JP4529889B2 - 圧電振動体、圧電振動体の調整方法、圧電アクチュエータ、時計、電子機器 - Google Patents

圧電振動体、圧電振動体の調整方法、圧電アクチュエータ、時計、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、圧電素子への電圧印加により振動する圧電振動体、この圧電振動体の調整方法、これらの圧電振動体を備えた圧電アクチュエータ、時計、および電子機器に関する。
従来、圧電素子を用いた圧電振動体が電子回路における発振子やアクチュエータなどに使用されている。このような圧電振動体では、材料特性および寸法により固有振動数が決まるが、圧電材料の特性がばらつきやすいこと、また、圧電振動体の加工寸法にも誤差が生じることから、個々の振動体における固有振動数の調整が欠かせない。
ここで、固有振動数を調整する方法として、レーザーにより、短冊状の圧電素子を長さ方向における端部から数十ミクロンずつ順次削ぎ落とす方法が知られている(特許文献1)。つまり、圧電素子の長さを短くすることで固有振動数が調整されている。
また、圧電振動体に塗料を塗布することにより、固有振動数を調整することも知られている(特許文献2)。ここでは、検出された圧電振動体の共振周波数に基いて塗料の塗布位置および塗布量が算出され、所定の共振周波数となるまで塗料吐出器によって振動体に塗料が繰り返し塗布されている。
一方、圧電振動体を備えたアクチュエータにおいて、圧電振動体の一部が縦振動および屈曲振動が重なった楕円軌跡を描き、その楕円運動する部分に被駆動体を当接させて駆動する場合は、縦振動および屈曲振動それぞれにおける共振を利用して高効率で駆動するため、縦振動および屈曲振動それぞれの固有振動数が所定の関係になるように調整する必要がある。そこで、円筒状の振動体の外周部に設けられた周波数調整部を切削、研磨、溶解などにより切除して振動体の径を小さくすることにより縦振動および屈曲振動の共振周波数の差を調整することが提案されている(特許文献3)。
特開平6−204778号公報([0018]〜[0020]、図1) 特開平10−32445号公報([0011]、図1) 特開平10−146070号公報([0093]、図1、図3)
しかしながら、特許文献1のように、圧電素子を削ぎ落として振動体そのものの寸法を変更する方法では、必要となるエネルギー量が大きく、圧電振動体に加えられた力や熱によってQ値などの振動特性が劣化するおそれがある。また、圧電素子を削ぎ落とすのには時間が掛かるのでサイクルタイムが増大してしまう。さらに、調整に要する加工の程度が大きく、レーザービームが照射される圧電素子の表面から正確な寸法で裏面まで削ぎ落とすのは困難であるため、固有振動数を必ずしも一定の幅で調整できずに調整量がばらついてしまうという問題がある。
特許文献3についても、特許文献1の場合と同様に、振動特性の劣化、サイクルタイムの増大、調整量のばらつきなどの問題がある。特に、所望の楕円軌跡を得るには、縦振動および屈曲振動双方の固有振動数を作りこまなければならず、各固有振動数が少しでもばらつくと振動特性が非常にばらつくので、圧電アクチュエータを安定的に駆動させることが難しい。特に、低出力用の振動体ではこの振動特性のばらつきは致命的な問題となる。
一方、特許文献2のような方法では、塗料の吐出量制御が難しいため、個々の圧電振動体における塗布量がばらつき、その調整結果は満足がいくものではなかった。そのうえ、塗布量を多くすると振動特性が劣化するおそれがあるため、塗布量が制限されてしまい固有振動数をごく僅かな範囲でしか調整できないという問題があった。
このような問題点に鑑みて、本発明の目的は、簡便な構成により、振動特性を殆んど劣化させることなく固有振動数の調整量を確保でき、さらに固有振動数の調整量のばらつきを小さくして固有振動数を確実に調整でき、これによって固有振動数に関する個体差を解消することができる圧電振動体、圧電振動体の調整方法、圧電振動体を備えた圧電アクチュエータ、時計、および電子機器を提供することにある。
本発明の圧電振動体は、電極が設けられた圧電素子を備え、前記電極への電圧印加により振動する圧電振動体であって、前記電極は、電圧が印加される駆動電極と、この駆動電極と隣り合う調整用電極とを備えて構成され、前記調整用電極は、前記駆動電極と隣り合う部分に当該駆動電極と導通する導通部を有し、この導通部が前記駆動電極側と前記調整用電極側とに電気的に切断されることにより、固有振動数が調整されていることを特徴とする。
この発明によれば、初期状態では調整用電極は導通部で駆動電極と互いに導通しているが、振動体の特性を検査した結果を基に導通部が切断されることによって調整用電極が駆動電極から切り離され、この駆動電極と調整用電極との絶縁により圧電素子において電圧が印加される領域が小さくなることで固有振動数が調整される。すなわち、電極の一部に設けられた調整用電極は、圧電素子における固有振動数の調整用領域であって、調整用電極の圧電素子における位置、大きさ、範囲に応じて固有振動数の調整量が確保される。ここで、電極は、エッチングやスクリーン印刷技術により、容易に、高精度にパターニングすることができ、このように正確にパターニングされた調整用電極があらかじめ設けられていることによって、調整用電極の駆動電極と隣接する部分に設けられた導通部を如何に切断しても調整量には殆ど影響しないので、個々の圧電振動体における固有振動数の調整量のばらつきを小さくできる。したがって、調整量を予め把握できるので固有振動数を確実かつ簡便に調整でき、固有振動数に関する個体差を解消して信頼性を大きく向上させることができる。
この固有振動数の調整は、機器に組み込まれた状態の圧電振動体の振動特性の検査結果に基いて行うこともできる。これにより、固有振動数を変化させる要因となる圧電振動体の支持部材の構造、支持部材への固定条件、組み込み時の熱影響などに対応して、使用状態に近い状態で固有振動数を調整できる。
そして、このような固有振動数の調整は、圧電素子に設けられた電極のみを切断(カット)することにより行われるので、圧電素子そのものを加工する場合と比べて簡便で、かつ振動体へのダメージを格段に小さくでき、Q値低下(振動の減衰)などの振動特性の劣化が殆んど生じない。また、電極部分のみの切断であるから、切断にエンドミル、超音波カッターなどを使用しても、短いサイクルタイムで調整できるとともに設備投資も少なくて済む。なお、導通部の切断にレーザーを使用すれば、導通部を非接触で瞬間的に切断できる利点があり、これは機器への組み込み後に振動体を調整する場合に適している。
駆動電極および調整用電極は、例えば、圧電素子にめっき、スパッタ等により形成した電極をエッチングなどで線状に除去することで形成できる。この除去の際、駆動電極と調整用電極とが隣り合う部分を僅かな区間で残し、この区間を導通部とすることが好ましい。このように、導通部を僅かな区間としておけば、調整のために導通部を切断する際、切断加工がとても短時間で行われるので、振動特性の劣化を回避でき、調整に要するサイクルタイムおよびコストも一層低減できる。
本発明の圧電振動体は、電極が設けられた圧電素子を備え、前記電極への電圧印加により振動する圧電振動体であって、前記電極は、電圧が印加される駆動電極と、前記駆動電極と間をおいて隣り合う調整用電極とを備えて構成され、前記駆動電極および前記調整用電極の間に導電性部材が設けられてこの導電性部材を介して前記駆動電極と前記調整用電極とが導通されることにより、固有振動数が調整されていることを特徴とする。
ここで、導電性部材としては、はんだやリード線、ボンディングワイヤ、導電性ペーストなどを採用できる。
この発明によれば、初期状態では調整用電極は駆動電極と絶縁されているが、振動体の特性を検査した結果を基に導電性部材が設けられることにより、導電性部材を介して調整用電極が駆動電極と導通(ショート、短絡)し、この調整用電極と駆動電極との導通によって調整用電極が電圧印加の範囲に含まれることで、前述した発明と同様に固有振動数が調整される。ここで、調整用電極が前述のように正確に形成されることにより、調整用電極と駆動電極との間に導電性部材を設けても、その配設態様による調整量への影響は極めて小さいものとなるので、個々の圧電振動体における固有振動数の調整量のばらつきを小さくできる。したがって、固有振動数を確実に調整でき、固有振動数に関する個体差を解消して信頼性を大きく向上させることができる。
また、このような固有振動数の調整は、圧電素子に設けられた電極同士を導通させることで行われるので、圧電素子そのものを加工する場合と比べて簡便、かつ振動体へのダメージを格段に小さくでき、振動特性が殆んど劣化しない。そして、サイクルタイムを短く、設備投資費を低減できる。
なお、前述の導通部の切断(カット)、およびここで述べた駆動電極、調整用電極間の導通(ショート)を併せて行うことによって固有振動数を調整することもできる。例えば、導通部を切断して駆動電極と調整用電極とを絶縁した後、導電部材を用いて駆動電極と調整用電極とを再び導通させることができる。
本発明の圧電振動体では、前記調整用電極は、複数設けられていることが好ましい。
この発明によれば、複数の調整用電極のうち調整用電極を適宜選択して前述のようにカットまたはショートさせることにより、選択された調整用電極の数だけ段階的に固有振動数を調整することができる。複数の調整用電極は、例えば所定方向に沿って並んで配置され、これらの調整用電極が並ぶ方向は、例えば縦振動や屈曲振動などの固有振動の方向に応じて決められる。
そして、各調整用電極それぞれによる調整量を小さくするほど固有振動数を規定値に近付けることができ、また、調整用電極の数を多くするほど、調整量を大きく確保することができる。このような調整用電極により固有振動数が段階的に調整されるため、調整の精度および歩留まりを向上させることができる。
ここで、前述のように、カット、ショートによる調整量への影響が極めて小さく、個々の圧電振動体における調整量のばらつきも小さいことから、選択された調整用電極の調整量を累積してもばらつきが小さく、調整の各段階における調整量が個々の振動体において一定範囲となる。これにより、固有振動数の段階的な調整が調整用電極を選択するだけで容易かつ確実に実現可能となる。
本発明の圧電振動体では、振動軌跡が互いに異なる複数の動作モードに切り替え可能であり、前記圧電素子は、前記動作モード別に設けられて当該動作モードに応じて電圧印加、電圧非印加が切り替えられる複数の調整領域を有し、前記駆動電極および前記調整用電極は、前記調整領域にそれぞれ設けられ、前記固有振動数の調整は、前記各動作モードごとに実施されていることが好ましい。
この発明によれば、各動作モードにおいてそれぞれ、固有振動数が所定の規定値に調整されるので、各動作モードごとに所望の振動特性を実現できる。
本発明の圧電振動体では、振動軌跡が互いに異なる複数の動作モードに切り替え可能であり、前記圧電素子は、前記動作モード別に設けられて当該動作モードに応じて電圧印加、電圧非印加が切り替えられる複数の調整領域を有し、前記駆動電極および前記調整用電極は、前記調整領域にそれぞれ設けられ、前記固有振動数の調整では、前記各動作モード間における前記固有振動数の差が調整されていることが好ましい。
この発明によれば、各動作モード間における固有振動数の差が調整されるため、各動作モード間の振動特性のばらつきを解消したり、各動作モード間で、所定の振動特性の差を設けたりすることが可能となる。
本発明の圧電振動体では、前記振動体は、平面略矩形状であって縦振動および屈曲振動を振動し、前記動作モードの一方に対応する前記調整領域と、前記動作モードの他方に対応する前記調整領域とは、前記振動体の図心を通る長手方向に沿った中心線に対して線対称にそれぞれ配置されていることが好ましい。
この発明によれば、縦振動および屈曲振動の重なりにより、圧電振動体の一部における楕円運動を励振可能であり、また、振動体の長手方向に沿った中心線に対して線対称に配置された調整領域をモードに応じて使い分けることによって振動軌跡を切り替え、一方のモードと他方のモードとで振動体の長手方向に沿った中心線に対して軌跡が線対称で、かつ回り方向が逆向きの楕円運動を生じさせることができる。これにより、当該圧電振動体における楕円運動の振動を被駆動体に伝達するアクチュエータを構成する場合は、楕円運動の軌跡および向きを切り替えることにより、被駆動体を所定の正方向に駆動し、また、この正方向とは逆の方向にも駆動できる。ここでは、一方の動作モードは正方向駆動モード、他方の動作モードは逆方向駆動モードとみなすことが可能である。
ここで、一方の動作モード時に用いられる調整領域と他方の動作モード時に用いられる調整領域とが振動体の長手方向に沿った中心線に対して線対称に配置されていることから、一方の動作モードにおける楕円軌跡と他方の動作モードにおける楕円軌跡とを互いに対称にでき、両モードにおける駆動性能を略同等にすることが可能となる。
また、このように両動作モードにおける調整領域が線対称に配置されていることから、各動作モードにおける固有振動数の調整量を別々に求めなくても済む。例えば、圧電振動体のサンプルに基き、一方の動作モード時に用いられる調整領域における固有振動数の調整量を求めることで、この調整量を、他方の動作モード時に用いられる調整領域における固有振動数の調整量とみなすことも可能となるから、固有振動数の調整を容易にできる。
本発明の圧電振動体では、複数の振動モードで振動し、前記固有振動数の調整において、前記複数の振動モードにおける各共振周波数の差が調整されていることが好ましい。
この発明によれば、複数の振動モードにおける振幅をそれぞれ確保するようにこれらの振動モードにおける各共振周波数の差が調整されることにより、圧電振動体の一部における楕円運動を実現できる。すなわち、複数の振動モードにおける各共振周波数の差が大き過ぎると、縦振動などの一次振動による屈曲振動などの二次振動の励振効果や、一次振動による他の一次振動の励振効果が弱まって楕円運動を実現できないおそれがあり、逆に、これらの振動における各共振周波数の差が小さ過ぎた場合は、駆動周波数帯が小さいため周波数の制御が難しく、動作が不安定となりやすいが、各共振周波数の差が適切に調整されることにより、楕円運動の軌跡を個々の振動体において一定のものとすることができる。これにより、所定の振動特性を満たす圧電振動体を安定的に供給することができる。
また、振動体において楕円軌跡を描く部分を被駆動体に当接させることにより、被駆動体が高効率で駆動されるので、ここで述べた圧電振動体はアクチュエータ用として好適である。
ここで、前述のように、複数の調整領域への電圧印加、非印加の切り替えにより、複数の動作モードで動作する場合には、各動作モードごとに、複数の振動モードにおける各共振周波数の差が調整されることになる。
また、このように複数の動作モードで動作する場合であって、さらに各動作モード間における固有振動数の差が調整される場合には、各動作モード間における複数の振動モードの各共振周波数の差が調整されていてよい。
本発明の圧電振動体では、板状に形成され、縦振動および屈曲振動が重ねられて振動し、前記固有振動数の調整において、前記縦振動および前記屈曲振動における各共振周波数の差が調整されていることが好ましい。
ここで、電圧印加によって圧電素子が伸縮することにより、板状の振動体は縦振動および屈曲振動を励振し、これらの縦振動と屈曲振動が各々の固有振動数で重なると振動体の一部が楕円軌跡を描いて運動する。
この発明によれば、圧電振動体が板状に形成されることで圧電振動体を薄型にでき、この圧電振動体が組み込まれた機器の厚さも薄くすることができる。
また、縦振動および屈曲振動の振幅が確保されるように縦振動における共振周波数と屈曲振動における共振周波数との差が調整されることにより、圧電振動体の一部における楕円運動を実現できる。すなわち、縦振動および屈曲振動における各共振周波数の差が大き過ぎる場合は、二次振動である屈曲振動の励振効果が弱まり、楕円運動を実現できないおそれがあり、一方、縦振動および屈曲振動における各共振周波数の差が小さ過ぎる場合は、駆動周波数帯が小さいために周波数の制御が難しく、動作が不安定となりやすいところ、縦振動および屈曲振動における各共振周波数の差が適切に調整されることにより、楕円運動の軌跡を個々の振動体において一定のものとすることができる。これにより、所定の振動特性を充足する圧電振動体を安定的に供給することができる。
ここで、縦振動および屈曲振動の少なくとも一方の固有振動数が調整されていれば、縦振動および屈曲振動の各共振周波数の差が調整される。縦振動および屈曲振動の双方の振動数が別々に調整される場合は、手間が掛かるとともに、共振周波数が少しでもばらつくと振動特性は著しくばらつくので、調整を迅速に行うことができないのに対し、縦振動および屈曲振動の一方の固有振動数が調整される場合は、縦振動および屈曲振動における各固有振動数の調整が簡便かつ迅速に実施される結果となる。
なお、振動体において楕円軌跡を描く部分を被駆動体に当接させることにより、被駆動体が高効率で駆動されるので、圧電振動体を組み込んだ高効率のアクチュエータを実現できる。
本発明の圧電振動体では、平面略矩形状に形成され、前記調整用電極は、前記平面略矩形における対角位置にそれぞれ設けられていることが好ましい。
この発明によれば、矩形の対角位置に調整用電極が設けられていることで、圧電振動体における振動のバランスが保たれる。
本発明の圧電振動体では、前記導通部の切断は、当該圧電振動体に電流を流した際に生じるジュール熱により行われていることが好ましい。
ここでは、導通部の電気抵抗によって生じるジュール熱によって導通部が溶断される。溶断は瞬間的になされ、溶断と同時に自ずと通電は停止される。
この発明によれば、ジュール熱の利用により、導通部が局所的かつ瞬間的に切断され、圧電振動体への負荷が非常に小さいので、振動特性の劣化を確実に防止できる。さらに、導通部を挟んだ駆動電極側と調整用電極側とに電流印加装置の端子などを当接させて導通部に非接触の状態で切断を安定的に実施することが可能であるため、作業効率も良好にできる。また、導通部をミル、カッターなどで切除した場合の削り粉や、レーザーにより切除した場合の熱による圧電素子の特性劣化なども生じないため、信頼性を向上させることができる。さらに、簡単な構造の定電圧電源によって切断加工できるので、レーザーにより切断する場合などと比べて設備投資を大幅に少なくできる。
本発明の圧電振動体の調整方法は、電極が設けられた圧電素子を備え、前記電極への電圧印加により振動する圧電振動体の固有振動数の調整方法であって、前記電極は、電圧が印加される駆動電極と、この駆動電極と隣り合う調整用電極とを備えて構成され、前記調整用電極を前記駆動電極と電気的に切断することにより、または前記調整用電極を前記駆動電極と導通させることにより、固有振動数を調整することを特徴とする。
この発明によれば、振動体の特性を検査した結果を基に、調整用電極を駆動電極と絶縁あるいは導通することにより、圧電素子において電圧が印加される領域が変化して固有振動数が調整される。ここで、前述したように、あらかじめ調整用電極が設けられ、この調整用電極を高精度にパターニングするのは容易であって、また、調整用電極を駆動電極と絶縁したり、導通したりするのもあくまで振動体の表層部分における加工に留まるから、固有振動数の調整量には殆んど影響せず、個々の圧電振動体における固有振動数の調整量のばらつきを小さくできる。これにより、固有振動数を確実に調整できる。
また、圧電素子に設けられた電極の加工のみで圧電素子そのものを加工しないので、簡便で、かつ振動体へのダメージを格段に小さくできる。また、サイクルタイムを短く、設備投資も削減できる。
本発明の圧電振動体の調整方法では、前記圧電素子に、複数の調整領域を設けてこの調整領域への電圧印加、電圧非印加を切り替えることで、前記圧電振動体を振動軌跡が互いに異なる複数の動作モードで動作可能に構成し、前記調整領域に、前記駆動電極および前記調整用電極をそれぞれ設け、前記固有振動数の調整を、前記各動作モードごとに実施することが好ましい。
この発明によれば、各動作モードにおいてそれぞれ、固有振動数が所定の規定値に調整されるので、各動作モードごとに所望の振動特性を実現できる。
本発明の圧電振動体の調整方法では、前記圧電素子に、複数の調整領域を設けてこの調整領域への電圧印加、電圧非印加を切り替えることで、前記圧電振動体を振動軌跡が互いに異なる複数の動作モードで動作可能に構成し、前記調整領域に、前記駆動電極および前記調整用電極をそれぞれ設け、前記固有振動数の調整を、前記各動作モード間における前記固有振動数の差を調整することにより行うことが好ましい。
この発明によれば、各動作モード間における固有振動数の差が調整されるため、各動作モード間の振動特性のばらつきを解消したり、各動作モード間で、所定の振動特性の差を設けたりすることが可能となる。
本発明の圧電振動体の調整方法では、前記圧電振動体は、複数の振動モードで振動し、前記固有振動数の調整は、前記複数の振動モードにおける各共振周波数の差を調整することにより行うことが好ましい。
この発明によれば、複数の振動モードにおける振幅をそれぞれ確保するようにこれらの振動モードにおける各共振周波数の差が調整されることにより、圧電振動体の一部における楕円運動を実現できる。すなわち、複数の振動モードにおける各共振周波数の差が大き過ぎると、縦振動などの一次振動による屈曲振動などの二次振動の励振効果や、一次振動による他の一次振動の励振効果が弱まって楕円運動を実現できないおそれがあり、逆に、これらの振動における各共振周波数の差が小さ過ぎた場合は、駆動周波数帯が小さいため周波数の制御が難しく、動作が不安定となりやすいが、各共振周波数の差が適切に調整されることにより、楕円運動の軌跡を個々の振動体において一定のものとすることができる。これにより、所定の振動特性を満たす圧電振動体を安定的に供給することができる。
また、振動体において楕円軌跡を描く部分を被駆動体に当接させることにより、被駆動体が高効率で駆動されるので、ここで述べた圧電振動体はアクチュエータ用として好適である。
ここで、前述のように、複数の調整領域への電圧印加、非印加の切り替えにより、複数の動作モードで動作する場合には、各動作モードごとに、複数の振動モードにおける各共振周波数の差が調整されることになる。
また、このように複数の動作モードで動作する場合であって、さらに各動作モード間における固有振動数の差が調整される場合には、各動作モード間における複数の振動モードの各共振周波数の差が調整されていてよい。
本発明の圧電振動体の調整方法では、前記調整用電極と前記駆動電極との切断は、前記圧電振動体に電流を流してジュール熱を発生させることにより行うことが好ましい。
この発明によれば、ジュール熱の利用により、前述のように、振動体への負荷が極めて小さいにも関わらず導通部を確実に切断でき、信頼性を向上させることができる。さらに、レーザーを利用する場合などと比べて設備投資が大幅に低減されるので、電極を切断する非常に有効な方法を提供することができる。
本発明の圧電アクチュエータは、前述の圧電振動体または前述の調整方法により調整された圧電振動体と、この圧電振動体の振動により駆動される被駆動体とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、前述の圧電振動体を備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受することができる。すなわち、圧電振動体の固有振動数を簡便に作り込むことが可能であるから、各種の駆動条件に応じて高効率の駆動性能を発揮するアクチュエータを安定した品質で提供できる。
また、前述のように、複数の振動モードにおける各固有振動数の差が調整されることにより、圧電振動体の被駆動体との当接部における所望の楕円運動を実現して駆動効率を向上させることができる。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記被駆動体は、前記圧電素子に設けられた複数の調整領域への電圧印加が切り替えられることにより、前記圧電振動体の振動軌跡が互いに異なる正方向と逆方向とのいずれかに駆動され、前記固有振動数の調整により、前記正方向への駆動時における駆動特性と前記逆方向への駆動時における駆動特性とがそれぞれ調整されていることが好ましい。
この発明によれば、圧電振動体の固有振動数の調整に関し、正方向への駆動時、逆方向への駆動時ごとに当該固有振動数が調整されるので、正方向への駆動時および逆方向への駆動時それぞれにおいて、所望の駆動特性を実現できる。
なお、駆動特性を示す要素としては、圧電素子の電流値、被駆動体の移動量などが挙げられる。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記被駆動体は、前記圧電素子に設けられた複数の調整領域への電圧印加が切り替えられることにより、前記圧電振動体の振動軌跡が互いに異なる正方向と逆方向とのいずれかに駆動され、前記固有振動数の調整により、前記正方向への駆動時における駆動特性と前記逆方向への駆動時における駆動特性との差が調整されていることが好ましい。
この発明によれば、圧電振動体の固有振動数に際し、正方向への駆動時と逆方向への駆動時との間における当該固有振動数の差が調整されるため、正方向への駆動時と逆方向への駆動時との間に生じる駆動特性のばらつきを解消したり、正方向への駆動時と逆方向への駆動時との間で、所定の駆動特性の差を設けたりすることが可能となる。
本発明の時計は、前述の圧電アクチュエータを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータを備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受することができる。
ここで、圧電アクチュエータは、例えば、カレンダ駆動機構などに組み込むことができる。この場合、圧電振動体の振動によって送られるロータなどで歯車を駆動し、この歯車などを介して指針を移動させることによって日や月や曜などを表示すればよい。これにより、正確な運針が簡便に得られ、また、圧電振動体を迅速に調整できるため生産性に優れる。しかも圧電アクチュエータにおける利点、すなわち、磁気の影響を受けない、応答性が高く微小送りが可能、小型薄型化に有利、高トルクなどを実現できる。
本発明の電子機器は、前述の圧電振動体または前述の調整方法により調整された圧電振動体を備えたことを特徴とする。
ここで、圧電振動体は、電子機器の回路基板に実装される発振子として、または、カメラのズーム機構およびオートフォーカス機構などに使用できる。
この発明によれば、前述の圧電振動体を備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受できる。すなわち、圧電振動体の固有振動数が簡便かつ確実に調整されるので、信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
圧電素子に設けられる電極の一部に、電圧が印加される領域を調整するための調整用電極が予め設けられ、この調整用電極を電圧が印加される駆動電極と電気的に切断、またはこの調整用電極を駆動電極と導通させて固有振動数を調整することにより、振動特性が殆んど劣化せず、また、固有振動数の調整量のばらつきが小さく固有振動数を確実に調整でき、固有振動数に関する個体差を解消することができる圧電振動体を簡単な方法で提供できる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基いて説明する。
なお、第2実施形態以降の説明において、以下に説明する第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
(1.時計の概略構成)
図1は、本実施形態における時計1の外観図である。
時計1は、駆動装置であるムーブメント2と、このムーブメント2を収容するケース3とを備えた腕時計(ウォッチ)である。時計の種類は、電子時計(クォーツ)であり、本実施形態の時計1は、アナログ・クォーツとして構成され、ムーブメント2には、文字板11およびりゅうず12が取り付けられている。文字板11の略中央には、秒針121、分針122、時針123がそれぞれ設けられている。また、文字板11の3時位置には、略矩形状の窓部34が設けられ、この窓部34からは、文字板11の背面側に設けられた日車33の回転により、日車33に印字された日(カレンダ)が順次表示されている。
ここで、秒針121、分針122、時針123を駆動する構成は、通常のアナログクォーツと同様のものであって、水晶振動子が組み込まれた回路基板と、コイル、ステータ、ロータを有するステッピングモータと、駆動輪列と、動力源である電池24(図2)とを備えて構成されている。この構成では、水晶振動子で発振され回路ブロックを経て分周されたパルス信号により、ステッピングモータが駆動する。そして、ステッピングモータの駆動力が駆動輪列に伝達されることにより、秒針121、分針122、および時針123がそれぞれ駆動される。ステッピングモータの数は問わず、例えば、秒針121の駆動用に1つ、分針122および時針123の駆動用に1つ、計2つのステッピングモータが設けられていてもよい。
(2.日表示装置の構造)
図2は、ムーブメント2を文字板11側から見た平面図であり、ここでは、ムーブメント2に組み込まれた日表示装置30が示されている。図3は、図2の部分拡大図である。
日表示装置30は、前述の窓部34(図1)と、日車33と、減速輪列である日回し中間車31および日回し車32を介して日車33を駆動するアクチュエータ40とを備えて構成され、圧電アクチュエータ40、日回し中間車31、日回し車32、日車33は、地板23にそれぞれ設けられている。
なお、図2中、地板23の背面側には、ステッピングモータに接続されて指針を駆動する駆動輪列(図示せず)や、電池24等が設けられている。電池24は、ステッピングモータや圧電アクチュエータ40、印加装置(図示せず)の各回路に電力を供給する。
日回し中間車31は、大径部311と小径部312とから構成されている。小径部312は、大径部311よりも若干小径の円筒形であり、その外周面には、略正方形状の切欠部312Aが形成されている。この小径部312は、大径部311に対し、同心をなすように固着されている。大径部311には、ロータ41上部の歯車411が噛合しており、日回し中間車31は、ロータ41の回転に連動して回転する。
日回し中間車31の側方の地板23には、板バネ313が設けられており、この板バネ313の基端部が地板23に固定され、先端部が略V字状に折り曲げられて形成されている。板バネ313の先端部は、日回し中間車31の切欠部312Aに出入可能に設けられている。板バネ313に近接した位置には、接触子314が配置されており、この接触子314は、日回し中間車31が回転し、板バネ313の先端部が切欠部312Aに入り込んだときに、板バネ313と接触するようになっている。そして、板バネ313には、所定の電圧が印加されており、接触子314に接触すると、その電圧が接触子314にも印加される。従って、接触子314の電圧を検出することによって、日送り状態を検出でき、日車33の1日分の回転量が検出できる。
なお、日車33の回転量は、板バネ313や接触子314を用いたものに限らず、ロータ41や日回し中間車31の回転状態を検出して所定のパルス信号を出力するものなどが利用でき、具体的には、公知のフォトリフレクタ、フォトインタラプタ、MRセンサ等の各種の回転エンコーダ等が利用できる。
日回し車32は、五歯の歯車を有しており、日車33の内歯車331に噛合している。また、日回し車32の中心には、シャフト321が設けられており、このシャフト321は、地板23に形成された孔25に遊挿されている。孔25は、日車33の周回方向に沿って長く形成されている。そして、日回し車32およびシャフト321は、地板23に固定された板バネ315によって図2の右上方向に付勢されている。この板バネ315の付勢作用によって日車33の揺動も防止される。
日車33は、ムーブメント2の外周部に配置されるリング状の歯車であって、内周に内歯車331が形成され、31日で1回転している。また、日車33の周上には、「1」〜「31」までの数字が印字されている。
アクチュエータ40は、図3に示すように、日回し中間車31に駆動力を伝達するロータ41と、このロータ41を回転運動させる振動体50とを備えて構成されている。
ロータ41は、日回し中間車31と振動体50との間に配置され、日の変わり目に送られる円板状の回転体である。ロータ41の外周には、振動体50が有する突起53が当接され、振動体50の振動が伝達されている。なお、ロータ41は、板ばね412によってアクチュエータ40側に付勢され、振動体50の突起53とロータ41側面との間に適切な摩擦力が発生することで圧電アクチュエータ40の駆動力の伝達効率が良好となっている。
(3.振動体の構造)
図4は、振動体50を示す図である。
振動体50は、略矩形の補強板51と、この補強板51の表裏両面に設けられた矩形平板状の圧電素子52とを備え、補強板51と圧電素子52とが積層されて、全体として薄板状に形成されている。
補強板51は、ステンレス鋼、その他の材料から圧延などにより構成され、短辺側に、ロータ41と当接する略円弧凸状の突起53が矩形状の部分と一体的に形成されている。この突起53は、補強板51における対角位置にそれぞれ形成されている。
また、補強板51の長辺の略中央には、幅方向に突出する腕部54が一体形成されている。腕部54は、補強板51の長手方向に対してほぼ直角に延びており、この腕部54には、孔541が穿設されている。
圧電素子52は、補強板51の両面の略矩形状部分に、エポキシ系樹脂等の接着剤を用いて強固に接着されている。圧電素子52の材料は、特に限定されず、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT(登録商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
そして、圧電素子52の表裏両面には、ニッケルおよび金などによる電極がめっき、スパッタ、蒸着等の方法で形成され。裏面に形成された電極(不図示)が補強板51と重ねられ導通されている。
補強板51と反対側に形成された電極60は、矩形の隅の対角部分がエッチング等で形成された溝65によってそれぞれ略矩形状に区画され、区画された部分には調整用電極62がそれぞれ配置されている。調整用電極62は、一対の突起53とは異なった対角位置に配置されている。電極60は溝65の部分が除去されている。電極60における調整用電極62以外の部分は、電圧が印加される駆動電極61として構成され、この駆動電極61は、図示を省略するが、リード線によって交流電圧の印加装置に導通されている。
これらの駆動電極61および調整用電極62は、エッチングにより高精度にパターニングされている。なお、調整用電極62は、補強板51の両面側の電極60において同様に形成され、図4に図示された調整用電極62の背面側となる位置に裏面側の調整用電極62が設けられている。駆動電極61は効率よく縦振動を誘発するために、振動体50の長辺の長さと略同一の長さであることが望ましく、縦振動および屈曲振動の両者の節部を含む形状となるようなクランク形状とされている。縦振動および屈曲振動の両者の節部は、振動体50の図心付近に存在する。調整用電極62は屈曲振動を誘発するためのものである。また、駆動電極61の面積は、調整用電極62の面積よりも大きく形成されている。
ここで、溝65は、駆動電極61と調整用電極62との間が一部形成されておらず、この一部僅かに残された部分(図4中、直線状の溝65AとL字状の溝65Bとの間の部分)は、調整用電極62において、駆動電極61と導通する導通部63となっている。すなわち、駆動電極61と調整用電極62とは互いに導通しているので、駆動電極61に電圧を印加したときは、同時に、調整用電極62にも電圧が印加され、電極60全体に電圧が印加されることになる。したがって、補強板51の両面側で、補強板51に重ねられた電極(不図示)と駆動電極61との間に電圧をそれぞれ印加したときは、圧電素子52全体に電圧が印加された状態となる。
このような圧電素子52の幅や長さ、厚さ、および圧電素子52に印加される電圧の周波数(駆動周波数)は、圧電素子52に繰り返し電圧が印加されたときに圧電素子52が長手方向に伸縮する、いわゆる縦振動(縦一次振動)と、圧電素子52の平面中心に対して点対称に、縦一次振動に直交する方向に屈曲する、いわゆる屈曲振動(屈曲二次振動)とが同時に現れるように適宜設定される。
図5(A)に、圧電振動体50の駆動周波数とインピーダンスとの関係を示し、図5(B)には、圧電振動体50の駆動周波数と縦振動の振幅(縦振幅)および屈曲振動の振幅(屈曲振幅)との関係を示した。
図5(A)に示すように、圧電素子52に印加する電圧の駆動周波数に対してインピーダンスが極小となる点が二点現れる。ここでは、これらのうち周波数の低い方の一点は、縦振動の振幅が最大となる共振点で、この共振点における駆動周波数が、縦共振周波数fr1となる。周波数の高い方の一点は、屈曲振動の振幅が最大となる共振点で、この共振点における駆動周波数が屈曲共振周波数fr2となる。
なお、圧電素子52に印加される電圧の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形波、台形波などが採用できる。
これらの図5(A)および(B)を参照すると、圧電素子52を縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2との間で駆動した際に、縦振動および屈曲振動の両方の振幅が確保される。これにより、振動時に、突起53が楕円軌跡を描くこととなる。なお、縦共振周波数fr1から屈曲共振周波数fr2に向かって駆動周波数を変化させると、縦振動の振幅よりも屈曲振動の振幅の方が次第に大きくなり、突起53が描く楕円軌跡の長軸の向きが変化する。
また、縦一次振動の共振周波数と、屈曲二次振動の共振周波数とを互いに近接するように設定することで、両振動の振幅が同時に大きくなる振動周波数を設定することができ、高効率で駆動することが可能となる。
一方、屈曲共振周波数から縦共振周波数を差し引いた値(fr2−fr1=Δfrとする)については、Δfrが大き過ぎる場合は、縦振動による二次振動である屈曲振動の励振効果が弱まり、楕円運動を実現できないおそれがある。一方、Δfrが小さ過ぎる場合は、駆動周波数帯が小さいために周波数の制御が難しく、動作が不安定となりやすい。このため、Δfrは適切に調整されるべきである。これについては後述する。
図4に戻って、振動体50は、地板23に形成された丘陵部231と支持台232との間に配置され、支持台232の上に延びた腕部54でねじ止め固定されている。支持台232には、腕部54の孔541に挿通されたねじ542が螺合されるねじ孔が形成され、補強板51と駆動電極61とがそれぞれ図示しない電圧印加装置に導通されている。
そして、振動体50は、一方の突起53の先端がロータ41の外周に当接するように配置される。
以上説明した構造の振動体50は、圧電素子52と補強板51とを貼り合せることにより製造され、支持台232に固定することでムーブメント2に組み込まれるが、圧電素子52および補強板51などの形状誤差や貼り合わせ誤差、材料特性(圧延時のヤング率ポアソン比密度など)、支持台232への固定条件(ねじの締めつけトルクや腕部54の長さ)、熱影響などに起因して、個々の振動体50における縦振動および屈曲振動の各固有振動数にはばらつきが出てくる。これらの固有振動数が少しでもばらつくと、振動特性が著しくばらついてしまう。したがって、ばらつき解消のために、振動体50における縦振動および屈曲振動の各固有振動数の調整が不可欠である。
(4.振動体における固有振動数の調整方法)
振動体50における固有振動数の調整は、この固有振動数と対応する共振周波数について、次に述べるように、屈曲共振周波数と縦共振周波数との差分であるΔfrを測定し、このΔfrに基いて、前述した導通部63を切断(カット)することにより行われている。つまり、導通部63を切断して調整用電極62を駆動電極61から切り離すことにより、調整用電極62と駆動電極61とを絶縁し、これによって振動体50における共振周波数の調整を図ろうというものである。
振動体50における固有振動数の調整作業は、振動体50単体について行うことも可能であるが、本実施形態では、振動体50を地板23に固定してムーブメント2に組み込んだ状態で行われる。
まず、駆動電極61および調整用電極62と補強板51に重ねられた電極(不図示)との間に電圧を印加して振動体50を振動させ、Δfrを測定する。そして、このΔfrの測定値とΔfrの規定値との比較において、導通部63を切断するか否かが決定される。Δfrの規定値は、ロータ41および日車33を駆動するのに必要なトルクなどから決められる。
なお、導通部63の切断は、原則的には、補強板51の両面側に設けられた調整用電極62のいずれについても、また、電極60の矩形対角部分にそれぞれ設けられた各調整用電極62のいずれについても、それぞれ実施される。
ここで、導通部63を切断すると調整用電極62が駆動電極61から絶縁され、調整用電極62の部分では圧電素子52が伸縮しないで振動体50の幅方向両側での振動が拘束されるため、屈曲振動における固有振動数が増加する。その一方で、縦振動における固有振動数はほとんど変わらない(縦振動における固有振動数は振動体50の長辺方向の圧電素子52長さによって決定される)。したがって、導通部63の切断により、縦振動および屈曲振動の共振周波数の差分であるΔfrの値は増加する。
すなわち、調整用電極62の導通部63を切断することによってΔfrが調整される。
また、導通部63の切断によるΔfrの調整量については、調整用電極62の大きさ、形状、位置、範囲などによって増減させることができる。言い換えると、Δfrのばらつきが解消されるようにΔfrの調整量が設定され、設定されたΔfr調整量を実現できるように調整用電極62の大きさ、形状、位置、範囲などが決められている。
例えば、調整用電極62を振動体50の長手方向に長くするほど、電圧印加の対象である駆動電極61が短くなるため、前述と同様に、電圧印加時における振動体50の幅方向両側での振動が拘束されて屈曲共振周波数およびΔfrが増加する。これにより、導通部63を切断する場合としない場合との差が大きくなるから、Δfrの調整量は大きいものとなる。
一方、調整用電極62を振動体50の長手方向に短くするほど、振動体50の幅方向両側での振動の拘束が緩和され、屈曲共振周波数およびΔfrは減少する。これにより、導通部63を切断する場合としない場合との差は小さくなるから、Δfrの調整量が小さいものとなる。
そして、導通部63を切断するか否かは、Δfrの測定値およびΔfrの調整量を基に、Δfrを規定値に近付けることができるように決定される。
続いて、導通部63を切断する方法について説明する。
図6は、この導通部63が切断される状態を示す図である。駆動電極61および調整用電極62に定電圧電源100の端子101,102をそれぞれ当接し、端子101,102間に電流を印加すると、導通部63の電気抵抗によって局所的に生じたジュール熱によって導通部63が瞬間的に溶断される。
この導通部63の切断は瞬間的に行われ、しかも、導通部63は振動体50の表層に設けられたごく一部に過ぎないから、導通部63の切断による振動体50全体へのダメージは殆んどない。また、導通部63両側の調整用電極62および駆動電極61が正確にパターニングされているため、個々の振動体50における切断が安定的に実施される。
したがって、振動体50の共振周波数の調整工程において、予め設定されたΔfrの調整量がばらつくことを防止できる。
次に、このような導通部63の切断によるΔfrの調整が振動体50の振動特性に与えた影響について検証する。振動体50の振動特性の劣化を示す指標として、ここでは縦振動の共振点におけるインピーダンスを用いた。
図7は、Δfrの調整量と縦振動の共振点におけるインピーダンスの増加量の関係を示したグラフである。
まず、本実施形態との比較例として、黒塗りの正方形で「塗料塗布による調整」としてプロットしたものは、振動体50の表面に塗料を塗布し、この塗料の塗布量を変えた際の重量バランスの変化によってΔfrの調整量を変更した各振動体50のサンプルについて、Δfr調整の前後でのインピーダンスをそれぞれ測定し、その前後にわたるインピーダンス値の増加量について示したものである。
ここでは、Δfrの調整量が大きくなるほど、縦振動の共振点におけるインピーダンスの増加量が大きく増加し、振動特性が著しく劣化することがわかる。このため、このような塗料の塗布によるΔfrの調整方法を採用することはできない。また、この方法では、振動体50における塗料の塗布位置、塗布量、塗布範囲などの制御が困難であるという問題もある。
一方、図7に黒塗りの菱形で「電極パターンによる調整」としてプロットしたものは、本実施形態のように、調整用電極62の振動体50長手方向における寸法を変えることによってΔfrの調整量を変更した複数の振動体50サンプルについて、Δfr調整の前後でのインピーダンスをそれぞれ測定し、その前後にわたるインピーダンス値の増加量について示したものである。
このプロットで示されるように、Δfrの調整量が増加しても、インピーダンスの増加量は僅かしか変化しない。したがって、振動体50のQ値などの振動特性についても僅かしか変化していない。塗料塗布による調整の場合と比べて、その差は歴然である。
以上で、振動体50の振動特性の劣化に関し、本実施形態による優れた効果を確認できた。
(5.固有振動数が調整された振動体の動作)
前述した固有振動数の調整によって導通部63が切断されると、振動体50は図8(A)に示すような状態となり、調整用電極62と駆動電極61とが互いに絶縁される。よって、駆動電極61に電圧を印加した際、調整用電極62には電圧は印加されない。すなわち、導通部63の切断の前後で、電極60において電圧が印加される範囲が変化する。
図8(B)は、振動体50の動作を示したものである。図示しない電圧印加装置により、駆動電極61と補強板51に重ねられた電極(不図示)との間に電圧を印加すると、駆動電極61が設けられた部分の圧電素子52が長手方向に伸縮し、振動体50は縦振動を励振する。この縦振動により、振動体50の長手方向と交差する方向のモーメントが生じて屈曲振動が誘発される。このような縦振動および屈曲振動の重なりにより、図8(C)に示すように、振動体50の突起53は楕円軌跡Eを描くこととなる。一方、調整用電極62には電圧が印加されず、調整用電極62が設けられた部分の圧電素子52は能動的には伸縮運動しないため、この振動体50の幅方向両側における屈曲振動への拘束力により屈曲振動の固有振動数が大きくなる。
すなわち、導通部63の切断によりΔfrの大小が適切に調整された結果、個々の振動体50において、突起53の楕円運動を所定の楕円軌跡Eで実現することができる。
そして、突起53が所定の駆動周波数においてロータ41(図3)を繰り返し押圧することにより、ロータ41が所定方向に回転駆動する。
さらに、ロータ41の回転運動が日回し中間車31に伝達され、切欠部312Aに日回し車32の歯が係合すると、日回し中間車31によって日回し車32が回転する。そして、日回し車32によって日車33が1日に1歯ずつ送られ、日車33の周上に配置された日を示す数字が窓部34から順番に表示されることによってカレンダの表示が行われる。なお、回路ブロックにカレンダ情報が記憶されている場合は、記憶された情報に基いて、月末にカレンダの自動修正が行われる。
以上説明した第1実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)日表示装置30を構成する振動体50において、電極60の一部にあらかじめ調整用電極62が形成され、導通部63の切断によって駆動電極61と調整用電極62とを互いに絶縁することにより、縦振動および屈曲振動の各固有振動数を簡便かつ確実に調整できる。これにより、固有振動数に関する振動体50の個体差が解消され、振動体50が組み込まれたアクチュエータ40の信頼性を大きく向上させることができる。ひいては、ムーブメント2ないし時計1におけるカレンダ表示の信頼性を大きく向上させることができる。
なお、振動体50の屈曲振動における固有振動数の調整によりΔfrが調整され、縦振動および屈曲振動の各固有振動数を別々に調整する必要がないため、調整を迅速に行うことができる。
(2)導通部63の形成は、駆動電極61および調整用電極62を形成する際のマスク形成により容易に行うことができる。そして、圧電素子52の表層に電極として設けられた導通部63を切断するだけで固有振動数を調整することができ、振動体50全体には力や熱が加わらないので、Q値などの振動特性が劣化するのを防止できる。また、圧電素子52自体を加工するような場合と比べて簡便で、サイクルタイムを短縮することができる。
(3)調整用電極62および駆動電極61が正確にパターニングされ、導通部63をどのように切断してもΔfrの調整量には殆ど影響しないので、個々の振動体50におけるΔfrの調整量のばらつきを小さくできる。したがって、予め設定されたΔfrの調整量がΔfrを調整する工程の前後で変わることがなく、このΔfrの調整を通して固有振動数をより簡便かつ確実に調整できる。
(4)導通部63の切断はジュール熱の利用により、局所的かつ瞬間的に行われているので、振動体50への負荷を非常に小さくできる。さらに、導通部63を直接切断するのではなく、導通部63両側の駆動電極61および調整用電極62に端子101,102をそれぞれ当接させて導通部63に非接触の状態で切断を安定的に実施することが可能であるため、作業効率も良好にできる。
また、導通部63をミル、カッターなどで切除した場合の削り粉や、レーザーにより切除した場合の熱による圧電素子の特性劣化なども生じないため、信頼性も向上させることができる。さらに、簡単な構造の定電圧電源などによって導通部63を切断できるので、レーザーにより切断する場合などと比べて設備投資を格段に少なくできる。
(5)振動体50が支持台232に固定されてムーブメント2に組み込まれた状態で固有振動数の調整が行われているので、振動体50の支持台232への固定条件などに応じて固有振動数がシフトするのを防止できる。これにより、使用状態に近い状態で振動体50の固有振動数のばらつきを補正することが可能となる。
(6)振動体50が薄い板状に形成されているので、この振動体50が組み込まれたムーブメント2の薄型化を図ることができる。また、圧電素子52における矩形の対角線上に調整用電極62がそれぞれ設けられているので、振動体50における振動のバランスが保たれる。
(7)また、振動体50において、縦振動および屈曲振動の振幅が確保されるようにΔfrが調整されることにより、振動体50の突起53において楕円運動を実現できる。そして、前述のように、Δfrが適切に調整されることにより、楕円運動の軌跡Eを個々の振動体50において一定とすることができ、所定の振動特性を満たす振動体50を安定的に供給することができる。
(8)以上で説明したように、振動体50の共振周波数を簡便に作り込むことができるため、高効率の駆動性能を発揮するアクチュエータ40を安定した品質で提供できる。
また、このアクチュエータ40が時計1のムーブメント2に組み込まれ、日表示装置30を構成しているので、日車33の回転を正確なものとでき、また、振動体50を迅速に調整できるため生産性に優れる。しかも圧電素子52を備えたアクチュエータ40における利点、すなわち、磁気の影響を受けない、応答性が高く微小送りが可能、小型薄型化に有利、高トルクなどを実現できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明における第2実施形態について説明する。
本実施形態は、振動体の矩形対角部分にそれぞれ調整用電極が複数設けられている点が第1実施形態とは相違する。
図9は、本実施形態における振動体70の平面図である。
振動体70では、圧電素子の表面に設けられた電極60が矩形対角部分で線状溝75およびT字状溝76により区画され、各対角部分では、調整用電極72がそれぞれ3つずつ形成されている。
具体的に、線状溝75は、振動体70の両方の短辺から長手方向に沿って振動体70の幅方向中央までそれぞれ延びている。
また、T字状溝76は、振動体70の幅方向端部から長手方向と交差する方向に沿って3本並んで線状溝75と近接するまで延びている。このような線状溝75およびT字状溝76により、振動体70における対角部分には、調整用電極72が3つずつ、振動体70の長手方向に沿って並んで形成されている。
そして、線状溝75およびT字状溝76との間の部分は、それぞれ、調整用電極72を駆動電極61に導通させる導通部73となっている。
これらの導通部73は、必要に応じて、前記実施形態のように通電されて溶断される。この際、T字状溝76のT字における横バー部分が線状溝75と略平行に延びているので導通部73が溶断されやすい。
このような振動体70では、複数設けられた調整用電極72を任意に選択して、選択された調整用電極72に応じて導通部73を切断することにより、縦振動および屈曲振動の各固有振動数を調整することが可能である。
参考までに、図10には、調整用電極72の選択が異なる例を(A)および(B)の2つだけ示した。すなわち、図10(A)では、振動体70の対角部分に3つずつ配置された調整用電極72A〜72Cのうち振動体70の短辺側に配置された調整用電極72Aのみが選択され、導通部73Aの切断によって調整用電極72Aが駆動電極61と互いに絶縁されている。一方、図10(B)では、調整用電極72A〜72Cが3つとも選択され、導通部73Cの切断によってこれらの調整用電極72A〜72Cすべてが駆動電極61と互いに絶縁されている。この際、導通部73B,73Aを切断する必要はない。
これらの図10(A)および(B)にそれぞれ示した振動体70に電圧を印加すると、想像線で示したように、振動体70は縦振動および屈曲振動を励振する。
この際、調整用電極72A〜72Cは振動体70の長手方向に沿って並んでおり、図10(B)に示した状態のほうが、図10(A)に示した状態よりも調整用電極72の選択数が多く(72A〜72Cの3つ)、振動体70の幅方向両側において電圧が印加されずに振動を拘束する領域が多くなるため、屈曲振動の固有振動数は大きいものとなる。
図10(A)および(B)に示した状態も含めて、図11の下欄「電極パターン」には、選択する調整用電極72の組み合わせが7通り、模式的に示されている。すなわち、調整用電極72が1つも選択されていない状態が「0000」であり、選択する調整用電極72を振動体70の対角において交互に、1つずつ増やしていったものが、「0010」、「0011」、「0021」、「0022」、「0032」、「0033」である。なお、図10(A)に示した状態は「0011」に相当し、図10(B)に示した状態は「0033」に相当する。
図11に示したグラフは、振動体70の3つのサンプル(サンプル1〜3)について、図11下欄の7通りの選択状態における縦共振周波数fr1、屈曲共振周波数fr2、およびこれらの差(fr2−fr1)であるΔfrをそれぞれ測定し、プロットしたものである。
このグラフから把握されるように、調整用電極72の選択数が増えると、縦共振周波数fr1はほとんど変化せずに略一定であるのに対して屈曲共振周波数fr2が大きくなるため、Δfrは大きくなっている。
ここで、調整用電極72の数、大きさ、並ぶ方向などは、振動体70におけるΔfrのばらつきを適切に調整するように決められている。すなわち、前述したように、電極60に高精度にパターニングされた調整用電極72が予め設けられているので、個々の振動体70におけるΔfr調整量のばらつきが小さい。1つ1つの調整用電極72のΔfr調整量を累積してもばらつきが小さく、ほぼ確実なΔfr調整量を見込むことが可能であるから、所望のΔfr調整量を実現するパターニングの設定を容易に行うことができる。
以上において、調整用電極72の選択によってどのようにΔfrが変化するかについて説明したが、次に、このような調整用電極72の選択によるΔfrの調整をロット内に含まれる振動体70についてそれぞれ実施し、個々の振動体70における共振周波数のばらつきを補正することについて説明する。
図12は、Δfr調整によるΔfrの分布変化について示したもので、小さい丸点によりプロットされたものは、Δfrが調整される前のΔfrの分布であり、大きい丸点によりプロットされたものは、Δfrが調整された後のΔfrの分布である。調整前、Δfrは2.9〜4.5kHzの広い範囲でばらついている。
個々の振動体70における調整工程では、第1実施形態と略同様に、Δfrを測定して選択すべき調整用電極72を決定し、選択された調整用電極72についてのみ、導通部73の溶断によって駆動電極61と導通させる。
ここで、図12に示したΔfrの調整では、図11における測定結果に鑑みて、所望のΔfrの調整量が得られるように、振動体70の長手方向における調整用電極72の寸法が設定される。調整用電極72A,72B,72Cの長さ比は、例えば3:1:1のように、適宜設定されている。
そして、調整用電極72が選択されていない状態を「0000’」、振動体70の対角において調整用電極72が1つずつ、2つずつ、3つずつ選択された状態をそれぞれ「0011’」、「0022’」、「0033’」として、3段階の調整が行われる。すなわち、個々の振動体70におけるΔfrの測定の結果、Δfrの規定値(ここでは、4.1kHz)に最も近づくと考えられる選択態様が「0011’」、「0022’」、「0033’」のいずれかで決定される。
選択する調整用電極72の決定にあたっては、次のように判断される。
図13は、図12における横軸を示したもので、調整前におけるΔfrの2.9〜4.5kHzの範囲でのばらつきについて、調整用電極72をどのように選択して規定値4.1kHzに収束させるかを説明したものである。
ここで、規定値4.1kHzは、ロータ41および日車33(図3)を駆動する際の回転速度・トルク・消費電力等を考慮して決められ、ばらつきを許容できる範囲は4.1kHz±0.4kHz、すなわち、4.1kHzを規格中心値とする0.8kHzの範囲がΔfr適正範囲となっている。なお、Δfrの適正値は製品の仕様によって様々であり、ここで例示した数値に限定されるものではない。
ところで、振動体70において、調整用電極72の選択に応じたΔfrの調整量については、前述したように、調整用電極72のパターニングの設定段階で予め見込まれている。ここでは、調整用電極72が対角において1個ずつ選択された「0011’」の状態とされたときは、調整の前後でΔfrが0.4kHz増加し、調整用電極72が対角において2個ずつ選択された「0022’」の状態とされたときは、Δfrが0.8kHz増加し、そして、調整用電極72が対角において3個ずつ選択された「0033’」の状態とされたときは、Δfrが1.2kHz増加するようになっている。
そして、Δfrの調整工程では、測定されたΔfrが3.7〜4.5kHzの範囲の値であれば、規定値4.1kHz±0.4kHzの適正範囲内であるため、調整用電極72を選択することなく(前述の「0000’」の状態)、調整工程を終了する。
次に、測定されたΔfrが3.5〜3.9kHzの範囲にあれば、規定値4.1kHzに近付けるために「0011’」の状態とする。前述のように、「0011’」の選択ではΔfr調整量は0.4kHzであるため、Δfrが3.9〜4.5kHzの範囲に分布して適正範囲内の値となる。同様に、Δfrが3.1〜3.5kHzの範囲にあれば、「0022’」の状態とし、Δfrを0.8kHz増加させて、Δfrを適正範囲の値とする。そして、Δfrが2.9〜3.1kHzの範囲にあれば、「0033’」の状態として、Δfrを1.2kHz増加させ、適正範囲の値とする。
このようにΔfrが調整された結果、図12に示すように、サンプルロット内のすべての振動体70におけるΔfrは規定値4.1kHzを中心として±0.4kHzの狭い範囲(図12中、Δfr適正範囲)に納まることとなった。
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態で述べた作用効果に加えて、次のような効果を奏する。
(9)調整用電極72が複数設けられ、これらの調整用電極72を選択的に駆動電極61に導通させることが可能となるため、調整用電極72の選択態様に応じて、振動体70の固有振動数を段階的に調整することができる。なお、調整用電極72を振動体70の対角においてそれぞれ3箇所設けたので、固有振動数の規定値に効率的に近付けることができる。すなわち、固有振動数の調整の精度が向上し、歩留まりを良くすることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、第1、第2実施形態とは逆に、調整用電極と駆動電極とが予め絶縁されているものを、導電性部材を介して導通させたものである。
図14は、本実施形態における振動体80の平面図である。
振動体80では、予め駆動電極61と調整用電極82とが溝85,86で完全に分けられて互いに絶縁され、前記実施形態における導通部73は存在しない。すなわち、振動体80の両短辺側から長手方向に沿って線状の溝85がそれぞれ延び、これらの溝85に向かって振動体80の幅方向端部から溝86が3本ずつ延びており、振動体80の対角部分に調整用電極82が3つずつ、振動体80の長手方向に沿って並んでいる。
ここで、本実施形態においても、調整用電極82は電極60における電圧印加領域を変化させるための領域であって、これらの調整用電極82と駆動電極61との導通態様によって固有振動数を調整するという点では前記各実施形態と同様である。
本実施形態では、調整用電極82は駆動電極61と予め絶縁されているから、これらを互いに導通させる手段としては、図15(A)〜(C)に示すように、はんだ111、ワイヤ112、導電性ペースト113のような導電性部材を使用する。
すなわち、これらのはんだ111、ワイヤ112、導電性ペースト113を駆動電極61と調整用電極82との間に配置することにより、これらのはんだ111、ワイヤ112、導電性ペースト113を介して調整用電極82が駆動電極61と導通(短絡、ショート)される。なお、調整用電極82と駆動電極61とを導通させるには、他に、リード線、スパッタなどの手段を用いてもよい。
このような調整用電極82の駆動電極61への導通は、選択された調整用電極82についてのみ実施される。調整用電極82の選択に際しては、第2実施形態と同様に、調整用電極82の3段階の選択によって見込まれるΔfrの各調整量を基に、Δfrの測定値とΔfrの規定値とが比較され、測定されたΔfrを規定値により近付けることができるように調整用電極82の選択態様が決められる。
このように、選択する調整用電極82の判断基準については、本実施形態と第2実施形態とは同様であるが、選択された調整用電極72,82を駆動電極61と導通させるか絶縁させるかという点では構成が互いに異なるため、電極60における同じ範囲に電圧を印加する場合であっても、次に述べるように調整用電極72,82の選択態様は互いに異なる。
図16は、調整用電極82の選択が異なる例を(A)および(B)の2つだけ示したものである。
図16(A)では、振動体80の対角部分にそれぞれ並んだ調整用電極82のうち、振動体80の短辺とは反対側に配置された調整用電極82Cのみが選択され、この調整用電極82Cと駆動電極61との間にある溝85にはんだ111が滴下されている。この場合、振動体80の短辺との近接側に配置された2つの調整用電極82A,82Bは駆動電極61と絶縁したままであるから、電圧が印加されない。ここで、図16(A)の振動体80は、電極60への電圧印加範囲に関しては、第2実施形態において、調整用電極72Bの導通部73B(図10参照)が切断された振動体70と同じである。本実施形態の振動体80とは違い、この振動体70では調整用電極72A,72Bの2つが選択され、導通部73Bが切断される。
一方、図16(B)では、振動体80の対角部分にそれぞれ並んだ調整用電極82のうち、振動体80の短辺とは反対側に配置された調整用電極82Cと真ん中に配置された調整用電極82Bとが選択され、これらの2つの調整用電極82B,82Cがはんだ111を介して駆動電極61とそれぞれ導通している。なお、はんだ111は2つの調整用電極82B,82Cの間に形成された溝86が溝85に繋がる部分に滴下されているので、この1箇所のはんだ111滴下により2つの調整用電極82B,82Cを同時に駆動電極61に導通させることができる。この図16(B)に示した状態では、振動体80の短辺側に配置された調整用電極82Aにのみ電圧が印加されない。この図16(B)の振動体80は、電極60への電圧印加範囲に関しては、第2実施形態において図10(A)で示した振動体70と同様である。本実施形態の振動体80とは違い、この振動体70では調整用電極72Aのみが選択され、導通部73Aが切断される。
ここで、図16(A)と(B)とを比べると、(A)に示した状態のほうが、(B)に示した状態よりも振動体80の幅方向両側において電圧が印加されない調整用電極82の数が多く(82A,82Bの2つ)、屈曲振動への拘束力が大きいため、屈曲振動の固有振動数は(B)の場合よりも大きくなる。
このような第3実施形態によれば、前述した(5)〜(9)の効果に加えて、次のような効果がある。
(10)振動体80において、互いに絶縁された調整用電極82と駆動電極61とが予め設けられ、振動体80の特性を検査した結果を基にはんだ111、ワイヤ112、導電性ペースト113等を介して調整用電極82が駆動電極61と導通されることにより、固有振動数を簡便かつ確実に調整できる。ここで、調整用電極82は前述のように正確にパターニングされ、調整用電極82と駆動電極61との間にはんだ111等を設けても、その配設による固有振動数への影響は極めて小さいものとなるので、個々の振動体80における固有振動数の調整量のばらつきを小さくできる。したがって、固有振動数の調整をより簡便かつ確実に実施でき、固有振動数に関する個体差を解消して信頼性を大きく向上させることができる。
また、はんだ111、ワイヤ112などの配設は、振動体80の表面での作業に過ぎないから、圧電素子52を切削するような場合と比べて至って容易に固有振動数を調整でき、また、振動体80へのダメージが小さいため、振動特性の劣化を防止できる。さらに、サイクルタイムを短く、設備投資費を低減できる。
なお、第2実施形態で述べた導通部73の切断(カット)、および本実施形態で述べた駆動電極61、調整用電極82間の導通(ショート)を併せて行うことによって固有振動数を調整することもできる。例えば、第2実施形態における導通部73を切断して駆動電極61と調整用電極72とを絶縁した後、必要に応じて、はんだ111等を使用し、いったん絶縁された駆動電極61と調整用電極72とを再び導通させることができる。これは、誤って、予定よりも多くの調整用電極72について導通部73を切断してしまった場合などに実施できる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態の圧電アクチュエータでは、振動体の電極分割の態様が前記各実施形態とは異なり、被駆動体を正方向、逆方向の両方向に駆動可能となっている。本実施形態の圧電アクチュエータは、カメラのレンズ駆動機構や、可動玩具の駆動機構および姿勢補正機構、からくり時計の駆動機構、時計のカレンダ機構などに組み込まれる。
図17は、本実施形態における圧電アクチュエータ45を簡略に示す平面図である。
アクチュエータ45は、振動体55と、被駆動体としてのロータ120とを備えている。
ロータ120は、円板状の回転体であり、外周端面に振動体55の突起57が当按されている。
振動体55は、第1実施形態の振動体50(図4)と略同様に、圧電素子52および補強板56が積層されて全体として矩形薄板状に形成されている。ただし、ロータ120に当接する突起57は補強板56の短辺の略中央に形成されているとともに、補強板56の腕部54は、振動体55の幅方向両側にそれぞれ形成されている。
また、振動体55の圧電素子52の表面に設けられた電極160は、溝165,166の刻設によって5分割されている。具体的に、電極160には、長手方向に沿って2本の溝165が形成され、これらの溝165によって略三等分された電極のうち幅方向両側の電極は圧電素子52の短手方向に沿って延びる溝166によってそれぞれ二等分されている。これらの溝165,166により、圧電素子52の略中央で長手方向に沿って設けられ、主として縦振動を励振する縦領域90と、この縦領域90の両側で、圧電素子52における一方の対角線上で対となり、主として屈曲振動を励振する一対の屈曲領域91,93と、圧電素子52における他方の対角線上で対となり、主として屈曲振動を励振する一対の屈曲領域92,94とがそれぞれ形成されている。
図18に、振動体55の構成をより詳細に示した。縦領域90の全体には、駆動電極901が設けられている。
屈曲領域91は、圧電素子52の幅方向に延びる4本のT字状溝76により、5つに区画されている。この区画のうち、振動体55の図心寄りに、リード線Lが接続される駆動電極911が1つ形成され、残りの4つの区画には、4つの調整用電極912A〜912Dがそれぞれ形成されている。T字状溝76は、振動体55の幅方向端部から溝165と近接するまで延びており、溝165とT字状溝76との間の部分はそれぞれ、各調整用電極912A〜912Dを駆動電極911に導通させる導通部73となっている。各導通部73は、必要に応じて、第2実施形態と同様に通電されて溶断される。つまり、屈曲領域91は、振動体55の固有振動の調整領域となっている。
その他の屈曲領域92,93,94も、この屈曲領域91と同様に振動体55の固有振動の調整領域であり、各屈曲領域92,93,94には、振動体55の図心寄りに駆動電極921,931,941が1つずつ形成され、そして、調整用電極922A〜922D、932A〜932D、942A〜942Dが4つずつ、形成されている。
駆動電極911と駆動電極931とはリード線Lで互いに接続され、そして駆動電極921と駆動電極941とが、リード線Lで互いに接続されている。これらのリード線Lを通じて、各屈曲領域91〜94に設けられた各駆動電極および各調整用電極は図示しない電圧印加装置に接続される。なお、駆動電極901も図示しないリード線により電圧印加装置に接続される。また、補強板51はグラウンドに接続される。
このような圧電アクチュエータ45では、屈曲領域91,93と屈曲領域92,94とを使い分けることにより、図17に示すロータ120を正方向R1および逆方向R2の両方向に回転駆動することができる。すなわち、圧電アクチュエータ45は、動作モードとして正転モードおよび逆転モードを有し、これら正転モードおよび逆転モードのいずれかで動作する。
ここで、図19(A)に、正方向R1への駆動状態を示し、図19(B)に、逆方向R2への駆動状態を示した。すなわち、縦領域90と屈曲領域91,93とを対象として圧電素子52に電圧を印加すると、図19(A)に示すように、縦領域90は主として縦振動を励振するとともに、屈曲領域91,93は主として屈曲振動を励振する。すなわち、屈曲領域91,93への電圧印加により、圧電素子52の幅方向両側における圧電素子52の伸縮が振動体55全体の挙動においてアンバランスとなることから、圧電素子52の長手方向と直交する方向にモーメントが生じて屈曲振動が誘起し、振動体55は、これら縦振動と屈曲振動との混合モードにおいて振動する。これにより、振動体55の突起57は、振動体55の図心を通る長手方向の中心線Cに対して傾斜した楕円軌跡E1を描く。そして、突起57の押圧により、ロータ120は正方向R1に回転する。
一方、屈曲領域91,93に代えて屈曲領域92,94を電圧印加の対象とした場合には、屈曲領域91,93と屈曲領域92,94とは中心線Cに対して線対称に配置されていることから、図19(B)に示すように、突起57が描く楕円軌跡E2は先ほどの楕円軌跡E1とは中心線Cに対して線対称で、かつ逆回りとなる。この際、突起57の押圧により、ロータ120は逆方向R2に回転駆動される。
ここで、屈曲領域91〜94における各調整用電極の数、大きさ、並ぶ方向などは、振動体55におけるΔfrのばらつきを適切に調整するように決められており、屈曲領域91〜94における各駆動電極および各調整用電極は高精度にパターニングされて所定のΔfr調整量を実現する。本実施形態の各屈曲領域91〜94では、駆動電極と各調整用電極とは略同じ大きさで形成されているが、4つの調整用電極912A〜912D等に長さ比などを持たせてもよい。
このΔfr調整量を得るために、図20に示すような調整用電極の選択態様において、固有振動数の測定を行った。すなわち、図20は、振動体55のサンプルにおいて、導通部73(図18)の溶断による調整用電極の選択態様に応じて、固有振動数が変化する様子を示している。
図20の下欄に、選択する調整用電極912A〜912Dおよび932A〜932Dの組み合わせを6通り、模式的に示した。すなわち、調整用電極912A〜912Dおよび932A〜932Dが1つも選択されていない状態が「選択例0」であり、屈曲領域91において駆動電極911から最も離れた調整用電極912Dが選択されて駆動電極911と絶縁され、屈曲領域91における電圧印加領域と電圧非印加領域との比が4:1とされたものが「選択例1」であり、以降、選択する調整用電極を振動体55の対角において交互に、1つずつ増やしていったものが、「選択例2」、「選択例3」、「選択例4」、「選択例5」である。
図20に示したグラフは、図20下欄の6通りの選択例0〜5における振動体55のサンプルの縦共振周波数fr1、屈曲共振周波数fr2、およびこれらの差(fr2−fr1)であるΔfrをそれぞれ測定し、プロットしたものである。このグラフによれば、選択例0、選択例1、選択例2、・・・選択例5と移行するに従って、調整前(選択例0)に5.2kHzであったΔfrは徐々に減少する傾向にある。
なお、調整用電極912A〜912Dおよび932A〜932Dの選択態様は、選択例0〜5に限らないが、これらの選択例0〜5に基いて、Δfrの調整量を見込むことが可能である。なお、図20に限らず、複数の振動体55サンプルの測定データを基に、Δfrの調整量を設定してよい。
また、図20には、正転用の調整領域である屈曲領域91,93における調整用電極912A〜912Dおよび932A〜932Dのうちから選択した場合のみを示したが、この場合の各調整用電極の選択態様と固有振動数との対応関係は、逆転用の調整領域である屈曲領域92,94における調整用電極922A〜922Dおよび942A〜942Dのうちから選択した場合にも通用する。すなわち、屈曲領域91,93と屈曲領域92,94とは、振動体55の中心線C(図19)に対して線対称に配置されているので、屈曲領域91,93に電圧印加した際の振動体55の振動軌跡と屈曲領域92,94に電圧印加した際の振動体55の振動軌跡とについても、振動体55の中心線Cに対して略線対称となり、屈曲領域92,94における調整用電極922A〜922Dおよび942A〜942Dのうちから図20に示した選択例0〜5と同様に選択すれば、振動体55の固有振動数も図20のグラフと略同様に変化するものと推論できる。
そして、このような振動体55においても、第2実施形態と同様にして、振動体55の縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2との差Δfrについて調整するが、本実施形態の圧電アクチュエータ45は、正方向R1への駆動(正転モード)、逆方向R2への駆動(逆転モード)の両方が可能であることから、これらの正転モード、逆転モードそれぞれにおけるΔfrを調整する。ここで、本実施形態では、正転、逆転の各動作モードごとにΔfrを調整するのではなく、正転モード、逆転モードの間におけるΔfrの差をなくすように、固有振動数の調整を実施する。
ここで、振動体55について実施する固有振動数の調整の一例を示す。図19は、調整前の振動体55を示し、図19(A)に示す正転モードでは、Δfrは5.2kHzであるのに対し、図19(B)に示す逆転モードでは、Δfrは4.8kHzであり、正転、逆転時の駆動特性がばらついている。ここで、前掲の図20に示したように、屈曲領域91,93における各調整用電極の選択によって電極印加領域が小さくなると、Δfrは減少する傾向が把握されているので、逆転モードにおけるΔfrを規定値として正転モードにおけるΔfrを減少させる。
それには、各屈曲領域91,93における各調整用電極912A〜912Dおよび932A〜932Dの選択態様ごとに設定されたΔfrの調整量を用いる。すなわち、図20にも示すように、選択例1〜5と同じ選択態様とすることで、約5.1kHzから約4.55kHzへとΔfrが段階的に調整され、各段階において、調整前と比べてΔfrが変化した量、すなわち、Δfrの調整量を求めることができる。
図19に示す例では、屈曲領域91,93における各調整用電極912A〜912Dおよび932A〜932Dの選択を決定し、正転モードにおけるΔfrが減少するように調整することにより、正転モードにおけるΔfr(5.2kHz)を逆転モードにおけるΔfr(4.8kHz)と揃える。ここではΔfrの調整量が約0.4kHzである選択例4を適用でき、この選択例4に基いて導通部73が溶断される。
図21に、このような手順により固有振動数が調整された振動体55を示した。固有振動数の調整により、正転モードにおけるΔfrが逆転モードにおけるΔfrと同じ4.8kHzとなり、正転、逆転の各モード間における圧電アクチュエータ45の駆動特性のばらつきが解消された。
なお、図19および図21を参照して説明した振動体55の固有振動数の調整手順は、一例に過ぎず、個々の振動体55に応じて必要なΔfr調整量を得て、適宜調整すればよい。また、前述とは逆に、逆転モードにおけるΔfrを正転モードにおけるΔfrに合わせるように調整してもよく、この場合、逆転モードに対応する屈曲領域92,94における各調整電極の選択により、逆転時の固有振動が調整される。すなわち、正転時、逆転時のΔfrのいずれか一方を規定値として、他方のΔfrについて調整を実施すればよい。
ここで、正転モードにおけるΔfrと逆転モードにおけるΔfrとは、完全に一致しなくてもよく、正転モード、逆転モードの両モード間におけるΔfrの差は、所定の適正範囲に納まっていればよい。
本実施形態によれば、第2実施形態において述べた効果に加えて、次のような効果を奏する。
(11)ロータ120を正方向R1に回転させる正転モードと、ロータ120を逆方向R2に回転させる逆転モードとを有する圧電アクチュエータ45において、振動体55に設けられた屈曲領域91における各調整用電極912A〜912Dの駆動電極911への導通、あるいは屈曲領域93における各調整用電極932A〜932Dの駆動電極931への導通により、正転モードにおけるΔfrが調整される。また、屈曲領域92における各調整用電極922A〜922Dの駆動電極921への導通、あるいは屈曲領域94における各調整用電極942A〜942Dの駆動電極941への導通により、逆転モードにおけるΔfrが調整される。このようなΔfrの調整は、正転モード、逆転モードの両モード間におけるΔfrの差をなくすように調整されていることから、正転モード、逆転モード間の駆動特性のばらつきを解消できる。これにより、ロータ120を正方向R1および逆方向R2の両方向に、所定速度で正確に回転駆動させることができる。
(12)また、屈曲領域91,93と屈曲領域92,94とが振動体55の中心線Cに対して線対称に配置されているので、振動体55のサンプルに基き、正転モードに対応する屈曲領域91,93あるいは逆転モードに対応する屈曲領域92,94のいずれか一方のΔfr調整量を求めることで、他方の動作モード時に用いられるΔfrも略同じとみなすことができる。すなわち、正転、逆転の各モードにおけるΔfrの調整量を別々に求めなくても済み、固有振動数の調整を容易化できる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、第4実施形態と同様に正転モードおよび逆転モードで動作するが、第4実施形態の振動体とは電極の分割形態が一部相違する。
図22は、本実施形態における振動体455を示す。振動体455には、第4実施形態の振動体55(図18)と同様に、屈曲領域91,93および屈曲領域92,94がそれぞれ配置されているが、各屈曲領域91〜94は、長手方向に沿って形成された線状溝75によって略二等分され、各屈曲領域91〜94において駆動電極901側の領域には、振動体455の長手方向に沿って延びる駆動電極911A,921A,931A,941Aがそれぞれ形成されている。
一方、各屈曲領域91〜94において、駆動電極911A,921A,931A,941Aの外側の領域には、第4実施形態と同様に、駆動電極911等が1つずつと、調整用電極912A〜912D等が4つずつ形成されている。
なお、駆動電極911A,921A,931A,941Aには、リード線Lが設けられ、このリード線Lを通じて屈曲領域91〜94における各電極は図示しない電圧印加装置に接続されている。
図23に、振動体455の固有振動数の調整例を示す。図23(A)は、調整前の振動体455を示し、図23(B)は、予め設定されたΔfrの調整量に基いて、屈曲領域91,93における各調整用電極912A〜912Dおよび932A〜932Dのうち、振動体455の角隅に配置された調整用電極912Dおよび932Dの導通部73(図22)がそれぞれ切断された状態を示している。
また、図23(C)では、屈曲領域91における調整用電極912Cの導通部73が切断されて、調整用電極912C,912Dが駆動電極911と絶縁されるとともに、屈曲領域93における調整用電極932Cの導通部73が切断されることにより、調整用電極932C,932Dが駆動電極931と絶縁されている。
なお、図23には、正転モードに対応する屈曲領域91,93における調整用電極の選択例のみ示したが、屈曲領域92,94についても同様である。
ここで、図23(B)および(C)のように屈曲領域91,93における各調整用電極を駆動電極911と電気的に切り離していくと、電圧印加領域の振動体455長手方向における寸法が小さくなる。このため、屈曲振動を誘発するのに必要な、振動体455の幅方向両側における圧電素子52の伸縮が十分に得られず、振動体455の全体挙動における圧電素子52の伸縮のアンバランス度合が小さくなるところ、本実施形態では、駆動電極911A、931A等における圧電素子52の伸縮が功を奏し、このアンバランス性を確保できる。
なお、本実施形態では、線状溝75と溝166との間を切断することによって、駆動電極911A等と駆動電極911等とを絶縁することも可能であり、これにより、各屈曲領域91〜94において、1つの駆動電極と4つの調整用電極に応じた5段階の調整が可能となる。
本実施形態によれば、第4実施形態で述べた効果に加え、次のような効果も奏する。(13)振動体455の屈曲領域91〜94に長手方向に沿って延びる駆動電極911A〜941Aをそれぞれ設けたことにより、屈曲振動を誘発するのに必要な振動体455の幅方向両側における圧電素子52の伸縮のアンバランス性が確保され、振動体455は縦振動および屈曲振動の混合モードで励振するため、突起57の楕円軌跡E1,E2を実現できる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態は、第4、第5実施形態の振動体とは電極の分割形態が相違する。
図24は、本実施形態における振動体555を示す。振動体555の各屈曲領域91〜94には、振動体555の端部から長手方向に延び、溝166に近接するT字状溝76A,76Bが2本形成され、T字状溝76Aと縦方向の溝165との間はそれぞれ、駆動電極911A、921A,931A,941Aとなっている。また、これらの駆動電極911A等に隣接して、調整用電極912A,912B等が2つずつ配置されている。なお、駆動電極911A等の幅寸法は、屈曲領域91の幅の略半分となっている。
図25に、振動体555の固有振動数の調整例を示す。図25(A)は、調整前の振動体555を示し、図25(B)は、予め設定されたΔfrの調整量に基いて、振動体555の端部に配置された調整用電極912Bおよび調整用電極932Bの導通部73(図24)がそれぞれ切断された状態を示している。
また、図25(C)では、屈曲領域91における調整用電極912Aの導通部73が切断され、調整用電極912A,912Bが駆動電極911Aと絶縁されるとともに、屈曲領域93における調整用電極932Aの導通部73が切断されることにより、調整用電極932A,932Bが駆動電極931Aと絶縁されている。なお、図25には、正転モードに対応する屈曲領域91,93における調整用電極の選択例のみ示したが、屈曲領域92,94についても同様である。
ここで、本実施形態においても第5実施形態と同様に、駆動電極911A、921A,931A,941Aが設けられているため、振動体555の幅方向両側における圧電素子52の伸縮のアンバランス性が確保され、屈曲振動を確実に励振して突起57の楕円軌跡E1,E2を実現できる。
本実施形態によれば、第5実施形態で述べた効果と略同様の効果を奏する。
〔第7実施形態〕
次に、本発明の第7実施形態について説明する。第4〜第6実施形態における振動体の電極は、大略、5つに分割されていたが、本実施形態における振動体の電極は、大略、4つに分割されている。
図26は、本実施形態における振動体655の平面図である。振動体655の電極は、縦横に走る溝165,166によって略4等分され、各屈曲領域91〜94が形成されている。
各屈曲領域91〜94には、第4実施形態と同様に駆動電極および調整用電極が形成され、屈曲領域91を例に取ると、1つの駆動電極911と、4つの調整用電極922A〜922Dとが形成されている。
このような振動体655においても、前述と略同様に、屈曲領域91,93に電圧を印加することにより、ロータなどの被駆動体を正方向に駆動でき、また、屈曲領域92,94に電圧を印加することにより、ロータなどの被駆動体を逆方向に駆動できる。
図27に、振動体655の固有振動数の調整例を示した。ここでも、前述と略同様に、Δfrの調整量に基いて、各調整用電極912A〜912D等を駆動電極911等から必要な数だけ絶縁し、正転モードにおけるΔfrと逆転モードにおけるΔfrとを略一致させる。これにより、正転モード、逆転モード間における駆動性能のばらつきを補正できる。
本実施形態によれば、第4実施形態で述べた効果と略同様の効果を奏する。
〔第8実施形態〕
次に、本発明の第8実施形態について説明する。本実施形態は、第7実施形態と同様に大略4つの領域に電極が分割された振動体において、第6実施形態で示した調整用電極の分割態様を適用したものである。
図28は、振動体755の平面図である。振動体755における各屈曲領域91〜94には、振動体755の端部から長手方向に沿って延びて溝166に近接するT字状溝76A,76B,76Cが3本並んで形成され、T字状溝76Aと溝165との間はそれぞれ、駆動電極911A、921A,931A,941Aとなっている。また、これらの駆動電極911A等に隣接して、調整用電極912A,912B,912C等が3つずつ配置されている。
このような振動体755における固有振動数の調整は、第6実施形態と略同様であり、説明を省略する。本実施形態の振動体755には、第4〜第6実施形態における振動体と比べて幅広の駆動電極911A,921A,931A,941Aが設けられていることから、振動体755の幅方向両側における圧電素子52の伸縮アンバランスの度合を大きくでき、屈曲振動を確実に励振できる。
〔変形例〕
本発明は、前述の各実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、以上述べた実施の形態に対し、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができる。
例えば、第1、第2実施形態では、導通部63,73の切断は、導通部63,73への通電によるジュール熱を利用して行われていたが、導通部の切断方法は、これに限定されない。
図29に、導通部73を切断する方法を(A)〜(C)の3つ例示した。(A)では、小径のエンドミルC11により、(B)では、超音波カッターC12により、(C)ではレーザーC13により、導通部73がそれぞれ切断されている。これらのほか、サンドブラスト、砥石、バイトによる切削などによって導通部73を切断することも可能である。いずれの方法を用いても、振動体70表層の電極60部分のみを切断すれば良いので、サイクルタイムを短くできるうえ、設備投資を少なくできる。レーザーC13を用いた場合では、導通部73を非接触で切断できる利点がある。
なお、レーザーC13の種類に関しては、YAGレーザー、エキシマレーザー、フェムト秒レーザなどを例示できる。エキシマレーザーを使用した場合は、振動体70への熱ダメージを極めて小さくできる。
また、複数の調整用電極が所定方向に並んで設けられ、導通部の切断により調整用電極と駆動電極とを絶縁する場合、調整用電極と駆動電極との導通態様は、第2、第3実施形態のようなものに限定されない。
図30は、複数の調整用電極の駆動電極との導通形態について示したもので、図30(A)では、2つの調整用電極132A,132Bが駆動電極61と隣り合う位置に導通部133A、133Bをそれぞれ有している。このように、調整用電極132A,132Bと駆動電極61とをパラレル(並列)で接続することもできる。この構成では、調整用電極132A,132Bは駆動電極61とそれぞれ接続されているから、調整用電極132A,132Bの両方を駆動電極61と絶縁する際は、導通部133A,133Bをいずれも切断する必要がある。
これに対して、図30(B)は、2つの調整用電極77A,77Bを駆動電極61とシリアル(直列)に接続した例を示している。この例では、一方の調整用電極77Bのみ、駆動電極61と隣り合う位置に導通部78Bを有し、他方の調整用電極77Aは、一方の調整用電極77Bと隣り合う位置に導通部78Aを有している。この構成は、第2実施形態における導通部73A〜73Cの構成と同様である。このようなシリアル接続によれば、調整用電極77A,77Bの両方を駆動電極61と絶縁する際でも、導通部78Bの1箇所の切断で済むという利点がある。
また、圧電振動体の支持構造についても、前記各実施形態に限定されない。
図31に示した振動体70は、第1実施形態と同様に、圧電素子と補強板とが積層されて構成され(参考;図4)、その補強板の腕部154には、地板23から突出する3つのピンPNに対応する3つの長孔1541がそれぞれ形成されている。これらの長孔1541は、振動体70の長手方向に沿って並び、各長孔1541の長軸方向はいずれも振動体70の幅方向に沿うものとなっている。長孔1541の1つにはねじSCが挿通され、このねじSCはピンPNに形成されたねじ孔と螺合される。
振動体70は、長孔1541の部分で支持固定されるため、振動体70の固定位置をピンPNに対して長孔1541の長軸方向に移動することができる。図31には、ピンPNと振動体70との距離が最も小さい状態が示されており、図31中、振動体70を左方に移動してピンPNから離して固定することができる。ここで、ピンPNと振動体70との距離が小さいほど屈曲振動が拘束されて屈曲振動の固有振動数が大きくなる。すなわち、固定位置を変えることで振動体70の固有振動数を変化させて調整できるので、前記各実施形態で述べた固有振動数の調整に加えて、ここで述べた固有振動数の調整を補助的に行うことも考えられる。
次に、本発明の他の変形例として、図32に示した時計9では、文字板11に円形状の表示部144が設けられ、この表示部144における日針145の回転により、カレンダが表示されている。このカレンダ表示は、第1実施形態の時計1におけるリング状の日車33によるものとは形式が異なるが、時計9のムーブメント2Aには、図33に示すように、第1実施形態におけるアクチュエータ40と略同様のアクチュエータ170を備えた日表示装置140が組み込まれている。なお、図33において、21は筒車を示している。
日表示装置140は、表示部144(図32)および日針145と、日針145が取り付けられた日車143と、この日車143を駆動するアクチュエータ170とを備えて構成されている。
日車143は、31日で1回転する歯車であり(歯数は31)、その軸には日針145が取り付けられている。
アクチュエータ170は、日車143を駆動するロータ171と、第1実施形態と同様の振動体50とを備えて構成されている。
ロータ171は、日車143と振動体50との間に配置され、日の変わり目に送られる円板状の回転体であって、日車143を1日に1歯ずつ送る送り爪1711を有している。このロータ171の外周には、振動体50の突起53が当接され、振動体50の振動が伝達されている。
このような日表示装置140においても、前述と同様に、振動体50が縦振動および屈曲振動の複数のモードで励振し、突起53による楕円軌跡の一部でロータ171が繰り返し押圧されることにより、ロータ171が所定方向に回転する。そして、ロータ171の回転によって日車143が1日に1歯ずつ送られ、日針145が表示部144(図1)の目盛941を順次指し示すことにより、日の表示が行われる。
ところで、前記各実施形態では、圧電振動体は矩形板状であったが、矩形に限らず、台形状や平行四辺形などでもよく、また、板状に限らず、棒状、円柱状などであってもよい。
さらに、前記各実施形態では、補強板51の両面に圧電素子52がそれぞれ設けられていたが、補強板51の片面にだけ圧電素子52が設けられていてもよい。そして、補強板51の両面に圧電素子52が設けられている場合であっても、調整用電極62等が片面側だけに設けられていてもよい。さらには、圧電素子52を補強板51と貼り合わせずに、圧電素子52単体で振動体を構成しても構わない。
また、調整用電極が複数設けられる場合、各調整用電極の大きさや形状は同じであっても違っていてもよい。
さらに、第2、第3実施形態では、複数の調整用電極72,82が振動体70,80の長手方向に沿って並んでいたが、振動体70,80の長手方向と交差する方向に複数の調整用電極を並べて配置することも考えられる。ただし、振動体70,80の長手方向に沿って調整用電極を並べたほうが調整量を大きく確保できる。
また、複数の調整用電極の配置は、前記実施形態のように所定方向に沿って並んでいなくてもよく、例えば、矩形板状の圧電素子に設けられた電極の四隅に調整用電極を配置することも考えられる。
前述のように、調整用電極の数、大きさ、配置などに関しては、固有振動数の調整量に応じて適宜決められる。
前述の第4〜第8実施形態で示した振動体では、固有振動数の調整前、各調整用電極は駆動電極と導通状態にあり、導通部の切断によって調整用電極を駆動電極から電気的に切り離すことによって固有振動数を調整していたが、これら第4〜第8実施形態において、第3実施形態に示した調整方法を適用してもよい。この場合、固有振動数の調整前、各調整用電極は駆動電極と絶縁された状態にあり、Δfrの調整量に鑑みて適宜選択された調整用電極をワイヤや導電性ペーストなどを用いて駆動電極に導通することにより、前述と同様にΔfrを調整できる。
以上で詳述したように、調整用電極を駆動電極に導通させるか否かによって固有振動数が調整されるが、この固有振動数の調整に関しては、前記各実施形態に例示した調整例に限らず、様々な方法がある。前記各実施形態では、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との差であるΔfrを所定の規定値に調整する例を示したが、これに限らず、縦振動の固有振動数についての規定値と、屈曲振動の固有振動数についての規定値とが決められ、縦振動の固有振動数と屈曲振動の固有振動数とが別々に調整されていてもよい。
また、振動軌跡が互いに異なる複数の動作モードで動作する圧電振動体の場合、第4〜第8実施形態では、正転モード、逆転モードのうちいずれか一方のモードにおける固有振動数(具体的にはfr1とfr2との差分であるΔfr)を規定値として、他方のモードにおける固有振動数(同じくΔfr)のみを調整し、両モードにおける固有振動数を揃えていたが、調整方法はこれに限定されない。すなわち、正転モードにおける固有振動数の規定値と、逆転モードにおける固有振動数の規定値とが決められ、これらの規定値を目標に、両モードそれぞれの固有振動数が別々に調整されていてもよい。
さらに、第4〜第8実施形態では、正転モードおよび逆転モードの両モード間におけるΔfrの差をなくすように調整していたが、このように両モードにおけるΔfrを一致させる場合に限らず、Δfrの差を所定の値とする、すなわち、正転モードにおけるΔfrと逆転モードにおけるΔfrとの間に所定の差を持たせるように調整することも有用である。
またさらに、正転、逆転モードそれぞれにおける所定のΔfr規定値が決められ、各動
作モードごとにΔfrが所定の規定値となるように調整してもよい。すなわち、各動作モードにおける振動特性をそれぞれ調整できる。
なお、前記各実施形態における時計は、電池を備える電子時計であったが、これに限らず、二次電源と発電機を有する発電タイプの電子時計として構成されていてもよい。また、光発電(ソーラー発電)や熱発電するタイプの時計であってもよい。
なお、発電した電力を二次電池に蓄える時計においては、コンデンサの内部抵抗による電圧降下を回避するために過大な電流を流すことができないという制約があるところ、本発明の圧電アクチュエータは低出力で所望の駆動性能を達成することができるので、このような二次電池を有する時計を構成するものとして好適である。
本発明の圧電振動体は、圧電アクチュエータや、圧電アクチュエータを備えた時計、カメラなどの電子機器に広く使用することができる。また、圧電振動体単体でも駆動機構を構成することができ、また、電子回路における発振子などとして使用することもできる。
本発明の第1実施形態における時計の外観図。 前記実施形態における時計のムーブメントに組み込まれた日表示装置を示す平面図。 図2の部分拡大図であり、前記実施形態における圧電アクチュエータを示す平面図。 前記実施形態における圧電振動体の斜視図。 前記実施形態における圧電振動体について、(A)は、駆動周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフ、(B)は、駆動周波数と縦振動および屈曲振動の振幅との関係を示すグラフ。 前記実施形態における導通部の切断について説明するための図。 前記実施形態における圧電振動体について、縦振動および屈曲振動の各共振周波数の差(Δfr)の調整量とインピーダンス増加量との関係を示すグラフ。 前記実施形態における圧電振動体の動作を示す平面図。 本発明の第2実施形態における圧電振動体の平面図。 前記実施形態における圧電振動体の動作を示す平面図。 前記実施形態における圧電振動体の3つのサンプルについて、調整用電極の選択に応じて共振周波数が変化する様子を示した図。 前記実施形態におけるロット内の圧電振動体について、縦共振周波数と屈曲共振周波数との差(Δfr)を調整する前後におけるΔfrの分布を示す図。 図12におけるΔfr調整の調整量を示した図。 本発明の第3実施形態における圧電振動体の平面図。 前記実施形態において調整用電極を駆動電極に導通させる3つの手段を示す図。 前記実施形態における圧電振動体の動作を示す平面図。 本発明の第4実施形態における圧電アクチュエータを示す平面図。 前記実施形態における圧電振動体の平面図。 (A)は、前記実施形態における正転モード時の圧電振動体を示す図。一方、(B)は、前記実施形態における逆転モード時の圧電振動体を示す図。 前記実施形態における圧電振動体のサンプルについて、調整用電極の選択に応じて固有振動数が変化する様子を示した図。 (A)は、図19(A)の圧電振動体について固有振動数の調整を実施した後の状態を示す図。一方、(B)は、逆転モード時の圧電振動体を示し、図19(B)と同じ。 本発明の第5実施形態における圧電アクチュエータを示す平面図。 前記実施形態の振動体の固有振動数の調整例を示す図。 本発明の第6実施形態における圧電アクチュエータを示す平面図。 前記実施形態の振動体の固有振動数の調整例を示す図。 本発明の第7実施形態における圧電アクチュエータを示す平面図。 前記実施形態の振動体の固有振動数の調整例を示す図。 本発明の第8実施形態における圧電アクチュエータを示す平面図。 本発明の変形例において導通部を切断する3つの方法を示す図。 本発明の変形例において複数の調整用電極を駆動電極とパラレル接続する場合とシリアル接続する場合とを示す図。 本発明の変形例における圧電振動体の支持構造を示す図。 本発明の変形例における時計の外観図。 前記変形例における時計のムーブメントに組み込まれた圧電アクチュエータを示す平面図。
符号の説明
1・・・時計、2・・・ムーブメント、30・・・日表示装置、40,45・・・アクチュエータ、41,120・・・ロータ(被駆動体)、50,70,80,55,455,555,655,755・・・振動体(圧電振動体)、52・・・圧電素子、53,57・・・突起(圧電振動体の一部)、60,160・・・電極、61,901,911,921,931,941・・・駆動電極、911A,921A,931A,941A・・・駆動電極(駆動電極)、62,72,82,912A〜912D,922A〜922D,932A〜932D,942A〜942D・・・調整用電極、63,73・・・導通部、91〜94・・・屈曲領域(調整領域)、111・・・はんだ(導電性部材)、112・・・ワイヤ(導電性部材)、113・・・導電性ペースト(導電性部材)、fr1・・・縦共振周波数、fr2・・・屈曲共振周波数、Δfr・・・屈曲共振周波数から縦共振周波数を引いた値(差分)、C・・・中心線、E1,E2・・・楕円軌跡(振動軌跡)、R1・・・正方向、R2・・・逆方向。

Claims (17)

  1. 電極が設けられた圧電素子を備え、前記電極への電圧印加により前記圧電素子が長手方向に伸縮する縦振動が励振され、この縦振動により前記長手方向と交差する方向のモーメントが生じて屈曲振動が誘発される圧電振動体において、
    前記電極は、電圧が印加される駆動電極と、この駆動電極と隣り合う調整用電極とを備えて構成され、
    前記調整用電極は、前記駆動電極と隣り合う部分に当該駆動電極と導通する導通部を有し、
    前記導通部を切断したときは前記屈曲振動の固有振動数が増大し、前記縦振動の共振周波数と前記屈曲振動の共振周波数との差が増大するよう構成されている
    ことを特徴とする圧電振動体。
  2. 電極が設けられた圧電素子を備え、前記電極への電圧印加により前記圧電素子が長手方向に伸縮する縦振動が励振され、この縦振動により前記長手方向と交差する方向のモーメントが生じて屈曲振動が誘発される圧電振動体において、
    前記電極は、電圧が印加される駆動電極と、前記駆動電極と間をおいて隣り合う調整用電極とを備え、
    前記調整用電極は、前記駆動電極とは絶縁されており、
    前記調整電極と前記駆動電極とを導電性部材を用いて導通させたときは前記屈曲振動の固有振動数が減少し、前記縦振動の共振周波数と前記屈曲振動の共振周波数との差が減少するよう構成されている
    ことを特徴とする圧電振動体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電振動体において、
    前記調整用電極は、複数設けられている
    ことを特徴とする圧電振動体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電振動体において、
    振動軌跡が互いに異なる複数の動作モードに切り替え可能であり、
    前記圧電素子は、前記動作モード別に設けられて当該動作モードに応じて電圧印加、電圧非印加が切り替えられる複数の調整領域を有し、
    前記駆動電極および前記調整用電極は、前記調整領域にそれぞれ設けられ、
    前記固有振動数の調整は、前記各動作モードごとに実施されている
    ことを特徴とする圧電振動体。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電振動体において、
    振動軌跡が互いに異なる複数の動作モードに切り替え可能であり、
    前記圧電素子は、前記動作モード別に設けられて当該動作モードに応じて電圧印加、電圧非印加が切り替えられる複数の調整領域を有し、
    前記駆動電極および前記調整用電極は、前記調整領域にそれぞれ設けられ、
    前記固有振動数の調整では、前記各動作モード間における前記固有振動数の差が調整されている
    ことを特徴とする圧電振動体。
  6. 請求項4または請求項5に記載の圧電振動体において、
    前記圧電振動体は、平面略矩形状で構成されており、
    前記動作モードの一方に対応する前記調整領域と、前記動作モードの他方に対応する前記調整領域とは、前記振動体の図心を通る長手方向に沿った中心線に対して線対称にそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする圧電振動体。
  7. 請求項6に記載の圧電振動体において、
    前記調整用電極は、前記平面略矩形における対角位置にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする圧電振動体。
  8. 請求項1、および請求項3から請求項7のいずれかに記載の圧電振動体において、
    前記導通部の切断は、当該圧電振動体に電流を流した際に生じるジュール熱により行われている
    ことを特徴とする圧電振動体。
  9. 電極が設けられた圧電素子を備え、前記電極への電圧印加により前記圧電素子が長手方向に伸縮する縦振動が励振され、この縦振動により前記長手方向と交差する方向のモーメントが生じて屈曲振動が誘発される圧電振動体の固有振動数の調整方法であって、
    前記電極は、電圧が印加される駆動電極と、この駆動電極と隣り合う調整用電極とを備えて構成され、
    前記調整用電極を前記駆動電極と電気的に切断することにより前記屈曲振動の固有振動数が増大し、前記縦振動の共振周波数と前記屈曲振動の共振周波数との差が増大する
    または前記調整用電極を前記駆動電極と導通させることにより前記屈曲振動の固有振動数が減少し、前記縦振動の共振周波数と前記屈曲振動の共振周波数との差が減少する
    ことを特徴とする圧電振動体の調整方法。
  10. 請求項9に記載の圧電振動体の固有振動数の調整方法において、
    前記圧電素子に、複数の調整領域を設けてこの調整領域への電圧印加、電圧非印加を切り替えることで、前記圧電振動体を振動軌跡が互いに異なる複数の動作モードで動作可能に構成し、
    前記調整領域に、前記駆動電極および前記調整用電極をそれぞれ設け、
    前記固有振動数の調整を、前記各動作モードごとに実施する
    ことを特徴とする圧電振動体の調整方法。
  11. 請求項9に記載の圧電振動体の調整方法において、
    前記圧電素子に、複数の調整領域を設けてこの調整領域への電圧印加、電圧非印加を切り替えることで、前記圧電振動体を振動軌跡が互いに異なる複数の動作モードで動作可能に構成し、
    前記調整領域に、前記駆動電極および前記調整用電極をそれぞれ設け、
    前記固有振動数の調整を、前記各動作モード間における前記固有振動数の差を調整することにより行う
    ことを特徴とする圧電振動体の調整方法。
  12. 請求項9から請求項11のいずれかに記載の圧電振動体の調整方法において、
    前記調整用電極と前記駆動電極との切断は、前記圧電振動体に電流を流してジュール熱を発生させることにより行う
    ことを特徴とする圧電振動体の調整方法。
  13. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の圧電振動体、または請求項11から請求項15のいずれかに記載の方法により調整された圧電振動体と、この圧電振動体の振動により駆動される被駆動体とを備えた
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  14. 請求項13に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記被駆動体は、前記圧電素子に設けられた複数の調整領域への電圧印加が切り替えられることにより、前記圧電振動体の振動軌跡が互いに異なる正方向と逆方向とのいずれかに駆動され、
    前記固有振動数の調整により、前記正方向への駆動時における駆動特性と前記逆方向への駆動時における駆動特性とがそれぞれ調整されている
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  15. 請求項13に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記被駆動体は、前記圧電素子に設けられた複数の調整領域への電圧印加が切り替えられることにより、前記圧電振動体の振動軌跡が互いに異なる正方向と逆方向とのいずれかに駆動され、
    前記固有振動数の調整により、前記正方向への駆動時における駆動特性と前記逆方向への駆動時における駆動特性との差が調整されている
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  16. 請求項13から請求項15のいずれかに記載の圧電アクチュエータを備えた
    ことを特徴とする時計。
  17. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の圧電振動体、または請求項9から請求項13のいずれかに記載の方法により調整された圧電振動体を備えた
    ことを特徴とする電子機器。
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