JP3550578B2 - 振動アクチュエータ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機械変換素子を接合されて複数の振動モードを発生する振動子と,この振動子に加圧接触される相対運動部材とを備える、いわゆる異形モード縮退型の振動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の縦振動−捩り振動型の振動アクチュエータの一例を示す斜視図である。
【0003】
従来、この種の振動アクチュエータでは、ステータ(固定子)101は、2つの円柱型の振動子102,103間に捩り振動用の圧電素子104が配置されるとともに、振動子103の上側に縦振動用の圧電素子105が配置される。捩り振動用の圧電素子104は周方向に分極され、一方、縦振動用の圧電素子105は厚み方向に分極される。さらに、ロータ(移動子)106は、縦振動用の圧電素子105の上側に配置される。
【0004】
ステータ101を構成する振動子102,103及び圧電素子104,105は、シャフト107のねじ部に螺合されて固定され、ロータ106は、ボールベアリング108を介してシャフト107に回転可能に設けられる。シャフト107の先端にはばね109を介してナット110が螺合し、ロータ106をステータ101に加圧力Fで加圧接触させる。
【0005】
捩り振動用の圧電素子104と縦振動用の圧電素子105とは、発振器111から発振される同一周波数の電圧を、移相器112により位相制御して駆動される。
【0006】
捩り振動用の圧電素子104は、ロータ106が回転するための機械的変位を与え、一方、縦振動用の圧電素子105はステータ101とロータ106との間に働く摩擦力を、圧電素子104による捩り振動の周期に同期させて周期的に変動させることにより、振動を一方向への運動に変換するクラッチ的役割を果たしている。
【0007】
図7は、この従来の振動アクチュエータのステータを展開して示した斜視図である。
捩り振動用の圧電素子104は、周方向に分極する必要があるため、圧電材料を図7に示すように、6〜8個程度の扇形の小片に一旦分割し、各小片を分極した後に再度環状に組み合わせていた。なお、符号104aは電極である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の振動アクチュエータでは、捩り振動用の圧電素子104を環状に組み合わせる時に、形状精度を出すことが難しかった。
【0009】
一方、縦振動用の圧電素子105,及び捩り振動用の圧電素子104それぞれの面積は、ともに、ステータ106の断面積と略等しいか、又は、ステータ106の断面積よりも小さかった。また、シャフト107を貫通させるために縦振動用の圧電素子105,及び捩り振動用の圧電素子104それぞれの中央部に孔を開ける必要もあり、そのために、縦振動用の圧電素子105,及び捩り振動用の圧電素子104それぞれの面積はさらに小さくなり、振動アクチュエータの高トルク化及び高回転化をともに図ることが難しかった。
【0010】
このような不具合を解決するために、本出願人は、既に特願平6−275022号により、高トルク及び高回転で駆動することができ、しかも、構造及び製造がともに容易な、1次の縦振動と1次の捩り振動とを発生するいわゆる異形モード縮退型の振動子を用いた振動アクチュエータを提案した。
【0011】
図8は、この振動子に縦振動と捩り振動とを組み合わせて駆動面に楕円運動を発生する振動アクチュエータの駆動原理を説明する図であり、図8(A)は上面図,図8(B)は側面図,図8(C)は振動子に発生する縦振動モード及び捩り振動モードの波形を示す説明図である。
【0012】
振動子1は、中空の円柱型弾性体を回転軸を含む平面で縦に2分割した2つの半円柱型弾性体2a,2bを組み合わせて構成される。2つの半円柱型弾性体2a,2bの間には、電気機械変換素子である圧電素子4,5が2枚ずつ合計4枚接合されており、駆動信号により圧電素子4,4及び5,5が励振されると、図8(C)に示すように、振動子1には1次の捩り振動と1次の縦振動とがそれぞれ発生する。
【0013】
振動子1に発生する縦振動及び捩り振動それぞれの共振周波数が略一致すると、振動子1には縦振動及び捩り振動が同時に発生し(以下、このような状態を「縮退」という。)、振動子1の一方の端面である駆動面6には定点が楕円状に振幅する楕円運動を発生する。
【0014】
発生した楕円運動は、駆動面6に加圧接触される相対運動部材である移動子7を回転駆動することにより移動子7を駆動する。
図9は、この振動子1の構造を詳細に示す説明図であって、図9(A)は上面図,図9(B)は側面図である。
【0015】
振動子1は、中空の円柱体を縦に2分割した半円柱型弾性体2a,2bを組み合わせたものであって、分割面には、圧電素子4及び圧電素子5と電極板7,8,9を図示するように積層した状態で挟み込んで保持する。
【0016】
圧電素子4及び圧電素子5は2群からなっており、各群はそれぞれ4層から形成される。4層の圧電素子のうち2層(捩り振動用圧電素子5)は圧電定数d15が大きい圧電体から、残り2層(縦振動用圧電素子4)が圧電定数d31が大きい圧電体から、それぞれ構成される。圧電定数d15が大きい捩り振動用圧電素子5は、振動子1の長手方向に対して剪断変位を発生する。
【0017】
このような圧電定数d15の大きい捩り振動用圧電素子5に電圧を印加すると振動子1には捩り変位が発生し、圧電定数d31が大きい縦振動用圧電素子4に電圧を印加すると振動子1には縦変位が発生する。
【0018】
このように、捩り振動用圧電素子5に正弦波電圧を入力することにより振動子1にはこれに応じて捩り運動が発生し、縦振動用圧電体4に正弦波電圧を入力することにより振動子1にはこれに応じて伸縮運動(縦運動)が発生する。
図10は、このような異形モード縮退型の振動子を用いた振動アクチュエータの動作を経時的に示す説明図である。
【0019】
図10に示すように、捩り振動Tの周期と,縦振動Lの周期との位相差を(1/4)λ(λ:波長)ずらすと、駆動面6上の定点には楕円運動が発生する。
t=(6/4)πの時点では、捩り振動Tの変位は左側に最大であり、一方、縦振動Tの変位は零である。この状態では、移動子7は図示しない加圧部材によって振動子1の駆動面6に加圧接触する。
【0020】
この状態から、t=(7/4)π〜0〜(2/4)πまでは、捩り振動Tは、左側の最大から右側の最大まで変位し、一方、縦振動Lは、零から上側の最大に変位し再び零に戻る。したがって、振動子1の駆動面6の定点は、移動子7を押しながら右方向に回転し、移動子7は駆動される。
【0021】
次に、t=(2/4)π〜(6/4)πまでは、捩り振動Tは、右側の最大から左側の最大まで変位し、一方、縦振動Lは、零から下側の最大に変位し再び零に戻る。したがって、移動子7の駆動面6の定点は、移動子7から離れながら左方向に回転するため、移動子7は駆動されない。このときに、移動子7は図示しない加圧部材により加圧されていても加圧部材の固有振動数が駆動周波数よりも小さいために、振動子1の縮みに追従しない。
【0022】
縦振動用圧電素子4及び捩り振動用圧電体5に正弦波電圧を入力することにより、振動子1にはこれに応じて捩り振動Tが発生するが、この際、振動子1に発生する各振動の節に圧電素子4及び5をそれぞれ配置すると効率的に振動が励振される。
【0023】
ところで、前述した特願平6−275022号により提案されている振動アクチュエータは、1次の縦振動と1次の捩り振動とを組み合わせて駆動面6に楕円運動を発生する。そのため、近接したそれぞれの振動の節部を跨ぐように圧電素子を配置するには、縦振動用圧電体4と捩り振動用圧電体5とを積層した状態で重ね合わせて振動子1の分割面に配置する必要があった。
【0024】
そのため、振動子1は、2つの分割された半円柱状弾性体2a,2bと、2層の縦振動用圧電体4と、2層の捩り振動用圧電体5と、3層の電極7,8,9とを、例えば接着により積層して組み立てる必要があった。そのため、振動子1の部品点数が増加し、接着の際の組立工程が煩雑化して作業工数が増加するといった課題があった。
【0025】
また、特願平6−275022号により提案されている振動アクチュエータは、振動子1の構成部品を接着により接合しており、接着箇所が多いため、長時間にわたる連続駆動時における信頼性や、耐湿性さらには耐温性等の信頼性も低下するといった課題があった。
【0026】
また、特願平6−275022号により提案されている振動アクチュエータの振動子1に縦振動及び捩り振動を発生させる場合、捩り振動のほうが縦振動よりも励振され易いという特徴がある。このため、捩り振動用圧電素子5の大きさを縦振動用圧電素子4の大きさより小さくしても、充分に捩り振動を励振することが可能である。すなわち、捩り振動用圧電素子5を小さくすればその分静電容量を小さくすることができ、入力エネルギ−を小さくすることができるため、駆動効率を向上させることができる。
【0027】
しかし、特願平6−275022号により提案されている振動アクチュエータにおいては、捩り振動用圧電素子と縦振動用圧電素子とを積層する構造であるために、捩り振動用圧電素子5の大きさ,縦振動用圧電素子4の大きさを変更することは困難であるといった課題があった。
【0028】
さらに、図8に示すように振動子1に移動子7を加圧接触させた場合、縦振動方向と同一方向に移動子7を加圧する必要がある。このため、移動子7の加圧により振動子1の縦振動が減衰されることがあった。
【0029】
このような移動子7の加圧による縦振動の減衰をできるだけ小さくするためには、縦振動用圧電素子4の大きさよりも捩り振動用圧電素子5の大きさを大きくする必要がある。しかし、特願平6−275022号により提案されている振動アクチュエータの振動子1においては、捩り振動用圧電素子5,縦振動用圧電素子4それぞれの大きさを変更することは、同様の理由により困難であるという課題があった。
【0030】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、2つの弾性体と2つの前記弾性体の間に配置されて駆動信号により励振される電気機械変換素子とを有する振動子と,前記振動子に加圧接触される相対運動部材とを備え、前記電気機械変換素子の励振により、前記振動子に、前記電気機械変換素子と前記弾性体との接合面に対して略平行方向に変位が発生する縦振動と,前記縦振動の変位方向と略同一方向に回転軸を有する捩り振動とを発生させることにより、前記捩り振動の前記回転軸と略直角方向に形成された駆動面に駆動力を発生する振動アクチュエータであって、前記電気機械変換素子は、縦振動発生用電気機械変換素子と捩り振動発生用電気機械変換素子とからなり、前記縦振動発生用電気機械変換素子は前記縦振動の節を含む位置に、前記捩り振動発生用電気機械変換素子は前記捩り振動の節を含む位置に、互いに略同一平面上に位置するように前記接合面の延在方向に並べて配置されることを特徴とする振動アクチュエータである。
【0031】
請求項2の発明は、請求項1に記載された振動アクチュエータにおいて、前記捩り振動発生用電気機械変換素子と前記弾性体との接合面積は、前記縦振動発生用電気機械変換素子と前記弾性体との接合面積よりも小さいことを特徴とするものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる振動アクチュエータの実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の第1実施形態にかかる振動アクチュエータ10の構造を説明する断面図である。
振動子11には、駆動信号により励振される電気機械変換素子である圧電素子12,13と、これらの圧電素子12,13が接合されており、これらの圧電素子12,13の励振により、1次の縦振動と2次の捩り振動とが発生することによって、駆動面11cに駆動力が発生する。
【0034】
振動子11は、鉄鋼,ステンレス鋼又はリン青銅等の金属材料から構成されており、4つの大径部14A,14B,14C及び14Dと3つの小径部14a,14b及び14cとを有した厚肉の円筒を、縦に2つに分割した中空の半円柱状弾性体11a,11bを組み合わせて構成される。半円柱状弾性体11a,11bの間には、2層の圧電体12,13と電極15とが挟み込まれた状態で保持される。
【0035】
小径部14a,14b及び14cは、2次の捩り振動の節部を含む位置に形成される。捩り振動用圧電素子12は発生する捩り振動の節部を含む位置に配置されており、一方、縦振動用圧電素子13は1次の縦振動の節部を含む位置に配置される。振動子11を、四つの大径部14A〜14Dと三つの小径部14a〜14cとを有する形状としたのは、1次の縦振動の共振周波数と2次の捩り振動の共振周波数とを略一致させて縮退を生じさせるためである。なお、捩り振動用圧電素子12及び縦振動用圧電素子13はともに図1においては図示されていないが、後述する図2を用いて詳細に説明する。
【0036】
振動子11は、その長手方向の略中心に、捩り振動用圧電素子12及び縦振動用圧電素子13それぞれの積層方向と平行方向に貫通孔16a,16bが形成される。
【0037】
半円柱状弾性体11a,11bは、形成された貫通孔16a,16bにボルト17a,17bを挿入してナット18によって固定することにより、捩り振動用圧電素子12及び縦振動用圧電素子13を挟み込む。
【0038】
また、振動子11は、長手方向の略中央部に中心側に向けた円環状のフランジ部19が設けられており、このフランジ部19を上下方向から、互いに螺合する円柱状の上固定軸20b及び下固定軸20aが挟みこむことにより、振動子11が内部を挿入する円柱状の固定軸20により固定される。
【0039】
相対運動部材である厚肉円環状の移動子21は、ステンレス鋼やアルミニウム合金等からなる移動子母材21aと,振動子11の駆動面11cに接触する高分子材料等を主成分とする摺動材21bとから構成され、内周部に嵌合されたベアリング等による位置決め部材22により固定軸20に対して位置決めされる。
移動子母材21aの外周面には、出力取り出し用の歯車23が設けられており、その出力は図示しない被駆動体の歯車へ伝達される。
【0040】
また、移動子21は、皿バネやスプリングバネさらには板バネ等の加圧部材24により、振動子11の駆動面11aに加圧接触される。
円柱状の固定軸20は、振動子11の長手方向(軸方向)に形成された中空部を貫通しており、振動子11のフランジ部19を挟み込んで固定するととともに、移動子21の半径方向についての位置決めを行う。
【0041】
この固定軸20は、上固定軸20b側にネジ部20cが形成されており、加圧部材24の加圧量を調整するナットなどの調整部材25が螺着される。
【0042】
図2は、振動子11における圧電素子の配置を示す説明図である。
振動子11は、四つの大径部14A〜14Dと三つ小径部14a〜14cとを有する厚肉中空の円筒体を縦に2分割した形状の部材であり、その分割面に2層の捩り振動用圧電素子12及び縦振動用圧電素子13と電極15とが挟み込まれている。
【0043】
小径部14a〜14cは振動の節部に配置される。すなわち、捩り振動用圧電素子12は発生する捩り振動の節部に配置されており、縦振動用圧電素子13は発生する縦振動の節部を跨ぐように、それぞれ配置される。
【0044】
捩り振動圧電素子12は、圧電定数d15が大きい圧電体から構成され、周波電圧が印加されると電圧の方向に応じた剪断変形を発生し、これにより捩り振動が発生する。
【0045】
捩り振動圧電素子群は、図面上手前側2枚の捩り振動用圧電素子12aと図面上奥側2枚の捩り振動用圧電素子12bとから構成され、手前側の捩り振動用圧電素子12a,及び奥側の捩り振動用圧電素子12bそれぞれの剪断変形が、同じ方向の電圧が印加された場合に反対方向になるように配置すると、振動子11にはある方向への捩り変位が発生する。
【0046】
例えば、図2に示すように、手前側の捩り振動用圧電素子12a及び奥側の捩り振動用圧電素子12bが剪断変形すると、駆動面11aは図2中で矢印で示す方向に捩じれる。また、反対方向の電圧を印加すると、逆向きの剪断変形が発生するため、駆動面11aは図2と反対方向へ捩じれる。
【0047】
一方、縦振動用圧電素子13は、圧電定数d31が大きい圧電体から構成され、周波電圧を印加すると電圧の方向に応じた伸縮変形を発生し、それにより縦振動が発生する。
【0048】
縦振動用圧電素子13は、図面上手前側2枚の縦振動用圧電素子13aと図面上奥側2枚の縦振動用圧電素子13bとから構成され、同じ方向の電圧を印加された場合にそれぞれ同一方向に縦変形するように配置する。
【0049】
このように縦振動用圧電素子13a,13bを配置することにより、縦振動用圧電素子群に同じ周波電圧を印加すると、1次の縦振動モードが励起され易くなる。
【0050】
また、本実施形態では、捩り振動用圧電素子12の大きさを縦振動用圧電素子13よりも小さくし、捩り振動用圧電素子12の表面積が縦振動用圧電素子13の表面積よりも小さくなるようにする。
【0051】
図3は、本実施形態の振動子11を構成する半円柱状弾性体11a及び11b,縦振動用圧電素子13a及び13b,捩り振動用圧電素子12a及び12b,縦振動検出用圧電素子26a及び26b,捩り振動検出用圧電素子27a及び27b及び電極15−1,15−2,15−3,15−4の配置を示す分解図である。なお、図3においては、図示されている部分のみ符号を付し、隠れている部分(符号bが付される。)については、振動子1が軸を中心に対称であることから符号を付すことを省略する。
【0052】
2つの分割された半円柱状弾性体11a,11bの間に縦振動用圧電素子13a及び13bと捩り振動用圧電素子12a及び12bと,縦振動検出用圧電素子26a及び26bと,捩り振動検出用圧電素子27a及び26bと,捩り振動用圧電素子12a及び12bと縦振動用圧電素子13a及び13bとに駆動電圧を印加するための電極15−1a及び15−1b,15−2a及び15−2bと,縦振動検出用圧電素子26及び捩り振動検出用圧電素子27それぞれに電圧を印加するための電極15−3a及び15−3b,15−4a及び15−4bとが挟まれた状態で保持される。半円柱状弾性体11a及び11b,縦振動用圧電素子13,捩り振動用圧電素子12,及び電極15は、接着剤により接合される。
【0053】
また、捩り振動用圧電素子12a,12bよりも振動子11の駆動面11c側に捩り振動検出用圧電素子27a,27bが配置されるとともに、縦振動用圧電素子13a,13bよりも反駆動面側に縦振動検出用圧電素子26a,26bが配置される。電極15−1a及び15−1b,15−2a及び15−2bは、2層の縦振動用圧電素子13及び2層の捩り振動用圧電素子12へ同時に駆動信号を印加できるように配置される。
【0054】
このような構成の振動アクチュエータ10に2つの1/4λ位相差のある駆動信号を、縦振動用圧電素子13と捩り振動用圧電素子12とにそれぞれ入力すると、縦振動及び捩り振動それぞれの振動の位相が90゜ずれ、これらの振動を合成した楕円運動が振動子11の駆動面11cに生じる。
【0055】
図4は、本実施形態の振動子11に発生する縦振動と捩り振動とを組み合わせて駆動面11cに楕円運動を発生させることを示す説明図である。
このように、捩り運動の周期と伸縮運動の周期との間の位相差を1/4λ(波長)ずらすと、振動子11の駆動面11c上には捩り運動及び伸縮運動の合成振動である楕円運動が発生する。
【0056】
t=6/4πの時点では、捩り運動の変位は左側に最大であり、縦振動の変位は零である。この状態では移動子21は加圧部材24によって振動子11の駆動面11cに接触している。
【0057】
この状態から、t=7/4π〜0〜2/4πまでは、捩り運動は左側の最大から右側の最大まで変位し、一方、縦振動は零から上側の最大に変位し、再び零に戻る。したがって、振動子11の駆動面11cは移動子21を押しながら、右方向に回転して移動子21は駆動される。
【0058】
次に、t=2/4π〜6/4πまでは、捩り運動は右側の最大から左側の最大まで変位し、一方、縦振動は零から下側の最大へ変位し再び零に戻る。したがって、振動子11の駆動面11cは移動子21から離れながら左方向に回転するため、移動子21は駆動されない。このときに、移動子21は、加圧部材24により加圧されていても、加圧部材24の固有振動数が超音波振動域よりも低いために振動子11の縮みに追従することができない。
【0059】
本実施形態では、振動子11に、1次の縦振動と,1次よりも大きな次数である2次の捩り振動とが発生するように、縦振動及び捩り振動それぞれの次数を異ならせたため、縦振動及び捩り振動それぞれの節の位置を積極的に異ならせることができる。
【0060】
本実施形態は、従来の振動アクチュエータと同様に、捩り振動用圧電素子12及び縦振動用圧電素子13を2つの弾性体により挟み込むように構成されるものの、従来の振動アクチュエータのように、捩り振動用圧電素子12及び縦振動用圧電素子13を積層させる必要がなくなり、圧電素子層を4層から2層へ低減することができるとともに電極を3層から1層へ減らすことができる。
【0061】
このように、本実施形態の振動アクチュエータ10は、従来の振動アクチュエータに比較して、部品点数を低減することができ、組立工程も簡略化される。
また、半円柱状弾性体11a及び11b,縦振動用圧電素子13,捩り振動用圧電素子12と,電極15との間の接着層を、従来の8層から4層へと低減することができる。
【0062】
例えば、半円柱状弾性体11a及び11bと縦振動用圧電素子13,捩り振動用圧電素子12とを接着により接合すると、振幅の大きな振動等が振動子11に発生すると、機械的な強度が最も弱い部分である接着層が剥離してしまうことがある。したがって、接着部分が少なければ少ない程剥離する可能性が低くなり、長時間にわたる連続駆動の際の信頼性が向上する。
【0063】
また、接着層は温度や湿度等の環境要因の影響を受け易いものもあることから、本実施形態の振動アクチュエータ10のように、接着層が低減されればされるほど、耐湿性や耐温性等の振動アクチュエータ10の信頼性を向上することができる。
【0064】
また、本実施形態では、振動子11に、1次の縦振動と1次よりも大きな次数である2次の捩り振動とが発生するように構成したため、捩り振動の励振のために必要な捩り振動用圧電素子12の配置範囲を小さくすることができる。そのため、捩り振動用圧電素子12の大きさをより小さくできる。これにより、駆動効率を向上することができる。なお、捩り振動用圧電素子12を捩り振動の腹部に配置すると、出力に無関係な入力だけが増えてしまう。
【0065】
なお、駆動域(反共振点)における振動アクチュエータに入力される電流は、振動アクチュエータの等価回路を考えると、下記の近似式▲1▼により示される。
入力電流I=V・R・Cd2 ・ω2 ・・・・・・・▲1▼
【0066】
ただし、
Cd:振動アクチュエータの圧電素子の静電容量
V:印加電圧
R:振動アクチュエータの抵抗成分
ω:周波電圧の角速度
【0067】
したがって、振動にあまり寄与しない部分に圧電素子を設置しないで圧電素子静電容量を減らすことにより、入力電流Iを低減することができる。
また、本実施形態では、振動子11に、1次の縦振動と1次よりも大きな次数である2次の捩り振動とが発生するようにしたことにより、捩り振動用圧電素子12の大きさを小さくすることができた。このようにして、捩り振動用圧電素子12の大きさを小さくした分だけ、捩り振動と比較した場合に励振され難い縦振動圧電素子13の大きさを大きくすることができ、縦振動の振動変位の大きさも向上することができる。
【0068】
また、本実施形態のような、いわゆる異形モ−ド縮退型の振動アクチュエータでは、振動子11の駆動面11cにおける楕円運動の運動成分のうちで駆動方向と垂直方向の運動成分は、振動子11と移動子21との間のクラッチの役目(動力伝達)をなしている。したがって、楕円運動の運動成分のうちで駆動方向と垂直方向の運動成分が小さくなると、このようなクラッチの役目が不完全になってしまい、駆動力が低下したり、駆動効率が劣化するおそれがある。
【0069】
しかし、本実施形態の振動アクチュエータのように、縦振動用圧電素子13を大きくして縦振動変位を大きくすれば、移動子21の加圧による縦振動の減衰を小さくすることができる。これにより、駆動力や駆動効率の低下を低減することができる。
【0070】
(第2実施形態)
図5は、本発明にかかる振動アクチュエータの第2実施形態の構成を示す説明図である。
【0071】
なお、以降の第2実施形態の説明では、第1実施形態と相違する部分のみを説明し、同一の部分については同一の図中符号を付すことにより、適宜説明を省略する。
【0072】
第1実施形態では、縦振動検出用圧電素子26a及び26b,捩り振動検出用圧電素子27a及び27bを、振動子11の駆動面11c側やこれと対向する面側に配置したが、本実施形態では、縦振動検出用圧電素子26a及び26b,捩り振動検出用圧電素子27a及び27bを弾性体11の外径側に、電極15−1,15−2,15−3及び15−4を内径側に配置した。
【0073】
縦振動検出用圧電素子26及び捩り振動検出用圧電素子27以外の構成、すなわち振動子11,固定軸20,移動子21等の構成や配置は、第1実施形態と全く同様であるため、これ以上の説明は省略する。
【0074】
本実施形態の振動アクチュエータに用いる振動子11−1のように、縦振動検出用圧電素子26及び捩り振動検出用圧電素子27と電極15とを長手方向に関して組み合わせて構成することにより、縦振動検出用圧電素子26及び捩り振動検出用圧電素子27を長手方向について延長できた分だけ、捩り振動用圧電素子12の長さと縦振動用圧電素子13の長さをより大きく異ならせて設定することができる。
【0075】
また、本実施形態では、一枚の同一の圧電素子12a及び12b,13a及び13bを用いて、駆動と検出とを併せて行うようにした。
振動検出用電極と駆動信号印加用電極とを別のものとすることにより、検出作用及び励振作用を分けることができる。このようにすることにより、捩り振動用圧電素子12,縦振動用圧電素子13,捩り振動検出用圧電素子27,縦振動検出用圧電素子26の4枚の圧電素子を、捩り振動用圧電素子12及び縦振動用圧電素子13の2枚にすることができ、部品点数をより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる振動アクチュエータの構造を説明する断面図である。
【図2】第1実施形態にかかる振動アクチュエータの振動子11における圧電素子の配置を示す説明図である。
【図3】第1実施形態の振動子を構成する半円柱状弾性体,縦振動用圧電素子,捩り振動用圧電素子,縦振動検出用圧電素子,捩り振動検出用圧電素子及び電極の配置を示す分解図である。
【図4】第1実施形態の振動子に発生する縦振動と捩り振動とを組み合わせて駆動面に楕円運動を発生させることを示す説明図である。
【図5】第2実施形態の振動子を構成する半円柱状弾性体,縦振動用圧電素子,捩り振動用圧電素子,縦振動検出用圧電素子,捩り振動検出用圧電素子及び電極の配置を示す分解図である。
【図6】従来の縦振動−捩り振動型の振動アクチュエータの一例の構造を示す斜視図である。
【図7】従来の振動アクチュエータのステータを展開して示した斜視図である。
【図8】特願平6−275022号により提案した振動アクチュエータの振動子に縦振動と捩り振動とを組み合わせて駆動面に楕円運動を発生する振動アクチュエータの駆動原理を説明する図であり、図8(A)は上面図,図8(B)は側面図,図8(C)は振動子に発生する縦振動モード及び捩り振動モードを示す説明図である。
【図9】特願平6−275022号により提案した振動アクチュエータの振動子1の構造を詳細に示す説明図であって、図9(A)は上面図,図9(B)は側面図である。
【図10】特願平6−275022号により提案した振動アクチュエータの動作を経時的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 振動アクチュエータ
11 振動子
11a 駆動面
12 捩り振動用圧電素子
13 縦振動用圧電素子
14A〜14D 大径部
14a〜14c 小径部
15 電極
16 貫通孔
17 ボルト
18 ナット
19 フランジ
20 固定軸
21 移動子(相対運動部材)
22 位置決め部材(ベアリング)
23 歯車
24 加圧部材
25 ナット
26,27 振動検出用圧電素子

Claims (2)

  1. 2つの弾性体と2つの前記弾性体の間に配置されて駆動信号により励振される電気機械変換素子とを有する振動子と,
    前記振動子に加圧接触される相対運動部材とを備え、
    前記電気機械変換素子の励振により、前記振動子に、前記電気機械変換素子と前記弾性体との接合面に対して略平行方向に変位が発生する縦振動と,前記縦振動の変位方向と略同一方向に回転軸を有する捩り振動とを発生させることにより、前記捩り振動の前記回転軸と略直角方向に形成された駆動面に駆動力を発生する振動アクチュエータであって、
    前記電気機械変換素子は、縦振動発生用電気機械変換素子と捩り振動発生用電気機械変換素子とからなり、
    前記縦振動発生用電気機械変換素子は前記縦振動の節を含む位置に、前記捩り振動発生用電気機械変換素子は前記捩り振動の節を含む位置に、互いに略同一平面上に位置するように前記接合面の延在方向に並べて配置されること
    を特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載された振動アクチュエータにおいて、
    前記捩り振動発生用電気機械変換素子と前記弾性体との接合面積は、前記縦振動発生用電気機械変換素子と前記弾性体との接合面積よりも小さいこと
    を特徴とする振動アクチュエータ。
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