JPH11146673A - 振動アクチュエータ - Google Patents
振動アクチュエータInfo
- Publication number
- JPH11146673A JPH11146673A JP9307483A JP30748397A JPH11146673A JP H11146673 A JPH11146673 A JP H11146673A JP 9307483 A JP9307483 A JP 9307483A JP 30748397 A JP30748397 A JP 30748397A JP H11146673 A JPH11146673 A JP H11146673A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vibration
- vibrator
- torsional vibration
- longitudinal
- semi
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 claims description 8
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 claims description 3
- 230000010355 oscillation Effects 0.000 abstract 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 abstract 1
- 230000033001 locomotion Effects 0.000 description 42
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 27
- WABPQHHGFIMREM-UHFFFAOYSA-N lead(0) Chemical compound [Pb] WABPQHHGFIMREM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 13
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 10
- 239000000463 material Substances 0.000 description 10
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 8
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 8
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 6
- 230000010287 polarization Effects 0.000 description 5
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 description 4
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 4
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 4
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 4
- 230000002238 attenuated effect Effects 0.000 description 3
- 230000008602 contraction Effects 0.000 description 3
- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 2
- 239000010935 stainless steel Substances 0.000 description 2
- 229910001220 stainless steel Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000007751 thermal spraying Methods 0.000 description 2
- 229910000906 Bronze Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000881 Cu alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 229920001875 Ebonite Polymers 0.000 description 1
- 229910000942 Elinvar Inorganic materials 0.000 description 1
- OAICVXFJPJFONN-UHFFFAOYSA-N Phosphorus Chemical compound [P] OAICVXFJPJFONN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 239000010974 bronze Substances 0.000 description 1
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 1
- 238000000748 compression moulding Methods 0.000 description 1
- 239000004020 conductor Substances 0.000 description 1
- KUNSUQLRTQLHQQ-UHFFFAOYSA-N copper tin Chemical compound [Cu].[Sn] KUNSUQLRTQLHQQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 1
- 230000007850 degeneration Effects 0.000 description 1
- 230000002542 deteriorative effect Effects 0.000 description 1
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 1
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 1
- 230000001788 irregular Effects 0.000 description 1
- 238000005304 joining Methods 0.000 description 1
- 238000010030 laminating Methods 0.000 description 1
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 1
- 238000003801 milling Methods 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 239000002861 polymer material Substances 0.000 description 1
- 230000001105 regulatory effect Effects 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 238000010008 shearing Methods 0.000 description 1
- 238000005476 soldering Methods 0.000 description 1
Landscapes
- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 特開平9−84367号公報により提案した
振動アクチュエータは、圧電素子および電極板の部品点
数が多く、組立時に装着位置ずれを生じ易い。 【解決手段】 中空部35を形成する半円柱状弾性体3
7、38と、半円柱状弾性体37、38の二つの接合部
に設けられる振動発生部44、45を有するとともに振
動発生部44、45を中空部35を通過して接続する接
続部46を有する捩じり振動および縦振動発生用圧電体
39と、振動発生部44、45との間で電気エネルギー
の授受を行う二つの電気エネルギ授受部47を有すると
ともに二つの電気エネルギ授受部47を中空部35を通
過して接続する接続部48とを有する電極部材41とを
有する振動子31を備える振動アクチュエータ30であ
る。
振動アクチュエータは、圧電素子および電極板の部品点
数が多く、組立時に装着位置ずれを生じ易い。 【解決手段】 中空部35を形成する半円柱状弾性体3
7、38と、半円柱状弾性体37、38の二つの接合部
に設けられる振動発生部44、45を有するとともに振
動発生部44、45を中空部35を通過して接続する接
続部46を有する捩じり振動および縦振動発生用圧電体
39と、振動発生部44、45との間で電気エネルギー
の授受を行う二つの電気エネルギ授受部47を有すると
ともに二つの電気エネルギ授受部47を中空部35を通
過して接続する接続部48とを有する電極部材41とを
有する振動子31を備える振動アクチュエータ30であ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機械変換素子
を有し、捩じり振動および縦振動を発生する異形モード
縮退型の振動子を備える振動アクチュエータに関するも
のである。
を有し、捩じり振動および縦振動を発生する異形モード
縮退型の振動子を備える振動アクチュエータに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図12は、本出願人が先に特開平9−8
4367号公報により提案した、捩じり振動および縦振
動を利用した異形モ−ド縮退型の振動子を備える振動ア
クチュエータ1を分解状態で示す斜視図である。また、
図13は、この振動アクチュエータ1を構成する振動子
2を分解状態で示す斜視図である。
4367号公報により提案した、捩じり振動および縦振
動を利用した異形モ−ド縮退型の振動子を備える振動ア
クチュエータ1を分解状態で示す斜視図である。また、
図13は、この振動アクチュエータ1を構成する振動子
2を分解状態で示す斜視図である。
【0003】図12に示すように、この振動アクチュエ
ータ1は、振動発生源である振動子2と、この振動子2
の一方の端面である駆動面2aに接触する相対運動部材
3と、振動子2を固定して支持するとともに相対運動部
材3を回転自在に支持する固定軸4と、相対運動部材3
を振動子2の駆動面2aに向けて加圧する加圧機構5と
を備える。
ータ1は、振動発生源である振動子2と、この振動子2
の一方の端面である駆動面2aに接触する相対運動部材
3と、振動子2を固定して支持するとともに相対運動部
材3を回転自在に支持する固定軸4と、相対運動部材3
を振動子2の駆動面2aに向けて加圧する加圧機構5と
を備える。
【0004】振動子2は2つの半円柱状弾性体7、8を
有する。これらの半円柱状弾性体7、8は互いに突き合
わされて接合されることにより、軸方向へ貫通する中空
部6を有する円筒体を形成する。図13に詳細に示すよ
うに、半円柱状弾性体7、8の二つの接合面A、Bそれ
ぞれの所定位置には、圧電定数d15を用いる2枚の捩じ
り振動発生用圧電素子9と、圧電定数d31を用いる2枚
の縦振動発生用圧電素子10と、2枚の捩じり振動発生
用圧電素子9に駆動電圧を印加する電極板11と、2枚
の縦振動発生用圧電素子10に駆動電圧を印加するため
の電極板12とが、積層されて配置される。
有する。これらの半円柱状弾性体7、8は互いに突き合
わされて接合されることにより、軸方向へ貫通する中空
部6を有する円筒体を形成する。図13に詳細に示すよ
うに、半円柱状弾性体7、8の二つの接合面A、Bそれ
ぞれの所定位置には、圧電定数d15を用いる2枚の捩じ
り振動発生用圧電素子9と、圧電定数d31を用いる2枚
の縦振動発生用圧電素子10と、2枚の捩じり振動発生
用圧電素子9に駆動電圧を印加する電極板11と、2枚
の縦振動発生用圧電素子10に駆動電圧を印加するため
の電極板12とが、積層されて配置される。
【0005】なお、図13における符号13は、振動子
2に発生する捩じり振動により電気信号を出力する捩じ
り振動検出用圧電素子であり、検出された電気信号は電
極板14を介して外部へ出力される。一方、符号15
は、振動子2に発生する縦振動により電気信号を出力す
る縦振動検出用圧電素子であり、検出された電気信号は
電極板16を介して外部へ出力される。
2に発生する捩じり振動により電気信号を出力する捩じ
り振動検出用圧電素子であり、検出された電気信号は電
極板14を介して外部へ出力される。一方、符号15
は、振動子2に発生する縦振動により電気信号を出力す
る縦振動検出用圧電素子であり、検出された電気信号は
電極板16を介して外部へ出力される。
【0006】この振動子2は、半円柱状弾性体7、8の
二つの接合面A、Bそれぞれに、各圧電素子9、10、
13、15および電極板11、12、14、16を配置
して接着することにより中空の円筒体として、形成され
る。そして、中空部6に固定軸4を挿入し、半円柱状弾
性体7、8および固定軸4にそれぞれ設けられた貫通孔
(図示しない)にボルト17を貫通させてナット18を
締結することにより、固定軸4に固定されて支持され
る。
二つの接合面A、Bそれぞれに、各圧電素子9、10、
13、15および電極板11、12、14、16を配置
して接着することにより中空の円筒体として、形成され
る。そして、中空部6に固定軸4を挿入し、半円柱状弾
性体7、8および固定軸4にそれぞれ設けられた貫通孔
(図示しない)にボルト17を貫通させてナット18を
締結することにより、固定軸4に固定されて支持され
る。
【0007】相対運動部材3は、一方の端面側がフラン
ジ状に拡大された中空の本体19と、振動子側の端面に
貼付された円環状の摺動材20とにより構成される。本
体19の内縁部にはベアリング21が装着される。この
相対運動部材3は、ベアリング21を介して固定軸4に
装着されることにより、摺動材20を振動子2の駆動面
2aに摺動させながら、固定軸4により回動自在に支持
される。
ジ状に拡大された中空の本体19と、振動子側の端面に
貼付された円環状の摺動材20とにより構成される。本
体19の内縁部にはベアリング21が装着される。この
相対運動部材3は、ベアリング21を介して固定軸4に
装着されることにより、摺動材20を振動子2の駆動面
2aに摺動させながら、固定軸4により回動自在に支持
される。
【0008】加圧機構5は、中空筒状の加圧力伝達部材
22と、皿ばね等の加圧部材23と、固定軸4に刻まれ
たねじ部4aに噛み合うねじ部24aを有するナット2
4とにより、構成される。これらを順次固定軸4に装着
し、ナット24を固定軸4にねじ止めすることにより、
加圧部材23の有するばね力が加圧力伝達部材22を介
してベアリング21に伝達される。これにより、相対運
動部材3が振動子2に向けて付勢され、振動子2と相対
運動部材3とが加圧接触する。
22と、皿ばね等の加圧部材23と、固定軸4に刻まれ
たねじ部4aに噛み合うねじ部24aを有するナット2
4とにより、構成される。これらを順次固定軸4に装着
し、ナット24を固定軸4にねじ止めすることにより、
加圧部材23の有するばね力が加圧力伝達部材22を介
してベアリング21に伝達される。これにより、相対運
動部材3が振動子2に向けて付勢され、振動子2と相対
運動部材3とが加圧接触する。
【0009】ここで、半円柱状弾性体7、8は捩じり振
動および縦振動それぞれの共振周波数が略一致する
(「縮退」という。)ように、形状が決定されている。
そのため、電極板11と電極板12とに2相の周波電圧
をそれぞれ印加すると、振動子2には、捩じり振動と縦
振動とが同時に発生する。そして、振動子2の駆動面2
aの定点には、発生した捩じり振動および縦振動の合成
振動である楕円振動が発生する。これにより、駆動面2
aに加圧接触する相対運動部材3が、固定軸4の回りに
一方向へ回転駆動されて、出力が取り出される。
動および縦振動それぞれの共振周波数が略一致する
(「縮退」という。)ように、形状が決定されている。
そのため、電極板11と電極板12とに2相の周波電圧
をそれぞれ印加すると、振動子2には、捩じり振動と縦
振動とが同時に発生する。そして、振動子2の駆動面2
aの定点には、発生した捩じり振動および縦振動の合成
振動である楕円振動が発生する。これにより、駆動面2
aに加圧接触する相対運動部材3が、固定軸4の回りに
一方向へ回転駆動されて、出力が取り出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、特開平9
−84367号公報により提案した振動アクチュエータ
1は、それぞれ4枚ずつの捩じり振動発生用圧電素子
9、縦振動発生用圧電素子10、捩じり振動検出用圧電
素子13および縦振動検出用圧電素子15と、それぞれ
2枚ずつの電極板11、12、14および16とを、半
円柱状弾性体7、8の間の所定位置に正確に装着して組
み立てる必要がある。しかし、部品点数が多いために、
組立ての際に、各圧電素子や各電極板が装着位置ずれを
生じ易いという課題があった。装着位置が適正な位置か
らずれてしまうと、駆動面2aの定点に発生する楕円振
動の振幅が変化し、駆動効率が低下してしまう。
−84367号公報により提案した振動アクチュエータ
1は、それぞれ4枚ずつの捩じり振動発生用圧電素子
9、縦振動発生用圧電素子10、捩じり振動検出用圧電
素子13および縦振動検出用圧電素子15と、それぞれ
2枚ずつの電極板11、12、14および16とを、半
円柱状弾性体7、8の間の所定位置に正確に装着して組
み立てる必要がある。しかし、部品点数が多いために、
組立ての際に、各圧電素子や各電極板が装着位置ずれを
生じ易いという課題があった。装着位置が適正な位置か
らずれてしまうと、駆動面2aの定点に発生する楕円振
動の振幅が変化し、駆動効率が低下してしまう。
【0011】各圧電素子や各電極板の半円柱状弾性体
7、8に対する装着位置ずれを防止するには、例えば専
用治具を用いて慎重に装着作業を行う必要がある。しか
し、装着位置ずれを解消することは極めて難しく、組立
てられる振動アクチュエータ1の個体差を解消すること
が難しかった。
7、8に対する装着位置ずれを防止するには、例えば専
用治具を用いて慎重に装着作業を行う必要がある。しか
し、装着位置ずれを解消することは極めて難しく、組立
てられる振動アクチュエータ1の個体差を解消すること
が難しかった。
【0012】また、必然的に組立工程をかなり複雑にせ
ざるを得なくなり、組立てに伴う製造コストが上昇して
しまう。このような製造コストの上昇は、ユーザから低
価格化を要請される振動アクチュエータとしては、極め
て重要な課題である。
ざるを得なくなり、組立てに伴う製造コストが上昇して
しまう。このような製造コストの上昇は、ユーザから低
価格化を要請される振動アクチュエータとしては、極め
て重要な課題である。
【0013】本発明は、このような従来の技術が有する
課題に鑑み、各圧電素子や各電極板を弾性体の所定の装
着位置へ簡単に装着できるように、従来の振動アクチュ
エータの組立て性を改善することを目的とする。
課題に鑑み、各圧電素子や各電極板を弾性体の所定の装
着位置へ簡単に装着できるように、従来の振動アクチュ
エータの組立て性を改善することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、互
いに接合されて配置されることにより軸方向へ貫通する
中空部を有する筒体を形成する複数の弾性体と、この弾
性体の二つの接合部にそれぞれ設けられて弾性体に捩じ
り振動および縦振動を発生させる電気機械変換素子とを
有する振動子を備える振動アクチュエータであって、電
気機械変換素子が、前記の接合部に設けられる二つの振
動発生部と、二つの振動発生部を接続するとともに中空
部を通過する1または2以上の接続部とを有することを
特徴とする振動アクチュエータである。
いに接合されて配置されることにより軸方向へ貫通する
中空部を有する筒体を形成する複数の弾性体と、この弾
性体の二つの接合部にそれぞれ設けられて弾性体に捩じ
り振動および縦振動を発生させる電気機械変換素子とを
有する振動子を備える振動アクチュエータであって、電
気機械変換素子が、前記の接合部に設けられる二つの振
動発生部と、二つの振動発生部を接続するとともに中空
部を通過する1または2以上の接続部とを有することを
特徴とする振動アクチュエータである。
【0015】請求項2の本発明は、請求項1に記載され
た振動アクチュエータにおいて、振動子が、二つの振動
発生部との間で電気エネルギーの授受を行う二つの電気
エネルギ授受部と、二つの電気エネルギ授受部を接続す
るとともに中空部を通過する接続部とを有する電極部材
を有することを特徴とする。
た振動アクチュエータにおいて、振動子が、二つの振動
発生部との間で電気エネルギーの授受を行う二つの電気
エネルギ授受部と、二つの電気エネルギ授受部を接続す
るとともに中空部を通過する接続部とを有する電極部材
を有することを特徴とする。
【0016】請求項3の本発明は、請求項1または請求
項2に記載された振動アクチュエータにおいて、電気機
械変換素子の接続部、および、電極部材の接続部のうち
の一方または双方は、弾性体に発生する捩じり振動およ
び縦振動の一方または双方の節位置またはその近傍にお
いて、中空部を通過することを特徴とする。
項2に記載された振動アクチュエータにおいて、電気機
械変換素子の接続部、および、電極部材の接続部のうち
の一方または双方は、弾性体に発生する捩じり振動およ
び縦振動の一方または双方の節位置またはその近傍にお
いて、中空部を通過することを特徴とする。
【0017】さらに、請求項4の本発明は、請求項1か
ら請求項3までのいずれか1項に記載された振動アクチ
ュエータにおいて、振動子が、少なくともこの振動子を
被うケーシングにより、支持されることを特徴とする。
ら請求項3までのいずれか1項に記載された振動アクチ
ュエータにおいて、振動子が、少なくともこの振動子を
被うケーシングにより、支持されることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる振動アクチュエータの実施形態を、添付図面を参
照しながら、詳細に説明する。なお、以降の各実施形態
の説明では、振動アクチュエータとして超音波の振動域
を利用した超音波アクチュエータを例にとる。
かかる振動アクチュエータの実施形態を、添付図面を参
照しながら、詳細に説明する。なお、以降の各実施形態
の説明では、振動アクチュエータとして超音波の振動域
を利用した超音波アクチュエータを例にとる。
【0019】図1は、本実施形態の超音波アクチュエー
タ30を示す縦断面図である。本実施形態の超音波アク
チュエータ30は、振動子(ステータ)31と、振動子
31との間で相対運動を行う相対運動部材(ロータ)3
2と、相対運動部材32を振動子31に加圧する加圧機
構33と、振動子31、相対運動部材32および加圧機
構33を覆いながら支持するケーシング34とを備え
る。以下、これらの構成要素について、順に説明する。
タ30を示す縦断面図である。本実施形態の超音波アク
チュエータ30は、振動子(ステータ)31と、振動子
31との間で相対運動を行う相対運動部材(ロータ)3
2と、相対運動部材32を振動子31に加圧する加圧機
構33と、振動子31、相対運動部材32および加圧機
構33を覆いながら支持するケーシング34とを備え
る。以下、これらの構成要素について、順に説明する。
【0020】〔振動子31〕振動子31は、二つの半円
柱状弾性体37、38を有する。これらの半円柱状弾性
体37、38は、互いに接合されて配置されることによ
り軸方向へ貫通する中空部35を有する円筒体36を形
成する。
柱状弾性体37、38を有する。これらの半円柱状弾性
体37、38は、互いに接合されて配置されることによ
り軸方向へ貫通する中空部35を有する円筒体36を形
成する。
【0021】また、振動子31は、捩じり振動および縦
振動発生用圧電体39を有する。この捩じり振動および
縦振動発生用圧電体39は、半円柱状弾性体37、38
の二つの接合部に挟持され、駆動信号を入力されること
により励振して円筒体36に1次の縦振動と2次の捩じ
り振動とを同時に発生する。これにより、円筒体36の
一方の端面である駆動面36aに楕円振動を発生する。
なお、捩じり振動および縦振動発生用圧電体39は図1
に示す断面では現れないため、図2および図3を参照し
ながら後述する。
振動発生用圧電体39を有する。この捩じり振動および
縦振動発生用圧電体39は、半円柱状弾性体37、38
の二つの接合部に挟持され、駆動信号を入力されること
により励振して円筒体36に1次の縦振動と2次の捩じ
り振動とを同時に発生する。これにより、円筒体36の
一方の端面である駆動面36aに楕円振動を発生する。
なお、捩じり振動および縦振動発生用圧電体39は図1
に示す断面では現れないため、図2および図3を参照し
ながら後述する。
【0022】半円柱状弾性体37、38は、鉄鋼、ステ
ンレス鋼、リン青銅、エリンバ−材等といった共振先鋭
度が大きな金属材料からなる。半円柱状弾性体37、3
8それぞれの外周面には、3つの小径部40a、40
b、40cが溝状かつ環状に設けられており、小径部4
0a〜40cによって区切られることにより、4つの大
径部40A、40B、40Cおよび40Dが形成され
る。すなわち、半円柱状弾性体37、38は、小径部4
0a〜40cと大径部40A〜40Dとを有する厚肉の
円筒状弾性体を縦に2分割することにより、得られる。
ンレス鋼、リン青銅、エリンバ−材等といった共振先鋭
度が大きな金属材料からなる。半円柱状弾性体37、3
8それぞれの外周面には、3つの小径部40a、40
b、40cが溝状かつ環状に設けられており、小径部4
0a〜40cによって区切られることにより、4つの大
径部40A、40B、40Cおよび40Dが形成され
る。すなわち、半円柱状弾性体37、38は、小径部4
0a〜40cと大径部40A〜40Dとを有する厚肉の
円筒状弾性体を縦に2分割することにより、得られる。
【0023】小径部40aおよび40cは、発生する2
次の捩じり振動の二つの節位置を含む位置に、小径部4
0bは、発生する1次の縦振動の節位置を含む位置に、
それぞれ設けられる。半円柱状弾性体37、38それぞ
れに溝状に小径部40a〜40cを設けたのは、前述し
た1次の縦振動の共振周波数と2次の捩じり振動の共振
周波数とを略一致させて、駆動面36aに楕円運動を発
生させるためである。
次の捩じり振動の二つの節位置を含む位置に、小径部4
0bは、発生する1次の縦振動の節位置を含む位置に、
それぞれ設けられる。半円柱状弾性体37、38それぞ
れに溝状に小径部40a〜40cを設けたのは、前述し
た1次の縦振動の共振周波数と2次の捩じり振動の共振
周波数とを略一致させて、駆動面36aに楕円運動を発
生させるためである。
【0024】半円柱状弾性体38の各大径部40A〜4
0Dには、捩じり振動および縦振動発生用圧電体39の
積層方向(図1における左右方向)と平行に、貫通孔4
1A〜41Dが形成される。また、半円柱状弾性体37
の各大径部40A〜40Dには、同様の方向に、ネジ孔
42A〜42Dが形成される。
0Dには、捩じり振動および縦振動発生用圧電体39の
積層方向(図1における左右方向)と平行に、貫通孔4
1A〜41Dが形成される。また、半円柱状弾性体37
の各大径部40A〜40Dには、同様の方向に、ネジ孔
42A〜42Dが形成される。
【0025】半円柱状弾性体37、38は、分割面に後
述する圧電体39と電極板41とを挟んだ状態で突き合
わされ、貫通孔41A〜41Dにボルト43A〜43D
を挿入してネジ孔42A〜42Dにねじ止めすることに
より、締結固定されて円筒体36とされる。
述する圧電体39と電極板41とを挟んだ状態で突き合
わされ、貫通孔41A〜41Dにボルト43A〜43D
を挿入してネジ孔42A〜42Dにねじ止めすることに
より、締結固定されて円筒体36とされる。
【0026】半円柱状弾性体37、38それぞれの小径
部40aには、後述する支持筒59に円筒体36を固定
するためのスプリングピン62の貫通孔43が設けられ
ている。この貫通孔43と支持筒59に設けられた貫通
孔59aとにスプリングピン62を貫通させることによ
り、振動子31は支持筒59に固定保持される。
部40aには、後述する支持筒59に円筒体36を固定
するためのスプリングピン62の貫通孔43が設けられ
ている。この貫通孔43と支持筒59に設けられた貫通
孔59aとにスプリングピン62を貫通させることによ
り、振動子31は支持筒59に固定保持される。
【0027】図2は、本実施形態で用いる振動子31を
構成する半円柱状弾性体37、38と、捩じり振動およ
び縦振動発生用圧電体39と、電極板41とを分解した
状態で示す斜視図である。
構成する半円柱状弾性体37、38と、捩じり振動およ
び縦振動発生用圧電体39と、電極板41とを分解した
状態で示す斜視図である。
【0028】軸方向へ貫通する中空部35を有する円筒
体36を形成する半円柱状弾性体37、38の二つの接
合面A、Bには、2枚の捩じり振動および縦振動発生用
圧電体39と電極板41とが挟み込まれる。
体36を形成する半円柱状弾性体37、38の二つの接
合面A、Bには、2枚の捩じり振動および縦振動発生用
圧電体39と電極板41とが挟み込まれる。
【0029】本実施形態では、捩じり振動および縦振動
発生用圧電体39は、半円柱状弾性体37、38それぞ
れの二つの接合部に設けられる二つの振動発生部44、
45と、振動発生部44、45を接続する1つの接続部
46とを有し、振動発生部44、45および接続部46
が一体に形成される。なお、図2では、斜線を付した範
囲が捩じり振動および縦振動発生用圧電体39における
振動発生部44、45の範囲であり、網線を付した範囲
が接続部46の範囲である。
発生用圧電体39は、半円柱状弾性体37、38それぞ
れの二つの接合部に設けられる二つの振動発生部44、
45と、振動発生部44、45を接続する1つの接続部
46とを有し、振動発生部44、45および接続部46
が一体に形成される。なお、図2では、斜線を付した範
囲が捩じり振動および縦振動発生用圧電体39における
振動発生部44、45の範囲であり、網線を付した範囲
が接続部46の範囲である。
【0030】接続部46は、振動子31に発生する捩じ
り振動、縦振動をできるだけ減衰させない位置に設ける
ことが望ましく、特に駆動力に直接的に影響する捩じり
振動の節位置やその近傍に設けることが望ましい。ま
た、半円柱状弾性体37、38を締結固定するためのボ
ルト43A〜43Dの貫通部(大径部40A〜40Dの
振動子長手方向略中央部)や、スプリングピン62の貫
通部(小径部40aの振動子長手方向略中央部)等を避
けた位置に設定される。
り振動、縦振動をできるだけ減衰させない位置に設ける
ことが望ましく、特に駆動力に直接的に影響する捩じり
振動の節位置やその近傍に設けることが望ましい。ま
た、半円柱状弾性体37、38を締結固定するためのボ
ルト43A〜43Dの貫通部(大径部40A〜40Dの
振動子長手方向略中央部)や、スプリングピン62の貫
通部(小径部40aの振動子長手方向略中央部)等を避
けた位置に設定される。
【0031】本実施形態では、接続部46は、振動子3
1に発生する縦振動の節位置(小径部40bの振動子長
手方向略中央部)に設けられる。これにより、振動子3
1に発生する縦振動を殆ど減衰させない。
1に発生する縦振動の節位置(小径部40bの振動子長
手方向略中央部)に設けられる。これにより、振動子3
1に発生する縦振動を殆ど減衰させない。
【0032】また、各振動発生部44、45には、発生
する2次の捩じり振動の2つの節位置のうちで駆動面3
6a側の節位置を跨ぐように捩じり振動発生部44a、
45aが設けられる。また、各振動発生部44、45の
残余部であって発生する1次の縦振動の節位置を跨ぐよ
うに縦振動発生部44b、45bが設けられる。
する2次の捩じり振動の2つの節位置のうちで駆動面3
6a側の節位置を跨ぐように捩じり振動発生部44a、
45aが設けられる。また、各振動発生部44、45の
残余部であって発生する1次の縦振動の節位置を跨ぐよ
うに縦振動発生部44b、45bが設けられる。
【0033】この捩じり振動および縦振動発生用圧電体
39は、例えば、以下に列記する手順〜により形成
される。 図2における捩じり振動および縦振動発生用圧電体3
9と同一の外寸を有する矩形平板状のPZT薄板の、図
2における端面Eおよび平面F(ただし縦振動発生範
囲)に相当する位置にポーリング用電極を取り付けて永
久分極を行うことにより、各振動発生部44、45に相
当する範囲に長手方向かつ互いに逆方向への永久分極を
行う。
39は、例えば、以下に列記する手順〜により形成
される。 図2における捩じり振動および縦振動発生用圧電体3
9と同一の外寸を有する矩形平板状のPZT薄板の、図
2における端面Eおよび平面F(ただし縦振動発生範
囲)に相当する位置にポーリング用電極を取り付けて永
久分極を行うことにより、各振動発生部44、45に相
当する範囲に長手方向かつ互いに逆方向への永久分極を
行う。
【0034】このPZT薄板の縦振動発生部44b、
45bに相当する範囲の両面にポーリング用電極を取り
付けて永久分極を行うことにより、縦振動発生部44
b、45bに相当する範囲に厚さ方向かつ互いに同方向
への永久分極を行う。
45bに相当する範囲の両面にポーリング用電極を取り
付けて永久分極を行うことにより、縦振動発生部44
b、45bに相当する範囲に厚さ方向かつ互いに同方向
への永久分極を行う。
【0035】このPZT薄板から、各振動発生部4
4、45と接続部46とを残して、適宜加工手段(例え
ばフライス加工)により、余剰部分を除去する。このよ
うにして、捩じり振動発生部44a、45aおよび縦振
動発生部44b、45bを有する振動発生部44、45
と、これらの接続部46とを備える捩じり振動および縦
振動発生用圧電体39が形成される。
4、45と接続部46とを残して、適宜加工手段(例え
ばフライス加工)により、余剰部分を除去する。このよ
うにして、捩じり振動発生部44a、45aおよび縦振
動発生部44b、45bを有する振動発生部44、45
と、これらの接続部46とを備える捩じり振動および縦
振動発生用圧電体39が形成される。
【0036】半円柱状弾性体37の接合面に装着される
捩じり振動および縦振動発生用圧電体39と、半円柱状
弾性体38の接合面に装着される捩じり振動および縦振
動発生用圧電体39とは、中空部を対称軸として対称に
配置される。二つの捩じり振動および縦振動発生用圧電
体39の間には、電極板41が装着される。
捩じり振動および縦振動発生用圧電体39と、半円柱状
弾性体38の接合面に装着される捩じり振動および縦振
動発生用圧電体39とは、中空部を対称軸として対称に
配置される。二つの捩じり振動および縦振動発生用圧電
体39の間には、電極板41が装着される。
【0037】本実施形態では、この電極板41は、駆動
電圧入力用電極板41aと駆動電圧入力用電極板41b
と捩じり振動検出用電極板41cとを有する。駆動電圧
入力用電極板41aには、捩じり振動発生部44a、4
5aに駆動電圧を入力する二つの電気エネルギ授受部4
7とこれらを接続する接続部48とが形成される。ま
た、駆動電圧入力用電極板41bには、縦振動発生部4
4b、45bに駆動電圧を入力する二つの電気エネルギ
授受部49とこれらを接続する接続部50とが形成され
る。さらに、捩じり振動検出用電極板41cには、発生
した捩じり振動により生じた電圧を外部へ導く二つの電
気エネルギ授受部51とこれらを接続する接続部52と
が形成される。
電圧入力用電極板41aと駆動電圧入力用電極板41b
と捩じり振動検出用電極板41cとを有する。駆動電圧
入力用電極板41aには、捩じり振動発生部44a、4
5aに駆動電圧を入力する二つの電気エネルギ授受部4
7とこれらを接続する接続部48とが形成される。ま
た、駆動電圧入力用電極板41bには、縦振動発生部4
4b、45bに駆動電圧を入力する二つの電気エネルギ
授受部49とこれらを接続する接続部50とが形成され
る。さらに、捩じり振動検出用電極板41cには、発生
した捩じり振動により生じた電圧を外部へ導く二つの電
気エネルギ授受部51とこれらを接続する接続部52と
が形成される。
【0038】駆動電圧入力用電極板41aは、2枚の捩
じり振動および縦振動発生用圧電体39それぞれの捩じ
り振動発生部44a、45aに接触して配置され、2枚
の捩じり振動および縦振動発生用圧電体39へ駆動電圧
を印加する。駆動電圧入力用電極板41bは、2枚の捩
じり振動および縦振動発生用圧電体39それぞれの縦振
動発生部44b、45bに接触して配置され、2枚の捩
じり振動および縦振動発生用圧電体39へ駆動電圧を印
加する。さらに、捩じり振動検出用電極板41cは、2
枚の捩じり振動および縦振動発生用圧電体39それぞれ
の捩じり振動発生部44a、45aの駆動面36a側に
接触して配置され、発生する捩じり振動により電気信号
を発生する。捩じり振動検出用電極板41cにより発生
した電圧は、外部の駆動制御装置(図示しない)に出力
される。
じり振動および縦振動発生用圧電体39それぞれの捩じ
り振動発生部44a、45aに接触して配置され、2枚
の捩じり振動および縦振動発生用圧電体39へ駆動電圧
を印加する。駆動電圧入力用電極板41bは、2枚の捩
じり振動および縦振動発生用圧電体39それぞれの縦振
動発生部44b、45bに接触して配置され、2枚の捩
じり振動および縦振動発生用圧電体39へ駆動電圧を印
加する。さらに、捩じり振動検出用電極板41cは、2
枚の捩じり振動および縦振動発生用圧電体39それぞれ
の捩じり振動発生部44a、45aの駆動面36a側に
接触して配置され、発生する捩じり振動により電気信号
を発生する。捩じり振動検出用電極板41cにより発生
した電圧は、外部の駆動制御装置(図示しない)に出力
される。
【0039】なお、駆動電圧入力用電極板41a、駆動
電圧入力用電極板41b、捩じり振動検出用電極板41
cには、外部の駆動制御装置に接続されるリード線を半
田付けするために矩形のリード線接続部41a’〜41
c’が、側方へ向けて突設されている。
電圧入力用電極板41b、捩じり振動検出用電極板41
cには、外部の駆動制御装置に接続されるリード線を半
田付けするために矩形のリード線接続部41a’〜41
c’が、側方へ向けて突設されている。
【0040】半円柱状弾性体37、38と、2枚の捩じ
り振動および縦振動発生用圧電体39と、電極板41と
は、互いに接着剤により接着されて、接合される。
り振動および縦振動発生用圧電体39と、電極板41と
は、互いに接着剤により接着されて、接合される。
【0041】本実施形態では、捩じり振動および縦振動
発生用圧電体39の接続部46と、各電極板41a〜4
1cの接続部48、50、52とは、いずれも、円筒体
36の中空部35を直線状に通過して、配置される。
発生用圧電体39の接続部46と、各電極板41a〜4
1cの接続部48、50、52とは、いずれも、円筒体
36の中空部35を直線状に通過して、配置される。
【0042】本実施形態の振動子31は、以上説明した
ように、半円柱状弾性体37、38と、2枚の捩じり振
動および縦振動発生用圧電体39と、3枚の電極板41
a〜41cとにより、構成されており、図13を参照し
ながら説明した従来の振動子2に比較すると、装着する
部品点数が大幅に削減されている。
ように、半円柱状弾性体37、38と、2枚の捩じり振
動および縦振動発生用圧電体39と、3枚の電極板41
a〜41cとにより、構成されており、図13を参照し
ながら説明した従来の振動子2に比較すると、装着する
部品点数が大幅に削減されている。
【0043】図3は、振動子31における捩じり振動お
よび縦振動発生用圧電体39の配置と、発生する捩じり
振動および縦振動との関係を示す説明図であり、図3
(a) は振動子31の上面図、図3(b) は捩じり振動およ
び縦振動発生用圧電体39の分極方向を示す説明図、図
3(c) は発生する捩じり振動および縦振動の一例を示す
グラフである。
よび縦振動発生用圧電体39の配置と、発生する捩じり
振動および縦振動との関係を示す説明図であり、図3
(a) は振動子31の上面図、図3(b) は捩じり振動およ
び縦振動発生用圧電体39の分極方向を示す説明図、図
3(c) は発生する捩じり振動および縦振動の一例を示す
グラフである。
【0044】図3(a) 〜図3(c) に示すように、半円柱
状弾性体37、38の接合面に配置される2枚の捩じり
振動および縦振動発生用圧電体39における捩じり振動
発生部44a、45aは、発生する捩じり振動の駆動面
側の節部(図3(c) における位置G)を跨ぐように配置
される。一方、縦振動発生部44b、45bは、発生す
る縦振動の節部(図3(c) における位置H)を跨ぐよう
に配置される。
状弾性体37、38の接合面に配置される2枚の捩じり
振動および縦振動発生用圧電体39における捩じり振動
発生部44a、45aは、発生する捩じり振動の駆動面
側の節部(図3(c) における位置G)を跨ぐように配置
される。一方、縦振動発生部44b、45bは、発生す
る縦振動の節部(図3(c) における位置H)を跨ぐよう
に配置される。
【0045】捩じり振動および縦振動発生用圧電体39
における捩じり振動発生部44a、45aは、圧電定数
d15を利用して、捩じり振動を発生する。すなわち、こ
の捩じり振動発生部44a、45aへ周波電圧が印加さ
れると、捩じり振動発生部44a、45aには電圧印加
方向に応じて剪断変形が発生する。これにより、捩じり
振動を発生する。
における捩じり振動発生部44a、45aは、圧電定数
d15を利用して、捩じり振動を発生する。すなわち、こ
の捩じり振動発生部44a、45aへ周波電圧が印加さ
れると、捩じり振動発生部44a、45aには電圧印加
方向に応じて剪断変形が発生する。これにより、捩じり
振動を発生する。
【0046】図3(b) に示すように、捩じり振動は、手
前側の2枚の捩じり振動発生部44a、45aと、向こ
う側の2枚の捩じり振動発生部45a、44aとによ
り、発生される。各捩じり振動発生部44a、45a
は、手前側の捩じり振動発生部44a、45aと向こう
側の捩じり振動発生部45a、44aとの剪断変形がそ
れぞれに同じ方向への周波電圧が印加された場合に反対
方向になるように、配置される。これにより、振動子3
1にはある方向への捩じり振動が発生する。例えば、図
3(b) に示すように、手前側の2枚の捩じり振動発生部
44a、45aと、向こう側の2枚の捩じり振動発生部
45a、44aとが剪断変形すると、駆動面36aは、
図3(a) 中に白抜き矢印で示す方向に捩じれる。また、
反対方向の電圧を印加すると、逆向きの剪断変形が発生
するため、駆動面36aは反対方向へ捩じれる。
前側の2枚の捩じり振動発生部44a、45aと、向こ
う側の2枚の捩じり振動発生部45a、44aとによ
り、発生される。各捩じり振動発生部44a、45a
は、手前側の捩じり振動発生部44a、45aと向こう
側の捩じり振動発生部45a、44aとの剪断変形がそ
れぞれに同じ方向への周波電圧が印加された場合に反対
方向になるように、配置される。これにより、振動子3
1にはある方向への捩じり振動が発生する。例えば、図
3(b) に示すように、手前側の2枚の捩じり振動発生部
44a、45aと、向こう側の2枚の捩じり振動発生部
45a、44aとが剪断変形すると、駆動面36aは、
図3(a) 中に白抜き矢印で示す方向に捩じれる。また、
反対方向の電圧を印加すると、逆向きの剪断変形が発生
するため、駆動面36aは反対方向へ捩じれる。
【0047】一方、捩じり振動および縦振動発生用圧電
体39における縦振動発生部44b、45bは、圧電定
数d31を利用して、縦振動を発生する。すなわち、この
縦振動発生部44b、45bへ周波電圧が印加される
と、縦振動発生部44b、45bには電圧印加方向に応
じた伸縮変形が発生する。これにより、縦振動が発生す
る。
体39における縦振動発生部44b、45bは、圧電定
数d31を利用して、縦振動を発生する。すなわち、この
縦振動発生部44b、45bへ周波電圧が印加される
と、縦振動発生部44b、45bには電圧印加方向に応
じた伸縮変形が発生する。これにより、縦振動が発生す
る。
【0048】図3(b) に示すように、縦振動は、手前側
の2枚の縦振動発生部44b、45bと、向こう側の2
枚の縦振動発生部45b、44bとにより、発生され
る。各縦振動発生部44b、45bは、手前側の2枚の
縦振動発生部44b、45bと、向こう側の2枚の縦振
動発生部45b、44bとの伸縮変形がそれぞれに同じ
方向への周波電圧が印加された場合に同じ方向になるよ
うに、配置される。これにより、振動子31には伸縮振
動が発生する。
の2枚の縦振動発生部44b、45bと、向こう側の2
枚の縦振動発生部45b、44bとにより、発生され
る。各縦振動発生部44b、45bは、手前側の2枚の
縦振動発生部44b、45bと、向こう側の2枚の縦振
動発生部45b、44bとの伸縮変形がそれぞれに同じ
方向への周波電圧が印加された場合に同じ方向になるよ
うに、配置される。これにより、振動子31には伸縮振
動が発生する。
【0049】〔相対運動部材32〕図1において、相対
運動部材32は、ステンレス鋼や銅合金やアルミニウム
合金等により円柱状に形成された移動子母材53と、高
分子材等を主成分として円板状に形成され、移動子母材
53の振動子側端面53aに貼付された摺動材54とを
有する。
運動部材32は、ステンレス鋼や銅合金やアルミニウム
合金等により円柱状に形成された移動子母材53と、高
分子材等を主成分として円板状に形成され、移動子母材
53の振動子側端面53aに貼付された摺動材54とを
有する。
【0050】移動子母材53の振動子側端面53aと反
対側の端面53bの中心部には、軸方向(図面上の上下
方向)に平行に削られた二つの平面部を有する出力取出
し部55が垂直に設けられる。この出力取出し部55に
嵌まり合う溝部56aを有する出力軸56が設けられて
いる。
対側の端面53bの中心部には、軸方向(図面上の上下
方向)に平行に削られた二つの平面部を有する出力取出
し部55が垂直に設けられる。この出力取出し部55に
嵌まり合う溝部56aを有する出力軸56が設けられて
いる。
【0051】〔加圧機構33〕移動子母材53の端面5
3bの中心部に設けられた出力取出し部55の周囲に
は、ベアリング57が装着される。また、このベアリン
グ57の振動子とは反対の側であって出力取出し部55
の周囲には、後述する固定筒60により支持されたコイ
ルスプリング58が装着される。このコイルスプリング
58のばね力により、ベアリング57は振動子31側へ
押し付けられる。これにより、相対運動部材32は、振
動子31に適当な加圧力で回動自在に加圧接触する。
3bの中心部に設けられた出力取出し部55の周囲に
は、ベアリング57が装着される。また、このベアリン
グ57の振動子とは反対の側であって出力取出し部55
の周囲には、後述する固定筒60により支持されたコイ
ルスプリング58が装着される。このコイルスプリング
58のばね力により、ベアリング57は振動子31側へ
押し付けられる。これにより、相対運動部材32は、振
動子31に適当な加圧力で回動自在に加圧接触する。
【0052】〔ケーシング34〕本実施形態のケーシン
グ34は、支持筒59、固定筒60および底板61とに
より構成され、振動子31、相対運動部材32および加
圧機構33を全て被うとともに、これらの支持を行う。
グ34は、支持筒59、固定筒60および底板61とに
より構成され、振動子31、相対運動部材32および加
圧機構33を全て被うとともに、これらの支持を行う。
【0053】支持筒59は管状の収容体であって、長手
方向略中央部には、スプリングピン62を貫通させる貫
通孔59aが二つ設けられている。本実施形態では、こ
の貫通孔59aと振動子31に設けられた貫通孔43と
に、スプリングピン62を貫通させることにより、振動
子31に発生する振動をできるだけ減衰させずに、支持
筒59により振動子31を固定・保持している。また、
本実施形態では、振動子31と支持筒59との間に、リ
ング形状の樹脂材63a、63bを配置することによ
り、振動子31をその半径方向に関しても位置規制す
る。
方向略中央部には、スプリングピン62を貫通させる貫
通孔59aが二つ設けられている。本実施形態では、こ
の貫通孔59aと振動子31に設けられた貫通孔43と
に、スプリングピン62を貫通させることにより、振動
子31に発生する振動をできるだけ減衰させずに、支持
筒59により振動子31を固定・保持している。また、
本実施形態では、振動子31と支持筒59との間に、リ
ング形状の樹脂材63a、63bを配置することによ
り、振動子31をその半径方向に関しても位置規制す
る。
【0054】支持筒59の上部には、ベアリング57お
よびコイルスプリング58を収容して位置規制するとと
もに支持筒59の内面に嵌まり合う円筒状の収容部60
aを有する固定筒60が装着される。固定筒60の中心
部には、ベアリング64を収容する貫通孔60bが設け
られ、貫通孔60bを介して出力軸56を外部へ導いて
いる。固定筒60には、本実施形態の超音波アクチュエ
ータ30を搭載機器へ固定するための固定孔65aを有
する取り付け部65が設けられる。また、固定筒60に
設けられた貫通孔60cを介して、ボルト66を、支持
筒59に設けられたねじ穴59bにねじ止めすることに
より、固定筒60は支持筒59に締結固定される。
よびコイルスプリング58を収容して位置規制するとと
もに支持筒59の内面に嵌まり合う円筒状の収容部60
aを有する固定筒60が装着される。固定筒60の中心
部には、ベアリング64を収容する貫通孔60bが設け
られ、貫通孔60bを介して出力軸56を外部へ導いて
いる。固定筒60には、本実施形態の超音波アクチュエ
ータ30を搭載機器へ固定するための固定孔65aを有
する取り付け部65が設けられる。また、固定筒60に
設けられた貫通孔60cを介して、ボルト66を、支持
筒59に設けられたねじ穴59bにねじ止めすることに
より、固定筒60は支持筒59に締結固定される。
【0055】このようにして、本実施形態では、振動子
31は支持筒59により固定・保持されるとともに、相
対運動部材32は支持筒59に締結固定される固定筒6
0により回転自在に保持される。
31は支持筒59により固定・保持されるとともに、相
対運動部材32は支持筒59に締結固定される固定筒6
0により回転自在に保持される。
【0056】さらに、また、支持筒59の下部内周面に
はねじ部59cが環状に設けられる。このねじ部59c
に、底板61に環状に突設されたねじ部61aをねじ止
めすることにより、支持筒59に底板61が締結固定さ
れる。底板61には中継基板67が設けられる。この中
継基板67には、リード線68を中継して駆動装置(図
示しない)との間で駆動信号の入力や振動情報の発信を
行うためにコネクタ69が固定される。コネクタ69を
介して、リード線68は、各電極板41a〜41cに設
けられたリード線接続部41a’〜41c’に半田付け
される。なお、接地は、支持筒59を導電性を有する材
料により形成することにより、支持筒59から取ること
ができる。
はねじ部59cが環状に設けられる。このねじ部59c
に、底板61に環状に突設されたねじ部61aをねじ止
めすることにより、支持筒59に底板61が締結固定さ
れる。底板61には中継基板67が設けられる。この中
継基板67には、リード線68を中継して駆動装置(図
示しない)との間で駆動信号の入力や振動情報の発信を
行うためにコネクタ69が固定される。コネクタ69を
介して、リード線68は、各電極板41a〜41cに設
けられたリード線接続部41a’〜41c’に半田付け
される。なお、接地は、支持筒59を導電性を有する材
料により形成することにより、支持筒59から取ること
ができる。
【0057】図4は、本実施形態の超音波アクチュエー
タ30の側面図である。支持筒59の一部には、軸方向
への切欠き部59dが設けられる。これにより、各電極
板41a〜41cに設けられたリード線接続部41a’
〜41c’が支持筒59に接触して短絡することが、防
止される。
タ30の側面図である。支持筒59の一部には、軸方向
への切欠き部59dが設けられる。これにより、各電極
板41a〜41cに設けられたリード線接続部41a’
〜41c’が支持筒59に接触して短絡することが、防
止される。
【0058】本実施形態の超音波アクチュエータ30で
は、ケーシング34により、振動子31および相対運動
部材32を支持する。そのため、ケーシング34の剛性
を高めることで簡単に、支持剛性を高めることが可能と
なった。これにより、従来よりも、駆動効率を向上させ
ることができる。
は、ケーシング34により、振動子31および相対運動
部材32を支持する。そのため、ケーシング34の剛性
を高めることで簡単に、支持剛性を高めることが可能と
なった。これにより、従来よりも、駆動効率を向上させ
ることができる。
【0059】すなわち、図12により示す特開平9−8
4367号公報により提案した振動アクチュエータ1で
は、振動子2および相対運動部材3を貫通する支持軸4
により振動子2および相対運動部材3を支持していた。
そのため、振動子2および相対運動部材3の寸法上の制
約を受けて、支持軸4の径を増加することが難しかっ
た。そのため、振動子2および相対運動部材3に対する
支持剛性が不足しがちであり、振動アクチュエータ1が
大きなトルクを発生すると、トルクの反力により支持軸
4が撓み、その分だけ駆動効率が低下する可能性があっ
た。
4367号公報により提案した振動アクチュエータ1で
は、振動子2および相対運動部材3を貫通する支持軸4
により振動子2および相対運動部材3を支持していた。
そのため、振動子2および相対運動部材3の寸法上の制
約を受けて、支持軸4の径を増加することが難しかっ
た。そのため、振動子2および相対運動部材3に対する
支持剛性が不足しがちであり、振動アクチュエータ1が
大きなトルクを発生すると、トルクの反力により支持軸
4が撓み、その分だけ駆動効率が低下する可能性があっ
た。
【0060】これに対し、本実施形態によれば、ケーシ
ング34の剛性を増加することには、振動子31および
相対運動部材32の寸法上の制約を受けない。そのた
め、例えばケーシング34の肉厚を増加することによ
り、振動子31および相対運動部材32に対する支持剛
性を簡単に増加することができる。これにより、本実施
形態の超音波アクチュエータ30が大きなトルクを発生
しても、振動子31および相対運動部材32を支持する
ケーシング34の撓みを確実に解消することができる。
したがって、支持剛性の不足に起因した駆動効率の低下
を抑制することができる。
ング34の剛性を増加することには、振動子31および
相対運動部材32の寸法上の制約を受けない。そのた
め、例えばケーシング34の肉厚を増加することによ
り、振動子31および相対運動部材32に対する支持剛
性を簡単に増加することができる。これにより、本実施
形態の超音波アクチュエータ30が大きなトルクを発生
しても、振動子31および相対運動部材32を支持する
ケーシング34の撓みを確実に解消することができる。
したがって、支持剛性の不足に起因した駆動効率の低下
を抑制することができる。
【0061】本実施形態の超音波アクチュエータ30
は、以上のように構成される。次に、本実施形態の超音
波アクチュエータ30の作動原理を説明する。
は、以上のように構成される。次に、本実施形態の超音
波アクチュエータ30の作動原理を説明する。
【0062】図5は、本実施形態の振動子31に発生す
る2次の捩じり振動(T2)と1次の縦振動(L1)と
を組み合わせて、駆動面36aに、捩じり振動および縦
振動の合成振動である楕円振動を生じさせることを経時
的に示す説明図である。なお、説明を簡略化して理解を
容易とするため、図5においては、振動子31だけを示
し、相対運動部材32、加圧機構33およびケーシング
34等は全て省略する。
る2次の捩じり振動(T2)と1次の縦振動(L1)と
を組み合わせて、駆動面36aに、捩じり振動および縦
振動の合成振動である楕円振動を生じさせることを経時
的に示す説明図である。なお、説明を簡略化して理解を
容易とするため、図5においては、振動子31だけを示
し、相対運動部材32、加圧機構33およびケーシング
34等は全て省略する。
【0063】図5において、駆動周波数をfとしたとき
の角周波数をω(=2πf)とする。t=0の時点で
は、定点Iについて、捩じり運動の変位は左側に最大で
あるとともに縦振動の変位はゼロである。この状態で、
相対運動部材32は、加圧機構33によって振動子31
の駆動面36aに加圧接触する。
の角周波数をω(=2πf)とする。t=0の時点で
は、定点Iについて、捩じり運動の変位は左側に最大で
あるとともに縦振動の変位はゼロである。この状態で、
相対運動部材32は、加圧機構33によって振動子31
の駆動面36aに加圧接触する。
【0064】このt=0からt=(4/4)・(π/
ω)までは、捩じり運動は左側の最大から右側の最大ま
で変位し、縦振動はゼロから上側の最大に変位し、再び
ゼロに戻る。したがって、振動子31の駆動面36aは
相対運動部材32を押しながら、右方向に回転するた
め、これに伴って、相対運動部材32も右方向へ回転駆
動される。
ω)までは、捩じり運動は左側の最大から右側の最大ま
で変位し、縦振動はゼロから上側の最大に変位し、再び
ゼロに戻る。したがって、振動子31の駆動面36aは
相対運動部材32を押しながら、右方向に回転するた
め、これに伴って、相対運動部材32も右方向へ回転駆
動される。
【0065】次に、t=(4/4)・(π/ω)からt
=(8/4)・(π/ω)、すなわちt=0までは、捩
じり運動は右側の最大から左側の最大まで変位し、縦振
動はゼロから下側の最大に変位し再びゼロに戻る。した
がって、振動子31の駆動面36aは相対運動部材32
から離れながら、左方向に回転するため、相対運動部材
32は駆動されない。なお、このとき、相対運動部材3
2は加圧機構33により振動子31に向けて付勢されて
いるが、加圧機構33の固有振動数は超音波振動域より
も低く、振動子31の超音波周期の縮みに追従できない
ため、相対運動部材32は振動子31に接触しない。
=(8/4)・(π/ω)、すなわちt=0までは、捩
じり運動は右側の最大から左側の最大まで変位し、縦振
動はゼロから下側の最大に変位し再びゼロに戻る。した
がって、振動子31の駆動面36aは相対運動部材32
から離れながら、左方向に回転するため、相対運動部材
32は駆動されない。なお、このとき、相対運動部材3
2は加圧機構33により振動子31に向けて付勢されて
いるが、加圧機構33の固有振動数は超音波振動域より
も低く、振動子31の超音波周期の縮みに追従できない
ため、相対運動部材32は振動子31に接触しない。
【0066】このように、本実施形態の振動子31で
は、捩じり運動の周期と伸縮運動の周期との間の位相差
を約(1/4)λ(ただし、λは波長を示す。)ずらし
て設定すると、駆動面36a上の定点Iには楕円運動が
発生する。このとき、駆動信号の周波数を1次の縦振動
の固有振動数と2次の捩じり振動の固有振動数とにとも
に近い値に設定すると、縦振動振幅および捩じり振動振
幅がともに拡大され、大きな楕円運動が得られる。
は、捩じり運動の周期と伸縮運動の周期との間の位相差
を約(1/4)λ(ただし、λは波長を示す。)ずらし
て設定すると、駆動面36a上の定点Iには楕円運動が
発生する。このとき、駆動信号の周波数を1次の縦振動
の固有振動数と2次の捩じり振動の固有振動数とにとも
に近い値に設定すると、縦振動振幅および捩じり振動振
幅がともに拡大され、大きな楕円運動が得られる。
【0067】次に、本実施形態の超音波アクチュエータ
30を構成する振動子31の組立てについて、説明す
る。図6は、本実施形態の振動子31を組み立てる際に
用いる組立て治具70の構成を示す斜視図である。ま
た、図7は、図6におけるJ−J断面図である。
30を構成する振動子31の組立てについて、説明す
る。図6は、本実施形態の振動子31を組み立てる際に
用いる組立て治具70の構成を示す斜視図である。ま
た、図7は、図6におけるJ−J断面図である。
【0068】組立て治具70は、半円柱状弾性体37を
搭載するベ−ス板71と、ベ−ス板71の上面71aに
垂直に設置されて半円柱状弾性体37、38の駆動面3
6a側を受ける直方体型の受圧部材72と、上面71a
に垂直に設置されて半円柱状弾性体37、38の駆動面
と反対側の端面を加圧する押圧部材73と、上面71a
に垂直に設けられて、半円柱状弾性体37、38の間に
2枚の捩じり振動および縦振動発生用圧電体39と電極
板41とを積層した状態でこれらのズレを防止する2つ
の側面加圧部材74とを備える。
搭載するベ−ス板71と、ベ−ス板71の上面71aに
垂直に設置されて半円柱状弾性体37、38の駆動面3
6a側を受ける直方体型の受圧部材72と、上面71a
に垂直に設置されて半円柱状弾性体37、38の駆動面
と反対側の端面を加圧する押圧部材73と、上面71a
に垂直に設けられて、半円柱状弾性体37、38の間に
2枚の捩じり振動および縦振動発生用圧電体39と電極
板41とを積層した状態でこれらのズレを防止する2つ
の側面加圧部材74とを備える。
【0069】受圧部材72、押圧部材73および2つの
側面加圧部材74は、いずれも図示しない適宜手段によ
り、セットされる半円柱状弾性体37、38に対して、
接近および離間する方向について移動自在に配置され
る。
側面加圧部材74は、いずれも図示しない適宜手段によ
り、セットされる半円柱状弾性体37、38に対して、
接近および離間する方向について移動自在に配置され
る。
【0070】セットされる半円柱状弾性体37、38の
駆動面36aに接触する受圧部材72の平面72aは、
アルミニウム合金や鉄鋼等の硬質材料により構成され
る。
駆動面36aに接触する受圧部材72の平面72aは、
アルミニウム合金や鉄鋼等の硬質材料により構成され
る。
【0071】また、押圧部材73はアルミニウム合金や
鉄鋼等の硬質材料により構成される。押圧部材73と半
円柱状弾性体37、38とが接する平面73aには、硬
質ゴム等の易弾性変形材料からなる押圧部75が装着さ
れる。
鉄鋼等の硬質材料により構成される。押圧部材73と半
円柱状弾性体37、38とが接する平面73aには、硬
質ゴム等の易弾性変形材料からなる押圧部75が装着さ
れる。
【0072】さらに、図7に示すように、受圧部材7
2、押圧部材73には、突起部72b、突起部73bが
それぞれ設けられる。これにより、押圧部材73により
弾性体を押圧して半円柱状弾性体37、38を受圧部材
72に加圧した場合に、駆動面36aに段差を生じず
に、半円柱状弾性体37、38に対する所定の位置に2
枚の捩じり振動および縦振動発生用圧電体39と電極板
41とを配置することができる。
2、押圧部材73には、突起部72b、突起部73bが
それぞれ設けられる。これにより、押圧部材73により
弾性体を押圧して半円柱状弾性体37、38を受圧部材
72に加圧した場合に、駆動面36aに段差を生じず
に、半円柱状弾性体37、38に対する所定の位置に2
枚の捩じり振動および縦振動発生用圧電体39と電極板
41とを配置することができる。
【0073】なお、ベ−ス板71や側面加圧部材74、
さらには突起部72b、73bは、使用に際して大きな
荷重が作用しないため、アルミニウム合金や鉄鋼等の硬
質材料やプラスチック材料等でよい。
さらには突起部72b、73bは、使用に際して大きな
荷重が作用しないため、アルミニウム合金や鉄鋼等の硬
質材料やプラスチック材料等でよい。
【0074】この組立て治具70を用いて、本実施形態
の振動子31は、以下に列記するようにして、組立てら
れる。 (1)組立て治具70の受圧部材72、押圧部材73お
よび2つの側面加圧部材74を、セットされる半円柱状
弾性体37、38に接触しない位置に移動させておく。
次に、ベ−ス板71の平面71aの上に、半円柱状弾性
体37、捩じり振動および縦振動発生用圧電体39、電
極板41(電極板41a〜41c)、捩じり振動および
縦振動発生用圧電体39および半円柱状弾性体38を、
各接触面の全面に接着剤を塗布しながら、この順で積み
重ねる。
の振動子31は、以下に列記するようにして、組立てら
れる。 (1)組立て治具70の受圧部材72、押圧部材73お
よび2つの側面加圧部材74を、セットされる半円柱状
弾性体37、38に接触しない位置に移動させておく。
次に、ベ−ス板71の平面71aの上に、半円柱状弾性
体37、捩じり振動および縦振動発生用圧電体39、電
極板41(電極板41a〜41c)、捩じり振動および
縦振動発生用圧電体39および半円柱状弾性体38を、
各接触面の全面に接着剤を塗布しながら、この順で積み
重ねる。
【0075】このように、3枚の電極板41a〜41c
を個別に設置しても、振動子31の部品点数を大幅に削
減できるが、本実施形態では、3枚の電極板41a〜4
1cを組立て時には接続して1枚に形成しておき、組立
て後に3枚に分割することが、より望ましい。図8は、
このような組立ての際に用いる一体型電極板41’の構
成例を示す説明図である。
を個別に設置しても、振動子31の部品点数を大幅に削
減できるが、本実施形態では、3枚の電極板41a〜4
1cを組立て時には接続して1枚に形成しておき、組立
て後に3枚に分割することが、より望ましい。図8は、
このような組立ての際に用いる一体型電極板41’の構
成例を示す説明図である。
【0076】この一体型電極板41’では、リード線接
続部41a’および41c’が架橋部76により、リー
ド線接続部41b’および突設部41a’’が架橋部7
7により、それぞれ接続される。これにより、3枚の電
極板41a〜41cが、一枚の一体型電極板41’とし
て、形成されている。各電極板41a〜41cそれぞれ
の設置位置関係も所定の装着位置に正確に設定されてい
る。
続部41a’および41c’が架橋部76により、リー
ド線接続部41b’および突設部41a’’が架橋部7
7により、それぞれ接続される。これにより、3枚の電
極板41a〜41cが、一枚の一体型電極板41’とし
て、形成されている。各電極板41a〜41cそれぞれ
の設置位置関係も所定の装着位置に正確に設定されてい
る。
【0077】したがって、組立て治具70による組立て
時には、ベ−ス板71の平面71aの上に半円柱状弾性
体37を載置した後、図8に示すように捩じり振動およ
び縦振動発生用圧電体39、一体型電極板41’、捩じ
り振動および縦振動発生用圧電体39および半円柱状弾
性体38を、各接触面の全面に接着剤を塗布しながら、
この順で積み重ねればよい。架橋部76、77は、リー
ド線接続部41a’〜41c’および突設部41a’’
の一部とともに、半円柱状弾性体37、38の外周面か
ら、突出しており、架橋部76、77は半円柱状弾性体
37、38の接合後に切断される。これにより、電極板
の設置数を低減できるとともに、電極板41a〜41c
の設置位置ずれが解消される。 (2)次に、受圧部材72を移動させ、半円柱状弾性体
37、38の駆動面36aに押し当てる。
時には、ベ−ス板71の平面71aの上に半円柱状弾性
体37を載置した後、図8に示すように捩じり振動およ
び縦振動発生用圧電体39、一体型電極板41’、捩じ
り振動および縦振動発生用圧電体39および半円柱状弾
性体38を、各接触面の全面に接着剤を塗布しながら、
この順で積み重ねればよい。架橋部76、77は、リー
ド線接続部41a’〜41c’および突設部41a’’
の一部とともに、半円柱状弾性体37、38の外周面か
ら、突出しており、架橋部76、77は半円柱状弾性体
37、38の接合後に切断される。これにより、電極板
の設置数を低減できるとともに、電極板41a〜41c
の設置位置ずれが解消される。 (2)次に、受圧部材72を移動させ、半円柱状弾性体
37、38の駆動面36aに押し当てる。
【0078】(3)次に、2つの側面加圧部材74を移
動させ、半円柱状弾性体37、38の外周面に押し当て
る。 (4)次に、押圧部材73を移動させ、半円柱状弾性体
37、38の駆動面36aとは反対側の端面を介して、
半円柱状弾性体37、38を受圧部材72側へ加圧す
る。
動させ、半円柱状弾性体37、38の外周面に押し当て
る。 (4)次に、押圧部材73を移動させ、半円柱状弾性体
37、38の駆動面36aとは反対側の端面を介して、
半円柱状弾性体37、38を受圧部材72側へ加圧す
る。
【0079】この状態では、接着剤は固化していないた
め、押圧部75が弾性変形することにより各部品の長手
方向に関する寸法差が吸収される。これにより、駆動面
36aに段差を生じずに、半円柱状弾性体37、38に
対する所定の位置に2枚の捩じり振動および縦振動発生
用圧電体39と一体型電極板41’として接続された電
極板41a〜41cとが正確に配置される。 (5)次に、半円柱状弾性体37、38をボルト43A
〜43Dにより、所定の締結力で締結固定する。
め、押圧部75が弾性変形することにより各部品の長手
方向に関する寸法差が吸収される。これにより、駆動面
36aに段差を生じずに、半円柱状弾性体37、38に
対する所定の位置に2枚の捩じり振動および縦振動発生
用圧電体39と一体型電極板41’として接続された電
極板41a〜41cとが正確に配置される。 (5)次に、半円柱状弾性体37、38をボルト43A
〜43Dにより、所定の締結力で締結固定する。
【0080】(6)この後、受圧部材72、押圧部材7
3および2つの側面加圧部材74を移動させて、締結固
定された半円柱状弾性体37、38から離し、締結固定
された半円柱状弾性体37、38を組立て治具70から
取り出す。そして、オ−ブン等に装入して、接着剤を加
熱・硬化させる。 (7)接着剤が硬化した後にオーブン等から抽出し、架
橋部76、77を図8における破線を切断線として、切
り落とす。
3および2つの側面加圧部材74を移動させて、締結固
定された半円柱状弾性体37、38から離し、締結固定
された半円柱状弾性体37、38を組立て治具70から
取り出す。そして、オ−ブン等に装入して、接着剤を加
熱・硬化させる。 (7)接着剤が硬化した後にオーブン等から抽出し、架
橋部76、77を図8における破線を切断線として、切
り落とす。
【0081】このように、本実施形態によれば、半円柱
状弾性体37、38の外部側から、圧電体および電極板
の適正位置への位置決めを行うことが可能となる。した
がって、本実施形態によれば、半円柱状弾性体37、3
8により形成される中空部に円柱状の内径ズレ防止部材
を挿入して半円柱状弾性体37、38に対する圧電体お
よび電極板の装着位置ずれを防止するとともに、組立後
に内径ズレ防止部材を取り除く必要がなくなる。
状弾性体37、38の外部側から、圧電体および電極板
の適正位置への位置決めを行うことが可能となる。した
がって、本実施形態によれば、半円柱状弾性体37、3
8により形成される中空部に円柱状の内径ズレ防止部材
を挿入して半円柱状弾性体37、38に対する圧電体お
よび電極板の装着位置ずれを防止するとともに、組立後
に内径ズレ防止部材を取り除く必要がなくなる。
【0082】以上詳細に説明したように、本実施形態の
振動子31によれば、(a)捩じり振動、縦振動それぞ
れ専用の圧電体を用いるのではなく、捩じり振動発生部
44aおよび縦振動発生部44bを一体化した捩じり振
動および縦振動発生用圧電体44を用いること、(b)
半円柱状弾性体37、38それぞれの二つの接合面に配
置される2枚の捩じり振動および縦振動発生部44、4
5を接続部46により接続して一体とした捩じり振動お
よび縦振動発生用圧電体39を用いること、(c)2枚
の捩じり振動および縦振動発生部44、45に装着され
る電極板41a〜41cを、接続部48、50、52に
よりそれぞれ一体化したこと、さらに、(d)組立てに
際しては、電極板41a〜41cを架橋部76、77に
より一体化したことにより、半円柱状弾性体37、38
の間への圧電体および電極板の装着作業性を大幅に改善
して、半円柱状弾性体37、38の所定の装着位置へ簡
単かつ確実に装着できた。
振動子31によれば、(a)捩じり振動、縦振動それぞ
れ専用の圧電体を用いるのではなく、捩じり振動発生部
44aおよび縦振動発生部44bを一体化した捩じり振
動および縦振動発生用圧電体44を用いること、(b)
半円柱状弾性体37、38それぞれの二つの接合面に配
置される2枚の捩じり振動および縦振動発生部44、4
5を接続部46により接続して一体とした捩じり振動お
よび縦振動発生用圧電体39を用いること、(c)2枚
の捩じり振動および縦振動発生部44、45に装着され
る電極板41a〜41cを、接続部48、50、52に
よりそれぞれ一体化したこと、さらに、(d)組立てに
際しては、電極板41a〜41cを架橋部76、77に
より一体化したことにより、半円柱状弾性体37、38
の間への圧電体および電極板の装着作業性を大幅に改善
して、半円柱状弾性体37、38の所定の装着位置へ簡
単かつ確実に装着できた。
【0083】(第2実施形態)次に、本発明にかかる振
動アクチュエータの第2実施形態を説明する。なお、以
降の各実施形態の説明では、前述した第1実施形態と相
違する部分についてだけ説明することとし、共通する部
分には同一の図中符号を付すことにより、重複する説明
を省略する。
動アクチュエータの第2実施形態を説明する。なお、以
降の各実施形態の説明では、前述した第1実施形態と相
違する部分についてだけ説明することとし、共通する部
分には同一の図中符号を付すことにより、重複する説明
を省略する。
【0084】図9は、本実施形態における電極板41の
構成を示す斜視図である。本実施形態が第1実施形態と
相違するのは、リード線接続部41a’〜41c’の形
成位置と、リード線の引回し態様である。
構成を示す斜視図である。本実施形態が第1実施形態と
相違するのは、リード線接続部41a’〜41c’の形
成位置と、リード線の引回し態様である。
【0085】すなわち、第1実施形態では、各電極板4
1a〜41cの側方にリード線接続部41a’〜41
c’を形成して半円柱状弾性体37、38の外周面に突
出させ、また、支持筒59の一部に切欠き59dを設け
て短絡防止を図った。
1a〜41cの側方にリード線接続部41a’〜41
c’を形成して半円柱状弾性体37、38の外周面に突
出させ、また、支持筒59の一部に切欠き59dを設け
て短絡防止を図った。
【0086】これに対し、本実施形態では、図9に示す
ように、電極板41a〜41cの接続部48、50、5
2にリード線接続部41a’〜41c’を設けて、リー
ド線を中空部35を介して外部へ導くようにしている。
ように、電極板41a〜41cの接続部48、50、5
2にリード線接続部41a’〜41c’を設けて、リー
ド線を中空部35を介して外部へ導くようにしている。
【0087】本実施形態により、電極板41aおよび4
1cの架橋部76−1と、電極板41aおよび41bの
架橋部77−1との側方への突出量を、いずれも小さく
設定することができる。これにより、リード線接続部4
1a’〜41c’と支持筒59とが接触するおそれがな
くなり、支持筒59の一部に切欠き59dを設ける必要
がなくなる。そのため、支持筒59の形状簡素化が図ら
れてより低コスト化を図ることができるとともに、超音
波アクチュエータの気密性向上が図られて、例えば多埃
環境下における使用により適応させることができる。
1cの架橋部76−1と、電極板41aおよび41bの
架橋部77−1との側方への突出量を、いずれも小さく
設定することができる。これにより、リード線接続部4
1a’〜41c’と支持筒59とが接触するおそれがな
くなり、支持筒59の一部に切欠き59dを設ける必要
がなくなる。そのため、支持筒59の形状簡素化が図ら
れてより低コスト化を図ることができるとともに、超音
波アクチュエータの気密性向上が図られて、例えば多埃
環境下における使用により適応させることができる。
【0088】
【変形形態】以上詳細に説明した各実施形態では、振動
アクチュエータとして超音波の振動域を利用した超音波
アクチュエータを例にとったが、本発明にかかる振動ア
クチュエータはこのような態様に限定されるものではな
く、他の振動域を利用したものについても、等しく適用
される。
アクチュエータとして超音波の振動域を利用した超音波
アクチュエータを例にとったが、本発明にかかる振動ア
クチュエータはこのような態様に限定されるものではな
く、他の振動域を利用したものについても、等しく適用
される。
【0089】また、各実施形態の説明では、振動子に2
次の捩じり振動と1次の縦振動とが生じる場合を例にと
ったが、本発明にかかる振動アクチュエータは発生する
捩じり振動、縦振動それぞれの次数には限定されるもの
ではなく、例えば捩じり振動:1次、縦振動:1次等
の、他の次数の捩じり振動および縦振動を利用した振動
アクチュエータについても等しく適用される。
次の捩じり振動と1次の縦振動とが生じる場合を例にと
ったが、本発明にかかる振動アクチュエータは発生する
捩じり振動、縦振動それぞれの次数には限定されるもの
ではなく、例えば捩じり振動:1次、縦振動:1次等
の、他の次数の捩じり振動および縦振動を利用した振動
アクチュエータについても等しく適用される。
【0090】また、各実施形態の説明では、電気機械変
換素子が圧電体により構成される場合を例にとったが、
本発明にかかる振動アクチュエータはこのような態様に
限定されるものではなく、電気エネルギーと機械エネル
ギーとの間の変換を行うことができる素子であれば等し
く適用される。圧電体以外に、例えば電歪素子や磁歪素
子等を例示することができる。
換素子が圧電体により構成される場合を例にとったが、
本発明にかかる振動アクチュエータはこのような態様に
限定されるものではなく、電気エネルギーと機械エネル
ギーとの間の変換を行うことができる素子であれば等し
く適用される。圧電体以外に、例えば電歪素子や磁歪素
子等を例示することができる。
【0091】また、各実施形態の説明では、振動子が略
円筒体である場合を例にとったが、本発明にかかる振動
アクチュエータはこのような態様に限定されるものでは
なく、例えば角筒体等の他の筒体であっても等しく適用
される。
円筒体である場合を例にとったが、本発明にかかる振動
アクチュエータはこのような態様に限定されるものでは
なく、例えば角筒体等の他の筒体であっても等しく適用
される。
【0092】また、各実施形態の説明では、二つの弾性
体を組み合わせて振動子を構成したが、本発明にかかる
振動アクチュエータはこのような態様に限定されるもの
ではなく、3つまたはそれ以上の数の弾性体により振動
子が構成されていても等しく適用される。
体を組み合わせて振動子を構成したが、本発明にかかる
振動アクチュエータはこのような態様に限定されるもの
ではなく、3つまたはそれ以上の数の弾性体により振動
子が構成されていても等しく適用される。
【0093】また、各実施形態の説明では、電気機械変
換素子、電極板それぞれの接続部が一つである場合を例
にとったが、本発明にかかる振動アクチュエータはこの
ような態様に限定されるものではなく、二つ以上であっ
てもよい。図10は、5つの接続部78a〜78eを有
する電気機械変換素子39−1を示す斜視図である。こ
の場合、電気機械変換素子39−1には、ボルト43A
〜43Dが貫通する貫通孔79a〜79eが設けられて
おり、これにより、残余部分が接続部78a〜78eと
して作用する。図10に示す電気機械変換素子39−1
によれば、電気機械変換素子39−1への加工量を最小
限にすることができるとともに、ハンドリング時等にお
ける電気機械変換素子39−1の変形を最小限に抑制す
ることができる。
換素子、電極板それぞれの接続部が一つである場合を例
にとったが、本発明にかかる振動アクチュエータはこの
ような態様に限定されるものではなく、二つ以上であっ
てもよい。図10は、5つの接続部78a〜78eを有
する電気機械変換素子39−1を示す斜視図である。こ
の場合、電気機械変換素子39−1には、ボルト43A
〜43Dが貫通する貫通孔79a〜79eが設けられて
おり、これにより、残余部分が接続部78a〜78eと
して作用する。図10に示す電気機械変換素子39−1
によれば、電気機械変換素子39−1への加工量を最小
限にすることができるとともに、ハンドリング時等にお
ける電気機械変換素子39−1の変形を最小限に抑制す
ることができる。
【0094】また、各実施形態では、振動発生部44、
45と接続部46とを一体に形成して捩じり振動および
縦振動発生用圧電体39を構成したが、本発明にかかる
振動アクチュエータはこのような態様に限定されるもの
ではなく、各振動発生部44、45および接続部46を
別部品として形成した後に適宜手段(例えば接着)によ
り接続することにより、捩じり振動および縦振動発生用
圧電体39を形成してもよい。これにより、特に接続部
46に対する形状の自由度を増加することができる。す
なわち、捩じり振動および縦振動発生用圧電体39は、
2つの振動発生部44、45が接続部46により接続さ
れていればよい。
45と接続部46とを一体に形成して捩じり振動および
縦振動発生用圧電体39を構成したが、本発明にかかる
振動アクチュエータはこのような態様に限定されるもの
ではなく、各振動発生部44、45および接続部46を
別部品として形成した後に適宜手段(例えば接着)によ
り接続することにより、捩じり振動および縦振動発生用
圧電体39を形成してもよい。これにより、特に接続部
46に対する形状の自由度を増加することができる。す
なわち、捩じり振動および縦振動発生用圧電体39は、
2つの振動発生部44、45が接続部46により接続さ
れていればよい。
【0095】また、各実施形態の説明では、電気機械変
換素子39、電極板41それぞれの接続部46、48等
は中空部35を直線状に通過する場合を例にとったが、
本発明にかかる振動アクチュエータはこのような態様に
限定されるものではなく、曲線状に屈曲して通過する場
合も包含される。図11は、電気機械変換素子39−
2、電極板41−2がいずれも半円柱状弾性体37、3
8の内周面にならう円弧状に、中空部35を通過する形
態を示す説明図である。この場合、中空部35に棒状の
支持軸を挿入して、振動子および相対運動部材の支持を
行うようにしてもよい。前述したように、振動子および
相対運動部材の支持剛性の確保が難しくなるが、振動ア
クチュエータ全体の外寸を小さく抑制することができ、
特に狭隘部への振動アクチュエータの取り付け性を向上
することができる。
換素子39、電極板41それぞれの接続部46、48等
は中空部35を直線状に通過する場合を例にとったが、
本発明にかかる振動アクチュエータはこのような態様に
限定されるものではなく、曲線状に屈曲して通過する場
合も包含される。図11は、電気機械変換素子39−
2、電極板41−2がいずれも半円柱状弾性体37、3
8の内周面にならう円弧状に、中空部35を通過する形
態を示す説明図である。この場合、中空部35に棒状の
支持軸を挿入して、振動子および相対運動部材の支持を
行うようにしてもよい。前述したように、振動子および
相対運動部材の支持剛性の確保が難しくなるが、振動ア
クチュエータ全体の外寸を小さく抑制することができ、
特に狭隘部への振動アクチュエータの取り付け性を向上
することができる。
【0096】さらに、各実施形態の説明では、電気機械
変換素子はPZT板により構成しているが、本発明にか
かる振動アクチュエータは、このような態様に限定され
るものではなく、例えば、素材を型を用いて圧縮成形し
焼結させて形成したり、溶射により弾性体の接合面に直
接に電気機械変換素子を形成してもよい。特に、図11
に示すように、電気機械変換素子を曲面状に形成する必
要がある場合には、PZTの加工性の点で溶射によるこ
とが望ましい。
変換素子はPZT板により構成しているが、本発明にか
かる振動アクチュエータは、このような態様に限定され
るものではなく、例えば、素材を型を用いて圧縮成形し
焼結させて形成したり、溶射により弾性体の接合面に直
接に電気機械変換素子を形成してもよい。特に、図11
に示すように、電気機械変換素子を曲面状に形成する必
要がある場合には、PZTの加工性の点で溶射によるこ
とが望ましい。
【0097】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
本発明によれば、電気機械変換素子の部品点数を半減で
きるため、捩じり振動および縦振動を利用した異形モー
ド縮退型の振動アクチュエータの組立ての際に発生し易
かった圧電素子の装着位置ずれを、組立てコストの上昇
を伴わずに、確実に解消することができる。
本発明によれば、電気機械変換素子の部品点数を半減で
きるため、捩じり振動および縦振動を利用した異形モー
ド縮退型の振動アクチュエータの組立ての際に発生し易
かった圧電素子の装着位置ずれを、組立てコストの上昇
を伴わずに、確実に解消することができる。
【0098】また、請求項2の本発明によれば、電極板
の部品点数も半減できるため、捩じり振動および縦振動
を利用した異形モード縮退型の振動アクチュエータの組
立ての際に発生し易かった電極板の装着位置ずれを、組
立てコストの上昇を伴わずに、確実に解消することがで
きる。
の部品点数も半減できるため、捩じり振動および縦振動
を利用した異形モード縮退型の振動アクチュエータの組
立ての際に発生し易かった電極板の装着位置ずれを、組
立てコストの上昇を伴わずに、確実に解消することがで
きる。
【0099】また、請求項3の本発明によれば、圧電素
子および電極板の一方または双方の装着位置ずれを、振
動アクチュエータの性能を低下することなく、確実に解
消することができる。
子および電極板の一方または双方の装着位置ずれを、振
動アクチュエータの性能を低下することなく、確実に解
消することができる。
【0100】さらに、請求項4の本発明によれば、圧電
素子および電極板の一方または双方の装着位置ずれを、
振動アクチュエータを構成する振動子および相対運動部
材の支持剛性を充分に確保しながら、確実に解消するこ
とができる。
素子および電極板の一方または双方の装着位置ずれを、
振動アクチュエータを構成する振動子および相対運動部
材の支持剛性を充分に確保しながら、確実に解消するこ
とができる。
【図1】第1実施形態の超音波アクチュエータを示す縦
断面図である。
断面図である。
【図2】第1実施形態で用いる振動子を構成する半円柱
状弾性体と、捩じり振動および縦振動発生用圧電体と、
電極板とを分解した状態で示す斜視図である。
状弾性体と、捩じり振動および縦振動発生用圧電体と、
電極板とを分解した状態で示す斜視図である。
【図3】振動子における捩じり振動および縦振動発生用
圧電体の配置と、発生する捩じり振動および縦振動との
関係を示す説明図であり、図3(a) は振動子の上面図、
図3(b) は捩じり振動および縦振動発生用圧電体の分極
方向を示す説明図、図3(c) は発生する捩じり振動およ
び縦振動の一例を示すグラフである。
圧電体の配置と、発生する捩じり振動および縦振動との
関係を示す説明図であり、図3(a) は振動子の上面図、
図3(b) は捩じり振動および縦振動発生用圧電体の分極
方向を示す説明図、図3(c) は発生する捩じり振動およ
び縦振動の一例を示すグラフである。
【図4】第1実施形態の超音波アクチュエータの側面図
である。
である。
【図5】第1実施形態の振動子に発生する2次の捩じり
振動(T2)と1次の縦振動(L1)とを組み合わせ
て、駆動面に、捩じり振動および縦振動の合成振動であ
る楕円振動を生じさせることを経時的に示す説明図であ
る。
振動(T2)と1次の縦振動(L1)とを組み合わせ
て、駆動面に、捩じり振動および縦振動の合成振動であ
る楕円振動を生じさせることを経時的に示す説明図であ
る。
【図6】第1実施形態の振動子を組み立てる際に用いる
組立て治具の構成を示す斜視図である。
組立て治具の構成を示す斜視図である。
【図7】図6におけるJ−J断面図である。
【図8】振動子の組立ての際に用いる一体型電極板の構
成例を示す説明図である。
成例を示す説明図である。
【図9】第2実施形態における電極板の構成を示す斜視
図である。
図である。
【図10】5つの接続部を有する電気機械変換素子を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図11】電気機械変換素子、電極板がいずれも半円柱
状弾性体の内面にならう円弧状に中空部を通過する形態
を示す説明図である。
状弾性体の内面にならう円弧状に中空部を通過する形態
を示す説明図である。
【図12】本出願人が先に特開平9−84367号公報
により提案した、縦振動および捩じり振動を利用した異
形モ−ド縮退型の振動子を備える振動アクチュエータを
分解状態で示す斜視図である。
により提案した、縦振動および捩じり振動を利用した異
形モ−ド縮退型の振動子を備える振動アクチュエータを
分解状態で示す斜視図である。
【図13】図12に示す振動アクチュエータを構成する
振動子を分解状態で示す斜視図である。
振動子を分解状態で示す斜視図である。
30 振動アクチュエータ 31 振動子 34 ケーシング 35 中空部 37、38 半円柱状弾性体 39 捩じり振動および縦振動発生用圧電体 41 電極部材 44、45 振動発生部 46 接続部 47 電気エネルギ授受部 48 接続部
Claims (4)
- 【請求項1】 互いに接合されて配置されることにより
軸方向へ貫通する中空部を有する筒体を形成する複数の
弾性体と、当該弾性体の二つの接合部にそれぞれ設けら
れて前記弾性体に捩じり振動および縦振動を発生させる
電気機械変換素子とを有する振動子を備える振動アクチ
ュエータであって、 前記電気機械変換素子は、前記接合部に設けられる二つ
の振動発生部と、二つの当該振動発生部を接続するとと
もに前記中空部を通過する1または2以上の接続部とを
有することを特徴とする振動アクチュエータ。 - 【請求項2】 請求項1に記載された振動アクチュエー
タにおいて、 前記振動子は、二つの前記振動発生部との間で電気エネ
ルギーの授受を行う二つの電気エネルギ授受部と、二つ
の当該電気エネルギ授受部を接続するとともに前記中空
部を通過する接続部とを有する電極部材を有することを
特徴とする振動アクチュエータ。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された振
動アクチュエータにおいて、 前記電気機械変換素子の前記接続部、および/または、
前記電極部材の前記接続部は、前記弾性体に発生する前
記捩じり振動および/または前記縦振動の節位置または
その近傍において、前記中空部を通過することを特徴と
する振動アクチュエータ。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記振動子は、少なくとも当該振動子を被うケーシング
により、支持されることを特徴とする振動アクチュエー
タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9307483A JPH11146673A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 振動アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9307483A JPH11146673A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 振動アクチュエータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11146673A true JPH11146673A (ja) | 1999-05-28 |
Family
ID=17969636
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9307483A Withdrawn JPH11146673A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 振動アクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11146673A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008130767A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Canon Inc | 振動体の製造方法、振動体および振動型駆動装置 |
WO2012063823A1 (ja) * | 2010-11-10 | 2012-05-18 | Negishi Hirokazu | 振動波モータ及び同モータを駆動源とする発音装置 |
-
1997
- 1997-11-10 JP JP9307483A patent/JPH11146673A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008130767A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Canon Inc | 振動体の製造方法、振動体および振動型駆動装置 |
WO2012063823A1 (ja) * | 2010-11-10 | 2012-05-18 | Negishi Hirokazu | 振動波モータ及び同モータを駆動源とする発音装置 |
JPWO2012063823A1 (ja) * | 2010-11-10 | 2014-05-12 | ニッコー株式会社 | 振動波モータ及び同モータを駆動源とする発音装置 |
JP5873802B2 (ja) * | 2010-11-10 | 2016-03-01 | ニッコー株式会社 | 振動波モータ及び同モータを駆動源とする発音装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2014018027A (ja) | 振動型アクチュエータ、撮像装置、及びステージ | |
JPH11146673A (ja) | 振動アクチュエータ | |
JPH10243668A (ja) | 振動アクチュエータ | |
JP2007185049A (ja) | 振動子及び振動波駆動装置 | |
JP2003102185A (ja) | 振動型アクチュエータおよび振動型駆動装置 | |
US6198201B1 (en) | Vibration wave apparatus | |
JPH09121570A (ja) | 振動アクチュエータ | |
JPH0345986B2 (ja) | ||
JP3444504B2 (ja) | 超音波振動子 | |
JPH10163541A (ja) | 電気機械変換素子,その製造方法,振動アクチュエータ及びその製造方法 | |
JPH09163768A (ja) | 振動アクチュエータの製造法 | |
EP4275462B1 (en) | Mounting arrangement for piezo motor element | |
JPH08242593A (ja) | 振動アクチュエータ | |
JPH05344759A (ja) | 超音波モータ | |
JPH10146070A (ja) | 振動アクチュエータ及びそのチューニング法 | |
JP3550578B2 (ja) | 振動アクチュエータ | |
JPH10271853A (ja) | 振動アクチュエータ及びその駆動方法 | |
JP3550579B2 (ja) | 振動アクチュエータ | |
JPH09233864A (ja) | 振動アクチュエータ | |
JP3113481B2 (ja) | 圧電モータ | |
JP2001095269A (ja) | 振動アクチュエータ | |
JPH0965672A (ja) | 振動アクチュエータ | |
JP2001225013A (ja) | 振動アクチュエータ | |
JPH10285958A (ja) | 振動アクチュエータ | |
JPH1028385A (ja) | 振動アクチュエータを備えた駆動装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050201 |