JP4533569B2 - ゴムのクローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、最初のクレームの文で記述されているようにゴムのクローラに関する。EP−A−0.118.912から、ゴムのクローラは、鎖歯車および中間車のまわりを動くエンドレスなゴムのベルトを備えていることで知られている。ゴムのクローラの内部には、歯車と中間車の間に、ベルトの内部円周にわたって配置された支持ロールが、ゴムのベルトを支持するために備えられている。ベルトの縦方向では、互いに平行でかつ互いから規則正しい距離で、複数の金属コア要素(metal core element)が、歯車と中間車のまわりにゴムのクローラを動かすために嵌め込まれている。各金属リンクは中心に土台を含み、上記土台はゴムのベルトの横方向に広がっており、上記土台の中心はガイディングを備えている。ガイディングの両側には、ゴムのベルトの内部表面の方に向かって突出している突出部が、連続する金属リンクの突出部が支持ロールの走行面を形づくるように備えられている。走行面をできるだけ連続にするために、突出部は、クローラの縦方向に引き延ばされると共に、金属リンクに対してゴムのベルトの縦方向に広がっている。金属リンクの土台と突出部の底部の間の空間は、少なくとも部分的にゴムで満たされている。
【0002】
EP−A−118.912で公開されたゴムのクローラは、しかしながら、クローラの曲げ方向での剛性が大きく、このことは、ゴムのベルト、特に、ゴムのクローラの使用中における、金属リンクの間に位置付けられるゴムの相における裂け目の形成を導くと共に、疲労性の破砕を引き起こすという欠点を有している。
【0003】
上記裂け目や疲労性の破砕の形成を減じることができるゴムのクローラを提供することがこの発明の目的である。
【0004】
これは、最初の請求項の特性を表す部分で記述された特徴を有するこの発明によって達成される。
【0005】
この発明のゴムのクローラでは、第1および第2突出部は、各々、ゴムのクローラの横方向で、金属リンクの向かい合う側に、金属リンクの土台からそれの上方に延びている第1および第2の前部表面を有している。クローラの縦方向で測られれば、第1および第2前部表面の両方は、土台に対して向かい合う方向に傾斜している。土台に対する第1および第2の前部表面の傾斜は90°より小さく、その結果、金属リンクは、突出部の前部表面とゴムのベルトの内側表面の間の空間がゴムにほとんど束縛されないような方法で、ゴムのクローラに嵌め込まれることができる。
【0006】
クローラの縦方向で測られれば、第1および第2突出部の先端面は、土台の幅Wbよりも小さな長さWtを有していて、その結果、突出部は金属リンクに対して広がることはない。突出部の制限された長さ、および突出部、特に、それの前部表面と、ゴムのベルトの接着の欠如により、連続する金属リンクの突出部の間には大きな束縛されない空間が残存している。この方法では、ゴムのクローラの実現可能な最小限の曲げ半径の縮小が得られる一方、しかしながら同時に、クローラの動く方向における、ゴムのベルトの曲がり易さやしなやかさを向上させることができる。同時に、ゴムのクローラの使用中に、連続するリンクの間で終えられるかもしれない石や砂の排出を向上させることができる。また、突出部の前部表面とゴムのベルトの間の接着の欠如のおかげで、裂け目や疲労性の破砕を導くと共に、ベルトの内側のリンクの傾きによって引き起こされるゴムのベルトの張力を、減じることができる。土台に対する第1および第2の前部表面の傾斜αとβは、一つの同じ金属リンクにある第1および第2突出部の先端面がクローラの横方向で>0である重なりO1を有し、かつ連続する金属リンクの第1および第2突出部の先端面がまたゴムのクローラの横方向で>0である重なりO2を有すような方法で、第1および第2突出部の走行面の長さWtに合うように調整される。ここで、クローラの縦方向で測られれば、O1、O2および第1,第2突出部の先端面の長さWtは、Pを連続した金属リンクの中心間距離としたとき、
O1+O2=2Wt−P
となるように選ばれている。
【0007】
角度αおよびβを第1および第2突出部の先端面の長さWtに合うように調整することによって、ゴムのクローラの縦方向で測られた突出部が金属リンクに対して広がらず、しかしながら、一つのリンクの中の突出部の重なりや連続したリンクの間の突出部の重なりを維持し、それで、支持ロールの走行面の連続性を維持するような方法で、Wtを制限することが可能である。結果として、クローラの縦方向で測られれば、Wtは土台Wbの幅よりも小さくなる。突出部の先端面の長さが制限されているので、ゴムのクローラの曲げ性と寿命に決定的な影響を及ぼすことができる。突出部の特別な取り付けと向上した連続性によって、支持ロールの走行面を最も効果的にすることができ、かつ、金属リンクの走行面に対する支持ロールの動作によって引き起こされる振動を、制御のもとに維持することができる。
【0008】
この発明は、クローラの動作方向に対し向上した可撓性を有するゴムのクローラ得ることを可能にし、上記ゴムのクローラでは、ゴムにおける裂け目や疲労性の破砕が発生する危険性が減じられる。同時に、ゴムのクローラの使用中に、リンクの間で終えられるかもしれない物質の向上した排出を実現させることができる。支持ロールの走行面の向上した連続性によって、連続する金属リンクと支持ロールの不連続な接触によって引き起こされる振動もそれにしたがって減じられることができる。それで、この発明では、支持ロールの走行面の連続性を効果的にできると同時に、クローラの可撓性の向上とクローラから外側への物質の排出をできるようにすることができる。
【0009】
支持ロールが最も効果的な連続性を有する走行面を得るために、O1はO2と略同じであることが好まれる。
【0010】
第1および第2突出部の走行面の長さWtはまた、狭いスプロケットを有するゴムのクローラの場合でさえ、連続する金属リンクの突出部の間の充分な重なりを供給するために、メタル部分のスプロケットの幅であるWsよりも大きいか、あるいは同等であることが好まれる。
【0011】
ゴムのクローラの曲げ易さやしなやかさを犠牲にすることなしに、ゴムのベルトでの金属リンクの安定化を向上させるために、第1および第2のフェンダは、ゴムのクローラの縦方向で測られれば、それらの全体の長さに渡って実質的に一定の幅(底部でWw2先端でWw1)を有することが好まれる。金属リンクおよびゴムのクローラの製造工程を簡単にするために、第1突出部の前部表面と土台の間の角度αは、第2突出部の前部表面と土台の間の角度βと実質的に同等に取られることが好まれ、そして第1突出部の長さWtは、第2突出部の長さWtと同等に取られることが好まれる。
【0012】
好ましくは、第1および第2突出部は、クローラの縦方向で測られれば、それらが土台の中を横切る位置で、幅Wbを有しており、上記幅Wbは、実質的にフェンダの幅Ww2と同じである。この特徴は、近似的に、土台の中への突出部のつなぎ目のない横断を可能にすると共に、非常に重要な金属リンクの土台による突出部の土台の申し分のない支持を可能にする、それで、突出部における、金属リンクの土台に対して働く力の向上した分散、および突出部の向上した耐久性を導くことができる。
【0013】
この発明のゴムのクローラでは、ゴムのベルトの縦方向で測定されれば、第1および第2突出部の先端面の長さWtは、第1および第2フェンダの底部側の幅(Ww2)よりも小さいか、あるいは同等であることが好まれる。それで、そうすることによって、ベルトの可撓性を危うくすることなしにゴムベルトでの金属リンクの向上した安定性を達成することができる。
【0014】
もし望まれるのであれば、一つあるいはそれより多い穴が、金属リンクのコストを低減し、また、金属リンクの重さをさらに減らす目的で、そして、ベルトのゴムへの、リンクの向上した固定を提供する目的で、第1および第2フェンダに備えられることができる。
【0015】
EP−A−490.829から、各金属リンクが中心にスプロケットを含むゴムのクローラが公開されており、上記ゴムのクローラでは、突出部が、スプロケットの両側に備えられている。突出部は、互いから短い距離に位置づけられると共に、金属リンクの一つの側に対して縦方向に互いに対し平行に延びている最初の組みのフラップ(flaps)、および互いから遠い距離隔てられると共に、金属リンクに対し反端側に延びている二番目の組みのフラップを備えている。支持ロールの走行面の連続性を向上させるために、第1リンクの最初のフラップは、連続するリンクの二番目のフラップの間に位置している。しかしながらフラップの存在のおかげで、EP−A−490.829のゴムのクローラは、EP−A−0.118.912で公開されているゴムのクローラよりも、いっそう大きな剛性と裂け目や疲労性の破砕の発生の大きな危険性を示している。
【0016】
この発明はまた、ゴムのクローラの製造のための工程に関係している。
【0017】
この発明の工程では、鋳型での、第1および第2の長方形の保持器は、ゴムのクローラの縦方向で互いに平行に取り付けられている。各保持器は、複数の平行な隔壁を含み、この隔壁の間には、穴が金属リンクの突出部を支持するために備えられ、突出部は保持器の底にそれらの先端面を静止させている。隔壁は、金属リンクが互いから決められた距離を保つことを保証する。クローラの横方向で測られれば、第1および第2保持器の隔壁は、直線上に配置され、その結果、金属リンクは、クローラの横方向で支持される。保持器の縦方向で測定された隔壁の長さは、連続する金属リンクの間の距離を定義している。保持器の縦方向で測られた穴の長さは、突出部がゴムで覆われることを回避するために、隔壁と突出部の間の隙間がそんなに大きくならないように選ばれる。金属リンクが保持器で位置どりされた後、鋳型はゴムで満たされて閉じられる。ゴムが加硫された後、クローラは鋳型から取り除かれ、保持器はクローラから取り除かれる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図6で示されるゴムのクローラ8は、歯車10のまわりを動くエンドレスのゴムべルト9を備えている。上記歯車10の間を、ゴムベルト18の内側に沿って、支持ロール(supporting rolls)11が、ゴムベルト9を支持するために配置されている。ベルト9の周方向では、複数の略平行な金属リンク1,21が、互いから略規則正しい間隔を隔てられてはめ込まれている。穴20は、ゴムベルトの中心で、連続する金属リンク(metal links)1,21の間に配置されており、上記穴20で、歯車は、図4で示されるゴムベルト9を動かすように噛合する。金属リンク1は、ベルト9のゴムに金属との化学的な接着を成し遂げるために、たいてい予め化学的な取り扱いを受けている。
【0019】
図1および図2で示すように、各金属リンク1は、支持ロールのために走行面を形成する第1および第2突出部5,15を備えている。各突出部5,15と金属リンク1の端19の間には、側面ガイディング(side guiding)23が備えられるかもしれない(図7参照)。
【0020】
図1および図2で示された金属リンク1は、底で幅Wbを有する土台2を備えている。土台2は、中心に、ベルト9の縦方向または金属リンク1の横方向で測られた、幅Wsを有するスプロケット(sprocket)3を備えている。スプロケット3の両側には、ゴムのベルト9の横方向に延びているフェンダ(wing)4が配置されている。
【0021】
フェンダ4は様々な形状を有することができる。リンク1の縦方向では、フェンダ4が、全長にわたって、一定か、あるいは変化する高さを有しているが、略一定の高さを有することが好まれる。全ての高さにわたって、フェンダ4は、一定の幅Wwか、あるいは変化する幅Wwを有することができる。好ましくは、土台でのフェンダの幅WW2が、フェンダ4の先端面の幅WW1よりも大きく、その結果、フェンダはゴムベルト9で傾くことができ、ゴムのクローラ8の可撓性や曲げ性を向上させることができる。フェンダ4における、金属リンク1の両端19では、ゴムベルト9への金属リンク1の向上した固定を提供するために、土台の高さ全体を貫通して広がる穴13が備えられている。
【0022】
金属リンク1は、第1突出部5と第2突出部15を備えている。ゴムのクローラ8の横方向に置かれている第1および第2突出部5,15は、スプロケット3の向かい合っている側に備えられている。第1突出部5は、金属リンク1の横方向か、あるいはゴムベルト9の縦方向で測られた長さWtを有する第1先端面6を持っている。第2突出部15は、金属リンク1の横方向か、あるいはゴムベルト9の縦方向で測られた長さWtを有する第2先端面16を持っている。第1および第2突出部6,16の長さWtは等しいことが好ましい。先端面6,16の長さWtは、土台2の幅Wbよりも小さいか、あるいは等しいことが好まれ、このことは、ゴムのクローラの縦方向で測られれば、突出部5,15が金属リンク1の土台2に対して広がらないことを意味する。
【0023】
突出部5,15が金属リンク1の土台2に対して広がっていないので、支持ロール11のための走行面6,16とリンク1の土台2の間の強化された接合を得ることができ、そして、土台2の走行面上で働く向上した転移力を得ることができる。より小さな走行面のおかげで、物質の使用量と、それに対応する金属リンク1,21の重さは、最小にされることができて、そのことは、金属リンクのコストについて、肯定的な影響を及ぼすことになる。他方、接触の長さを最小にして、しかし、走行面6,16の最大限の重なりを確保することができ、支持ロール11の動作によって、生み出される騒音を最小にすることができる。
【0024】
ゴムのクローラの横方向で測られれば、第1突出部5は、好ましくは略平坦であると共に、金属リンク1の土台に対しては角度α<90°を有する傾斜を持つ第1の前部表面7を有する。突出部5はまた、好ましくは略全体の高さにわたって上記前部表面7に平行に走る第1の後部表面27を備えている。
【0025】
ゴムのクローラの横方向で測られれば、第2突出部15は、好ましくは、略平坦であると共に、金属リンク1の土台に対して角度β<90°を有する傾斜を持つ第2の前部表面17を有する。αは、βと略同等であることが好ましい。第2突出部16はまた、好ましくは第2の前部表面17に平行な第2の後部表面28を備えている。第1および第2の前部表面7,17は、できるかぎり平坦に作られているので、突出部5および15がゴムに実質的に束縛されないような方法で、また、第1と第2の前部表面7,17の間に、ゴムに実質的に束縛されない空間が存在するような方法で、金属リンクをゴムのベルトに嵌め込むということを実現することができる(図4および図5参照)。
【0026】
第1および第2突出部5,15は、互いに対して向かい合う方向で土台に対して傾斜しており、その結果、支持ロール11の走行面の連続性をさらに向上させるために、第1および第2先端面6,16は、ゴムのクローラ8の縦方向で互いに対して方向が変えられている。これは、ゴムベルト9の縦方向で測られれば、第1突出部5の先端面6が、例えば、第2突出部の先端面16に対する前方の方へ方向を変えられているということを意味している(図2a,2bおよび5参照)。フェンダ4を横切る位置での突出部5,15の幅は、ゴムのクローラ8の縦軸で測られれば、フェンダ4の幅WW2と同等であることが好ましい。同じ金属リンク1の第1突出部5と第2突出部15の先端面6,16は、互いに対して、それらの走行面が部分的にゼロか、あるいはゼロよりも大きい重なりO1を有して重なり合うように方向が変えられている。この互い違いの突出部の配置は、支持ロール11の金属リンク1に対する動作の最中、支持ロールが、第1先端面6を最初に終える前に、それが第1先端面6に充分に残っている状態で、第2先端面16に接触するようになることを保証する。
【0027】
連続する金属リンク1は、最初の金属リンクの第1突出部5の先端面と連続する金属リンク21の第2突出部15の先端面によって形成される走行面が、互いに対して、ゼロか、あるいはゼロよりも大きい重なりO2を有すような方法で取り付けられるのが好ましい。この方法では、最初の金属リンク1に対する変位の推移中に、支持ロール1を、最初の金属リンク1の先端面に十分残っている状態で、連続した金属リンク21の先端面16に接触するようにすることができる。O1およびO2の両方が>0であるので、突出部5,15の先端面の端にそった金属リンク1,21の摩耗もまた低減され、それによって、ゴムで作り出される圧力も同様に低減される。
【0028】
この発明のゴムのクローラ8では、ゴムのベルト9の縦方向で測られれば、連続する金属リンク1,21の先端面6,16の間の十充分な重なりを保証するために、第1および第2突出部の先端面6,16の長さWtは、ゴムのベルト9の縦方向で測られたスプロケット3の長さWsと同じか、あるいはスプロケット3の長さWsよりも大きいことが好まれる。もしWsが非常に小さいならば、これは特に重要である。
【0029】
第1および第2突出部5,15は、様々な形状を有することができるが、図3aおよび図3bに示すように、突出部の上向きの方向で実質的に一定の寸法を有し、ゴムのクローラ8の横方向や縦方向でも実質的に一定の寸法を有することが好ましい。第1および第2突出部5,15の先端面6,16は、様々な形状を有することができて、ゴムのベルトが適用される場所に応じて、例えば略平坦や、丸みを帯びるか、階段状にすることができる。
【0030】
ゴムのベルト9では、一つあるいはそれより多いスチールコード9が、縦方向でのゴムベルト9の張力の強さを向上させるために嵌め込まれることが好ましい。
【0031】
この発明の金属リンク1は、一つの断片や、二つの断片や、あるいはそれより多い分離された断片から形成されることができる。後者の場合には、図7aおよび図7bに示すように、金属リンク1は、受(carrier)22と、支持ロール11を案内するためのガイディング(guiding)23を備えている。
【0032】
受22およびガイディング23は、分離している断片として構成されると共に、ゴムのベルト9に対する支持ロール11の動作によって引き起こされる振動を吸収するための制振層(damping layer)24で互いに接合されることが好ましい。また、制振層24の存在のおかげで、振動がゴムのクローラ8の外側から内側にまともに転移することを防止することができる。制振層24を形成する素材は、振動を吸収する手段としての機能だけでなく、受22とガイディング23を接着するための接着手段としての機能を有するような素材を選択することが好ましい。制振層24は、当該技術に精通した人々にはよく知られているように、幅広い範囲の素材から製造されることができ、例えば、弾性を有する化学繊維や、例えば可撓性があるゴムで製造されることができる。制振層24は、例えば、ゴムのベルト15を構成するゴムと同じゴムで構成されることができるし、異なった素材で構成されることもできる。
【0033】
ガイディング23は、一つ、または、それより多い断片から構成されることができる。図7aおよび7bで示される実施形態では、ガイディング23は、一つの断片で構成されている。受22には、ガイディング23を支持するために受22の厚さ全体を貫通して広がる第1および第2の穴13が備えられている。ガイディング23は、支持ロール23との頻繁な接触のおかげで、摩耗しがちであるので、それは、摩耗しにくい素材で構成されることが好ましく、摩耗に大きな抵抗を有する金属で構成されることが好ましい。
【0034】
ガイディング23は、第3および第4突出部25を備えることが好ましく、上記突出部25は、受22の厚さ全体を貫通して広がると共に、ゴムのベルト9に対するガイディング23の向上した固定を可能にする穴26を備えることが好ましい。ゴムのベルト9の周方向には、たいていスチールコード12がゴムのクローラ8に張力を与えるために備えられる。スチールコード12は、連続する金属リンク1,21の穴26を通ってクローラの周方向に通じている。この工具による固定のおかげで、ゴムとメタルの化学的接着の効力がなくなっても、金属リンク1,21が、ゴムのクローラ8から弛むことを回避することができる。
【0035】
同じ金属リンクでのガイディング23、および連続する金属リンクのガイディング23は、支持ロール11の走行面の連続性を向上させるために、交差するように取り付けられることが好ましい。取り付け具の機能においては、受22に横たわるか、あるいはそれに同じ高さで取り付けられるガイディング23のために、受け22が選ばれることができる。ガイディング23は、横向きの障害物を乗り越えることを容易にすると共に、横向きのの障害物を乗り越えたことで生じた振動を減らすために、受22に対して傾いて取り付けられることが好ましい。
【0036】
受22およびガイディング23は、同じ素材か、あるいは異なった素材から形成されることができるが、異なった素材から形成されることが好まれる。図7aおよび図7bで示されているように、受22とガイディング23とは、互いに対して受22とスプロケット3の向上させられた位置どりを可能にするために、相補的で助け合っている輪郭面を備えることができる。
【0037】
この発明の工程で使用される図8に示す保持器29は、長方形であり、かつ、底30を含んでいて、上記底30には、互いから予め決められた距離隔てられた複数の平行な隔壁31が備えられている。隔壁31の間には、穴32が、連続した金属リンク1,21の突出部5,15を支持するために備えられている。金属リンク1は、保持器29に対して、突出部の先端面6,16が、保持器の隔壁31の間にある穴32の底30に静止するような方法で取り付けられている。隔壁31は、ゴムが突出部5,15の上にかぶさることを回避するために、前部表面7,17と一方の隔壁の間、および、突出部5,15の後部表面27,28と他方の隔壁との間の夫々に、小さな隙間が存在するような方法で互いに対し据えつけられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、この発明の金属リンクの部分を示す。
【図2】 図2は、この発明の連続する金属リンクを示す。
【図3a】 図3aは、図1での線分IIIaに沿った部分を示す。
【図3b】 図3bは、図1での線分IIIbに沿った部分を示す。
【図4a】 図4aは、この発明のゴムのクローラの横断面を示す。
【図4b】 図4bは、縦方向での部分を示す。
【図5】 図5は、この発明のゴムのクローラの底側の図を示す。
【図6】 図6は、機械に取り付けられたクローラを示す。
【図7a】 図7aは、この発明の金属リンクのゴムのベルトに嵌め込まれていない他の実施形態を示す。
【図7b】 図7bは、この発明の金属リンクのゴムのベルトに嵌め込まれている他の実施形態を示す。
【図8】 図8は、この発明の工程で使用される保持器の側面図を示す。
Claims (11)
- 二つの歯車(10)の周りを駆動されるエンドレスのゴムのベルト(9)と、
互いに略平行で、かつ、互いから規則正しい距離で、ゴムのベルト(9)の周方向に嵌め込まれている複数の金属リンク(1)とを備え、
上記金属リンクは、歯車(10)の間に備えられている支持ロール(11)を案内するためにゴムのベルト(9)の横方向に延びており、各金属リンク(1)は、
a)中心を有する土台(2)を備え、上記中心にスプロケット(3)が設けられており、
b)また、ゴムのベルト(9)の横方向に延びている第1および第2フェンダ(4)を備え、上記第1フェンダ(4)は、スプロケット(3)の第1の側に位置し、上記第2フェンダ(4)は、上記第1の側の反対方向のスプロケット(3)の第2の側に設けられており、
c)また、上記スプロケット(3)の第1の側において上記スプロケット(3)と上記第1フェンダ(4)の間に設けられた第1突出部(5)と、上記スプロケット(3)の第2の側において上記スプロケット(3)と上記第2フェンダ(4)の間に設けられた第2突出部(15)とを備え、
上記第1および第2突出部(5,15)は上記ゴムのベルト(9)の高さ方向に上記土台(2)に対して上記金属リンク(1)の上方(H)に延びており、上記第1および第2突出部(5,15)は各々、第1および第2先端面(6,16)を有しているゴムのクローラ(8)において、
a)上記土台(2)は、上記ゴムのベルト(9)の縦方向に幅Wbを有しており、
b)上記第1先端面(6)および第2先端面(16)は、上記ゴムのベルト(9)の縦方向に、Wt≦Wbを満たす長さWtを有しており、
c)上記第1突出部(5)および上記第2突出部(15)は、各々、上記ベルト(9)の縦方向に沿った方向である上記金属リンク(1)の横方向に、第1前部表面(7)および第2前部表面(17)を有しており、上記第1および第2前部表面(7,17)は、金属リンク(1)の両側に配置されていて、
d)上記第1および第2前部表面(7,17)は、実質的に平坦で、上記金属リンク(1)の上方に上記土台(2)から延びており、上記第1前部表面(7)と上記第2前部表面(17)とは、上記土台(2)に対して正反対の方向に傾いていて、上記第1および第2前部表面(7,17)の各々は、上記土台(2)に対して角度αおよびβ<90°を形成しており、
e)αとβとWtは、上記第1先端面(6)および上記第2先端面(16)が、金属リンク(1)の横方向に、重なりO1≧0を有するように、また、連続する金属リンク(1,21)の上記第1先端面(6)と第2先端面(16)が、ゴムベルトの横方向に、重なりO2≧0を有し、Pを二つの連続する金属リンク(1,21)の中心間距離としたとき、O1+O2=2Wt−Pを満たすように選ばれており、
f)連続する金属リンク(1,21)の第1突出部(5)の間には、ゴムが存在しない空間があり、連続する金属リンク(1,21)の第2突出部(15)の間には、ゴムが存在しない空間があることを特徴とするゴムのクローラ。 - 請求項1に記載のゴムのクローラにおいて、上記O1は、上記O2 と同等であることを特徴とするゴムのクローラ。
- 請求項1または2に記載のゴムのクローラにおいて、上記第1および第2突出部(5,15)のWtは、Wsを上記スプロケット(3)の幅とするとき、Wsより大きいか、あるいは同等であることを特徴とするゴムのクローラ。
- 請求項1乃至3のいずれか1つに記載のゴムのクローラにおいて、実質的に全長に渡って、上記第1および第2フェンダ(4)は、ゴムのクローラ(8)の縦方向で測られれば、一定の幅を有することを特徴とするゴムのクローラ。
- 請求項1乃至4のいずれか1つに記載のゴムのクローラにおいて、αは実質的にβに等しく、また、上記第1突出部(5)のWtは、上記第2突出部(15)のWtと実質的に等しいことを特徴とするゴムのクローラ。
- 請求項1乃至5のいずれか1つに記載のゴムのクローラにおいて、上記第1および第2突出部(5,15)が上記土台(2)を横切る位置において、記第1および第2突出部(5,15)は、クローラ(8)の縦方向で測られたとき、W w2と同等の幅を有することを特徴とするゴムのクローラ。
- 請求項1乃至6のいずれか1つに記載のゴムのクローラにおいて、上記金属リンク(1)は、スプロケットの一つ目の側と二つ目の側の各々で第1および第2の端(19)を有し、そして、上記金属リンク(1)の第1および第2の端(19)には、穴(13)が、上記金属リンク(1)の厚さ全体を貫いて、クローラ(8)の横方向に広がった状態で備えられていることを特徴とするゴムのクローラ。
- 請求項1乃至7のいずれか1つに記載のゴムのクローラにおいて、上記金属リンク(1)は、少なくとも互いに結び付けられている二つの部分から構成され、第1の部分は上記支持ロール(11)を案内するためのガイディング(23)を備えていて、第2の部分はガイディング(23)を支持するための受(22)を備えていて、上記受(22)と上記ガイディング(23)とは別々の部分として構成されると共に、互いに結合されていることを特徴とするゴムのクローラ。
- 請求項1乃至8のいずれか1つに記載のゴムのクローラの一部としての金属リンク。
- 請求項1乃至8のいずれか1つに記載のゴムのクローラを製造するための方法であって、
a)鋳型において、クローラの縦方向に、第1と第2の長方形の保持器(29)が、互いに平行に取りつけられ、各保持器(29)は、底部面(30)と上記保持器の縦方向で平行な複数の隔壁(31)を備え、穴(32)が、連続する隔壁(31)の間に形成され、各穴(32)は、上記隔壁(31)と突出部(5,15)の間に実質的に隙間がないように寸法が決められ、
b)上記金属リンク(1)がクローラ(8)の横方向に広がるような方法で、複数の平行な金属リンク(1)は、上記第1および第2保持器(29)に配置され、上記金属リンク(1)の第1突出部(5)は、上記第1突出部の上記先端面(6)を上記保持器の底部面(30)の方に指向するような状態で、上記第1保持器の穴(32)に配置され、上記金属リンクの第2突出部(15)は、上記第2突出部の上記先端面(16)を上記保持器の底部面(30)の方に指向するような状態で、上記第2保持器の対応した穴(32)に配置されて、
c)鋳型は閉じられ、ゴムは、クローラ(8)を形成するために充分な量が導入され、かつ、ゴムの中に金属リンクが埋め込まれることを特徴とするゴムのクローラを製造するための方法。 - 請求項10に記載のゴムのクローラを製造するための方法において、ゴムが加硫処理を受け、かつ、上記クローラ(8)が鋳型から取り除かれた後に、上記保持器(29)が取り除かれるということを特徴とするゴムのクローラを製造するための方法。
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