JP2007166816A - 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動方法、および電子機器 - Google Patents

圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動方法、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】出力の調整を十分な範囲で容易に実施できる圧電アクチュエータの提供。
【解決手段】振動体266において、第1駆動電極851と第2駆動電極852とにそれぞれ供給される第1駆動信号S1と第2駆動信号S2+/S2−との間に位相差を持たせた。この位相差により、屈曲振動の振幅を可変にでき、所望の楕円軌跡Eを実現できる。このような駆動信号の位相差の設定と併せて、第1駆動電極851の幅の変更を行うことにより、屈曲振動の調整を通じて楕円軌跡Eを自在に調整可能となり、所望の駆動特性を実現する理想的な楕円軌跡Eを実現できる。このことから、各駆動電極851,852のサイズなどに関わらず、圧電アクチュエータとしての出力調整を十分な範囲で容易に実施できる。これにより、駆動信号に位相差をつけない場合の略2倍の駆動効率に達するほどまでに、出力向上を図ることができ、また、逆方向への駆動も可能となる。
【選択図】図12

Description

本発明は、圧電素子を有する振動体の振動を被駆動体に伝達して駆動する圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動方法、および電子機器に関する。
従来、小型化に適する定在波方式の圧電アクチュエータにおいて、圧電素子への単相の駆動信号の供給により、縦振動と屈曲振動との混合モードで動作し、被駆動体への当接部の略楕円運動により、ロータなどの被駆動体を高効率で駆動できることが知られている。
ここで、縦振動と屈曲振動との混合モードによる楕円運動を実現するために、略矩形の板状の圧電素子の図心に対して回転対称となるように電極を設け、圧電素子の長手方向に対してアンバランスな電極配置としていた(例えば、特許文献1)。さらに、振動体の振動軌跡の切り替えによってロータを正逆回転させる場合は、圧電素子における一方の対角線上に正転用の電極を設け、他方の対角線上に逆転用の電極を設けるなど、圧電素子の長手方向に沿った中心線に対して略線対称となるように、電極をそれぞれ配置していた(特許文献1)。
一方、こうした電極の配置をアンバランスにする以外に、圧電素子の矩形平面を縦横二等分して4分割される領域に電極をそれぞれ設け、一方の対角線上に配置された電極に供給する駆動信号と、他方の対角線上に配置された電極に供給する駆動信号との間で0°〜180°の位相差を持たせることによって楕円運動を実現することも提案されている(特許文献2)。
特開2004−304938号公報(図7) 特開2000−295876号公報(明細書段落「0023」)
しかしながら、特許文献1のように電極のレイアウトによって楕円運動を実現する方法では、駆動信号を供給する駆動電極を圧電素子の表面に大きく設けたとしても、同一の圧電素子サイズ、同一の投入電力における出力にはもはや限界がある。また、電極の形状や大きさ、位置には制約があるため、電極配置によって更なる出力向上を図ることは難しい。
一方、特許文献2では、2つの駆動信号の位相差を0°〜180°の範囲で調整することにより、楕円運動の軌跡における長径短径の長さおよび長軸の傾きが調整されているが、このように楕円軌跡の長軸の傾きを変化させることで得られる楕円軌跡の形状は限られており、被駆動体の駆動に最適な軌跡を得ているとは言い難い。特許文献2には、楕円軌跡がいくつか例示されているが、位相差の調整により何故、楕円軌跡が変わるかについての説明はない。このため、被駆動体を駆動する適正なトルクを得ることが難しく、また、組み立て等の要因で振動特性がばらつきやすい振動体の製造誤差に十分対応することも困難である。
ここで、本発明の目的は、電極の配置やサイズによらず出力向上を図ることができ、さらに、出力の調整を十分な範囲で容易に実施できる圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動方法、および電子機器を提供することにある。
本発明の圧電アクチュエータは、略矩形状の圧電素子を有して前記圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備え、この振動体の振動を被駆動体に伝達して駆動する圧電アクチュエータであって、前記圧電素子には、当該圧電素子の長手方向に沿って設けられる第1駆動電極と、前記圧電素子の幅方向両側で前記圧電素子の長手方向における離間位置にそれぞれ配置される一対の第2駆動電極とが設けられ、前記駆動信号は、前記第1駆動電極に供給される第1駆動信号と、前記第2駆動電極にそれぞれ供給される第2駆動信号とを含み、前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とは、位相差を有することを特徴とする。
本発明の圧電アクチュエータの駆動方法は、略矩形状の圧電素子を有して前記圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備え、この振動体の振動を被駆動体に伝達して駆動する圧電アクチュエータの駆動方法であって、前記圧電素子には、当該圧電素子の長手方向に沿って設けられる第1駆動電極と、前記圧電素子の幅方向両側で前記圧電素子の長手方向における離間位置にそれぞれ配置される一対の第2駆動電極とを設け、前記第1駆動電極には、所定の第1駆動信号を供給するとともに、前記第2駆動電極には、前記第1駆動信号の位相に対して位相差を有する第2駆動信号を供給することを特徴とする。
これらの発明によれば、第1駆動電極および第2駆動電極にそれぞれ第1駆動信号、第2駆動信号を供給することにより、振動体は、圧電素子の長手方向に沿って縦一次振動(以下、縦振動という)を励振するとともに、圧電素子の幅方向両側で各第2駆動電極における圧電素子の伸縮が振動体全体の挙動においてアンバランスとなることから、圧電素子の長手方向と直交する方向に屈曲二次振動(以下、屈曲振動という)を誘起し、これら縦振動と屈曲振動との混合モードで動作する。
ここで、主として縦振動を励振する第1駆動信号と主として屈曲振動を励振する第2駆動信号との間に位相差を持たせたため、縦振動と屈曲振動との重なりにより、楕円形状(円も含む)の軌跡を実現できる。例えば、縦振動と屈曲振動とが90°の位相差で組み合わさった軌跡(リサージュ図形)は楕円軌跡となるが、屈曲振動は縦振動に対して遅れるため、位相差90°を正の方向にずらす、つまり、位相差を100°などとすることにより、楕円の長軸が縦振動の方向にほぼ沿った楕円軌跡となる。これにより、振動体に所定の接触圧で当接された被駆動体と振動体との摩擦力が大きくなるので、高負荷の被駆動体を駆動できる。一方、位相差90°を負の方向にずらす、つまり、位相差を80°などとすることにより、縦振動に対して屈曲振動が遅れる度合が大きくなり、その結果、上記の楕円軌跡とは回り方向が逆の楕円軌跡となり、被駆動体を逆方向に駆動することが可能となる。このように、位相差の選定により屈曲振動が調整され、所望の駆動特性を実現する楕円軌跡に調整できる。
なお、第1、第2信号の位相差を設定する際には、縦振動に対する屈曲振動の遅れ(振動体固有の縦振動および屈曲振動の位相差)を加味する。すなわち、(振動体固有の縦振動および屈曲振動の位相差)をβと置くと、第1、第2駆動信号の設定位相差αは次のような関係式(1)を基に決められる。
[数式]
−90°+β< α < 90°+β ・・・(1)
ここで、βの具体的な数値は、例えば20°であり、第1、第2駆動信号の設定位相差αは、例えば、−70°< α < 110°などの範囲で決められる。
また、本発明では、圧電素子の長手方向に沿って第1駆動電極が設けられており、この第1駆動電極の圧電素子における寸法、形状等の変更を第1、第2駆動信号の位相差の設定と併せて行うことによって、楕円軌跡を自在に調整可能となる。すなわち、振動体は第1駆動電極により主として縦振動を励振し、第2駆動電極により主として屈曲振動を励振するところ、第1駆動電極の幅を太くするとそれに伴って圧電素子の長さ方向への変位が大きくなり、被駆動体への加圧力が高くなって振動体と被駆動体との間の摩擦力が増加するため、高負荷の被駆動体を駆動できる。反対に、第1駆動電極の幅を細くすると屈曲を主に励振する第2駆動電極の面積が増えることになり、圧電素子の幅方向への変位が大きくなるため、振動体との接線方向に被駆動体を高速で駆動できる。
以上により、本発明によれば、第1、第2駆動信号の位相差の設定および第1駆動電極の幅に応じて屈曲振動を自在に励振でき、所望の楕円運動を実現できるので、電極のサイズ、形状などに関わらず、出力調整を十分な範囲で容易に実施でき、出力向上をも図ることができる。また、振動体の組み立てなどの要因による製造誤差にも十分対応できる。さらに、第1、第2駆動信号の位相差の変更により定常的に速度調整することが可能となり、速度制御するために起動、停止を繰り返す間欠駆動などと比べて振動体の磨耗を格段に抑制できる。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記第2駆動電極は、前記圧電素子の一方の対角線上両側にそれぞれ配置され、前記圧電素子の他方の対角線上両側には、第3駆動信号が供給される一対の第3駆動電極がそれぞれ配置され、前記被駆動体は、前記圧電素子における前記第2駆動信号の供給と前記第3駆動信号の供給とがいずれかに切り替えられることにより、前記振動体の振動軌跡が互いに異なる正方向と逆方向とのいずれかに駆動され、前記第2駆動信号および前記第3駆動信号は、前記第1駆動信号に対してそれぞれ位相差を有することが好ましい。
この発明によれば、第1駆動信号、第2駆動信号の位相差と、第1駆動信号、第3駆動信号の位相差とがそれぞれ調整可能となるので、正方向駆動時、逆方向駆動時における被駆動体の駆動トルク、駆動速度などを別々に調整できる。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記圧電素子の前記第1駆動電極の両側の領域は、当該圧電素子の長手方向にそれぞれ二分され、前記圧電素子の一方の対角線上両側に配置された領域は、前記第2駆動電極とされ、前記圧電素子の他方の対角線上両側に配置された残余領域には、駆動信号が供給されないことが好ましい。
この発明によれば、各第2駆動電極に隣接して、駆動信号を供給しない残余領域を設けることで、主として第2駆動電極により励振される屈曲振動に寄与しない無駄な動きによって楕円軌跡の形成が阻害されることがなく、所望の楕円軌跡を実現できる。すなわち、各第2駆動電極には屈曲振動の腹が含まれ、仮に残余領域に駆動信号を供給するとすれば、振動体における楕円軌跡における屈曲が弱まり、良好な楕円運動を実現できないおそれがある。したがって、第2駆動電極と隣接する各残余領域には駆動信号を供給せずに開放しておけば、このような不都合をなくすことができる。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記残余領域には、前記第2駆動信号の位相とはほぼ逆位相の駆動信号が供給される逆位相電極が設けられることが好ましい。
この発明によれば、第2駆動電極が設けられた圧電素子の部分が伸張する際、逆位相電極が設けられた圧電素子の部分は収縮し、反対に、第2駆動電極が設けられた圧電素子の部分が収縮する際、逆位相電極が設けられた圧電素子の部分は伸張する。つまり、第2電極による圧電素子の伸縮に逆位相電極が設けられた圧電素子の部分が追従することから、縦振動および屈曲振動の振幅を共に大きくできる。これにより、第1、第2駆動電極のみに駆動信号を供給した場合よりも大きな駆動力が得られる。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記圧電素子には、前記第1駆動電極および前記第2駆動電極が設けられた領域以外の領域に前記振動体の振動を検出する検出電極が設けられ、前記第1駆動信号および前記第2駆動信号のいずれか一方の位相と前記検出電極により検出される検出信号の位相との位相差に前記第1駆動信号および前記第2駆動信号の周波数を追従させる周波数制御が実施されることが好ましい。
この発明によれば、所望の駆動状態を実現する駆動信号と検出信号との目標位相差が規定され、検出電極による検出信号と駆動信号との位相差をフィードバックし、この位相差に駆動信号の周波数が追従するように可変制御する周波数制御を行うことにより、所望の駆動状態をより確実に実現できる。このような周波数制御により、駆動信号を共振周波数近傍に維持し、小型の圧電アクチュエータであっても高出力を確保できる。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記振動体は、前記第1駆動信号の位相に対する前記第2駆動信号の位相が正に調整された際に、所定の振動軌跡を描いて前記被駆動体を所定の正方向に駆動し、前記第1駆動信号の位相に対する前記第2駆動信号の位相が負に調整された際に、前記振動軌跡とは異なる振動軌跡を描いて前記被駆動体を前記正方向とは逆の方向に駆動することが好ましい。
また、本発明の圧電アクチュエータの駆動方法では、前記第1駆動信号の位相に対して前記第2駆動信号の位相を正に調整し、前記振動体の所定の振動軌跡により前記被駆動体を所定の正方向に駆動させるとともに、前記第1駆動信号の位相に対して前記第2駆動信号の位相を負に調整し、前記振動軌跡とは異なる前記振動体の振動軌跡により前記被駆動体を前記正方向とは逆の方向に駆動させることが好ましい。
この発明によれば、第1駆動信号の位相に対する第2駆動信号の位相差の正負の調整により、被駆動体を正方向、逆方向ともに駆動することが可能であって、つまり、第1駆動電極および第2駆動電極だけで、被駆動体の正方向、逆方向への駆動を実現する。すなわち、駆動に使用する駆動電極を正方向への駆動時および逆方向への駆動時で同一にできる。仮に、電極の配置だけで正逆に駆動しようとすると、例えば、圧電素子の一方の対角線上、および他方の対角線上にそれぞれ、正方向への駆動用の電極、および逆方向への駆動用の電極をそれぞれ対称に設ける必要があり、正方向への駆動時には逆方向駆動用の電極は使用されず、逆方向への駆動時には正方向駆動用の電極は使用されないので、圧電素子において駆動に使用される領域は例えば2/3程度に過ぎなかった。これに対して本発明では、被駆動体の正方向への駆動用とは別に、逆方向への駆動用に駆動電極を用意することを不要にでき、圧電素子の領域の略全体を駆動に使用することができるため、同一の圧電素子サイズにおいて駆動力を向上させることが可能となる。このように、圧電素子における電極のサイズや形状、配置などを自在にできることから、屈曲振動の調整が容易となる。また、実装が容易な電極の配置を採用することも可能となり、低コスト化を促進できる。
そして、駆動に使用する駆動電極は、正逆を通じて、第1、第2駆動電極で一定であるため、これら第1、第2駆動電極以外の領域の、圧電素子において最も振動検出に適した位置に振動の検出電極を設けることが可能となり、振動体の振動を良好に検出できる。
さらに、第1駆動電極および第2駆動電極以外に別途、検出電極を設けることで、第1、第2駆動電極を振動検出に兼用することが不要となり、これら第1、第2駆動電極を振動検出時の高電圧に耐える回路構成としなくて済むため、回路を簡略化でき、低コスト化を図ることができる。
ここで、本発明の発明者による実験により、第1駆動電極と第2駆動電極とに同じ位相(位相差0°)の駆動信号を供給した際、原則、被駆動体は正方向に駆動されるが、所定の周波数帯域では、被駆動体が逆方向に駆動されることが判明している。これに基いて、第1駆動信号に対する第2駆動信号の位相差を負に調整することにより、被駆動体が逆方向に駆動される周波数帯域が増加し、被駆動体をより確実に逆転させることが可能となる。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記検出電極は、前記振動体において、縦振動による歪と屈曲振動による歪とがほぼ同等となる領域に設けられることが好ましい。
この発明によれば、縦振動の歪および屈曲振動の歪がほぼ同等となる領域に検出電極が設けられた構成において、前述の通り第1、第2駆動信号の位相差が調整されると、正方向、逆方向のいずれの方向にも被駆動体が駆動される。これにより、検出電極では、主として縦振動の歪が寄与する正方向への駆動時における振動も、主として屈曲振動の歪が寄与する逆方向への駆動時における振動も、いずれをも検出できるので、正、逆の駆動時における振動検出が1つの検出電極で済む。すなわち、実装が容易化され、低コスト化が図られる。
なお、第1、第2駆動電極に同じ位相の駆動信号が供給された際に縦振動の歪および屈曲振動の歪が検出電極の位置においてほぼ同等となるのは、駆動周波数に対して、被駆動体が正方向に最大効率で駆動する際の周波数と、被駆動体が逆方向に最大効率で駆動する際の周波数との略中間の駆動周波数とされる場合などである。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記検出電極は、前記振動体における屈曲振動の節の近傍と、屈曲振動の腹の近傍とにそれぞれ設けられることが好ましい。
この発明によれば、前述のように、第1、第2駆動信号の位相差を調整可能とする構成により圧電素子における電極配置を自在にできることから、振動体における屈曲振動の節の近傍に正方向への駆動時に用いる検出電極を設け、屈曲振動の腹の近傍に逆方向への駆動時に用いるもう1つの検出電極を設けることが可能となる。
そして、前記の屈曲振動の節の近傍に検出電極が設けられていることにより、正方向への駆動時、検出電極における屈曲振動の振動成分がキャンセルされ、主として縦振動の歪が寄与する正方向への駆動時における振動を良好に検出できるので、この検出電極からの検出信号を基に、正方向への駆動を実現する周波数に確実に制御できる。
また、前記の屈曲振動の腹の近傍にも検出電極が設けられていることにより、逆方向への駆動時、検出電極における縦振動の振動成分がキャンセルされ、主として屈曲振動の歪が寄与する逆方向への駆動時における振動を良好に検出できるので、この検出電極からの検出信号を基に、逆方向への駆動を実現する周波数に確実に制御できる。
なお、検出電極が設けられる位置については、屈曲振動の節以外の、屈曲振動による歪が小となる位置、および、屈曲振動の腹以外の、屈曲振動による歪が大となる位置にそれぞれ置換しても、同等の作用効果が得られるため、本発明と均等である。
本発明の圧電アクチュエータでは、前記振動体は、前記第1駆動電極と前記第2駆動電極とに同じ位相の駆動信号を供給した際に、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とが互いに近接する形態とされていることが好ましい。
ここで、より具体的には、前記第1駆動電極と前記第2駆動電極とに同じ位相の駆動信号を供給した際に、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との差が縦振動の共振周波数と縦振動の反共振周波数との差の1/4以下または3kHz以下である形態とされていることが好ましい。
この発明によれば、前記のように例えば1/4以下または3kHz以下となる程に、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とが互いに近接しているため、これら縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との両方に近い周波数で駆動でき、駆動信号の周波数帯全域にわたって振動体の長さ方向における振幅および幅方向における振幅の両方を大きく確保できる。このため、駆動効率を高くできる。また、縦振動の振幅と屈曲振動の振幅とがほぼ等しくなるので、第1、第2駆動信号の位相差の調整によって振動軌跡の回り方向が逆転しやすく、被駆動体が逆方向に駆動され易くなる。このため、正方向、逆方向への駆動をともに安定化させることができる。
ここで、縦振動の共振周波数と縦振動の反共振周波数との差の1/4以下または3kHz以下となる程、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とが互いに近接する振動体の形態としては、例えば矩形状の圧電素子の幅寸法を1.0とすると長手寸法が3.5の場合などである。逆に、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との差が縦振動の共振周波数と縦振動の反共振周波数との差の1/4を超える、あるいは3kHz超となる場合には、縦振動の振幅と屈曲振動の振幅との一方しか、あるいは縦の振幅も屈曲の振幅も大きくできず、第1、第2駆動信号の位相差を調整しても駆動力を大きくしたり、逆方向に駆動したりすることが難しくなる。
この発明における圧電素子の寸法としては、縦寸法が7mm、横寸法が2mmなどを例示できる。また、例えば2枚の圧電素子が補強板の両面にそれぞれ積層されて振動体が構成されている場合には、振動体全体の厚さ寸法として0.4mmなどを例示できる。ただし、寸法以外に、圧電素子および圧電素子に積層される補強板などの材料特性なども考慮される。
本発明の電子機器は、前述の圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータで駆動される被駆動体とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータを備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受できる。
なお、電子機器としては、レンズユニット、プリンタ、カメラ、携帯電話、携帯情報端末、可動玩具、顕微鏡、望遠鏡などを例示できる。
本発明の電子機器では、計時部と、前記計時部で計時された計時情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計であることが好ましい。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータにより、計時部を構成する歯車や、計時情報表示部を構成する指示部材等を十分なトルクで駆動することが可能となり、信頼性の上や、低電力化を図ることができる。
加えて、圧電アクチュエータにおける利点、すなわち、磁気の影響を受けない、小型薄型化に有利、高トルクなどを実現できる。
定在波で振動する小型の圧電アクチュエータにおいて、第1、第2駆動電極にそれぞれ供給される第1、第2駆動信号の位相差を調整することにより、圧電素子における電極の配置やサイズによらず高出力が得られ、出力の調整を十分な範囲で容易に実施できるとともに、被駆動体の正方向の駆動、逆方向の駆動を共に実現できる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第2実施形態以降で、以下に説明する第1実施形態での構成部品と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係るレンズユニット10について説明する。なお、レンズユニット10は、機器としてのカメラに搭載され、または、カメラと一体に製造され、利用されるものである。
また、このカメラは、レンズユニット10の他、このレンズユニット10を構成するレンズ30,40,50によって結像される像を記録する記録媒体と、各レンズ30,40,50を駆動する駆動ユニットとしての駆動装置1と、これら全てが収納されるケースとを備えている。ただし、カメラ、記憶媒体、およびケースの図示は省略してある。
図1は、レンズユニット10を右上方から見た斜視図であり、図2は、レンズユニット10を左上方から見た斜視図である。図3(A)、(B)は、カム部材60の動作図であり、図4(A)、(B)は、カム部材70の動作図である。図5は、カム部材60を駆動する振動体66の拡大斜視図である。
図1ないし図5において、レンズユニット10は、全体略角筒状の筐体20と、被駆動体としての第1レンズ30、第2レンズ40、および第3レンズ50と、第2レンズ40、および第3レンズ50を進退駆動するカム部材60と、第1レンズ30を進退駆動するカム部材70と、カム部材60を回動駆動する圧電アクチュエータとしての振動体66と、カム部材70を回動駆動する圧電アクチュエータとしての振動体76とを備えている。そして、これらのうち、カム部材60,70および振動体66,76により、各レンズ30,40,50を駆動するための駆動装置1が構成されている。以下には、各構成について具体的に述べる。
筐体20は、正面から背面に向かって棒状の案内軸21が平行に2本設置されている。この案内軸21は、レンズ30,40,50が進退駆動されるのを案内する部材であり、レンズ30,40,50を進退方向(光軸方向)に貫通している。また、この案内軸21は、レンズ30,40,50が前後に倒れるのを防止する役目を担っている。
さらに、筐体20の両側の側部22には、長孔形状の開口部23A,23B,23Cが設けられ、これらの開口部23A,23B,23Cは、レンズ30,40,50に設けられたカム棒31,41,51が十分動ける大きさに形成されている。
第1レンズ30は、筐体20の内部に配置されると同時に、筐体20の開口部23C内に位置するカム棒31を備えている。第2レンズ40は、筐体20の内部に設置されると同時に、筐体20の開口部23B内に位置するカム棒41を備えている。第3レンズ50も同様に、筐体20の内部に配置されると同時に、筐体20の開口部23A内に位置するカム棒51を備えている。
これらの第1〜第3レンズ30,40,50は、中央の集光部32,42,および図示しない第3レンズ50の集光部とその周囲の枠取付部33,43,および図示しない第3レンズ50の枠取付部とが、レンズ材料で一体に形成されたものであり、これらを保持する保持枠34,44,54を備えている。そして、この保持枠34,44,54に、前述のカム棒31,41,51が設けられている。
なお、第1レンズ30はフォーカスレンズであり、第2レンズ40、第3レンズ50はズームレンズである。また、第3レンズ50は、ズームレンズに限らず、フォーカスレンズであってもよい。その場合、各レンズ30,40,50の構成や、各レンズ30,40,50の光学特性を適宜設定することで、レンズユニット10をフォーカスレンズ用ユニットとして利用可能である。
そして、第2レンズ40は、凹レンズおよび凸レンズを組み合わせた構成となっているが、各レンズ30,40,50の構造等もその目的を考慮して任意に決められてもよい。
さらに、レンズ30,40,50は、本実施例では、集光部32,42,および第3レンズ50の集光部と枠取付部33,43,および第3レンズ50の枠取付部とがレンズ材
料で一体に形成されていたが、集光部32,42,および第3レンズ50の集光部のみをレンズ材料で形成し、枠取付部33,43,および第3レンズ50の枠取付部側を別材料で保持枠34,44,54と一体に形成してもよい。また集光部32,42,および第3レンズ50の集光部、枠取付部33,43,および第3レンズ50の枠取付部、ならびに保持枠34,44,54が一体のレンズ材で構成されていてもよい
カム部材60,70は、筐体20の両側にある外面部25A,25Bと、この外面部25A,25Bの外側にそれぞれ3本の足部26により固定されたカバー部材10Aとの間に設置されている。
カム部材60は、回動軸61を有する略扇状の形状をしており、筐体20の外面部25Aに対して、回動軸61を回動中心として回動自在に支持されている。また、カム部材60の面状部分には、駆動用案内部としての2つのカム溝62A,62Bが形成されている。このカム溝62A,62Bは、略円弧状に形成されており、カム溝62Bには第2レンズ40のカム棒41が係合し、カム溝62Aには第3レンズ50のカム棒51が係合し、これによりカム部材60が回動すると、カム棒51,41がカム溝62A,62Bに誘導され、これらカム溝62A,62Bの形状に応じたスピードおよび移動範囲で動き、第3レンズ50、第2レンズ40が進退する。
カム部材70は、回動軸71を有する略レバー状の形状をしており、筐体20の外面部25Bに対して、回動軸71を回動中心として回動自在に支持されている。また、カム部
材70の面状部分には、駆動用案内部としての1つのカム溝62Cが形成されている。このカム溝62Cは、略円弧状に形成されており、カム溝62Cには第1レンズ30のカム棒31が係合し、これによりカム部材60が回動すると、カム棒31がカム溝62Cに誘導され、これらカム溝62Cの形状に応じたスピードおよび移動範囲で動き、第1レンズ30が進退する。
これらのカム部材60,70において、回動軸61,71の外周面には、回動軸61,71に略直交する平面内で振動する振動体66,76が当接されている。この際、回動軸61,71に対する振動体66,76の当接方向は特に限定されず、回動軸61,71を回動させることができる方向であればよい。
また、カム部材60,70の面状部分に開口を設け、この開口内に振動体66,76を配置し、回動軸61,71の外周面に振動体66,76を当接してもよい。この場合、開口の大きさは、カム部材60,70が回動しても、振動体66,76と接触しない大きさを有する。そして、この場合の振動体66,76の支持は、筐体20の外面部25A,25B又はカバー部材10Aのどちら側であってもかまわない。
また、回動軸61,71の外周面においては、特に振動体66,76の当接部分は、摩耗を防ぐために、凹凸無く仕上げられている。振動体66,76の当接部分の外径は、大きければ大きいほどよく、このことで振動数に対する回動角度が少なくなるため、レンズ30,40,50を微細に駆動可能となる。そして、回動軸61,71の外径形状は、当接部分のみが円弧で、それ以外の面は特に円弧でなくてもよい。
振動体66は、図5に示すように、略矩形平板状に形成された補強板81と、この補強板81の表裏両面に設けられた略矩形平板状の圧電素子82とを備えている。
補強板81は、その長手方向の両端の短辺略中央に凹部811が形成され、この凹部811に略楕円形状の凸部材81Aが配置されている。これらの凸部材81Aは、セラミックスなどの高剛性の任意の材料で構成され、その略半分が補強板81の凹部811内に配置され、残りの略半分は、補強板81の短辺から突出して配置されている。これらの凸部材81Aのうち、一方の凸部材81A先端が回動軸61の外周面に当接されている。
補強板81の長手方向略中央には、幅方向両側に突出する腕部81Bが一体的に形成されている。腕部81Bは、補強板81からほぼ直角に突出しており、これらの端部がそれぞれ図示しないビスによってカバー部材10Aに固定されている。このような補強板81は、ステンレス鋼、その他の材料から形成されている。
補強板81の両面の略矩形状部分に接着された圧電素子82は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の材料の中から、適宜選択した材料により形成されている。
この圧電素子82の表裏両面には、ニッケルめっき層および金めっき層などが形成されて電極が形成されている。この圧電素子82の補強板81に接着されない表面側には、切欠溝によって互いに電気的に絶縁された複数の電極が長手方向に沿った中心線を軸として線対称に形成されている。つまり、圧電素子82の長手方向に沿って2本の溝83Aが形成され、これらの溝83Aによって略三等分された電極のうち幅方向両側の電極は圧電素子82の短手方向に沿って形成された溝83Bによってそれぞれ二等分されている。
これらの溝83A,83Bにより、圧電素子82の幅方向略中央で長手方向に沿って設けられ、駆動信号が供給される第1駆動電極821と、圧電素子82の一方の対角線上両側に設けられて駆動信号が供給される一対の第2駆動電極822と、圧電素子82の他方の対角線上両側に設けられて駆動信号が供給される一対の第3駆動電極823との5つの電極が形成される。各第2駆動電極822は、圧電素子82の図心に対して回転対称に配置されるとともに、リード線L(図8)で互いに導通されている。各第3駆動電極823についても同様である。
なお、これらの第1〜第3駆動電極821〜823は、補強板81の表裏両面の各圧電素子82それぞれに同様に設けられており、例えば第1駆動電極821の裏面側には第1駆動電極821が設けられている。そして、表裏両側の圧電素子82における第1駆動電極821同士、第2駆動電極822同士、および第3駆動電極823同士はそれぞれ、振動体66の側面などを介して図示しないリード線などで互いに導通され、振動体66には、第1駆動電極821、第2駆動電極822、第3駆動電極823にそれぞれ対応する図示しない3つの端子が設けられる。これらの端子は、ドライバを通じて供給される駆動信号を発生する電圧印加装置84(図8参照)にそれぞれ接続されている。また、補強板81も振動体66の端子であり、図示しないリード線によってグラウンドに接続されている。
このように形成された圧電素子82は、第1駆動電極821と、第2、第3駆動電極822,823のうちいずれか選択した方とに、電圧印加装置84(図8)が出力する駆動信号を供給することにより、振動体66の長手方向に沿って伸縮する縦振動モードとしての縦一次振動モードの振動と、振動体66の幅方向(短手方向)に屈曲振動する、つまり縦一次振動モードの振動方向に略直交する方向に屈曲する屈曲振動モードとしての屈曲二次振動モードの振動とを振動体66に生じさせることができる。例えば、第1、第2駆動電極821,822に駆動信号を供給すると、第1、第2駆動電極821,822が形成された部分の圧電素子82がその板面の面内方向に伸縮することにより縦一次振動モードの振動を励振する。このとき、第3駆動電極823には駆動信号が供給されないので、当該部分では縦一次振動モードの振動が起こらず、振動体66全体の振動挙動は長手方向の中心線に沿ってアンバランスとなる。これにより、振動体66は、振動体66の長手方向に略直交する方向に屈曲する屈曲二次振動モードの振動を励振する。
図6に、振動体66が励振する縦振動および屈曲振動を模式的に示した。第1、第2駆動電極821,822に駆動信号を供給した場合、振動体66の凸部材81Aは、縦一次振動モードの振動と屈曲二次振動モードの振動とを組み合わせた略楕円軌跡E+を描いて振動する。この略楕円軌跡E+の一部において、凸部材81Aが回動軸61(図5)を接線方向に押圧し、回動軸61は正方向であるR+方向に回転する。
なお、図6に示すように、縦一次振動モードの振動の節は、振動体66の図心の点Aとなり、屈曲二次振動モードの振動の節は、振動体66の長手方向に沿った三つの点Aとなる。縦共振周波数における楕円軌跡E+の長軸の傾斜の向きは、屈曲振動の腹Bの位置を一要因として決まり、楕円軌跡E+の長軸は、各第2駆動電極822を互いに結ぶ線と交差する方向に沿っている。
一方、第1、第3駆動電極821,823に駆動信号を供給した場合は、第2駆動電極822に駆動信号が供給されないことで、振動体66全体の振動挙動が長手方向に沿ってアンバランスとなり、振動体66がその長手方向に略直交する方向に屈曲振動を励振する。このとき振動体66の凸部材81Aは、前述の楕円軌跡E+とは振動体66の長手方向に対して長軸の傾きが逆であって、かつ楕円軌跡E+とは逆回り方向の略楕円軌跡E−を描き、この楕円軌跡E−の一部において回動軸61が接線方向に押圧されるため、先程のR+方向とは逆方向であるR−方向に回動軸61が回転する。
ここで、圧電素子82に供給する駆動信号(駆動電圧)の駆動周波数は、振動体66の振動時に縦一次振動モードの振動の共振点近傍に屈曲二次振動モードの振動の共振点が現れて、凸部材81Aが良好な略楕円軌道を描くように設定される。
図7(A)に、振動体66における駆動周波数とインピーダンスとの関係を示し、図7(B)には、振動体66における駆動周波数と縦振動の振幅および屈曲振動の振幅との関係を示した。図7(A)に示すように、駆動周波数に対してインピーダンスが極小であって振幅が最大となる共振点が二点現れ、これらのうち最もインピーダンスの低い方が縦振動の共振点、もう一方のインピーダンスの極小点が屈曲振動の共振点となる。
すなわち、縦振動の縦共振周波数fr1と屈曲振動の屈曲共振周波数fr2との間で振動体66を駆動すると、縦振動および屈曲振動双方の振幅が確保され、振動体66は高効率で駆動する。本実施形態の振動体66では、縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2とが互いに近接し、縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2との差Δfrが小さくなっており、縦振動および屈曲振動の振幅がより大きくなる駆動周波数を設定することができる。
このように、縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2とが互いに近接するように駆動周波数が設定されているが、圧電素子82の寸法や、厚さ、材質、縦横比、電極の分割形態を決定する際にも、振動体66における縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2とが互いに近接し、凸部材81Aが良好な略楕円軌道を描きやすいように適宜勘案する。
ここで、第1駆動電極821の幅寸法は、本実施形態では、圧電素子82の幅寸法の約1/3となっており、これは、良好な楕円軌跡Eを実現するように決められている。すなわち、振動体66,76は第1駆動電極821により主として縦振動を励振し、第2駆動電極822により主として屈曲振動を励振するところ、第1駆動電極821の幅を太くすると圧電素子82の長さ方向への変位が大きくなり、回動軸61への加圧力が高くなって振動体66と回動軸61との間の摩擦力が増加するため、高負荷で駆動できる。反対に、第1駆動電極821の幅を細くすると屈曲を主に励振する第2駆動電極822の圧電素子82における面積が増えることになり、圧電素子82の幅方向への変位が大きくなるため、凸部材81Aとの接線方向に回動軸61の高速駆動を実現できる。
一方、振動体76については、振動体66と同様な構成であり、振動体66を説明することで理解できるため、ここでの説明を省略する。
次に、図8を参照して、以上説明した振動体66を駆動する電圧印加装置84の構成について簡略に説明する。
電圧印加装置84は、信号発生装置841と、移相器842と、2つのドライバ843、844と、正逆切替信号源845に接続され、ドライバ844の接続先を切り替えるスイッチ846とを備えている。
信号発生装置841は、所定の周波数の駆動信号を生成して2つのドライバ843,844に出力し、これらのドライバ843,844により、駆動信号は交番する印加電圧として振動体66の圧電素子82に供給される。
移相器842は、信号発生装置841と一方のドライバ844との間に配置され、信号発生装置841から出力され、ドライバ844に入力される駆動信号の位相がドライバ843に入力される駆動信号の位相に対して所定の位相差となるように変化させる。所定の位相差は、本実施形態では、正(+)の値となっている。
ここで、移相器842には、正逆切替信号源845からの指令信号が入力され、正転時、逆転時に応じて位相差をつけることが可能となっている。
ドライバ843には、信号発生装置841から出力された駆動信号が移相器842を介さずに入力され、このドライバ843を通じて振動体66の第1駆動電極821に駆動信号が供給される。
一方、もう1つのドライバ844は、スイッチ846に接続されている。スイッチ846は、正逆切替信号源845からの指令信号に応じて、ドライバ844を振動体66の第2駆動電極822および第3駆動電極823のいずれかに接続する。
図9は、第1〜第3駆動電極821〜823にそれぞれ供給される第1駆動信号S1、第2駆動信号S2、第3駆動信号S3の波形をそれぞれ示す。この図9では、各駆動信号S1〜S3の位相の正負を模式的に示した。なお、これら第1〜第3駆動信号S1〜S3の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形状波、台形波などであってよい。
本実施形態では、第1駆動信号S1の位相に対する第2駆動信号S2の位相差θ2は、約110°であり、第1駆動信号S1に対する第3駆動信号S3の位相差θ3も、約110°である。
なお、第2駆動信号S2+、S2−の第1駆動信号S1に対する位相差は、振動体266における縦振動に対する屈曲振動の遅れなどを考慮して適宜設定可能であるが、本実施形態では、第2駆動信号S2+の位相差θ+は、+90°に設定され、第2駆動信号S2−の位相差θ−は、−90°に設定されている。
なお、前述した移相器842は、正逆切替信号源845からの指令値に応じて、位相差θ2と位相差θ3とを互いに異なるものとすることが可能なように構成されている。
ここで、このように第1駆動信号S1と第2駆動信号S2とが、そして第1駆動信号S1と第3駆動信号S3とが、それぞれ位相差θ2,θ3を有することにより、次のような作用を奏する。この作用について、圧電素子82の各駆動電極に同じ位相の(位相差なし)駆動信号を供給する場合と比較して説明する。
図10(A)は、本実施形態との比較例を示し、振動体66と略同様の構成の振動体66Zにおいて、第1、第2駆動電極821,822に同じ位相(位相差なし)の駆動信号を供給した場合を示している。この場合、振動体66Zの凸部材81Aは、縦振動および屈曲振動の組み合わせによって楕円軌跡EZを描く。
一方、図10(B)は、本実施形態の振動体66を示し、第1駆動電極821には第1駆動信号S1が供給され、第2駆動電極822には、第2駆動信号S2が供給されたことを示している。この場合、縦振動に対する遅れである屈曲振動を主として励振する第2駆動電極822に供給される第2駆動信号S2が、第1駆動信号S1に対して正の位相差θ2(図9)を有することから、縦振動の方向に長軸がほぼ沿った楕円軌跡E+となる。このように、振動体66Zと比べて、長軸が長く、この長軸において凸部材81Aと回動軸61との間が離間するほど、凸部材81Aが回動軸61を強く押圧するため、回動軸61と振動体66との摩擦力が大きくなり、より大きなトルクで回動軸61を高速に回動させることができる。
なお、第1、第2駆動信号S1,S2の位相差θ2(図9)は、縦振動に対する屈曲振動の遅れ(振動体66,76固有の縦振動および屈曲振動の位相差)が加味されて決められている。すなわち、本実施形態では、振動体66,76固有の縦振動および屈曲振動の位相差は約20°であり、この20°に縦振動と屈曲振動とが直交することを意味する90°を加え、110°が位相差θ2として選定されている。なお、この値は、振動体66,76の形態などに応じて異なり、例えば90°〜110°の範囲で適宜決められる。
また、振動体66Z,66においてそれぞれ、第3駆動電極823に第3駆動信号S3を供給した場合、凸部材81Aが描く楕円軌跡は、図10(A)、(B)における軌跡EZ,E+とそれぞれ反転する。この際、第1駆動信号S1に対する第3駆動信号S3の位相差θ3(図9)についても、回動軸61を大トルクで高速に回動させるように設定される。
図11に、図10(B)における本実施形態の振動体66の駆動特性を実線で示すとともに、図10(A)における比較例としての振動体66Zの駆動特性を破線で示した。なお、図11における駆動速度は、回動軸61の正転方向(R+)への駆動速度(回動速度)を示す。
振動体66について示す実線の場合、駆動周波数に対する回動軸61の駆動速度は、破線で示した振動体66Zの場合よりも駆動周波数ほぼ全域に亘って高く、略最大の出力で比較すると、アクチュエータとしての振動体66の出力は、振動体66Zの出力の略2倍に達する。
すなわち、第1駆動信号S1に対して第2駆動信号S2あるいは第3駆動信号S3が正の位相差θ2,θ3(本実施形態では110°)を有することにより、出力が格段に向上することが検証された。
次に、図3を参照して、レンズユニット10の動作を説明する。
レンズユニット10が動作する際は、まず、回動軸61の外周に当接している振動体66が振動することにより、回動軸61が所定角度で回動する。これによって回動軸61と一体のカム部材60も所定の角度で回動する。するとカム部材60に形成されたカム溝62A,62Bも回動し、それぞれのカム溝62A,62Bに嵌合されているカム棒51,41の外周面がカム溝62A,62Bの内周面により誘導されながら開口部23A,23Bの中で移動する。
例えば、図3(A)の位置から回動軸61を反時計方向(R+)に回動させると、カム棒41,51を有する第2レンズ40と第3レンズ50とは、互いに離間する方向に移動し、図3(B)のように、第2レンズ40と第3レンズ50との間隔が広がることになる。
反対に、電圧が印加される第2駆動電極822と第3駆動電極823とを切り替えて、図3(B)の位置から回動軸61を時計方向(R−)に回動させると、第2レンズ40と第3レンズ50とは、互いに近接する方向に移動し、図3(A)のように戻る。
これにより第2レンズ40と第3レンズ50は、ズームレンズとして機能することになる。
図4においても同様に、回動軸71の外周に当接している振動体76が振動することにより、回動軸71が所定角度で回動する。回動することにより回動軸71と一体のカム部材70も所定の角度で回動する。するとカム部材70に形成されたカム溝62Cも回動し、この62Cに嵌合されているカム棒31の外周面がカム溝62Cの内周面により誘導されながら開口部23Cの中で移動する。
例えば、図4(A)の位置から回動軸71を反時計方向(R+)に回動させると、カム棒51と連結された第1レンズ30は、筐体20の中心方向から外側方向に移動し、図4(B)のように、筐体20の端部側に寄る。
反対に、図4(B)の位置から回動軸71を時計方向(R−)に回動させると、第1レンズ30は、筐体20の中央側へ移動し、図4(A)のように戻る。これにより第1レンズ30は、フォーカスレンズとして機能することになる。
以上における回動軸61,71の反時計回り方向(R+)、時計回り方向(R−)への駆動方向の切り替えは、前述のように、電圧印加装置84のスイッチ846による駆動信号のスイッチングにより行われる。
なお、図示しない読み取りセンサによってレンズ30,40,50の位置を読み取り、電圧印加装置84にフィードバックして駆動制御することにより、レンズ30,40,50を任意の位置に静止可能となっている。
以上の第1実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)レンズユニット10の各レンズ30〜50を駆動する圧電アクチュエータとしての振動体66,76において、主として縦振動を励振する第1駆動電極821と主として屈曲振動を励振する第2、第3駆動電極822,823とにそれぞれ供給される第1駆動信号S1と第2、第3駆動信号S2,S3との間に位相差θ(図9)を持たせた。この位相差θにより、屈曲振動の振幅を可変にでき、楕円軌跡Eを実現できる。本実施形態では、第2、第3駆動信号S2,S3が第1駆動信号S1に対して正の位相差θ2,θ3を有するものとしたので、縦振動の方向に長軸がほぼ沿った楕円軌跡Eとすることができる。
このような第1、第2駆動信号S1,S2の位相差θ2,θ3の設定と併せて、圧電素子82に設けられた第1駆動電極821の幅等の変更を行うことにより、屈曲振動の調整を通じて楕円軌跡Eを自在に調整可能となり、所望の駆動特性が得られる理想的な楕円軌跡Eを実現できる。
以上により、回動軸61,71を大トルクで高速に駆動することができ、各レンズ30〜50を迅速に進退させることが可能となる。従ってズーム、フォーカスの操作性を向上させることができる。
(2)第2、第3駆動信号S2,S3の駆動信号S1に対する位相差θ2,θ3の設定、および圧電素子82における第1駆動電極821の幅などのサイズに応じて屈曲振動の振幅を自在にでき、所望の楕円軌跡E+,E−を実現できることから、本実施形態の振動体66,76では、各電極821〜823のサイズなどに関わらず、出力調整を十分な範囲で容易に実施できる。これにより、駆動信号に位相差をつけない場合の略2倍の出力が得られるほど、出力向上を図ることができる(図11)。
また、このように出力調整が容易であるため、振動体66,76の組み立てなどの要因による製造誤差にも十分対応できる。
(3)本実施形態では、第1駆動信号S1、第2駆動信号S2の位相差θ2(図9)と、第1駆動信号S1、第3駆動信号の位相差θ3(図9)とがそれぞれ調整可能とされており、これによって正転時、逆転時における回動軸61,71の駆動トルク、駆動速度などを別々に調整できる。
(4)振動体66,76が板状に形成されており、この板面内における振動により動力を発生させているので、駆動装置1の薄型化を促進でき、これによってレンズユニット10の小型化を促進できる。また、凸部材81Aが回動軸61,71に接触しているので、振動体66,76の振動を停止した場合には、凸部材81Aと回動軸61,71外周との間の摩擦により回動軸61,71の回動角度を維持できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、圧電アクチュエータへの駆動信号の供給態様が第1実施形態とは異なり、また、振動を検出して駆動周波数の制御を実施する点が第1実施形態とは異なる。
図12は、本実施形態における振動体266および電圧印加装置86の構成概略を示す。
振動体266に設けられた圧電素子82には、幅方向略中央で長手方向に沿って延びる第1駆動電極851と、圧電素子82の一方の対角線上両側にそれぞれ配置される一対の第2駆動電極852と、圧電素子82の歪みを検出する検出電極855とが設けられている。ここで、本実施形態では、圧電素子82の他方の対角線上両側に電極が設けられておらず、これらの領域は、残余領域としての開放領域OPとなっている。
第2駆動電極852は、振動体266の図心に対して回転対称に配置され、リード線Lで互いに導通されている。第1、第2駆動電極851,852に同位相の駆動信号を供給すると、凸部材81Aは第2駆動電極852を互いに結ぶ方向と交差する方向に沿って傾斜した楕円軌跡(図14(B)の軌跡EZ参照)を描き、これによって回動軸61は図12中、反時計回りのR+方向に回動する。
また、本実施形態では、第2駆動電極852の幅および長さが第1実施形態の第2駆動電極822の幅および長さよりも大きい。このため、本実施形態の第1駆動電極851の幅寸法は、第1実施形態の第1駆動電極821の幅よりも小さく形成され、各第2駆動電極852が振動体266の長手方向略中央で行き交う部分では、第1駆動電極851の幅は圧電素子82の幅の約1/4の幅となっている。このように第1駆動電極851の幅が比較的細い分、第2駆動電極852の幅を大きくできるため、各第2駆動電極852の回転中心に対するアンバランス量が大きくなり、慣性により振動体266の幅方向への変位が大きくなるため、凸部材81Aとの接線方向に回動軸61,71を高速に駆動できる。
なお、この第1駆動電極851の形状、サイズなどは自在にでき、例えば1/2〜1/4の範囲で適宜調整できる。1/2程度に太くすると、トルクを大きくできる。
つまり、本発明における駆動電極のサイズ、形状等は任意に設定でき、第2駆動電極852のサイズについても、第1実施形態の第2駆動電極822のように、圧電素子82における約1/6のサイズとする必要がない。
検出電極855は、ノイズを避けるため凸部材81Aから離間する側の開放領域OPに1つ設けられている。この検出電極855の領域は、屈曲振動の腹B(図6)の近傍であるとともに、第1駆動電極851と第2駆動電極852とに同じ位相の駆動信号を供給した際に、振動体266において、縦振動による歪と屈曲振動による歪とがほぼ同等となる領域となっている。
図13は、第1、第2駆動電極851,852にそれぞれ供給される駆動信号の波形を示す。本実施形態では、第2駆動電極852には、回動軸61の正逆に応じて、第1駆動電極851に供給される第1駆動信号S1に対して位相差が異なる駆動信号が供給される。すなわち、回動軸61(図12)をR+方向に正転させるときは、第1駆動信号S1に対して正の位相差θ+を有する第2駆動信号S2+が第2駆動電極852に供給され、回動軸61をR−方向に正転させるときは、第1駆動信号S1に対して負の位相差θ−を有する第2駆動信号S2−が第2駆動電極852に供給される。
ここで、このような第2駆動信号S2+、S2−の第1駆動信号S1に対する位相差は、次のように決められる。以下、圧電素子82の各駆動電極に同じ位相の(位相差なし)駆動信号を供給する場合と比較して説明する。
図14(B)は、本実施形態との比較例として、振動体266と略同様の構成の振動体266Zにおいて、第1、第2駆動電極851,852に同じ位相の駆動信号を供給したことを示している。このとき、凸部材81Aは楕円軌跡EZを描く。
図14(A)および(C)は、本実施形態の振動体266をそれぞれ示す。図14(A)では、第1駆動電極851には第1駆動信号S1が供給され、第2駆動電極852には、第2駆動信号S2+が供給されている。この場合、第2駆動信号S2+が第1駆動信号S1に対して正の位相差θ+(図13)を有することから、縦振動に対する屈曲振動の遅れの度合が小さくなり、振動体266Zの軌跡EZよりも長軸が長く、また縦振動の方向に長軸がほぼ沿った楕円軌跡E+となる。これにより、大トルクで回動軸61を高速に回動させることができる。
ここで、振動体266の動作時、開放領域OPには駆動信号が供給されないことから、主として第2駆動電極852により励振される屈曲振動に寄与しない無駄な動きによって楕円軌跡の形成が阻害されず、所望の楕円軌跡E+を実現できる。すなわち、各第2駆動電極852には屈曲振動の腹B(図6)が含まれ、仮に開放領域OPに駆動信号を供給するとすれば、振動体266の楕円軌跡における屈曲が弱まり、良好な楕円運動を実現できないおそれがある。したがって、第2駆動電極852に隣接して、駆動信号を供給しない各開放領域OPを設けることで、このような不都合をなくすことができる。なお、このことは、図14(C)の場合にも該当する。
図14(C)では、第1駆動電極851には第1駆動信号S1が供給され、第2駆動電極852には、第2駆動信号S2−が供給されている。この場合、縦振動に対して屈曲が遅れる度合が大きくなる結果、長軸が振動体266の幅方向に略沿った円形に近似する楕円軌跡E−となる。また、このように縦振動に対する屈曲の遅れが大きいことで、軌跡E−上の回り方向が正転時の楕円軌跡E+における回り方向とは逆転する周波数帯域が増加し、回動軸61を図12中、時計回りのR−方向に逆転させやすくなる。
このように、本実施形態では、第2駆動電極852に供給する第2駆動信号の位相差θ+、θ−を切り替えることで、屈曲振動が調整され、回動軸61の正転、逆転を実現している。
なお、第2駆動信号S2+、S2−の第1駆動信号S1に対する位相差は、振動体266における縦振動に対する屈曲振動の遅れなどを考慮して適宜設定可能であるが、本実施形態では、第2駆動信号S2+の位相差θ+は、+90°に設定され、第2駆動信号S2−の位相差θ−は、−90°に設定されている。
図15における上のグラフに、図14(A)〜(C)の状態における駆動特性を実線、破線、点線でそれぞれ示した。図15におけるプラス(正)の駆動速度は、正転方向への駆動速度を示す。
振動体266における第2駆動電極852に第2駆動信号S2+を供給した場合(図14の(A)、図15の実線)、駆動周波数に対する回動軸61の駆動速度が、振動体266Zを使用した場合(図14の(B)、図15の破線)よりも駆動周波数ほぼ全域に亘って高く、略最大出力で比較すると、振動体266Zの出力の略2倍の出力を有する。また、振動体266Zでは、所定の周波数帯域において逆転方向に駆動する逆転帯域BPが認められるが、図14(A)の構成では、このような帯域がなく、回動軸61を駆動可能な周波数帯域略全体において、正転方向への駆動が可能となる。
一方、振動体266における第2駆動電極852に第2駆動信号S2−を供給した場合(図14の(C)、図15の点線)、逆転帯域BPが増加し、逆転方向への駆動に有利なことがわかる。なお、逆転帯域BPは、屈曲共振周波数fr2(図7)の近傍となっている。
以上により、位相差θ+、θ−は、位相差なしで駆動信号を供給した際の振動体266Zの駆動特性(図14(B)、図15の破線)に基いて選定することができ、これによって正転、逆転ともに安定化させることができる。
図15の下のグラフには、正転時における駆動周波数に対する第2駆動信号S2+と検出電極855の検出信号との位相差を実線で示し、逆転時における駆動周波数に対する第2駆動信号S2−と検出電極855の検出信号との位相差を点線で示した。
本実施形態では、電圧印加装置86により、正転時に略最大効率を実現する駆動周波数F+と、逆転時に略最大効率を実現する駆動周波数F−とに第1、第2駆動信号S1,S2+,S2−の周波数を制御する周波数制御を実施している。
本実施形態では、正転時、逆転時ともに、共通の目標位相差θ0を規定し、第1駆動信号S1と検出信号との位相差をフィードバックして周波数制御を行う。
なお、検出電極855の位置を選定する際には、当該検出電極855による検出信号と第1駆動信号S1との位相差が、縦振動の共振および屈曲振動の共振の間の反共振点fr11(図7)と屈曲振動の共振周波数fr2との間の周波数で変化し、良好に周波数制御できる位置が選択される。
前述のように、検出電極855は、第1、第2駆動電極851,852に同じ位相の駆動信号が供給された際に縦振動の歪および屈曲振動の歪がほぼ同等となる位置に設けられるが、このように歪みが同等となるのは、駆動周波数F+と駆動周波数F−との略中間の駆動周波数とされる場合などである。
電圧印加装置86は、図12のように、電圧制御発振器861と、移相器842と、2つのドライバ843,844と、正逆切替信号源845と、第1、第2駆動信号S1,S2+,S2−の周波数を制御する周波数制御手段87とを備えている。本実施形態では、正転時、逆転時ともに第2駆動電極852が使用されるため、第1実施形態のような電極切り替えのためのスイッチは設けられていない。
電圧印加装置86の詳細な構成を図16に示す。
周波数制御手段87は、位相差−電圧変換回路871と、定電圧回路872と、比較回路873と、電圧調整回路874と、移相器842と、リセット回路847とを備えている。
位相差−電圧変換回路871は、検出電極855から検出された検出信号Vaの位相と、第1駆動電極851に供給される駆動信号Vh(駆動信号S2+あるいはS2−)の位相との位相差を検出し、平均位相差に相当する電圧値を有する位相差電圧信号Vjを比較回路873に出力する。
位相差−電圧変換回路871は、位相差検出部871Aと、平均電圧変換部871Bとを備えている。位相差検出部871Aは、検出信号Vaおよび駆動信号Vhが入力されると、両信号の位相差に相当するパルス幅を有する位相差信号Vpdを生成し、平均電圧変換部871Bに出力する。平均電圧変換部871Bは、図示しない積分回路により位相差信号Vpdのパルス幅に相当する平均電圧値を有する位相差電圧信号Vjを生成し、比較回路873に出力する。
定電圧回路872は、検出信号Vaの位相と駆動信号Vhの位相との最適な位相差に相当する電圧値を有する、前述の目標位相差θ0(図15)である基準位相差信号Vkを比較回路873に出力するものである。
比較回路873は、位相差−電圧変換回路871からの位相差電圧信号Vjと定電圧回路872からの基準位相差信号Vkとを入力し、両者を比較するものである。つまり、位相差電圧信号Vj≧基準位相差信号Vkである場合には、比較回路873は“H”となる比較結果信号Veを電圧調整回路874に出力し、位相差電圧信号Vj<基準位相差信号Vkである場合には、比較回路873は“L”となる比較結果信号Veを電圧調整回路874に出力する。
電圧調整回路874は、比較回路873からの比較結果信号Veを入力し、電圧制御発振器861に出力される調整信号Vfの電圧値を所定電圧値Vf0単位で変化させるものである。すなわち、電圧調整回路874は、“H”の比較結果信号Veを入力した場合には、調整信号Vfの電圧値を所定電圧値Vf0だけ上昇させ、“L”の比較結果信号Veを入力した場合には、調整信号Vfの電圧値を所定電圧値Vf0だけ下降させる。また、電圧調整回路874には、初期の調整信号である初期値Vf1が記憶されており、電圧印加装置86の起動時には、この初期値Vf1を電圧値とする調整信号Vfを電圧制御発振器861に出力する。なお、初期値Vf1は、予め設定された駆動周波数の調整範囲の上限値とされており、本実施形態では、駆動周波数の調整範囲は、縦一次振動モードの振動の共振周波数fr1よりも所定値低い周波数から、屈曲二次振動モードの振動の共振周波数fr2よりも所定値高い周波数までに設定され、この場合に初期値Vf1は、屈曲二次振動モードの振動の共振周波数fr2よりも所定値高い周波数に設定されている。
電圧制御発振器861は、電圧調整回路874からの調整信号Vfを入力して、ドライバ843,844に出力する基準信号Vgの周波数を調整するものである。すなわち、電圧制御発振器861は、調整信号Vfの電圧値が前回の調整信号Vfの電圧値よりも高くなった場合、基準信号Vgの周波数を所定値だけ上げ、調整信号Vfの電圧値が前回の調整信号Vfの電圧値よりも低くなった場合には、基準信号Vgの周波数を所定値だけ下げるように調整される。また、電圧制御発振器861は電圧印加装置86の起動時に初期値Vf1の調整信号Vfを入力した場合には、予め設定された周波数の基準信号Vgを出力する。
ドライバ843,844は、電圧制御発振器861からの基準信号Vgを受けて、この基準信号Vgの周波数で一定の電圧値となる駆動信号Vhを振動体266の第1駆動電極851または第2駆動電極852に出力する。
リセット回路847は、ドライバ843,844からの駆動信号Vhの周波数が所定値以下となった場合に、基準信号Vgの周波数を初期値Vf1の周波数に変更するリセット信号を電圧調整回路874に出力するものである。ここで、リセット信号が出力される周波数の所定値は、駆動周波数の調整範囲の下限値に設定されており、本実施形態では縦一次振動モードの振動の共振周波数fr1よりも所定値低い周波数に設定されている。電圧調整回路874は、リセット回路847からリセット信号を入力すると、初期値Vf1を電圧値とする調整信号Vfを電圧制御発振器861に出力する。電圧制御発振器861は、この調整信号Vfに基づいて、基準信号Vgの周波数を調整する。
したがって、電圧印加装置86は、まず起動時に、初期値Vf1の電圧値に対応する周波数の基準信号Vgに基づいて振動体266に駆動信号Vhを印加する。このとき、初期値Vf1は、駆動周波数の調整範囲の上限値に設定されているので、通常初期の段階では駆動信号Vhと検出信号Vaとの位相差θによる位相差電圧信号Vjは、定電圧回路872からの基準位相差信号Vkよりも小さくなる。したがって、比較回路873では“L”の比較結果信号Veを出力し、電圧調整回路874は、この比較結果信号Veに基づいて調整信号Vfの電圧値を所定電圧値Vf0だけ下降させ、よって電圧制御発振器861からの基準信号Vgの周波数が所定値だけ下がる。
このような動作を繰り返すことにより、振動体266に印加される駆動信号Vhの周波数は減少し、位相差電圧信号Vj≧基準位相差信号Vkとなった場合には、逆に駆動信号Vhの周波数が増加するため、駆動信号Vhと検出信号Vaとの位相差θに相当する位相差電圧信号Vjは基準位相差信号Vk近辺で制御されることとなる。
また、何かの具合により駆動信号Vhの周波数が低くなりつづけ、リセット回路847の所定値以下となった場合には、電圧調整回路874の調整信号Vfが初期値Vf1に対応した値にリセットされ、もう一度駆動周波数の調整範囲の上限値から周波数の制御を行う。
このようにして、第1駆動信号S1と検出信号Vaとの位相差をフィードバックすることにより、第1、第2駆動信号S1,S2+,S2−の駆動周波数が制御される。
ここで、検出電極855による検出電圧などに基いて、第2駆動信号S2+の第1駆動信号S1に対する位相差θ+、あるいは、第2駆動信号S2−の第1駆動信号S1に対する位相差θ−をそれぞれ調整することが可能であり、これによって回動軸61の駆動速度のコントロールが可能となる。例えば、位相差θ+を0°から90°に向かって大きくすると、速度が増加する。逆に、位相差θ+を90°から0°に向かって小さくすることにより、速度が減少する。また、逆転時には例えば、位相差θ−を0°から−90°に向かって小さくすると、速度が増加する。逆に、位相差θ−を−90°から0°に向かって大きくすることにより、速度が減少する。
このように、第1、第2駆動信号S1,S2の位相差θ+,θ−の変更により速度調整が定常的に実施される。
本実施形態によれば、第1実施形態の(1)、(2)および(4)と略同様の効果を奏するほか、次のような効果も奏する。
(5)第1駆動信号S1の位相に対する第2駆動信号S2+,S2−の位相差θ+,θ−の調整により、正転、逆転ともに可能となるため、駆動電極を正転時、逆転時で同一にできる。これにより、正転用とは別に、逆転用に駆動電極を用意することが不要となり、圧電素子82の領域の略全体を駆動に使用することができる。このため、同一サイズの圧電素子82において駆動力を向上させることが可能となる。また、駆動電極の圧電素子82におけるサイズや形状、配置などを自在にでき、屈曲振動の調整が容易となる。さらに、実装が容易な電極の配置を採用することも可能となり、低コスト化を促進できる。
(6)また、駆動電極は正転、逆転を通じて、第1、第2駆動電極852で一定であるため、これら第1、第2駆動電極851,852以外の領域の、圧電素子82において最も振動検出に適した位置に検出電極855を設けることが可能となり、振動体266の振動を良好に検出できる。
そして、検出電極855が設けられていることで、第1、第2駆動電極851,852を振動検出に兼用することが不要となり、配線が容易となるとともに、これら第1、第2駆動電極851,852を振動検出時の高電圧に耐える回路構成としなくて済む。このため、回路を簡略化でき、低コスト化を図ることができる。
(7)また、電圧印加装置86における周波数制御手段87により、検出電極855による検出信号と第1駆動信号S1との位相差をフィードバックし、この位相差に第1、第2駆動信号S1,S2+,S2−の周波数が追従するように可変制御する周波数制御を行うことにより、縦振動、屈曲振動の混合モードで動作する振動体266を共振状態に近付けることが可能となる。これにより、小型の圧電アクチュエータでありながら、高出力を確保できる。
(8)振動体266において縦振動の歪および屈曲振動の歪がほぼ同等となる領域に検出電極855が設けられているので、この検出電極855により、主として縦振動の歪が寄与する正転時における振動も、主として屈曲振動の歪が寄与する逆転時における振動も、いずれをも検出できる。このため、正転、逆転に関わらず、振動検出を1つの検出電極855で済ませることができる。
これは、例えば第1、第2駆動電極851,852のうち使用していない部分を検出電極として兼用して使用する場合などでは、振動軌跡を切り替えるために駆動電極を切り替えると、これに伴って検出電極も切り替える必要があり、電極構成や配線、制御動作が複雑となる。特に、検出の高電圧に耐え得る設計とする必要がある。これに対して、本実施形態の検出電極855は、第1、第2駆動電極851,852とは別個に設けられているので、実装が容易化され、低コスト化が図られる。
(9)そして、振動体266に駆動信号が供給されない開放領域OPが形成されていることにより、屈曲振動に寄与しない無駄な動きによって楕円軌跡の形成が阻害されることなく、所望の楕円軌跡E+、E−を実現できる。これにより、所定の駆動力を確保できる。
(10)さらに、第1、第2駆動信号S1,S2の位相差θ+,θ−の変更によって定常的に速度調整することが可能となり、速度制御するために起動、停止を繰り返す間欠駆動などと比べて振動体266の磨耗を格段に抑制できる。
(11)検出電極855の面積が、第2駆動電極852の面積に対して7分の1程度に小さく設定されているので、第2駆動電極852の面積が確保され、回動軸61の駆動に必要な駆動力を確保できる。
(12)周波数制御手段87において、駆動信号Vhの制御対象として駆動信号Vhと検出信号Vaとの位相差θを採用しているので、制御対象の変動が0°〜180°の範囲内に限られる。つまり、例えば駆動信号の電圧を変更した場合でも、制御する位相差θは0°〜180°の範囲内となるため、周波数制御手段87を予めこの位相差範囲で制御できる制御回路で構成しておけば、駆動信号の電圧を変更した場合でも共通の制御回路を用いることができるから、制御回路の汎用性を向上させることができる。一方、駆動信号Vhの制御対象として駆動信号の電圧や電流を採用した場合には、検出信号の電圧値や電流値もこれに応じて大きく変更されるため、この変動に応じて耐圧等を変更した別の制御回路を用意する必要があり、制御回路の共通化を図ることができない。したがって、本実施形態の電圧印加装置86では、駆動信号Vhと検出信号Vaとの位相差θを制御対象として採用しているので、共通の回路で基準位相差信号Vkを大幅に変えることなく電圧違いの設定にも対応でき、確実に駆動信号Vhを制御できる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図17は、本実施形態における振動体366および電圧印加装置86の構成概略を示す。前述の第2実施形態では、検出電極が1つだけ設けられていたが、本実施形態では、振動の検出電極が2つ設けられている。
振動体366は、第2実施形態における振動体266と略同様、第1駆動電極851と、一対の第2駆動電極852とがそれぞれ圧電素子82に設けられている。
なお、本実施形態の振動体366は、第2実施形態の振動体266と比べて、第2駆動電極852の長さおよび幅が小さく、その分、振動体366中央部における第1駆動電極851の幅が広くなっている。ただし、このような形状の相違に関わらず、第1駆動電極851には第1駆動信号S1が供給され、第2駆動電極852には、正転、逆転に応じて、第1駆動信号S1に対して所定の位相差を有する第2駆動信号S2+,S2−がそれぞれ供給される。
また、振動体366において、凸部材81Aと離れた側の開放領域OPには、正転時に用いられる第1検出電極881と、逆転時に用いられる第2検出電極882とがそれぞれ設けられている。
第1検出電極881は、開放領域OPにおいて、第1駆動電極851、第2駆動電極852の両方に隣接する角隅部に設けられている。この第1検出電極881の位置は、振動体366における縦振動の節の近傍(振動体366の略中央における屈曲振動の節の近傍でもある)となっている。
一方、第2検出電極882は、凸部材81Aと離れた側の開放領域OPにおける長手方向略中央に配置されている。この第2検出電極882の位置は、振動体366における屈曲振動の腹の近傍となっている。
なお、これらの第1、第2検出電極881,882は、第2実施形態の検出電極855(図12)の両側にそれぞれ設けられている。言い換えると、第2実施形態の検出電極855は、本実施形態の検出電極881,882の略中間に設けられている。
このような振動体366は、第2実施形態で示した電圧印加装置86(図15)と略同様の電圧印加装置によって駆動される。ここで、R+方向への正転時には、第1検出電極881により振動が検出される。この第1検出電極881の位置は縦振動の節近傍であることから、縦振動の歪が略最大となり、第1検出電極881における振動検出において屈曲振動がキャンセルされる。
一方、R−方向への逆転時には、第2検出電極882により振動が検出される。第2検出電極882の位置は屈曲振動の腹近傍であることから、屈曲振動の歪が略最大となり、第2検出電極882における振動検出において縦振動がキャンセルされる。
これらのことから、第1、第2検出電極881,882により、正転時、逆転時の振動を別々に良好に検出できるので、電圧印加装置86の周波数制御手段87において、これら第1、第2検出電極881,882からの検出信号を基に、正転、逆転を実現する駆動周波数に確実に制御できる。
また、本実施形態によれば、前記各実施形態による効果と略同様の効果を奏する。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態を説明する。本実施形態の振動体では、その固有の形態により、振動特性が作りこまれている。
図18に、本実施形態の圧電アクチュエータとしての振動体466を簡略に示した。図18(A)は平面図、(B)は側面図である。
振動体466は、第1実施形態における振動体66(図5)と略同様に、2枚の矩形板状の圧電素子482が補強板81の両面に重ねられ、各圧電素子482には1つの第1駆動電極821と、一対の第2駆動電極822と、一対の第3駆動電極823とが形成されている。なお、振動体466には、振動の検出電極は設けられていない。
ここで、振動体466には、第2、第3実施形態の振動体266,366のように、第1駆動電極851および第2駆動電極852のみが設けられていても良く、この場合も下記と同様の作用効果を奏する。
本実施形態の圧電素子482は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)により形成され、その寸法は、短辺が約2mm、長辺が約7mmとなっている。また、この圧電素子482が補強板81の両面にそれぞれ重ねられた振動体466の厚さは、約0.4mmとなっている。このような圧電素子482等の材質、寸法により、振動体466の振動特性が決められており、振動体466は、その固有の形態により、縦共振周波数と屈曲共振周波数との差(図7中、Δfr)がほぼ「0」となるほど、縦共振周波数と屈曲共振周波数とが互いに近接している。すなわち、この縦共振周波数と屈曲共振周波数とが略一致するので、これら縦共振周波数および屈曲共振周波数の近傍である周波数で駆動した際に縦振動および屈曲振動の振幅を最も大きくできる。
このような振動体466を駆動する際には、前記のように作り込まれた共振周波数に駆動周波数を固定して振動体466を駆動するか、あるいは、圧電アクチュエータとしての振動体466が所望の駆動特性を実現するように、駆動周波数をスイープする駆動を行う。
すなわち、駆動周波数のスイープ駆動を行う場合、図16などに示した電圧印加装置86においてさらに、圧電素子482を流れる電流を検出する電流検出回路や、回動軸61の回転数を検出する回転数検出器などを具備し、これら電流検出回路や回転数検出器などによる検出に基いて、所望の駆動特性が得られるまで駆動周波数をスイープする。なお、スイープの結果得られた駆動周波数における第2駆動信号S2+,S2−と検出信号との位相差を目標として、当該位相差のフィードバックによる周波数制御を実施してもよい。
本実施形態においても、第1駆動信号S1に対する第2駆動信号S2+,S2−の位相差を調整することにより、屈曲振動が調整されてより理想的な楕円軌跡が得られるので、所望の駆動特性を確実に実現できる。
本実施形態によれば、前述の効果と略同様の効果が得られるほか、次のような効果も得られる。
(13)振動体466の形態は、縦振動の共振周波数fr1と屈曲振動の共振周波数fr2とが略一致するように、前述した寸法、材質等に形成されているので、駆動周波数掃引時に駆動速度が負として把握される周波数帯域(図15中、逆転帯域BP)が増加し、逆転が容易となる。ここでさらに位相差θ+、θ−を調整することによって、逆転をより確実にできる。
また、縦振動の振幅と屈曲振動の振幅との両方が大きく確保され、正方向への駆動時における駆動力をも向上させることができる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、本発明にかかる圧電アクチュエータを機器としての時計に適用したものである。
図19は、本実施形態にかかる時計9の日付表示機構90を示す平面図である。この図19において、日付表示機構90の主要部は、振動体466と、この振動体466によって回転駆動される被駆動体としてのロータ92と、ロータ92の回転を減速しつつ伝達する減速輪列と、減速輪列を介して伝達される駆動力により回転する日車93とから大略構成されている。減速輪列は、日回し中間車94と日回し車95とを備えている。これらの振動体466、ロータ92、日回し中間車94、および日回し車95は、底板9Aに支持されている。
日付表示機構90の上方には、円盤状の文字板(図示せず)が設けられており、この文字板の外周部の一部には日付を表示するための窓部が設けられ、窓部から日車93の日付を覗けるようになっている。また、底板9Aの下方(裏側)には、ステッピングモータに接続されて指針を駆動する運針輪列(図示せず)や、電源としての二次電池9B等が設けられている。二次電池9Bは、ステッピングモータや振動体466、印加装置(図示せず)の各回路に電力を供給する。なお、二次電池9Bに、ソーラ(太陽光)発電や回転錘の回転を利用した発電を行う発電器が接続され、この発電器によって発電した電力が二次電池9Bに充電される構造であってもよい。また、電源は、発電器で充電される二次電池9Bに限らず、一般的な一次電池(例えば、リチウムイオン電池)でもよい。
日回し中間車94は、大径部941と小径部942とから構成されている。小径部942は、大径部941よりも若干小径の円筒形であり、その外周面には、略正方形状の切欠部943が形成されている。この小径部942は、大径部941に対し、同心をなすように固着されている。大径部941には、ロータ92の上部の歯車921が噛合している。したがって、大径部941と小径部942とからなる日回し中間車94は、ロータ92の回転に連動して回転する。
日回し中間車94の側方の底板9Aには、板バネ944が設けられており、この板バネ944の基端部が底板9Aに固定され、先端部が略V字状に折り曲げられて形成されている。板バネ944の先端部は、日回し中間車94の切欠部943に出入可能に設けられている。板バネ944に近接した位置には、接触子945が配置されており、この接触子945は、日回し中間車94が回転し、板バネ944の先端部が切欠部943に入り込んだときに、板バネ944と接触するようになっている。そして、板バネ944には、所定の電圧が印加されており、接触子945に接触すると、その電圧が接触子945にも印加される。従って、接触子945の電圧を検出することによって、日送り状態を検出でき、日車93の1日分の回転量が検出できる。
なお、日車93の回転量は、板バネ944や接触子945を用いたものに限らず、ロータ92や日回し中間車94の回転状態を検出して所定のパルス信号を出力するものなどが利用でき、具体的には、公知のフォトリフレクタ、フォトインタラプタ、MRセンサ等の各種の回転エンコーダ等が利用できる。
日車93は、リング状の形状をしており、その内周面に内歯車931が形成されている。日回し車95は、五歯の歯車を有しており、日車93の内歯車931に噛合している。また、日回し車95の中心には、シャフト951が設けられており、このシャフト951は、底板9Aに形成された貫通孔9Cに遊挿されている。貫通孔9Cは、日車93の周回方向に沿って長く形成されている。そして、日回し車95およびシャフト951は、底板9Aに固定された板バネ952によって図10の右上方向に付勢されている。この板バネ952の付勢作用によって日車93の揺動も防止される。
図20には、振動体466およびロータ92の拡大図が示されている。
補強板81の腕部81Bはビスなどによって底板9Aに固定され、凸部材81Aがロータ92の側面に当接されている。
ロータ92には、板ばね922が取り付けられており、ロータ92が振動体466側に付勢されている。これにより凸部材81Aとロータ92側面との間に適切な摩擦力が発生し、振動体466の駆動力の伝達効率が良好となる。
このような時計9では、第1実施形態と同様に電圧印加装置で振動体466への駆動信号を制御することにより、所定の周波数の駆動信号が印加され、振動体466は、縦一次振動モードと屈曲二次振動モードとを組み合わせた振動を励振する。凸部材81Aは、これらの振動モードを組み合わせた略楕円軌道を描いて振動し、その振動軌道の一部でロータ92を押圧することによりロータ92をR+方向またはR−方向に回転駆動する。
ロータ92の回転運動は、日回し中間車94に伝達され、切欠部943に日回し車95の歯が係合すると、日回し中間車94によって日回し車95が回転し、日車93を回転させる。この回転により日車93が表示する日付が変更される。
なお、計時による日付変更は、R+方向への正転により行われ、日付補正時の日付変更は、R−方向への逆転により行われる。
このような本実施形態によれば、前記各実施形態と略同様の効果が得られる。
また、振動体466が時計9の日付表示機構90に利用されているので、振動体466の駆動効率が常に最適に制御され、日付表示機構90の駆動の確実性を向上させることができ、日付を正確に表示できる。また、振動体466の小型化を促進できることにより、時計9の小型化も促進できる。
〔本発明の変形例〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
図21は、本発明の変形例における振動体766および電圧印加装置89を示す。第3実施形態の振動体366(図17)で開放領域OPとされていた領域には、第2駆動信号の位相とはほぼ逆位相の駆動信号Spが供給される逆位相電極922が設けられている。
図22は、第1駆動電極851、第2駆動電極852、逆位相電極922にそれぞれ供給される駆動信号S1,S2+/S2−,Spの波形を示す。図22(A)は、正転時の波形、図22(B)は、逆転時の波形である。
このように、逆位相電極922に第2駆動信号S2+,S2−とは逆位相となる駆動信号Spを供給することにより、第2駆動電極852が設けられた圧電素子82の部分が伸張する際、逆位相電極922が設けられた圧電素子82の部分は収縮し、反対に、第2駆動電極852が設けられた圧電素子82の部分が収縮する際、逆位相電極922が設けられた圧電素子82の部分は伸張する。つまり、第2電極による圧電素子82の伸縮に逆位相電極922が設けられた圧電素子82の部分が追従することから、屈曲振動の振幅を大きくできる。これにより、第1、第2駆動電極851,852のみに駆動信号を供給した場合よりも大きな駆動力が得られる。
本発明は、前記実施形態の電子時計に適用されるものに限らず、各種の電子機器に適用可能であり、特に小型化が要求される携帯用の電子機器に好適である。
ここで、各種の電子機器としては、時計機能を備えた携帯電話、非接触ICカード、パソコン、携帯情報端末(PDA)、カメラ等が例示できる。
また、時計機能を備えないカメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話、顕微鏡、望遠鏡等の電子機器にも適用可能である。これらカメラ機能を備えた電子機器に適用する場合には、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明の圧電アクチュエータを用いることができる。
さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、自動車等のインパネ(instrumental panel)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、プリンタの紙送り機構、乗り物並びに人形などの可動玩具類の駆動機構および姿勢補正機構、超音波モータ等に本発明の圧電アクチュエータを用いてもよい。
また、第5実施形態では、圧電アクチュエータとしての振動体466を電子時計1の日付を示す為の指針の駆動に用いていたが、これに限らず、曜を表示する機構の駆動や時刻を示す指針の駆動などに本発明の圧電アクチュエータを用いてもよい。
なお、前記各実施形態では、圧電アクチュエータの適用例として腕時計を例示したが、これに限定されず、本発明は、懐中時計、置時計、掛け時計などにも適用できる。これらの各種時計において、例えばからくり人形などを駆動する機構としても利用できる。
なお、被駆動体としては、回転駆動されるロータ、直線駆動されるリニア駆動体などを採用でき、被駆動体の駆動方向は限定されない。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態におけるレンズユニットを示す斜視図。 前記実施形態におけるレンズユニットを示す斜視図。 前記実施形態のカム部材の動作図。 前記実施形態のカム部材の動作図。 前記実施形態の圧電アクチュエータ(振動体)の拡大斜視図。 前記実施形態の振動体の縦振動、屈曲振動の節を示す図。 前記実施形態の振動体について、(A)は、駆動周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフ、(B)は、駆動周波数と縦振動および屈曲振動の振幅との関係を示すグラフ。 前記実施形態における振動体および電圧印加装置の構成概略図。 前記実施形態における駆動信号の波形図。 前記実施形態における駆動信号の供給態様について比較例と共に示す図。 前記実施形態における駆動特性を示す図。 本発明の第2実施形態における振動体および電圧印加装置の構成概略図。 前記実施形態における駆動信号の波形図。 前記実施形態における駆動信号の供給態様について比較例と共に示す図。 前記実施形態における駆動特性を示す図。 前記実施形態における電圧印加装置の構成ブロック図。 本発明の第3実施形態における振動体および電圧印加装置の構成概略図。 本発明の第4実施形態における振動体を示す図。 本発明の第5実施形態にかかる時計を示す図。 前記実施形態における圧電アクチュエータを示す拡大図。 本発明の第3実施形態における振動体および電圧印加装置の構成概略図。 前記実施形態における駆動信号の波形図。
符号の説明
9・・・時計(電子機器)、10・・・レンズユニット(電子機器)、30,40,50・・・レンズ(被駆動体)、61,71・・・回動軸(被駆動体に係る)、66,76,266,366,466,766・・・振動体、82,482・・・圧電素子、92・・・ロータ(被駆動体)、93・・・日車(計時情報表示部)、821,851・・・第1駆動電極、822,852・・・第2駆動電極、823・・・第3駆動電極、855・・・検出電極、881・・・第1検出電極、882・・・第2検出電極、922・・・逆位相電極、A・・・点(節)、E・・・楕円軌跡(振動軌跡)、fr1・・・縦共振周波数、fr2・・・屈曲共振周波数、OP・・・開放領域(残余領域)、S1・・・第1駆動信号、S2,S2+,S2−・・・第2駆動信号、S3・・・第3駆動信号、Sp・・・駆動信号、Va・・・検出信号、θ2,θ3,θ+,θ−・・・位相差、θ0・・・目標位相差(駆動信号と検出信号との位相差)。

Claims (13)

  1. 略矩形状の圧電素子を有して前記圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備え、この振動体の振動を被駆動体に伝達して駆動する圧電アクチュエータであって、
    前記圧電素子には、当該圧電素子の長手方向に沿って設けられる第1駆動電極と、前記圧電素子の幅方向両側で前記圧電素子の長手方向における離間位置にそれぞれ配置される一対の第2駆動電極とが設けられ、
    前記駆動信号は、前記第1駆動電極に供給される第1駆動信号と、前記第2駆動電極にそれぞれ供給される第2駆動信号とを含み、
    前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とは、位相差を有する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記第2駆動電極は、前記圧電素子の一方の対角線上両側にそれぞれ配置され、
    前記圧電素子の他方の対角線上両側には、第3駆動信号が供給される一対の第3駆動電極がそれぞれ配置され、
    前記被駆動体は、前記圧電素子における前記第2駆動信号の供給と前記第3駆動信号の供給とがいずれかに切り替えられることにより、前記振動体の振動軌跡が互いに異なる正方向と逆方向とのいずれかに駆動され、
    前記第2駆動信号および前記第3駆動信号は、前記第1駆動信号に対してそれぞれ位相差を有する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  3. 請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記圧電素子の前記第1駆動電極の両側の領域は、当該圧電素子の長手方向にそれぞれ二分され、
    前記圧電素子の一方の対角線上両側に配置された領域は、前記第2駆動電極とされ、
    前記圧電素子の他方の対角線上両側に配置された残余領域には、駆動信号が供給されない
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  4. 請求項3に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記残余領域には、前記第2駆動信号の位相とはほぼ逆位相の駆動信号が供給される逆位相電極が設けられる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記圧電素子には、前記第1駆動電極および前記第2駆動電極が設けられた領域以外の領域に前記振動体の振動を検出する検出電極が設けられ、
    前記第1駆動信号および前記第2駆動信号のいずれか一方の位相と前記検出電極により検出される検出信号の位相との位相差に前記第1駆動信号および前記第2駆動信号の周波数を追従させる周波数制御が実施される
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  6. 請求項1、および3から5のいずれかに記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記振動体は、前記第1駆動信号の位相に対する前記第2駆動信号の位相が正に調整された際に、所定の振動軌跡を描いて前記被駆動体を所定の正方向に駆動し、前記第1駆動信号の位相に対する前記第2駆動信号の位相が負に調整された際に、前記振動軌跡とは異なる振動軌跡を描いて前記被駆動体を前記正方向とは逆の方向に駆動する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  7. 請求項6に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記検出電極は、前記振動体において、縦振動による歪と屈曲振動による歪とがほぼ同等となる領域に設けられる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  8. 請求項6に記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記検出電極は、前記振動体における屈曲振動の節の近傍と、屈曲振動の腹の近傍とにそれぞれ設けられる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の圧電アクチュエータにおいて、
    前記振動体は、前記第1駆動電極と前記第2駆動電極とに同じ位相の駆動信号を供給した際に、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数とが互いに近接する形態とされている
    ことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  10. 略矩形状の圧電素子を有して前記圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備え、この振動体の振動を被駆動体に伝達して駆動する圧電アクチュエータの駆動方法であって、
    前記圧電素子には、当該圧電素子の長手方向に沿って設けられる第1駆動電極と、前記圧電素子の幅方向両側で前記圧電素子の長手方向における離間位置にそれぞれ配置される一対の第2駆動電極とを設け、
    前記第1駆動電極には、所定の第1駆動信号を供給するとともに、
    前記第2駆動電極には、前記第1駆動信号の位相に対して位相差を有する第2駆動信号を供給する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  11. 請求項10に記載の圧電アクチュエータの駆動方法において、
    前記第1駆動信号の位相に対して前記第2駆動信号の位相を正に調整し、前記振動体の所定の振動軌跡により前記被駆動体を所定の正方向に駆動させるとともに、
    前記第1駆動信号の位相に対して前記第2駆動信号の位相を負に調整し、前記振動軌跡とは異なる前記振動体の振動軌跡により前記被駆動体を前記正方向とは逆の方向に駆動させる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  12. 請求項1から9のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータで駆動される被駆動体とを備える
    ことを特徴とする電子機器。
  13. 請求項12に記載の電子機器は、計時部と、前記計時部で計時された計時情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計である
    ことを特徴とする電子機器。
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