JPH0965672A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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JPH0965672A
JPH0965672A JP7218593A JP21859395A JPH0965672A JP H0965672 A JPH0965672 A JP H0965672A JP 7218593 A JP7218593 A JP 7218593A JP 21859395 A JP21859395 A JP 21859395A JP H0965672 A JPH0965672 A JP H0965672A
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JP
Japan
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vibration
elastic body
vibration actuator
vibrator
electrode
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JP7218593A
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English (en)
Inventor
Michihiro Tobe
通宏 戸部
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特願平6−275022号により提案した振
動アクチュエータについて、短絡を防止しながら小型化
・省スペース化を図るには限界があった。 【解決手段】 圧電素子23,24を積層状態で挟持す
る円筒状の振動子21と,振動子21に加圧接触する移
動子22とを備え、振動子21は、圧電素子23,24
それぞれの間に、電極張出部25a,26a,27aを
有する電極25,26,27を挟持するとともに、電極
張出部25a,26a,27aは振動子21の外周面側
に振動子21中心軸方向の位置をずらして設置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の電気−機械
エネルギー変換素子を積層状態で挟持する棒状の弾性体
と,前記弾性体に加圧接触するとともに回転自在に支持
される相対運動部材とを備える振動アクチュエータに関
する。
【0002】
【従来の技術】図9は、縦−捩り振動型の振動アクチュ
エータの従来例の構成を示した斜視図である。
【0003】従来、この種の振動アクチュエータでは、
ステータ(固定子)101は、2つの円柱型の振動子1
02,103間に捩り振動用の圧電素子104が配置さ
れるとともに、振動子103の上側に縦振動用の圧電素
子105が配置される。捩り振動用の圧電素子104は
周方向に分極され、一方、縦振動用の圧電素子105は
厚み方向に分極される。さらに、ロータ(移動子)10
6は、縦振動用の圧電素子105の上側に配置される。
【0004】ステータ101を構成する振動子102,
103及び圧電素子104,105は、シャフト107
のねじ部に螺合されて固定され、ロータ106は、ボー
ルベアリング108を介してシャフト107に回転可能
に設けられる。シャフト107の先端にはばね109を
介してナット110が螺合し、ロータ106をステータ
101に加圧力Fで加圧接触させる。
【0005】捩り振動用の圧電素子104と縦振動用の
圧電素子105とは、発振器111から発振される同一
周波数の電圧を、移相器112により位相制御して駆動
される。
【0006】捩り振動用の圧電素子104は、ロータ1
06が回転するための機械的変位を与え、一方、縦振動
用の圧電素子105はステータ101とロータ106と
の間に働く摩擦力を、圧電素子104による捩り振動の
周期に同期させて周期的に変動させることにより、振動
を一方向への運動に変換するクラッチ的役割を果たして
いる。
【0007】図10は、この振動アクチュエータのステ
ータの構造を展開して示した斜視図である。捩り振動用
の圧電素子104は、周方向に分極する必要があるた
め、圧電材料を図10に示すように、6〜8個程度の扇
形の小片に一旦分割し、各小片を分極した後に再度環状
に組み合わせていた。なお、符号104aは電極であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の振動アクチュエータでは、捩り振動用の圧電素子10
4を環状に組み合わせる時に、形状精度を出すことが難
しかった。
【0009】一方、縦振動用の圧電素子105,及び捩
り振動用の圧電素子104それぞれの面積は、ともに、
ステータ106の断面積と略等しいか、又は、ステータ
106の断面積よりも小さかった。また、シャフト10
7を貫通させるために縦振動用の圧電素子105,及び
捩り振動用の圧電素子104それぞれの中央部に孔を開
ける必要もあり、そのために、縦振動用の圧電素子10
5,及び捩り振動用の圧電素子104それぞれの面積は
さらに小さくなり、振動アクチュエータの高トルク化及
び高回転化をともに図ることが難しかった。
【0010】このような問題を解決するために、本出願
人は、既に特願平6−275022号により、高トルク
及び高回転で駆動することができ、しかも、構造及び製
造がともに容易な縦−捩り振動型の振動アクチュエータ
を提案した。
【0011】図11は、この提案にかかる振動アクチュ
エータの構造を示す断面図であり、図12はこの振動ア
クチュエータに用いる振動子を抽出した状態で示す斜視
図である。
【0012】図11において、中央部に大径部1aを有
する棒状の固定軸1の外周面には、円筒状の弾性体2
が、大径部1aに螺合する取付ボルト3a,3bにより
貫着される。
【0013】弾性体2は、二つの厚肉の半円管状弾性体
2a,2bを組み合わせて構成されており、その接合面
には、圧電定数d15が大きい捩り振動用の圧電素子4,
4と圧電定数d31が大きい縦振動用の圧電素子5,5と
がそれぞれ2枚ずつ計4枚挟持される。
【0014】弾性体2の上端面である駆動面Dには、中
央部に配置されたベアリング6により固定軸1に回動自
在に配置された相対運動部材である移動子7が接触す
る。移動子7は、移動子母材7aと,弾性体2の駆動面
Dに接触する摺動材7bとから構成され、内周部に嵌合
されたベアリング6によって固定軸1に対して位置決め
される。
【0015】また、移動子7は、皿バネ,スプリングバ
ネ又は板バネ等の加圧部材8により、弾性体2の駆動面
Dに加圧接触される。このように、固定軸1は、弾性体
2等からなる振動子を固定するとともに移動子7を半径
方向に回動自在に位置決めし、振動アクチュエータとし
て駆動する際の軸振れの発生を防止する。この固定軸1
は、先端にねじ部1bが形成され、加圧部材8の加圧量
を調整するためのナット等の調整部材9が螺合する。
【0016】このように構成された振動アクチュエータ
は、圧電素子4,5それぞれに図示しない駆動電圧発生
装置から駆動電圧を印加されることにより励振し、弾性
体2には捩り振動及び縦振動が調和的に発生する。捩り
振動及び縦振動それぞれの共振周波数が略一致すると、
捩り振動及び縦振動が同時に生じ(縮退)、駆動面Dに
楕円運動が発生し、この楕円運動が駆動力となって、加
圧接触する移動子7が回転駆動される。
【0017】ところで、圧電素子4,5それぞれに駆動
電圧発生装置から駆動電圧を印加するため、図12に示
すように、圧電素子4,5それぞれの間に、外部からの
電圧を印加するための電極張出部10aを有する3つの
電極10が挟持される。
【0018】なお、図13は、振動アクチュエータ駆動
時の電極張出部設置高さにおける横断面図である。しか
し、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、この振動アクチ
ュエータには下記のような課題があることがわかった。
【0019】すなわち、このような振動アクチュエータ
は、設計上の観点から、弾性体が円筒型又は円柱型とな
って細身構造(小型化)を図ることができる。そのた
め、設置スペースが小さいような用途に適用するのに好
適である。また、構造上高トルクが得られ易く、複雑な
減速機構を必要としないため、このような観点からも小
型機器に好適である。さらに、近年では、電子情報機器
の小型化に伴い、省スペース型の振動アクチュエータに
対する要望は非常に強くなっている。そのため、前述の
振動アクチュエータに対しても小型化・省スペース化に
対する要請は極めて強い。
【0020】ところで、図12及び図13により示す振
動アクチュエータの電極張出部10aにリード線が接合
されて、駆動電圧発生装置から駆動電圧が圧電素子4,
5に印加される。しかし、各電極張り出し部10aは互
いに隣接して配置されており、各電極張出部10aの短
絡を防止するため、互いに離間するように屈曲されて配
置される。
【0021】そのため、電極張出部10aの周囲に必要
以上に大きなスペースを確保する必要がある。そのた
め、このような振動アクチュエータに強く要求される前
述の小型化・省スペース化への要請に対応することが容
易ではなく、その実用化への障害の一つとなっていた。
【0022】また、各電極張出部10aそれぞれにリー
ド線を1本1本接合する必要があり、組み立て作業工数
の増加をもたらしていた。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、駆動
信号により励振される複数の電気−機械エネルギー変換
素子を積層状態で挟持して、端面である駆動面に駆動力
を発生する棒状の弾性体と,前記弾性体に加圧接触する
とともに回転自在に支持される相対運動部材とを備える
振動アクチュエータであって、前記弾性体は、前記電気
−機械エネルギー変換素子それぞれの間に、外部からの
電圧を印加するための電極張出部を有する複数の電極を
挟持するとともに、前記電極張出部は、前記弾性体の外
周面側及び/又は端面側に、互いに接触しない位置に設
けられることを特徴とする。
【0024】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動アクチュエータにおいて、前記電極張出部は、前記
弾性体の前記外周面側に、弾性体中心軸方向に関して所
定距離だけ離間した位置に設けられることを特徴とす
る。
【0025】請求項3の発明は、請求項2に記載された
振動アクチュエータにおいて、前記所定距離は、前記電
極張出部の弾性体中心軸方向長さよりも大きいことを特
徴とする。
【0026】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、前記電極張出部には、外部電源を導くフレキシ
ブル基板が接続されることを特徴とする。
【0027】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、前記弾性体には、縦振動と捩り振動とが発生し
て前記駆動面に駆動力が発生することを特徴とする。
【0028】請求項1から請求項5までのいずれかに記
載された振動アクチュエータによると、電極張出部は、
弾性体の外周面側及び/又は端面側に、互いに接触しな
い位置に設けられるため、電極同士の接触を防止できる
とともに電極張出部を屈曲させる必要がなくなる。
【0029】
【発明の実施の形態】 (第1の実施形態)図1は、第1実施形態の振動アクチ
ュエータに用いる振動子を抽出して示す斜視図であり、
図2は、第1実施形態の振動アクチュエータに用いる振
動子の上面図であり、図3は、第1実施形態の振動アク
チュエータに用いる振動子の分解斜視図であり、図4
は、第1実施形態の振動アクチュエータの駆動回路を示
すブロック図であり、図5は、第1実施形態の振動アク
チュエータに用いる振動子の構造を示す説明図であり、
図6は、第1実施形態の振動アクチュエータの駆動原理
の経時的な説明図であり、図7は、第1実施形態の振動
アクチュエータの電極張出部にフレキシブル基板を接合
した図である。
【0030】本実施形態の振動アクチュエータ20は、
図1ないし図3に示すように、円筒型の弾性体である振
動子21と,この振動子21の一方の端面に加圧接触さ
れる相対運動部材である円柱型の移動子22とにより構
成される。
【0031】振動子21は、二つの半円筒型弾性体21
a,21bと、これらに挟持される2枚ずつ合計4枚の
圧電定数d31が大きい縦振動発生用の圧電素子23,2
枚ずつ合計4枚の圧電定数d15が大きい捩り振動発生用
の圧電素子24と、各圧電素子の間に挟持される電極2
5,26,27とにより構成される。
【0032】半円筒型弾性体21a,21bは、金属又
はプラスチック等の弾性材料により構成されており、こ
れらの材料からなる中空の円筒体をその回転軸を含む平
面で2分割することにより製造される。
【0033】圧電素子23,24は、いずれも電気エネ
ルギーを機械的変位(機械エネルギー)に変換する電気
−機械エネルギー変換素子であり、PZT(チタン酸ジ
ルコン酸鉛)等により薄板状に形成される。また、電極
25,26,27は、本実施形態では銅製電極が使用さ
れる。
【0034】電極25は縦振動用圧電素子23に駆動電
圧を印加するための電極であり、電極26は接地用の共
通電極であり、さらに電極27は捩り振動用圧電素子2
4に駆動電圧を印加するための電極である。これらの電
極は、いずれも、振動子21の中心軸を対称軸として点
対称の位置に配置される。
【0035】これらの各電極25,26,27には、振
動子21の中心軸方向に関する自身の長さより長い距離
だけ設置位置をずらして、矩形の電極張出部25a,2
6a,27aが設けられる。
【0036】圧電素子23,24及び電極25,26,
27を、図3に示すように、交互に積層するとともに、
これらを半円筒型弾性体21a,21bにより挟持し、
それぞれを接着することにより振動子21が組み立てら
れる。
【0037】さらに、各電極張出部25a,26a,2
7aには、図7に示すように、図示しない駆動電圧発生
装置に接続されたフレキシブル基板28が接続される。
一方、移動子22は、通常振動子21と同じ材質の円柱
体であり、本実施形態を説明する各図には図示していな
いが、振動子21及び移動子22は、ともに、図11に
示す構造と全く同様に構成されており、円柱状の固定軸
により支持され、特に移動子22は回転自在に支持され
る。そして、前述した図11により示したベアリングや
加圧部材等により、振動子21の端面に加圧接触され
る。
【0038】本実施形態の振動アクチュエータの駆動回
路の構成を、図4に示す。すなわち、駆動回路は、駆動
信号を発振する発振部31と,この駆動信号を1/2π
位相差のある信号に分ける移相部32と,捩り振動用圧
電素子23に入力する駆動信号を増幅するT増幅部33
と,縦振動用圧電素子24に入力する駆動信号を増幅す
るL増幅部34とから構成される。
【0039】制御回路は、捩り振動を検出する検出部3
5と,検出部35の検出量に応じて発振部の周波数や電
圧等を制御する制御部36とから構成される。検出部3
5は、振動子21の駆動面とは反対の底面に貼られた機
械−電気エネルギー変換素子からなり、発生する捩りに
伴ってこの機械−電気エネルギー変換素子に発生する電
圧を検出することにより間接的に捩り変位を検出でき
る。このように、検出部35は、振動子21の捩り振動
を電圧によって検出する。移動子22の駆動速度や駆動
トルクは、この電圧の値に基づいて推定される。
【0040】制御部36は、検出部35の検出結果によ
り振動子21の駆動周波数や電圧を制御する。例えば、
検出量が所定の値よりも大きい場合には駆動周波数を高
くしたり、電圧を小さくしたりする。一方、検出量が所
定の値よりも小さい場合には駆動周波数を低くしたり、
電圧を高くしたりする。
【0041】以上のような構成によると、発振部31は
駆動信号を発振し、その駆動信号は移相部32により2
つの1/2π位相差のある信号に分割され、それぞれT
増幅部33及びL増幅部34により増幅される。T増幅
部33で増幅された駆動信号は捩り振動用圧電素子24
に入力され、L増幅部で増幅された駆動信号は縦振動用
圧電素子23に入力される。縦振動は縦振動用圧電素子
23により直接発生するが、捩り振動は捩り振動用圧電
素子24の剪断変形により発生する。しかし、移動子2
2の構造上、厚さを大きくできないため、縦振動に対し
て捩り振動振幅は小さくなる場合がある。したがって、
T増幅部33の増幅率をL増幅部34の増幅率よりも大
きくすると、捩り振動の振幅と縦振動の振幅との差が小
さくなり好適である。
【0042】次に、振動子21に捩り振動及び縦振動を
調和的に発生させて、これらの振動の合成により、振動
子21の駆動面に楕円運動を生じさせる振動アクチュエ
ータの駆動原理を、振動子21と圧電素子23,24と
の関係から説明する。
【0043】図5において、圧電素子24は圧電定数d
15が大きい圧電素子により、圧電素子23は圧電定数d
31が大きい圧電体によりそれぞれ構成される。前者の圧
電定数d15が大きい圧電素子24は、振動子21の長手
方向に対して剪断変位を発生する。圧電素子24は、図
5において、円周方向に対して剪断変形が手前方向とそ
の反対方向とが交互になるように配置する。圧電素子2
4がこのように配置されてそれぞれ剪断変形すると、振
動子21に捩り変位が発生し、端面である駆動面(移動
子22との接触面)が捩れる。
【0044】後者の圧電定数d31が大きい圧電素子23
は、振動子21の長手方向に対して伸縮変位を発生す
る。4つの縦振動用圧電体23は、縦振動用圧電素子用
の電極に同じ電位が与えられた場合、同じ方向(伸び方
向又は縮み方向)に変位が生じるように分極方向を考慮
して配置する。
【0045】以上のように、圧電定数d15が大きい捩り
振動用圧電素子24と、圧電定数d31が大きい縦振動用
圧電素子23とを配置すると、捩り振動用圧電素子24
に正弦波電圧を入力することにより振動子21にそれに
応じて捩り運動が発生し、縦振動用圧電素子23に正弦
波電圧を入力することにより振動子21にそれに応じて
伸縮運動が発生する。
【0046】次に、図6を参照しながら、本実施形態の
振動アクチュエータにおいて、振動子21に発生する縦
振動と捩り振動とを組み合わせて駆動面に楕円運動を生
じさせることを経時的に説明する。
【0047】図6に示すように、捩り振動の周期と、伸
縮振動の周期との位相差を1/2πずらすと、駆動面上
の定点には楕円運動が生じる。t=(6/4)πの時点
では、捩り振動Tの変位は左側に最大であり、一方、縦
振動Tの変位は零である。この状態では、移動子22
は、図示しない加圧部材によって振動子21の駆動面に
接触する。
【0048】この状態から、t=(7/4)π〜0〜
(2/4)πまでは、捩り振動Tは、左側の最大から右
側の最大まで変位し、一方、縦振動Tは、零から上側の
最大に変位し再び零に戻る。したがって、振動子21の
駆動面の定点は、移動子22を押しながら右方向に回転
し、移動子22は駆動される。
【0049】次に、t=(2/4)π〜(6/4)πま
では、捩り振動Tは、右側の最大から左側の最大まで変
位し、一方、縦振動Tは、零から下側の最大に変位し再
び零に戻る。したがって、振動子21の駆動面の定点
は、移動子22から離れながら左方向に回転するため、
移動子22は駆動されない。このときに、移動子22
は、加圧部材により加圧されていても固有振動数が異な
るため、振動子21の縮みに追従しない。
【0050】捩り振動Tの共振周波数f0T,及び縦振動
Lの共振周波数f0Lそれぞれの近似式を式及び式に
より示す。
【0051】 捩り振動の共振周波数f0T=1/2 Ls ・(G/ρ)
1/2 縦振動の共振周波数f0L=1/2 Ls ・(E/ρ)1/2
【0052】ただし、 Ls :振動子の長手方向の長さ,
E:縦弾性率,G:横弾性率,ρ:密度である。
【0053】式及び式によれば、弾性体が単純な円
筒又は円柱状では、2つの振動の共振周波数は一致しな
い。しかし、縦振動の共振周波数は移動子の長さの影響
を受けるものの捩り振動は影響を受けないため、移動子
の長さを調節することによって2つの共振周波数を近づ
けることもできる。
【0054】また、縦振動の共振周波数のほうが捩り振
動よりも加圧の影響を受けて変化するため、加圧力を調
整することによっても捩り振動の共振周波数と縦振動の
共振周波数とを近づけることができる。
【0055】このようにして、駆動信号が入力された振
動子21には、圧電素子23,24の励振により、1次
の縦振動と1次の捩り振動とが発生し、それらの振動を
合成した楕円運動が駆動面に生じる。そして、この駆動
面に加圧接触された移動子22は、断続的に振動子21
に接触して駆動力を伝達され、回転駆動される。
【0056】本実施形態では、圧電素子23,24に駆
動電圧を印加するため、電極25,26,27の電極張
出部25a,26a,27aを回転軸方向にずらして配
置するため、電極張出部25a,26a,27a同士の
接触が防止される。
【0057】そのため、図2に示すように、電極張出部
25a,26a,27aそれぞれを同一方向に折り曲げ
ることが可能であるため、従来の振動アクチュエータよ
りも小型化・省スペース化を図ることが可能となる。
【0058】また、電極張出部25a,26a,27a
それぞれをずらして配置することにより、図7に示すよ
うに、電極張出部25a,26a,27aそれぞれに直
接フレキシブル基板28を接合できる。この接合は、例
えば半田付けや接着等の方法を用いればよい。電極張出
部25a,26a,27aの外部電源への接続を、電極
張出部25a,26a,27aをずらしてフレキシブル
基板28を用いて行うことにより、電極張出部25a,
26a,27aに1本1本リード線を接合して行うこと
に比較すると、著しく作業性を向上できる。
【0059】(第2の実施形態)図8は、本発明の第2
実施形態の振動アクチュエータの斜視図である。なお、
以降の第2実施形態の説明では、第1実施形態と相違す
る部分のみを説明し、共通する部分には同一の図中符号
を付すことによりその説明を省略する。
【0060】本実施形態では、第1実施形態と異なり、
振動子21に段差状に小径部28が設けられており、こ
の小径部28を境として振動子中心軸方向に第1大径部
29a及び第2大径部29bが形成される。なお、小径
部28を振動子21に設けるには、例えば、振動子21
の素材である円筒型の弾性体をその中心軸を含む平面で
2分割する前に切削加工等の適宜手段により行うこと
が、所定の寸法を確保し易く、望ましい。
【0061】振動子21に小径部28を設けたことによ
り、第1実施形態に比較すると、振動子21の各部(例
えば、長さ,小径部や各大径部の外径等)の寸法の調整
による共振周波数の調整の自由度が増加し、縦振動及び
捩り振動それぞれの共振周波数をより厳密に一致させる
ことが可能となる。
【0062】本実施形態においても、電極張出部25
a,26a,27aを、振動子中心軸方向に関してずら
して配置することにより、第1実施形態と同様の効果を
得ることができる。また、前述した図7と全く同様に、
各電極張出部25a,26a,27aにフレキシブル基
板28を直接接合することも可能である。
【0063】(変形形態)上述した第1実施形態及び第
2実施形態では、電気−機械エネルギー変換素子として
圧電素子を用いた場合を例にとって説明を行ったが、本
発明はかかる態様のみに限定されるものではなく、電気
エネルギーを機械的な変位(機械エネルギー)へ変換で
きるものであるならば他のものでもよい。例えば、圧電
素子以外に、電歪素子や磁歪素子等を例示することがで
きる。
【0064】また、上述した第1実施形態及び第2実施
形態では、振動子に捩り1次モード(又は2次モード)
振動と,縦1次モード振動とが同時に生じるように構成
した場合について説明したが、これらの振動モードに限
定されるものではなく、振動子に捩りm次の次数の振動
モードと縦n次の次数の振動モードとが生じるように構
成した振動子に対しても、電極張出部をずらして配置す
ることにより同様の効果を得ることができる。
【0065】さらに、上述した第1実施形態及び第2実
施形態では、電極張出部がいずれも振動子の外周面側に
設置される場合を例にとったが、本発明はかかる態様に
限定されるものではない。例えば、電極張出部がいずれ
も振動子の反駆動面側の端面面に設置される場合や、電
極張出部が振動子の外周面側及び端面側に設置される場
合にも等しく適用できる。また、振動子を構成する弾性
体の形状は、円筒型に限定されるものではなく、例えば
四角柱型にしてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
電極張出部を、振動子の外周面側及び端面側の一方又は
双方であって互いに接触しない位置に設けるため、電極
同士のの接触を解消できる。
【0067】また、電極張出部を同方向に屈曲させて駆
動電源と接続することが可能となるため、振動子の径方
向外側へ突出する部分を小さくすることが可能になる。
したがって、図9の従来の振動アクチュエータよりも小
型化・小スペース化を図ることができる。
【0068】さらに、各電極張出部にフレキシブル基板
を直接接合することが可能になるため、従来よりも組み
立て作業性を顕著に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の振動アクチュエータに用いる振
動子を抽出して示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の振動アクチュエータに用いる振
動子の上面図である。
【図3】第1実施形態の振動アクチュエータに用いる振
動子の分解斜視図である。
【図4】第1実施形態の振動アクチュエータの駆動回路
を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態の振動アクチュエータに用いる振
動子を示す説明図である。
【図6】第1実施形態の振動アクチュエータの駆動原理
の経時的な説明図である。
【図7】第1実施形態の振動アクチュエータの電極張出
部にフレキシブル基板を接合した図である。
【図8】本発明の第2実施形態の振動アクチュエータの
斜視図である。
【図9】縦−捩り振動型の振動アクチュエータの従来例
を示した斜視図である。
【図10】従来の振動アクチュエータのステータを展開
して示した斜視図である。
【図11】本出願人が特願平6−275022号により
提案した振動アクチュエータの構造を示す断面図であ
る。
【図12】本出願人が特願平6−275022号により
提案した振動アクチュエータに用いる弾性体を抽出して
示す斜視図である。
【図13】本出願人が特願平6−275022号により
提案した振動アクチュエータ駆動時の電極張出部設置高
さにおける横断面図である。
【符号の説明】
20 振動アクチュエータ 21 振動子(弾性体) 21a,21b 半円筒状弾性体 22 移動子(相対運動部材) 23 縦振動用圧電素子(電気−機械エネルギー変換素
子) 24 捩り振動用圧電素子(電気−機械エネルギー変換
素子) 25,26,27 電極 25a,26a,27a 電極張出部 28 小径部 29a 第1大径部 29b 第2大径部 31 発振部 32 移相部 33 T増幅部 34 L増幅部 35 検出部 36 制御部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動信号により励振される複数の電気−
    機械エネルギー変換素子を積層状態で挟持して、端面で
    ある駆動面に駆動力を発生する棒状の弾性体と,前記弾
    性体に加圧接触するとともに回転自在に支持される相対
    運動部材とを備える振動アクチュエータであって、 前記弾性体は、前記電気−機械エネルギー変換素子それ
    ぞれの間に、外部からの電圧を印加するための電極張出
    部を有する複数の電極を挟持するとともに、 前記電極張出部は、前記弾性体の外周面側及び/又は端
    面側に、互いに接触しない位置に設けられることを特徴
    とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記電極張出部は、前記弾性体の前記外周面側に、弾性
    体中心軸方向に関して所定距離だけ離間した位置に設け
    られることを特徴とする振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記所定距離は、前記電極張出部の弾性体中心軸方向長
    さよりも大きいことを特徴とする振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記電極張出部には、外部電源を導くフレキシブル基板
    が接続されることを特徴とする振動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記弾性体には、縦振動と捩り振動とが発生して前記駆
    動面に駆動力が発生することを特徴とする振動アクチュ
    エータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003501988A (ja) * 1999-05-31 2003-01-14 ナノモーション リミテッド 多層圧電性モータ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003501988A (ja) * 1999-05-31 2003-01-14 ナノモーション リミテッド 多層圧電性モータ
JP4813708B2 (ja) * 1999-05-31 2011-11-09 ナノモーション リミテッド 多層圧電性モータ

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