JP2006304490A - 圧電アクチュエータの駆動方法、圧電アクチュエータの駆動装置、電子機器、圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラム、および記録媒体 - Google Patents

圧電アクチュエータの駆動方法、圧電アクチュエータの駆動装置、電子機器、圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 駆動環境に応じて良好な駆動効率で駆動できる圧電アクチュエータの駆動方法、圧電アクチュエータの駆動装置、電子機器、圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラム、および記録媒体を提供すること
【解決手段】電源投入時または駆動開始時に、周波数スイープを行い各駆動周波数に対する消費電流を検出し、振動体の駆動特性を得るプリスキャン工程を行う。駆動信号決定工程では、プリスキャン工程で得られた駆動特性に基づいて、消費電流が所定基準値以上となる周波数を駆動周波数範囲に設定する。実際に回転軸を駆動する際には、駆動信号決定工程で設定された駆動周波数範囲内で周波数をスイープするスイープ駆動を行う。電源投入時または駆動開始時にプリスキャン工程を行うので、駆動環境に応じて駆動周波数範囲を設定できるので、駆動効率を良好にできる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、圧電素子の振動により駆動対象を駆動する圧電アクチュエータの駆動方法、この圧電アクチュエータの駆動方法により駆動対象を駆動する圧電アクチュエータの駆動装置、圧電アクチュエータの駆動装置を備えた電子機器、圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラム、および記録媒体に関する。
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れている。このため、近年、圧電素子の圧電効果を利用した各種の圧電アクチュエータが開発されている。この圧電アクチュエータは、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、超音波モータ、電子時計、携帯機器等の各種電子機器の分野に応用されている。
ところで、圧電アクチュエータは、周囲の温度や負荷等の影響で共振周波数が変動するため、圧電アクチュエータを駆動可能な駆動信号の周波数も、周囲温度や負荷等に応じて変動する。
そのため、変動する駆動信号の周波数範囲を含む広い範囲で駆動信号の周波数をスイープ(変化)させ、確実にモータを駆動させる方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、特許文献1では、電圧制御発振器に三角波またはのこぎり波のスイープ電圧を出力し、電圧制御発振器の発振周波数をfLからfHまでの範囲で常時変化させ、圧電振動子を駆動可能な周波数を必ず与えることができるようにして、圧電振動子(圧電アクチュエータ)の確実な駆動を可能としている。
特公平5−16272号公報
しかしながら、このような駆動方法では、周囲の温度や負荷等の変化による駆動信号の変動を考慮して周波数範囲を設定するので、実際に効率的に駆動できる周波数範囲に対して十分に広く設定する必要がある。したがって、設定された周波数範囲で圧電アクチュエータをスイープ駆動すると、効率的に駆動できる周波数を含むものの、駆動が非効率となる周波数の範囲でも駆動するため、全体として良好な駆動効率が望めない。
その一方で、良好な駆動効率が得られる周波数範囲で圧電アクチュエータをスイープ駆動すると、温度や負荷の変動によって共振周波数が変化した場合に、良好な駆動効率が得られる周波数範囲と実際にスイープ駆動する周波数範囲とにずれが生じて、駆動効率が大幅に減少してしまう場合がある。
本発明の目的は、駆動環境に応じて良好な駆動効率で駆動できる圧電アクチュエータの駆動方法、圧電アクチュエータの駆動装置、電子機器、圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラム、および記録媒体を提供することにある。
本発明の圧電アクチュエータの駆動方法は、圧電素子の振動により駆動対象を駆動する圧電アクチュエータの駆動方法であって、圧電アクチュエータの駆動周波数を変化させて圧電アクチュエータを駆動し、前記圧電素子の状態を表す信号を検出し、その検出信号と前記駆動周波数との相関を示す駆動特性を得るプリスキャン工程と、プリスキャン工程で得られた圧電アクチュエータの駆動特性に基づいて、圧電アクチュエータの駆動信号を決定する駆動信号決定工程と、駆動信号決定工程で決定された駆動信号により圧電アクチュエータを駆動する駆動制御工程とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、圧電アクチュエータの使用時には、まずプリスキャン工程を行い各駆動周波数に対する圧電アクチュエータの駆動特性を得る。ここで、圧電アクチュエータの駆動特性としては、前記圧電素子の状態を表す検出信号と前記駆動周波数との相関を示すものであり、前記検出信号としては、例えば圧電素子(圧電アクチュエータ)の消費電流値、圧電アクチュエータの振幅電圧値、圧電アクチュエータに供給される駆動信号と圧電アクチュエータから検出される検出信号との位相差、駆動対象が圧電アクチュエータで回転駆動される場合にはその回転数など、圧電アクチュエータの駆動特性が反映される任意の検出信号値が挙げられる。
駆動信号決定工程では、プリスキャン工程で得られた圧電アクチュエータの駆動特性に基づいて駆動信号を決定し、駆動制御工程では、駆動信号にしたがって圧電アクチュエータを駆動する。
圧電アクチュエータの駆動方法が、プリスキャン工程を備えているので、例えば周囲の温度や負荷等の影響で共振周波数が変動しても、その駆動環境に応じた駆動信号が決定可能となる。したがって、常に圧電アクチュエータを良好に駆動できる駆動信号が決定されるから、圧電アクチュエータの駆動効率が良好となる。
本発明では、駆動信号決定工程は、駆動信号として所定の駆動周波数範囲を設定し、駆動制御工程は、所定の駆動周波数範囲内で圧電アクチュエータをスイープ駆動することが望ましい。
この発明によれば、駆動制御工程では、所定の駆動周波数範囲内で圧電アクチュエータをスイープ駆動するので、圧電アクチュエータを駆動可能な駆動周波数を必ず供給できるようになり、圧電アクチュエータの駆動が確実となる。また、駆動制御工程においてスイープ駆動を行うので、駆動周波数範囲内で駆動している間の負荷変動や温度変化などによる共振周波数の変動に影響を受けにくく、安定した駆動が可能となり、このような変動があっても圧電アクチュエータの駆動信号を変更することなく対応可能となる。
本発明では、駆動信号決定工程は、所定の駆動周波数範囲の上限および下限をそれぞれ決定することにより駆動周波数範囲を設定することが望ましい。
この発明によれば、駆動信号決定工程において、駆動周波数範囲の上限および下限を決定することにより駆動周波数範囲を設定するので、プリスキャン工程での駆動周波数範囲の設定作業が簡単となる。
なお、駆動周波数範囲の上限および下限を決定する方法としては、例えば圧電アクチュエータの消費電流値や検出電圧値などの検出信号が所定値以上となった時の駆動周波数を上限または下限と設定するなどの方法が考えられる。
本発明では、駆動信号決定工程は、所定の前記検出信号に対応する駆動周波数値を基準として所定幅を設定することにより前記駆動周波数範囲を設定することが望ましい。
この際、前記検出信号のピーク値に対応する駆動周波数値を中央値として所定駆動周波数幅を設けることにより駆動周波数範囲を設定することが望ましい。
例えば検出信号として圧電アクチュエータの消費電流値や圧電アクチュエータの振動によって検出される検出電圧値を用いた場合などでは、検出信号が大きいほど圧電アクチュエータが駆動対象を効率的に駆動していることを示す。この発明によれば、駆動信号決定工程において、例えば所定の検出信号としてピーク値となる検出信号を求め、この際の駆動周波数値を基準として駆動周波数範囲を設定するので、圧電アクチュエータの駆動が最も良好に行われる駆動周波数が必ず所定の駆動周波数範囲に含まれるから、圧電アクチュエータの良好な駆動効率の確保が確実となる。なお、検出信号のピーク値に対応する前記駆動周波数値を基準として駆動周波数範囲を設定する場合、その駆動周波数値を中央値として駆動周波数範囲を設定してもよいし、上限あるいは下限として駆動周波数範囲を設定してもよく、さらに、前記駆動周波数値から上限までの駆動周波数幅と下限までの駆動周波数幅を異ならせて設定してもよく、これらの設定は圧電アクチュエータの特性などに応じて設定すればよい。
本発明では、駆動信号決定工程は、駆動信号として所定の駆動周波数を設定し、駆動制御工程は、所定の駆動周波数を固定の駆動周波数として圧電アクチュエータを駆動することが望ましい。
この発明によれば、駆動制御工程において、圧電アクチュエータを固定の駆動周波数で駆動するので、駆動制御工程が簡略化する。またこの場合においても、駆動信号がプリスキャン工程で得た圧電アクチュエータの駆動特性に基づいて決定されているので、圧電アクチュエータの駆動環境に応じた駆動周波数が設定されるため、圧電アクチュエータの良好な駆動効率が確保される。
本発明では、プリスキャン工程は、当接部を駆動対象に当接させた状態で、駆動対象が非動作となる電圧値で圧電素子を振動させることが望ましい。駆動対象が非動作となる電圧値とは、駆動対象が回転される場合には非回転の状態に維持される電圧値であり、駆動対象が移動される場合には非移動の状態に維持される電圧値である。
この発明によれば、圧電アクチュエータの当接部を駆動対象に当接させてプリスキャン工程を行うので、圧電アクチュエータの当接部を駆動対象に当接させずにフリーの状態でプリスキャンを行う場合に較べて、実際に駆動される場合の負荷状況に近くなるため、より現実の駆動状態が再現される。したがって、より正確な駆動特性が得られる。
また、プリスキャン工程を行う場合には、駆動対象が非動作となる電圧値を印加して圧電アクチュエータを振動させる。つまりプリスキャン工程において駆動対象を駆動しない状態で行う。プリスキャン工程で駆動対象を駆動させると、使用者が意図しない動作が行われてしまうが、この発明によれば、駆動対象を駆動せずにプリスキャン工程を行うので、プリスキャン工程後の初動から最適周波数幅で駆動対象を駆動でき、駆動対象の初期値(ゼロ位置)を決めた場合も、プリスキャン工程で駆動対象がゼロ位置から移動してしまうことがなく、初動から最良な駆動を実現できる。
ただし、駆動対象を駆動させずにプリスキャン工程を行った場合には、得られる圧電アクチュエータの駆動特性は、実際に駆動対象を駆動した場合に較べて駆動可能周波数範囲が狭くなっている。そこで、駆動信号決定工程では、プリスキャン工程で得られた圧電アクチュエータの駆動特性を所定の相関関係を用いて、駆動対象を駆動した場合の圧電アクチュエータの駆動特性に換算して駆動信号を決定することが望ましい。なお、所定の相関関係は予めシミュレーションや実験などにより求められる。
本発明では、駆動制御工程は、複数の圧電アクチュエータを駆動するとともに、各圧電素子へ供給する駆動信号を制御して、各圧電素子の消費電流が最大となるタイミングをずらすことが望ましい。
この発明によれば、複数の圧電アクチュエータを駆動する場合には、駆動制御工程では、各圧電素子の消費電流が最大となるタイミングをそれぞれずらして駆動信号を供給するので、各圧電素子(圧電アクチュエータ)の消費電流を加算して得られるシステム全体の消費電流値の最大値を抑えることができる。このため、システムの消費電流が規格値を超えることで生じるシステムダウンを回避でき、かつ、回路構成の複雑化、大型化を防止できて、コストも低減できる。
この際、いずれか一つの圧電アクチュエータの消費電流が最大となるタイミングでは、残りの圧電アクチュエータの駆動信号を停止、または、駆動信号の周波数スイープを停止し、停止時の周波数を保持することが望ましい。
この発明においても、一つの圧電アクチュエータの消費電流が最大となるタイミングでは、残りの圧電アクチュエータの駆動信号を停止、または、駆動信号の周波数スイープを停止することで、それらの圧電アクチュエータの消費電流が増大することを防止でき、システム全体の消費電流値の最大値を抑えることができる。
また、駆動信号の停止時や周波数スイープの停止時の周波数を保持しているので、それらの停止が解除された際には停止前の周波数から周波数スイープを再開でき、他の圧電アクチュエータの動作をスムーズに再開できる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置は、所定の周波数の駆動信号が圧電素子に与えられることで振動する振動体と、この振動体に設けられるとともに駆動対象に当接される当接部とを備えた圧電アクチュエータにおける圧電素子へ駆動信号を供給する圧電アクチュエータの駆動装置であって、圧電アクチュエータの駆動周波数を変化させて圧電アクチュエータを駆動し、前記圧電素子の状態を表す信号を検出し、その検出信号と前記駆動周波数との相関を示す駆動特性を得るプリスキャンを行い、プリスキャンで得られた圧電アクチュエータの駆動特性に基づいて、圧電アクチュエータの駆動信号を決定し圧電アクチュエータを駆動する駆動制御手段を備えることを特徴とする。
この発明によれば、圧電アクチュエータの使用時には、まずプリスキャンを行い各駆動周波数に対する圧電アクチュエータの駆動特性を得る。ここで、圧電アクチュエータの駆動特性としては、前記圧電素子の状態を表す検出信号と前記駆動周波数との相関を示すものであり、前記検出信号としては、例えば圧電素子(圧電アクチュエータ)の消費電流値、圧電アクチュエータの振幅電圧値、圧電アクチュエータに供給される駆動信号と圧電アクチュエータから検出される検出信号との位相差、駆動対象が圧電アクチュエータで回転駆動される場合にはその回転数など、圧電アクチュエータの駆動特性が反映される任意の検出信号が挙げられる。
駆動制御手段は、プリスキャンで得られた圧電アクチュエータの駆動特性に基づいて駆動信号を決定し、駆動信号にしたがって圧電アクチュエータを駆動する。
圧電アクチュエータの駆動装置が、プリスキャンを行う駆動制御手段を備えているので、例えば周囲の温度や負荷等の影響で共振周波数が変動しても、その駆動環境に応じた駆動信号が決定可能となる。したがって、常に圧電アクチュエータを良好に駆動できる駆動信号が決定されるから、圧電アクチュエータの駆動効率が良好となる。
本発明では、駆動制御手段は、駆動信号を所定の駆動周波数範囲として設定し、この所定の駆動周波数範囲内で圧電アクチュエータをスイープ駆動することが望ましい。
この発明によれば、駆動制御手段が、所定の駆動周波数範囲内で圧電アクチュエータをスイープ駆動するので、圧電アクチュエータを駆動可能な駆動周波数を必ず供給できるようになり、圧電アクチュエータの駆動が確実となる。また、駆動制御手段がスイープ駆動を行うので、駆動周波数範囲内で駆動している間の負荷変動や温度変化などによる共振周波数の変動に影響を受けにくく、安定した駆動が可能となり、このような変動があっても圧電アクチュエータの駆動信号を変更することなく対応可能となる。
本発明では、駆動制御手段は、所定の駆動周波数範囲の上限および下限をそれぞれ決定することにより駆動周波数範囲を設定することが望ましい。
この発明によれば、駆動制御手段が、駆動周波数範囲の上限および下限を決定することにより駆動周波数範囲を設定するので、プリスキャンでの駆動周波数範囲の設定作業が簡単となる。
なお、駆動周波数範囲の上限および下限を決定する方法としては、例えば圧電アクチュエータの消費電流値や検出電圧値などの検出信号が所定値以上となった時の駆動周波数を上限または下限と設定するなどの方法が考えられる。
本発明では、駆動制御手段は、所定の前記検出信号に対応する駆動周波数値を基準として所定幅を設定することにより前記駆動周波数範囲を設定することが望ましい。
この際、前記検出信号のピーク値に対応する駆動周波数値を中央値として所定駆動周波数幅を設けることにより駆動周波数範囲を設定することが望ましい。
例えば検出信号として圧電アクチュエータの消費電流値や圧電アクチュエータの振動によって検出される検出電圧値を用いた場合などでは、検出信号が大きいほど圧電アクチュエータが駆動対象を効率的に駆動していることを示す。この発明によれば、駆動制御手段が、例えば所定の検出信号としてピーク値となる検出信号を求め、この際の駆動周波数値を基準として駆動周波数範囲を設定するので、圧電アクチュエータの駆動が最も良好に行われる駆動周波数が必ず所定の駆動周波数範囲に含まれるから、圧電アクチュエータの良好な駆動効率の確保が確実となる。なお、検出信号のピーク値に対応する前記駆動周波数値を基準として駆動周波数範囲を設定する場合、その駆動周波数値を中央値として駆動周波数範囲を設定してもよいし、上限あるいは下限として駆動周波数範囲を設定してもよく、さらに、前記駆動周波数値から上限までの駆動周波数幅と下限までの駆動周波数幅を異ならせて設定してもよく、これらの設定は圧電アクチュエータの特性などに応じて設定すればよい。
本発明では、駆動制御手段は、駆動信号として所定の駆動周波数を固定の駆動周波数として設定し、圧電アクチュエータを駆動することが望ましい。
この発明によれば、駆動制御手段が、圧電アクチュエータを固定の駆動周波数で駆動するので、駆動制御手段の構成が簡略化する。またこの場合においても、駆動信号がプリスキャンで得た圧電アクチュエータの駆動特性に基づいて決定されているので、圧電アクチュエータの駆動環境に応じた駆動周波数が設定されるため、圧電アクチュエータの良好な駆動効率が確保される。
本発明では、プリスキャンは、当接部を駆動対象に当接させた状態で、駆動対象が非動作となる電圧値で行うことが望ましい。駆動対象が非動作となる電圧値とは、駆動対象が回転される場合には非回転の状態に維持される電圧値であり、駆動対象が移動される場合には非移動の状態に維持される電圧値である。
この発明によれば、圧電アクチュエータの当接部を駆動対象に当接させてプリスキャンを行うので、圧電アクチュエータの当接部を駆動対象に当接させずにフリーの状態でプリスキャンを行う場合に較べて、実際に駆動される場合の負荷状況に近くなるため、より現実の駆動状態が再現される。したがって、より正確な駆動特性が得られる。
また、プリスキャンを行う場合には、駆動対象が非動作となる電圧値を印加して圧電アクチュエータを振動させる。つまり駆動対象を駆動しない状態でプリスキャンを行う。プリスキャンで駆動対象を駆動させると、使用者が意図しない動作が行われてしまうが、この発明によれば、駆動対象を駆動せずにプリスキャンを行うので、プリスキャン後の初動から最適周波数幅で駆動対象を駆動でき、駆動対象の初期値(ゼロ位置)を決めた場合も、プリスキャンで駆動対象がゼロ位置から移動してしまうことがなく、初動から最良な駆動を実現できる。
ただし、駆動対象を駆動させずにプリスキャンを行った場合には、得られる圧電アクチュエータの駆動特性は、実際に駆動対象を駆動した場合に較べて駆動可能周波数範囲が狭くなっている。そこで、駆動制御手段において駆動信号を決定する際には、駆動制御手段は、プリスキャンで得られた圧電アクチュエータの駆動特性を所定の相関関係を用いて、駆動対象を駆動した場合の圧電アクチュエータの駆動特性に換算して駆動信号を決定することが望ましい。なお、所定の相関関係は予めシミュレーションや実験などにより求められる。
本発明では、駆動制御手段は、複数の圧電アクチュエータを駆動可能に構成され、各圧電素子へ供給する駆動信号を制御して、各圧電素子の消費電流が最大となるタイミングをずらすことが望ましい。
この発明によれば、複数の圧電アクチュエータを駆動する場合には、駆動制御手段が、各圧電素子の消費電流が最大となるタイミングをそれぞれずらして駆動信号を供給するので、各圧電素子(圧電アクチュエータ)の消費電流を加算して得られるシステム全体の消費電流値の最大値を抑えることができる。このため、システムの消費電流が規格値を超えることで生じるシステムダウンを回避でき、かつ、回路構成の複雑化、大型化を防止できて、コストも低減できる。
この際、いずれか一つの圧電アクチュエータの消費電流が最大となるタイミングでは、残りの圧電アクチュエータの駆動信号を停止、または、駆動信号の周波数スイープを停止し、停止時の周波数を保持することが望ましい。
この発明においても、一つの圧電アクチュエータの消費電流が最大となるタイミングでは、残りの圧電アクチュエータの駆動信号を停止、または、駆動信号の周波数スイープを停止することで、それらの圧電アクチュエータの消費電流が増大することを防止でき、システム全体の消費電流値の最大値を抑えることができる。
また、駆動信号の停止時や周波数スイープの停止時の周波数を保持しているので、それらの停止が解除された際には停止前の周波数から周波数スイープを再開でき、他の圧電アクチュエータの動作をスムーズに再開できる。
本発明の電子機器は、所定の周波数の駆動信号圧電素子に与えられることで振動する振動体及びこの振動体に設けられるとともに駆動対象に当接される当接部を有する圧電アクチュエータと、前述の圧電アクチュエータの駆動装置とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、電子機器が前述の圧電アクチュエータの駆動装置を備えているので、前述の圧電アクチュエータの駆動装置の効果と同様の効果が得られる。つまり、圧電アクチュエータの駆動装置が、プリスキャンを行う駆動制御手段を備えているので、例えば周囲の温度や負荷等の影響で共振周波数が変動しても、その駆動環境に応じた駆動信号が決定可能となる。したがって、常に圧電アクチュエータを良好に駆動できる駆動信号が決定されるから、圧電アクチュエータの駆動効率が良好となる。これにより電子機器の駆動効率も良好となる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラムは、所定の周波数の駆動信号が圧電素子に与えられることで振動する振動体と、この振動体に設けられるとともに駆動対象に当接される当接部とを備えた圧電アクチュエータにおける圧電素子へ駆動信号を供給する圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラムであって、駆動装置に組み込まれたコンピュータに、前述の各圧電アクチュエータの駆動方法を実行させることを特徴とする。
例えば、駆動装置に組み込まれたコンピュータに、圧電アクチュエータの駆動周波数を変化させて圧電アクチュエータを駆動し、各駆動周波数に対する圧電アクチュエータの駆動特性を得るプリスキャン工程と、プリスキャン工程で得られた圧電アクチュエータの駆動特性に基づいて、圧電アクチュエータの駆動信号を決定する駆動信号決定工程と、駆動信号決定工程で決定された駆動信号により圧電アクチュエータを駆動する駆動制御工程とを実行させるなど、各駆動方法を実行させればよい。
また、本発明の記録媒体は、前述の圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これらの各発明においても、圧電アクチュエータを駆動する際に、プリスキャン工程を実行するので、例えば周囲の温度や負荷等の影響で共振周波数が変動しても、その駆動環境に応じた駆動信号が決定可能となる。したがって、常に圧電アクチュエータを良好に駆動できる駆動信号が決定されるから、圧電アクチュエータの駆動効率が良好となる。
本発明によれば、圧電アクチュエータを駆動する際に、プリスキャン工程を行うので、例えば周囲の温度や負荷等の影響で共振周波数が変動しても、その駆動環境に応じた駆動信号が決定可能となり、圧電アクチュエータの駆動効率が良好となる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第二実施形態で、以下に説明する第一実施形態での構成部品と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
[第一実施形態]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、カメラのレンズユニットの駆動に圧電アクチュエータを用いたものである。
レンズユニット10は、電子機器としてのカメラに搭載され、または、カメラと一体に製造され、利用されるものである。
また、このカメラは、レンズユニット10の他、このレンズユニット10を構成するレンズ30,40,50によって結像される像を記録する記録媒体と、各レンズ30,40,50を駆動する駆動ユニット1と、これら全てが収納されるケースとを備えている。ただし、カメラ,記憶媒体,およびケースの図示は省略してある。
図1は、レンズユニット10を右上方から見た斜視図であり、図2は、レンズユニット10を左上方から見た斜視図である。図3(A)、(B)は、カム部材60の動作図であり、図4(A)、(B)は、カム部材70の動作図である。図5は、カム部材60を駆動する振動体66の拡大斜視図である。
図1ないし図5において、レンズユニット10は、全体略角筒状の筐体20と、被駆動体としての第1レンズ30,第2レンズ40,および第3レンズ50と、第2レンズ40,および第3レンズ50を進退駆動するカム部材60と、第1レンズ30を進退駆動するカム部材70と、カム部材60を回動駆動する圧電アクチュエータとしての振動体66と、カム部材70を回動駆動する圧電アクチュエータとしての振動体76とを備えている。そして、これらのうち、カム部材60,70および振動体66,76により、各レンズ30,40,50を駆動するための駆動ユニット1が構成されている。以下には、各構成について具体的に述べる。
筐体20は、正面から背面に向かって棒状の案内軸21が平行に2本設置されている。この案内軸21は、レンズ30,40,50が進退駆動されるのを案内する部材であり、レンズ30,40,50を進退方向(光軸方向)に貫通している。また、この案内軸21は、レンズ30,40,50が前後に倒れるのを防止する役目を担っている。
さらに、筐体20の両側の側部22には、長孔形状の開口部23A,23B,23Cが設けられ、これらの開口部23A,23B,23Cは、レンズ30,40,50に設けられたカム棒31,41,51が十分動ける大きさに形成されている。
第1レンズ30は、筐体20の内部に配置されると同時に、筐体20の開口部23C内に位置するカム棒31を備えている。第2レンズ40は、筐体20の内部に設置されると同時に、筐体20の開口部23B内に位置するカム棒41を備えている。第3レンズ50も同様に、筐体20の内部に配置されると同時に、筐体20の開口部23A内に位置するカム棒51を備えている。
これらの第1〜第3レンズ30,40,50は、中央の集光部32,42,および図示しない第3レンズ50の集光部とその周囲の枠取付部33,43,および図示しない第3レンズ50の枠取付部とが、レンズ材料で一体に形成されたものであり、これらを保持する保持枠34,44,54を備えている。そして、この保持枠34,44,54に、前述のカム棒31,41,51が設けられている。
なお、第1レンズ30はフォーカスレンズであり、第2レンズ40,第3レンズ50はズームレンズである。また、第3レンズ50は、ズームレンズに限らず、フォーカスレンズであってもよい。その場合、各レンズ30,40,50の構成や、各レンズ30,40,50の光学特性を適宜設定することで、レンズユニット10をフォーカスレンズ用ユニットとして利用可能である。
そして、第2レンズ40は、凹レンズおよび凸レンズを組み合わせた構成となっているが、各レンズ30,40,50の構造等もその目的を考慮して任意に決められてもよい。
さらに、レンズ30,40,50は、本実施例では、集光部32,42,および第3レンズ50の集光部と枠取付部33,43,および第3レンズ50の枠取付部とがレンズ材料で一体に形成されていたが、集光部32,42,および第3レンズ50の集光部のみをレンズ材料で形成し、枠取付部33,43,および第3レンズ50の枠取付部側を別材料で保持枠34,44,54と一体に形成してもよい。また集光部32,42,および第3レンズ50の集光部、枠取付部33,43,および第3レンズ50の枠取付部、ならびに保持枠34,44,54が一体のレンズ材で構成されていてもよい
カム部材60,70は、筐体20の両側にある外面部25A,25Bと、この外面部25A,25Bの外側にそれぞれ3本の足部26により固定されたカバー部材10Aとの間に設置されている。
カム部材60は、回動軸61を有する略扇状の形状をしており、筐体20の外面部25Aに対して、回動軸61を回動中心として回動自在に支持されている。また、カム部材60の面状部分には、駆動用案内部としての2つのカム溝62A,62Bが形成されている。このカム溝62A,62Bは、略円弧状に形成されており、カム溝62Bには第2レンズ40のカム棒41が係合し、カム溝62Aには第3レンズ50のカム棒51が係合し、これによりカム部材60が回動すると、カム棒51,41がカム溝62A,62Bに誘導され、これらカム溝62A,62Bの形状に応じたスピードおよび移動範囲で動き、第3レンズ50、第2レンズ40が進退する。
カム部材70は、回動軸71を有する略レバー状の形状をしており、筐体20の外面部25Bに対して、回動軸71を回動中心として回動自在に支持されている。また、カム部材70の面状部分には、駆動用案内部としての1つのカム溝62Cが形成されている。このカム溝62Cは、略円弧状に形成されており、カム溝62Cには第1レンズ30のカム棒31が係合し、これによりカム部材60が回動すると、カム棒31がカム溝62Cに誘導され、これらカム溝62Cの形状に応じたスピードおよび移動範囲で動き、第1レンズ30が進退する。
これらのカム部材60,70において、回動軸61,71の外周面には、回動軸61,71に略直交する平面内で振動する振動体66,76が当接されている。この際、回動軸61,71に対する振動体66,76の当接方向は特に限定されず、回動軸61,71を回動させることができる方向であればよい。
また、カム部材60,70の面状部分に開口を設け、この開口内に振動体66,76を配置し、回動軸61,71の外周面に振動体66,76を当接してもよい。この場合、開口の大きさは、カム部材60,70が回動しても、振動体66,76と接触しない大きさを有する。そして、この場合の振動体66,76の支持は、筐体20の外面部25A,25B又はカバー部材10Aのどちら側であってもかまわない。
また、回動軸61,71の外周面においては、特に振動体66,76の当接部分は、摩耗を防ぐために、凹凸無く仕上げられている。振動体66,76の当接部分の外径は、大きければ大きいほどよく、このことで振動数に対する回動角度が少なくなるため、レンズ30,40,50を微細に駆動可能となる。そして、回動軸61,71の外径形状は、当接部分のみが円弧で、それ以外の面は特に円弧でなくてもよい。
振動体66は、図5に示すように、略矩形平板状に形成された補強板81と、この補強板81の表裏両面に設けられた略矩形平板状の圧電素子82とを備えている。
補強板81は、その長手方向の両端の短辺略中央に凹部が形成され、この凹部に略楕円形状の凸部材81Aが配置されている。これらの凸部材81Aは、セラミックスなどの高剛性の任意の材料で構成され、その略半分が補強板81の凹部内に配置され、残りの略半分は、補強板81の短辺から突出して配置されている。これらの凸部材81Aのうち、一方の凸部材81A先端が当接回動軸61の外周面に当接されている。
補強板81の長手方向略中央には、幅方向両側に突出する腕部81Bが一体的に形成されている。腕部81Bは、補強板81からほぼ直角に突出しており、これらの端部がそれぞれ図示しないビスによってカバー部材10Aに固定されている。
このような補強板81は、ステンレス鋼、その他の材料から形成されている。特に、時計のゼンマイなどに用いられる材料のように、温度変化が生じた場合でも、縦弾性係数及び横弾性係数の変化が小さい材料を用いることが好ましい。例えば、株式会社エスアイアイ・マイクロパーツ社のSPRON200(SPRONは株式会社エスアイアイ・マイクロパーツ社の
登録商標)等が利用できる。
補強板81の両面の略矩形状部分に接着された圧電素子82は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の材料の中から、適宜選択した材料により形成されている。
また、圧電素子82の両面には、ニッケルめっき層および金めっき層などが形成されて電極が形成されている。この電極は、切欠溝によって互いに電気的に絶縁された複数の電極が長手方向に沿った中心線を軸として線対称に形成されている。つまり、圧電素子82を幅方向にほぼ三等分するように二本の溝83Aが形成され、これらの溝83Aで分割された三つの電極のうち、両側の電極ではさらに長手方向をほぼ二等分するように溝83Bが形成されている。
これらの溝83A,83Bにより、圧電素子82の表面には5つの電極82A,82B,82C,82D,82Eが形成される。そして、これらの電極82A〜82Eのうち、対角線上両端に位置する電極82Aおよび電極82Eをつなぐリード線と、電極82Bおよび電極82Dをつなぐリード線と、電極82Cに接続されたリード線とは、印加装置に接続されている。
なお、これらの電極82A〜82Eは、補強板81を挟む表裏両方の圧電素子82に同様に設けられており、例えば電極82Aの裏面側には電極82Aが形成されている。また、図5において、リード線、ビス、および印加装置の図示は省略してある。さらに、振動体76については、振動体66と同様な構成であり、振動体66を説明することで理解できるため、ここでの説明を省略する。
このように形成された圧電素子82は、表面の電極82A〜82Eのうち、所定の電極を選択して、印加装置により電圧を印加することにより、振動体66の長手方向に沿った往復振動である縦振動と、補強板81の幅方向に振動する屈曲振動とを振動体66に生じさせることができ、凸部材81Aが縦振動と屈曲振動とを組み合わせた混合振動モードにより楕円軌道を描いて振動する。
また、圧電素子82に印加する電圧の電極を適宜切り替えることにより、振動体66を振動させると、回動軸61の回動方向を正転および逆転させることができる。
例えば、電極82A,82C,82Eを導通させ、これらの電極82A,82C,82Eとグランド(ここでは補強板81)との間に電圧を印加した時の回転方向を正転とすれば、電極82B,82C,82Dを導通させ、これらとグランドとの間に電圧を印加すると回動軸61の回転方向が逆転するのである。
ここで、圧電素子82に印加する電圧の周波数は、補強板81の振動時に縦振動共振点の近くに屈曲共振点が現れて、凸部材81Aが良好な楕円軌道を描くように設定される。また、圧電素子82の寸法や、厚さ、材質、縦横比、電極の分割形態などは、圧電素子82に電圧が印加された時に、凸部材81Aが良好な楕円軌道を描きやすいように適宜決定される。
なお、振動体66に印加される交流電圧の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形状波、台形波などが採用できる。
次に、振動体66に電圧を印加する印加装置である駆動装置84の構成を図6に基づいて説明する。
図6において、駆動装置84は、振動体66の圧電素子82に対して駆動信号を出力する駆動回路87と、電流検出用基準電圧を出力する定電圧回路85と、振動体66(圧電素子82)の消費電流を検出して電圧値に変換すると共に、この電圧値を定電圧回路85から出力される電流検出用基準電圧と比較して比較結果信号を出力する電流検出回路89と、電流検出回路89からの比較結果信号に基づいて出力電圧を調整する電圧調整回路86と、この電圧調整回路86で出力された電圧に対応して駆動回路87に出力する信号の周波数を調整する可変周波数発振器(VCO)88とを備えている。そして、駆動回路87は、可変周波数発振器88から入力される信号の周波数に応じた駆動信号を圧電素子82に対して出力している。
ここで、本実施形態では、駆動回路87、可変周波数発振器88及び電圧調整回路86を備えて振動体66に供給する駆動信号の周波数を制御する駆動制御手段が構成される。そして、この駆動制御手段と、定電圧回路85と、電流検出回路89とを備えて周波数制御手段が構成される。
なお、電流検出回路89は、消費電流に基づく電圧値が電流検出用基準電圧以上である場合、つまり消費電流値が基準値以上である場合にはHレベルの比較結果信号を出力し、消費電流値が基準値未満である場合にはLレベルの比較結果信号を出力するように設定されている。
また、圧電素子82つまりは振動体66の消費電流は、駆動回路87から出力される駆動信号の電流によって検出すればよい。
ここで、電流検出用基準電圧は、振動体66が効率的に回転軸61を駆動できる消費電流に相当する電圧に設定されている。
図7には、圧電素子82を振動させた場合の駆動信号の振動周波数と消費電流I(図7中実線)および回動軸61の回転数N(図7中点線)との関係が示されている。この図7に示されるように、駆動信号の振動周波数を増加させていくと、縦一次振動の共振点Aの直前で、急激に消費電流Iが増加し、縦一次振動の共振点Aにおいて最大となり、その後振動周波数が増加するに従ってなだらかに減少していく。一方、回転軸61の回転数Nは、やはり共振点A近傍(共振点Aにおける振動周波数よりも高い振動周波数)で最高となり、その後振動周波数が増加するに従って減少する。つまり、消費電流Iが所定値以上となる振動周波数範囲において、回転軸61の回転数Nも所定値以上の高い回転数が得られ、駆動効率が良好となることが分かる。したがって、本実施形態では、所定の回転数Nが得られる振動周波数における消費電流Iの所定値I0を設定し、電流検出用基準電圧をこの消費電流Iの所定値I0に基づく電圧値に設定している。なお、この電流検出用基準電圧は、予め実験やシミュレーションなどにより設定しておけばよい。
電圧調整回路86は、出力する電圧を所定範囲内で増減させるとともに、電流検出回路89からの比較結果信号に基づいてスイープ駆動する駆動周波数範囲を設定するように構成されている。この電圧調整回路86の構成の一例を図8に示す。
電圧調整回路86は、可変周波数発振器88に出力する電圧を調整する電圧調整部861と、複数の周波数のクロック信号(基準信号)を出力可能な基準信号発振器としてのクロック回路862と、このクロック回路862で出力されるクロック信号に対応して電圧調整部861へ信号を出力する制御回路863とを備える。
電圧調整部861は、アップダウンカウンタ(UDカウンタ)864と、このUDカウンタ864から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)865とを備えている。
制御回路863は、UDカウンタ864のカウンタ値を、電流検出回路89で設定された駆動周波数範囲に基づいて設定された範囲内で増減するように制御する。この増減パターンは、予め設定しておいてもよいし、圧電素子82の駆動状態などに応じて予め登録された複数のパターンから選択してもよい。なお、増減パターンとしては、前記UDカウンタ864の最大値から最小値までカウンタ値を順次ダウンし、最小値に達したら再度最大値に戻すダウンパターンと、前記UDカウンタ864の最小値から最大値までカウンタ値を順次アップし、最大値に達したら再度最小値に戻すアップパターンと、前記UDカウンタ864の最大値から最小値までカウンタ値をダウンし、最小値に達したら最大値までカウンタ値をアップし、最大値に達したら最小値までカウンタ値をダウンする往復パターンとが適宜設定される。
さらに、制御回路863は、圧電素子82への駆動周波数を変化させて各駆動周波数に対する消費電流Iを検出し、振動体66の駆動特性を得るプリスキャンを行う。制御回路863は、プリスキャンによって駆動周波数範囲を設定する駆動周波数設定手段866を備えている。駆動周波数設定手段866は、プリスキャン時の電流検出回路89からの比較結果信号に基づいて、駆動周波数範囲の上限値と下限値とを決定し、これにより駆動周波数範囲を設定する。具体的には、制御回路863が駆動周波数を小さい値から次第に増加させてプリスキャンを行った場合には、駆動周波数設定手段866は、電流検出回路89からの比較結果信号がLレベルからHレベルに切り替わった時の駆動周波数を駆動周波数範囲の下限値に設定する。また、駆動周波数設定手段866は、電流検出回路89からの比較結果信号がHレベルからLレベルに切り替わったときの駆動周波数を駆動周波数範囲の上限値に設定する。
UDカウンタ864は、10ビットあるいは12ビット程度のカウンタが利用でき、UDカウンタ864のダウン入力あるいはアップ入力に制御回路863からパルス信号を入力することで、その信号を計数してカウンタ値を変更するものである。なお、UDカウンタ864のビット数はスイープする周波数幅に応じて選択すればよい。すなわち、分解能(カウンタ値が1変化した際の周波数の変化量)を0.01〜0.25kHz程度にし、スイープ周波数幅を50〜100kHz程度にした場合には、10〜12ビット程度のカウンタを用いる必要があるが、スイープ周波数幅がより小さければ、よりビット数の小さなカウンタ、例えば8〜9ビットのカウンタを利用することもできる。
D/A変換器865は、内部にUDカウンタ864のカウンタ値に応じた周波数制御電圧値が設定されている。そして、このD/A変換器865は、UDカウンタ864から出力されるカウンタ値を入力すると、このカウンタ値に応じた周波数制御電圧値に相当する周波数制御電圧を可変周波数発振器88に出力する。
可変周波数発振器88は、D/A変換器865から出力される電圧に応じた周波数信号を駆動回路87に出力し、駆動回路87は入力された信号の周波数に応じた周波数の駆動信号を圧電素子82に出力する。このため、UDカウンタ864のカウンタ値によって駆動信号の周波数が設定され、かつ、UDカウンタ864のカウンタ値の変化速度つまりは制御回路863が利用するクロック信号の周波数によって駆動信号の周波数のスイープ速度が設定されることになる。
従って、電圧調整回路86は、可変周波数発振器88および駆動回路87を介して圧電素子82に供給する駆動信号の周波数をスイープ(増減)させる周波数スイープ(増減)制御機能と、電流検出回路89から出力された比較結果信号に基づいて圧電素子82に供給する駆動信号を所定の駆動周波数範囲として決定する駆動信号決定機能とを備えている。従って、本実施形態では、周波数制御手段のうち、主に電圧調整回路86により、駆動信号の周波数の増減を制御する周波数増減制御手段が構成される。
次に、駆動装置84を用いた振動体66,76の駆動方法について説明する。
図9に示すように、駆動装置84の電源を投入あるいは駆動開始を指示すると、駆動装置84は、圧電素子82に出力する駆動信号としての駆動周波数範囲を決定するためのプリスキャン処理を行う(ステップS1、プリスキャン工程)。
図10および図11には、プリスキャン処理のフローチャートが示されている。これらの図10および図11に示されるように、まず、駆動装置84は、プリスキャンのための周波数スイープを開始する(ステップS11)。なお、本実施形態では、周波数スイープの方向、初期周波数、スイープ速度などは、電圧調整回路86に予め設定されている。例えば、スイープ方向はDOWN(駆動信号の周波数をダウンさせる方向)、スイープ速度は予め設定された速度(例えば1kHz/sec)とされている。また、駆動開始時の駆動信号周波数は、プリスキャン周波数範囲の上限値fmaxとされている。ここで、このプリスキャン周波数範囲は、前述の図7に示されるように、振動体66,76が回転軸61,71を駆動可能な周波数範囲に設定され、周囲の温度変化や振動体66,76の経時変化などの影響による駆動可能な周波数範囲の変動をも勘案した変動幅もが含まれるように設定されている。
このような設定により、プリスキャン処理における駆動信号の周波数は、プリスキャン周波数範囲の上限値fmaxから下限値fminに向かって、前記スイープ速度に応じて周波数が順次減少することになる。
この駆動信号の周波数制御による周波数スイープは、具体的には、次のようにして行われる。すなわち、制御回路863は、UDカウンタ864のカウンタ値をプリスキャン周波数範囲の上限値fmaxに対応する値に設定し、その後、クロック回路862からのクロック信号に基づいて、UDカウンタ864のダウン入力にパルス信号を入力してUDカウンタ864のカウンタ値をダウンさせる。
D/A変換器865からはUDカウンタ864のカウント値に応じた電圧が出力されるので、UDカウンタ864のカウンタ値が減少すれば、D/A変換器865から出力される電圧も順次減少する。
そして、その電圧値に対応した周波数の信号が可変周波数発振器88から出力され、この周波数に応じた駆動信号が駆動回路87から出力されて圧電素子82が駆動(励振)される(ステップS12)。
ここで、圧電素子82に印加される駆動信号の電圧値は、回転軸61,71が非動作(非回転)となる電圧値(例えば3V)に設定されている。したがって、圧電素子82の凸部材81Aは回転軸61,71にそれぞれ当接されて所定の付勢力で付勢されており、圧電素子82の振動により振動体66,76は振動するが、回転軸61,71を駆動するだけの駆動力が発生しないため、回転軸61,71は回転せず停止したままとなる。
電流検出回路89は、駆動回路87から出力される駆動信号の電流をモニタすることにより、圧電素子82(振動体66,76)の消費電流をモニタする(ステップS13)。そして、電流検出回路89は、その消費電流値と基準値とを比較する(ステップS14)。なお、この比較処理は、実際には消費電流を電圧値に変換し、定電圧回路85から出力電流検出用基準電圧と比較して行われる。
ステップS14において、電流検出回路89は、消費電流値が基準値以上であれば、Hレベルの比較結果信号を出力する(ステップS17)。一方、電流検出回路89は、消費電流値が基準値未満であれば、Lレベルの比較結果信号を出力する(ステップS15)。Lレベルの比較結果信号が出力された場合には、電圧調整回路86は、Hレベルの比較検出信号が出力されるまでスイープ処理を継続し(ステップS16)、駆動周波数を順次減少させていく。
電流検出回路89からHレベルの比較結果信号が出力された場合には、比較結果信号がLレベルからHレベルに切り替わるので、制御回路863の駆動周波数設定手段866は、この時の駆動周波数を駆動周波数範囲の上限値fB(図7参照)として記憶する(ステップS18)。
その後、電圧調整回路86は、スイープ処理を継続し(ステップS19)、電流検出回路89は、再び消費電流値と基準値とを比較する(ステップS20)。ステップS20において電流検出回路89は、前述のステップS14と同様に、消費電流値が基準値以上であれば、Hレベルの比較結果信号を出力する(ステップS21)。一方電流検出回路89は、消費電流値が基準値未満であれば、Lレベルの比較結果信号を出力する(ステップS22)。ここでは、ステップS17で比較結果信号がHレベルとなっており、消費電流値が基準値未満となるまで、Hレベルの比較結果信号が出力されることとなる。したがって、ステップS21でHレベルの比較結果信号が出力された場合には、電圧調整回路86は、Lレベルの比較検出信号が出力されるまでスイープ処理を継続し(ステップS19)、駆動周波数を順次減少させる。
ステップS22においてLレベルの比較結果信号が出力された場合には、比較結果信号がHレベルからLレベルに切り替わるので、制御回路863の駆動周波数設定手段866は、この時の駆動周波数を駆動周波数範囲の下限値fA(図7参照)として記憶する(ステップS23)。
以上のステップにより、駆動周波数範囲の上限値fBと下限値fAとが決定される。
次に、電圧調整回路86は、駆動周波数範囲の上限値fBと下限値fAとの決定が、回転軸61,71の両回転について取得されたか否かを判断する(ステップS24)。まだ片回転についてのみしか取得していない場合には、回転軸61,71の回転駆動方向を変更する(ステップS25)。具体的には、振動体66,76の圧電素子82において駆動信号を印加する電極を、長手方向に沿った中心線に対して線対称に切り替える。例えば、電極82A,82C,82Eに駆動信号を印加して振動体66,76を駆動したのであれば、回転駆動方向を変更するには、電極82B,82C,82Dに駆動信号を印加すればよい。このようにすれば、屈曲二次振動の振動方向が逆向きとなることにより、凸部材81Aが逆向きの略楕円軌跡を描いて振動し、振動体66,76は、回転軸61,71を逆向きに回転させる駆動力を発生する。
振動体66,76の駆動の回転方向を切り替えた後は、ステップS11に戻って前述の周波数スイープを行い、逆向きの回転駆動の場合についても、駆動周波数範囲の上限値fBおよび下限値fAを取得する(ステップS11〜ステップS23)。
ステップS23において、両回転方向について駆動周波数範囲の上限値fBおよび下限値fAが取得できた場合には、駆動周波数設定手段866は、両回転方向について駆動周波数範囲を設定する(ステップS26)。つまり、駆動周波数設定手段866は、駆動周波数範囲を、上限値fBおよび下限値fAとの間の範囲に設定する(駆動信号設定工程)。したがって、駆動周波数範囲は、前述の図7に示されるような下限値fAから上限値fBまでの駆動周波数の範囲となる。
ただし、この駆動周波数は、振動体66,76が回転軸61,71を回転させない電圧値で駆動され設定されたものであるため、ステップS26では、この駆動周波数範囲を振動体66,76に実際に印加される電圧値(例えば6V〜9V)における駆動周波数範囲に換算する必要がある。
図12には、圧電素子82に供給する駆動信号の電圧値が異なる場合の駆動周波数と消費電流との関係が示されている。この図12より、駆動信号の電圧値が増加すると、消費電流が検出される駆動周波数範囲は広がっていることがわかる。そして駆動周波数範囲の上限値および下限値は、圧電素子82に供給する駆動信号の電圧値の増加割合にほぼ比例していることがわかる。そこで、駆動周波数設定手段866は、プリスキャンにより得られた駆動周波数範囲の上限値fBおよび下限値fAをこの相関関係を用いて実際の電圧値における駆動周波数範囲に換算する。
駆動周波数範囲が設定されたら、電圧調整回路86はプリスキャン処理を終了する。
図9に戻って、プリスキャン処理(ステップS1)が終了すると、駆動装置84は、次に、プリスキャン処理(ステップS1)で設定された駆動周波数範囲内で周波数スイープを開始する(ステップS2、駆動制御工程)。
なお、本実施形態では、周波数スイープの方向、速度などは、電圧調整回路86に予め設定されている。例えば、スイープ方向はDOWN(駆動信号の周波数をダウンさせる方向)、スイープ速度は予め設定された速度(例えば1kHz/sec)とされている。また、駆動開始時の駆動信号周波数はプリスキャン処理(ステップS1)で決定され、駆動周波数範囲の上限値fBに設定されている。従って、駆動信号の周波数は、駆動周波数範囲の上限値fBから下限値fAに向かって、前記スイープ速度に応じて周波数が順次減少することになる。
この駆動信号の周波数制御による周波数スイープは、前述のプリスキャン処理における周波数スイープ(ステップS12)と同様に行われる。
なお、駆動信号の周波数のスイープ速度は、プリスキャン処理時および実駆動時で同じ速度にしてもよいし、別の速度に設定してもよい。
周波数スイープ(ステップS3)が終了すると、図9に示すように、駆動信号周波数初期化処理(ステップS4)が実行される。
駆動信号周波数初期化処理(ステップS4)では、図13に示すように、電圧調整回路86の制御回路863がスイープ方向の設定を確認する(ステップS41)。スイープ方向がDOWN方向であれば、制御回路863は駆動周波数が所定の周波数範囲内の下限値(fA)であるか否かを判断する(ステップS42)。具体的には、駆動信号の周波数は、UDカウンタ864のカウンタ値に対応しているので、制御回路863は、UDカウンタ864のカウンタ値を確認して駆動周波数が下限値であるか否かを判断する。
そして、スイープ方向がDOWNであり、かつ、駆動周波数が下限値であれば、制御回路863は駆動周波数を上限値(fB)に変更する(ステップS43)。具体的には、制御回路863はUDカウンタ864のカウンタ値を、駆動周波数の上限値に対応するカウンタ値に変更する。
一方、ステップS42において、駆動周波数が下限値となっていなければ、周波数の初期化処理を行わずに駆動信号周波数初期化処理(ステップS4)を終了する。
なお、本実施形態では、スイープ方向がDOWN方向に設定されていたが、仮にUP方向に設定されていた場合には、ステップS41において「No」となるため、制御回路863は駆動周波数が所定の周波数範囲内の上限値(fB)であるか否かを判断する(ステップS44)。具体的には、制御回路863は、UDカウンタ864のカウンタ値を確認して駆動周波数が上限値であるか否かを判断する。
そして、スイープ方向がUPであり、かつ、駆動周波数が上限値であれば、制御回路863は駆動周波数を下限値(fA)に変更する(ステップS45)。具体的には、制御回路863はUDカウンタ864のカウンタ値を、駆動周波数範囲の下限値に対応するカウンタ値に変更する。
また、ステップS44において、駆動周波数が上限値となっていなければ、周波数の初期化処理を行わずに駆動信号周波数初期化処理(ステップS4)を終了する。
駆動信号周波数初期化処理(ステップS4)が終了すると、図9に示すように、電源切断または駆動停止が指示されたか否かを判断する(ステップS5)。ステップS5で「No」と判断されれば、ステップS2〜ステップS4の処理を繰り返す。これにより、振動体66,76は駆動周波数範囲内で常に駆動周波数がスイープしながら駆動されるスイープ駆動となる(駆動制御工程)。
一方、ステップS5で「Yes」と判断されれば、駆動制御を終了する。
以上のような第一実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1) 駆動装置84が、電源投入時あるいは駆動開始が指示された時にプリスキャン処理を行うので、実際に振動体66,76を使用する時の駆動周波数に対する振動体66,76の駆動特性を得ることができる。そして、駆動周波数設定手段866がプリスキャン時の消費電流値に基づいて駆動周波数範囲を設定するので、プリスキャン時の周囲の温度や、摩耗などの経時変化による駆動状態の変動などを勘案して駆動周波数範囲を設定できるので、振動体66,76をより確実に高効率で振動させることができ、回転軸61,71を高効率かつ高速度で駆動できる。また、プリスキャン処理を行って駆動周波数範囲を設定するので、振動体66,76の製造時の共振周波数のばらつきによる効率の低下を防止できる。
図14には、振動体66,76をスイープ駆動させた場合の回転軸61,71の回転数が示されている。まず、図14(A)に示されるように、従来温度変化や負荷の変化等を考慮して駆動周波数範囲が設定されている場合には、その駆動周波数範囲内で可変周波数発振器(VCO)88が入力電圧をスイープさせる。この際、回転軸61,71を効率的に回転させることができる周波数範囲はスイープ周波数範囲の一部となるため、回転軸61,71の回転数は、スイープ周波数範囲内の一部で回転数が高くなる。これにより、回転軸61,71の平均回転数Nm0は、比較的低い値となる。
これに対して本実施形態では、図14(B)に示されるように、プリスキャンで得た振動体66,76の駆動特性に基づいて駆動周波数範囲が設定されるので、駆動周波数範囲を従来の駆動周波数範囲よりも小さくできる。したがって、スイープ周波数範囲内で回転軸61,71を駆動できる範囲が広くなるため、平均回転数Nm1も大きくなる。このように、本実施形態では、電源投入時あるいは駆動開始が指示される毎に、プリスキャンによって駆動周波数範囲を設定するので、より効率的な駆動が実現できることがわかる。
(2) 駆動装置84が、駆動周波数を所定範囲内でスイープさせるスイープ駆動を行うので、振動体66,76の駆動中に周囲の温度変化などによって振動体66,76の共振周波数が変動した場合でも、振動体66,76を確実に駆動できる。したがって、外部環境の影響を最小限に抑制でき、これによっても振動体66,76の駆動効率を向上させることができる。また、駆動装置84がスイープ駆動を行うので、振動体66,76の共振周波数付近で常時駆動する場合と較べて振動体66,76の発熱を防止できる。これにより、振動体66,76の劣化を抑制でき、耐久性を向上させることができる。
(3) 駆動周波数設定手段866が、駆動周波数範囲の上限値fBと下限値fAとを設定することにより駆動周波数範囲を設定するので、制御回路では、電流検出回路からの比較結果信号がLからHまたはHからLに切り替わるのを監視すればよく、したがって、駆動周波数の設定を簡単に行える。
(4) プリスキャン処理においては、振動体66,76を回転軸61,71に当接された状態で、かつ回転軸61,71を駆動させずにプリスキャンを行うので、特に初動の時にも回転軸61,71の駆動状況に影響されることなく、良好な駆動特性が得られる。
また、回転軸61,71を駆動させない電圧値で振動体66,76を振動させて駆動周波数範囲の上限値および下限値を設定した上で、電圧値と周波数との相関関係により、この駆動周波数範囲を実際に回転軸61,71を駆動する際の電圧値における駆動周波数範囲に換算するので、より確実に回転軸61,71を駆動できる駆動周波数範囲が得られる。
(5) さらに、本実施形態では、プリスキャンを行って駆動特性を検出しているので、複数の圧電アクチュエータを駆動制御する場合に、それぞれについて、順次プリスキャンを行い、消費電流その他の検出値から、各々のアクチュエータの駆動周波数範囲を設定することができる。このため、複数の圧電アクチュエータを同時に駆動させる場合に、それぞれのスイープの開始タイミングを適宜ずらすなどの制御を容易に実行でき、各圧電アクチュエータが最大消費電流となるタイミングをずらすことができ、システム全体の消費電流値の最大値を抑えることができる。このため、システムの消費電流が規格値を超えることで生じるシステムダウンを回避でき、かつ、回路構成の複雑化、大型化を防止できて、コストも低減できる。
その上、プリスキャンを行うことにより、駆動効率のよい周波数が設定した駆動周波数範囲の中央付近となるように駆動周波数範囲を決定することができ、結果として駆動周波数範囲の中で最大消費電流となる周波数の位置は、複数の圧電アクチュエータでほぼ同じ位置に設定できる。そのため、スイープの開始タイミングをずらすだけで、最大消費電流となるタイミングをずらすことができ、容易に制御できる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態では、第一実施形態において振動体66,76の駆動特性を示す検出値として消費電流を検出していたのに対し、振動体66,76の振動による検出電圧値を検出する。また、第二実施形態は、駆動周波数範囲の設定を検出電圧値のピーク値から算出する点が、第一実施形態と異なる。その他の構成は、第一実施形態と同様である。
図15には、第二実施形態にかかる駆動装置84の構成ブロック図が示されている。この図15において、駆動装置84は、振動体66,76(圧電素子82)の振動を電圧値の振幅として検出する電圧検出回路891を備えている。電圧検出回路891は、振動に寄与しない電極間に発生する電圧を検出する。つまり、例えば圧電素子82の電極82A,82C,82Eに駆動信号(駆動電圧)が印加されている場合には、電極82B,82Dには駆動信号が印加されず、これらの電極82B,82Dの部分の圧電素子82は、振動体66,76の振動に寄与しない。ところが、電極82A,82C,82Eの部分の圧電素子82が振動することにより、電極82B,82Dの部分にもわずかな歪みが生じるため、当該部分に圧電素子82の振動振幅に応じた電圧が発生する。電圧検出回路891は、この電極82B,82D(両方またはどちらか一方)の部分の圧電素子82に生じる電圧値を検出信号として検出し、その最大値(ピーク値)を電圧調整回路86に出力する。
なお、第二実施形態では、第一実施形態のような定電圧回路85は設けられておらず、検出電流基準電圧に相当する基準値も設定されていない。
制御回路863の駆動周波数設定手段866は、プリスキャン時の電圧検出回路891からの検出電圧値のピーク値に基づいて駆動周波数範囲を設定する。具体的には、駆動周波数設定手段866は、検出電圧値のピーク値を駆動周波数範囲の中央値として設定し、そしてその中央値から所定周波数範囲幅を設けることにより、駆動周波数範囲を決定する。ここで、所定周波数範囲幅は、振動体66,76の使用条件などを勘案して予め設定されており、例えば±10〜20kHzに設定すればよい。
このような第二実施形態の駆動装置84のプリスキャン処理について、図16に基づいて説明する。
図16に示されるように、駆動装置84は、第一実施形態と同様に、プリスキャンのための周波数スイープを開始し(ステップS31)、可変周波数発振器88から出力された周波数に応じた駆動信号が駆動回路87から出力されて、圧電素子82が駆動(励振)される(ステップS32)。
電圧検出回路891は、圧電素子82から検出される振動振幅の検出電圧値をモニタする(ステップS33)。そして、電圧検出回路891は、プリスキャン周波数領域内における検出電圧値のピーク値を検出し(ピークホールド)、駆動周波数設定手段866に出力する(ステップS34)。駆動周波数設定手段866は、ピーク値に対応する駆動周波数を中央値として記憶する。
その後、電圧調整回路86は、検出電圧値のピーク値に対応する駆動周波数の決定が、回転軸61,71の両回転について取得されたか否かを判断する(ステップS35)。まだ片回転についてのみしか取得していない場合には、回転軸61,71の回転駆動方向を変更し、(ステップS36)、反対の回転駆動方向に関しても周波数スイープを行い検出電圧値のピーク値に対応する駆動周波数を決定する(ステップS31〜ステップS34)。
ステップS35において、両回転方向について検出電圧値のピーク値に対応する駆動周波数が取得できた場合には、駆動周波数設定手段866は、両回転方向について駆動周波数範囲を設定する(ステップS37)。つまり、駆動周波数設定手段866は、検出電圧値のピーク値に対応する駆動周波数を中央値として設定し、この中央値に対して所定周波数増加させた駆動周波数を上限値とし、中央値に対して所定周波数減少させた駆動周波数を下限値とすることで駆動周波数を設定する。なお、本実施形態においても、プリスキャン処理は、回転軸61,71が非動作となる電圧値で圧電素子82を振動させているので、駆動周波数設定手段866は、駆動周波数範囲の上限値および下限値を決定した後、圧電素子82に印加する駆動電圧値と駆動周波数範囲との相関関係を用いて、実際に駆動する際の駆動電圧値における駆動周波数範囲に換算する。
このような第二実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、および(4)、(5)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(6) 振動体66,76の駆動特性を示す検出信号として振動体66,76の振動振幅の検出電圧値を利用しているので、振動体66,76の振動の状態を直接的に把握できる。したがって、振動体66,76の駆動特性をより正確に得ることができる。
(7) 電圧検出回路891が検出電圧値のピーク値を検出し、駆動周波数設定手段866は、このピーク値に対応する駆動周波数を駆動周波数範囲の中央値に設定する。ここで、圧電素子82の振動振幅の検出電圧値が高いことは、圧電素子82の駆動効率が高くなっていることを意味する。したがって、駆動周波数設定手段866が検出電圧値のピーク値に対応する駆動周波数範囲の中央値に設定することにより、駆動効率が高くなる駆動周波数を必ず駆動周波数範囲に設定できる。よって、振動体66,76の駆動効率を確実に良好にできる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態では、第一実施形態において振動体66,76の駆動特性を示す検出値として消費電流を検出していたのに対し、振動体66,76に供給される駆動信号と振動体66,76から検出される検出信号との位相差を検出する。その他の構成については第一実施形態と同様である。
図17には、第三実施形態にかかる駆動装置84の構成ブロック図が示されている。この図17に示されるように、駆動装置84は、位相差−電圧変換回路893と、定電圧回路852と、比較回路892とを備えている。
位相差−電圧変換回路893は、圧電素子82の振動によって検出される電圧値の検出信号Vaの位相と、圧電素子82に印加される電圧値の駆動信号Vhの位相との位相差を検出し、平均位相差に相当する電圧値を有する位相差電圧信号Vjを比較回路892に出力する。
図18は、駆動信号Vhと検出信号Vaとの位相差θを示した図である。この図18に示されるように、位相差θは、駆動信号Vhを基準として検出信号Vaが進む方向にずれた場合をプラス(+)として検出される。
位相差−電圧変換回路893は、位相差検出部894と、平均電圧変換部895とを備えている。位相差検出部894は、検出信号Vaおよび駆動信号Vhが入力されると、両信号の位相差に相当するパルス幅を有する位相差信号Vpdを生成し、平均電圧変換部895に出力する。平均電圧変換部895は、図示しない積分回路により位相差信号Vpdのパルス幅に相当する平均電圧値を有する位相差電圧信号Vjを生成し、比較回路892に出力する。
定電圧回路852は、検出信号Vaの位相と駆動信号Vhの位相との最適な位相差に相当する電圧値を有する、予め求めた所定の基準位相差信号Vkを比較回路892に出力するものである。
ここで、基準位相差信号Vkは、振動体66,76が最も効率よく振動し、縦一次振動モードと屈曲二次振動モードとの振動成分の比が適切となる駆動周波数に対応した位相差に設定されることが望ましい。例えば駆動周波数は、縦一次振動モードの振動の共振周波数と屈曲二次振動モードの振動の共振周波数との間で縦一次振動モードの振動の共振周波数に近い周波数に設定するのが望ましい。
したがって、本実施形態では、実験やシミュレーションなどにより、駆動周波数として回動軸61の駆動速度が最大となる周波数が選択され、基準位相差信号Vkは、この周波数における位相差θkに対応する電圧値を有する値に設定されている。
比較回路892は、位相差−電圧変換回路893からの位相差電圧信号Vjと定電圧回路852からの基準位相差信号Vkとを入力し、両者を比較するものである。つまり、位相差電圧信号Vj≧基準位相差信号Vkである場合には、比較回路843はHレベルの比較結果信号Veを電圧調整回路844に出力し、位相差電圧信号Vj<基準位相差信号Vkである場合には、比較回路843はLレベルの比較結果信号Veを電圧調整回路844に出力する。
このような構成の駆動装置84によるプリスキャン処理では、第一実施形態と同様に周波数スイープを行う。電圧調整回路86の駆動周波数設定手段866は、比較結果信号Veを監視し、例えば周波数スイープをプリスキャン周波数領域の上限値fmaxから順次駆動周波数を減少させる方向に行っている場合では、比較結果信号VeがLからHに切り替わったときの駆動周波数を駆動周波数範囲の上限値に、また比較結果信号VeがHからLに切り替わったときの駆動周波数を駆動周波数範囲の下限値に設定する。
このような第三実施形態によれば、第一実施形態の(1)〜(5)の効果と同様の効果が得られる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
駆動対象を駆動せずにプリスキャン工程を行い、駆動信号決定工程において駆動信号の電圧値と駆動周波数との相関関係を用いて駆動周波数範囲を設定する場合には、上限値および下限値をそれぞれ相関関係を用いて換算する方法に限らず、例えば上限値および下限値の中央値を算出し、この中央値を相関関係を用いて換算した後に、換算して得られた値を中央値として設定して駆動周波数範囲を設定してもよい。
駆動信号決定工程において駆動周波数範囲を設定する場合において、駆動周波数範囲の中央値の設定は、前記各実施形態のように駆動周波数範囲の上限値および下限値の中央値とする方法や、検出信号のピーク値に対応する駆動周波数値を駆動周波数範囲の中央値とする方法に限らない。例えば、検出信号のピーク値に対応する駆動周波数値を駆動周波数範囲の下限または上限に設定して駆動周波数範囲を設定してもよい。
また、圧電アクチュエータの駆動特性を検出する検出信号として圧電アクチュエータの振動振幅の電圧値を検出する場合には、縦一次振動の共振周波数付近と屈曲二次振動の共振周波数付近で大きな電圧値が検出されるので、駆動信号決定工程では、縦一次振動の共振周波数と屈曲二次振動の共振周波数との間で駆動効率が良好となる任意の点における駆動周波数を駆動周波数範囲の中央値としてもよい。
図19には、圧電素子に印加する印加電圧(駆動電圧)と圧電素子に発生する振動の共振周波数との関係が示されている。ここで、実線は縦一次振動の共振周波数を示し、点線は屈曲二次振動の共振周波数を示す。縦一次振動モードの振動と屈曲二次振動モードの振動とを有する圧電アクチュエータにおいては、被駆動体を駆動可能な範囲はおよそ縦1次振動の共振周波数と屈曲2次振動の共振周波数の間であり、とくに屈曲2次振動の共振周波数よりは電圧や加圧力、負荷の変動があっても比較的良好に動作する領域である。このため、図19に示されるように、駆動周波数範囲の中央値を、縦一次振動の共振周波数と屈曲二次振動の共振周波数との間で屈曲二次振動の共振周波数よりに設定してもよい。この場合において、駆動周波数範囲の中央値は、屈曲二次振動の共振周波数から、縦一次振動の共振周波数と屈曲二次振動の共振周波数との差の4分の1減少させた値に設定することが望ましい。
圧電アクチュエータが複数設けられている場合には、それぞれの圧電アクチュエータに供給する駆動信号は、消費電流が最大値となるタイミングをずらすように設定してもよい。例えば前記各実施形態においては、振動体66,76が二つ設けられているので、これらの消費電流が最大値となるタイミングをずらすように制御してもよい。
図20には、圧電アクチュエータが複数設けられた場合の駆動装置84の構成ブロック図が示されている。この図20に示されるように、振動体66,76を個別に制御するため、電圧調整部861、可変周波数発振器88、駆動回路87、電流検出回路89は、振動体66,76毎に設けられている。従って、2つの振動体66,76が設けられた本実施形態では、電圧調整部861、可変周波数発振器88、駆動回路87、および電流検出回路89は、2つずつ設けられている。一方、クロック回路862および制御回路863は、1つずつ設けられている。
制御回路863には2つのスイッチ848A,848Bが設けられている。スイッチ848Aは、圧電素子82を有する振動体66を駆動(ON)または停止(OFF)を制御するスイッチである。スイッチ848Bは、圧電素子82を有する振動体76を駆動(ON)または停止(OFF)を制御するスイッチである。
制御回路863は、各スイッチ848A,848Bの指示により、各振動体66,76の駆動・停止を制御できるように構成されている。
本実施形態では、制御回路863は、図21(A),(B)に示すように、各振動体66,76を駆動する駆動信号201,202の入力タイミングが、駆動信号201,202の1スイープの周期(1スイープに要する時間)Tを、設けられた振動体66,76の数nで割った時間ΔT(=T/n)だけずれて入力されるように制御している。
本実施形態では、振動体66,76は2つ設けられているので、ΔT=T/2である。周期Tは、振動体66,76で駆動する負荷等によって適宜設定されるが、例えば、T=1/120(秒)である。この場合、ΔT=1/(120×2)=約0.00417秒となる。
一方、各振動体66,76の消費電流211,212は、図21(C),(D)に示すような形になる。このため、振動体66,76の合計消費電流210は、図21(E)に示すようになり、各振動体66,76の消費電流が最大となるタイミングがずれる。このため、合計消費電流210の最大値は、個別の消費電流211,212の最大値の2倍未満に抑えることができ、システムダウンが生じるような所定の電圧レベル220を超えないように構成されている。
このような構成によれば、振動体66,76に入力する駆動信号201,202の入力タイミングをずらしているので、複数の振動体66,76を駆動した場合でも、最大消費電流は1つの振動体66,76を使用した場合とあまり変わらないようにできる。このため、従来のように、複数の振動体66,76の消費電流のピークが重なって、一度に大電流が流れてしまうことを防止でき、この大電流によって発生するシステムダウンや電源の電圧降下の問題を防止できる。このため、振動体66,76の安定した駆動が可能となる。
なお、もちろん圧電アクチュエータ(振動体)の設置数は2つに限らず、3つ以上設けられていてもよい。
また、上記の場合において、駆動信号の入力タイミングをずらす以外にも、制御回路は、例えば複数の圧電アクチュエータのうちいずれか一つの消費電流が最大となるタイミングではその他の圧電アクチュエータの駆動信号を停止したり、駆動信号の周波数スイープを停止して停止時の周波数を保持する制御を行ってもよい。
例えば、制御回路は、プリスキャンにより、各圧電アクチュエータの最大消費電流となる周波数をそれぞれ記憶する。そして、この周波数の前後所定の幅を同時駆動禁止区間として設定する。複数の圧電アクチュエータのスイープの駆動周波数範囲は、それぞれプリスキャンによって決めても、あらかじめ設定しておいてもよい。また、複数の圧電アクチュエータの駆動周波数範囲が同一であってもよい。そして、複数の圧電アクチュエータには、優先的に動作させる圧電アクチュエータを判断するために、あらかじめ順位を設定しておく。
そして、制御回路は、複数の圧電アクチュエータを同時に駆動する際は、周波数スイープも同時に開始する。いずれかの圧電アクチュエータAが同時駆動禁止区間の周波数に達したら、残りの圧電アクチュエータのスイープを停止、もしくは駆動信号を停止する。この際、制御回路は、停止時の駆動信号の周波数を記憶しておく。そして、アクチュエータAが同時駆動禁止区間を脱したら、制御回路は、残りの圧電アクチュエータのスイープを再開する。なお、再開時の駆動信号は前記記憶していた周波数から開始すればよい。
なお、同じタイミングで複数のアクチュエータが同時駆動禁止区間に達した場合は、制御回路は、あらかじめ設定した順位に基づき、1つの圧電アクチュエータはそのまま周波数スイープしつづけ、残りのアクチュエータはスイープを停止、もしくは駆動信号を停止する。
このようにすることにより、複数の圧電アクチュエータを駆動している場合、各圧電アクチュエータの消費電流が最大電流となるタイミングが重ならないため、システム全体の消費電流のピーク値を低減することができる。
駆動制御手段は、所定の駆動周波数範囲内で駆動周波数をスイープして圧電素子を振動させるスイープ駆動を行う構成に限らず、例えば駆動信号として所定の駆動周波数を設定し、当該所定の駆動周波数を固定の駆動周波数として常時その駆動周波数で圧電素子を振動させる構成であってもよい。
圧電アクチュエータの駆動装置としては、前記各実施形態のUDカウンタ864を有する電圧調整部861を用いたものに限らず、例えばD/A変換器865のラダー抵抗値を調整することにより周波数範囲を設定する構成でもよい。
プリスキャン工程では、駆動対象が非動作となる電圧値で圧電素子を振動させる方法に限らず、例えば圧電アクチュエータで駆動対象を駆動しながら周波数スイープを実行してもよい。また、圧電アクチュエータの当接部を駆動対象に当接させない状態でプリスキャンを行ってもよい。
圧電アクチュエータの駆動特性を検出する検出信号として圧電素子の振動振幅の電圧値や、圧電素子へ供給される駆動信号と圧電アクチュエータから検出される検出信号との位相差とを検出する場合には、検出信号に応じてスイープ駆動時のスイープ速度を可変に構成してもよい。このような構成によれば、高効率で駆動対象を駆動できる。
圧電アクチュエータの駆動特性を検出する検出信号は、プリスキャン工程を行う際に使用する他、通常の駆動対象の駆動時に、圧電アクチュエータが最適な駆動条件で駆動しているかどうかをモニタするための手段として使用してもよい。
第二実施形態では、プリスキャン工程において振動振幅の電圧値のピーク値を得たが、これに限らず、例えば第一実施形態と同様に基準電圧値を設定し、振動振幅の電圧値と基準電圧値とを比較することによって駆動周波数範囲の上限値と下限値とを設定してもよい。なお、この場合においては、検出信号の異常値を排除するために所定時間または所定パルス数基準電圧値に達した場合に振動振幅の電圧値が基準電圧値に達したとの判断を行うことが望ましい。
さらに、本発明では、印加装置である駆動装置84内の各手段等は、各種論理素子等のハードウェアで構成されたものや、CPU(中央処理装置)、メモリ(記憶装置)等を備えたコンピュータを時計や携帯機器内に設け、このコンピュータに所定のプログラムやデータ(各記憶部に記憶されたデータ)を組み込んで各手段を実現させるように構成したものでもよい。
ここで、前記プログラムやデータは、カメラや時計等の携帯機器内に組み込まれたRAMやROM等のメモリに予め記憶しておけばよい。また、例えば、カメラ、時計等の携帯機器内のメモリに所定の制御プログラムやデータをインターネット等の通信手段や、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体を介してインストールしてもよい。そして、メモリに記憶されたプログラムでCPU等を動作させて、各手段を実現させればよい。なお、カメラなどに所定のプログラム等をインストールするには、そのカメラなどにメモリカードやCD−ROM等を直接差し込んで行ってもよいし、これらの記憶媒体を読み取る機器を外付けでカメラなどに接続してもよい。さらには、LANケーブル、電話線等をカメラなどに接続して通信によってプログラム等を供給しインストールしてもよいし、無線によってプログラムを供給してインストールしてもよい。
このような記録媒体やインターネット等の通信手段で提供される制御プログラム等をカメラ、時計や携帯機器に組み込めば、プログラムの変更のみで前記各発明の機能を実現できるため、工場出荷時あるいは利用者が希望する制御プログラムを選択して組み込むこともできる。この場合、プログラムの変更のみで制御形式の異なる各種の携帯機器などを製造できるため、部品の共通化等が図れ、バリエーション展開時の製造コストを大幅に低減できる。
また、本発明は、前記実施形態のカメラのレンズユニット10に適用されるものに限らない。すなわち、本発明の圧電アクチュエータの駆動方法や、駆動装置を採用した電子機器としては、カメラのレンズユニット10に限らず、腕時計、置時計、柱時計等の電子時計などの各種の電子機器に本発明が適用可能であり、特に小型化が要求される携帯用の電子機器に好適である。ここで、各種の電子機器としては、時計機能を備えた電話、携帯電話、非接触ICカード、パソコン、携帯情報端末(PDA)等が例示できる。また、カメラとしても、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話等の電子機器にも適用可能である。これらカメラ機能を備えた電子機器に適用する場合には、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明の駆動手段を用いることができる。さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、可動玩具の駆動機構、自動車等のインパネ(instrumental panel)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、超音波モータ等に本発明の駆動手段を用いてもよい。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第一実施形態にかかるレンズユニットを示す斜視図。 第一実施形態にかかるレンズユニットを示す斜視図。 第一実施形態のカム部材の動作図。 第一実施形態のカム部材の動作図。 第一実施形態の圧電アクチュエータの拡大斜視図。 第一実施形態の駆動装置を示す構成ブロック図。 第一実施形態の周波数と消費電力との関係を示す図。 第一実施形態の電圧調整回路を示す構成ブロック図。 第一実施形態の振動体の動作を示すフローチャート。 第一実施形態の振動体のプリスキャン処理を示すフローチャート。 第一実施形態の振動体のプリスキャン処理を示すフローチャート。 第一実施形態の振動体の駆動電圧に対する駆動周波数範囲の関係を示す図。 第一実施形態の駆動信号周波数初期化処理を示すフローチャート。 第一実施形態の駆動周波数範囲に対する平均回転数の関係を示す図。 本発明の第二実施形態の駆動装置の構成ブロック図。 第二実施形態の振動体のプリスキャン処理を示すフローチャート。 本発明の第三実施形態の駆動装置の構成ブロック図。 第三実施形態の駆動信号と検出信号との位相差を示す図。 本発明の変形例の印加電圧と共振周波数との関係を示す図。 本発明の変形例の構成ブロック図。 本発明の変形例の圧電アクチュエータの消費電流を示す図。
符号の説明
1…駆動ユニット、10…レンズユニット、66,76…振動体(圧電アクチュエータ)、82…圧電素子、84…駆動装置、86…電圧調整回路、87…駆動回路、88…可変周波数発振器、89…電流検出回路、862…クロック回路、863…制御回路、866…駆動周波数設定手段、891…電圧検出回路、893…位相差−電圧変換回路。

Claims (20)

  1. 圧電素子の振動により駆動対象を駆動する圧電アクチュエータの駆動方法であって、
    前記圧電アクチュエータの駆動周波数を変化させて前記圧電アクチュエータを駆動し、前記圧電素子の状態を表す信号を検出し、その検出信号と前記駆動周波数との相関を示す駆動特性を得るプリスキャン工程と、
    前記プリスキャン工程で得られた前記圧電アクチュエータの前記駆動特性に基づいて、圧電アクチュエータの駆動信号を決定する駆動信号決定工程と、
    前記駆動信号決定工程で決定された前記駆動信号により前記圧電アクチュエータを駆動する駆動制御工程とを備えた
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエータの駆動方法において、
    前記駆動信号決定工程は、前記駆動信号として所定の駆動周波数範囲を設定し、
    前記駆動制御工程は、前記所定の駆動周波数範囲内で前記圧電アクチュエータをスイープ駆動する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  3. 請求項2に記載の圧電アクチュエータの駆動方法において、
    前記駆動信号決定工程は、前記所定の駆動周波数範囲の上限および下限をそれぞれ決定することにより前記駆動周波数範囲を設定する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  4. 請求項2に記載の圧電アクチュエータの駆動方法において、
    前記駆動信号決定工程は、所定の前記検出信号に対応する駆動周波数値を基準として所定幅を設定することにより前記駆動周波数範囲を設定する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  5. 請求項4に記載の圧電アクチュエータの駆動方法において、
    前記駆動信号決定工程は、前記検出信号のピーク値に対応する駆動周波数値を中央値として所定駆動周波数幅を設けることにより前記駆動周波数範囲を設定する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  6. 請求項1に記載の圧電アクチュエータの駆動方法において、
    前記駆動信号決定工程は、前記駆動信号として所定の駆動周波数を設定し、
    前記駆動制御工程は、前記所定の駆動周波数を固定の駆動周波数として前記圧電アクチュエータを駆動する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動方法において、
    前記プリスキャン工程は、前記当接部を前記駆動対象に当接させた状態で、前記駆動対象が非動作となる電圧値で前記圧電素子を振動させる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動方法において、
    前記駆動制御工程は、複数の前記圧電アクチュエータを駆動するとともに、前記各圧電素子へ供給する前記駆動信号を制御して、各圧電素子の消費電流が最大となるタイミングをずらす
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  9. 請求項8に記載の圧電アクチュエータの駆動方法において、
    いずれか一つの圧電アクチュエータの消費電流が最大となるタイミングでは、残りの圧電アクチュエータの駆動信号を停止、または、駆動信号の周波数スイープを停止し、停止時の周波数を保持することを特徴とする圧電アクチュエータの駆動方法。
  10. 所定の周波数の駆動信号が圧電素子に与えられることで振動する振動体と、この振動体に設けられるとともに駆動対象に当接される当接部とを備えた圧電アクチュエータにおける前記圧電素子へ駆動信号を供給する圧電アクチュエータの駆動装置であって、
    前記圧電アクチュエータの駆動周波数を変化させて前記圧電アクチュエータを駆動し、前記圧電素子の状態を表す信号を検出し、その検出信号と前記駆動周波数との相関を示す駆動特性を得るプリスキャンを行い、前記プリスキャンで得られた前記圧電アクチュエータの前記駆動特性に基づいて、前記圧電アクチュエータの駆動信号を決定し前記圧電アクチュエータを駆動する駆動制御手段を備える
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。
  11. 請求項10に記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
    前記駆動制御手段は、前記駆動信号を所定の駆動周波数範囲として設定し、この所定の駆動周波数範囲内で前記圧電アクチュエータをスイープ駆動する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。
  12. 請求項11に記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
    前記駆動制御手段は、前記所定の駆動周波数範囲の上限および下限をそれぞれ決定することにより前記駆動周波数範囲を設定する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。
  13. 請求項11に記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
    前記駆動制御手段は、所定の前記検出信号に対応する駆動周波数値を基準として所定幅を設定することにより前記駆動周波数範囲を設定する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。
  14. 請求項10に記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
    前記駆動制御手段は、前記駆動信号として所定の駆動周波数を固定の駆動周波数として設定し、前記圧電アクチュエータを駆動する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。
  15. 請求項10から請求項14のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
    前記プリスキャンは、前記当接部を前記駆動対象に当接させた状態で、前記駆動対象が非動作となる電圧値で前記圧電素子を振動させる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。
  16. 請求項10から請求項15のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
    前記駆動制御手段は、複数の圧電アクチュエータを駆動可能に構成され、前記各圧電素子へ供給する前記駆動信号を制御して、前記各圧電素子の消費電流が最大となるタイミングをずらす
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。
  17. 請求項16に記載の圧電アクチュエータの駆動装置において、
    前記駆動制御手段は、いずれか一つの圧電アクチュエータの消費電流が最大となるタイミングでは、残りの圧電アクチュエータの駆動信号を停止、または、駆動信号の周波数スイープを停止し、停止時の周波数を保持することを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。
  18. 所定の周波数の駆動信号圧電素子に与えられることで振動する振動体及びこの振動体に設けられるとともに駆動対象に当接される当接部を有する圧電アクチュエータと、
    請求項10から請求項17のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動装置とを備えた
    ことを特徴とする電子機器。
  19. 所定の周波数の駆動信号が圧電素子に与えられることで振動する振動体と、この振動体に設けられるとともに駆動対象に当接される当接部とを備えた圧電アクチュエータにおける前記圧電素子へ駆動信号を供給する圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラムであって、
    前記駆動装置に組み込まれたコンピュータに、
    請求項1から請求項9のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動方法を実行させる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラム。
  20. 請求項19に記載の圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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