JP2007028862A - 圧電アクチュエータ、および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電アクチュエータの振動体30Aにおいて幅方向にアンバランスに配置された突起321,322の慣性質量により、突起321の略楕円運動を実現するために必要な、縦振動と屈曲振動との位相差を容易に設定できる。
加えて、振動体30Aの圧電素子に設けられた駆動電極41と部分電極42とでは、印加電圧の位相が逆であり、圧電素子31の長手方向に沿った両側において、圧電素子31の伸びに対し、この伸びる部分に隣接する部分が縮んで追従することから、駆動電極41のみに電圧を印加した場合よりも、縦振動および屈曲振動の振幅を共に大きくできる。このため、圧電アクチュエータの駆動効率を大幅に向上させることができる。
【選択図】 図5
Description
この圧電アクチュエータの振動体は、電極が設けられた平面略矩形の板状の圧電素子に補強板等が積層されて構成されている。そして、補強板等に形成した突起がロータに当接され、圧電素子の電極への電圧印加により、所定の固有振動数で突起が繰り返し被駆動体を押圧することにより、ロータが回転駆動する(特許文献1〜3)。なお、特許文献1〜3において、ロータに当接される突起は、圧電素子の短辺側略中央に設けられている。
これら複数の電極のうち、圧電素子における一方の対角線上に配置される各電極を電圧印加の対象とし、他方の対角線上に配置された各電極を電圧印加の対象とはしないとき、各電極に対応する圧電素子の各部分の伸縮に伴って、振動体は、圧電素子の長手方向と交差する方向に屈曲振動を誘起する。すると、これらの縦振動(伸縮運動)および屈曲振動(屈曲運動)の組み合わせにより、突起は円(楕円を含む)に近似した軌跡を描き、ロータを所定の方向に押し出して回転させる。そして、圧電素子における一方の対角線上に配置された各電極と他方の対角線上に配置された各電極との間で、電圧印加の対象を切り替えることにより、ロータを先程とは反対方向に押し出して逆回転させることが可能となる。
なお、これと同じ構成において、ロータを正回転、逆回転させる代わりに、電圧が印加されない電極から圧電素子の振動状態を検出することも可能である。
また、ロータを高効率で駆動するには、振動体の突起など、被駆動体に当接される部分の軌跡を略円形とすることが有効と考えられており、この突起などの略円形運動を確実に実現するためには、振動体の縦振動と屈曲振動とに所定の位相差を持たせなくてはならない。しかし、このような縦振動と屈曲振動との位相差に関して、特許文献1〜3には記載がない。また、特許文献4では、ロータの回転方向に応じて位相が逆転した電圧が複数の電極に印加され、振動体の端部が楕円運動することが記載されているものの、肝心の、縦振動と屈曲振動との位相差の設定に関しては何ら記載されていない。すなわち、これらの特許文献1〜4に基いて縦振動および屈曲振動の位相差を設定し、被駆動体を高効率で駆動可能な、突起の理想的な略円形運動を実現することは困難である。
このように、縦振動および屈曲振動の位相差を設定可能となるため、位相を制御する位相器は不要であり、駆動回路を簡略に構成できるから、低コスト化に繋げることができる。
なお、突起は、圧電素子の両端側にそれぞれ一対設けられていてもよく、この場合、これらの突起は、圧電素子の長手方向に沿った中心線上から互いに反対方向に偏心した位置に設けられる。
すなわち、部分電極の長さ、幅、面積などは、所望の突起の軌跡に応じて、適宜決められる。
ここで、駆動電極の幅寸法が部分電極の幅寸法の5倍に満たない程、部分電極の幅寸法が大きい場合には、屈曲振動の振幅が縦振動の振幅と比べて大きくなり過ぎ、突起を略円形の軌跡で運動させることが難しい。また、縦振動の励振が制限されてしまい、出力される駆動力が小さくなってしまう。
一方、駆動電極の幅寸法が部分電極の幅寸法の50倍を超える程、部分電極の幅寸法が小さい場合には、圧電素子において、駆動電極が設けられた部分の伸縮に対する追従が殆んど生じないので、縦振動および屈曲振動の振幅を拡大することが困難となる。
なお、ここで示した駆動電極および部分電極の幅寸法の比率設定、および突起の慣性質量設定により、縦振動と屈曲振動との振幅及び位相差を所望の設定にすることができ、これらの縦振動と屈曲振動とが組み合わさった軌跡(リサージュ図形)を突起において所望の楕円形状または略円形状とすることができる。この軌跡の一部が被駆動体の駆動方向に略沿うように振動体を配置し、突起の押圧により、被駆動体を適切な摩擦力で駆動方向に送り出すことが可能となるため、駆動効率を良好にできる。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータを備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受することができる。
ここで、前述した本発明の圧電アクチュエータは駆動効率に優れ、高出力や低電力などの要求に応えることができるため、各種の電子機器における駆動機構などに広く利用することが可能である。
例えば、カメラのズーム機構およびオートフォーカス機構、プリンタのインクジェットヘッドや紙送り機構、圧電ブザー、可動玩具を駆動する超音波モータなどに、本発明の圧電アクチュエータを使用できる。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータで計時手段や計時情報表示部を構成する歯車などを駆動することが可能となる。本発明の圧電アクチュエータにより、高負荷となる厚みがある指針や回転板なども被駆動体として使用でき、重厚感のある時計デザインとすることができる。
また、年月日および曜などの暦表示に係る指示部材や、連続的に運針される時分秒などの指針や、ストップウォッチの操作時などに駆動される指針などを低電力で駆動することも可能となる。
加えて、圧電アクチュエータにおける利点、すなわち、磁気の影響を受けない、応答性が高く微小送りが可能、小型薄型化に有利、高トルクなどを実現できる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基いて説明する。
なお、第2実施形態以降の説明において、以下に説明する第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
図1は、本実施形態における電子機器としての時計1の平面図である。
時計1は、計時手段としてのムーブメント2と、計時情報表示部としての文字板3、時針4、分針5、秒針6とを備え、これらがケース7に収容されたアナログ表示式の腕時計(ウォッチ)である。
文字板3の3時位置には、略矩形状の窓部3Aが設けられ、この窓部3Aからは、文字板3の裏側に設けられた日車25の回転により、日車25に印字された日が順次表示される。
図2は、ムーブメント2を文字板3の表側から見た平面図であり、図3は、図2の部分拡大図である。
ムーブメント2には、窓部3A(図1)から日を表示する日表示装置20が組み込まれている。
日表示装置20は、振動体30Aを有する圧電アクチュエータ30と、この圧電アクチュエータ30によって24時になる度、間欠的に駆動される被駆動体としてのロータ21と、ロータ21に伝達された駆動力を減速しつつ伝達する日回し中間車22,23および日回し車24と、日回し車24により回転される日車25とを有して構成されている。
これらの圧電アクチュエータ30、ロータ21、日回し中間車22,23、および日回し車24、日車25は、地板26の表側(文字板3側)にそれぞれ設けられている。
一方、地板26の裏側には、秒針6などに駆動力を伝達するステッピングモータや、圧電アクチュエータ30に導通された電圧印加装置などに電力を供給する電池が設けられるほか、ステッピングモータの駆動力を伝達して時針4、分針5、秒針6などを駆動する駆動輪列が設けられている。
ロータ支持体27は、ロータ21の表裏を囲う断面コ字状に形成されるとともに、ピン27Aを中心に地板26に軸支されている。また、ロータ支持体27は、別のピン27Bを備えており、このピン27Bに地板26の軸26Bに巻回された付勢手段としての押圧ばね27Cが当接することによって、図3中、反時計回りに(振動体30A側に)付勢されている。これにより、ロータ支持体27に軸支されたロータ21は振動体30Aに所定の接触圧で当接され、圧電アクチュエータ30による駆動力の伝達効率が良好となっている。
日回し中間車23は、大径部231と小径部232とから構成されている。大径部231には、日回し中間車22が噛合している。また、小径部232は、大径部231に対し、同心をなすように固着されている。この小径部232の外周面には1つの切欠部232Aが形成されている。
なお、日回し車24は日車25の内歯251に噛合しており、板ばね242の付勢作用によって日車25の揺動も防止される。
このような日表示装置20では、日の変わり目(24時)に圧電アクチュエータ30が動作し、ロータ21、日回し中間車22,23が順次回転し、日回し車24が切欠部232Aと係合して回転することにより、日車25が1日分回転する。なお、時針4が取り付けられる筒車に各種の回転エンコーダなどを設けることによって、24時を検出可能である。
次に、圧電アクチュエータ30の構造について説明する。
図4は、圧電アクチュエータ30が有する振動体30Aの斜視図である。
振動体30Aは、平面矩形の板状である2つの圧電素子31と、これらの圧電素子31が表裏両面に積層された平面略矩形状の補強板32とを備えている。
この圧電素子31の表裏両面には、ニッケルおよび金などによる電極がめっき、スパッタ、蒸着等の方法で形成され、裏面に形成された電極(図示せず)が補強板32と重ねられ導通されている。
すなわち、溝45により区画された部分には、矩形状の部分電極42が圧電素子31の平面中心Oに対して互いに点対称に配置され、電極40の残りの領域は駆動電極41とされている。これら駆動電極41と部分電極42とは、互いに隣接して配置されている。部分電極42は、詳しくは、圧電素子31の角隅部から長辺に沿って、圧電素子31の長手方向において約半分の位置まで延びている。
なお、駆動電極41および部分電極42は、補強板32の両面側の電極40において同様に形成され、例えば、図4に示された部分電極42の背面側となる位置に裏面側の部分電極42が設けられている。
図5は、振動体30Aの平面図である。
本実施形態の圧電アクチュエータ30は、振動体30Aの圧電素子31に設けられた駆動電極41および部分電極の配置や、補強板32に形成された突起321,322の配置に関して特徴を有する。
一方、圧電素子31の長手方向に沿って延びる中心線C1および幅方向に沿って延びる中心線C2によって、圧電素子31の平面が縦横にそれぞれ二等分された4つの矩形状の領域S1,S2,S3,S4を仮定すると、部分電極42は、圧電素子31の対角線上に配置された領域S1,S3内に配置されている。
ここで、圧電素子31の幅方向における駆動電極41の幅寸法W1と、同じく圧電素子31の幅方向における部分電極42の幅寸法W2との比率に関し、駆動電極41の幅寸法W1は、部分電極42の幅寸法W1の5倍となっている。すなわち、本実施形態では、(駆動電極の幅寸法W1):(部分電極の幅寸法W2)=5:1である。
つまり、図5中、中心線C1よりも上側では、右から左に向かって、突起321、駆動電極41、部分電極42がこの順序で配置され、中心線C1よりも下側では、左から右に向かって、突起322、駆動電極41、部分電極42がこの順序で配置されている。
以上説明した圧電アクチュエータ30の動作について説明する。
圧電アクチュエータ30の駆動にあたり、補強板32の表裏に設けられた圧電素子31に対して、図示しない電圧印加装置を通じて交流電圧をそれぞれ印加する。
すなわち、駆動電極41と補強板32との間、そして、部分電極42と補強板32との間で、交流電圧をそれぞれ印加する。
この際、部分電極42に対しては、駆動電極41に印加される電圧の位相とは逆転した位相で電圧を印加する。
振動体30Aは、主として駆動電極41への電圧印加により、先ず、振動体30Aの長手方向に沿って縦一次振動を励振する。
そして、中心線C1から偏心した位置に突起321,322が設けられて振動体30Aの形状が幅方向において非対称であり、振動体30Aの幅方向における重量バランスがアンバランスであることにより、縦一次振動に伴って、振動体30Aの幅方向に屈曲二次振動が誘発する。
振動体30Aがこのような縦振動および屈曲振動を励振する際、突起321,322の慣性質量により、振動体30Aの縦振動と屈曲振動とには位相差が生じる。この位相差によって突起321は楕円に近似した軌跡Rを描き、この軌跡Rの一部において、突起321がロータ21の側面を繰り返し押圧することにより、ロータ21は所定の方向に回転駆動される。なお、ロータ21とは反対側に配置された突起322も軌跡Rを描く。
このような駆動電極41および部分電極42の伸縮状態により、駆動電極41の部分の伸張に対し、この伸張する部分に隣接する部分電極42の部分が収縮して追従することとなるから、振動体30Aの伸縮状態および屈曲状態が共に良好となり、振動体30Aの縦振動および屈曲振動双方の振幅を大きいものとできる。これにより、突起321の軌跡Rの径も大きくできる。
なお、振動体30Aは、平面中心Oにある屈曲振動の節の位置近傍を基点に屈曲するので、平面中心Oから突起321が設けられた振動体30Aの端部までの距離において屈曲振幅が拡大される。
図8(A)に、振動体30Aにおける駆動周波数とインピーダンスとの関係を示し、図8(B)には、振動体30Aにおける駆動周波数と縦振動の振幅および屈曲振動の振幅との関係を示した。
図8(A)に示すように、本実施形態においては、駆動周波数に対してインピーダンスが極小であって振幅が最大となる共振点が二点現れ、これらのうち周波数の低い方が縦振動の共振点、高い方が屈曲振動の共振点となる様に、振動体30Aの形状及び寸法が設定されている。
ここで、縦振動の縦共振周波数fr1と屈曲振動の屈曲共振周波数fr2との間で振動体30Aを駆動すると、縦振動および屈曲振動双方の振幅が確保され、突起321は略楕円の軌跡Rを描くこととなる。なお、縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2とを互いに近接させることで、縦振動および屈曲振動の振幅がより大きくなる駆動周波数を設定することができる。
また、縦共振周波数fr1から屈曲共振周波数fr2に向かって駆動周波数を変化させると、縦振動の振幅よりも屈曲振動の振幅の方が次第に大きくなり、突起321が描く軌跡Rの軸の向きおよび長さが変わる。これに基き、所望の軌跡Rに応じて駆動周波数を適宜選択すればよい。
このW1:W2の比率は、5:1〜50:1の範囲で設定可能である。
仮に、駆動電極41の幅寸法W1が部分電極42の幅寸法W2の5倍に満たない程、部分電極42の幅寸法W2が大きい場合には、屈曲振動の振幅が縦振動の振幅と比べて大きくなり過ぎ、縦振動の励振が制限されてしまう。このため、出力される駆動力の低下を招くとともに、突起321を所望の楕円軌跡で運動させることが難しくなる。
一方、駆動電極41の幅寸法W1が部分電極42の幅寸法W2の50倍を超える程、部分電極42の幅寸法が小さい場合には、圧電素子31において、駆動電極41が設けられた部分の伸縮に対する追従がほとんど生じないので、縦振動および屈曲振動の振幅を拡大することができず、突起321の理想的な軌跡Rをやはり実現できないのである。
すなわち、駆動電極41の幅寸法W1および部分電極42の幅寸法W2の比率(W1:W2)は、5:1〜50:1の範囲で、所望の軌跡Rの態様に応じて決めることができる。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)圧電アクチュエータ30の振動体30Aに形成された突起321,322により、振動体30Aの幅方向における重量バランスがアンバランスとなるため、縦振動に続いて、振動体30Aの幅方向に屈曲振動が誘起するとともに、これらの突起321,322の慣性質量により、振動体30Aにおける縦振動と屈曲振動との間に位相差を生じさせることが可能となる。すなわち、突起321,322の慣性質量により、突起321,322の略楕円運動を実現するために必要な、縦振動と屈曲振動との位相差を容易に設定できる。
このように、突起321,322の形成によって縦振動および屈曲振動の位相差が設定可能となるため、位相を制御する位相器は不要であり、駆動回路を簡略に構成できる。これにより、低コスト化を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図9は、本実施形態における圧電アクチュエータ30の振動体30Bの平面図である。
振動体30Bでは、圧電素子31に設けられる電極50のレイアウトが第1実施形態の電極40とは相違する。その他の構成については、本実施形態の振動体30Bは第1実施形態の振動体30Aと略同様である。
部分電極52の長さ寸法Lは、第1実施形態の部分電極42(図6)の長さに対して1/3程度であり、その分、部分電極52の面積は小さくなっている。部分電極52は、中心線C2にその短辺側を寄せて配置されている。
駆動電極51は、部分電極52の面積が小さくなった分、第1実施形態の駆動電極41(図6)よりも面積が大きいものとなっている。
図10は、振動体30Bの振動状態を示す図である。
ここで仮に、部分電極52が振動体30Bの端部に設けられている場合は、部分電極52による屈曲の効果はその端部に留まり、縦振動および屈曲振動の小さな振幅しか得られない。これに対して、本実施形態の振動体30Bでは、部分電極52が設けられた位置が平面中心Oにある屈曲振動の節の近傍であるため、振動体30Bを平面中心O近傍から屈曲させることが可能となる。これにより、圧電素子31の平面における部分電極52の面積が第1実施形態における部分電極42の面積よりも小さいにも関わらず、縦振動および屈曲振動の振幅を共に大きくでき、突起321における所望の軌跡Rを実現できる。
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、図5などで図示した、圧電素子31平面上の領域S1,S2,S3,S4において、圧電素子31平面における対角線上に配置された領域S1,S3に納まる範囲内で、適宜、部分電極42の大きさ、位置、形状などを決めてよい。
ここで、駆動電極への印加電圧の位相と部分電極への印加電圧の位相とは前述のように逆転関係にあるが、この「逆転」に関しては、丁度180°逆転している場合に限らず、ある程度(例えば5%)の誤差が許容され、このような誤差を有する場合でも、前述と同様の作用効果を得ることができる。
ここで、突起の個数、形状、位置、材質、大きさなどについては、振動体の駆動時における突起の慣性質量に基いて適宜決められる。
例えば、振動体の端部から突出する突起の長さを幅に対して大きくすることによって、振動体の駆動時に突起に作用する慣性モーメントをより大きくできるので、屈曲振動の振幅を拡大できる。
なお、前記各実施形態における突起321,322は、補強板32に一体形成されていたが、これに限らず、補強板32に別部材で取り付けられていてもよい。あるいは、圧電素子の端部に突起を形成することも検討できる。
また、このように時計の駆動機構を駆動するための圧電アクチュエータに限らず、回転駆動用の一般モータとして構成しても勿論良い。
さらに、時計以外に、カメラのズームやオートフォーカス機構、フィルムの巻き上げ機構、プリンタの紙送り機構や、乗り物並びに人形などの玩具類を駆動する機構などにも、本発明の圧電アクチュエータを適宜使用できる。そのほか、携帯情報端末、電話機などの各種電子機器について、本発明の圧電アクチュエータを広く利用できる。
Claims (5)
- 平面略矩形の板状の圧電素子を有して前記圧電素子への電圧印加により振動する振動体を備え、この振動体の振動を被駆動体に伝達して駆動する圧電アクチュエータであって、
前記振動体は、前記圧電素子の長手方向端部側に長手方向に突出して前記被駆動体に当接する突起を、前記圧電素子の平面中心を通る長手方向に沿った中心線上から偏心した位置に有し、
前記圧電素子は、当該圧電素子の平面に設けられて電圧が印加され前記圧電素子の長手方向に沿った縦振動を生じさせる駆動電極と、前記駆動電極に印加される電圧とは位相が逆転した電圧が印加されるとともに、前記圧電素子の平面中心に対して互いに点対称に、前記駆動電極と隣接してそれぞれ配置される一対の部分電極とを有して構成され、
前記各部分電極は、前記圧電素子の平面が縦横にそれぞれ二等分された4つの領域を仮定すると、前記圧電素子の対角線上に配置された当該領域内にそれぞれ配置され、
前記突起は、前記圧電素子の長手方向において前記駆動電極を挟んで前記部分電極の一方と反対側の位置に配置されている
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記駆動電極は、前記圧電素子の平面において前記部分電極が配置された部分を除いた残りの領域に1つ、設けられる
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項2に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記各部分電極は、略矩形状であって、その長辺が前記圧電素子の長辺に略沿うように配置され、
前記圧電素子の幅方向における前記駆動電極の寸法は、前記圧電素子の幅方向における前記部分電極1つの寸法の5倍〜50倍である
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1から3のいずれかに記載の圧電アクチュエータを備えた
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項4に記載の電子機器は、計時手段と、この計時手段で計時された情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計である
ことを特徴とする電子機器。
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