JP4715136B2 - エアバッグ装置を備えたステアリングホイール - Google Patents

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本発明は、車両衝突時に乗員を保護するためのエアバッグ装置を備えたステアリングホイールに関し、特に、該ステアリングホイールのパッド部に設ける操作部の構造の技術分野に属する。
従来より、車両衝突時に乗員の受ける衝撃を軽減するために、ステアリングホイールにエアバッグ装置を設けたものが知られている。このように、ステアリングホイールにエアバッグ装置を設ける場合、該エアバッグ装置は、ステアリングホイールのリング部の略中心付近に位置するパッド部内に配設されて、衝突を感知した際に、エアバッグクッションを膨張させてパッド部のカバー部分を破り、該エアバッグクッションを乗員の前方に膨張展開させるように構成されている。
ところで、一般的に、ステアリングホイールのパッド部には、その略中央にメーカーのエンブレムなどが設けられているが、そのエンブレム部分はカバー部分の他の部位に比べて硬く、破れにくいため、上述のように、パッド部のカバー部分を破ってエアバッグクッションを膨張展開させる構造では、エンブレム部分を避けてカバー部分が破れるように構成されている。
そして、前記パッド部のカバー部分のうち、破れて展開する部分(展開カバー部)は、乗員から見て、そのパッド部の中心部分が乗員側に接近しながらステアリングホイールの外周側に向かって展開するように構成されるため、前記エンブレム部分が展開カバー部の一部として展開すると、該エンブレム部分がステアリングホイールに接近した乗員に接触する可能性があった。
そのため、例えば、特許文献1に開示されるように、エアバッグクッションを、エンブレムの設けられたパッド部の中央部分を避けるように正面視でリング状に配設するとともに、パッド部の中央部分から放射状に破断溝を形成し、該エアバッグクッションの膨張展開時には、固定部としてのパッド部中央部分を残してその周囲のカバー部分だけを放射状に展開させるようにしたものが知られている。
一方、従来より、オーディオ等の車載機器の操作性を考慮して、ステアリングホイールのパッド部には各種スイッチが設けられており、例えば特許文献2に開示されるように、前記パッド部の左右端部に、オーナメントと呼ばれる部材を配設し、該オーナメントに各種スイッチを設けたものが知られている。
米国特許出願公開第2002/135163号明細書 特開2001−163225号公報
ところで、前記前者の従来例(特許文献1)のようにリング状にエアバッグクッションが膨張展開する、いわゆるドーナツ型エアバッグにおいては、エアバッグクッションとパッド部外周側との間隔が通常のエアバッグに比べて狭くなるため、従来例(特許文献2)のようにステアリングホイールのパッド部に各種スイッチを設けると、エアバッグクッションがパッド部内で膨張した場合、該パッド部に生じた変形はスイッチに衝撃として伝達され易く、その衝撃によって該スイッチは破損して乗員側に飛散する可能性がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両衝突時にパッド部からドーナツ状に膨張展開するエアバッグクッションを備えたステアリングホイールにおいて、パッド部に設ける操作部及び展開部の構成に工夫を凝らして、該操作部が乗員側に飛散するのを防止することにある。
前記目的を達成するために、本発明の第1の解決手段では、エアバッグ装置を備えたステアリングホイールにおいて、パッド部に設ける操作部は、エアバッグクッションの膨張展開初期に該操作部の構成部品の飛散を抑制する構造を有するものとした。
すなわち、請求項1の発明では、車両の乗員が把持する外周側のリング部と、該リング部の略中心に配置されたパッド部と、該パッド部とリング部とを連結するスポーク部とを備え、前記パッド部内に、リング状に収納されたエアバッグクッションを車両衝突時に乗員側に膨張展開させるエアバッグ装置が配設されたステアリングホイールを対象とする。
そして、前記パッド部は、その乗員側をカバーによって覆われていて、エアバッグクッションの膨張展開時でもカバーの展開されない固定部と、該固定部の周囲に設けられて、前記エアバッグクッションの膨張展開時に破断溝に沿ってカバーが破断して展開される展開部とを備え、前記パッド部における前記展開部よりも外周側の部には、少なくとも車載装置を操作するための操作部が設けられており、前記カバーは、前記展開部の乗員側を覆うとともに前記エアバッグクッションの膨張展開時に乗員側に展開する展開カバー部と、前記固定部の乗員側を覆う固定カバー部とを有し、前記エアバッグクッションの膨張展開時に前記操作部が少なくとも乗員側へ飛散するのを抑制する飛散抑制構造を備え、前記飛散抑制構造は、前記破断溝の一部、前記展開カバー部における前記操作部に近接する側の辺部に沿って延びるように形成且つ該破断溝における当該辺部に沿って延びる部分を、その他の部分よりも破断しやすい形状に形成してなる破断溝構造を含むものとする。
この構成により、車両衝突時には、ドーナツ状のエアバッグクッションがパッド部の中央部分を避けて比較的外周側に向かい膨張展開することになるが、当該パッド部外周側に設けられた操作部は、前記エアバッグクッションの膨張展開初期において、例えばスイッチなどの構成部品の乗員側への飛散が抑制されるように構成されているため、前記構成部品の飛散によって乗員が衝撃を受けるのを防止することができる。ここで、エアバッグクッションの膨張展開初期とは、該エアバッグクッションがパッド部内で膨張し始めているが、該パッド部の乗員側のカバーは展開していない状態、すなわち該パッド部がエアバッグクッションの膨張によって変形している状態を意味している。
さらに、前記飛散抑制構造は、前記パッド部における車幅方向の両側端部下端部3つの端部のうち、少なくとも1箇所に操作部を配してなる操作部配設構造をさらに含むのが好ましい(請求項2の発明)。一般的に、パッド部の上端部側は、左端部、右端部及び下端部に比べて、エンブレム等の設けられたパッド部中央部分との間のスペースが狭いため、ドーナツ型エアバッグのように前記パッド部中央部分を避けてエアバッグクッションを膨張展開させる構造では、エアバッグクッションとの間隔が狭くなり、該エアバッグクッションの膨張時に操作部の受ける衝撃は大きくなる。そのため、操作部をパッド部の左端部、右端部及び下端部のうちのいずれかに設けることで、該操作部の受ける衝撃を小さくすることができる。
また、前記展開カバー部は、前記エアバッグクッションの膨張展開時に前記破断溝にて破断して、上方に向かって展開する上側展開カバー部と、下方に向かって展開する下側展開カバー部とに分割されるように構成されており、前記操作部配設構造は、前記パッド部における車幅方向の少なくとも一側の端部に操作部を配設してなる構造であり、前記破断溝構造は、破断溝の一部を、前記展開カバー部における車幅方向の両側辺部に沿ってそれぞれ延びるように形成し、且つ該破断溝における該両側辺部に沿って延びる部分のうち前記操作部に近接する側の辺部に沿って延びる部分を、その他の部分よりも破断しやすい形状に形成構造であるものとすることが好ましい(請求項3の発明)。
また、前記破断溝構造は、前記破断溝のうち前記展開カバー部における前記操作部に近接する側の辺部に沿って延びる部分、その他の部分よりも溝深さが深くなるように形成構造であるものとすることが好ましい(請求項4の発明)。
また、前記破断溝構造は、前記破断溝のうち前記展開カバー部における前記操作部に近接する側の辺部に沿って延びる部分、その他の部分よりも溝幅が大きくなるように形成し構造であるものとすることが好ましい(請求項5の発明)。
上述の構成において、前記パッド部における前記展開部よりも外周側の部分には、展開部に隣接して、該展開部とは別体に、エアバッグクッションの膨張展開時でもカバーの展開されない外縁固定部が設けられていて、前記操作部配設構造は、前記外縁固定部において、前記展開部から離間した位置に操作部を配設構造であるのが好ましい(請求項6の発明)。このように、操作部を、展開部とは別体に設けられた外縁固定部に配設することで、エアバッグクッション膨張時の衝撃が直接、操作部に伝達されるのを防止することができ、該操作部の乗員側への飛散を防止することができる。さらに、前記操作部を展開部から離間させて設けることで、該操作部にエアバッグクッション膨張時の衝撃が加わって破損し、乗員側に飛散するのをより確実に防止することができる。
また、操作部は、押釦スイッチで構成され前記飛散抑制構造は、前記押釦スイッチの釦部が乗員側に露出しないように、前記操作部の乗員側シート部材によって覆うスイッチ被覆構造をさらに含むものとしてもよい(請求項7の発明)。こうすれば、操作部が破損しても、その構成部品はシール部によって乗員側への飛散を防止される。
また、操作部は、押釦スイッチで構成され前記飛散抑制構造は、前記押釦スイッチの釦部、断面略ハット状に形成し、且つその鍔部を前記パッド部における前記展開部よりも外周側のカバーの裏面に当接させることにより該押釦スイッチの乗員側への移動規制移動規制構造をさらに含むものとしてもよい(請求項8の発明)。これにより、エアバッグクッション膨張時に操作部に衝撃が加わっても、断面略ハット状の釦部の鍔部をカバーに係止させることで、該操作部が乗員側へ飛散するのを確実に防止することができる。さらに、操作部は、押釦スイッチで構成され前記飛散抑制構造は、前記押釦スイッチの釦部補強リブを備えて釦部補強構造をさらに含むのが好ましい(請求項9の発明)。こうすれば、釦部に形成されたリブによって該釦部を破損しにくくすることができ、エアバッグクッション膨張時の衝撃による前記釦部の破損や乗員側への飛散をより確実に防止することができる。
以上より、本発明に係るエアバッグ装置を備えたステアリングホイールによれば、パッド部外周側に設けられた操作部は、エアバッグクッションの膨張展開初期にスイッチ等が飛散しないように構成されるため、該スイッチ等の飛散によって乗員が衝撃を受けるのを防止することができる。
また、パッド部の展開部のカバーを、操作部側に設けられたヒンジ部を中心として該操作部を覆うように展開させることで、エアバッグクッションの膨張によって操作部が破損した場合でも、前記カバーによって乗員側への飛散が確実に防止される。
さらに、前記展開部を、乗員側のカバーが操作部近傍から破断して展開し始めるように構成することで、操作部に伝達されるエアバッグクッション膨張時の衝撃を効果的に軽減することができる一方、前記操作部を、パッド部の左端部、右端部及び下端部のうち、少なくとも1箇所に設けることで、エアバッグクッションとの距離を比較的、大きくすることができ、該操作部に伝達されるエアバッグクッション膨張時の衝撃をより効果的に軽減することができる。このように前記展開部及び操作部を構成することで、該操作部の損傷及び飛散を効果的に防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1に、本発明の実施形態1に係るエアバッグ装置を備えたステアリングホイールWの概略構造を示す。このステアリングホイールWは、乗員Mが把持するための外周側のリング部1と、該リング部1の略中心に配置されたパッド部2と、該リング部1とパッド部2とを連結する4本のスポーク3,3,4,4(スポーク部)とからなり、前記パッド部2の内部には、図2に示すように車両衝突時にエアバッグクッション51を乗員M側に膨張展開させるエアバッグ装置5が設けられている。なお、本実施形態の場合、前記エアバッグクッション51は、後述するように乗員側から見てリング状に膨張展開する、いわゆるドーナツ型エアバッグクッションである。
前記スポーク3,3,4,4は、図1に示すように、パッド部2の上部の左右両端部からそれぞれ車幅方向に延びる左右一対の横スポーク3,3と、該パッド部2の下部の左右両端部からそれぞれ斜め下方に延びる左右一対の斜めスポーク4,4とからなり、前記横スポーク3,3によって、ステアリングホイールWのリング部1とパッド部2との間の空間が上下に区画されるとともに、その下側の空間が、前記斜めスポーク4,4によって、さらに3つの空間42,42,43に区画されている。
すなわち、前記横スポーク3,3によって、パッド部2の上方に上部空間41が区画されるとともに、前記横スポーク3,3と斜めスポーク4,4とによってパッド部2の側方に左右空間42,42が、前記斜めスポーク4,4によってパッド部2の下方に下部空間43が、それぞれ区画されている。これらの空間をステアリングホイールWに設けることによって、図2に示すように、膨張展開したエアバッグクッション51に乗員Mが衝突した際の該エアバッグクッション51の変形の逃げ場となり、乗員Mの受ける衝撃を効果的に軽減できるようになっている。
一方、前記ステアリングホイールWのリング部1、パッド部2、スポーク3,3,4,4には、図3に示すように、内部に芯金10が設けられていて、この芯金10によって前記リング部1、パッド部2及びスポーク3,3,4,4が一体となるように構成されている。そして、前記芯金10のうち、前記リング部1及びスポーク3,3,4,4に対応する部分は、例えばウレタン材などからなる合成樹脂製の被覆層11によって被覆されている一方、前記パッド部2に対応する部分は、乗員側カバー12及び車両前方側カバー13によってそれぞれ乗員側及び車両前方側を覆われていて、これによりパッド部2が構成されている。
詳しくは、前記芯金10は、前記リング部1の内部にリング状に配設される断面逆U字状の芯金リング部10aと、前記パッド部2の内部に位置し、ステアリングシャフト70の嵌合されるシャフト嵌合穴10dの形成された芯金パッド部10bと、該芯金パッド部10bと芯金リング部10aとを4箇所で連結する芯金スポーク部10c,10c,…と、によって構成されている。なお、前記芯金パッド部10bは、その外周側が乗員側に屈曲するように断面視で階段状に形成されており、その階段部で後述するパッド部2の中央部2a及び側部2b,2bと連結されている。
前記パッド部2は、図1に示すように、乗員側から見て、逆台形状に形成されたもので、内部にエアバッグクッション51が収納され、且つ車両前後方向に相対移動可能に構成された中央部2aと、その左右側方に位置する固定部分としての側部2b,2b(外縁固定部)とからなる。すなわち、前記乗員側カバー12は、中央部2aに対応する中央部分と側部2b,2bに対応する左右部分とが別部材で構成されていて、前記中央部2aに配設されるポリプロピレン系等の樹脂からなる中央部カバー21と、前記側部2b,2bに配設されるABS樹脂等からなるオーナメント24とからなる。
前記中央部2aは、図3及び図4に示すように、中央部カバー21を底部とする有底円筒状部材の開口側を、金属製の板部材からなるリテーナ28で覆うことによって、その内部にエアバッグクッション51の収納される収納室25が形成されたもので、前記リテーナ28の中央部分に形成された貫通孔28aに、エアバッグクッション51内にガスを供給するための略円筒状のインフレータ52が挿通された状態で固定されている。すなわち、前記エアバッグクッション収納室25は、乗員側から見て、インフレータ52を囲むようなリング状の空間であり、前記エアバッグクッション51は該収納室25内に折り畳まれた状態で収納されている。詳しくは後述するが、このエアバッグクッション51とインフレータ52とによってエアバッグ装置5が構成される。
ここで、前記中央部カバー21の中央部分には、メーカー等のエンブレムを模した、比較的硬い略円盤状のエンブレム部22が設けられていて、該エンブレム部22は、その周縁部で、前記中央部カバー21のエンブレム部22以外の部分、すなわち、後述するようにエアバッグクッション51の膨張展開時に破れて展開する展開カバー部23と係合するように構成されている。具体的には、前記展開カバー部23には、その略中央に前記エンブレム部22が配置可能な大きさの貫通孔が形成されており、前記エンブレム部22の周縁部は、前記貫通孔の周縁部分に中央部2a内方へクランク状に屈曲するように形成された屈曲部23aと係合するように構成されている。なお、前記中央部カバー21のエンブレム部22及び展開カバー部23にそれぞれ対応するように、前記パッド部2における固定部及び展開部が構成される。
また、前記エンブレム部22の車両前方側には、断面視で略V字状に形成された取付部22aが設けられていて、該取付部22aは、前記インフレータ52の乗員側を覆うように配設された有底円筒状の支持ブラケット27の底部27aにボルト締結されている。この支持ブラケット27は、その開口端縁部27bがリテーナ28に連結固定されていて、該支持ブラケット27の底部27aと取付部22aとの間には、後述するリング状のエアバッグクッション51の内側部分の一部が挟持されている。これにより、前記エンブレム部22が支持ブラケット27を介して中央部2aのリテーナ28に固定されるとともに、前記エアバッグクッション51の内側部分も支持ブラケット27に固定され、該エアバッグクッション51の膨張展開時にはエンブレム部22が展開されないようになっている。
上述のような構成により、詳しくは後述するが、車両衝突の際には、インフレータ52からエアバッグクッション51の内部にガスが供給されて該エアバッグクッション51が膨張すると、前記中央部カバー21の展開カバー部23のみが破れて展開し、エアバッグクッション51が乗員側に膨張展開する。このとき、前記中央部カバー21のエンブレム部22は、リテーナ28に固定されているため、展開せず、また、エアバッグクッション51もその内側部分が固定されているため、乗員側から見て略リング状に膨張展開する。
さらに、前記中央部2aは、図3及び図4に示すように、パッド部2内の車両前方側に配設された前記芯金パッド部10bに対して、ばね部材26cを備えたホーンスイッチ装置26を介して弾性連結されていて、車両前後方向に相対移動可能に構成されている。このように、前記中央部2aを相対移動可能に構成することで、図5に示すように、該中央部2aが車両前方(図中の白抜き矢印方向)に押圧された場合、前記ホーンスイッチ装置26の作動によってホーン(警告音)が鳴るようになっている。以下で該ホーンスイッチ装置26の構造及び作動について説明する。
前記ホーンスイッチ装置26は、図4に示すように、下部が芯金パッド部10bに螺合固定され、乗員側に向かって延びるように配設されたガイド軸26aと、エアバッグクッション収納室25の一部を構成する有底円筒状部材の壁部25aからステアリングホイールWの外方に延設され、前記ガイド軸26aの挿通する板状の延出部26bと、該延出部26bと芯金パッド部10bとの間で前記ガイド軸26aの外周側に配設されたばね部材26cとからなるもので、パッド部2の中央部2aを芯金パッド部10bに対して弾性支持するように構成されている。
また、前記延出部26bには、ガイド軸26aの挿通する挿通孔周縁にスリーブ接点26dが設けられているとともに、前記ガイド軸26aの芯金パッド部10b側には、ピン接点26eが設けられている。これにより、図5に示すように、パッド部2の中央部2aが車両前方(図中の白抜き矢印方向)に押圧されると、延出部26bはばね部材26cの弾性復元力に抗しながら車両前方側に相対移動して、前記スリーブ接点26dとピン接点26eとが接することでホーン回路(図示省略)が閉成されて、ホーンが鳴るようになっている。一方、パッド部2の中央部2aへの押圧力がなくなると、前記ばね部材26cの弾性復元力によって該中央部2aは初期位置(図3の状態)まで戻るように構成されている。
なお、前記ホーンスイッチ装置26は、図1に示すように、パッド部2の中央部2aの左右両端部における上下方向中央位置にそれぞれ1箇所ずつ、及び該中央部2aの下端部における左右方向中央位置に1箇所の合計3箇所に設けるのが好ましいが、この限りではなく、4箇所以上設けるようにしてもよい。
次に、前記パッド部2の中央部2a内に配設されるエアバッグクッション51及びインフレータ52について、図3及び図4を用いて説明すると、前記エアバッグクッション51は、袋状に形成されていて、図4に示すように、車両前方側に位置する開口縁部51aがパッド部2のリテーナ28と支持ブラケット27との間に挟持される一方、底部51bの中央部分は前記パッド部2のエンブレム部22の取付部22aと支持ブラケット27との間に挟持されている。これにより、エアバッグクッション51は、前記インフレータ52の乗員側を覆うように配設されるとともに、底部51bの中央部分が固定され、内部にガスが供給されると、乗員側から見て略ドーナツ状に展開するようになっている。
前記インフレータ52は、ケース52aの内部に、ガスを発生させるためのガス発生剤(図示省略)が封入されているとともに、該ガス発生剤に着火するためのイグナイタ53が複数個、配設されたもので、該ケース52aの側面には、前記ガス発生剤によって発生したガスを排出するための複数のガス噴き出し口52b,52b,…が設けられている。そして、上述のとおり、前記エアバッグクッション51はインフレータ52を覆うように配設されているため、前記ガス噴き出し口52b,52b,…から排出されたガスはエアバッグクッション51内に確実に供給されるようになっている。
一方、前記パッド部2の側部2b,2bには、図1に示すように、それぞれ、該パッド部2の左右両端部に複数のステアリングスイッチ29,29,…(操作部)が並設されていて、これらのステアリングスイッチ29,29,…によって運転者がオーディオ(車載装置)等の操作を容易に行えるようになっている。なお、本実施形態では、前記ステアリングスイッチ29,29は、展開カバー部23から最も離れた位置、すなわち側部2b,2bのステアリングホイールW外周側に配設されているが、これに限らず、パッド部2の展開カバー部23から所定距離、離間した位置に設けるようにすればよい。
前記各ステアリングスイッチ29は、図4に断面で示すように、ステアリングホイールWの内方(車両前方)に向かって開口するように断面視で略コの字状に形成された釦部29a(構成部品)と、該釦部29aを側部2b内方に突設されたブラケット24aに対して弾性支持するばね部材29bとによって構成された押釦スイッチで、前記釦部29aの底面(乗員側の面)がオーナメント24の乗員側の面と略面一になるように配設されている。そして、前記ステアリングスイッチ29は、釦部29aを車両前方に押圧することで、該釦部29a側及びオーナメント24側にそれぞれ設けられた接点(図示省略)が接触して、制御装置に所定の信号を送信するように構成されている。
このように、前記ステアリングスイッチ29,29を、パッド部2の中央部2aとは別部材で、比較的硬い材料からなる側部2b,2bに設けることで、該中央部2a内でエアバッグクッション51が膨張して、該中央部2aにステアリングホイールW外周側への変形が生じた場合でも、その変形時の衝撃は直接、前記スイッチ29,29に伝達されず軽減されるため、該スイッチ29,29の破損を効果的に防止することができる。しかも、前記ステアリングスイッチ29,29を、パッド部2の側部2b,2bにおいて、ステアリングホイールW外周側に展開カバー部23から所定距離、離間させて配設することで、該スイッチ29,29へ伝達される衝撃をさらに軽減することができ、より効果的に該スイッチ29,29の破損を防止することができる。ここで、前記所定距離は、パッド部2の中央部2a内に配設されたエアバッグクッション51が膨張して該中央部2aに変形を生じさせた場合(エアバッグクッション51の膨張初期)でも、その変形によって、前記中央部2aとは別体の側部2bに設けられた前記ステアリングスイッチ29,29が破損して乗員側に飛散しない程度の距離を意味している。
なお、本実施形態では、前記ステアリングスイッチ29,29は、パッド部2の中央部2aの左右側方に位置する側部2b,2bのステアリングホイールW外周側、すなわち該パッド部2の左右両端部にそれぞれ設けるようにしているが、これに限らず、パッド部2の左右両端部のいずれか一方にのみ設けるようにしてもよいし、該パッド部2の下端部に設けるようにしてもよい。ここで、パッド部2の上端部に前記ステアリングスイッチ29,29を設けないのは、エンブレム部22の上方のスペースが狭く、該ステアリングスイッチ29,29とエアバッグクッション51との間隔が狭いため、該エアバッグクッション51の膨張時の衝撃がスイッチ29,29に伝達されやすく、該スイッチ29,29が損傷を受けやすいためである。
−パッド部の展開構造−
次に、前記エアバッグクッション51が膨張展開する際のパッド部2の展開構造について以下で説明する。前記パッド部2には、エアバッグクッション51が膨張した際に、展開カバー部23が容易に破れて展開するように、該展開カバー部23の裏側に図4に示すような断面略V字状の破断溝21a,21a,…が形成されている。
前記破断溝21a,21a,…は、図1及び図6に示
すように、エンブレム部22の位置する中央部2aの貫通孔の周縁部からそれぞれ左右及び上方向に放射状に延びるように形成されている。また、前記パッド部2の中央部2aの左右端部にも、該各端部に沿うように前記中央部2aの壁部25aよりもステアリングホイールW内周側(図4参照)に破断溝21a,21aがそれぞれ設けられており、それらの破断溝21a,21aは、エンブレム部22より下側の所定位置で左右方向に延びるように展開カバー部23の裏側に形成された破断溝21aと繋がっている。この所定位置は、エアバッグクッション51の膨張展開時の展開性を損なわず、且つ展開カバー部23が展開した際に、該展開カバー部23のうち、後述する下側展開カバー部23cがパッド部2下方の下部空間43を塞がない程度の大きさになるように設定される。
ここで、前記破断溝21a,21a,…のうち、パッド部2の側部2b,2bに設けられたステアリングスイッチ29,29,…に近い部分、すなわち該パッド部2の左右両端に沿うようにそれぞれ設けられている破断溝21a,21aは、破断しやすいような形状(例えば、溝深さが大、溝の幅が大など)に形成されている。このように、前記ステアリングスイッチ29,29に近い破断溝21a,21aを破断しやすくすることで、パッド部2の中央部2a内でエアバッグクッション51が膨張した場合に該中央部2aの変形によって生じる衝撃を破断溝21a,21aの破断によって吸収することができ、前記スイッチ29,29に大きな衝撃が伝達されるのを防止することができる。
また、前記破断溝21a,21a,…に囲まれた前記展開カバー部23は、該破断溝21a,21a,…によって、エアバッグクッション51の膨張展開時に図6に2点鎖線で示すように上方及び下方に向かってそれぞれ展開する上側展開カバー部23bと、下側展開カバー部23cとに分割されている。これらの上側展開カバー部23b及び下側展開カバー部23cは、それぞれ、パッド部2上方の上部空間41及び該パッド部2下方の下部空間43を塞ぐことなく、且つエアバッグクッション51の展開性を悪化させないような大きさに形成されている。さらに、前記上側展開カバー部23bは、エンブレム部22の周囲から上方に延びる破断溝21aによって車幅方向に2つに分割されている。
前記上側展開カバー部23b,23b及び下側展開カバー部23cには、それぞれ、展開前の状態での上端及び下端にヒンジ部23d,23d,23eが形成されていて、これらのヒンジ部23d,23d,23eを中心としてそれぞれ上下方向に展開するように構成されている。
具体的には、前記各上側展開カバー部23bの上端部は、ピン部材23fによってパッド部2のリテーナ28に連結されており、エアバッグクッション51の膨張展開時に、上側展開カバー部23bが上方に展開しても、その上端部がパッド部2から外れないようになっている。すなわち、前記ピン部材23fは、上側展開カバー部23bをその上端部を中心として上方に回動させるヒンジ部23dとして機能するため、前記上側展開カバー部23bを上方に大きく展開させることができ、エアバッグクッション51の展開性を向上することができる。
また、前記下側展開カバー部23cの下端部に形成されたヒンジ部23eは、該下側展開カバー部23cの下端部と前記パッド部2のエアバッグクッション収納室25を構成する壁部25aとを連結する連結部材23gによって構成されている。該連結部材23gは、断面略ハット状に形成されたもので、その両端側がそれぞれ下側展開カバー部23c及び壁部25aに取り付け固定されていて、下側展開カバー部23cが壁部25aに対して回動する場合には、円弧部分で弾性変形するように構成されている。
なお、前記上側展開カバー部23bの上端部に形成されたヒンジ部23dは、本実施形態のようなピン部材23fに限らず、前記連結部材23gによって構成してもよい。この場合、連結部材は、上側展開カバー部23bの上端部とリテーナ28若しくは車両前方側カバー13とを連結するように配設される。
さらに、前記ヒンジ部23d,23eは上述のような構成に限らず、中央部カバー21を2重カバー構造として、そのうち、乗員側に位置するカバーの裏側に破断溝21aを設ける一方、その破断溝21aの形成された部分に対応して、車両前方側に位置するカバーに断面略U字状に車両前方に突出する突条部を設けるようにしてもよい。こうすれば、前記破断溝21aによって乗員側のカバーが破断しても車両前方側のカバーはパッド部2に連結されているため、展開カバー部23を飛散させることなく展開させることができる。
−エアバッグクッションの展開動作−
次に、上述のような構成を有するステアリングホイールWにおいて、車両衝突時のエアバッグクッション51の展開動作について説明する。
まず、車両が衝突すると、その衝撃を車両前部に設けられたセンサ(図示省略)によって検出し、制御装置によってステアリングホイールWのエアバッグ装置5を作動させる。具体的には、前記制御装置からの信号に応じてエアバッグ装置5のイグナイタ53が点火し、その点火によってインフレータ52内のガス発生剤が加熱されてガスを発生する。そのガスは該インフレータ52の側面に形成されたガス噴き出し口52bを介してエアバッグクッション51内に供給される。
前記エアバッグクッション51内にガスが供給されて膨張すると、パッド部2の展開カバー部23は、乗員側に押し上げられて、該展開カバー部23の裏側に形成された破断溝21aで破断されるとともに、前記エンブレム部22との係合が外れて展開する。すなわち、前記展開カバー部23は、図6に示すように、上側展開カバー部23b,23b及び下側展開カバー部23cに分割されて、ヒンジ部23d,23d,23eを中心としてそれぞれ上下方向に展開する。なお、前記展開カバー部23では、破断溝21a,21a,…の交差する部分や脆弱に形成されたパッド部2の左右端部側の破断溝21a,21aが強度上、弱くなるため、それらの部分から破断は生じる。
そして、パッド部2の略中央に位置するエンブレム部22は該パッド部2に固定されているため展開せず、その周囲の前記展開カバー部23だけが展開するため、その展開した部分からエアバッグクッション51が乗員側から見て略ドーナツ状に膨張展開する。
このとき、前記上側展開カバー部23b,23b及び下側展開カバー部23cは、エアバッグクッション51の展開性を悪化させないように大きく展開するとともに、パッド部2上方の上部空間41及びパッド部2下方の下部空間43をそれぞれ塞がないように展開する。
このように、前記上側及び下側展開カバー部23b,23cが展開する際、パッド部2の中央部2aの略中央に位置する比較的硬いエンブレム部22は展開せずにパッド部2に固定されているため、該エンブレム部22が展開して乗員に衝突するのを確実に防止することができ、該乗員の受ける衝撃を軽減することができる。また、前記上側及び下側展開カバー部23b,23cは、上下方向に展開され、パッド部2上方の上部空間41及びパッド部下方の下部空間43を塞ぐことなく、且つ該パッド部2の左右側方には展開されないため、膨張展開されたエアバッグクッション51に乗員が衝突した際の該エアバッグクッション51の変形の逃げ場を確保することができる。
そして、本実施形態によれば、乗員の操作性向上のためにパッド部2に設けられるステアリングスイッチ29,29は、エアバッグクッション51膨張時に変形するパッド部2の中央部2aとは別部材からなる側部2bにおいて、該中央部2aから所定距離、離間した位置に配設されるため、前記スイッチ29,29がエアバッグクッション51膨張時に受ける衝撃を軽減することができ、該スイッチ29,29の破損及び乗員側への飛散を防止することができる。
しかも、パッド部2の左右両端側、すなわち前記ステアリングスイッチ29,29に近い破断溝21a,21aを他の破断溝21a,21a,…に比べて脆弱に形成して破断しやすくすることで、エアバッグクッション51膨張時に側部2b,2bに伝達される衝撃を前記破断溝21a,21aでの破断によって吸収することができるため、前記スイッチ29,29に伝達される衝撃を軽減することができ、該スイッチ29,29の破損及び乗員側への飛散を確実に防止することができる。
−実施形態1の変形例1−
前記ステアリングスイッチ29は、上述の実施形態1のように、断面略コの字状の釦部29aをばね部材29bによって側部2bに対して弾性支持する構造に限らず、例えば、図8に示すように、断面略ハット状の釦部61をばね部材62,62によって側部2bに対して弾性支持し、該釦部61の突部61aのみをオーナメント24よりも乗員側に突出させたものであってもよい。
具体的には、断面略ハット状に形成された釦部61の鍔部61bが、その車両前方側に配設されたばね部材62,62によって、側部2bの内部に一体成形されたブラケット24bに対して弾性支持されていて、該側部2bの乗員側のカバーを構成するオーナメント24には、前記釦部61の突部61aが挿通可能な貫通孔24cが形成されている。すなわち、前記釦部61は、その車両前方側を前記ばね部材62,62によって側部2bに対して弾性支持される一方、乗員側は、鍔部61bがオーナメント24の裏側に当接して、それ以上、乗員側に移動しないように規制されている。
なお、前記釦部61の車両前方側には、車両前方に延びる脚部61c,61cが形成されており、該各脚部61cが前記側部2bのブラケット24bを挿通することで、前記釦部61が車両前方へ移動する際のガイドの役割を果たしているとともに、該脚部61cの先端及びその先端に対応するブラケット24b上には、それぞれ、接点63,63が設けられていて、該接点63,63同士が接触することで所定の信号を出力するようになっている。これらの接点63,63等の構造は従来のスイッチ構造と同様であるため詳細な説明は省略する。
以上の構成により、前記釦部61にエアバッグクッション51膨張時の衝撃がパッド部2の中央部2a及び側部2bを介して伝達されて、該釦部61が破損した場合でも、その鍔部61bが前記オーナメント24の裏側に当接するため、乗員側への飛散が防止される。
ここで、前記釦部61の突部61aの裏側(車両前方側)には、図8(b)に示すような縦リブ61dを設けてもよい。こうすることで、該突部61aの剛性を大きくすることができ、エアバッグクッション51膨張時の衝撃によって釦部61が破損するのを防止することができる。なお、縦リブは、釦部61が上述のような断面略ハット状の場合に限らず、図4に示すような断面略コの字状の釦部に設けるようにしてもよいし、縦リブを設ける代わりに、釦部の肉厚を大きくすることによって、該釦部の剛性を大きくしてもよい。
−実施形態1の変形例2−
また、前記ステアリングスイッチ29は、図9に示すように、断面視で略T字状の釦部65をばね部材66によって側部2bに対して弾性支持するとともに、該釦部65の乗員側を覆い且つオーナメント24の乗員側の面と略面一になるように、膜状のシール部67(シート部材)を設けたものであってもよい。
詳しくは、側部2bの内部、すなわちオーナメント24の車両前方側に、断面略T字状の釦部65が配設されていて、該釦部65が前記側部2bに一体形成されたブラケット24dに対して弾性支持されるように、該釦部65の車両前方にばね部材66が配設されている。そして、前記オーナメント24には、前記釦部65に対応して穴部が形成されていて、該穴部を塞ぐように且つ前記オーナメント24の乗員側の面と略面一になるように、例えば軟質の樹脂材料やゴム部材等からなるシール部67が設けられている。このシール部7の乗員側の面には、前記釦部65に対応して突出部67aが形成されており、該突出部67aによって、乗員がステアリングスイッチ29の位置を触感で把握することができるようになっている。
なお、前記釦部65の車両前方側には、車両前方に延びる脚部65aが形成されており、この脚部65aが前記ブラケット24dを挿通することで、該釦部65が移動する際のガイドの役割を果たしているとともに、前記脚部65aの先端及びその先端に対応するブラケット24d上には、それぞれ、接点68,68が設けられていて、前記釦部65の車両前方への移動時に、該接点68,68同士が接触して所定の信号を出力するようになっている。これらの接点68,68等の構造は従来のスイッチ構造と同様であるため詳細な説明は省略する。
以上の構成により、前記釦部65等がエアバッグクッション51膨張時の衝撃によって破損した場合でも、前記シール部67によって乗員側が覆われているため、前記釦部65等が乗員側へ飛散するのを確実に防止することができる。
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2に係るエアバッグ装置を備えたステアリングホイールW’の概略構成を示していて、前記実施形態1とは、パッド部2の展開カバー部81に設けられた破断溝81a,81a,…の位置や、エアバッグクッション膨張展開時の展開カバー部81の展開方法が異なるだけなので、以下、同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。すなわち、この実施形態2では、展開カバー部81を上下方向だけでなく、側方にも展開させて、ステアリングスイッチ29の乗員側を覆うようにしている。
具体的には、図10に示すように、パッド部2の展開カバー部81には、その裏側に、エンブレム部22の周囲からそれぞれ上方、左右及び斜め左右下に向かって放射状に延びるように破断溝81a,81a,…が形成されていて、これらの破断溝81a,81a,…によって、展開カバー部81が上側展開カバー部81b、側方展開カバー部81c,81c及び下側展開カバー部81dに分割されるようになっている。
そして、エアバッグクッション51の膨張展開時には、前記上側展開カバー部81b,81bはその上端にそれぞれ形成されたヒンジ部81e,81eを中心として上方に、前記下側展開カバー部81dはその下端に形成されたヒンジ部81gを中心として下方に、それぞれ展開する一方、前記側方展開カバー部81c,81cは、左右端にそれぞれ形成されたヒンジ部81f,81fを中心としてステアリングホイールW外周側に向かって展開するように構成されている。なお、前記ヒンジ部81e,81f,81gは、前記実施形態1と同様の構成を有しているため、詳しい説明については省略する。
これにより、前記側方展開カバー部81c,81cによってパッド部2の側部2bに配設されたステアリングスイッチ29,29,…の乗員側が覆われるため、エアバッグクッション51の膨張時にステアリングスイッチ29,29,…に衝撃が加わって破損した場合でも、乗員側への飛散を確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、展開カバー部81を上側展開カバー部81b,81b、側方展開カバー部81c,81c、下側展開カバー部81dの5つに分割しているが、これに限らず、左右2つに分割して、それぞれ左右方向にのみ展開するように構成してもよい。この場合にも前記展開カバー部81によってステアリングスイッチ29,29の乗員側が覆われるため、該スイッチ29,29が破損して乗員側に飛散するのを防止することができる。
(その他の実施形態)
本発明の構成は、前記各実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記各実施形態では、パッド部2の側部2b,2bにステアリングスイッチ29,29,…を設けるようにしているが、この限りではなく、パッド部2の外周に突設してもよい。具体的には、図11に示すように、ステアリングスイッチ29,29,…をパッド部2の左右端部から左右空間42内に突出するように設けて、ステアリングホイールWのリング部を把持している運転者が前記スイッチ29,29,…の操作をより容易に行えるようにしてもよい。
また、前記各実施形態では、パッド部2のエンブレム部22及び展開カバー部23(実施形態2では展開カバー部81)を別体で形成して、該エンブレム部22の周縁部と展開カバー部23の貫通孔周縁に設けられた屈曲部23aとを係合させて一体にするとともに、エアバッグクッション51の膨張展開時には、その係合が外れて前記展開カバー部23を展開させるようにしているが、この限りではなく、前記エンブレム部22と展開カバー部23とを一体形成し、両者の間に破断溝を設けるようにしてもよい。
さらに、前記各実施形態では、ステアリングホイールWに4本のスポーク3,3,4,4を設けているが、この限りではなく、スポークを3本にしてもよい。
以上説明したように、本発明におけるエアバッグ装置を備えたステアリングホイールは、エアバッグクッション膨張時に、パッド部外周側に配設された操作部が破損して乗員側へ飛散するのを防止することができるから、例えば、車両衝突時にステアリングホイールから乗員側に向かってドーナツ状に展開されるエアバッグクッションを備えたものに特に有用である。
本発明の実施形態1に係るステアリングホイールの概略構造を示す正面図である。 ステアリングホイールに設けられたエアバッグクッションが展開した状態を示す図である。 ステアリングホイールの内部構造を示す図1のIII−III断面図である。 パッド部の内部構造を示す図3の部分拡大断面図である。 パッド部を押圧した状態を示す図3相当図である。 展開カバー部が展開した状態を示す図1相当図である。 展開カバー部が展開した状態を示す図6のVII−VII断面図である。 断面ハット状のスイッチカバーを備えたステアリングスイッチの構造を示す(a)正面図、(b)(a)のVIII−VIII断面図である。 シール部を備えたステアリングスイッチの構造を示す(a)正面図、(b)(a)のIX−IX断面図である。 実施形態2に係るステアリングホイールの概略構成を示す正面図である。 ステアリングスイッチをパッド部外周に設けた場合の概略構成を示す正面図である。
W、W’ ステアリングホイール
1 リング部
2 パッド部
2b バッド部の側部(外縁固定部)
3、4 スポーク
5 エアバッグ装置
12 乗員側カバー(カバー)
21a 破断溝
22 エンブレム部
23 展開カバー部
23b 上側展開カバー部
23c 下側展開カバー部
23d、23e ヒンジ部
29 ステアリングスイッチ(操作部)
51 エアバッグクッション
61 釦部
61a 突部
61b 鍔部
61d 縦リブ
65 釦部
67 シール部(シート部材)
81 展開カバー部
81a 破断溝
81b 上側展開カバー部
81c 側方展開カバー部
81d 下側展開カバー部
81e、81f、81g ヒンジ部

Claims (9)

  1. 車両の乗員が把持する外周側のリング部と、該リング部の略中心に配置されたパッド部と、該パッド部とリング部とを連結するスポーク部とを備え、前記パッド部内に、リング状に収納されたエアバッグクッションを車両衝突時に乗員側に膨張展開させるエアバッグ装置が配設されたステアリングホイールであって、
    前記パッド部は、その乗員側をカバーによって覆われていて、エアバッグクッションの膨張展開時でもカバーの展開されない固定部と、該固定部の周囲に設けられて、前記エアバッグクッションの膨張展開時に破断溝に沿ってカバーが破断して展開される展開部とを備え、
    前記パッド部における前記展開部よりも外周側の部には、少なくとも車載装置を操作するための操作部が設けられており、
    前記カバーは、前記展開部の乗員側を覆うとともに前記エアバッグクッションの膨張展開時に乗員側に展開する展開カバー部と、前記固定部の乗員側を覆う固定カバー部とを有し、
    前記エアバッグクッションの膨張展開時に前記操作部が少なくとも乗員側へ飛散するのを抑制する飛散抑制構造を備え、
    前記飛散抑制構造は、前記破断溝の一部、前記展開カバー部における前記操作部に近接する側の辺部に沿って延びるように形成且つ該破断溝における当該辺部に沿って延びる部分を、その他の部分よりも破断しやすい形状に形成してなる破断溝構造を含むことを特徴とするエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  2. 請求項1において、
    前記飛散抑制構造は、前記パッド部における車幅方向の両側端部下端部3つの端部のうち、少なくとも1箇所に操作部を配してなる操作部配設構造をさらに含むことを特徴とするエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  3. 請求項2において、
    前記展開カバー部は、前記エアバッグクッションの膨張展開時に前記破断溝にて破断して、上方に向かって展開する上側展開カバー部と、下方に向かって展開する下側展開カバー部とに分割されるように構成されており、
    前記操作部配設構造は、前記パッド部における車幅方向の少なくとも一側の端部に操作部を配設してなる構造であり、
    前記破断溝構造は、破断溝の一部を、前記展開カバー部における車幅方向の両側辺部に沿ってそれぞれ延びるように形成し、且つ該破断溝における該両側辺部に沿って延びる部分のうち前記操作部に近接する側の辺部に沿って延びる部分を、その他の部分よりも破断しやすい形状に形成構造であることを特徴とするエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つにおいて、
    前記破断溝構造は、前記破断溝のうち前記展開カバー部における前記操作部に近接する側の辺部に沿って延びる部分、その他の部分よりも溝深さが深くなるように形成構造であることを特徴とするエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  5. 請求項1〜3のいずれか一つにおいて、
    前記破断溝構造は、前記破断溝のうち前記展開カバー部における前記操作部に近接する側の辺部に沿って延びる部分、その他の部分よりも溝幅が大きくなるように形成し構造であることを特徴とするエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  6. 請求項2又は3において、
    前記パッド部における前記展開部よりも外周側の部分には、展開部に隣接して、該展開部とは別体に、エアバッグクッションの膨張展開時でもカバーの展開されない外縁固定部が設けられていて、
    前記操作部配設構造は、前記外縁固定部において、前記展開部から離間した位置に操作部を配設構造であることを特徴とするエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  7. 請求項1〜5のいずれか一つにおいて、
    操作部は、押釦スイッチで構成され
    前記飛散抑制構造は、前記押釦スイッチの釦部が乗員側に露出しないように、前記操作部の乗員側シート部材によって覆うスイッチ被覆構造をさらに含むことを特徴とするエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  8. 請求項1〜5のいずれか一つにおいて、
    操作部は、押釦スイッチで構成され
    前記飛散抑制構造は、前記押釦スイッチの釦部、断面略ハット状に形成し、且つその鍔部を前記パッド部における前記展開部よりも外周側のカバーの裏面に当接させることにより該押釦スイッチの乗員側への移動規制移動規制構造をさらに含むことを特徴とするエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
  9. 請求項1〜5及び8のいずれか一つにおいて、
    操作部は、押釦スイッチで構成され
    前記飛散抑制構造は、前記押釦スイッチの釦部補強リブを備えて釦部補強構造をさらに含むことを特徴とするエアバッグ装置を備えたステアリングホイール。
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