JPH09205783A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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JPH09205783A
JPH09205783A JP8009824A JP982496A JPH09205783A JP H09205783 A JPH09205783 A JP H09205783A JP 8009824 A JP8009824 A JP 8009824A JP 982496 A JP982496 A JP 982496A JP H09205783 A JPH09205783 A JP H09205783A
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JP
Japan
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vibration
vibrator
torsional
torsional vibration
piezoelectric element
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Application number
JP8009824A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Ashizawa
隆利 芦沢
Mitsuhiro Okazaki
光宏 岡崎
Isao Sugaya
功 菅谷
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特願平6−180279号等により提案した
振動アクチュエータでは、弾性体の機械的強度が不足す
るとともに、所定の捩り振動が得られず駆動効率が低下
する。 【解決手段】 電気機械変換素子22,23を挟んだ状
態で保持し、1次の縦振動と2次の捩り振動とを生じる
振動子21と,振動子21の端面Dに加圧接触して駆動
される相対運動部材とを備える振動アクチュエータであ
って、機械的変位を電気エネルギーに変換する機械電気
変換素子28,29が、振動子21における縦振動又は
捩り振動の腹部を含む腹部近傍に挟まれた状態で配置さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動アクチュエー
タに関する。より具体的には、本発明は、駆動効率を低
下させずに機械的強度及び駆動特性を向上でき、さらに
は発生する振動状態を正確に検知できる振動アクチュエ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、縦−捩り振動型の振動アクチュ
エータの従来例の構造を示した斜視図である。
【0003】従来、この種の振動アクチュエータでは、
ステータ(固定子)101では、2つの円柱型の振動子
102,103間に捩り振動用の圧電素子104が配置
される。さらに、振動子103の上側に縦振動用の圧電
素子105が配置される。捩り振動用の圧電素子104
は周方向に分極される。一方、縦振動用の圧電素子10
5は厚さ方向に分極される。さらに、ロータ(移動子)
106は、縦振動用の圧電素子105の上側に配置され
る。
【0004】ステータ101を構成する振動子102,
103及び圧電素子104,105は、シャフト107
のねじ部に螺合されて固定される。ロータ106は、中
心部に設けられたボールベアリング108を介してシャ
フト107に回転可能に設けられる。シャフト107の
先端にはばね109を介してナット110が螺合する。
これにより、ロータ106をステータ101に所定の加
圧力Fで加圧接触させる。
【0005】捩り振動用の圧電素子104と縦振動用の
圧電素子105とは、発振器111から発振される同一
周波数の電圧を、移相器112により移相制御して駆動
される。
【0006】捩り振動用の圧電素子104は、ロータ1
06が回転するための機械的変位を与える。一方、縦振
動用の圧電素子105は、ステータ101とロータ10
6との間に働く摩擦力を、圧電素子104による捩り振
動の周期に同期させて周期的に変動させることにより、
振動を一方向への運動に変換するクラッチ的役割を果た
している。
【0007】図9は、この従来の振動アクチュエータの
ステータ101を展開して示した斜視図である。捩り振
動用の圧電素子104は、円周方向に複数に分極する必
要がある。そこで、圧電材料を図9に示すように、6〜
8個程度の扇形の小片に一旦分割し、各小片を分極した
後に再度環状に組み合わせていた。なお、図9における
符号104aは電極である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の振動アクチュエータでは、捩り振動用の圧電素子10
4を環状に組み合わせる際に、環状の形状精度を出すこ
とが難しかった。
【0009】一方、縦振動用の圧電素子105,及び捩
り振動用の圧電素子104それぞれの面積は、ともに、
ステータ106の断面積と略等しいか、又は、ステータ
106の断面積よりも小さかった。また、シャフト10
7を貫通させるために縦振動用の圧電素子105,及び
捩り振動油の圧電素子104それぞれの中央部に孔を開
ける必要もあった。そのために、縦振動用の圧電素子1
05,及び捩り振動用の圧電素子104それぞれの面積
はさらに小さくなってしまい、振動アクチュエータの高
トルク化及び高回転化をともに図ることが難しかった。
【0010】このような問題を解決するために、本出願
人は、既に特願平6−275022号等により、高トル
ク及び高回転で駆動することができ、しかも、構造及び
製造がともに容易な異形モード縮退型の振動子を用いた
振動アクチュエータを提案した。
【0011】図10は、特願平6−275022号等に
より提案した、異形モード縮退型の振動子11を用いた
振動アクチュエータ10の説明図であって、図10
(a)は振動アクチュエータ10の縦断面図,図10
(b)は図10(a)におけるA−A断面図,図10
(c)は振動子11に発生する一次の縦振動及び一次の
捩り振動の振動発生状況を示す説明図である。
【0012】さらに、図11,図12は、ともに、圧電
素子の配置を詳細に示す説明図であって、図11は弾性
体を駆動面方向から見た上面図,図12は弾性体を側面
方向から見た側面図である。
【0013】図10(a)及び図10(b)に示すよう
に、中空円柱状の弾性体12は中心軸を含む平面で2分
割される。2分割されたそれぞれ12a,12bの分割
面には、電気エネルギーを機械的変位(歪み)に変換す
る電気機械変換素子である圧電素子13,14が挟まれ
るとともに積層された状態で接合されて、保持される。
【0014】これらの圧電素子13,14に図示しない
駆動電圧発生装置から駆動電圧が印加される。これによ
り、各圧電素子13,14は励振され、圧電素子13,
14の励振により弾性体12a,12bには捩り振動と
縦振動とが発生する。
【0015】ここで、縦振動及び捩り振動それぞれの共
振周波数が略一致すると、弾性体12a,12bには縦
振動及び捩り振動が同時に発生し(縮退)、弾性体12
a,12bの駆動面12cには楕円運動が発生して駆動
力となる。
【0016】図11及び図12では、いずれも、この弾
性体12a,12bに挟まれた状態で保持される圧電素
子13,14の配置を詳細に示す。弾性体12a,12
bは、中心軸方向に関して、図面中の上方から下方に向
けて、第1大径部15,外径が段差状に小さい小径部1
7,及び第1大径部15と同一の外径の第2大径部18
が順次形成される。弾性体12a,12bの外周面に小
径部17を配したのは、弾性体12a,12bに発生す
る縦振動及び捩り振動それぞれの共振周波数を一致させ
るためである。
【0017】図11及び図12に示すように、中空の円
管状の弾性体12を縦に2つに分割して得られる2つの
半円管状弾性体12a,12bそれぞれの分割面の第1
大径部15には、前述した圧電素子13,14及び電極
板16a,16b,16cが挟まれた状態で保持され
る。
【0018】圧電素子13,14は、弾性体12a,1
2bの二つの分割面にそれぞれ配置される。二つの分割
面に配置された圧電素子13,14は、2層ずつ合計4
層からなっている。
【0019】4層の圧電素子のうちの2層の圧電素子1
3は、圧電定数d15を用いることで弾性体12a,12
bの長手方向に対して剪断変位を発生する。
【0020】残り2層の圧電素子14は、圧電定数d31
を用いることで弾性体12a,12bの長手方向に対し
て伸縮変位を発生する。
【0021】圧電素子13に駆動電圧を印加すると、弾
性体12a,12bには捩り変位が発生する。また、圧
電素子14に駆動電圧を印加すると、弾性体12a,1
2bには縦変位が発生する。
【0022】したがって、捩り振動用圧電素子13に駆
動信号として正弦波電圧を入力すると、弾性体12a,
12bにはそれに応じて捩り振動が発生する。また、縦
振動用圧電素子14に駆動信号として正弦波電圧を入力
すると、弾性体12a,12bにはそれに応じて伸縮運
動が発生する。
【0023】ところで、このような縦振動及び捩り振動
を利用した異形モード縮退型の振動アクチュエータ10
においては、圧電素子13,14を縦振動又は捩り振動
の節部に配置すると、効率的に振動を発生させることが
できる。すなわち、振動の節部は歪み変位の変化量の大
きな位置であるため、この位置に捩り変位を発生する圧
電素子13を配置することにより、入力に対して大きな
変位を発生させることができる。
【0024】一方、縦振動,捩り振動それぞれの腹部又
はその近傍に圧電素子を配置しても、腹部は歪み変位の
変化量の小さな位置であるため、弾性体の振動発生には
あまり寄与せず、この位置に配置された圧電素子への入
力エネルギーが無駄になるだけであった。
【0025】すなわち、特願平6−180279号等に
より提案した異形モード縮退型の振動アクチュエータに
おいては、図10,図11及び図12に示すように、第
1大径部15の一部に圧電素子13,14を配置するこ
とにより、入力エネルギーに対して高い効率で弾性体1
2a,12bに振動を発生させることができる。
【0026】ところで、本発明者がさらに検討を重ねた
結果、次のことがわかった。つまり、図10〜図12に
示すように、振動の発生効率だけを考えて第1大径部1
5の一部に圧電素子13,14を配置し、第2大径部1
8には圧電素子13,14を配置しないと、圧電素子1
3,14と弾性体12a,12bとの接合面積が減少
し、弾性体12a,12bの機械的強度が低下してしま
う。このような接合面積の減少は、振動アクチュエータ
10の耐久性の低下につながり、振動アクチュエータ1
0の適用範囲を著しく減少させてしまう。
【0027】また、捩り振動用の圧電素子13に剪断変
形が発生すると、これに応じて弾性体12a,12bに
も剪断変形が発生する。このとき、弾性体12a,12
bには、捩り変位よりも図13に示すような変位が発生
し易くなるために、振動アクチュエータ10の駆動特性
が低下してしまうという課題もあった。
【0028】図13は、特願平6−275022号等に
より提案した異形モード縮退型の振動アクチュエータに
おいて、捩り変形発生時の弾性体12a,12bの変形
状態を示す説明図であって、図13(a)は振動子11
の上面図,図13(b)は振動子11の側面図である。
【0029】図13(a)及び図13(b)に示すよう
に、第2大径部18に圧電素子13,14を配置せずに
空隙としておくと、捩り振動用の圧電素子13が剪断変
形した際に振動子11には、小径部17を起点として振
動子軸方向への変位が発生する。そのため、振動子11
と図示しない移動子との接触状況が所定の面接触にはな
らずに点接触となり、振動アクチュエータ10の駆動効
率が低下してしまう。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するためになされたものであり、振動アクチュエー
タの振動状態を検知して駆動制御を行うため、機械的変
位(歪み)を電気エネルギーに変換するための機械電気
変換素子であるピックアップを、弾性体の縦振動,捩り
振動それぞれの腹部又はその近傍に配置して、弾性体の
隙間埋めと補強とを兼ねることにより、弾性体の強度低
下を伴うことなく、振動アクチュエータの振動発生効率
の向上を図るものである。
【0031】すなわち、請求項1の発明は、駆動信号に
より励振される電気機械変換素子を挟んだ状態で保持
し、1次以上の次数の縦振動と1次以上の次数の捩り振
動とを生じて、端面に駆動力を発生する振動子と,前記
振動子の前記端面に加圧接触し、前記振動子との間で相
対運動を発生する相対運動部材とを備える振動アクチュ
エータであって、機械的変位を電気エネルギーに変換す
る機械電気変換素子が、前記振動子における前記縦振動
又は前記捩り振動の腹部を含む腹部近傍に挟まれた状態
で配置されることを特徴とするものである。
【0032】請求項2の発明は、駆動信号により励振さ
れる電気機械変換素子を挟んだ状態で保持し、1次以上
の次数の縦振動と1次以上の次数の捩り振動とを生じ
て、端面に駆動力を発生する振動子と,前記振動子の前
記端面に加圧接触し、前記振動子との間で相対運動を発
生する相対運動部材とを備える振動アクチュエータであ
って、前記振動子の補強部材が、前記振動子における前
記縦振動又は前記捩り振動の腹部を含む腹部近傍に挟ま
れた状態で配置されることを特徴とするものである。
【0033】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載された振動アクチュエータにおいて、前記振動子
は柱状であるとともに、前記腹部は振動子軸方向に沿っ
た端部であることを特徴とするものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明を添付図面によって現さ
れた実施形態を参照しながら詳細に説明する。なお、以
降の各実施形態の説明は、振動アクチュエータとして超
音波領域の周波数の振動を利用する超音波アクチュエー
タを例にとって、行う。
【0035】図1は、本発明にかかる振動アクチュエー
タの第1実施形態である超音波アクチュエータ20を示
す縦断面図である。振動子21は、主として、駆動信号
により励振される矩形薄板状の電気機械変換素子である
圧電素子22,23と,それらの圧電素子22,23が
接合されており圧電素子22,23の励振により1次の
縦振動と2次の捩り振動とが発生することによって端面
である駆動面Dに縦振動と捩り振動との合成である楕円
振動が駆動力として発生する中空円柱状の弾性体24
a,24bとから構成される。
【0036】弾性体24a,24bは、中空円柱状の厚
肉の弾性部材24をその中心軸を含む平面で縦に2分割
して得られ、その分割面を接合面として接合することに
より振動子21を構成する。
【0037】弾性体24a,24bの中心軸と平行な方
向に、外径が段差状に変化する第1大径部25,第2大
径部26,及びそれらの間の小径部27が形成されてい
る。第1大径部25の中心軸と平行な方向の長さは、第
2大径部26よりも長く設定される。これらの第1大径
部25,第2大径部26,及び小径部27は、いずれも
弾性体24a,24bに発生する縦振動及び捩り振動そ
れぞれの共振周波数を一致させるために設けられる。
【0038】2つの弾性体24a,24bの2つの分割
面それぞれの第1大径部25が形成されている範囲に
は、振動発生用の圧電素子22,23が積層状態で挟み
込まれる。これらの振動用の圧電素子22,23は合計
4層からなっており、4層のうちの2層の圧電素子は圧
電定数d15を用いるように分極された捩り振動用の圧電
素子22であり、4層のうちの残り2層の圧電素子は圧
電定数d31を用いるように分極された縦振動用の圧電素
子23である。なお、弾性体24a,24bの間におけ
る圧電素子22,23の配置については、図2,図3を
参照しながら後述する。
【0039】本実施形態の振動アクチュエータ20で
は、第2大径部26が形成されている範囲に、機械的変
位を電気エネルギーに変換する機械電気変換素子である
検出用圧電素子(ピックアップ)28,29が装着され
る。
【0040】2つの弾性体24a,24bは、それぞれ
の高さ方向の略中心に、圧電素子22,23の積層方向
と平行に中心部を貫通する貫通孔30a,30bが設け
られる。2つの弾性体24a,24bを、それぞれの分
割面を接合面として組み合わせておき、それぞれの貫通
孔30a,30bにそれぞれボルト31a,31bを挿
入して、後述する固定軸32の大径部32aに螺合する
ことにより、弾性体24a,24bが締結される。
【0041】圧電素子22,23は、2つの弾性体24
a,24bそれぞれの分割面によって挟み込まれるよう
にして保持される。弾性体24a,24bの中央に形成
された中空部33には、略中央部に大径部32aを有す
る丸棒状の固定軸32が挿入される。固定軸32は、弾
性体24a,24b等からなる振動子21を固定すると
ともに、移動子34を回転自在に位置決めする。この固
定軸32の大径部32aには、前述したボルト31a,
31bが螺合する取付け孔32bが軸方向と直交する方
向に向けて形成されており、ボルト31a,31bが弾
性体24a,24bに設けられた貫通孔30a,30b
を貫通してこの取付け孔32bに螺合することにより、
弾性体24a,24bが固定軸32に固定される。
【0042】相対運動部材である移動子34は、中空円
柱状の移動子母材34aと,移動子母材34aの振動子
21側の端面に貼付された摺動材34bとから構成され
ており、前述した固定軸32により、弾性体24a,2
4bの一方の端面である駆動面Dに接触するように、回
転自在に支持される。
【0043】移動子34の反振動子側の端面の中心部に
は、環状の溝部34cが形成されており、この溝部34
cに、位置決め部材であるベアリング35が嵌合されて
いる。このベアリング35は、固定軸32に支持されて
おり、これにより、移動子34が固定軸32に対して回
転自在に支持される。
【0044】移動子母材34aの外周の側面には、図示
しないが、出力取出し用歯車が形成される。この出力取
出用歯車は、図示しない被駆動体の歯車と螺合してお
り、移動子34の回転による出力が、被駆動体に伝達さ
れる。
【0045】固定軸32の先端にはネジ部32cが形成
されており、このネジ部32cには加圧力調整部材であ
るナット36が螺合する。さらに、ナット36とベアリ
ング35との間には、加圧部材である皿バネ37(スプ
リングバネや板バネ等であってもよい。)が配置されて
おり、外向きフランジ付きの円柱体である加圧力伝達部
材38を介して移動子34を、弾性体24a,24bの
端面に向けて加圧している。
【0046】ここで、加圧力調整部材であるナット36
の螺合位置を調整することにより、移動子34に対する
加圧部材である皿バネ37の加圧力が調整される。図2
及び図3は、ともに、圧電素子22,23の配置を詳細
に示す説明図であって、図2は弾性体24a,24bを
駆動面Dの上方から見た上面図であり、図3は弾性体2
4a,24bを側面方向から見た側面図である。
【0047】前述したように、中空円柱状の厚肉の弾性
部材24を縦に2分割して得られる二つの弾性体24
a,24bのそれぞれの分割面のうち、第1大径部25
が形成されている範囲には、振動用の圧電素子22,2
3と,各圧電素子22,23に電気エネルギーの入力及
び出力を行うための電極板39a,39b,39cとが
挟み込まれた状態で保持される。
【0048】振動用の圧電素子22,23は大別すると
2群からなっており、各群はそれぞれ4層から形成され
る。4層の圧電素子のうちの2層は圧電定数d15を用い
る圧電素子22から構成され、残り2層の圧電素子は圧
電定数d31を用いる圧電素子23から構成される。
【0049】圧電素子22は、弾性体24a,24bの
長手方向に対して剪断変位を発生する。例えばある正の
電圧を印加した場合、図2において、この圧電素子22
は、手前方向とその反対方向とに関する剪断変形が、円
周方向について交互になるように配置される。最大に手
前側に剪断変形する位置が点対称になり、最大にその反
対側に剪断変形する位置が点対称になるように配置する
と、駆動面Dに発生する捩り変位の振幅が大きくなっ
て、好適である。圧電素子22がこのように配置されて
それぞれが剪断変形すると、振動子21には捩り変位が
発生し、駆動面Dを含む端面が捩じれる。また、ある負
の電圧を印加した場合には、正の電圧の時とは反対の方
向に圧電体は剪断変形し、駆動面Dは反対方向に捩じれ
る。
【0050】圧電素子23は、弾性体24a,24bの
長手方向に対して伸縮変位を発生する。4つの縦振動用
の圧電素子23は、ある電位が印加された場合には全て
同じ方向に変位が発生するように配置する。
【0051】以上のように、圧電定数d15を用いる捩り
振動用の圧電素子22と,圧電定数d31を用いる縦振動
用の圧電素子23とを配置して、捩り振動用の圧電素子
22に正弦波電圧を入力すると振動子21にはそれに応
じて捩り運動が発生する。一方、縦振動用の圧電素子2
3に正弦波電圧を入力すると振動子21にはそれに応じ
て伸縮運動が発生する。
【0052】本実施形態においては、図2及び図3に示
すように、第2大径部26が形成されている範囲には、
機械的変位を電気エネルギーに変換する機械電気変換素
子である振動検出用の圧電素子28,29が4枚挟み込
まれて状態で配置される。なお、この第2大径部26が
形成されている範囲(駆動面Dと反対側の端面)には、
縦振動,捩り振動それぞれの腹が存在しており、圧電素
子28,29は、縦振動又は捩り振動の腹部を含む腹部
近傍に配置されている。ここで、腹部近傍とは、圧電素
子を装着しても振動の発生にあまり寄与しない範囲を意
味する。
【0053】これらの圧電素子28,29は、圧電定数
15を用いる圧電素子と圧電定数d31を用いる圧電素子
とから構成されており、それぞれの圧電素子により、弾
性体に発生する捩り振動の状態と縦振動の状態とがそれ
ぞれ検出される。
【0054】このように構成された超音波アクチュエー
タ20の縦振動用の圧電素子23,捩り振動用の圧電素
子22それぞれに、2つの(1/4)λ(λ:波長)位
相差がある駆動信号を入力すると、縦振動用の圧電素子
23により直接的に縦振動が発生するとともに、剪断変
位により捩り振動が発生する。このような駆動信号が入
力された振動子21は、圧電素子22,23の励振によ
り縦振動及び捩り振動が同時に発生し、これらの振動が
合成されて生じる楕円運動が駆動面Dに発生する。
【0055】図4は、このような振動子21に発生する
縦振動及び捩り振動の合成による楕円運動が駆動面Dに
発生することを示す説明図である。前述したように、捩
り振動Tの周期及び伸縮振動Lの周期それぞれの位相差
を(1/4)λ(λ:波長)だけ設けて設定すると、振
動子21の駆動面D上の点には楕円運動が発生する。
【0056】t=(6/4)πの時点では、捩り振動T
の変位は図面上の左側に向けて最大である。一方、縦振
動Lの変位は零である。この時点では、図示しない移動
子は、図示しない加圧部材によって振動子21の駆動面
Dに加圧接触している。
【0057】この状態から、t=(7/4)π〜0〜
(2/4)πまでの間は、捩り振動Tの変位は左側の最
大から右側の最大まで変位する。一方、縦振動Lの変位
は零から上側の最大まで変位し、再び零に戻る。したが
って、振動子21の駆動面Dは移動子を押しながら右方
向に回転し、これにともなって移動子は右方向に回転し
て駆動される。
【0058】次に、t=(2/4)π〜(6/4)πま
での間は、捩り振動Tの変位は右側の最大から左側の最
大まで変位する。一方、縦振動Lの変位は零から下側の
最大に変位し、再び零に戻る。したがって、振動子21
の駆動面Dは、移動子から離れながら、左方向に回転す
るため、移動子は駆動されない。なお、移動子は加圧部
材により振動子21側に向けて加圧されているが、加圧
部材の固有振動数が超音波振動域より著しく低いため、
振動子21の縮みには追従しない。
【0059】図5は、圧電素子22,23の励振によ
り、振動子21に1次の縦振動と2次の捩り振動とが発
生することを示す説明図であって、図5(a)は振動子
21の斜視図,図5(b)は振動子21に発生する縦振
動及び捩り振動の発生状況の一例を示す説明図である。
【0060】本実施形態の超音波アクチュエータ20を
構成する振動子21は、図5(A)にも示すように、第
1大径部25,第2大径部26及びそれらの間に捩り剛
性の低い小径部27を備えているとともに、第1大径部
25の軸方向長さが第2大径部26の軸方向長さよりも
著しく長く設定されている。
【0061】そのため、振動子21に発生する捩り振動
は、図5(b)において略小径部27形成位置Aと,第
1大径部25の軸方向長さの略中央部Bとに2つの振動
の節が発生する2次モードとなる。一方、振動子21に
発生する縦振動は、振動子21の軸方向に関する全長に
著しい影響を受け、小径部27が設定されていることの
影響を余り受けないため、第1大径部25,第2大径部
26及び小径部27を含んだ振動子21軸方向の全長の
略真中Cに1つの振動の節が発生する1次モードとな
る。このように、第2大径部26は、縦振動及び捩り振
動それぞれの振動の腹の位置となっている。
【0062】したがって、第1大径部25に振動発生用
の圧電素子22,23を配置するとともに、第2大径部
26に振動発生用の圧電素子22,23以外の補強部材
(本実施形態では機械電気変換素子であるピックアップ
28,29)を配置することにより、振動発生に影響の
少ない第2大径部26への電気エネルギーの入力量を抑
制することができ、入力エネルギーの低減に基づいて駆
動効率を向上させることができる。また、振動発生に影
響の少ない第2大径部26に何も配置せずに空間を設け
ておく場合に比較して、振動子21の機械的強度を維持
することができるとともに、振動子21の耐久性を向上
することができる。
【0063】さらに、第2大径部26に、本実施形態の
ように機械電気変換素子であるピックアアップ28,2
9を配置せず空間にしておくと、図13を参照しながら
説明した振動が発生し、駆動効率が低下するが、本実施
形態では、第二大径部26に振動子21の捩り剛性の補
強を兼ねた振動検出用の圧電素子28,29を挟んでい
るため、振動子軸方向と直交する方向への捩り変形が正
確に発生し易くなる。その結果、振動子21と移動子3
4との接触状況が安定するため、振動アクチュエータ2
0の駆動特性が向上する。
【0064】さらに、本実施形態では、第二大径部26
に補強を兼ねて、機械電気変換素子である振動検出用の
圧電素子(ピックアップ)28,29を挟んでいるた
め、振動子21に発生する振動状態を検出することもで
きる。振動状態を検出することにより、超音波アクチュ
エータ20の駆動制御をより正確に行うことができる。
【0065】さらに、振動検出用の圧電素子28,29
を設置した位置は、縦振動及び捩り振動の腹の位置の近
傍であるため、縦振動及び捩り振動それぞれの機械的歪
みはそれ程大きくない。したがって、この位置に振動検
出用の圧電素子28,29を設けると、振動エネルギー
の損失は振動の腹の位置に設けた場合よりも小さくな
る。そのため、駆動効率を殆ど低減させることなく、振
動子21に発生する振動を正確に検出することができ
る。
【0066】(第2実施形態)次に、本発明にかかる振
動アクチュエータの第2実施形態を説明する。なお、以
降の各実施形態の説明では、第1実施形態と相違する部
分のみを説明し、共通する部分については同一の図中符
号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
【0067】図6は、本発明にかかる振動アクチュエー
タの第2実施形態である超音波アクチュエータを示す縦
断面図である。また、図7は、振動子に配置された振動
用の圧電素子の説明図であって、図7(a)は振動子4
1の縦断面図,図7(b)は振動子41の上面図,図7
(c)は振動子41に発生する縦振動及び捩り振動の発
生状況を示す説明図である。略述すると、本実施形態の
振動アクチュエータ40は、振動子41の形状が第1実
施形態とは異なる。
【0068】図6及び図7において、振動子41は、駆
動信号を入力されて励振する電気機械変換素子である1
2枚の圧電素子42,43及び44と,これらの圧電素
子42,43及び44が接合されてこれらの圧電素子4
2,43及び44の励振によって1次の縦振動と2次の
捩り振動とが生じることによって駆動面Dに駆動力が発
生する弾性体45a,45bとから構成される。
【0069】弾性体45a,45bは、中心軸方向につ
いて、三つの大径部46,47,48と,これらの大径
部46〜48の間に配された二つ小径部49,50とを
有する厚肉の中空円筒状の弾性部材45を、中心軸を含
む平面で縦に2つに分割して得られる。弾性体45a,
45bのそれぞれの分割面には、2層の圧電素子42〜
44と電極51,52,53とが挟み込まれる。
【0070】小径部49,50は、弾性体45a,45
bの中心軸方向について、捩り振動の節部に一致する位
置に形成されている。捩り振動用の圧電素子42,44
は、弾性体45a,45bの中心軸方向について、捩り
振動の節部に一致する位置に配置される。一方、縦振動
用の圧電素子43は、弾性体45a,45bの中心軸方
向について、縦振動の節部に一致する位置に配置され
る。
【0071】弾性体45a,45bは、3つの大径部4
6,47,48と二つ小径部49,50とを備える厚肉
円筒状の弾性部材45を、縦に2つに分割することによ
り得られる弾性体である。
【0072】それぞれの弾性体45a,45bの分割面
には、2層の圧電素子42〜44と電極51〜53とが
挟み込まれた状態で保持される。ここで、弾性体45
a,45bに形成された小径部49,50は、捩り振動
の節部に位置する。捩り振動用の圧電素子42,44は
捩り振動の節部に配置され、縦振動用の圧電素子43は
縦振動の節部に配置される。
【0073】捩り振動用の圧電素子42,44は、駆動
電圧が印加された場合、駆動電圧の方向に応じた剪断変
形を発生し、発生した剪断変形により捩り振動が発生す
る。
【0074】第1の捩り振動の圧電素子群42は、図面
上の手前側2枚の捩り振動用の圧電素子と向こう側2枚
の捩り振動用の圧電素子とから構成される。手前側の捩
り振動用の圧電素子と向こう側の捩り振動用の圧電素子
とにより発生する剪断変形が同じ方向の電圧が印加され
た場合にそれぞれ反対方向になるように、捩り振動用の
圧電素子を配置すると、振動子45a,45bにはある
方向への捩り変位が発生する。
【0075】例えば、図7に示すように、手前側2枚の
捩り振動用の圧電素子及び向こう側2枚の捩り振動用の
圧電素子がともに剪断変形すると、振動子41の駆動面
Dは、図7(b)に矢印で示す方向へ捩じれる。また、
反対方向の電圧を印加すると、逆方向の剪断変形が発生
するため、駆動面は図7(b)に矢印で示す方向とは反
対方向へ捩じれる。
【0076】第2の捩り振動用の圧電素子群44は、手
前側2枚の捩り振動用の圧電素子と,向こう側2枚の捩
り振動用の圧電素子とから構成される。手前側の捩り振
動用の圧電素子と向こう側の捩り振動用圧電体とのそれ
ぞれの剪断変形が同じ方向の電圧が印加した場合にそれ
ぞれ反対方向になるように、捩り振動用の圧電素子を配
置すると、振動子41にはある方向への捩じれ変位が発
生する。
【0077】手前側の第1の捩り振動用の圧電素子群4
2と,手前側の第2の捩り振動用の圧電素子群44と
は、同じ方向の電圧が印加した場合に反対方向に剪断変
形するように、圧電素子を配置する。
【0078】さらに、向こう側の第1捩り振動用の圧電
素子群42と,向こう側の第2の捩り振動用の圧電素子
群44とは、同じ方向の電圧が印加した場合に反対方向
に剪断変形するように、圧電素子を配置する。
【0079】例えば、図7に示すように、手前側2枚及
び向こう側2枚の第2捩り振動用の圧電素子群44が剪
断変形すると、反駆動面Eは駆動面Dとは同じ方向へ捩
じれる。
【0080】このように捩り振動用の圧電素子42,4
4を配置しておき、第1の捩り振動用の圧電素子42
と,第2の捩り振動用の圧電素子44とに同じ周波電圧
を印加する。このとき、図7(c)における捩り振動の
第1節Fより上部分と第2節Gより下部分とにおける振
動方向(捩り方向)が同じ向きとなる。そして、この向
きは、第1節Fと第2節Gとの間の部分の振動方向(捩
じり方向)とは反対向きとなり、2次の捩り振動が励起
され易くなる。
【0081】一方、縦振動用の圧電素子43は、周波電
圧が印加されることにより伸縮変形し、この伸縮変形に
よって、振動子41には、中心軸方向に関する縦振動が
発生する。
【0082】縦振動用の圧電素子43は、図面上手前側
2枚の縦振動用の圧電素子と,向こう側2枚の縦振動用
の圧電素子とから構成されており、同じ方向の電圧が印
加されると、それぞれ同じ方向に縦変形するように、配
置される。このように、縦振動用の圧電素子43を配置
することで、縦振動用の圧電素子群に同じ周波電圧を印
加すると、1次の縦振動が励起され易くなる。
【0083】これ以外の構成は、第1実施形態と同一で
あるため、これ以上の説明は省略する。このように構成
された超音波アクチュエータ40に2つの(1/4)λ
(λ:波長)位相差を設定された駆動信号を、縦振動用
の圧電素子43,捩り振動用の圧電素子42,44それ
ぞれに入力すると、縦振動,捩り振動それぞれの振動の
位相差が90度となり、これらの振動を合成した楕円運
動が駆動面Dに発生する。
【0084】さらに、本実施形態では、捩り振動用の圧
電素子群42,44の両端部(駆動面D側及び反駆動面
E側)、すなわち振動子41の縦振動及び捩り振動の腹
の位置の近傍には、機械的変位を電気エネルギーに変換
する振動検出用の圧電素子54,55が配置される。
【0085】振動子41以外の構成は、第1実施形態と
同様であるため、図6及び図7の説明は省略する。縦振
動及び捩り振動の腹位置の近傍に振動検出用の圧電素子
54,55を配置することにより、第1実施形態と同様
に、得られる駆動力を減少させることなく、入力エネル
ギーを低減することができ、駆動効率を向上させること
ができる。
【0086】さらに、振動子41の縦振動及び捩り振動
の腹位置の近傍を空隙とするのではなく、振動検出用の
圧電素子54,55を配置することにより、この圧電素
子54,55が振動子41の捩り剛性を向上させること
にもなり、振動子41の機械的な強度を維持して耐久性
の低下を防止することができる。
【0087】また、駆動面D付近及び反駆動面E付近に
補強を担う機械電気変換素子54,55を配置しない
と、捩り振動用の圧電素子42,44が剪断変形した場
合に、弾性体41には所望の捩り変位ではなく、前述し
た図13に示すような振動子軸方向の変位が発生してし
まう。しかし、本実施形態では、この位置に補強部材を
兼ねた検出用圧電素子54,55を配置しているため、
振動子41に正確に捩り変形が発生し易くなり、駆動特
性が向上する。
【0088】また、振動検出用の圧電素子54,55を
挟んで配置することにより、弾性体41に発生する振動
状態も正確に検知することができる。そのため、超音波
アクチュエータ40の駆動制御を容易かつ正確に行うこ
とができる。
【0089】さらに、振動検出用の圧電素子54,55
を挟んだ位置は、縦振動及び捩り振動それぞれの腹位置
の近傍であるため、縦振動及び捩り振動それぞれの機械
的歪みはそれ程大きくない。したがって、この位置に振
動検出用の圧電素子54,55を配置したことにより、
振動エネルギーの損出は振動の腹の位置に設けた場合よ
りも小さい。したがって、駆動効率を低下させることな
く、弾性体41の振動を検出できる。また、第2実施形
態では、同一平面上に配置された捩じり振動用の圧電素
子,縦振動用の圧電素子及び振動検出用の圧電素子を別
部材として説明したが、一体化させることも可能であ
る。この場合、単一の圧電素子を用意して、各部におけ
る分極方向を変えればよい。つまり、捩じり振動を発生
させる部分は、圧電定数d15により弾性体に捩じり振動
が発生する方向に分極し、縦振動を発生させる部分は、
圧電定数d31により弾性体に縦振動が発生する方向に分
極すればよい。また、振動を検出する部分についても、
圧電定数d15又は圧電定数d31を用いるように分極すれ
ばよい。単一の圧電素子を用いることで、組立て工程を
簡略化することができる。また、接着箇所が減ることに
より、振動の減衰等を抑えることも可能である。
【0090】(変形形態)以上詳細に説明した第1実施
形態及び第2実施形態では、電気機械変換素子,機械電
気変換素子として、圧電素子を用いて説明を行ったが、
本発明にかかる振動アクチュエータはかかる態様のみに
限定されるものではなく、機械的変位と電気エネルギー
間の相互変換を行うことができるものであればよい。圧
電素子以外では電歪素子を例示することができる。
【0091】また、第1実施形態及び第2実施形態で
は、振動子に2次の捩り振動と1次の縦振動とが発生す
る場合を例にとって説明を行った。しかし、本発明にか
かる振動アクチュエータはこのような態様のみに限定さ
れるものではない。例えば、2つの分割された弾性体の
間に電気機械変換素子を設置し、この電気機械変換素子
に外部から駆動電圧を印加することにより、n次の縦振
動及びm次の捩り振動を発生させて、これらの合成振動
を駆動力として用いる振動アクチュエータであれば、本
発明により、捩り振動及び縦振動それぞれの振動の腹部
の近傍に機械電気変換素子を配置することにより、第1
実施形態及び第2実施形態と同様に、機械的強度向上,
駆動効率向上さらには容易な駆動制御性を兼備した超音
波アクチュエータを提供することができる。
【0092】さらに、第1実施形態及び第2実施形態で
は、捩り振動用の圧電素子の両端部(駆動面側及び反駆
動面側)に、振動検出用の圧電素子を設けた。しかし、
本発明にかかる振動アクチュエータはこのような態様の
みに限定されるものではなく、縦振動用の圧電素子と捩
り振動用の圧電素子との間に振動検出用の圧電素子を配
置してもよい。すなわち、縦振動用の圧電素子と捩り振
動用の圧電素子との間も、縦振動又は捩り振動の腹の位
置の近傍であるため、第1実施形態及び第2実施形態で
説明した超音波アクチュエータと全く同様に、入力エネ
ルギーの低減に起因する駆動効率向上,振動子の機械的
強度の向上,さらには振動子に発生する振動検出といっ
た本発明の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる振動アクチュエータの第1実施
形態である超音波アクチュエータを示す縦断面図であ
る。
【図2】第1実施形態において、弾性体を駆動面の上方
から見た上面図である。
【図3】第1実施形態において、弾性体を側面方向から
見た側面図である。
【図4】第1実施形態において、振動子に発生する縦振
動及び捩り振動の合成による楕円運動が駆動面に発生す
ることを示す説明図である。
【図5】第1実施形態において、圧電素子の励振によ
り、振動子に1次の縦振動と2次の捩り振動とが発生す
ることを示す説明図であって、図5(a)は振動子の斜
視図,図5(b)は振動子に発生する縦振動及び捩り振
動の発生状況の一例を示す説明図である。
【図6】本発明にかかる振動アクチュエータの第2実施
形態である超音波アクチュエータを示す縦断面図であ
る。
【図7】第2実施形態において、振動子に配置された振
動用の圧電素子の説明図であって、図7(a)は振動子
の縦断面図,図7(b)は振動子の上面図,図7(c)
は振動子に発生する縦振動及び捩り振動の発生状況を示
す説明図である。
【図8】縦−捩り振動型の振動アクチュエータの従来例
の構造を示した斜視図である。
【図9】図8に示す従来の振動アクチュエータのステー
タを展開して示した斜視図である。
【図10】特願平6−275022号等により提案した
異形モード縮退型の振動子を用いた振動アクチュエータ
の説明図であって、図10(a)は振動アクチュエータ
の縦断面図,図10(b)は図10(a)におけるA−
A断面図,図10(c)は振動子に発生する一次の縦振
動及び一次の捩り振動の振動発生状況を示す説明図であ
る。
【図11】特願平6−275022号等により提案した
異形モード縮退型の振動アクチュエータを駆動面方向か
ら見た上面図である。
【図12】特願平6−275022号等により提案した
異形モード縮退型の振動アクチュエータの弾性体を側面
方向から見た側面図である。
【図13】振動子が捩じり方向ではなく、軸方向に変形
してしまう場合を説明する図である。
【符号の説明】
20 超音波アクチュエータ(振動アクチュエータ) 21 振動子 22,23 圧電素子(電気機械変換素子) 24a,24b 弾性体 25 第1大径部 26 第2大径部 27 小径部 28,29 ピックアップ(機械電気変換素子) 30a,30b 貫通孔 31a,31b ボルト 32 固定軸 32a 大径部 32b 取付孔 32c ネジ部 33 空隙 34 移動子 34a 移動子母材 34b 摺動材 35 ベアリング 36 ナット 37 皿バネ 38 加圧力伝達部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動信号により励振される電気機械変換
    素子を挟んだ状態で保持し、1次以上の次数の縦振動と
    1次以上の次数の捩り振動とを生じて、端面に駆動力を
    発生する振動子と,前記振動子の前記端面に加圧接触
    し、前記振動子との間で相対運動を発生する相対運動部
    材とを備える振動アクチュエータであって、 機械的変位を電気エネルギーに変換する機械電気変換素
    子が、前記振動子における前記縦振動又は前記捩り振動
    の腹部を含む腹部近傍に前記振動子によって挟まれた状
    態で配置されることを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 駆動信号により励振される電気機械変換
    素子を挟んだ状態で保持し、1次以上の次数の縦振動と
    1次以上の次数の捩り振動とを生じて、端面に駆動力を
    発生する振動子と,前記振動子の前記端面に加圧接触
    し、前記振動子との間で相対運動を発生する相対運動部
    材とを備える振動アクチュエータであって、 前記振動子の補強部材が、前記振動子における前記縦振
    動又は前記捩り振動の腹部を含む腹部近傍に前記振動子
    によって挟まれた状態で配置されることを特徴とする振
    動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された振動
    アクチュエータにおいて、 前記振動子は柱状であるとともに、前記腹部は振動子軸
    方向に沿った端部であることを特徴とする振動アクチュ
    エータ。
JP8009824A 1995-09-19 1996-01-24 振動アクチュエータ Pending JPH09205783A (ja)

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