JPH09322571A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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JPH09322571A
JPH09322571A JP8136588A JP13658896A JPH09322571A JP H09322571 A JPH09322571 A JP H09322571A JP 8136588 A JP8136588 A JP 8136588A JP 13658896 A JP13658896 A JP 13658896A JP H09322571 A JPH09322571 A JP H09322571A
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JP
Japan
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vibration
vibrator
conversion element
electromechanical conversion
actuator
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Application number
JP8136588A
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English (en)
Inventor
Satoshi Miwa
聡 三輪
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異形モード縮退型の振動アクチュエータで
は、捩じり振動,縦振動それぞれの歪みが集中している
部分に捩じり振動用圧電体4,縦振動用圧電体5を配置
することができず、駆動効率を高めることができない。 【解決手段】 2つの分割面によって4つ部分23a〜
23dに分割される弾性体23と、弾性体23の分割面
に装着される縦振動発生用圧電体24a,24b及び、
捩じり振動発生用圧電体25a,25bとにより構成さ
れる振動子22を備える超音波アクチュエータ21であ
って、縦振動発生用圧電体24a,24b及び、捩じり
振動発生用圧電体25a,25bが装着される分割面
は、互いに、直交する異なる分割面である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機械変換素子
を接合されて複数の振動モードを発生する弾性体により
構成される振動子を備える振動アクチュエータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7は、縦−捩じり振動型の振動アクチ
ュエータの従来例を示した斜視図である。
【0003】従来、この種の振動アクチュエータでは、
ステータ(固定子)101は、2つの円柱型の振動子1
02,103間に捩じり振動用の圧電素子104が配置
されるとともに、振動子103の上側に縦振動用の圧電
素子105が配置される。捩じり振動用の圧電素子10
4は周方向に分極され、一方、縦振動用の圧電素子10
5は厚み方向に分極される。さらに、ロータ(移動子)
106は、縦振動用の圧電素子105の上側に配置され
る。
【0004】ステータ101を構成する振動子102,
103及び圧電素子104,105は、シャフト107
のねじ部に螺合されて固定され、ロータ106は、ボー
ルベアリング108を介してシャフト107に回転可能
に設けられる。シャフト107の先端にはばね109を
介してナット110が螺合し、ロータ106をステータ
101に加圧力Fで加圧接触させる。
【0005】捩じり振動用の圧電素子104と縦振動用
の圧電素子105とは、発振器111から発振される同
一周波数の電圧を、移相器112により位相制御して駆
動される。
【0006】捩じり振動用の圧電素子104は、ロータ
106が回転するための機械的変位を与え、一方、縦振
動用の圧電素子105はステータ101とロータ106
との間に働く摩擦力を、圧電素子104による捩じり振
動の周期に同期させて周期的に変動させることにより、
振動を一方向への運動に変換するクラッチ的役割を果し
ている。
【0007】図8は、この振動アクチュエータのステー
タを展開した状態で示す斜視図である。捩じり振動用の
圧電素子104は、周方向に分極する必要があるため、
圧電材料を図8に示すように、6〜8個程度の扇形の小
片に一旦分割し、各小片を分極した後再度環状に組み合
わせていた。なお、符号104aは電極である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の振動アクチュエータでは、捩じり振動用の圧電素子1
04を環状に組み合わせる時に、形状精度を出すことが
難しかった。
【0009】一方、縦振動用の圧電素子105,及び捩
じり振動用の圧電素子104それぞれの面積は、とも
に、ステータ106の断面積と略等しいか、又は、ステ
ータ106の断面積よりも小さかった。また、シャフト
107を貫通させるために縦振動用の圧電素子105,
及び捩じり振動用の圧電素子104それぞれの中央部に
孔を開ける必要もあり、そのために、縦振動用の圧電素
子105,及び捩じり振動用の圧電素子104それぞれ
の面積はさらに小さくなり、振動アクチュエータの高ト
ルク化及び高回転化をともに図ることが難しかった。
【0010】このような問題を解決するために、本出願
人は、既に特願平6−275022号等により、高トル
ク及び高回転で駆動することができ、しかも、構造及び
製造がともに容易な異形モード縮退型の振動アクチュエ
ータを提案した。
【0011】図9は、この異形モード縮退型の振動アク
チュエータ10の構造を示す縦断面図である。図9にお
いて、中央部に大径部1aを有する棒状の固定軸1の外
周面には、円筒状の弾性体である振動子2が、大径部1
aに螺合する取付ボルト3a,3bにより貫着される。
【0012】振動子2は、二つの厚肉の半円管状弾性体
2a,2bを組み合わせて構成されており、その接合面
には、圧電定数d15を用いる捩じり振動用の圧電素子
4,4と圧電定数d31を用いる縦振動用の圧電素子5,
5とがそれぞれ2枚ずつ計12枚挟持される。なお、図
9は圧電素子4,5の装着面と90°ずれた位置におけ
る縦断面を示しており、図9においては圧電素子4,5
は図示されない。圧電素子4,5の配置については、後
述する図12を参照しながら詳述する。
【0013】振動子2の上端面である駆動面Dには、中
央部に配置されたベアリング6により固定軸1に回動自
在に配置された相対運動部材である移動子7が接触す
る。移動子7は、円筒状の移動子母材7aと、振動子2
の駆動面Dに接触する円環状の摺動材7bとから構成さ
れ、移動子母材7aの内周部に嵌合されたベアリング6
によって固定軸1に対して位置決めされる。
【0014】また、移動子7は、皿バネ,スプリングバ
ネ又は板バネ等の加圧部材8により、振動子2の駆動面
Dに加圧接触される。このように、固定軸1は、振動子
2を固定するとともに移動子7を半径方向に回動自在に
位置決めし、振動アクチュエータとして駆動する際の軸
振れの発生を防止する。この固定軸1は、先端にねじ部
1bが形成され、加圧部材8の加圧量を調整するための
ナット等の調整部材9が螺合する。
【0015】このように構成された振動アクチュエータ
10は、圧電素子4,5それぞれに後述する図10に示
す駆動系から駆動電圧を印加されることにより励振し、
振動子2には捩じり振動及び縦振動が調和的に発生す
る。捩じり振動及び縦振動それぞれの共振周波数が略一
致すると、捩じり振動及び縦振動が同時に生じ(縮
退)、駆動面Dに捩じり振動及び縦振動の合成振動であ
る楕円運動が発生し、この楕円運動が駆動力となって、
加圧接触する移動子7が回転駆動される。
【0016】図10は、振動子2及び移動子7を備える
異形モード縮退型の振動アクチュエータ10の駆動系を
示す説明図である。図10において、発振器11から出
力された駆動信号のうちの縦振動励振用信号は、増幅器
12により増幅され、振動子2を構成する図示しない縦
振動励振用圧電素子(電気機械変換素子)に印加され
る。一方、駆動信号のうちの捩じり振動励振用信号は、
移相器13により縦振動励振用信号に対して+π/2又
は−π/2だけ位相差を持たせた後に増幅器14により
増幅され、振動子2を構成する図示しない捩じり振動励
振用圧電素子(電気機械変換素子)に印加される。
【0017】図11は、捩じり振動及び縦振動を組み合
わせて振動子2の駆動面Dに楕円運動を生じさせて、相
対運動部材7側から見て相対運動部材7をCW方向に回
転させる原理を示す説明図である。
【0018】図11(a)は、駆動周波数をfとし、こ
のときの駆動信号の角周波数をωとしたときに、振動子
2の変形を時間毎に誇張して模式的に表した説明図であ
る。図11(b)は、振動子2の駆動面Dに生じる楕円
運動を示す説明図である。
【0019】t=0の時点では、捩じり振動の変位は左
側に最大であり、縦振動の変位は零である。この状態か
ら、t=(4/4)(π/ω)までは、捩じり振動は左
側の最大から右側の最大まで変位し、縦振動は零から下
側の最大に変位し、再び零に戻る。したがって、振動子
2の駆動面Dは移動子7から離れながら右方向に回転す
るため、移動子7は駆動されない。このときに、移動子
7は図示しない加圧部材により加圧されているが、加圧
部材の固有振動数が振動子2の振動域よりも低いため、
振動子2の縮みに追従しない。
【0020】この状態から、t=(4/4)(π/ω)
〜(7/4)(π/ω)〜0までは、捩じり振動は右側
の最大から左側の最大まで変位し、縦振動は零から上側
の最大に変位し、再び零に戻る。したがって、振動子2
の駆動面Dは、移動子7を押しながら左方向に回転し、
移動子7は駆動される。
【0021】以上の変位を繰り返すことにより、振動子
2の駆動面Dには、図11(b)に示すような楕円状の
変位が繰り返し発生する。図12(a)は、このように
して駆動される振動アクチュエータ10について、振動
子2の中心軸を含む縦断面図であり、図12(b)は振
動発生時における振動子2の縦振動及び捩じり振動それ
ぞれの歪み分布を示す説明図である。なお、図12
(a)に示す縦断面は、前述した図9に示す縦断面とは
90°交差した面を示す。
【0022】図12(a)において、符号4は捩じり振
動励振用圧電体であり、符号5は縦振動励振用圧電体で
ある。これら二種類の圧電体4,5は、振動子2の分割
面である同一平面上に並んで配置される。
【0023】ところが、図12(b)に示すように、振
動子2に発生する縦振動の歪み分布と捩り振動の歪み分
布とは、互いに重複している範囲(図中の範囲A1 及び
範囲A2 )がある。
【0024】そのため、歪み分布にしたがってどちらか
一方の圧電体(例えば捩じり振動用圧電体)を広く配置
すると、他方の圧電体(縦振動用圧電体)は前者の圧電
体(捩じり振動用圧電体)との干渉を回避するために配
置範囲が狭く成らざるを得なかった。
【0025】そのため、捩じり振動,縦振動それぞれの
歪みが集中している部分に効率よく捩じり振動用圧電体
4,縦振動用圧電体5を配置することができず、両者の
バランスを勘案して妥協した配置とせざるを得なかっ
た。そのため、捩じり振動用圧電体4,縦振動用圧電体
5の能力を最大限に発揮して振動アクチュエータの駆動
効率を高めることができないという課題があった。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、複数
の柱状の弾性体と、複数の弾性体の表面により挟まれて
保持される第1振動発生用電気機械変換素子及び第2振
動発生用電気機械変換素子とにより構成された振動子を
備える振動アクチュエータであって、第1振動発生用電
気機械変換素子が保持される表面と、第2振動発生用電
気機械変換素子が保持される表面とが、互いに異なる面
であることを特徴とする。
【0027】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動アクチュエータにおいて、第1振動発生用電気機械
変換素子が、振動子に振動子の中心軸に関する捩じり振
動を発生させる捩じり振動発生用電気機械変換素子であ
るとともに、第2振動発生用電気機械変換素子が、振動
子に振動子の中心軸方向に伸縮する縦振動を発生させる
縦振動発生用電気機械変換素子であることを特徴とす
る。
【0028】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載された振動アクチュエータにおいて、分割面が、
振動子の中心軸を含む2面であるとともに互いに直交す
ることを特徴とする。請求項4の発明は、請求項2又は
請求項3に記載された振動アクチュエータにおいて、縦
振動発生用電気機械変換素子が、分割面のうちで少なく
とも縦振動の歪みが発生する略全域について、装着され
ることを特徴とする。
【0029】請求項5の発明は、請求項2から請求項4
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、捩じり振動発生用電気機械変換素子が、分割面
のうちで少なくとも捩じり振動の歪みが発生する略全域
について、装着されることを特徴とする。
【0030】請求項6の発明は、請求項5に記載された
振動アクチュエータにおいて、縦振動発生用電気機械変
換素子及び捩じり振動発生用電気機械変換素子に駆動信
号を入力する駆動信号入力部材が、それぞれ、縦振動及
び捩じり振動の歪みが発生する略全域に装着されること
を特徴とする。
【0031】請求項7の発明は、請求項1から請求項6
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、振動子には、少なくとも1つの小径部が形成さ
れることを特徴とする。
【0032】請求項8の発明は、請求項1から請求項7
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、振動子が、中心部に中心軸方向への貫通孔が形
成されるとともに、この貫通孔を貫通する固定部材によ
り固定されることを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明の実施形態を添付図面を
参照しながら詳細に説明する。なお、以降の各実施形態
の説明は、振動アクチュエータとして超音波の振動域を
利用した超音波アクチュエータを例にとって、行う。ま
た、本実施形態の超音波アクチュエータは、前述した図
9〜図12に示す振動アクチュエータにおいて、振動子
の形状を変更したものであり、振動子以外の構成は図9
〜図12に示す振動アクチュエータと全く同様である。
そのため、本実施形態の説明は、振動子についてのみ行
い、移動子及びその加圧支持機構等については説明を省
略する。
【0034】図1は、第1実施形態における超音波アク
チュエータ21の振動子22の構成を示す斜視図であ
る。振動子22は、円筒状の弾性体を中心軸を含み互い
に直交する2つの縦面で4つに分割された弾性体23
と、縦駆動信号により励振される電気機械変換素子であ
る縦振動励振用圧電体24と、捩じり駆動信号により励
振される電気機械変換素子である捩り振動励振用圧電体
25とにより構成される。
【0035】弾性体23は、ステンレス鋼等の金属材料
又は樹脂材料等の弾性材料により構成された円筒状の弾
性体を、中心軸を含むとともに互いに直交する二つの平
面(分割面)で縦に分割することにより得られる4つの
中空四半円柱体23a,23b,23c,23dを円柱
状に組み合わせることにより得られる。
【0036】本実施形態において、弾性体を分割する二
つの分割面を互いに直交するように配置したのは、弾性
体に振動を発生させた場合における対称性を維持し易
く、発生させる振動を減衰させることが最も少ないため
である。
【0037】弾性体23の側面には、環状に3つの溝部
が形成されることにより小径部26a,26b及び26
cが形成されており、これらの小径部26a〜26cに
区切られることにより大径部26A,26B,26C,
26Dが形成される。小径部26a及び26cは捩じり
振動の節位置に、小径部26bは縦振動の節位置にそれ
ぞれ形成する。
【0038】弾性体23の側面に小径部26a〜26c
を形成するのは、弾性体23に発生させる縦振動及び捩
じり振動それぞれの共振周波数を接近又は一致させて、
弾性体23の端面に楕円運動を発生させるためである。
【0039】弾性体23の二つの分割面には、それぞれ
縦振動励振用圧電体24と捩じり振動励振用圧電体25
とが、互いに隣接する中空四半円柱体23a〜23dに
より挟まれた状態で、保持される。
【0040】なお、本実施形態では、縦振動励振用圧電
体24,捩じり振動励振用圧電体25と中空四半円柱体
23a〜23dとは、互いに接着することにより装着し
ているが、例えばボルト及びナット等の適宜の締結手段
により中空四半円柱体23a〜23dそれぞれを締結す
るようにしてもよい。
【0041】図2は、振動子22の上面図であり、縦振
動励振用圧電体24と捩じり振動励振用圧電体25それ
ぞれの配置及び分極方向を示す。縦振動励振用圧電体2
4は、積層された状態の2枚の圧電体24a,24bに
より構成され、弾性体23の一方の分割面の2か所に、
圧電体24a,24bが振動子22の中心軸に対して対
称の位置となるように配置される。また、圧電体24
a,24bは、それぞれの分極方向が図2中に矢印で示
す方向になるように、配置される。
【0042】同様に、捩じり振動励振用圧電体25は、
積層された状態の2枚の圧電体25a,25bにより構
成され、弾性体22の他方の分割面の2か所に、圧電体
25a,25bが振動子22の中心軸に対して対称の位
置となるように配置される。また、圧電体25a,25
bは、それぞれの分極方向が図2中に矢印で示す方向に
なるように、配置される。
【0043】図3,図4は、いずれも、図1に示す振動
子22をより詳細に示す説明図であって、図3は縦振動
励振用圧電体24についての展開斜視図,図4は捩じり
振動励振用圧電体25についての展開斜視図である。
【0044】図3において、互いに対向する2組の縦振
動励振用圧電体24a,24bの間には、矩形の断面の
電極張出部27aを有する電極板(駆動信号入力部材)
27が挟み込まれる。電極張出部27aは、組み立てた
状態で弾性体23の側面よりも外部側に向けて張り出
し、この電極張出部27aに図示しない駆動電圧発生装
置に接続されたリード線が例えば半田付け等により接合
される。
【0045】弾性体23に接触する縦振動励振用圧電体
24a,24bの平面には、適宜手段により成膜された
金属薄膜28が全面に形成され、また電極板27に接触
する縦振動励振用圧電体24a,24bの平面には、弾
性体23に縦振動を効率的に励振することができる部分
(縦振動の歪み分布が集中する部分)にのみ金属薄膜2
9が形成される。
【0046】このように、金属薄膜29を用いることに
より、縦振動励振用圧電体24a,24bの選択した部
分、換言すれば縦振動発生上の最適な範囲にのみ駆動電
圧を印加して縦振動励振用圧電体24a,24bを変位
させることができる。
【0047】一方、図4において、互いに対向する2組
の縦振動励振用圧電体25a,25bの間には、電極張
出部30aを有する電極板(駆動信号入力部材)30が
挟み込まれる。電極張出部30aには、リード線が例え
ば半田付け等により接合されて、駆動電圧発生装置から
捩じり振動励振用駆動信号が入力される。
【0048】弾性体23に接触する捩じり振動励振用圧
電体25a,25bの平面には、適宜手段により成膜さ
れた金属薄膜31が全面に形成され、また電極板30に
接触する捩じり振動励振用圧電体25a,25bの平面
には、弾性体23に捩じり振動を効率的に励振すること
ができる2か所(捩じり振動の歪み分布が集中する部
分)にのみ金属薄膜32a,32bが形成される。
【0049】このように、金属薄膜32a,32bを用
いることにより、捩じり振動励振用圧電体25a,25
bの選択した部分、換言すれば捩じり振動発生上の最適
な範囲にのみ駆動電圧を印加して捩じり振動励振用圧電
体25a,25bを変位させることができる。
【0050】図5(a)は、本実施形態で用いる振動子
22における圧電体24の配置と、発生する縦振動の歪
み分布との関係を示す説明図であり、図5(b)は、本
実施形態で用いる振動子22における圧電体25の配置
と、発生する捩じり振動の歪み分布との関係を示す説明
図である。
【0051】図5(a)に示すように、縦振動励振用圧
電体24に駆動電圧を印加することができる金属薄膜2
9装着範囲は、縦振動の歪み分布の略全範囲をカバーし
ており、極めて効率的に縦振動を励振することができ
る。
【0052】また、図5(b)に示すように、捩じり振
動励振用圧電体25に駆動電圧を印加することができる
金属薄膜32a,32b装着範囲は、捩じり振動の歪み
分布が集中する部分を略全域についてカバーしており、
捩じり振動の歪みが集中する部分に効率的に捩じり振動
を励振することができる。
【0053】図6は、本実施形態の超音波アクチュエー
タ21の駆動系の概略を示す説明図である。発振器33
から出力された駆動信号のうちの縦振動励振用信号は、
増幅器34により増幅され、中空四半円柱体23a,2
3bと23c,23dとにより挟持される2組の縦振動
励振用圧電体24a,24bに印加される。一方、駆動
信号のうちの捩じり振動励振用信号は、移相器35で縦
振動励振用信号に対して+π/2又は−π/2の位相差
を持たせた後、増幅器36により増幅され、中空四半円
柱体23a,23dと23b,23cとにより挟持され
る2組の捩じり振動励振用圧電体25a,25bに印加
される。
【0054】このように構成された超音波アクチュエー
タ21の縦振動励振用圧電体24a,24bと捩じり振
動励振用圧電体25a,25bとは、ともに、所定の駆
動電圧を印加されることにより励振し、振動子22には
捩じり振動及び縦振動が調和的に発生する。
【0055】ここで、捩じり振動及び縦振動それぞれの
共振周波数は、前述した小径部26a〜26cを形成し
たことにより略一致し、捩じり振動及び縦振動が同時に
発生し(縮退)、振動子22の上端面である駆動面Dに
は、捩じり振動及び縦振動の合成振動である楕円運動が
発生し、この楕円運動が駆動力となって、加圧接触する
移動子(図示しない。)が回転駆動される。
【0056】このように、本実施形態の超音波アクチュ
エータ21によれば、縦振動励振用圧電体24a,24
bと捩じり振動励振用圧電体25a,25bとを弾性体
22の異なる分割面に装着しているため、縦振動及び捩
じり振動それぞれの歪みが集中している位置に、各振動
用圧電体を効率的に配置することができる。そのため、
小さな入力電力量で大きな駆動力を得ることができる。
【0057】(変形形態)第1実施形態では、振動アク
チュエータとして超音波の振動域を利用した超音波アク
チュエータを例にとったが、本発明にかかる振動アクチ
ュエータはこのような態様のみに限定されるものではな
く、他の振動域の振動を利用する振動アクチュエータに
ついても等しく適用することができる。
【0058】第1実施形態では、電気機械変換素子とし
て圧電体を用いたが、本発明にかかる振動アクチュエー
タはこのような態様のみに限定されるものではなく、電
気エネルギーを機械的変位に変換することができるもの
であればよく、例えば電歪素子を例示することができ
る。
【0059】また、第1実施形態では、外形が円柱型の
振動子を用いたが、本発明にかかる振動アクチュエータ
はこのような態様のみに限定されるものではなく、図2
に破線で示すような角柱型の振動子であっても全く同様
の効果を得ることができる。特に、角柱型としたほう
が、分割した各弾性体を締結部材により締結する際の作
業性が向上する。
【0060】また、第1実施形態では、弾性体を4つに
分割した態様を示したが、本発明にかかる振動アクチュ
エータはこのような態様のみに限定されるものではな
く、3分割又は5以上に分割した場合にも等しく適用さ
れる。
【0061】また、第1実施形態では、弾性体の側面に
3つの小径部が形成されている場合を例にとったが、小
径部が形成されていない場合や、3つ以外設置されてい
る場合についても等しく適用される。
【0062】さらに、第1実施形態では、中心部を貫通
する固定軸により振動子が支持される形態を例にとった
が、本発明にかかる振動アクチュエータはこのような振
動子の支持形態に限定されるものではない。例えば、振
動子の側面に環状にフランジを形成し、このフランジを
振動子及び移動子を収容し得る大きさのケーシングの内
面で支持するとともに、ケーシングにより適宜手段によ
って移動子を回転自在かつ振動子駆動面に接触させるよ
うに支持してもよい。このように振動子及び移動子を支
持することにより、固定軸は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における超音波アクチュエータの
振動子の構成を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態における超音波アクチュエータの
振動子の上面図である。
【図3】第1実施形態における超音波アクチュエータの
振動子をより詳細に示す説明図であって、縦振動励振用
圧電体についての展開斜視図である。
【図4】第1実施形態における超音波アクチュエータの
振動子をより詳細に示す説明図であって、捩じり振動励
振用圧電体についての展開斜視図である。
【図5】図5(a)は、第1実施形態で用いる振動子に
おける圧電体の配置と、発生する縦振動の歪み分布との
関係を示す説明図であり、図5(b)は、第1実施形態
で用いる振動子における圧電体の配置と、発生する捩じ
り振動の歪み分布との関係を示す説明図である。
【図6】第1実施形態の超音波アクチュエータの駆動系
の概略を示す説明図である。
【図7】縦−捩じり振動型の振動アクチュエータの従来
例を示した斜視図である。
【図8】図7に示す振動アクチュエータのステータを展
開した状態で示す斜視図である。
【図9】異形モード縮退型の振動アクチュエータの構造
を示す縦断面図である。
【図10】振動子及び移動子を備える異形モード縮退型
の振動アクチュエータの駆動系を示す説明図である。
【図11】図11(a)は、駆動信号の角周波数がωで
ある場合において、振動子の変形を誇張して模式的に示
す説明図であり、図11(b)は、振動子の駆動面に生
じる楕円運動を示す説明図である。
【図12】図12(a)は、このようにして駆動される
振動アクチュエータについて、振動子の中心軸を含む縦
断面図であり、図12(b)は振動発生時における振動
子の縦振動及び捩じり振動それぞれの歪み分布を示す説
明図である。
【符号の説明】
21 超音波アクチュエータ(振動アクチュエータ) 22 振動子 23a〜23d 中空四半円柱体 24a,24b 縦振動励振用圧電体(電気機械変換素
子) 25a,25b 捩じり振動励振用圧電体(電気機械変
換素子) 27,30 電極(駆動信号入力部材) 28,29,31,32a,32b 金属薄膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の柱状の弾性体と、 複数の前記弾性体の表面により挟まれて保持される第1
    振動発生用電気機械変換素子及び第2振動発生用電気機
    械変換素子とにより構成された振動子を備える振動アク
    チュエータであって、 前記第1振動発生用電気機械変換素子が保持される表面
    と、前記第2振動発生用電気機械変換素子が保持される
    表面とは、互いに異なる面であることを特徴とする振動
    アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記第1振動発生用電気機械変換素子は、前記振動子に
    前記振動子の中心軸に関する捩じり振動を発生させる捩
    じり振動発生用電気機械変換素子であるとともに、前記
    第2振動発生用電気機械変換素子は、前記振動子に前記
    中心軸方向に伸縮する縦振動を発生させる縦振動発生用
    電気機械変換素子であることを特徴とする振動アクチュ
    エータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された振動
    アクチュエータにおいて、 前記分割面は、前記中心軸を含む2面であるとともに互
    いに直交することを特徴とする振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載された振動
    アクチュエータにおいて、 前記縦振動発生用電気機械変換素子は、前記分割面のう
    ちで少なくとも縦振動の歪みが発生する略全域につい
    て、装着されることを特徴とする振動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項2から請求項4までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記捩じり振動発生用電気機械変換素子は、前記分割面
    のうちで、少なくとも捩じり振動の歪みが発生する略全
    域について、装着されることを特徴とする振動アクチュ
    エータ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記縦振動発生用電気機械変換素子及び前記捩じり振動
    発生用電気機械変換素子に駆動信号を入力する駆動信号
    入力部材が、それぞれ、前記縦振動及び前記捩じり振動
    の歪みが発生する略全域に装着されることを特徴とする
    振動アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記振動子には、少なくとも1つの小径部が形成される
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記振動子は、中心部に中心軸方向への貫通孔が形成さ
    れるとともに、前記貫通孔を貫通する固定部材により固
    定されることを特徴とする振動アクチュエータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105071692A (zh) * 2015-07-20 2015-11-18 哈尔滨工业大学 多工作模式复合型悬臂多足压电驱动器
CN112881240A (zh) * 2021-01-18 2021-06-01 南京航空航天大学 一种压电激励的模态切换型微操控测量系统及其方法

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