JPH10146070A - 振動アクチュエータ及びそのチューニング法 - Google Patents

振動アクチュエータ及びそのチューニング法

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JPH10146070A
JPH10146070A JP8319585A JP31958596A JPH10146070A JP H10146070 A JPH10146070 A JP H10146070A JP 8319585 A JP8319585 A JP 8319585A JP 31958596 A JP31958596 A JP 31958596A JP H10146070 A JPH10146070 A JP H10146070A
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JP
Japan
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vibration
diameter portion
vibrator
mode
resonance frequency
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Application number
JP8319585A
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English (en)
Inventor
Isao Sugaya
功 菅谷
Takatoshi Ashizawa
隆利 芦沢
Mitsuhiro Okazaki
光宏 岡崎
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Publication of JPH10146070A publication Critical patent/JPH10146070A/ja
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 いわゆる縦−捩じり振動縮退型の振動アクチ
ュエータでは、加工公差により、縦振動,捩じり振動そ
れぞれの振動の周波数がずれてしまう。 【解決手段】 組み立て後の振動アクチュエータの周波
数のずれに応じて、縦振動,捩じり振動それぞれの固有
周波数の変化率に差がある振動子22の第2大径部22
dの外径Dを変化させることにより、振動子22に発生
する縦振動,捩じり振動の共振周波数を所望の状態に調
整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも2種類
の振動を発生させる異形モード縮退型の振動子を備える
振動アクチュエータ及びそのチューニング法に関する。
【0002】
【従来の技術】図32は、縦−捩じり振動型の振動アク
チュエータの従来例を示した斜視図である。
【0003】従来、この種の振動アクチュエータでは、
固定子(ステータ)101においては、2つの円柱型の
振動子102,103間に捩じり振動用圧電素子104
が配置されるとともに、振動子103の上側に縦振動用
圧電素子105が配置される。捩じり振動用圧電素子1
04は周方向に分極される。一方、縦振動用圧電素子1
05は厚み方向に分極される。さらに、移動子(ロー
タ)106は、縦振動用圧電素子105の上側に配置さ
れる。
【0004】固定子101を構成する振動子102,1
03及び圧電素子104,105は、シャフト107の
ねじ部に螺合されて固定される。移動子106は、ボー
ルベアリング108を介してシャフト107に回転可能
に設けられる。シャフト107の先端にはばね109を
介してナット110が螺合する。これにより、移動子1
06を固定子101に加圧力Fで加圧接触させる。
【0005】捩じり振動用圧電素子104と縦振動用圧
電素子105とは、発振器111から発振される同一周
波数の電圧を移相器112により位相制御することによ
り、駆動される。
【0006】捩じり振動用圧電素子104は、移動子1
06が回転するための機械的変位を与える。一方、縦振
動用圧電素子105は、固定子101と移動子106と
の間に働く摩擦力を捩じり振動用圧電素子104による
捩じり振動の周期に同期させて周期的に変動させること
により、振動を一方向への運動に変換するクラッチ的役
割を果たす。
【0007】図33は、この振動アクチュエータの固定
子101を展開して示した斜視図である。円環状の捩じ
り振動用圧電素子104は周方向に分極しておく必要が
ある。そこで、図33に示すように、圧電材料を6〜8
個程度の扇形の小片に一旦分割する。そして、各小片毎
に分極処理を行った後に再度環状に組み合わせていた。
なお、図中符号104aは電極である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図32及び図
33を用いて説明した従来の振動アクチュエータでは、
捩じり振動用圧電素子104を円環状に組み合わせる際
に、形状精度を確保することが難しかった。
【0009】一方、縦振動用圧電素子105,及び捩じ
り振動用圧電素子104それぞれの面積は、ともに、移
動子106の断面積と略等しいか、又は、移動子106
の断面積よりも小さかった。また、シャフト107を貫
通させるために縦振動用圧電素子105,及び捩じり振
動用圧電素子104それぞれの中央部に孔を開ける必要
がある。そのため、縦振動用圧電素子105,及び捩じ
り振動用圧電素子104それぞれの面積はさらに小さく
なってしまい、振動アクチュエータの高トルク化及び高
回転化をともに図ることが難しかった。
【0010】このような問題を解決するために、本出願
人は、既に特願平6−275022号等により、高トル
ク及び高回転で駆動することができ、さらに、構造及び
製造がともに簡単な異形モード縮退型の振動アクチュエ
ータを提案した。
【0011】図34は、この異形モード縮退型の振動ア
クチュエータの構造を示す縦断面図である。図35は、
この振動アクチュエータに用いる振動子の構造を示す説
明図であり、図35(A)は上面図,図35(B)は側
面図である。
【0012】図34において、中央部に大径部1aを有
する丸棒状の固定軸1の外周面には、大径部1aに螺合
する取付ボルト3a,3bによって、円筒状の弾性体で
ある振動子2が固定される。
【0013】振動子2は、図35(A)又は図35
(B)に示すように、二つの厚肉の半円管状弾性体2
a,2bを組み合わせて構成される。両者の接合面に
は、圧電定数d15を用いる捩じり振動用圧電素子4と圧
電定数d31を用いる縦振動用圧電素子5とがそれぞれ2
枚ずつ合計4枚挟まれた状態で保持される。なお、半円
管状弾性体2a,2bは図34の例と異なり、半円柱状
弾性体や角柱状弾性体等であってもよい。
【0014】振動子2の上端面である駆動面Dには、図
34に示すように、中央部に配置されたベアリング6に
より固定軸1に回動自在に設置された相対運動部材であ
る移動子7が接触する。
【0015】移動子7は、厚肉円環状の移動子母材7a
と,移動子母材7aの端面に装着されて振動子2の駆動
面Dに接触する円環状の摺動材7bとから構成される。
移動子7は、その内周部に嵌め合わされて装着されたベ
アリング6によって、固定軸1に対して位置決めされ
る。
【0016】また、移動子7は、皿バネ,スプリングバ
ネ又は板バネ等の加圧部材8によりフランジ付の円環状
の加圧力伝達部材9を介して、振動子2の駆動面Dに加
圧接触される。
【0017】このように、固定軸1は、振動子2を固定
するとともに移動子7を半径方向に回転自在に位置決め
することにより、振動アクチュエータとして駆動する際
の軸振れの発生を防止する。この固定軸1の先端にはね
じ部1bが形成される。このねじ部1bには、加圧部材
8の加圧力を調整するためのナット等の加圧力調整部材
10がネジ止めされる。
【0018】このように構成された振動アクチュエータ
において、捩じり振動用圧電素子4,縦振動用圧電素子
5それぞれに図示しない駆動電圧発生装置から駆動電圧
を印加すると、振動子2には超音波領域の振動数の捩じ
り振動及び縦振動が調和的に発生する。捩じり振動及び
縦振動それぞれの共振周波数が略一致すると、捩じり振
動及び縦振動が同時に生じ(以下、このような状態を
「縮退」という。)、駆動面Dに捩じり振動及び縦振動
の合成である楕円運動が発生する。この楕円運動が駆動
力となって、加圧接触する移動子7が固定軸1の軸回り
に回転駆動される。
【0019】このような異形モード縮退型の振動アクチ
ュエータは、振動子2に生じる捩じり振動による回転変
位を、縦振動を用いてクラッチ的に移動子7に伝達する
ため、先のクラッチ作用としての縦振幅を大きく確保す
ることができる。また、移動子7を振動子2に加圧する
予圧力も高く設定することができるため、最大発生トル
クを大きくすることが可能となる等の特徴がある。
【0020】しかし、前述したように、このような異形
モード縮退型の振動アクチュエータでは、その駆動原理
上、2つ以上の異形モードの振動をできるだけ同一周波
数近傍に設定しなくては、目標とする駆動効率が得られ
ないことが多い。そして、最悪の場合には駆動面に駆動
源である楕円運動を発生することができず、駆動できな
いこともある。
【0021】そのため、これまでにも2種以上の振動を
同一周波数近傍に設定して駆動面Dに楕円運動を発生す
るため、様々なチューニング法(周波数の調整法)が検
討されている。
【0022】例えば、図34に示した超音波領域の振動
数の縦振動及び捩じり振動を用いた異形モード縮退型の
振動アクチュエータでは、振動子2に対する移動子7の
予圧力を調整する。これにより、予圧力との相関性が高
い縦振動の駆動周波数をコントロールして、捩じり振動
の駆動周波数に一致させるべくチューニングしていた。
【0023】しかし、本発明者らが鋭意検討を重ねた結
果、移動子7の予圧力による共振周波数の調整は、ボル
ト,ナットや皿バネ等を用いて行うため、一般的には駆
動周波数の正確なチューニングが困難である。また、経
年変化に伴って予圧力が変化してしまう等のおそれがあ
ることがわかった。
【0024】また、この異形モード縮退型の振動アクチ
ュエータでは、捩じり振動の周波数は、主として振動子
単体の要因によって決定される。これに対し、縦振動の
周波数は、振動子と移動子とを組合わせた全体の要因に
よって決定される。そのため、移動子に駆動力取り出し
のために接続される外部負荷が、縦振動の共振周波数の
安定性に対して好ましくない外乱的な要因として作用す
るおそれがあることもわかった。
【0025】さらに、図34に示すような振動子単体に
よって縦振動及び捩じり振動それぞれの共振周波数を一
致させることを目的として設計した異形モード縮退型の
振動アクチュエータであっても、実際に製作される振動
子は、加工精度等の影響を受けて縦振動及び捩じり振動
それぞれの共振周波数が所望の周波数から微妙にずれる
ことがある。
【0026】そのため、縦振動の共振周波数が目標値よ
り高く(又は低く)なるものがあったり、捩じり振動の
共振周波数が目標値より高く(又は低く)なるもの等が
ある。したがって、組み立てられた振動アクチュエータ
には、高効率で安定した駆動が得られるものとそうでは
ないものとがあり、振動アクチュエータの性能に個体差
を生じてしまうおそれがあることもわかった。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、第1
振動及び第2振動を発生する異形モード縮退型の振動子
を備える振動アクチュエータであって、振動子の一部に
は、加工を加えられることにより縮退時に発生する第1
振動及び第2振動それぞれの共振周波数又は反共振周波
数を所望の状態に調整するための周波数調整部が設けら
れることを特徴とする。
【0028】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動アクチュエータにおいて、振動子が、棒状型である
とともに少なくとも一つの小径部を備えることを特徴と
する。
【0029】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載された振動アクチュエータにおいて、周波数調整
部が、第1振動及び第2振動それぞれの固有周波数の変
化率に差がある位置に存在することを特徴とする。
【0030】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、第1振動が1次以上の縦振動であるとともに、
第2振動が1次以上の捩じり振動であることを特徴とす
る。
【0031】請求項5の発明は、第1振動及び第2振動
を発生する異形モード縮退型の振動子を備える振動アク
チュエータのチューニング法であって、振動子を大径部
と小径部とで構成し、第1振動及び第2振動のいずれか
一方の振動の節が小径部に生じる形状とすることで、第
1振動及び第2振動それぞれの共振周波数又は反共振周
波数を接近又は一致させることを特徴とする。
【0032】請求項6の発明は、第1振動及び第2振動
を発生する異形モード縮退型の振動子を備える振動アク
チュエータのチューニング法であって、組み立てられた
振動アクチュエータの振動子の一部に加工を加えること
により、振動子に生じる第1振動及び第2振動それぞれ
の共振周波数又は反共振周波数を所望の状態に調整する
ことを特徴とする。
【0033】請求項7の発明は、請求項6に記載された
振動アクチュエータのチューニング法において、前記の
加工が、第1振動及び第2振動それぞれの固有周波数の
変化率に差がある位置に対して行われることを特徴とす
る。
【0034】請求項8の発明は、請求項6に記載された
振動アクチュエータのチューニング法において、前記の
加工が、第1振動及び第2振動それぞれの弾性体表面に
おける振幅波形が一方の振動が腹となるとともに他方の
振動が節となる位置に対して行われることを特徴とす
る。
【0035】請求項9の発明は、請求項6から請求項8
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータの
チューニング法において、振動子が、少なくとも一つの
小径部を備えることを特徴とする。
【0036】請求項10の発明は、請求項5から請求項
9までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータ
のチューニング法において、振動子が、第1大径部と,
第2大径部と,これらに隣接する小径部とを備えるとと
もに、前記の加工は、振動子の一部を削除する加工であ
ることを特徴とする。
【0037】請求項11の発明は、請求項10に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、前
記の加工が、第1大径部,第2大径部及び小径部の少な
くとも一つの外径及び長さの双方又は一方を低減する加
工であることを特徴とする。
【0038】請求項12の発明は、請求項5から請求項
9までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータ
のチューニング法において、振動子が、第1大径部と,
第2大径部と,これらに隣接する小径部とを備えるとと
もに、前記の加工が、振動子のうちの一部に周波数調整
部材を装着する加工であることを特徴とする。
【0039】請求項13の発明は、請求項12に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、前
記の加工が、第1大径部,第2大径部及び小径部の少な
くとも一つの径方向に、周波数調整部材を装着する加工
であることを特徴とする。
【0040】請求項14の発明は、請求項5から請求項
8までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータ
のチューニング法において、振動子が、第1大径部,第
2大径部,第3大径部及び第4大径部と,これらに隣接
する第1小径部,第2小径部及び第3小径部とを備える
ことを特徴とする。
【0041】請求項15の発明は、請求項14に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、振
動子が、二つの弾性体とこれらに挟持される電気機械変
換素子とを備えるとともに、電気機械変換素子は、第1
振動の節に設けられる第1振動発生用電気機械変換素子
と,第2振動の節に設けられる第2振動発生用電気機械
変換素子とを有することを特徴とする。
【0042】請求項16の発明は、請求項14又は請求
項15に記載された振動アクチュエータのチューニング
法において、前記の加工が、振動子のうちの一部に周波
数調整部材を装着する加工であることを特徴とする。
【0043】請求項17の発明は、請求項16に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、周
波数調整部材が、振動子に発生する第1振動及び第2振
動の双方又は一方の腹に装着されることを特徴とする。
【0044】請求項18の発明は、請求項17に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、周
波数調整部材が、少なくとも2つ装着されることを特徴
とする。
【0045】請求項19の発明は、請求項16から請求
項18までのいずれか1項に記載された振動アクチュエ
ータのチューニング法において、周波数調整部材が、質
量及び形状の双方又は一方が異なる他の周波数調整部材
に交換されて装着されることを特徴とする。
【0046】請求項20の発明は、請求項16から請求
項18までのいずれか1項に記載された振動アクチュエ
ータのチューニング法において、周波数調整部材には、
質量及び形状の双方又は一方が変更される加工が行われ
ることを特徴とする。
【0047】請求項21の発明は、請求項20に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、前
記の加工が、振動子から取り外された状態で行われるこ
とを特徴とする。
【0048】請求項22の発明は、請求項14に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、振
動子が、第1大径部,第2大径部,第3大径部及び第4
大径部と,これらに隣接する第1小径部,第2小径部及
び第3小径部とを備えるとともに、前記の加工が、振動
子の一部を削除する加工であることを特徴とする。
【0049】請求項23の発明は、請求項22に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、前
記の加工が、第1大径部,第2大径部,第3大径部,第
4大径部及び小径部の少なくとも一つの外径及び長さの
双方又は一方を低減する加工であることを特徴とする。
【0050】請求項24の発明は、請求項12,請求項
13,又は、請求項16から請求項21までのいずれか
1項に記載された振動アクチュエータのチューニング法
において、周波数調整部材が、振動子を構成する二つの
弾性体とこれらに挟持される電気機械変換素子とを締結
する機能を備えることを特徴とする。請求項25の発明
は、請求項24に記載された振動アクチュエータのチュ
ーニング法において、周波数調整部材が、ボルトである
ことを特徴とする。
【0051】請求項26の発明は、請求項25に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、周
波数調整部材が、ボルトと振動子との間に挟まれるワッ
シャ、又はボルトに螺着されるナットであることを特徴
とする。
【0052】請求項27の発明は、請求項26に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、ワ
ッシャ又はナットには、周波数調整のための削除用突設
部が設けられることを特徴とする。
【0053】請求項28の発明は、請求項27に記載さ
れた振動アクチュエータのチューニング法において、削
除用突設部が、周波数調整の程度が異なる複数の部分を
備えることを特徴とする。
【0054】請求項29の発明は、請求項27又は請求
項28に記載された振動アクチュエータのチューニング
法において、削除用突設部が、端部が振動子に溝状に形
成された小径部を被うように、延設されており、この端
部を小径部側又は反対側に折り曲げることにより、周波
数調整が行われることを特徴とする。
【0055】請求項30の発明は、請求項5から請求項
29までのいずれか1項に記載された振動アクチュエー
タのチューニング法において、第1振動が1次以上の縦
振動であるとともに、第2振動が1次以上の捩じり振動
であることを特徴とする。
【0056】請求項31の発明は、請求項5から請求項
29までのいずれか1項に記載された振動アクチュエー
タのチューニング法において、第1振動が振動子の軸方
向への縦振動であり、第2振動が振動子の軸方向への剪
断変形による捩じり振動であることを特徴とする。
【0057】請求項1〜請求項31の本発明における振
動アクチュエータは、振動子に振動を複数発生させ、こ
れらの振動の合成振動を駆動源とする振動アクチュエー
タであるが、振動子に発生する振動は、超音波領域だけ
でなく超音波領域以下の領域の振動も包含する。
【0058】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明の実施形態を添付図面を
参照しながら詳細に説明する。なお、以降の各実施形態
は、振動アクチュエータとして超音波アクチュエータを
例にとって説明する。
【0059】図1は、第1実施形態の異形モード縮退型
の超音波アクチュエータの構造を示す縦断面図である。
図2は、この超音波アクチュエータに用いる振動子の構
造を駆動回路とともに示す説明図であり、図2(A)は
上面図,図2(B)は側面図である。
【0060】図1において、中央部に大径部21aを有
する棒状の固定軸21の外周面には、円筒状の振動子2
2が、大径部21aに螺合する取付ボルト23a,23
bにより取り付けられる。
【0061】固定軸21は、その略中央部に位置するネ
ジ止め部21eにより第1固定軸21b及び第2固定軸
21cの二つの部分に分割自在の構造となっている。こ
の分割面は振動子22の端面である駆動面Dよりも振動
子22側へ凹んだ位置に設定してある。そのため、超音
波アクチュエータの組み立ての際に必要となる駆動面D
の研磨作業が容易になる。
【0062】振動子22は、図2(A)及び図2(B)
に示すように、二つの厚肉の半円管状弾性体22a,2
2bを組み合わせて構成される。半円管状弾性体22a
及び22bの接合面には、圧電定数d15を用いる捩じり
振動用圧電素子25と、圧電定数d31を用いる縦振動用
圧電素子24とがそれぞれ2枚ずつ合計4枚挟まれた状
態で保持される。
【0063】すなわち、振動子22は、弾性材料からな
る円柱体を回転軸を含む平面で縦に2つに分割した形状
を呈する。この分割面に縦振動用圧電素子24,捩じり
振動用圧電素子25を挟み込んだ状態で保持する。な
お、弾性体22a,22bは、この図2(A)及び図2
(B)に示す円管状の実施形態と異なり、半円柱状であ
ってもよくまたは角柱型であってもよい。
【0064】このように、振動子22は、駆動信号によ
り励振される電気機械変換素子である縦振動用圧電素子
24,捩じり振動用圧電素子25と,これらの圧電素子
24,25が接合され前述した励振により、1次の縦振
動(超音波領域の振動数)と2次の捩じり振動(超音波
領域の振動数)とが生じることで端面である駆動面Dに
駆動力を発生する弾性体22とから構成される。
【0065】振動子22は、図1及び図2(A),図2
(B)に示すように、第1大径部22c及び第1大径部
22cより長さが短い第2大径部22dと、その間に配
置される小径部22eとを備える。
【0066】なお、半円管状弾性体22a,22bに挟
まれた状態で保持される縦振動用圧電素子24,捩じり
振動用圧電素子25は、振動子22の長手方向におい
て、第1大径部22cと小径部22eの範囲に配置され
る。第2大径部22dに相当する分割面には、圧電素子
24,25と同じ厚さの部材を挟み、第2大径部22d
の捩じり剛性を高めている。
【0067】圧電定数d15を用いる捩じり振動用圧電素
子25は、弾性体の長手方向に対して剪断変位を発生す
る。捩じり振動用圧電素子25は、図2(A)におい
て、円周方向に対して剪断変形が手前方向とその反対方
向とが交互になるように配置される。
【0068】最大に手前側に剪断変形する位置が点対称
になり、最大にその反対側に剪断変形する位置が点対称
になるように配置すると好適である。捩じり振動用圧電
素子25がこのように配置されてそれぞれが剪断変形す
ると、振動子22に捩じり変位が発生し、端面である駆
動面Dが捩じれる。
【0069】圧電定数d31を用いる縦振動用圧電素子2
4は、振動子22の長手方向に対して伸縮変位を発生す
る。4つの縦振動用圧電素子24は、全てある電位が印
加された場合に同じ方向に向けて変位が生じるように、
配置される。
【0070】圧電定数d15を用いる捩じり振動用圧電素
子25と,圧電定数d31を用いる縦振動用圧電素子24
とを以上のように配置しておき、捩じり振動用圧電素子
25に駆動信号として正弦波電圧を入力すると、振動子
22には超音波領域の振動数の捩じり振動が発生する。
一方、縦振動用圧電素子24に駆動信号として正弦波電
圧を入力すると、振動子22には超音波領域の振動数の
伸縮運動が発生する。
【0071】振動子22には、図1に示すように、高さ
方向の略中心に圧電素子24,25の積層方向と平行に
貫通穴22f,22gが形成される。貫通穴22f,2
2gにボルト23a,23bをそれぞれ貫通させること
により、縦振動用圧電素子24,捩じり振動用圧電素子
25を挟み込んで固定した状態で、振動子22と固定軸
21とが固定される。
【0072】振動子22の上端面である駆動面Dには、
図1に示すように、中央部に設置されたベアリング26
により固定軸21に回動自在に配置された、相対運動部
材である移動子27が接触する。
【0073】移動子27は、図1に示すように、移動子
母材27aと,移動子母材27aの端面に例えば接着に
より装着されるとともに振動子22の駆動面Dに接触す
る摺動材27bとから構成される。移動子27は、その
内周部に嵌合されたベアリング26によって固定軸21
に対して位置決めされる。
【0074】移動子27は、皿バネ,スプリングバネ又
は板バネ等の加圧部材28によりフランジを有する加圧
力伝達部材29を介して、振動子22側に加圧される。
これにより、移動子27は、振動子22の駆動面Dに加
圧接触する。
【0075】このように、固定軸21は、振動子22の
略真中の中空部を貫通する。これにより、振動子22を
固定するとともに移動子27を半径方向に回動自在に位
置決めする。そのため、超音波アクチュエータとして駆
動する際の軸振れの発生が防止される。また、この固定
軸21の先端にはねじ部21dが形成される。このねじ
部21dに、加圧部材28の加圧力を調整するためのナ
ット等の加圧力調整部材30がネジ止めされる。
【0076】図2において、駆動回路は、駆動信号を発
振する発振部31と,発振された駆動信号を(1/4)
λ位相差を有する駆動信号に分ける移相部32と,捩じ
り振動用圧電素子25に入力する駆動信号を増幅するT
増幅部33と,縦振動用圧電素子24に入力する駆動信
号を増幅するL増幅部34とから構成される。
【0077】以上のような駆動回路によると、発振部3
1は駆動信号を発振し、その駆動信号は移相部32によ
り2つの(1/4)λ位相差を有する信号に分割され、
それぞれT増幅部33及びL増幅部34により増幅され
る。T増幅部33により増幅された駆動信号は捩じり振
動用圧電素子25に入力され、一方、L増幅部34によ
り増幅された駆動信号は縦振動用圧電素子24に入力さ
れる。駆動信号が入力された振動子22の駆動面Dに
は、縦振動用圧電素子24,捩じり振動用圧電素子25
の励振により、超音波領域の振動数の縦振動及び捩じり
振動の合成振動である楕円運動が発生する。
【0078】図3は、本実施形態で用いる超音波アクチ
ュエータの電気機械変換素子である圧電素子の励振によ
り、振動子に1次の縦振動及び2次の捩じり振動が生じ
ることを示す説明図であって、図3(A)は縦断面図,
図3(B)は振動子表面に発生する二つの振動の波形例
を示す説明図である。
【0079】図3(A)及び図3(B)に示すように、
振動子22には、振動の腹及び節をそれぞれ有する1次
の縦振動(L1モード)と2次の捩じり振動(T2モー
ド)とが同時に発生する。ここで、捩じり振動用圧電素
子25及び縦振動用圧電素子24それぞれに印加する駆
動信号の位相差を(1/4)λだけ(λ:波長)ずらし
て設定すると、1次の縦振動(L1モード)と2次の捩
じり振動(T2モード)との合成振動である楕円運動が
駆動面Dに発生する。
【0080】したがって、図3(B)に示すように、捩
じり振動(T2モード)は、小径部22eと第1大径部
22cの長さ方向についての略真中部分とのそれぞれに
振動の節が発生する2次モードとなる。一方、縦振動
(L1モード)は、小径部22eの形状に起因した影響
を受け難いため、第1大径部22c,第2大径部22d
及び小径部22eを含んだ全長についての略真中部分に
振動の節が発生する1次モードとなる。
【0081】図4は、振動子22の駆動面Dに生じる楕
円運動の変化を1周期について示す説明図である。な
お、図4においては、移動子は図示していない。図4に
示すように、捩じり振動(T2モード)の周期と縦振動
(L1モード)の周期との位相差を(1/4)λだけ
(λ:波長)ずらして設定すると、振動子22の駆動面
D上の定点には楕円運動が発生する。
【0082】図4において、駆動周波数をfとしたとき
の角周波数をω(=2πf)とすると、t=(6/4)
・(π/ω)の時点では、捩じり振動Tの変位は図面上
左側に向けて最大である。一方、縦振動Lの変位は零で
ある。この時、移動子は、図示しない加圧部材によって
振動子22の駆動面Dに加圧接触された状態にある。
【0083】この状態から、t=(7/4)・(π/
ω)〜0〜(2/4)・(π/ω)までは、捩じり振動
Tは、図面上左側へ向けた最大から図面上右側へ向けた
最大まで順次変位する。一方、縦振動Lは、零から上側
の最大に変位し再び零に戻るように順次変位する。した
がって、振動子22の駆動面Dの定点は、移動子を押し
ながら図面上右方向へ向けて回転し、この回転によって
振動子22の駆動面Dに加圧接触する移動子は駆動され
る。
【0084】次に、t=(2/4)・(π/ω)〜(6
/4)・(π/ω)までは、捩じり振動Tは、図面上右
側へ向けて最大から図面上左側へ向けて最大まで順次変
位する。一方、縦振動Lは、零から図面上下側へ向けた
最大に変位し再び零に戻るように順次変位する。したが
って、振動子22の駆動面Dの定点は、移動子から離れ
ながら左方向に回転するため、移動子は駆動されない。
このときに、移動子は、加圧部材により加圧されている
が、固有振動数が異なるため、振動子22の縮みには追
従せず、振動子22の駆動面Dから離れた状態にある。
【0085】ここで、捩じり振動Tの振動数T1 を捩じ
り振動Tの共振周波数ω0Tに略一致させるとともに、縦
振動Lの振動数L1 を縦振動Lの共振周波数ω0Lに略一
致させると、共振して駆動面Dにおける楕円運動が拡大
する。
【0086】本実施形態で用いる超音波アクチュエータ
では、振動子22だけの寸法を変更することにより、捩
じり振動Tの共振周波数ω0Tと縦振動Lの共振周波数ω
0Lとをともに決定することができる。そのため、移動子
27の形状の設定に関する自由度が増加する。
【0087】移動子27の形状をある程度自由に設定す
るには、振動子22から移動子27への振動伝達損失を
できるだけ抑制することが有効である。そのためには、
例えば、振動減衰が大きなフッ素樹脂等からなる摺動材
27bを用いたり、又は、移動子母材27aに振動減衰
性が大きなアルミニウム合金等の材料を用いて移動子2
7自体の振動減衰を大きく確保すればよい。
【0088】本実施形態で用いる超音波アクチュエータ
は、以上のように構成される。次に、図5を参照しなが
ら、本発明にかかる超音波アクチュエータのチューニン
グ法の第1実施形態を説明する。
【0089】本実施形態では、異形モード縮退型の超音
波アクチュエータにおいて、振動子22における第2大
径部22dの直径Dを変更する加工を加えることによ
り、縦振動(L1モード)の共振周波数と捩じり振動
(T2モード)の共振周波数とを接近又は一致させるチ
ューニング法を示す。すなわち、本実施形態における周
波数調整部は第2大径部22dである。
【0090】まず、図5は、振動子22における第2大
径部22dの直径Dを変化させた場合に、振動子22に
発生する縦振動(L1モード)及び捩じり振動(T2モ
ード)それぞれの共振周波数がどのように変動するのか
を、有限要素法を用いて解析した結果を示すグラフであ
る。なお、グラフ上に図示された振動子22は図1とは
上下を逆にして示してある。
【0091】図5のグラフの縦軸には振動子22に発生
するL1モード及びT2モードそれぞれの共振周波数f
(kHz) を、横軸には第2大径部22dの直径D(mm)を、
それぞれプロットしてある。
【0092】ここで、例えば、組み立て後の超音波アク
チュエータの共振周波数を測定した結果、図5のグラフ
の例えば第2大径部22dの直径D=14(mm)付近に示
すように、加工公差等の影響により、L1モードの共振
周波数fL1(kHz) <T2モードの共振周波数fT2(kHz)
となっていたとする。
【0093】この場合、図5のグラフから明かなよう
に、L1モードの共振周波数fL1(kHz) の変動に対して
寄与率が高いとともにT2モードの共振周波数fT2(kH
z) の変動に対しては寄与率が低い第2大径部22d
に、例えば、切削,研削,研摩,溶解,蒸発等により直
径を低減させる加工を施せばよい。すなわち、第2大径
部22dの直径Dを14mm付近から12mm付近へと
低減することにより、L1モードの共振周波数fL1(kH
z) をT2モードの共振周波数fT2(kHz) に接近又は一
致させること、すなわち超音波アクチュエータのチュー
ニングを行うことができる。
【0094】つまり、振動子22における第2大径部2
2dの直径Dを14(mm)程度から12(mm)程度へ低減す
ると、捩じり振動(T2モード)の共振周波数は69(k
Hz)程度で殆ど変化しないが、縦振動L1モードの共振
周波数は59(kHz) 程度から69(kHz) 程度へ大幅に上
昇する。
【0095】このようにして、第2大径部22dに対し
て直径Dを低減する加工を行うことにより、捩じり振動
の共振周波数fT2(kHz) と縦振動の共振周波数fL1(kH
z) とをともに69(kHz) 程度で、接近又は一致させる
ことができる。
【0096】なお、切削,研削,研摩,溶解,蒸発等の
直径を低減する加工は、振動子22の材質等を勘案して
適宜選択して行えばよく、特定の手段には限定されな
い。逆に、組み立て後の超音波アクチュエータの共振周
波数を測定した結果、図5のグラフの例えば第2大径部
22dの直径D=10(mm)付近に示すように、加工公差
等の影響により、L1モードの共振周波数fL1(kHz) >
T2モードの共振周波数fT2(kHz) となっていたとす
る。
【0097】この場合には、第2大径部22dに対し
て、接着,溶接,ねじ込み又は嵌合等により直径を増加
させる加工を施すことにより、L1モードの共振周波数
L1(kHz) をT2モードの共振周波数fT2(kHz) に接近
させることが可能となる。
【0098】なお、直径を増加させる加工とは、例えば
円環状部材である周波数調整部材を、第2大径部22d
の外面に、前述した接着,溶接,ねじ込み又は嵌合等の
適宜手段により取り付ける加工を意味する。
【0099】このような直径を増加させる加工を行っ
て、振動子22の第2大径部22dの直径Dを10(mm)
程度から12(mm)程度へ増加させることにより、捩じり
振動T2モードの共振周波数は69(kHz) 程度で殆ど変
化しないが、縦振動(L1モード)の共振周波数は79
(kHz) 程度から69(kHz) 程度へ大幅に減少する。
【0100】このようにして、第2大径部22dに対し
て直径を増加させる加工を行うことにより、捩じり振動
の共振周波数fT2(kHz) と縦振動の共振周波数fL1(kH
z) とをともに69(kHz) 程度で、接近又は一致させる
ことができる。
【0101】(第2実施形態)次に、図6を参照しなが
ら、本発明にかかる振動アクチュエータのチューニング
法の第2実施形態を説明する。なお、以降の説明を簡略
化するため、先に説明した実施形態と相違する部分のみ
説明し、重複する部分の説明は省略する。
【0102】本実施形態は、小径部22eに対して直径
を変更する加工を行うことにより、異形モード縮退型の
超音波アクチュエータの振動子22における、L1モー
ド(縦振動)の共振周波数とT2モード(捩じり振動)
の共振周波数とを接近させるチューニング法を示す。
【0103】まず、図6は、振動子22における小径部
22eの直径dを変化させることにより振動子22に発
生するL1モード(縦振動)及びT2モード(捩じり振
動)それぞれの共振周波数がどのように変化するかを、
有限要素法を用いて解析した結果を示すグラフである。
【0104】なお、図6のグラフの縦軸には振動子22
の共振周波数f(kHz) を、横軸には小径部22eの直径
d(mm)をそれぞれプロットしてある。ここで、例えば、
組み立て後の超音波アクチュエータの共振周波数f(kH
z) を測定した結果、図6のグラフの例えば直径d=7
(mm)付近に示すように、加工公差等の影響により、L1
モードの共振周波数fL1(kHz) >T2モードの共振周波
数fT2(kHz) となっていたとする。
【0105】この場合、図6のグラフから明かなよう
に、L1モードの共振周波数fL1(kHz) の変動に対して
寄与率が高いとともにT2モードの共振周波数fT2(kH
z) の変動に対しては寄与率が低い小径部22eに対し
て、第1実施形態と同様に、適宜手段により直径dを低
減する加工を施して、直径d=6.25(mm)程度に低減
する。すると、L1モードの共振周波数fL1(kHz) をT
2モードの共振周波数fT2(kHz) に接近又は一致させる
ことが可能となる。
【0106】つまり、小径部22eの直径dを7(mm)程
度から6.25(mm)程度に小さくすると、捩じり振動
(T2モード)の共振周波数は72(kHz) 程度から69
(kHz)程度へとあまり低下しないが、縦振動(L1モー
ド)の共振周波数は76(kHz)程度から69(kHz) 程度
へと大幅に低下する。
【0107】そのため、振動子22の小径部22eに対
して直径を低減する加工を施すことにより、捩じり振動
(T2モード)の共振周波数fT2(kHz) と縦振動(L1
モード)の共振周波数fL1(kHz) とを69(kHz) 程度で
接近又は一致させることが可能となる。
【0108】逆に、組み立て後の超音波アクチュエータ
の共振周波数を測定した結果、図6の例えば小径部22
eの直径d=5(mm)付近に示すように、加工公差等の影
響により、L1モードの共振周波数fL1(kHz) <T2モ
ードの共振周波数fT2(kHz)となっていたとする。
【0109】この場合には、小径部22eに対して、第
1実施形態と全く同様に、適宜手段により直径dを増加
させる加工を施して、直径dを5(mm)程度から6.25
(mm)程度に増加することにより、捩じり振動(T2モー
ド)の共振周波数は67(kHz) 程度から69(kHz) 程度
へとあまり上昇しないが、縦振動(L1モード)の共振
周波数は58(kHz) 程度から69(kHz) 程度へと大幅に
上昇する。そのため、L1モードの共振周波数fL1(kH
z) をT2モードの共振周波数fT2(kHz) に69(kHz)
程度で接近又は一致させることができる。
【0110】(第3実施形態)次に、図7を参照しなが
ら、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、
縦振動及び捩じり振動を生じる異形モード縮退型の超音
波アクチュエータの振動子22において、第1大径部2
2cの略中央部近傍において直径方向に対して何らかの
加工を加えることにより、L1モードの共振周波数fL1
(kHz) をT2モードの共振周波数fT2(kHz) に接近又は
一致させるチューニング法を示す。
【0111】まず、図7は、第1大径部22cの中央部
付近の直径W(mm)を変化させることにより振動子22に
発生する縦振動(L1モード)及び捩じり振動(T2モ
ード)それぞれの共振周波数がどのように変化するのか
を、有限要素法を用いて解析した結果を示すグラフであ
る。
【0112】なお、図7に示すグラフの縦軸には、振動
子22に発生する縦振動及び捩じり振動それぞれの共振
周波数f(kHz) を、横軸には第1大径部22cの略中央
部の直径W(mm)をそれぞれプロットしてある。
【0113】ここで、例えば、組み立て後の超音波アク
チュエータの共振周波数を測定した結果、図7のグラフ
の第1大径部22cの略中央部の直径W(mm)が例えば約
12(mm)付近に示すように、加工公差等の影響により、
縦振動(L1モード)の共振周波数fL1(kHz) <捩じり
振動(T2モード)の共振周波数fT2(kHz) となってい
たとする。
【0114】この場合、図7に示すグラフから明かなよ
うに、捩じり振動(T2モード)の共振周波数fT2(kH
z) に対して寄与率が高いとともに縦振動(L1モー
ド)の共振周波数fL1(kHz) に対しては寄与率が低い第
1大径部22cに対して、第1実施形態及び第2実施形
態と同様に、直径Wを12(mm)程度から11.9(mm)程
度へ低減する加工を施す。すると、縦振動(L1モー
ド)の共振周波数fL1(kHz)に比較して捩じり振動(T
2モード)の共振周波数fT2(kHz) を大幅に低下させる
ことが可能となる。そのため、縦振動(L1モード)の
共振周波数fL1(kHz)と捩じり振動(T2モード)の共
振周波数fT2(kHz) とを68.2(kHz) 程度と同一周波
数近傍に設定することができる。
【0115】また、逆に、組み立て後の超音波アクチュ
エータの共振周波数を測定した結果、図7に示すグラフ
の第1大径部22cの略中央部の直径W(mm)が例えば約
10(mm)付近に示すように、加工公差等の影響により、
縦振動(L1モード)の共振周波数fL1(kHz) >捩じり
振動(T2モード)の共振周波数fT2(kHz) となってい
たとする。この場合も第1大径部22cに対して、第1
実施形態及び第2実施形態と同様に、直径Wを増加させ
る加工を施すことにより、縦振動(L1モード)の共振
周波数fL1(kHz) に比較して捩じり振動(T2モード)
の共振周波数fT2(kHz) を大幅に上昇させることが可能
となる。すなわち、直径W(mm)を11.9(mm)程度とす
ることにより、縦振動(L1モード)の共振周波数fL1
(kHz) と捩じり振動(T2モード)の共振周波数fT2(k
Hz) とを68.2(kHz) 程度で同一周波数近傍に設定す
ることができる。
【0116】(第4実施形態)図8は、第4実施形態の
超音波アクチュエータを示す断面図である。この超音波
アクチュエータが第1実施形態〜第3実施形態の超音波
アクチュエータと相違するのは、振動子22に小径部2
2eが存在しない点である。
【0117】したがって、振動子22には、節及び腹の
数がともに一つである縦振動(L1モード),捩じり振
動(T1モード)が発生する。このような超音波アクチ
ュエータに対しても、第1実施形態と同様に、振動子2
2の外面に直径を低減する加工又は直径を増加させる加
工を行うことにより、L1モード,T1モードそれぞれ
の共振周波数を、一致又は接近させるチューニングを行
うことができる。
【0118】(第5実施形態)本実施形態では、図1に
示す第1実施形態で用いた超音波アクチュエータと同一
の超音波アクチュエータを用いる。また、第1大径部2
2cの直径W及び第2大径部22dの直径Dは、設計目
標値に設定してある。
【0119】次に、本実施形態で用いる振動子22の製
造手順を説明する。まず、第1大径部22c,小径部2
2e及び第2大径部22dを備える振動子22におい
て、第2大径部22dの長さを設計目標値よりも少し長
く、加工する。なお、設計目標値とは、1次の縦振動の
共振周波数と2次の捩じり振動の共振周波数とが略一致
する(縮退)長さの計算値である。本実施形態では、第
2大径部22dの長さを約7(mm)とした。
【0120】次に、半円管状弾性体22a,22bと縦
振動用圧電素子24,捩じり振動用圧電素子25とを接
着剤等を用いて接合する。この時に、1次の縦振動(L
1モード)の共振周波数と2次の捩じり振動(T2モー
ド)の共振周波数とを比較すると、図13のグラフに示
すように、2次の捩じり振動(T2モード)の共振周波
数が1次の縦振動(L1モード)の共振周波数よりも高
くなる。この理由を図9のグラフを参照しながら説明す
る。
【0121】図9のグラフは、本実施形態において製造
した振動子22の第2大径部22dの長さL2 と,1次
の縦振動(L1モード)の共振周波数,2次の捩じり振
動(T2モード)の共振周波数との関係を示すグラフで
ある。
【0122】この図9のグラフにより示す二つの振動を
有する振動子22の寸法,材質及び圧電素子の圧電定数
を、以下に列記する。
【0123】(振動子22のスペック) 第1大径部22cの長さL1 :20(mm) 小径部22eの長さL3 :1(mm) 大径部22c,22dの直径と小径部22eの直径との
比:24/15 材質:ステンレス鋼
【0124】(圧電素子24,25のスペック) 長さ:20(mm) 厚さ:0.5(mm)
【0125】図9に示すグラフによれば、2次の捩じり
振動(T2モード)の共振周波数は、第2大径部22d
の長さL2 が長くなっても70(kHz) 程度で余り低下し
ない。これに対し、第2大径部22dの長さL2 が長く
なると1次の縦振動(L1モード)の共振周波数の低下
率は大きい。
【0126】したがって、第2大径部22dの長さL2
を、2次の捩じり振動(T2モード)の共振周波数と1
次の縦振動(L1モード)の共振周波数とが縮退する長
さよりも長めに設定すると、図9のグラフ中の例えば7
(mm)付近に示すように、2次の捩じり振動(T2モー
ド)の共振周波数のほうが1次の縦振動(L1モード)
の共振周波数よりも高くなる。
【0127】このような寸法で振動子22を組み立てた
後に、振動子22の駆動面Dと対向する位置の端面を例
えば研削することにより第2大径部22dの長さL2
短くしていくと、2次の捩じり振動(T2モード)の共
振周波数と1次の縦振動(L1モード)の共振周波数と
はともに接近していく。そして、第2大径部22dの長
さL2 が約4.6(mm)程度になると、2次の捩じり振動
(T2モード)の共振周波数と1次の縦振動(L1モー
ド)の共振周波数とはともに70(kHz) 程度となって、
略一致する。
【0128】振動子22における第2大径部22dの長
さL2 の変更は、第1大径部22c側でない底面、つま
り、駆動面Dと反対側に位置する端面を、第1実施形態
〜第4実施形態と同様の手段によって加工していくこと
が簡単かつ確実であって、好適である。
【0129】このようにして、チューニングを行った振
動子22の動作を説明する。駆動信号は、(1/4)λ
(λ:波長)位相差を有する2相であり、それぞれ縦振
動用圧電素子24と捩じり振動用圧電素子25とに入力
される。これにより、縦振動用圧電素子24,捩じり振
動用圧電素子25は励振され、振動子22に1次の縦振
動(L1モード)及び2次の捩じり振動(T2モード)
とが発生し、これらの振動の合成である楕円運動が駆動
面Dに発生する。この駆動面Dに加圧された移動子27
は、摩擦力により駆動力を発生して、駆動される。
【0130】図10は、本実施形態による周波数調整後
の2次の捩じり振動(T2モード)の共振周波数と1次
の縦振動(L1モード)の共振周波数との関係を示すグ
ラフである。同図に示すように、振動振幅が最大となる
各振動モードの共振周波数が略一致するため、安定した
駆動特性を得ることができる。したがって、組み立てら
れた超音波アクチュエータの駆動特性の固体差を低減す
ることができる。
【0131】(第6実施形態)次に、第6実施形態のチ
ューニング法を説明する。なお、本実施形態において使
用する超音波アクチュエータの構成は、第5実施形態と
同一であるため、その説明は省略する。本実施形態にお
いても、第1大径部22c,小径部22e及び第2大径
部22dを備える弾性体を設計する際に、第1大径部2
2cの長さを所定値よりも長めに設計し、この設計目標
値に基づいて加工する。この設計目標値とは、1次の縦
振動(L1モード)の共振周波数と2次の捩じり振動
(T2モード)の共振周波数とが略一致する(縮退)長
さの計算値である。
【0132】次に、弾性体と圧電素子とを接着剤等を用
いて接合する。この時の1次の縦振動(L1モード)の
共振周波数と2次の捩じり振動(T2モード)の共振周
波数との関係を図15にグラフで示す。
【0133】図15に示すグラフから明らかなように、
1次の縦振動(L1モード)の共振周波数のほうが2次
の捩じり振動(T2モード)の共振周波数よりも高くな
る。この理由について、図11に示すグラフを用いて説
明する。図11に示すグラフは、実際に製造した振動子
22の第1大径部22cの長さL1 と1次の縦振動(L
1モード)の共振周波数,2次の捩じり振動(T2モー
ド)の共振周波数との関係を示すグラフである。
【0134】図11に示すグラフにおいて、振動子22
の寸法,材質及び圧電素子24,25の圧電定数は、以
下に列記する通りである。
【0135】(振動子22のスペック) 第2大径部22dの長さL2 :4.5(mm) 小径部22eの長さL3 :1(mm) 大径部径と小径部径との比:24/15 材質:ステンレス鋼
【0136】(圧電素子,1枚) 長さ:20(mm) 厚さ:0.5(mm)
【0137】図11に示すグラフによれば、1次の縦振
動(L1モード)の共振周波数は、第1大径部22cの
長さL1 が長くなっても70(KHz) 程度と大きく低下し
ない。これに対し、2次の捩じり振動(T2モード)の
共振周波数fT2は、第1大径部22cの長さL1 が長く
なった時に低下率が大きい。したがって、第1大径部2
2cの長さL1 を、1次の縦振動(L1モード)の共振
周波数fL1と2次の捩じり振動(T2モード)の共振周
波数fT2とが縮退する長さよりも長め(例えば第1大径
部22cの長さL2 =22(mm)程度)に設計して製作す
ると、図11のグラフに示すように、1次の縦振動(L
1モード)の共振周波数fL1のほうが2次の捩じり振動
(T2モード)の共振周波数fT2よりも高くなる。
【0138】そして、振動子22の第1大径部22cの
長さL1 を短くして約20mmに近づけていくと、1次
の縦振動(L1モード)の共振周波数fL1はあまり増加
しない。これに対し、2次の捩じり振動(T2モード)
の共振周波数fT2は急激に増加する。そのため、1次の
縦振動(L1モード)の共振周波数fL1と,2次の捩じ
り振動(T2モード)の共振周波数fT2とを接近又は一
致させることができる。
【0139】ここで、振動子22の第1大径部22c
は、振動子22の駆動面Dを、第1実施形態〜第4実施
形態と同様の手段で加工していく方法が簡単かつ確実で
あって、好適である。
【0140】図10は、本実施形態による周波数調整後
の2次の捩じり振動(T2モード)の共振周波数と1次
の縦振動(L1モード)の共振周波数との関係を示すグ
ラフである。同図のグラフに示すように、第5実施形態
と同様、振動振幅が最大となる各振動の共振周波数が略
一致するため、安定した駆動特性を得ることができる。
したがって、組み立てられた超音波アクチュエータの駆
動特性の固体差を低減することができる。
【0141】(第7実施形態)次に、第7実施形態のチ
ューニング法を説明する。なお、本実施形態において使
用する超音波アクチュエータの構成は、第6実施形態の
ものと同一であるため、その説明は省略する。
【0142】本実施形態は、振動子22に発生する2次
の捩じり振動(T2モード)の反共振周波数fT2と,1
次の縦振動(L1モード)の反共振周波数fL1とを一致
させるようにチューニングを行うものである。これによ
り、駆動時に、圧電素子24,25に入力する電流を小
さくすることができ、超音波アクチュエータの駆動効率
が向上する。
【0143】まず、第1大径部22c,小径部22e及
び第2大径部22dを有する振動子22において、第2
大径部22dの長さL2 を設計目標値よりも長めに設計
して加工する。この設計目標値とは、1次の縦振動(L
1モード)の反共振周波数fL1と2次の捩じり振動(T
2モード)の反共振周波数fT2とが略一致する長さであ
る。
【0144】次に、弾性体と圧電素子とを接着剤等を用
いて接合する。この時の1次の縦振動(L1モード)の
反共振周波数fL1と2次の捩じり振動(T2モード)の
反共振周波数fT2とを比較すると、図36のグラフに示
すように、2次の捩じり振動(T2モード)の反共振周
波数fT2のほうが1次の縦振動(L1モード)の反共振
周波数fL1よりも高くなる。
【0145】この理由について、図14に示すグラフを
用いて説明する。図14に示すグラフは、本実施形態に
おいて製造した振動子22の第2大径部22dの長さL
2 と,1次の縦振動(L1モード)の反共振周波数
L1,2次の捩じり振動(T2モード)の反共振周波数
T2との関係を示すグラフである。
【0146】この図14のグラフに示す振動子22の寸
法,材質及び圧電素子の圧電定数を以下に列記する。
【0147】(振動子22のスペック) 第1大径部22cの長さL1 :20(mm) 小径部22eの長さL3 :1(mm) 大径部径と小径部径との比:24/15 材質:ステンレス鋼
【0148】(圧電素子,1枚) 長さ:20(mm) 厚さ:0.5(mm)
【0149】図14に示すグラフによれば、2次の捩じ
り振動(T2モード)の反共振周波数fT2は、第2大径
部22dの長さL2 が短くなっても約72(kHz) 程度で
大きく増加しない。これに対し、1次の縦振動(L1モ
ード)の反共振周波数fL1は、第2大径部22dの長さ
2 が短くなった場合に増加率が大きい。
【0150】したがって、第2大径部22dの長さL2
を2次の捩じり振動(T2モード)の反共振周波数fT2
と1次の縦振動(L1モード)の反共振周波数fL1とが
縮退する長さ(約4.5mm)よりも長めに設計して製作
すると、2次の捩じり振動(T2モード)の反共振周波
数fT2のほうが1次の縦振動(L1モード)の反共振周
波数fL1よりも高くなる。
【0151】次に、振動子22の第2大径部22dの長
さL2 を短くしていくと、2次の捩じり振動(T2モー
ド)の反共振周波数fT2は約72(kHz) 程度で大きく増
加しない。これに対し、1次の縦振動(L1モード)の
反共振周波数fL1は大きく増加する。
【0152】したがって、第2大径部22dの長さL2
を短くすることにより、2次の捩じり振動(T2モー
ド)の反共振周波数fT2と1次の縦振動(L1モード)
の反共振周波数fL1とを接近ないしは一致させることが
できる。
【0153】振動子22の第2大径部22dは、第5実
施形態と同様に、第1大径部22c側と反対側の底面、
つまり駆動面Dと対向する位置の端面を、第5実施形態
と同様の手段によって加工することが、最も簡単かつ確
実であって、好適である。
【0154】図12は、本実施形態による周波数調整後
の2次の捩じり振動(T2モード)の反共振周波数と1
次の縦振動(L1モード)の反共振周波数との関係を示
すグラフである。同図に示すように、インピーダンスが
略最大で入力電流が略最小となる反共振周波数が略一致
するため、入力電流が最も小さくなる駆動周波数におい
て超音波アクチュエータを駆動することができる。その
ため、一方の振動のみが反共振周波数となる場合に比較
すると、駆動効率が向上する。
【0155】(第8実施形態)次に、第8実施形態のチ
ューニング法を説明する。本実施形態に用いる超音波ア
クチュエータの構成は、第7実施形態と同一であるた
め、その説明は省略する。
【0156】まず、第1大径部22c,小径部22e及
び第2大径部22dからなる弾性体において、第1大径
部22cの長さL1 を設計目標値よりも長めに設計して
加工する。ここで、設計目標値とは、1次の縦振動(L
1モード)の反共振周波数fL1と2次の捩じり振動(T
2モード)の反共振周波数fT2とが略一致する長さであ
る。
【0157】次に、弾性体と圧電素子とを接着剤等を用
いて接合する。この時の1次の縦振動(L1モード)の
反共振周波数fL1と,2次の捩じり振動(T2モード)
の反共振周波数fT2とを比較すると、図37のグラフに
示すように、1次の縦振動(L1モード)の反共振周波
数のほうが2次の捩じり振動(T2モード)の反共振周
波数よりも高くなっている。
【0158】この理由について、図16に示すグラフを
用いて説明する。図16に示すグラフは、本実施形態に
おいて製造した振動子22の第1大径部22cの長さL
1 と1次の縦振動(L1モード)の反共振周波数fL1
2次の捩じり振動(T2モード)の反共振周波数fT2
の関係を示すグラフである。
【0159】図16のグラフに示す縦振動(L1モー
ド)及び捩じり振動(T2モード)を発生する振動子2
2の寸法,材質及び圧電素子の圧電定数を、以下に列記
する。
【0160】(振動子22のスペック) 第2大径部22dの長さ:4.4(mm) 小径部22eの長さ:1(mm) 大径部径と小径部径との比:24/15 材質:ステンレス鋼
【0161】(圧電素子のスペック,1枚) 長さ:20(mm) 厚さ:0.5(mm)
【0162】図16のグラフによれば、1次の縦振動
(L1モード)の反共振周波数fL1は、第1大径部22
cの長さL1 が長くなってもあまり低下しない。これに
対し、2次の捩じり振動(T2モード)の反共振周波数
T2は、第1大径部22cの長さL1 が長くなった時に
低下率が大きい。
【0163】したがって、第1大径部22cの長さL1
を、1次の縦振動(L1モード)の反共振周波数f
L1と,2次の捩じり振動(T2モード)の反共振周波数
T2とが縮退する長さ(第2大径部長さ:約20(mm))
よりも長めに設計して製作すると、1次の縦振動(L1
モード)の反共振周波数fL1のほうが2次の捩じり振動
(T2モード)の反共振周波数fT2よりも高くなる。
【0164】次に、弾性体と圧電体とを接合した振動子
22の第1大径部22cの長さL1を短くしていくと、
1次の縦振動(L1モード)の反共振周波数fL1の増加
率よりも、2次の捩じり振動(T2モード)の反共振周
波数fT2の増加率のほうが大きい。そのため、1次の縦
振動(L1モード)の反共振周波数fL1と2次の捩じり
振動(T2モード)の反共振周波数fT2とを一致又は接
近させることができる。
【0165】本実施形態においても、第1大径部22c
の長さL1 は、駆動面Dを研削又は旋削等の適宜手段に
よって削ることが最も簡単かつ確実な方法である。この
ようにしてチューニングを行った超音波アクチュエータ
の振動子22に発生する2次の捩じり振動(T2モー
ド)の反共振周波数fT2と,1次の縦振動(L1モー
ド)の反共振周波数fL1とは、図12のグラフに示すよ
うに、略一致しているために駆動効率を向上させること
ができる。
【0166】なお、図17には、第1実施形態〜第8実
施形態の超音波アクチュエータについて、周波数調整部
材及び大径部,小径部の寸法変更に伴う共振周波数の変
動について、縦振動及び捩じり振動の変化の傾向につい
て有限要素法により解析した結果を、グラフにまとめて
示す。
【0167】図17のグラフに示すように、第2大径
部に周波数調整部材を付加して第2大径部の長さを増加
すること,第2大径部に周波数調整部材を付加して第
2大径部の直径を増加すること,小径部長さを変更す
ること,小径部の直径を変更すること,小径部長さ
及び第2大径部長さを変更すること,第1大径部の中
央部の直径を変更することのいずれによっても、縦振動
及び捩じり振動それぞれを異なる変化率で変化させるこ
とができ、超音波アクチュエータのチューニングを行う
ことができる。
【0168】(第9実施形態)図18は、第9実施形態
で用いる超音波アクチュエータの構造を示す縦断面図で
あり、図19は、振動子への圧電素子の配置を示す説明
図であって、図19(A)は縦断面図,図19(B)は
図19(A)のA−A断面,B−B断面,C−C断面を
それぞれ示す。
【0169】図18に示すように、本実施形態で用いる
超音波アクチュエータは、第1実施形態〜第8実施形態
で示した超音波アクチュエータとは異なり、振動子41
に、小径部が3つ(第1小径部41a,第2小径部41
b,第3小径部41c),大径部が4つ(第1大径部4
1d,第2大径部41e,第3大径部41f,第4大径
部41g)それぞれ設けられたタイプである。
【0170】振動子41は、駆動信号によって励振され
る圧電素子(捩じり振動用圧電素子42,43及び縦振
動用圧電素子44)と、これらの圧電素子42,43及
び44を挟んだ状態で保持する2つの厚肉の半円管状の
弾性体により構成される。弾性体は、圧電素子42,4
3及び44の励振によって1次の縦振動(L1モード)
と2次の捩じり振動(T2モード)とを発生し、これに
より駆動面Dに駆動力を発生させる。
【0171】図18及び図19に示すように、圧電素子
42,43及び44は、振動子41の長手方向に沿っ
て、駆動面D側から捩じり振動用圧電素子42,縦振動
用圧電素子44,捩じり振動用圧電素子43の順で略同
一平面上に配置される。縦振動用圧電素子44は圧電定
数d31を用いており、振動子41に生じる1次の縦振動
(L1モード)の節近傍位置(すなわち、振動子41の
長手方向の略中央部)に配置される。
【0172】捩じり振動用圧電素子42,43は圧電定
数d15を用いており、振動子41に生じる2次の捩じり
振動(T2モード)の節近傍位置(すなわち、振動子4
1の長手方向の両端側)にそれぞれ配置される。また、
これらの圧電素子42,43及び44は、図19(b)
に示すように、それぞれ2層ずつ積層されて配置され
る。
【0173】図18に示すように、振動子41には、4
つの大径部(第1大径部41d,第2大径部41e,第
3大径部41f,第4大径部41g)のそれぞれ長さ方
向略中心部に圧電素子の積層方向と平行な向きに貫通穴
45d,45e,45f,45gが設けられている。そ
して、これらの貫通穴45d〜45gを用いてボルト4
6d〜46g及びナット47d〜47gにより締結・固
定することにより、圧電素子42,43及び44を挟ん
だ状態で保持する。
【0174】振動子41は、内部を貫通する円柱状の固
定軸53により支持される。固定軸53は、振動子41
の中空部を貫通しており、振動子41を固定する。さら
に、小径部41bの振動子長手方向略中央部であって、
振動子41に生じる1次の縦振動(L1モード)の節付
近には、振動子41を、固定軸53に固定するための棒
状の支持部材48が貫通する。
【0175】振動子41に接触する移動子49は、移動
子母材49aと移動子母材49aの端面に装着されて振
動子41の駆動面Dに接触する摺動材49bとから構成
される。そして、その内周部に嵌合された例えばベアリ
ング等による位置決め手段50によって固定軸53に対
して位置決めされる。
【0176】この位置決め手段50は、皿バネやスプリ
ングバネや板バネ等の加圧手段51によりフランジ付の
付勢部材52を介して振動子41側へ向けて付勢されて
おり、これにより移動子49が振動子41の駆動面Dに
向けて加圧される。
【0177】固定軸53は、移動子49を半径方向に位
置決めする。また、固定軸53の端部にはネジ部が形成
されており、加圧手段51の加圧力を調整するための例
えばナット等の加圧力調整部材54がネジ止めされる。
【0178】駆動回路は、図19(B)に示すように、
駆動信号を発振する発振部71と,この駆動信号を(1
/4)λ位相差のある信号に分ける移相部72と,捩じ
り振動用圧電素子42,43に入力する駆動信号を増幅
するT増幅部73と,縦振動用圧電素子44に入力する
駆動信号を増幅するL増幅部74とから構成される。
【0179】次に、図19(A)及び図19(B)を参
照しながら、振動子41の構造を詳細に説明する。図1
9(B)に示すように、振動子41は厚肉の円管体を縦
に2分割した半円管体41A,41Bを組み合わせたも
のである。半円管体41A,41Bの分割部に、捩じり
振動用圧電素子42,43及び縦振動用圧電素子44を
挟み込んだ状態で保持する。
【0180】なお、本実施形態では、振動子41の外形
は円柱形状であるが、円柱形状に限定されるものではな
く、例えば角柱形状であってもよい。
【0181】圧電定数d15を用いる捩じり振動用圧電素
子42,43は、振動子41の長手方向に対して剪断変
位を発生する。図19(B)におけるA−A断面及びC
−C断面それぞれにおける捩じり振動用圧電素子42,
43は、振動子41の円周方向に対して剪断変形が手前
方向とその反対方向とが交互に発生するように、配置す
る。
【0182】捩じり振動用圧電素子42,43がこのよ
うに配置されてそれぞれ剪断変形すると、振動子41に
2次の捩じり変位が発生する。
【0183】圧電定数d31を用いる縦振動用圧電素子4
4は、圧電素子の長手方向に対して伸縮変位を発生す
る。この圧電素子44は、ある電位が印加された場合に
B−B断面に生じる変位が同じ方向になるように、配置
される。
【0184】このように、振動子41に、圧電定数d15
を用いる捩じり振動用圧電素子42,43と,圧電定数
31を用いる縦振動用圧電素子44とが挟まれて保持さ
れた状態で、捩じり振動用圧電素子42,43に駆動信
号として正弦波電圧を入力することにより、振動子41
には捩じり振動が発生する。また、縦振動用圧電素子4
4に駆動信号として正弦波電圧を入力することにより、
振動子41には縦振動が発生する。
【0185】以上のような構成によると、発振部71は
駆動信号を発振し、その駆動信号は移相部72により2
つの(1/4)λ(λ:波長)位相差を有する信号に分
割され、それぞれT増幅部73及びL増幅部74によっ
て増幅される。
【0186】T増幅部73により増幅された駆動信号
は、捩じり振動用圧電素子42,43に入力される。一
方、L増幅部74により増幅された駆動信号は、縦振動
用圧電素子44に入力される。
【0187】図20は、振動子41に生じる縦振動及び
捩じり振動の縮退時における振動を模式的に示す説明図
である。駆動信号が入力された振動子41には、捩じり
振動用圧電素子42,43及び縦振動用圧電素子44の
励振により、図20に示す振動の腹及び節を有する1次
の縦振動(L1モード)と2次の捩じり振動(T2モー
ド)とが発生する。そして、捩じり振動用圧電素子4
2,43と縦振動用圧電素子44とにそれぞれ印加する
駆動信号(正弦波電圧)の位相差を(1/4)λ(λ:
波長)ずらして設定すると、振動子41の駆動面Dには
楕円運動が発生する。
【0188】この時、捩じり振動(T2モード)は、捩
じり剛性の弱い第1小径部41a及び第3小径部41c
の2箇所に振動の節を発生し、第2小径部41bの略中
央部及び駆動面Dに振動の腹を発生する。一方、縦振動
(L1モード)は、第2小径部41bの略中央部付近に
振動の節を発生し、駆動面Dが腹となる。
【0189】この駆動面Dに加圧接触される移動子49
は、摩擦的に振動子41より駆動力を受けて駆動され
る。このとき、前述したように、駆動信号の位相差を
(1/4)λ(λ:波長)ずらして設定すると、駆動面
D上の点は楕円形状に駆動される。そして、この捩じり
振動(T2モード)の振動数を捩じり振動の共振周波数
に略一致させるとともに、縦振動(L1モード)の振動
数を縦振動の共振周波数に略一致させる。すると、捩じ
り振動(T2モード)及び縦振動(L1モード)は共振
して、駆動面Dにおいて発生する楕円運動が拡大する。
【0190】本実施形態では、振動子41の形状を変更
することのみにより捩じり振動(T2モード)の共振振
動数と縦振動(L1モード)の共振周波数とを決定する
ことができるため、移動子49の形状についての設定の
自由度が増加する等の特徴がある。
【0191】移動子49の形状をある程度自由に設定す
るには、振動子41から移動子49への振動伝搬をでき
るだけ抑制する必要がある。そのためには、摺動材とし
て振動減衰の大きな材料、例えばフッ素樹脂等を用いた
り、又は、移動子母材49aに振動減衰の大きな例えば
アルミニウム合金材等からなる材料を用いることにより
移動子49自体の振動減衰を大きくすること等を行えば
よい。
【0192】本実施形態の振動子41は、第1実施形態
の振動子22と同様に変形することにより、駆動面Dに
楕円運動を発生する。そのため、振動子41の駆動面D
に発生する楕円運動の変化については、前述した図4を
参照することにより、説明を省略する。
【0193】ここで、捩じり振動Tの振動数T1 を捩じ
り振動Tの共振周波数ω0Tに略一致させるとともに、縦
振動Lの振動数L1 を縦振動Lの共振周波数ω0Lに略一
致させると、共振して楕円運動が拡大する。
【0194】本実施形態の超音波アクチュエータは、以
上のように構成される。次に、本実施形態の超音波アク
チュエータのチューニング法を説明する。本実施形態で
は、第1大径部41d,第2大径部41e,第3大径部
41f,第4大径部41gそれぞれの振動子長手方向の
略中央部に挿入されたボルト46d〜46g及びナット
47d〜47gを周波数調整部材とする。そして、これ
らの周波数調整部材の質量を、ボルト46d〜46gを
頭部分の長さが異なる他のボルト46d’〜46g’へ
交換すること(本実施形態では4本とも全て変更する
が、全て変更する必要はない。)により、本実施形態に
おける超音波アクチュエータの振動子41に生じる、縦
振動(L1モード)の共振周波数と捩じり振動(T2モ
ード)の共振周波数とを接近又は一致させるチューニン
グ方法を示す。
【0195】なお、周波数調整部材を構成するボルト4
6d〜46g及びナット47d〜47gの挿入場所は、
縦振動(L1モード)及び捩じり振動(T2モード)と
もに少なくともどちらかの振動の腹位置に設けることに
より、縦振動(L1モード)及び捩じり振動(T2モー
ド)それぞれの周波数の微調整を効果的に行うことがで
きる。
【0196】図21は、4本のボルト46d〜46gに
ついて、同一の材質であって頭部長さが異なる3種類の
交換用ボルト46d’〜46g’を振動子41に装着し
た場合、振動子41に生じる縦振動(L1モード)及び
捩じり振動(T2モード)それぞれの共振周波数がどの
ように変動するかを示すグラフである。
【0197】図21に示すグラフにおいて、縦軸には振
動子41の共振周波数f(kHz) を、そして横軸には交換
用ボルトの種類(タイプ1,タイプ2,タイプ3)をそ
れぞれプロットしている。なお、交換用ボルトは、タイ
プ1,タイプ2,タイプ3の順で頭部長さが長くなる。
【0198】ここで、例えば、組み立て後の超音波アク
チュエータの共振周波数が加工公差等の影響により、図
21のグラフのタイプ1装着時のように、共振周波数f
T2(kHz) >共振周波数fL1(kHz) となっていたとする。
【0199】この場合、図21のグラフから明かなよう
に、捩じり振動(T2モード)の共振周波数に対して寄
与率が高く、縦振動(L1モード)の共振周波数に対し
ては影響が小さいボルトを交換してボルトの頭部長さを
長くする(つまり振動子41に装着されている4本のボ
ルト46d〜46gを交換する。)。このとき、捩じり
振動(T2モード)の共振周波数の低下率よりも縦振動
(L1モード)の共振周波数の低下率が小さいため、捩
じり振動(T2モード)の共振周波数fT2(kHz) を縦振
動(L1モード)の共振周波数fL1(kHz) に接近又は一
致させることができる。
【0200】つまり、ボルトの頭部長さを変化させる
と、縦振動(L1モード)の共振周波数fL1(kHz) は殆
ど変化しないものの、捩じり振動(T2モード)の共振
周波数fT2(kHz) は大幅に減少する。そのため、捩じり
振動(T2モード)の共振周波数fT2(kHz) を縦振動
(L1モード)の共振周波数fL1(kHz) に接近又は一致
させることができる。
【0201】また、逆に、組み立て後の超音波アクチュ
エータの共振周波数が加工公差等の影響により、図21
のグラフのタイプ3装着時のように、共振周波数fT2(k
Hz)<共振周波数fL1(kHz) となっていたとする。
【0202】この場合、図21のグラフから明かなよう
に、捩じり振動(T2モード)の共振周波数に対して寄
与率が高く、縦振動(L1モード)の共振周波数に対し
ては影響が小さいボルトを交換してボルトの頭部長さを
小さくする(つまり振動子41に装着されている4本の
ボルト46d〜46gをタイプ3からタイプ2に交換す
る。)。
【0203】このとき、捩じり振動(T2モード)の共
振周波数の増加率よりも縦振動(L1モード)の共振周
波数の増加率が小さいため、捩じり振動(T2モード)
の共振周波数fT2(kHz) を縦振動(L1モード)の共振
周波数fL1(kHz) に接近又は一致させることができる。
【0204】(第10実施形態)第9実施形態では、4
本のボルトを全て同時に交換して周波数調整を行う態様
を示したが、全てのボルトを交換する必要があるもので
はない。例えば、第2大径部41e,第3大径部41f
に装着されるボルトだけを交換し、第1大径部41d及
び第4大径部41gに装着されるボルトは交換しなくと
もよい。
【0205】図22は、(i)第2大径部41e及び第
3大径部41fに装着されたボルトを交換した場合、
(ii)第1大径部41d及び第4大径部41gに装着
されたボルトを交換した場合のそれぞれについて、振動
子に生じる振動波形,及び各位置のボルトの長さを変化
させた場合の各モードの周波数の変動状況を示す説明図
である。
【0206】第2大径部41e及び第3大径部41fの
ボルトを交換する場合は、ボルトの設置位置が縦振動
(L1モード)及び捩じり振動(T2モード)それぞれ
の腹位置に存在するため、ボルトによる質量効果及び慣
性効果が両モードに同時に作用する。そのため、周波数
変化は平行移動に近い変化率の小さいものとなる。その
ため、この位置のボルトを交換する場合は、調整代が少
ない微調整に有効であると考えられる。
【0207】一方、第1大径部41d及び第4大径部4
1gに装着されたボルトを交換する場合は、ボルトの設
置位置が縦振動(L1モード)の節位置近傍であって捩
じり振動(T2モード)の腹位置に存在するため、ボル
トによる質量効果よりも慣性効果、つまり捩じり振動
(T2モード)に対して大幅にボルトの頭部長さの変化
が影響する。そのため、この位置のボルトを交換するの
は、調整代が大きな粗調整に有効であると考えられる。
【0208】また、図23に示すように、ボルト先端部
の長さや外径を変更したり異種材料を利用して、ボルト
の質量を変更することによっても、超音波アクチュエー
タのチューニングを行うことも可能である。
【0209】図23は、第1大径部41d及び第4大径
部41gに装着されたボルトの質量を変化させた場合に
ついて、各振動の振動波形と,各振動の周波数の変動状
況を示す説明図である。
【0210】同図に示すように、ボルトの設置位置は両
振動の腹に存在するが、ボルトの中央部に対して質量変
更操作を行うと、慣性効果よりも質量効果、つまり捩じ
り振動(T2モード)よりも縦振動(L1モード)に対
して大幅に影響を及ぼす。そのため、この位置のボルト
を交換するのは、調整代が大きな粗調整に有効であると
考えられる。
【0211】このように一部のボルトだけを交換するこ
とにより、交換による質量変動量が減少し、振動子41
に生じる捩じり振動(T2モード)及び縦振動(L1モ
ード)の微調整を確実に行うことができる。
【0212】また、本実施形態では、捩じり振動(T2
モード)及び縦振動(L1モード)の共振周波数の調整
のためのパラメータとして、周波数調整部材であるボル
トの長さに着目した。しかし、本発明は、このような態
様のみに限定されるものでない。例えば、周波数調整の
ための他の手段として、ボルト材質,ボルトに嵌め合わ
されるナットやワッシャ等の枚数や材質、及び形状等を
パラメータとして操作することによっても、全く同様に
周波数調整を行うことができる。
【0213】図24は、振動子41へのボルトの取付部
付近を拡大して示す説明図である。同図に示す実施形態
は、第2大径部41eや第3大径部41fに装着される
ボルト46e,46fにネジ止めされるナット47e,
47f締め付け部に挟み込まれたワッシャ70e,70
fを用いて、T2モードの周波数をL1モードの周波数
に比較して大きく操作する場合である。
【0214】まず、図25に示すように、内径R1,外
径R2さらには厚みt等を様々に変更したワッシャ70
を予め多数枚容易しておく。そして、それぞれのワッシ
ャ70について、振動子41に装着した場合の、T2モ
ード及びL1モードそれぞれへの周波数の変動量を計算
や実験により予め求め、各ワッシャと周波数変動量との
テーブル値(対応表)を作成しておく。このように対応
表を作成しておけば、所望の周波数調整を行ってT2モ
ード及びL1モードそれぞれへの周波数を一致するのは
どの寸法のワッシャ70と差し替えれば良いのかを一目
して判断することができる。これによれば、場合によっ
ては、ワッシャ70を抜いたままにしてしまったり、2
枚以上重ねる必要があることも容易に判断できる。
【0215】ワッシャ70は、ボルトやナットに比較し
て低コストであるため、多数枚ストックする必要がある
このような周波数調整手段においては、有利である。ま
た、図25に示すように、寸法を変えた多数枚のワッシ
ャ70を準備するのではなく、寸法は一定であって材質
が変更された多数枚のワッシャ70を準備することによ
っても、全く同様の効果を得ることができる。
【0216】また、図26は、ワッシャ70−1を別の
ワッシャに取り替えるのではなく、取り外して所定量だ
け削除し(例えば切削)、このワッシャ70−1を再度
装着する実施形態を示す説明図である。
【0217】このように、ワッシャ70−1の重量を適
宜手段によって変更することによっても全く同様の周波
数微調整効果を得ることができる。また、図25に示す
実施形態であっても、最適な寸法の寸法のワッシャ70
が準備されていない場合には、図26に示す手段により
微調整を行って周波数調整を行うことができる。図27
は、別の実施形態であって、ワッシャ70−2の一部に
突設部71を設けた場合を示す斜視図である。
【0218】図24〜図26に示す方法では、周波数調
整を行う際には、ボルトの脱着作業が必然的に発生す
る。しかし、これでは調整工数が増加する。また、再締
結の際の締め付け力はトルクレンチにより管理されてい
るものの締め付け力のばらつきが不可避的に発生してし
まう。
【0219】このような締め付け力のばらつきは、周波
数のばらつきを発生し、ワッシャの入替えを行って周波
数調整を行おうとしているにもかかわらず、締め付け力
のばらつきにより期待した周波数から再び外れてしまう
おそれもある。
【0220】そこで、ボルトの脱着作業を行うことな
く、ワッシャの形状変更(周波数調整)を可能にする手
段を図27に示す。すなわち、図27に示すワッシャ7
0−2では、その一部に周波数調整用の突起部71が突
設されている。
【0221】この突起部71を利用する場合、基本的に
振動子は無調整断階でT2モードとL1モードとが最適
周波数関係、もしくはずれる場合にはそれよりも距離関
係が接近するように、寸法や公差等を勘案して設計して
おく。
【0222】そして、超音波アクチュエータを組み立て
た後、前述の距離関係が接近したものについては、ワッ
シャ70−2の突起部71を、ニッパーややすり等の工
具により切断・除去することにより、T2モードが高周
波側にシフトして距離関係が大きくなり、最適距離関係
となる。
【0223】ワッシャ70−2は薄く、かつ剛性も小さ
いため、ボルトやナットと比較すると、極めて容易に削
除等の調整作業を行うことが可能となる。そのため、振
動子から取り外さずに調整作業を行っても、振動子に悪
影響となる応力や振動を与えることも極めて少なくな
る。
【0224】また、前述の距離関係を小さくしたい、つ
まりT2モードを低周波側にシフトさせたい場合には、
突起部71に適当な質量体を付加すればよい。例えば、
計算に基づいて最適量のはんだや接着剤を突起部71に
付加すればよい。
【0225】ワッシャ70−2は突起部71を形成され
ているため、この突起部71に質量体を付加することは
作業性がよく、例えばはんだ付けの場合における熱等の
悪影響が振動子本体に伝搬し難いという効果もある。な
お、前述したように、ボルトの脱着作業を行う場合であ
っても、ワッシャ70−2のように突起部71が形成さ
れていれば、この突起部71に対して作業を行えばよい
ため、作業性向上が向上する。
【0226】図28(a)又は図28(b)は、ワッシ
ャの他の例を示す説明図である。図28(a)に示す例
では、段階的に形成された突起部71−1を備えるワッ
シャ70−3を示しており、周波数の調整程度に応じ
て、突起部71−1の削除位置を変更することにより、
周波数の調整代を拡大してものである。
【0227】また、図28(b)に示す例では、周波数
の調整程度が異なる突起部71−2(調整代:50H
z),71−3(調整代:10Hz)を複数種(図示例
では2種)かつそれぞれ複数形成したワッシャ70−4
を示しており、周波数の調整程度に応じて、削除する突
起部71−2,71−3及びその数を決定することによ
り、周波数の調整代を拡大してものである。
【0228】図29は、図28に示すように、突起部7
1を削ったり突起部71に質量体を付加するのではな
く、その一部が小径部41bにより形成される溝部を覆
うように延設される突起部71を、適宜状態に折り曲げ
ることにより、周波数調整を行うものである。
【0229】すなわち、図29中の状態1,状態2又は
状態3のいずれの場合であっても、振動子41全体の質
量は一定であるためにL1モードの周波数は変動しな
い。これに対し、ワッシャ70は振動子41の外周部に
装着されることから、状態1,状態2及び状態3に示す
ような突起部71の形状の相違は、イナーシャの差を有
し、振動子41に発生するT2モードに大きな影響を及
ぼすことになる。
【0230】一般的に、同一の質量体であっても、回転
中心からの距離が大きい位置に装着されると、イナーシ
ャが大きくなる。つまり、イナーシャの大きさは、状態
1>状態2>状態3という関係になる。
【0231】したがって、周波数の距離関係が最適状態
よりも小さい振動子41では、突起部71を状態3に示
すように内部側(回転中心側)に折り曲げる。一方、周
波数の距離関係が最適状態より大きい振動子41では、
突起部71を状態1に示すように外部側(回転中心と反
対側)に折り曲げる。
【0232】このように、図29に示すような突起部7
1の変形による手段によれば、突起部71を定められた
方向に変形させるだけで、極めて容易に周波数調整が可
能となる。
【0233】また、図29に示す例では、図28に示す
形状の突起部71−1,71−2,71−3を有するワ
ッシャ70−3,70−4を用いてもよいことは言うま
でもない。
【0234】なお、本発明にかかる超音波アクチュエー
タでは、組み立て工程において、振動子単体で縮退する
か否かの検査工程が設けられると考えられるため、図2
9に示す周波数調整では、折り曲げてから直ちに周波数
調整程度を確認し、この作業を繰り返すことにより折り
曲げの程度を決定すればよい。
【0235】また、図23等により示す本実施形態で
は、長さが異なる3種類のボルトを交換用ボルトとして
用いる場合を例にとったが、本発明はこのような態様の
みに限定されるものではない。例えば、最初に装着した
ボルトに、質量を低減する加工,質量を付加する加工さ
らには変形加工等を行うことにより、周波数調整部材の
質量を変更することによっても、全く同様に周波数調整
を行うことができる。この場合、ボルトに対する加工
は、振動子から外した状態で行うことが振動子に加工に
伴う損傷を与えることがなく、望ましい。
【0236】このように、本発明にかかる超音波アクチ
ュエータのチューニング法によれば、加工公差等によっ
て振動子に生じる2つの振動の共振周波数がずれても、
組み立て後に、振動子の一部に質量を付加する加工又は
質量を低減する加工を行うことにより、振動子の共振周
波数を所望の状態に調整することができる。そのため、
安定した駆動が得られ、駆動力や駆動効率を向上させて
性能の個体差が低減された超音波アクチュエータを製造
することができる。
【0237】本発明にかかる超音波アクチュエータのチ
ューニング法によれば、現在の製造技術では、組み立て
時には解消することが難しい複数の振動のずれを、確実
に解消して各振動の共振周波数を所望の状態に調整する
ことができる。そのため、少なくとも2種類の振動を発
生させる異形モード縮退型の振動子を備える超音波アク
チュエータの製造上では極めて重要な技術である。
【0238】(第11実施形態)図30は、第11実施
形態の超音波アクチュエータに用いる振動子80の構造
を示す分解斜視図である。本実施形態で用いる振動子8
0は、図18に示す第9実施形態で用いる振動子41へ
の圧電素子の装着態様を変更したものである。
【0239】したがって、本実施形態では、振動子80
における圧電素子81,82の装着態様だけを説明する
こととし、同一の部分については、重複する説明を適宜
省略する。
【0240】本実施形態では、振動子80は第9実施形
態と同一の弾性体を用いる。すなわち、弾性体は、中空
円柱状の弾性部材を縦面で2つに分割することにより得
られる2つの半弾性体41A,41Bを、再度中空円柱
状に組合わせることにより、構成される。
【0241】半弾性体41A,41Bの外周面には、第
9実施形態と同様に、3つの小径部(第1小径部41
a,第2小径部41b,第3小径部41c)と、4つの
大径部(第1大径部41d,第2大径部41e,第3大
径部41f,第4大径部41g)とがそれぞれ設けられ
る。
【0242】半弾性体41A,41Bの2つの分割面に
は、それぞれ圧電素子81,82が2層積層された状態
で、配置される。圧電素子81,82は、いずれもPZ
T(チタン酸ジルコン酸鉛)から長板状に構成される。
圧電素子81,82それぞれの対向面側には、電極8
3,84が薄膜状に形成される。また、対向する2枚の
圧電素子81,82により、電極83,84に接触し
て、電極板85,86が挟まれた状態で保持される。
【0243】なお、圧電素子81,82は同一の構成で
あるため、以降の圧電素子に関する説明は、圧電素子8
1について行うこととし、圧電素子82については適宜
説明を省略する。
【0244】圧電素子81の表面に形成される電極83
は、駆動面D側から順に互いに離れた状態で配置され
た、捩じり振動検出用電極83a,捩じり振動発生用電
極83b,縦振動発生用電極83c,縦振動発生用予備
電極83d,及び縦振動検出用電極83eからなる。
【0245】圧電素子81のうちの捩じり振動検出用電
極83a,捩じり振動発生用電極83bが形成された部
分は、長手方向にポーリング処理されることにより、圧
電定数d15を用いて構成される。圧電素子81のうちの
捩じり振動発生用電極83bが形成された部分は、振動
子80に発生する2次の捩じり振動の2つの節位置のう
ちの駆動面D側の節位置を含む位置である。
【0246】また、圧電素子81のうちの縦振動発生用
電極83c,縦振動発生用予備電極83d,及び縦振動
検出用電極83eが形成された部分は、厚さ方向にポー
リング処理されることにより、圧電定数d31を用いて構
成される。圧電素子81のうちの縦振動発生用電極83
cが形成された部分は、振動子80に発生する1次の縦
振動の節位置を含む位置であり、縦振動発生用予備電極
83dが形成された部分は、振動子80に発生する2次
の捩じり振動の2つの節位置のうちの反駆動面側の節位
置を含む位置である。
【0247】このように一枚の圧電素子81において、
ポーリング方向が異なる2領域を形成するためには、ま
ず、圧電素子81の母材の長手方向両端部側にポーリン
グ用電極を設置してポーリングを行うことにより、圧電
素子母材全長について長手方向に関するポーリング処理
を行い、その後に、縦振動発生用電極83c〜縦振動検
出用電極83eを形成する範囲にだけ厚さ方向へポーリ
ング処理を行う手段を例示することができる。
【0248】なお、電極板85を介して対向する2枚の
圧電素子81のポーリングの向きは、以下のように設定
される。まず、捩じり振動検出用電極83a,捩じり振
動発生用電極83bが形成された部分は、2枚の圧電素
子81のポーリング方向が、互いに振動子80の軸方向
に対して反対向きとなるように形成されている。また、
縦振動発生用電極83c,縦振動発生用予備電極83d
及び縦振動検出用電極83eが形成された部分は、2枚
の圧電素子81のポーリング方向が対向するように形成
されている。
【0249】電極板86を介して対向する2枚の圧電素
子82のポーリングの向きも、先に説明した2枚の圧電
素子81と同様に設定されている。また、圧電素子81
の2枚のポーリングの向きの関係と、圧電素子82の2
枚のポーリングの向きの関係は、振動子80の軸に対し
て対称となるように設定されている。
【0250】また、各電極83の形成手段は特に限定さ
れるものではない。本実施形態では、まず、薄膜状に各
電極83を形成し、その後に形成した各電極83の表面
を所定量研削した。こうすることで、圧電素子81の厚
みが、圧電定数d31や圧電定数d15を用いる領域にかか
わらず、一定になるようにした。
【0251】対向する2枚の圧電素子81,81の間に
は、各電極83,83に接するようにして、銅製の電極
板85,86が配置される。なお、電極板85,86も
同一の構成であるため、以降の説明は電極板85につい
て行うこととし、電極板86については説明を省略す
る。
【0252】電極板85は、捩じり振動検出用電極83
a,捩じり振動発生用電極83b,縦振動発生用電極8
3c,縦振動発生用予備電極83d,及び縦振動検出用
電極83eにそれぞれ接する、捩じり振動検出用電極板
85a,捩じり振動発生用電極板85b,縦振動発生用
電極板85c,縦振動発生用予備電極板85d,及び縦
振動検出用電極板85eに分割されて構成される。
【0253】各電極板85a〜85eには、独立して電
気エネルギーの授受が行われ、これにより、接触する各
電極83a〜83eを介して、対向配置される2枚の圧
電素子81,81への電気エネルギーの授受が行われ
る。
【0254】本実施形態で用いる超音波アクチュエータ
は、以上のような構成の振動子80を用いており、これ
以外の構成は第9実施形態の超音波アクチュエータと同
一であるため、振動子80の構造に関するこれ以上の説
明は省略する。
【0255】本実施形態の振動子80において、電極板
85b及び電極83bを介して、圧電素子81に電気エ
ネルギー(駆動信号)を入力すると、圧電素子81の電
極83b形成部は圧電定数d15を用いているため、振動
子80の長手方向に対して剪断変位を発生する。ここ
で、対向して配置される2つの圧電素子81,81は、
互いに逆向きの剪断変位を発生するように、配置され
る。また、2つの分割面に配置される圧電素子81、8
2が発生する剪断変位は、振動子80の中心に対して対
称となる向きに発生する。
【0256】一方、本実施形態の振動子80において、
電極板85c及び電極83cを介して、圧電素子81に
電気エネルギー(駆動信号)を入力すると、圧電素子8
1の電極83c形成部は圧電定数d31を用いているた
め、振動子80の長手方向に対して伸縮変位を発生す
る。各圧電素子81,82は、圧電素子81,82によ
って発生される伸縮変位が全て同一の方向となるよう
に、配置される。
【0257】本実施形態では、縦振動発生用予備電極板
85dには電気エネルギーの入力は行われない。すなわ
ち、第9実施形態の振動アクチュエータでは、この位置
に捩じり振動発生用圧電素子を配置した。しかし、その
後の検討により、この位置に捩じり振動発生用圧電素子
を配置しなくとも、振動子80には同等の振動変位が発
生することが確認された。したがって、本実施形態で
は、この位置には縦振動発生用予備電極板85dと縦振
動発生用予備電極83dとを配置することにより、振動
子80の内部に空隙が発生することを防止するとともに
不要な電気エネルギーの入力を解消して振動発生効率の
向上を図るものである。
【0258】振動子80は、駆動電圧を印加されること
によって圧電素子81,82が励振し、これにより1次
の縦振動(L1モード)と2次の捩じり振動(T2モー
ド)とを発生し、これらの振動の合成である楕円運動
が、駆動面Dに発生する。駆動面Dに発生する楕円運動
を利用して、振動子80に加圧接触する移動子を駆動す
る。
【0259】振動子80に発生した2次の捩じり振動
は、圧電素子81により、捩じり振動検出用電極83a
及び捩じり振動検出用電極板85aを介して、電気エネ
ルギーとして外部に取り出され、図示しない駆動回路に
入力される。また、振動子80に発生した1次の縦振動
は、圧電素子81により、縦振動検出用電極83e及び
捩じり振動検出用電極板85eを介して、電気エネルギ
ーとして外部に取り出され、図示しない駆動回路に入力
される。
【0260】これ以外の構成は、第9実施形態と同様で
あるため、振動子80に関するこれ以上の説明は省略す
る。本実施形態で用いる超音波アクチュエータは、以上
説明したように構成された振動子80を備えるため、第
9実施形態の振動子41に比較すると、電気エネルギー
の入力量を低減しながら同等の振幅を確保することがで
きる。これにより、超音波アクチュエータの駆動効率を
改善することができる。
【0261】また、本実施形態で用いる振動子80で
は、圧電素子81,82が一体的に構成されるため、構
造が簡素化される。これにより、超音波アクチュエータ
の組み立て作業性が著しく改善され、製造コストを低減
することができる。
【0262】(変形形態)以上の各実施形態では、振動
アクチュエータとして超音波アクチュエータを用いた
が、本発明にかかる振動アクチュエータはこのような態
様に限定されるものではなく、他の振動域を利用した振
動アクチュエータについても等しく適用することができ
る。
【0263】また、各実施形態では、電気機械変換素子
として圧電素子を用いたが、本発明はかかる態様のみに
限定されるものではない。電気機械変換素子は、電気エ
ネルギ−を機械的な変位に変換することができるもので
あれば他のものでもよい。例えば、圧電素子以外に電歪
素子や磁歪素子等を例示することができる。
【0264】また、各実施形態では、振動子に2次の捩
じり振動と1次の縦振動とが同時に生じるようにした場
合を例にとって説明したが、本発明はかかる態様のみに
限定されるものではない。例えば、振動子にm次の捩じ
り振動(m:自然数)とn次の縦振動(n:自然数)と
が生じるようにしたものであっても、全く同様に捩じり
振動及び縦振動それぞれの共振周波数を所望の状態に調
整することが可能である。
【0265】すなわち、振動子に、振動子軸方向への縦
振動である第1振動と,振動子軸方向への剪断変形によ
る捩じり振動である第2振動とが同時に生じるようにし
た振動アクチュエータであれば、本発明により、第1振
動及び第2振動それぞれの共振周波数を所望の状態に調
整することができる。
【0266】さらに、図31(A)は、振動子61の端
面又は駆動面に周波数調整用の突起61aを形成し、こ
の突起61aを削ることによりチューニングを行う場
合、図31(B)は、振動子61の外周部にリング状に
周波数調整用の出張り部61bを形成し、この出張り部
61bを削ることによりチューニングを行う場合をそれ
ぞれ示す。
【0267】図31(A)に示す態様によれば、突起6
1aを削ることにより、縦振動(L1モード)の共振周
波数が高くなる。一方、図31(B)に示す態様によれ
ば、出張り部61bを削ることにより、捩じり振動(T
2モード)の共振周波数が高くなる。
【0268】図31(A)又は図31(B)に示すよう
に、振動子の大径部や小径部さらには端面を直接的に削
るのではなく、これらに初めから周波数調整用の突起や
出張り部を設けておき、この突起や出張り部を削ること
によりチューニングを行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の異形モード縮退型の超音波アク
チュエータの構造を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態の異形モード縮退型の超音波アク
チュエータに用いる振動子の構造を駆動回路とともに示
す説明図であって、図2(A)は上面図,図2(B)は
側面図である。
【図3】第1実施形態で用いる超音波アクチュエータの
圧電素子の励振により、振動子に1次の縦振動及び2次
の捩じり振動が生じることを示す説明図であって、図3
(A)は縦断面図,図3(B)は振動子表面に発生する
2つの振動の波形例を示す説明図である。
【図4】振動子の駆動面において発生する楕円運動の変
化を1周期について示す説明図である。
【図5】第1実施形態において、振動子の第2大径部の
直径を変化させた場合に、振動子に発生する縦振動(L
1モード)及び捩じり振動(T2モード)それぞれの共
振周波数がどのように変動するかを、有限要素法を用い
て解析した結果を示すグラフである。
【図6】第2実施形態において、振動子の小径部の直径
を変化させることにより振動子に発生する縦振動(L1
モード)及び捩じり振動(T2モード)それぞれの共振
周波数がどのように変動するかを、有限要素法を用いて
解析した結果を示すグラフである。
【図7】第3実施形態において、振動子の第1大径部の
中央部付近における直径を変化させることにより振動子
に発生する縦振動(L1モード)及び捩じり振動(T2
モード)それぞれの共振周波数がどのように変動するか
を、有限要素法を用いて解析した結果を示すグラフであ
る。
【図8】第4実施形態にかかる超音波アクチュエータの
構造を示す断面図である。
【図9】第5実施形態において製造した振動子の第2大
径部の長さと,1次の縦振動の共振周波数,2次の捩じ
り振動の共振周波数との関係を示すグラフである。
【図10】第5実施形態において、周波数調整後の2次
の捩じり振動の共振周波数と1次の縦振動の共振周波数
との関係を示すグラフである。
【図11】第6実施形態において、製造した振動子の第
1大径部の長さと1次の縦振動(L1モード)の共振周
波数,2次の捩じり振動(T2モード)の共振周波数と
の関係を示すグラフである。
【図12】周波数調整後の1次の縦振動(L1モード)
の反共振周波数と2次の捩じり振動(T2モード)の反
共振周波数との関係を示すグラフである。
【図13】製造した振動子の1次の縦振動(L1モー
ド)の反共振周波数fL1と2次の捩じり振動(T2モー
ド)の反共振周波数fT2とを比較した結果を示すグラフ
であり、fT2>fL1の状態を示す。
【図14】製造した振動子の第2大径部の長さと,1次
の縦振動(L1モード)の反共振周波数fL1,2次の捩
じり振動(T2モード)の反共振周波数fT2との関係を
示すグラフである。
【図15】製造した振動子の1次の縦振動(L1モー
ド)の共振周波数fL1と,2次の捩じり振動(T2モー
ド)の共振周波数fT2とを比較した結果を示すグラフで
あり、fT2<fL1の状態を示す。
【図16】製造した振動子の第1大径部の長さと、1次
の縦振動(L1モード)の反共振周波数fL1,2次の捩
じり振動(T2モード)の反共振周波数fT2との関係を
示すグラフである。
【図17】周波数調整部材及び大径部,小径部の寸法変
更に伴う共振周波数の変動について、まとめて示すグラ
フである。
【図18】第9実施形態で用いる超音波アクチュエータ
の構造を示す縦断面図である。
【図19】振動子への圧電素子の配置を示す説明図であ
って、図19(A)は縦断面図,図19(B)は図19
(A)のA−A断面,B−B断面,及びC−C断面をそ
れぞれ示す。
【図20】振動子に生じる縦振動及び捩じり振動の縮退
時における振動を模式的に示す説明図である。
【図21】第9実施形態の超音波アクチュエータにおい
て用いるボルトについて、同一の材質で頭部長さが異な
る3種類の交換用ボルトを振動子に装着した場合、振動
子に生じる縦振動(L1モード)及び捩じり振動(T2
モード)それぞれの共振周波数がどのように変動するか
を示すグラフである。
【図22】第10実施形態において、(i)第2大径部
及び第3大径部に装着されたボルトをそれぞれ交換した
場合、(ii)第1大径部及び第4大径部に装着された
ボルトをそれぞれ交換した場合について、振動子に生じ
る振動波形,及び各位置のボルトの長さを変化させたと
きの各モードの周波数の変動状況を示す説明図である。
【図23】第10実施形態において、第1大径部及び第
4大径部に装着されたボルトの質量を変化させた場合に
ついて、各振動の振動波形と,各振動の周波数の変動状
況を示す説明図である。
【図24】第10実施形態において、振動子へのボルト
の取付部付近を拡大して示す説明図である。
【図25】第10実施形態において、寸法は一定であっ
て材質が変更されたワッシャを示す斜視図である。
【図26】第10実施形態において、一旦取り外して所
定量だけ削除し、再度装着される周波数調整用のワッシ
ャを示す説明図である。
【図27】第10実施形態において、その一部に周波数
調整用の突起部が形成されたワッシャを示す斜視図であ
る。
【図28】図28(a)又は図28(b)は、ワッシャ
の他の例を示す説明図である。
【図29】その一部が小径部により形成される溝部を覆
うように延設される突起部を、適宜状態に折り曲げるこ
とにより、周波数調整が行われるワッシャを示す説明図
である。
【図30】第11実施形態において用いる振動子の構造
を示す分解斜視図である。
【図31】図31(A)は、振動子の端面又は駆動面に
周波数調整用の突起を設けた場合、又は、図31(B)
は、振動子の大径部に周波数調整用の突起を設けた場合
をそれぞれ示す説明図である。
【図32】縦−捩じり振動型の振動アクチュエータの従
来例を示した斜視図である。
【図33】縦−捩じり振動型の振動アクチュエータの従
来例の固定子を展開して示した斜視図である。
【図34】異形モード縮退型の振動アクチュエータの構
造を示す縦断面図である。
【図35】異形モード縮退型の振動アクチュエータに用
いる振動子の構造を示す説明図であり、図35(A)は
上面図,図35(B)は側面図である。
【図36】製造した振動子の1次の縦振動(L1モー
ド)の反共振周波数fL1と2次の捩じり振動(T2モー
ド)の反共振周波数fT2とを比較した結果を示すグラフ
であり、fT2>fL1の状態を示す。
【図37】製造した振動子1次の縦振動(L1モード)
の反共振周波数fL1と2次の捩じり振動(T2モード)
の反共振周波数fT2とを比較した結果を示すグラフであ
り、fT2<fL1の状態を示す。
【符号の説明】
21 固定軸 21a 大径部 21b 第1固定軸 21c 第2固定軸 21d ねじ部 22 振動子 22a,22b 半円管状弾性体 22c 第1大径部 22d 第2大径部 22e 小径部 22f 22g 貫通孔 23a,23b 取付ボルト 24 捩じり振動用圧電素子 25 縦振動用圧電素子 26 ベアリング 27 移動子 27a 移動子母材 27b 摺動材 28 加圧部材 29 加圧力伝達部材 30 調整部材 41 振動子 41a 第1小径部 41b 第2小径部 41c 第3小径部 41d 第1大径部 41e 第2大径部 41f 第3大径部 41g 第4大径部 42,43 捩じり振動用圧電素子 44 縦振動用圧電素子 45d〜45g 貫通穴 46d〜46g,46d’〜46g’ ボルト 47d〜47g ナット 48 支持部材 49 移動子 49a 移動子母材 49b 摺動材 50 位置決め手段 51 加圧手段 52 付勢部材 53 固定軸 54 加圧力調整手段 61 振動子 61a 突起 61b 出張り部

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1振動及び第2振動を発生する異形モ
    ード縮退型の振動子を備える振動アクチュエータであっ
    て、 前記振動子の一部には、加工を加えられることにより縮
    退時に発生する前記第1振動及び前記第2振動それぞれ
    の共振周波数又は反共振周波数を所望の状態に調整する
    ための周波数調整部が設けられることを特徴とする振動
    アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記振動子は、棒状型であるとともに少なくとも一つの
    小径部を備えることを特徴とする振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された振動
    アクチュエータにおいて、 前記周波数調整部は、前記第1振動及び前記第2振動そ
    れぞれの固有周波数の変化率に差がある位置に存在する
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記第1振動は1次以上の縦振動であるとともに、前記
    第2振動は1次以上の捩じり振動であることを特徴とす
    る振動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 第1振動及び第2振動を発生する異形モ
    ード縮退型の振動子を備える振動アクチュエータのチュ
    ーニング法であって、 前記振動子を大径部と小径部とで構成し、前記第1振動
    及び前記第2振動のいずれか一方の振動の節が前記小径
    部に生じる形状とすることで、前記第1振動及び前記第
    2振動それぞれの共振周波数又は反共振周波数を接近又
    は一致させることを特徴とする振動アクチュエータのチ
    ューニング法。
  6. 【請求項6】 第1振動及び第2振動を発生する異形モ
    ード縮退型の振動子を備える振動アクチュエータのチュ
    ーニング法であって、 組み立てられた前記振動アクチュエータの前記振動子の
    一部に加工を加えることにより、前記振動子に生じる前
    記第1振動及び前記第2振動それぞれの共振周波数又は
    反共振周波数を所望の状態に調整することを特徴とする
    振動アクチュエータのチューニング法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された振動アクチュエー
    タのチューニング法において、 前記加工は、前記第1振動及び前記第2振動それぞれの
    固有周波数の変化率に差がある位置に対して行われるこ
    とを特徴とする振動アクチュエータのチューニング法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載された振動アクチュエー
    タのチューニング法において、 前記加工は、前記第1振動及び前記第2振動それぞれの
    弾性体表面における振幅波形が一方の振動が腹となると
    ともに他方の振動が節となる位置に対して行われること
    を特徴とする振動アクチュエータのチューニング法。
  9. 【請求項9】 請求項6から請求項8までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータのチューニング法に
    おいて、 前記振動子は、少なくとも一つの小径部を備えることを
    特徴とする振動アクチュエータのチューニング法。
  10. 【請求項10】 請求項5から請求項9までのいずれか
    1項に記載された振動アクチュエータのチューニング法
    において、 前記振動子は、第1大径部と,第2大径部と,これらに
    隣接する小径部とを備えるとともに、前記加工は、前記
    振動子の一部を削除する加工であることを特徴とする振
    動アクチュエータのチューニング法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記加工は、前記第1大径部,前記第2大径部及び前記
    小径部の少なくとも一つの外径及び/又は長さを低減す
    る加工であることを特徴とする振動アクチュエータのチ
    ューニング法。
  12. 【請求項12】 請求項5から請求項9までのいずれか
    1項に記載された振動アクチュエータのチューニング法
    において、 前記振動子は、第1大径部と,第2大径部と,これらに
    隣接する小径部とを備えるとともに、前記加工は、前記
    振動子のうちの一部に周波数調整部材を装着する加工で
    あることを特徴とする振動アクチュエータのチューニン
    グ法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記加工は、前記第1大径部,前記第2大径部及び前記
    小径部の少なくとも一つの径方向に、前記周波数調整部
    材を装着する加工であることを特徴とする振動アクチュ
    エータのチューニング法。
  14. 【請求項14】 請求項5から請求項8までのいずれか
    1項に記載された振動アクチュエータのチューニング法
    において、 前記振動子は、第1大径部,第2大径部,第3大径部及
    び第4大径部と,これらに隣接する第1小径部,第2小
    径部及び第3小径部とを備えることを特徴とする振動ア
    クチュエータのチューニング法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記振動子は、二つの弾性体とこれらに挟持される電気
    機械変換素子とを備えるとともに、前記電気機械変換素
    子は、前記第1振動の節に設けられる第1振動発生用電
    気機械変換素子と,前記第2振動の節に設けられる第2
    振動発生用電気機械変換素子とを有することを特徴とす
    る振動アクチュエータのチューニング法。
  16. 【請求項16】 請求項14又は請求項15に記載され
    た振動アクチュエータのチューニング法において、 前記加工は、前記振動子のうちの一部に周波数調整部材
    を装着する加工であることを特徴とする振動アクチュエ
    ータのチューニング法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記周波数調整部材は、前記振動子に発生する前記第1
    振動及び/又は前記第2振動の腹に装着されることを特
    徴とする振動アクチュエータのチューニング法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記周波数調整部材は、少なくとも2つ装着されること
    を特徴とする振動アクチュエータのチューニング法。
  19. 【請求項19】 請求項16から請求項18までのいず
    れか1項に記載された振動アクチュエータのチューニン
    グ法において、 前記周波数調整部材は、質量及び/又は形状が異なる他
    の周波数調整部材に交換されて装着されることを特徴と
    する振動アクチュエータのチューニング法。
  20. 【請求項20】 請求項16から請求項18までのいず
    れか1項に記載された振動アクチュエータのチューニン
    グ法において、 前記周波数調整部材には、質量及び/又は形状が変更さ
    れる加工が行われることを特徴とする振動アクチュエー
    タのチューニング法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記加工は、前記振動子から取り外された状態で行われ
    ることを特徴とする振動アクチュエータのチューニング
    法。
  22. 【請求項22】 請求項14に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記振動子は、第1大径部,第2大径部,第3大径部及
    び第4大径部と,これらに隣接する第1小径部,第2小
    径部及び第3小径部とを備えるとともに、前記加工は、
    前記振動子の一部を削除する加工であることを特徴とす
    る振動アクチュエータのチューニング法。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記加工は、前記第1大径部,前記第2大径部,前記第
    3大径部,前記第4大径部及び前記小径部の少なくとも
    一つの外径及び/又は長さを低減する加工であることを
    特徴とする振動アクチュエータのチューニング法。
  24. 【請求項24】 請求項12,請求項13,又は、請求
    項16から請求項21までのいずれか1項に記載された
    振動アクチュエータのチューニング法において、 前記周波数調整部材は、前記振動子を構成する二つの弾
    性体とこれらに挟持される電気機械変換素子とを締結す
    る機能を備えることを特徴とする振動アクチュエータの
    チューニング法。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記周波数調整部材は、ボルトであることを特徴とする
    振動アクチュエータのチューニング法。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記周波数調整部材は、前記ボルトと前記振動子との間
    に挟まれるワッシャ、又は前記ボルトに螺着されるナッ
    トであることを特徴とする振動アクチュエータのチュー
    ニング法。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記ワッシャ又は前記ナットには、周波数調整のための
    削除用突設部が設けられることを特徴とする振動アクチ
    ュエータのチューニング法。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載された振動アクチュ
    エータのチューニング法において、 前記削除用突設部は、周波数調整の程度が異なる複数の
    部分を備えることを特徴とする振動アクチュエータのチ
    ューニング法。
  29. 【請求項29】 請求項27又は請求項28に記載され
    た振動アクチュエータのチューニング法において、 前記削除用突設部は、端部が前記振動子に溝状に形成さ
    れた前記小径部を被うように、延設されており、この端
    部を前記小径部側又は反対側に折り曲げることにより、
    周波数調整が行われることを特徴とする振動アクチュエ
    ータのチューニング法。
  30. 【請求項30】 請求項5から請求項29までのいずれ
    か1項に記載された振動アクチュエータのチューニング
    法において、 前記第1振動は1次以上の縦振動であるとともに、前記
    第2振動は1次以上の捩じり振動であることを特徴とす
    る振動アクチュエータのチューニング法。
  31. 【請求項31】 請求項5から請求項29までのいずれ
    か1項に記載された振動アクチュエータのチューニング
    法において、 前記第1振動は前記振動子の軸方向への縦振動であり、
    前記第2振動は前記振動子の軸方向への剪断変形による
    捩じり振動であることを特徴とする振動アクチュエータ
    のチューニング法。
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