたエアバッグ装置7とからなる。
このうち、ドーナツ状のエアバッグ装置7は、図3に示すようにステアリングホイール1のフレーム(図示せず)に装着されるリテーナ10と、このリテーナ10に取り付けた筒状のインフレータ11とから成るエアバッグ基部12を備え、このエアバッグ基部12に対して折畳んだエアバッグクッション9を固定し、さらに、エアバッグクッション9を覆う展開カバー部13をエアバッグ基部12に固定することで構成している。
前述のインフレータ11は、直径よりも軸方向長さが短い金属製の筒状部11aで構成し、その内部にガス発生剤14を内蔵している。また、発生したガスを放出するガス噴出し口11bを筒状部11aの側面上部に複数形成し、その下方(ステアリングホイール1に対して運転者Mの位置の反対側。以下、同様。)にリテーナ10に取り付ける為のリブ11cを径方向に延びるように設けている。
前述のリテーナ10は、その中央にインフレータ11の筒状部11aの直径よりも大きく、リブ11cの直径よりも小さい開口部10aを形成し、この開口部10aに対して、インフレータ11を嵌め込み固定している。
このインフレータ11の固定は、インフレータ11のリブ11cを、環状のリテーナリング15とリテーナ10に固定ボルトBによって締結固定することで行う(図6参照)。
前述のエアバッグクッション9は、ステアリングシャフト軸Sの方向に折畳んだ状態でリテーナ10上に設置され、ガス噴出し口11bからのガスを採り込むように、開口部9aをインフレータ11側に向くように配設して、下部開口端部9bをリテーナリング15とリテーナ10との間で狭持固定し、上部開口端部9cをインフレータ11の上面11dと固定部6との間で挟持固定してエアバッグ基部12に固定している。
すなわち、上部開口端部9b及び下部開口端部9cをステアリングシャフト軸S方向と直交する方向に広がる面で挟持固定することで、エアバッグクッションをエアバッグ基部12に固定している。
前述の展開カバー部13は、軟質性の合成樹脂で成形され、パッド部4のほぼ全域を構成する大きさに構成するとともに、パッド部4表面を構成するため、湾曲断面形状に成形している。
特に、ステアリングホイールの意匠性を向上するため、本実施態様では、上側の展開カバー部の上下方向の曲率を、下側の展開カバー部の上下方向の曲率よりも大きく設定している。
展開カバー部13の外周端部に設けた取付け部13aは、リテーナ10の外周端部で下側に折り曲げたフランジ部10bに、リベットRを介して固定している。
また、この展開カバー部13は、後述のようにその裏面に複数の破断溝16を形成しており、エアバッグ作動時には、この破断溝16で複数のパーツ13…に分離して展開するように構成している。
展開カバー部13の中心部分には円形の開口端部13bを形成している。この開口端部13bは、固定部6に対して係止固定される。
具体的には、展開カバー部13の開口端部13bの端部(内縁端部)に、下方に没入した縦壁部17aと横壁部17bとからなる嵌合部17を形成し、この嵌合部17を固定部6に対して嵌合係止することで、展開カバー部13を係止している。
この展開カバー部13は、固定部6に嵌合係止しない状態、つまり展開した状態で、開口端部13bの嵌合部17が固定部6よりも上方(運転者Mが位置する側。以下、同様。)へ位置するように成形されており、また、内部にステアリングシャフト軸S方向に折畳んで圧縮した状態のエアバッグクッション9を収納しているため、その嵌合部17は、上方に付勢された状態で固定部6に係止される。
もっとも、この嵌合部17の剛性は、エアバッグクッション9の膨張圧力によって弾性変形する強度に設定されており、エアバッグ作動時には固定部6との係合が解除されるように構成している。
このように、展開カバー部13の略中央が固定部6で支持されるため、展開カバー部13の支持強度及び位置決め精度を向上できる。特に、縦壁部17aと横壁部17bとからなる嵌合部17で固定部6に対して嵌合固定したことにより、ステアリングシャフト軸S方向のみならず径方向においても、確実な位置決めを行うことができる。
また、展開カバー部13が熱により塑性変形し、膨張や収縮をしたとしても、展開カバー部13が付勢された状態で固定部6に係合しているため、その形状を一定に保つことができ、意匠性が損なわれることはない。
さらに、運転者M側からの外力により展開カバー部13の嵌合部17と固定部6との係合が外れたとしても、付勢力により係合を回復し、展開カバー部13の形状が保たれる。加えて、固定部6のホーンスイッチ60を押圧操作した時にも、その荷重が固定されたインフレータ11に直接伝わるため剛性感のある良好な操作感を得ることができる。
次に、展開カバー部13が係止固定される固定部6について説明する。
図7に示すように、固定部6には、前述のようにホーンスイッチ60を設けており、このホーンスイッチ60は、樹脂製の鉢状のスイッチケース61と、その内部でステアリングシャフト軸S方向にストロークするスイッチボタン62と、その間に介装されたコイル状の圧縮バネ63とからなる。
前述のスイッチケース61は、所定長さを有する円筒状の本体部61aと、その上部で拡径した拡径部61bと、本体部61aの底でインフレータ11の上面に当接固定される底部61cと、本体部61aの内部で圧縮バネ63の座となるスプリング座部61eと、スプリング座部に穿設した開口部61fとで構成している。なお、64,65はホーン回路に結線したスイッチ端子である。
このスイッチケース61を、インフレータ11上面の雄ネジ部11dに締結することで、確実に位置を固定することができるため、ホーンスイッチ60の位置を確実に固定できる。
また、スイッチケース61を樹脂で形成しているため、スイッチケース61に弾性力を持たせることができ、インフレータ11の上面11dとスイッチケース61の底部61cとで挟持固定するエアバッグクッション9の上部開口端部9cに付勢力を与えた状態で固定することができる。
これにより、エアバッグクッション9の上部開口端部9cの位置ズレを抑制することができ、エアバッグ作動時のエアバッグクッション9の固定を確実に行うことができる。また、エアバッグクッション9の急激な膨張に対しても、この底部61cが弾性変形するため、エアバッグクッション9の表面を傷つけるおそれを無くすことができる。
また、この底部61cを肉厚に構成することで、エアバッグクッションからの衝撃を受けても、破損のおそれをなくすことができる。
前述のスイッチボタン62は、パッド部4の表面と略一致するボタン操作部62aと、ボタン操作部62aから下部に延びる軸部62bと、軸部62bの下端で拡径方向に付勢した爪部62cとから構成している。このスイッチボタン62は、スイッチケース61の開口部61fに、軸部62bを挿通することにより、スイッチケース61内でステアリングシャフト軸S方向に移動しうるように構成している。
前述の圧縮バネ63は、スイッチボタン62のボタン操作部62aとスイッチケース61のスプリング座部61eとの間に介装され、スイッチボタン62を上方に付勢している。もっとも、このスイッチボタン62は爪部62cによって、スイッチケース61からの抜けが防止されているため、圧縮バネ63はスイッチボタン62に所定の付勢力を与えた状態で、その位置を保持している。
運転者Mが、スイッチボタン62を押圧すると、スイッチボタン62は、圧縮バネ63の付勢力に抗して下方に移動し、ボタン操作部62aの下面に設けたスイッチ端子64を、スプリング座部61eの上面のスイッチ端子65に接触させる。これにより、ホーン回路が閉成され、車両のホーンが鳴るように構成している。
なお、このようにスイッチボタン62を押圧式の構造とした場合であっても、前述のように、展開カバー部13の係合を嵌合部17による嵌合係止としているため、スイッチボタン62の押圧操作によって展開カバー部13も沈み込むことになり、両者の間で隙が生じることはない。
次に、エアバッグ作動に関する構造及び作用について詳述する。
図3、図4及び図6に示すように、展開カバー部13の裏面には、薄肉化されてエアバッグクッション9の膨張圧力によって破断可能な破断溝16を、開口部4bから略放射線状に複数延設している。このうちスポーク部3a,3b,3cの方向に延びる破断溝16…を途中で分岐させているものの、最終的には全ての破断溝16…を展開カバー部13のリテーナ10への取付け部13aへ向けて延設している。
このように破断溝16…を設けることで、展開カバー部13が取付け部13a近傍をヒンジ部13cとして複数のパーツで展開するように構成できる。また、パッド部4の外縁端部をヒンジとして展開させることで、展開カバー部の各パーツ13…を大きく展開させることができる。
ここで、展開カバー部13が湾曲断面形状である場合、湾曲量が大きいと曲げ剛性が高まり、破断溝16の一部にエアバッグクッション9の膨張圧力の応力が集中せずに展開性能が悪化するが、本実施形態のように複数のパーツ13…に分割することで、各パーツ13…の断面の湾曲量が小さくなり、変形が容易となるため、破断溝16の一部に応力が集中しやすくなり、展開性能を高めることができる。
特に、本実施態様では、意匠性を向上するために上側の展開カバー部13の方の曲率を大きくしているが、本実施態様のように、上側の展開カバー部13を複数のパーツに分割して展開するように構成することで、確実に展開カバー部13の展開を行わせることができる。
図8は、本実施形態におけるエアバッグ作動時を示す断面図である。
この図に示すように、エアバッグ装置7が作動すると、インフレータ11からガスが噴出し、エアバッグクッション9が膨張する。展開カバー部13はエアバッグクッション9の膨張圧力を受けて、嵌合部17が変形して固定部6であるホーンスイッチ60との係合が解除される。これにより、破断溝16(図3,4参照)が嵌合部17側から破断してゆき、展開カバー部13がヒンジ部13cを支点として開放される。そして、エアバッグクッション9が車室へ展開される。
エアバッグクッション9は、ステアリングシャフト軸Sと直交する径方向へ展開する外筒部9dと、ホーンスイッチ60を囲い、運転者M側へ向けてほぼ直線的に展開する筒状の内筒部9eとで構成しており、内筒部9eは外筒部9dより運転者M側への展開長を短く設定し、外筒部9dの運転者M側への展開長を制限するように構成している。
このように、エアバッグクッション9の内筒部9eがエアバッグクッション9の運転者M側への展開長を制限することにより、外筒部9dがステアリングシャフト軸Sと直交する径方向へ素早く膨張して守備範囲を拡大できると共に、エアバッグクッション膨張過渡期には、運転者M側への展開を抑制してエアバッグクッション9が運転者M側に勢いよく膨張するのを防止できる。
図9に、エアバッグ作動時のステアリングホイール1の正面図を示す。この図から分かるように、エアバッグクッション9が展開すると、展開カバー部13は、破断溝16(図3,4参照)で破断し、複数のパーツ13…に分断されて、前述のヒンジ部13cを支点として展開する。ちょうど花びらが開いたような形で展開カバー部13が展開する。
また、展開カバー部の各パーツ13…は、ステアリングホイール1のリング部2とスポーク部3a,3b,3cに接触せず、その間の空間部分に運転者Mとは反対側に向かって落ち込むよう形成されているため、エアバッグクッション9の膨張時に運転者Mがエアバッグクッション9に接触しエアバッグクッション9内のエアーが前方側(パッド部4に対し、運転者Mとは反対側)に移行する場合であっても、展開カバー部13がその移行を阻害するおそれを無くすことができる。したがって、運転者Mがエアバッグクッション9へ接触する際の衝撃を軽減できる。
次に、以上のように構成した本実施態様の作用及び効果について詳述する。
この実施形態によるエアバッグ装置7を備えたステアリングホイール1は、ステアリングホイール1略中央のパッド部4にエアバッグ作動時に展開しない固定部6を設け、この固定部6の周囲にエアバッグ装置7を設けたステアリングホイール1であって、前記ステアリングホイール1は、運転者Mが把持するリング部2と、車幅方向に延びて該リング部2と前記パッド部4とを連結する横スポーク部3a,3bとを備え、前記パッド部4のエアバッグ装置7に、内部にエアバッグクッション9を格納する展開カバー部13を設け、該展開カバー部13に、前記横スポーク部3a,3bを指向するように、前記固定部6近傍から横方向に延びる破断溝16を形成し、少なくともパッド部4上部の展開カバー部13のパーツを、パッド部4上部の外縁端部をヒンジ部13cとして、前記リング部2及び横スポーク部3a,3bに接触せずに展開するように構成したものである。
上記構成によれば、ステアリングホイール1は、リング部2と横スポーク部3a,3bとを備え、エアバッグ装置7に設けた展開カバー部13のうち、少なくともパッド部4上部のパーツ13は、パッド部4上部の外縁端部をヒンジ部13cとして、リング部2及び横スポーク部3a,3bに接触せずに展開することになる。
すなわち、パッド部4上部のパーツ13は、パッド部4上部の外縁端部をヒンジ部13cとすることで、パッド部4の外縁端部より内方側にヒンジ部を設ける場合に比して大きく展開して、そして、その展開時にはリング部2及び横スポーク部3a,3bに接触しないことになる。
このため、パーツ13は、エアバッグクッション9の膨張を阻害することなく、また、エアバッグクッション9内のエアーの前方側への移行も阻害することはない。
したがって、ステアリングホイール1中央のパッド部4にエアバッグ作動時に展開しない固定部6を設け、この固定部6の周囲にエアバッグ装置7を設けたステアリングホイール1において、エアバッグクッション9が運転者Mに接触した際の運転者Mに対する衝撃を緩和しつつも、エアバッグクッション9を早期に膨張させることができる。
また、この実施形態では、前記パッド部4とリング部2下部とを運転者Mから見て上下方向に延びて連結する下部スポーク部3cを備え、前記展開カバー部13に、該下部スポーク部3cを指向するように、前記固定部6近傍から下方向に延びる破断溝16を形成し、前記展開カバー部13のパーツを、展開時にパッド部4下部の外縁端部をヒンジ部13cとして、前記リング部2及び下部スポーク部3cに接触せずに展開するように構成したものである。
上記構成によれば、ステアリングホイール1は、パッド部4とリング部2下部とを連結する下部スポーク部3cを備え、展開カバー部13のパーツは、パッド部4下部の外縁端部をヒンジ部13cとして、リング部2及び下部スポーク部3cに接触せずに展開することになる。
すなわち、この場合も、パーツ13は、パッド部4下部の外縁端部をヒンジ部13cとすることで、パッド部4の外縁端部より内方側にヒンジ部を設ける場合に比して大きく展開して、そして、その展開時にはリング部2及び下部スポーク部3cに接触しないことになる。
このため、下部スポーク部3cを備えたステアリングホイール1であっても、パーツ13が大きく展開するために、早期にエアバッグクッション9を膨張させることができる。また、パーツ13がリング部2及び下部スポーク部3a,3b,3cに接触しないため、エアバッグクッション9内のエアーの前方側への移行を阻害せず、運転者Mがエアバッグクッション9に接触した際の衝撃を緩和することができる。
また、この実施形態では、前記展開カバー部13の表面を、曲率を持ったパッド部4表面として構成し、運転者Mから見てパッド部4上部の展開カバー部13の上下方向の曲率を、パッド部4下側の展開カバー部13の上下方向の曲率よりも大きく設定し、該パッド部4上部の展開カバー部13を、複数のパーツで展開するように構成したものである。
上記構成によれば、パッド部4表面として構成する展開カバー部13の曲率を、パッド部4下側の展開カバー部13の上下方向の曲率より、パッド部4下側の展開カバー部13の上下方向の曲率より大きく設定することで、パッド部4の意匠性を向上することができる。また、曲率の大きいパッド部4上部の展開カバー部13が、複数のパーツで展開するため、曲率が大きく変形しにくいパッド部4上部の展開カバー部13を、容易に展開させることができる。
よって、ステアリングホイール1の意匠性を向上しつつも、確実且つ早期にエアバッグクッション9を膨張させることができる。
また、この実施形態では、前記リング部2とパッド部4を連結するスポーク部3a,3b,3cを3本としたものである。
上記構成によれば、ステアリングホイール1を、スポーク部3a,3b,3c3本、すなわち、3本スポークとして構成することで、ステアリングホイール1内のリング部2を直径とする円面積のうち、空間面積を、4本スポークのステアリングホイールより増やすことができる。
このため、展開カバー部13のパーツを、リング部2及びスポーク部3a,3b,3cに接触しないように展開させることが、より確実に行うことができ、早期にエアバッグクッション9を膨張させつつ、運転者Mがエアバッグクッション9に接触した際の衝撃を緩和するといった効果を、より効率的に得ることができる。
なお、本実施態様では固定部6にホーンスイッチ60を設けたが、エアバッグ作動時にその位置を固定しているものであれば、エンブレム等をデザインしたスペーサー部材等を設けてもよい。
次に、図10に示す他の実施形態について説明する。
この実施形態は、4本スポークのステアリングホイール101に、本願発明を採用した場合の一例を示したものである。
このステアリングホイール101も、運転者Mが把持するリング部102と、左右水平方向及び斜め下方側に延びる4本のスポーク部103a,103b,103c,103dと、中央のパッド部104とからなり、ステアリングシャフト(図示せず)の上端部に固定している。
このパッド部104も、その中心部分に設けた固定部106と、その周囲を取り囲むようにドーナツ状に配置したエアバッグ装置107とから構成している。なお、固定部106には、前述の実施態様と同様にホーンスイッチ160が設けられている。
このエアバッグ装置107の展開カバー部113の裏面にも、前述と同様に破断溝116…を放射状に延びるように形成している。もっとも、この実施態様では、スポーク部が4本あるため、そのスポーク部の数に応じて、破断溝116…の数を増やしている。
このようにスポーク部の数に応じて破断溝116…を増やしたのは、エアバッグ作動時に展開する展開カバー部113が、前述の実施態様と同様に空間部分に展開するように構成するためである。すなわち、スポーク部に沿って破断溝116…を設けることにより、展開カバー部113をリング部102とスポーク部103a,103b,103c,103dに接触しないように、その間の空間部分に展開することができるのである。
もっとも、前述の実施態様の3本スポークに比較して、本実施態様のステアリングホイールは、スポーク部が4本あるため、そのスポーク間の空間部分は小さい。よって、展開カバー部の各パーツをより小さく分割する必要がある。
このように、本実施態様でも、破断溝116…を複数設けたことにより、前述の実施態様と同様に、確実なエアバッグ作動を得ることができる。
なお、その他の作用効果については、前述の実施態様と同様である。
以上、この発明の構成と、前述の実施態様との対応において、
この発明の固定部は、実施態様のホーンスイッチ60,160に対応し、
以下同様に、
展開パーツは、パーツ13に対応し、
ヒンジは、ヒンジ部13cに対応するも、
この発明は、前述の実施態様の構成のみに限定されるものではなく、様々なステアリングホイールの実施態様を含むものである。
本発明のエアバッグ装置を備えたステアリングホイールの斜視図。 ステアリングホイールと運転者との関係を示した模式図。 パッド部の単体斜視図。 ステアリングホイール全体を含めたパッド部の正面図。 図4におけるA−A線矢視断面図。 図4におけるB−B線矢視断面図。 図5の要部詳細図。 エアバッグ作動時を示す断面図。 エアバッグ作動時のステアリングホイールの正面図。 他の実施形態の図4に対応する正面図。
符号の説明
1,101…ステアリングホイール
2,102…リング部
3a,3b,103a,103b…スポーク部(横スポーク部)
3c,103c,103d…スポーク部(下部スポーク部)
4,104…パッド部
6,106(60,160)…固定部(ホーンスイッチ)
7,107…エアバッグ装置
9…エアバッグクッション
13,113…展開カバー部、パーツ(展開パーツ)
16,116…破断溝

Claims (4)

  1. ステアリングホイール略中央のパッド部にエアバッグ作動時に展開しない固定部を設け、この固定部の周囲にエアバッグ装置を設けたステアリングホイールであって、
    前記ステアリングホイールは、運転者が把持するリング部と、車幅方向に延びて該リング部と前記パッド部とを連結する横スポーク部とを備え、
    前記パッド部のエアバッグ装置に、内部にエアバッグクッションを格納する展開カバー部を設け、
    該展開カバー部に、前記横スポーク部を指向するように、前記固定部近傍から横方向に延びる破断溝を形成し、
    少なくともパッド部上部の展開カバー部の展開パーツを、パッド部上部の外縁端部をヒンジとして、前記リング部及び横スポーク部に接触せずに展開するように構成した
    エアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  2. 前記パッド部と前記リング部下部とを運転者から見て上下方向に延びて連結する下部スポーク部を備え、前記展開カバー部に、該下部スポーク部を指向するように、前記固定部近傍から下方向に延びる破断溝を形成し、
    前記展開カバー部の展開パーツを、展開時にパッド部下部の外縁端部をヒンジとして、前記リング部及び下部スポーク部に接触せずに展開するように構成した
    請求項1記載のエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  3. 前記展開カバー部の表面を、曲率を持ったパッド部表面として構成し、
    運転者から見てパッド部上部の展開カバー部の上下方向の曲率を、パッド部下側の展開カバー部の上下方向の曲率よりも大きく設定し、
    該パッド部上部の展開カバー部を、複数の展開パーツで展開するように構成した
    請求項1,2記載のエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  4. 前記リング部とパッド部を連結するスポーク部を3本とした
    請求項2,3記載のエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
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