JP2006353055A - 圧電アクチュエータの駆動制御装置、電子機器、および圧電アクチュエータの駆動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 駆動対象の駆動量および圧電アクチュエータの電流値を容易に制御することができる圧電アクチュエータの駆動制御装置、電子機器、および圧電アクチュエータの駆動制御方法を提供すること。
【解決手段】駆動制御装置において、PWM信号源が制御パルス信号Bをパルス幅可変に出力することで、駆動信号Aの周波数として選択される各設定周波数Lo、Hiが選択される期間t−l、t−hの比率が可変とされるため、これによってロータの回転数を自在に制御でき、また、圧電アクチュエータに流れる電流値も自在に制御できる。このような構成によれば、駆動周波数自体を制御する場合のように周波数を絞込むような困難性がなく、駆動制御を容易にできる。
【選択図】 図6
【解決手段】駆動制御装置において、PWM信号源が制御パルス信号Bをパルス幅可変に出力することで、駆動信号Aの周波数として選択される各設定周波数Lo、Hiが選択される期間t−l、t−hの比率が可変とされるため、これによってロータの回転数を自在に制御でき、また、圧電アクチュエータに流れる電流値も自在に制御できる。このような構成によれば、駆動周波数自体を制御する場合のように周波数を絞込むような困難性がなく、駆動制御を容易にできる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、圧電アクチュエータの駆動制御装置、電子機器、および圧電アクチュエータの駆動制御方法に関する。
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れている。このため、近年、圧電素子の逆圧電効果を利用した各種の圧電アクチュエータが開発されている。この圧電アクチュエータは、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、超音波モータ、電子時計、携帯機器等の各種電子機器の分野に応用されている。
この圧電アクチュエータの電流制御や駆動対象の駆動量の制御(スピードコントロール)には、電圧振幅可変駆動方式(例えば、特許文献1)や、PWM(パルス幅変調方式 pulse width modulation)駆動方式(例えば、特許文献2)が使用されている。
この圧電アクチュエータの電流制御や駆動対象の駆動量の制御(スピードコントロール)には、電圧振幅可変駆動方式(例えば、特許文献1)や、PWM(パルス幅変調方式 pulse width modulation)駆動方式(例えば、特許文献2)が使用されている。
しかしながら、特許文献1のような電圧振幅可変駆動方式では、電圧が直接制御されているため、回路効率の低下が問題となる。
また、特許文献2のようなPWM駆動方式では、圧電アクチュエータの駆動信号のパルス幅を可変とするために、駆動信号よりも十分に高い周波数での基準パルス信号が必要となるため、回路電流の増加を招くとともに、回路構成の難易度が高かった。
すなわち、これらの駆動方式では、上記問題により、電流値や駆動量を自在に制御することが困難であった。
また、特許文献2のようなPWM駆動方式では、圧電アクチュエータの駆動信号のパルス幅を可変とするために、駆動信号よりも十分に高い周波数での基準パルス信号が必要となるため、回路電流の増加を招くとともに、回路構成の難易度が高かった。
すなわち、これらの駆動方式では、上記問題により、電流値や駆動量を自在に制御することが困難であった。
そもそも、圧電アクチュエータでは通常、共振周波数が用いられており、駆動周波数を共振点ないし、その極近傍という狭小な範囲(例えば1kHzの範囲)に制御することが非常に難しい。
また、図14のグラフに、周波数掃引時の位相差、ロータの回転数(駆動量)、電流値の変化を示した。このグラフから、駆動周波数と電流値およびロータ回転数(駆動状態)との関係が線形ではないため、ロータの回転速度の制御や、圧電アクチュエータの電流値を制御することは極めて難しいことがわかる。
また、図14のグラフに、周波数掃引時の位相差、ロータの回転数(駆動量)、電流値の変化を示した。このグラフから、駆動周波数と電流値およびロータ回転数(駆動状態)との関係が線形ではないため、ロータの回転速度の制御や、圧電アクチュエータの電流値を制御することは極めて難しいことがわかる。
このような問題に鑑みて、本発明の目的は、駆動対象の駆動量および圧電アクチュエータの電流値を容易に制御することができる圧電アクチュエータの駆動制御装置、電子機器、および圧電アクチュエータの駆動制御方法を提供することである。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置は、所定の周波数の駆動信号が圧電素子に供給されることで振動する振動体と、この振動体に設けられるとともに駆動対象に当接される当接部とを備えた圧電アクチュエータの駆動制御装置であって、前記駆動信号の周波数を予め設定された複数の設定周波数から選択して切替える周波数選択手段を備え、前記複数の設定周波数には、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを第1駆動状態とする第1周波数と、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを前記第1駆動状態とは異なる第2駆動状態とする第2周波数とが含まれ、前記周波数選択手段により、一定期間における前記第1周波数が選択される第1周波数選択期間と前記第2周波数が選択される第2周波数選択期間との比率が可変とされることを特徴とする。
この発明によれば、駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを第1駆動状態、第2駆動状態とする第1周波数、第2周波数が予め設定されており、これらの第1周波数、第2周波数に係る、一定期間における第1周波数選択期間と第2周波数選択期間との比率(以下、各設定周波数が選択される期間の比率などとも言う)が可変とされることによって、圧電アクチュエータにおける電流値、および駆動対象の駆動量を自在に制御することが可能となる。
加えて、本発明で可変とされるのは、各設定周波数が選択される期間の比率であって、本発明は駆動信号の周波数の値を直接制御するものではないから、駆動に適する周波数を絞込むような困難性がなく、駆動制御を容易にできる。
また、本発明は、D級増幅器を用いるPWM駆動方式のようにパルス幅を可変とするために用いられる駆動パルス信号よりも高周波の基準信号は不要である。このため、低電流化できるとともに設計も容易化できる。
さらに、本発明では電圧を直接制御しないので、回路効率も低下しない。
また、本発明は、D級増幅器を用いるPWM駆動方式のようにパルス幅を可変とするために用いられる駆動パルス信号よりも高周波の基準信号は不要である。このため、低電流化できるとともに設計も容易化できる。
さらに、本発明では電圧を直接制御しないので、回路効率も低下しない。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、前記複数の設定周波数には、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを前記第1駆動状態および前記第2駆動状態とは異なる第3駆動状態とする第3周波数が含まれ、前記周波数選択手段により、一定期間内で前記第1周波数と前記第3周波数とに切替えられるともに、一定期間内で前記第2周波数と前記第3周波数とに切替えられ、一定期間における前記第1周波数選択期間と前記第3周波数が選択される第3周波数選択期間との比率、および、一定期間における前記第2周波数選択期間と前記第3周波数選択期間との比率が、それぞれ可変とされることが好ましい。
この発明によれば、駆動信号の周波数が3値化され、第1周波数選択期間および第3周波数選択期間の比率、また、第2周波数選択期間および第3周波数選択期間の比率がそれぞれ可変とされるので、分解能を高くでき、より適切な駆動制御が可能となる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、前記周波数選択手段に制御信号を入力する制御信号源を備え、前記制御信号は、複数の電圧で生成され、前記設定周波数は、前記制御信号の電圧に応じて選択されることが好ましい。
この発明によれば、制御信号を電圧の高低を伴うパルス信号などとし、そのパルス幅を可変とすることで、一定期間における第1周波数選択期間と第2周波数選択期間との比率が可変とされるので、構成が簡略となり、また、低電流化できる。
ここで、複数の電圧として、低電圧、高電圧に加えて、高インピーダンス状態を含んで構成すれば、1の信号出力に3つの状態を持たせることができる。
ここで、複数の電圧として、低電圧、高電圧に加えて、高インピーダンス状態を含んで構成すれば、1の信号出力に3つの状態を持たせることができる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、前記駆動信号および前記振動体の振動状態を表す検出信号の位相差を検出する位相差検出手段を備え、前記位相差検出手段は、前記検出信号の位相を予め設定された複数の位相差のいずれかだけシフトする位相シフト器と、この位相シフト器の出力と前記駆動信号との位相を比較して位相差を出力する位相比較器とを備えて構成され、前記複数の位相差には、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを前記第1駆動状態とする第1位相差と、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを前記第2駆動状態とする第2位相差とが含まれ、前記位相シフト器により、一定期間における前記第1位相差が選択される第1位相差選択期間と前記第2位相差が選択される第2位相差選択期間との比率が可変とされ、前記周波数選択手段は、前記位相比較器から出力された位相差に基いて、前記駆動信号の位相を設定することが好ましい。
この発明によれば、振動体の振動状態を示す検出信号の位相と、駆動信号の位相との比較において、所定の位相差で駆動する位相差フィードバック制御が実施されるため、圧電アクチュエータの電流値、駆動対象の駆動量を所望の値に制御可能となる。
また、このように、位相差フィードバックを行う構成において、第1駆動状態、第2駆動状態を位相差(第1位相差、第2位相差)によって規定し、この位相差を介して駆動周波数が決まる構成としたことで、位相差フィードバック制御の安定性を確保できる。すなわち、位相差フィードバック制御の後に、周波数が選択される期間の比率制御が行われることで、位相差フィードバック制御が不安定となることを回避できる。
また、このように、位相差フィードバックを行う構成において、第1駆動状態、第2駆動状態を位相差(第1位相差、第2位相差)によって規定し、この位相差を介して駆動周波数が決まる構成としたことで、位相差フィードバック制御の安定性を確保できる。すなわち、位相差フィードバック制御の後に、周波数が選択される期間の比率制御が行われることで、位相差フィードバック制御が不安定となることを回避できる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、前記振動体は、略矩形板状に形成され、前記設定周波数は、前記振動体の長手方向に沿った方向に振動する縦振動の共振周波数と、この縦振動と交差する方向に振動する屈曲振動の共振周波数との間の値であることが好ましい。
本発明は、前述のように、駆動周波数を直接制御するのではなく、予め設定された複数の設定周波数を互いに切替える構成であるから、駆動周波数の制御が一般的に非常に困難な、共振を利用して駆動する場合に、その効果を特に大きいものとできる。
また、本発明は、共振を利用する圧電アクチュエータの駆動制御装置として、汎用的に利用できる。
また、本発明は、共振を利用する圧電アクチュエータの駆動制御装置として、汎用的に利用できる。
本発明の電子機器は、圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータで駆動される駆動対象と、前述の圧電アクチュエータの駆動制御装置を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータの駆動制御装置を備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受できる。
本発明の電子機器としては、例えば、携帯電話、パーソナル・コンピュータ、玩具、携帯情報端末(PDA)、カメラ等を例示できる。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータの駆動制御装置を備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受できる。
本発明の電子機器としては、例えば、携帯電話、パーソナル・コンピュータ、玩具、携帯情報端末(PDA)、カメラ等を例示できる。
本発明の電子機器は、計時手段と、前記計時手段で計時された計時情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計であることが好ましい。
この発明によれば、圧電アクチュエータで計時手段や計時情報表示部を構成する歯車等を駆動することが可能となる。本発明の前述した圧電アクチュエータでこの歯車等を介して時、分、秒などを表示すれば、駆動対象の駆動状態を一定に制御でき、正確な運針を図ることができる。
なお、このような時刻に係る構成に限らず、日、月、曜などのカレンダ情報の計時手段および計時情報表示部について、圧電アクチュエータを使用することもできる。
加えて、圧電アクチュエータにおける利点、すなわち、磁気の影響を受けない、応答性が高く微小送りが可能、小型薄型化に有利、高トルクなどを実現できる。
この発明によれば、圧電アクチュエータで計時手段や計時情報表示部を構成する歯車等を駆動することが可能となる。本発明の前述した圧電アクチュエータでこの歯車等を介して時、分、秒などを表示すれば、駆動対象の駆動状態を一定に制御でき、正確な運針を図ることができる。
なお、このような時刻に係る構成に限らず、日、月、曜などのカレンダ情報の計時手段および計時情報表示部について、圧電アクチュエータを使用することもできる。
加えて、圧電アクチュエータにおける利点、すなわち、磁気の影響を受けない、応答性が高く微小送りが可能、小型薄型化に有利、高トルクなどを実現できる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法は、所定の周波数の駆動信号が圧電素子に供給されることで振動する振動体と、この振動体に設けられるとともに駆動対象に当接される当接部とを備えた圧電アクチュエータの駆動制御方法であって、前記駆動信号の周波数を予め設定された複数の設定周波数から選択して切替え、前記複数の設定周波数には、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを第1駆動状態とする第1周波数と、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを前記第1駆動状態とは異なる第2駆動状態とする第2周波数とが含まれ、一定期間における前記第1周波数が選択される第1周波数選択期間と前記第2周波数が選択される第2周波数選択期間との比率が可変とされることが好ましい。
この発明によれば、前述の駆動制御装置と同様、各設定周波数が選択される期間の比率が可変とされているから、駆動対象の駆動量および圧電アクチュエータの電流値を容易かつ自在に制御できる。
そして、前述と同様に、回路の低電流化が図られ、回路設計を容易化でき、かつ、回路効率が低下することもない。
そして、前述と同様に、回路の低電流化が図られ、回路設計を容易化でき、かつ、回路効率が低下することもない。
なお、前述した圧電アクチュエータの駆動制御装置は、ハードウェアで実現することもできるが、制御プログラムを用いて実現することもできる。
その制御プログラムでは、前記駆動制御装置に組み込まれたコンピュータを、前記周波数選択手段として機能させればよい。
このように構成すれば、前述の駆動制御装置と同様の作用効果を奏することができる。
ここで、前記制御プログラムは、ネットワークなどを介してコンピュータに組み込んでもよいし、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して組み込んでもよい。
このような記録媒体やインターネット等の通信手段で提供される制御プログラム等を時計や携帯機器に組み込めば、プログラムの変更のみで前記各発明の機能を実現できるため、工場出荷時あるいは利用者が希望する制御プログラムを選択して組み込むこともできる。この場合、プログラムの変更のみで制御形式の異なる各種の時計や携帯機器を製造できるため、部品の共通化等が図れ、バリエーション展開時の製造コストを大幅に低減できる。
その制御プログラムでは、前記駆動制御装置に組み込まれたコンピュータを、前記周波数選択手段として機能させればよい。
このように構成すれば、前述の駆動制御装置と同様の作用効果を奏することができる。
ここで、前記制御プログラムは、ネットワークなどを介してコンピュータに組み込んでもよいし、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して組み込んでもよい。
このような記録媒体やインターネット等の通信手段で提供される制御プログラム等を時計や携帯機器に組み込めば、プログラムの変更のみで前記各発明の機能を実現できるため、工場出荷時あるいは利用者が希望する制御プログラムを選択して組み込むこともできる。この場合、プログラムの変更のみで制御形式の異なる各種の時計や携帯機器を製造できるため、部品の共通化等が図れ、バリエーション展開時の製造コストを大幅に低減できる。
本発明によれば、一定期間における各設定周波数が選択される期間の比率を可変とする簡易な構成により、駆動対象の駆動状態の制御、および圧電アクチュエータにおける電流値の制御を容易に行うことができる。
加えて、回路構成を簡略にでき、また、回路効率が低下せず、低電流化も図られる。
加えて、回路構成を簡略にでき、また、回路効率が低下せず、低電流化も図られる。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、電子機器の実施形態として、圧電アクチュエータによって駆動されるクロノグラフ秒針を備えた電子時計を例示する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、電子機器の実施形態として、圧電アクチュエータによって駆動されるクロノグラフ秒針を備えた電子時計を例示する。
[1.全体構成]
図1は、本実施形態にかかる電子時計1を示す平面図である。電子時計1は、図示しないムーブメント(計時部)と、通常時刻を表示するための計時情報表示部としての時針2、分針3、秒針4のほか、クロノグラフ時間を示す秒クロノグラフ針(秒CG針)5、分クロノグラフ針(分CG針)6を備えている。
図1は、本実施形態にかかる電子時計1を示す平面図である。電子時計1は、図示しないムーブメント(計時部)と、通常時刻を表示するための計時情報表示部としての時針2、分針3、秒針4のほか、クロノグラフ時間を示す秒クロノグラフ針(秒CG針)5、分クロノグラフ針(分CG針)6を備えている。
[2.秒クロノグラフ針5の駆動機構]
秒クロノグラフ針5を駆動する駆動機構は、圧電アクチュエータ(超音波モータ)20と、この圧電アクチュエータ20によって回転駆動される駆動対象としてのロータ30と、ロータ30の回転を減速しつつ伝達する減速輪列40とを備えて構成されている。
減速輪列40は、ロータ30と同軸に配置されてロータ30と一体的に回転する歯車41と、この歯車41に噛合し、かつ、秒クロノグラフ針5の回転軸に固定された歯車42とで構成されている。
なお、圧電アクチュエータ20と、ロータ30および歯車41は、図2,3に示すように、圧電アクチュエータユニット10としてユニット化されている。
秒クロノグラフ針5を駆動する駆動機構は、圧電アクチュエータ(超音波モータ)20と、この圧電アクチュエータ20によって回転駆動される駆動対象としてのロータ30と、ロータ30の回転を減速しつつ伝達する減速輪列40とを備えて構成されている。
減速輪列40は、ロータ30と同軸に配置されてロータ30と一体的に回転する歯車41と、この歯車41に噛合し、かつ、秒クロノグラフ針5の回転軸に固定された歯車42とで構成されている。
なお、圧電アクチュエータ20と、ロータ30および歯車41は、図2,3に示すように、圧電アクチュエータユニット10としてユニット化されている。
[3.圧電アクチュエータユニットの構成]
圧電アクチュエータユニット10は、電子時計1の地板などに固定される支持プレート11と、支持プレート11に固定された圧電アクチュエータ20と、支持プレート11に回転自在に取り付けられたロータ30および歯車41とを備えて構成されている。
圧電アクチュエータユニット10は、電子時計1の地板などに固定される支持プレート11と、支持プレート11に固定された圧電アクチュエータ20と、支持プレート11に回転自在に取り付けられたロータ30および歯車41とを備えて構成されている。
支持プレート11は、軽量化のために孔12が形成されており、かつ、ネジ等の固定部材13によって地板などに固定されている。また、支持プレート11には圧電アクチュエータ20が取り付けられるスペーサ14が固定されている。
[4.圧電アクチュエータの構成]
圧電アクチュエータ20は、図2,3に示すように、略矩形板状の補強板21と、補強板21の両面に接着された圧電素子22とからなる振動体20Aを備えている。
補強板21の長手方向略中央には、両側に突出する腕部23が形成されており、これらの各腕部23がビス24によって前記スペーサ14に固定されている。なお、腕部23を備える補強板21は、導電性金属で構成されており、前記腕部23は圧電素子22に駆動信号を印加するための電極としても利用されている。
補強板21の長手方向一方の端部、具体的にはロータ30に対向する端部には、補強板21の長手方向に沿って突出する突起25が形成されている。突起25は、ロータ30の側面に当接されており、この突起25により駆動対象に当接する当接部が構成されている。
圧電アクチュエータ20は、図2,3に示すように、略矩形板状の補強板21と、補強板21の両面に接着された圧電素子22とからなる振動体20Aを備えている。
補強板21の長手方向略中央には、両側に突出する腕部23が形成されており、これらの各腕部23がビス24によって前記スペーサ14に固定されている。なお、腕部23を備える補強板21は、導電性金属で構成されており、前記腕部23は圧電素子22に駆動信号を印加するための電極としても利用されている。
補強板21の長手方向一方の端部、具体的にはロータ30に対向する端部には、補強板21の長手方向に沿って突出する突起25が形成されている。突起25は、ロータ30の側面に当接されており、この突起25により駆動対象に当接する当接部が構成されている。
圧電素子22は、略矩形板状に形成され、補強板21両面の略矩形状部分に接着されている。圧電素子22の両面には、めっき層によって電極が形成されている。
なお、圧電素子22の補強板21側の面には、その全面に1つの電極が形成され、この電極に接触する補強板21および腕部23を介して駆動制御装置50(図4)に電気的に接続されている。
また、圧電素子22の表面側の面には、図3に示すように、5つに分割された電極が形成されている。すなわち、圧電素子22の表面側の電極は、圧電素子22の幅方向にほぼ三等分され、その中央の電極によって駆動電極221が形成されている。また、駆動電極221の両側の電極は、圧電素子22の長手方向にぼほ二等分され、圧電素子の対角上でそれぞれ対となる駆動電極222および駆動電極223が形成されている。
これらの駆動電極221,222,223もそれぞれリード線などによって駆動制御装置50(図4)に接続されている。
なお、圧電素子22の補強板21側の面には、その全面に1つの電極が形成され、この電極に接触する補強板21および腕部23を介して駆動制御装置50(図4)に電気的に接続されている。
また、圧電素子22の表面側の面には、図3に示すように、5つに分割された電極が形成されている。すなわち、圧電素子22の表面側の電極は、圧電素子22の幅方向にほぼ三等分され、その中央の電極によって駆動電極221が形成されている。また、駆動電極221の両側の電極は、圧電素子22の長手方向にぼほ二等分され、圧電素子の対角上でそれぞれ対となる駆動電極222および駆動電極223が形成されている。
これらの駆動電極221,222,223もそれぞれリード線などによって駆動制御装置50(図4)に接続されている。
このような圧電アクチュエータ20では、駆動電極222,223を使い分けることにより、ロータ30を両方向に回転駆動することができる。
すなわち、駆動電極221と駆動電極222とを電圧印加の対象として圧電素子22に所定の駆動周波数で電圧を印加すると、振動体20Aは縦振動および屈曲振動を励振し、振動体20Aの突起25が圧電素子22の長手方向の中心線に対して傾斜した略楕円軌跡を描く。そして、突起25の押圧により、ロータ30は順方向に回転する。一方、駆動電極222の代わりに駆動電極223を電圧印加の対象とした場合には、駆動電極222と駆動電極223とは、圧電素子22の長手方向の中心線を軸として線対称の位置関係にあるから、駆動電極223に電圧を印加することにより、縦振動に対する交差方向が駆動電極222に電圧印加した場合とは線対称となる屈曲振動が誘発される。したがって、振動体20Aの突起25の軌跡は、駆動電極222に電圧印加した場合とは線対称に傾斜する略楕円軌跡となり、ロータ30は反対方向に回転駆動される。
すなわち、駆動電極221と駆動電極222とを電圧印加の対象として圧電素子22に所定の駆動周波数で電圧を印加すると、振動体20Aは縦振動および屈曲振動を励振し、振動体20Aの突起25が圧電素子22の長手方向の中心線に対して傾斜した略楕円軌跡を描く。そして、突起25の押圧により、ロータ30は順方向に回転する。一方、駆動電極222の代わりに駆動電極223を電圧印加の対象とした場合には、駆動電極222と駆動電極223とは、圧電素子22の長手方向の中心線を軸として線対称の位置関係にあるから、駆動電極223に電圧を印加することにより、縦振動に対する交差方向が駆動電極222に電圧印加した場合とは線対称となる屈曲振動が誘発される。したがって、振動体20Aの突起25の軌跡は、駆動電極222に電圧印加した場合とは線対称に傾斜する略楕円軌跡となり、ロータ30は反対方向に回転駆動される。
ロータ30は、円盤状に形成されている。なお、本実施形態では、ロータ30の外周面には溝31(図2)が形成され、この溝31部分に前記突起25が配置されている。この溝31によって、電子時計1を落下した場合のように圧電アクチュエータ20に衝撃が加わった際に、突起25がロータ30の当接面から外れないようにガイドすることができる。
但し、圧電アクチュエータ20およびロータ30は共に支持プレート11に取り付けられており、衝撃が加わった際にも圧電アクチュエータ20およびロータ30が相対的にずれてしまうことは殆ど無いため、溝31を設けずにロータ30の外周面をフラットに形成し、その外周面に突起25を当接させてもよい。
但し、圧電アクチュエータ20およびロータ30は共に支持プレート11に取り付けられており、衝撃が加わった際にも圧電アクチュエータ20およびロータ30が相対的にずれてしまうことは殆ど無いため、溝31を設けずにロータ30の外周面をフラットに形成し、その外周面に突起25を当接させてもよい。
この圧電アクチュエータ20の突起25は、ロータ30の外周面に対して所定の力で当接するように、圧電アクチュエータ20およびロータ30の相対位置が設定されている。これにより突起25とロータ30側面との間に適切な摩擦力が発生し、圧電アクチュエータ20の駆動力の伝達効率が良好となる。
このような電子時計1では、駆動制御装置50(図4)が圧電アクチュエータ20への駆動信号を制御することにより、所定の周波数の駆動信号が圧電素子22に印加されると、振動体20Aは、縦一次振動モードと屈曲二次振動モードとを組み合わせた振動を励振する。突起25は、これらの振動モードを組み合わせた略楕円軌道を描いて振動し、その振動軌道の一部でロータ30を押圧することによりロータ30を回転駆動する。
ロータ30が回転駆動すると、ロータ30と一体の歯車41も回転し、歯車41の回転に伴い歯車42が回転し、秒クロノグラフ針5が駆動する。
ロータ30が回転駆動すると、ロータ30と一体の歯車41も回転し、歯車41の回転に伴い歯車42が回転し、秒クロノグラフ針5が駆動する。
なお、歯車41の回転は、歯車41の上方に配置された回転センサ15によって検出可能に構成されている。
[5.圧電アクチュエータの駆動装置の構成]
次に、圧電アクチュエータ20の駆動制御装置50の構成を図4に基いて説明する。
図4において、駆動制御装置50は、周波数選択手段としての電圧制御発振器51、デットタイム生成回路52、ゲートドライバ53、電源54、スイッチ回路55、バンドパスフィルタ(BPF)56、信号増幅器(AMP)57、コンパレータ(CMP)58、制御信号源としてのPWM信号源59、位相シフト器60、位相比較器61、ローパスフィルタ(LPF)62を備えて構成されている。
次に、圧電アクチュエータ20の駆動制御装置50の構成を図4に基いて説明する。
図4において、駆動制御装置50は、周波数選択手段としての電圧制御発振器51、デットタイム生成回路52、ゲートドライバ53、電源54、スイッチ回路55、バンドパスフィルタ(BPF)56、信号増幅器(AMP)57、コンパレータ(CMP)58、制御信号源としてのPWM信号源59、位相シフト器60、位相比較器61、ローパスフィルタ(LPF)62を備えて構成されている。
電圧制御発振器51は、印加される電圧によって出力する信号の周波数を可変できる発振器であり、圧電アクチュエータ20の駆動パルス信号を生成している。
駆動パルス信号は、予め設定された複数の設定周波数である第1周波数、第2周波数のいずれかに基いて生成される。
駆動パルス信号は、予め設定された複数の設定周波数である第1周波数、第2周波数のいずれかに基いて生成される。
ここで、図5に、振動体20Aの駆動周波数とインピーダンスとの関係を示した。
図5に示すように、圧電素子22に印加する電圧の駆動周波数に対してインピーダンスが極小となる点が二点現れる。ここでは、これらのうち周波数の低い方の一点は、縦振動の振幅が最大となる共振点で、この共振点における駆動周波数が、縦共振周波数fr1となる。周波数の高い方の一点は、屈曲振動の振幅が最大となる共振点で、この共振点における駆動周波数が屈曲共振周波数fr2となる。
なお、圧電素子22に印加される電圧の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形波、台形波などが採用できる。
図5に示すように、圧電素子22に印加する電圧の駆動周波数に対してインピーダンスが極小となる点が二点現れる。ここでは、これらのうち周波数の低い方の一点は、縦振動の振幅が最大となる共振点で、この共振点における駆動周波数が、縦共振周波数fr1となる。周波数の高い方の一点は、屈曲振動の振幅が最大となる共振点で、この共振点における駆動周波数が屈曲共振周波数fr2となる。
なお、圧電素子22に印加される電圧の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形波、台形波などが採用できる。
前述の第1周波数、第2周波数は、振動体20Aの縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2の間の値に設定されている。
さらに、第1周波数、第2周波数は、所定の駆動条件において、ロータ30をそれぞれ、第1駆動状態、第2駆動状態とするものとなっている。
ロータ30の第1駆動状態とは、本実施形態では、回転数がほぼ0となる駆動状態であって、前掲の図14に示されるように、ロータ30が第1駆動状態d1であるときの駆動周波数に基いて、第1周波数は245kHzに設定されている。
一方、ロータ30の第2駆動状態は、本実施形態では、ほぼ最大の効率で駆動される状態d2であり、この第2駆動状態d2であるときの駆動周波数に基いて、第2周波数は、極大値近傍である250kHzに設定されている。
なお、本実施形態では、ロータ30の回転数に基いて、第1、第2周波数を設定したが、圧電アクチュエータ20の振動状態に係る第1駆動状態d1、第2駆動状態d2を規定し、各駆動状態における電流値を実現する周波数をそれぞれ、第1、第2周波数として設定することもできる。
また、第1駆動状態、第2駆動状態の決め方も、ここで示したものに限らず、例えば、回転数0と最大回転数との間の回転数となる状態をロータ30の第1状態として、これに基いて第1周波数を設定してもよい。ただし、第1周波数と第2周波数とは互いに離れた値(少なくとも、1kHz程度)とすることが好ましい。
さらに、第1周波数、第2周波数は、所定の駆動条件において、ロータ30をそれぞれ、第1駆動状態、第2駆動状態とするものとなっている。
ロータ30の第1駆動状態とは、本実施形態では、回転数がほぼ0となる駆動状態であって、前掲の図14に示されるように、ロータ30が第1駆動状態d1であるときの駆動周波数に基いて、第1周波数は245kHzに設定されている。
一方、ロータ30の第2駆動状態は、本実施形態では、ほぼ最大の効率で駆動される状態d2であり、この第2駆動状態d2であるときの駆動周波数に基いて、第2周波数は、極大値近傍である250kHzに設定されている。
なお、本実施形態では、ロータ30の回転数に基いて、第1、第2周波数を設定したが、圧電アクチュエータ20の振動状態に係る第1駆動状態d1、第2駆動状態d2を規定し、各駆動状態における電流値を実現する周波数をそれぞれ、第1、第2周波数として設定することもできる。
また、第1駆動状態、第2駆動状態の決め方も、ここで示したものに限らず、例えば、回転数0と最大回転数との間の回転数となる状態をロータ30の第1状態として、これに基いて第1周波数を設定してもよい。ただし、第1周波数と第2周波数とは互いに離れた値(少なくとも、1kHz程度)とすることが好ましい。
デットタイム生成回路52は、後述するスイッチ回路55の切替タイミングを制御して貫通電流を抑制するためのデットタイムを生成し、このデットタイムが追加された駆動パルス信号を出力する回路である。
ゲートドライバ53は、デットタイム生成回路52から出力された駆動パルス信号に基いてスイッチ回路55のオンオフを制御するドライブ回路であり、本実施形態では2つの第1ゲートドライバ53A、第2ゲートドライバ53Bを備えている。
そして、デットタイム生成回路52からゲートドライバ53Bに入力される駆動パルス信号はインバータ(NOTゲート)64を経由するため、第1ゲートドライバ53Aに入力される駆動パルス信号が反転した信号とされている。
電源54は、圧電アクチュエータ20に対して電圧VDDおよびVSS間の電位差の電圧、または電圧VDDおよびGND間の電位差の電源電圧を印加するものである。
そして、デットタイム生成回路52からゲートドライバ53Bに入力される駆動パルス信号はインバータ(NOTゲート)64を経由するため、第1ゲートドライバ53Aに入力される駆動パルス信号が反転した信号とされている。
電源54は、圧電アクチュエータ20に対して電圧VDDおよびVSS間の電位差の電圧、または電圧VDDおよびGND間の電位差の電源電圧を印加するものである。
スイッチ回路55は、PチャネルMOS−FETで構成されるスイッチ55A,55Bと、NチャネルMOS−FETで構成されるスイッチ55C,55Dとで構成されている。これらの各スイッチ55A〜55Dは、第1ゲートドライバ53A、第2ゲートドライバ53Bによってゲートに加えられる電圧が制御されることで、オンオフ制御されている。
すなわち、スイッチ55A,55Cを駆動する第1ゲートドライバ53Aと、スイッチ55B,55Cを駆動する第2ゲートドライバ53Bとは、互いに反転した駆動パルス信号で動作するため、同じPチャネルMOS−FETのスイッチ55A,55Bは、一方のスイッチ55Aがオンされている場合には他方のスイッチ55Bはオフされる。
同様に、NチャネルMOS−FETのスイッチ55C,55Dは、一方のスイッチ55Cがオンされている場合には他方のスイッチ55Dはオフされる。
また、直列に接続されたスイッチ55A,55Cでは、一方がオンの場合、他方がオフされる。同様に、直列に接続されたスイッチ55B,55Dでも、一方がオンの場合、他方がオフされる。
すなわち、スイッチ55A,55Cを駆動する第1ゲートドライバ53Aと、スイッチ55B,55Cを駆動する第2ゲートドライバ53Bとは、互いに反転した駆動パルス信号で動作するため、同じPチャネルMOS−FETのスイッチ55A,55Bは、一方のスイッチ55Aがオンされている場合には他方のスイッチ55Bはオフされる。
同様に、NチャネルMOS−FETのスイッチ55C,55Dは、一方のスイッチ55Cがオンされている場合には他方のスイッチ55Dはオフされる。
また、直列に接続されたスイッチ55A,55Cでは、一方がオンの場合、他方がオフされる。同様に、直列に接続されたスイッチ55B,55Dでも、一方がオンの場合、他方がオフされる。
これらのスイッチ55A〜55Dは、前記第1ゲートドライバ53A、第2ゲートドライバ55Bにより、圧電アクチュエータ(超音波モータ)20に対してブリッジ接続され、ブリッジの対角に位置する一対のスイッチ55A,55Dで構成されるスイッチ回路と、他の一対のスイッチ55B,55Cで構成されるスイッチ回路とは、交互にオンオフ制御される。これにより、電源54によって印加される所定の電源電圧が交番する矩形波電圧に変換され、圧電アクチュエータ20に印加される。
なお、各スイッチ55A〜55Dのオンオフを切り替える際に、直列に接続されたスイッチ55A,55Cや、スイッチ55B,55Dが同時にオンとなってしまうと、各スイッチ55A,55Cや、スイッチ55B,55Dに貫通電流が流れてしまう。この貫通電流は、圧電アクチュエータ20の駆動動作に利用されないために消費電力の浪費になり、かつ、スイッチ素子の焼き付け等の原因となってしまう。このため、前記デットタイム生成回路52において、一方のスイッチがオフされてから、所定時間(デットタイム)経過後に他方のスイッチをオンすることで、両スイッチが同時にオンされることを防止するためのデットタイムを設定している。
バンドパスフィルタ(単峰フィルタ)56は、圧電アクチュエータ20の振動状態に基いて検出される検出信号を、所定の周波数範囲に含まれる周波数の検出信号だけ通過させ、それ以外の周波数の信号を減衰させるフィルタである。
このバンドパスフィルタ56を通過した検出信号は、信号増幅器57で増幅され、コンパレータ58で所定の閾値と比較されて2値化される。
このバンドパスフィルタ56を通過した検出信号は、信号増幅器57で増幅され、コンパレータ58で所定の閾値と比較されて2値化される。
PWM信号源59は、ロータ30の駆動状態を制御する制御パルス信号を出力する。
この制御パルス信号は、位相シフト器60に出力され、この制御パルス信号の電圧の高低に応じて、位相シフト器60でシフトさせる位相差が選択される。
また、この制御パルス信号は、パルス幅が可変とされている。
この制御パルス信号は、位相シフト器60に出力され、この制御パルス信号の電圧の高低に応じて、位相シフト器60でシフトさせる位相差が選択される。
また、この制御パルス信号は、パルス幅が可変とされている。
位相シフト器60は、コンパレータ58で2値化された検出信号を、あらかじめ設定された位相差分、シフトする。
ここで、位相シフト器60には、制御パルス信号の信号状態に応じてそれぞれ選択される第1位相差、および第2位相差が予め設定されている。
第1位相差は、前述の電圧制御発振器51における第1周波数とほぼ同様に、ロータ30の回転数がほぼ0となる駆動状態(第1駆動状態d1)とするように決められ、本実施形態では、約150°となっている(図14参照)。
一方、第2位相差周波数についても、電圧制御発振器51における第2周波数とほぼ同様に、ロータ30をほぼ最大の効率での駆動状態(第2駆動状態)とするように決められ、本実施形態では、約105°となっている(図14参照)。
ここで、位相シフト器60には、制御パルス信号の信号状態に応じてそれぞれ選択される第1位相差、および第2位相差が予め設定されている。
第1位相差は、前述の電圧制御発振器51における第1周波数とほぼ同様に、ロータ30の回転数がほぼ0となる駆動状態(第1駆動状態d1)とするように決められ、本実施形態では、約150°となっている(図14参照)。
一方、第2位相差周波数についても、電圧制御発振器51における第2周波数とほぼ同様に、ロータ30をほぼ最大の効率での駆動状態(第2駆動状態)とするように決められ、本実施形態では、約105°となっている(図14参照)。
位相比較器61は、位相シフト器60から出力された信号の位相と、電圧制御発振器51から出力された駆動パルス信号の位相とを比較し、その位相差情報を出力する。ここで、前述の通り、位相シフト器60は、検出信号の位相を、目標とされる位相差分だけシフトしているので、位相比較器61の出力が零に近づくほど目標位相差に近づいていることになる。
ローパスフィルタ62は、所定の周波数以下の周波数の信号だけ通過させ、所定の周波数以上の周波数の信号は減衰させるフィルタであり、積分回路として機能する。
本実施形態では、位相シフト器60、位相比較器61、ローパスフィルタ62によって位相差検出手段が構成されている。
本実施形態では、位相シフト器60、位相比較器61、ローパスフィルタ62によって位相差検出手段が構成されている。
[6.圧電アクチュエータの駆動制御]
次に、このような構成の駆動制御装置50の駆動制御において特徴的な、PWM信号源59、位相シフト器60、電圧制御発振器51の作用について説明する。
図6は、図4におけるA、B,E,F,G,Hの各箇所における信号波形をそれぞれ示し、駆動制御装置50におけるタイミングチャートとして参照できる。
図6中、Bは、PWM信号源59から出力される制御パルス信号を示し、同図中、G、Hは、位相シフト器60にそれぞれ入力、出力される圧電アクチュエータ20の振動状態を示す検出信号を示し、また、同図中、Aは、電圧制御発振器51が生成する駆動パルス信号を示している。
なお、駆動パルス信号Aと制御パルス信号Bとの周波数差は、図6の図示よりも実際は大きく、駆動制御装置50における低電流化などの点で、制御パルス信号Bの周波数は、駆動パルス信号Aの1/20〜1/100程度が好適である。
次に、このような構成の駆動制御装置50の駆動制御において特徴的な、PWM信号源59、位相シフト器60、電圧制御発振器51の作用について説明する。
図6は、図4におけるA、B,E,F,G,Hの各箇所における信号波形をそれぞれ示し、駆動制御装置50におけるタイミングチャートとして参照できる。
図6中、Bは、PWM信号源59から出力される制御パルス信号を示し、同図中、G、Hは、位相シフト器60にそれぞれ入力、出力される圧電アクチュエータ20の振動状態を示す検出信号を示し、また、同図中、Aは、電圧制御発振器51が生成する駆動パルス信号を示している。
なお、駆動パルス信号Aと制御パルス信号Bとの周波数差は、図6の図示よりも実際は大きく、駆動制御装置50における低電流化などの点で、制御パルス信号Bの周波数は、駆動パルス信号Aの1/20〜1/100程度が好適である。
[6−1.駆動信号の周波数の選択]
まず、図4を参照して、PWM信号源59から電圧制御発振器51までの制御の流れ、および、駆動信号の周波数がどのように選択されるかを説明する。
PWM信号源59から制御パルス信号Bが位相シフト器60に出力されると、制御パルス信号BがLo(電圧が低)であるときは、位相シフト器60で第1位相差が選択され、この第1位相差分、圧電アクチュエータ20の振動状態を示す検出信号がシフトされる。また、制御パルス信号BがHi(電圧が高)であるときは、位相シフト器60で第2位相差が選択され、この第2位相差分、圧電アクチュエータ20の振動状態を示す検出信号がシフトされる(図6中、G、Hを参照)。
まず、図4を参照して、PWM信号源59から電圧制御発振器51までの制御の流れ、および、駆動信号の周波数がどのように選択されるかを説明する。
PWM信号源59から制御パルス信号Bが位相シフト器60に出力されると、制御パルス信号BがLo(電圧が低)であるときは、位相シフト器60で第1位相差が選択され、この第1位相差分、圧電アクチュエータ20の振動状態を示す検出信号がシフトされる。また、制御パルス信号BがHi(電圧が高)であるときは、位相シフト器60で第2位相差が選択され、この第2位相差分、圧電アクチュエータ20の振動状態を示す検出信号がシフトされる(図6中、G、Hを参照)。
そして、位相シフト器60でシフトされた検出パルス信号は、位相比較器61に出力され、位相比較器61で、電圧制御発振器51から出力された駆動パルス信号Aの位相と比較され、これらシフトされた検出パルス信号の位相と駆動パルス信号の位相との差分がローパスフィルタ62を介して電圧制御発振器51に出力される。つまり、目標位相差(第1位相差、第2位相差のいずれか)との偏差(補正量)が電圧制御発振器51に出力される。
電圧制御発振器51では、入力された目標位相差との偏差を解消するように、生成する駆動パルス信号の位相を設定する。
ここで、位相比較器61を経て出力された位相差は、前述のように、制御パルス信号Bの信号状態に応じて、位相シフト器60で第1位相差、第2位相差のいずれかが選択されて生成されたものであって、電圧制御発振器51における周波数の選択も、この位相差の補正に倣う。すなわち、制御パルス信号の出力を起点に、位相差制御を介し、電圧制御発振器51における周波数の選択が実施されることになる。
ここで、位相比較器61を経て出力された位相差は、前述のように、制御パルス信号Bの信号状態に応じて、位相シフト器60で第1位相差、第2位相差のいずれかが選択されて生成されたものであって、電圧制御発振器51における周波数の選択も、この位相差の補正に倣う。すなわち、制御パルス信号の出力を起点に、位相差制御を介し、電圧制御発振器51における周波数の選択が実施されることになる。
これにより、図6にも示すように、制御パルス信号BがHiであるとき、駆動パルス信号Aは、第2周波数(Hi)となり、制御パルス信号BがLoであるとき、駆動パルス信号Aは、第1周波数(Lo)となる。このように、制御パルス信号の信号状態に応じて、駆動パルス信号Aが切り替えられる。
そして、駆動パルス信号Aが第2周波数(Hi)のとき、ロータ30は、ほぼ最大効率で駆動されるとともに、駆動パルス信号Aが第1周波数(Lo)のときは、ロータ30は、振動体20Aとの摩擦などにより、回転数がほぼ0となる状態で駆動される。
そして、駆動パルス信号Aが第2周波数(Hi)のとき、ロータ30は、ほぼ最大効率で駆動されるとともに、駆動パルス信号Aが第1周波数(Lo)のときは、ロータ30は、振動体20Aとの摩擦などにより、回転数がほぼ0となる状態で駆動される。
[6−2.各設定周波数選択期間の比率について]
次に、駆動信号の各設定周波数の選択期間の比率が可変とされることについて、説明する。
前述のように、制御パルス信号Bのパルス幅は可変とされているため、パルス幅(Hiの部分)で決まるデューティ比は、図6に「30%」、「60%」、「90%」と示したように、変化する。
そして、この制御パルス信号BのLo,Hiの状態は、駆動パルス信号Aの第1周波数(Lo)、第2周波数(Hi)とそれぞれ対応するから、制御パルス信号Bのデューティ比の変化に伴って、一定期間tにおいて、駆動パルス信号Aの周波数として第1周波数(Lo)が選択される期間t−lと、第2周波数(Hi)が選択される期間t−hとの比率が変わるのである。
よって、ロータ30の駆動についても、第1駆動状態d1(回転数がほぼ0)とされる期間と、第2駆動状態d2(最大効率で回転)とされる期間との比率が変化し、ロータ30は、第1駆動状態d1と第2駆動状態d2とが平準化された状態で駆動される。
次に、駆動信号の各設定周波数の選択期間の比率が可変とされることについて、説明する。
前述のように、制御パルス信号Bのパルス幅は可変とされているため、パルス幅(Hiの部分)で決まるデューティ比は、図6に「30%」、「60%」、「90%」と示したように、変化する。
そして、この制御パルス信号BのLo,Hiの状態は、駆動パルス信号Aの第1周波数(Lo)、第2周波数(Hi)とそれぞれ対応するから、制御パルス信号Bのデューティ比の変化に伴って、一定期間tにおいて、駆動パルス信号Aの周波数として第1周波数(Lo)が選択される期間t−lと、第2周波数(Hi)が選択される期間t−hとの比率が変わるのである。
よって、ロータ30の駆動についても、第1駆動状態d1(回転数がほぼ0)とされる期間と、第2駆動状態d2(最大効率で回転)とされる期間との比率が変化し、ロータ30は、第1駆動状態d1と第2駆動状態d2とが平準化された状態で駆動される。
ここで、図7は、制御パルス信号Bのデューティ比と、ロータ30の回転数および圧電アクチュエータ20における電流値との関係を示すグラフである。
このグラフから把握されるように、ロータ30の回転数および圧電アクチュエータ20の電流値は、デューティ比に対してほぼ線形に変化しているため、デューティ比は容易に決めることができる。
つまり、ロータ回転数および電流値と周波数との関係が線形ではない、図14のような場合と比べて、ロータ30の回転数および圧電アクチュエータ20の電流値の制御を容易に実施できる。このデューティ比を、0〜100の間で任意に決めることで、ロータ30の回転数(および圧電アクチュエータ20の電流値)を自在にコントロールできる。
このグラフから把握されるように、ロータ30の回転数および圧電アクチュエータ20の電流値は、デューティ比に対してほぼ線形に変化しているため、デューティ比は容易に決めることができる。
つまり、ロータ回転数および電流値と周波数との関係が線形ではない、図14のような場合と比べて、ロータ30の回転数および圧電アクチュエータ20の電流値の制御を容易に実施できる。このデューティ比を、0〜100の間で任意に決めることで、ロータ30の回転数(および圧電アクチュエータ20の電流値)を自在にコントロールできる。
[7.本実施形態による効果]
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)圧電アクチュエータ20を駆動する駆動制御装置50において、ロータ30を第1駆動状態d1、第2駆動状態d2とする第1周波数Lo、第2周波数Hiが予め設定されており、これらの第1周波数Lo、第2周波数Hiに係る、一定期間tにおいて選択される期間t−l、t−hの比率が可変とされることによって、ロータ30の駆動量を自在に制御することが可能となる。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)圧電アクチュエータ20を駆動する駆動制御装置50において、ロータ30を第1駆動状態d1、第2駆動状態d2とする第1周波数Lo、第2周波数Hiが予め設定されており、これらの第1周波数Lo、第2周波数Hiに係る、一定期間tにおいて選択される期間t−l、t−hの比率が可変とされることによって、ロータ30の駆動量を自在に制御することが可能となる。
(2)加えて、駆動制御装置50では、各設定周波数が選択される期間t−l、t−hの比率が可変とされるだけで、駆動パルス信号Aの周波数の値を直接制御するものではないから、駆動に適する周波数を絞込むような困難性がなく、駆動制御を容易にできる。
つまり、駆動信号として選択される第1周波数、第2周波数は互いに十分離れた値であって、これらが選択される期間t−l、t−hの比率が可変とされる構成であるから、ノイズなどの影響も出ず、駆動制御を容易に実施できる。
また、本発明は、D級増幅器を用いるPWM駆動方式のようにパルス幅を可変とするために用いられる駆動パルス信号Aよりも高周波の基準信号は不要である。このため、低電流化できるとともに設計も容易化できる。
さらに、本発明では電圧を直接制御しないので、回路効率も低下しない。
つまり、駆動信号として選択される第1周波数、第2周波数は互いに十分離れた値であって、これらが選択される期間t−l、t−hの比率が可変とされる構成であるから、ノイズなどの影響も出ず、駆動制御を容易に実施できる。
また、本発明は、D級増幅器を用いるPWM駆動方式のようにパルス幅を可変とするために用いられる駆動パルス信号Aよりも高周波の基準信号は不要である。このため、低電流化できるとともに設計も容易化できる。
さらに、本発明では電圧を直接制御しないので、回路効率も低下しない。
(3)また、制御パルス信号Bのパルス幅を可変とすることで、一定期間tにおける第1周波数Loが選択される期間t−lと第2周波数Hiが選択される期間t−hとの比率が可変とされるので、構成が簡略となり、また、低電流化できる。
(4)さらに、駆動制御装置50では、位相シフト器60、位相比較器61などによって位相差フィードバック制御が実施されるため、圧電アクチュエータ20の電流値、ロータ30の駆動量を所望の値に制御可能となる。
(5)また、位相差フィードバックを行う構成において、第1駆動状態d1、第2駆動状態d2を位相差(第1位相差、第2位相差)によって規定し、この位相差を介して駆動周波数が決まる構成としたことで、駆動制御装置50における位相差フィードバック制御の安定性を確保できる。すなわち、位相差フィードバック制御の後に、周波数が選択される期間t−l、t−hの比率制御が行われることで、位相シフト器60、位相比較器61などにおける制御が不安定となることを回避できる。
(6)振動体20Aの駆動周波数が縦振動の共振周波数と、屈曲振動の共振周波数との間にあることで、縦振動と屈曲振動との振幅を大きくでき、駆動効率を向上させることができる。
そのうえ、このように共振を利用する場合には駆動周波数の範囲が狭く、駆動周波数の制御が困難であるため、圧電アクチュエータ20を本実施形態の駆動制御装置50で制御することによって得られる効果は大きい。
また、駆動制御装置50は、圧電アクチュエータ20以外にも、共振を利用する圧電アクチュエータの駆動制御装置として、汎用的に利用できる。
そのうえ、このように共振を利用する場合には駆動周波数の範囲が狭く、駆動周波数の制御が困難であるため、圧電アクチュエータ20を本実施形態の駆動制御装置50で制御することによって得られる効果は大きい。
また、駆動制御装置50は、圧電アクチュエータ20以外にも、共振を利用する圧電アクチュエータの駆動制御装置として、汎用的に利用できる。
(7)そして、通常、電子時計1における時針2、分針3、秒針4などの駆動手段はステッピングモータであるが、このステッピングモータを圧電アクチュエータ20に置き換えることが可能となり、これによって電子時計1の一層の薄型化が実現できるとともに、圧電アクチュエータ20はステッピングモータよりも磁性の影響を受けにくいことから、電子時計1の高耐磁化をも図ることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略する。
図8は、本実施形態における圧電アクチュエータ20の駆動制御装置50Aの構成を示すブロック図である。
前述の第1実施形態における駆動制御装置50では、駆動パルス信号の周波数が第1周波数、第2周波数で交互に切り替えられていたが、本実施形態の駆動制御装置50Aでは、駆動パルス信号が3値化され、第1周波数、第2周波数、第3周波数から選択される点が第1実施形態とは相違する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略する。
図8は、本実施形態における圧電アクチュエータ20の駆動制御装置50Aの構成を示すブロック図である。
前述の第1実施形態における駆動制御装置50では、駆動パルス信号の周波数が第1周波数、第2周波数で交互に切り替えられていたが、本実施形態の駆動制御装置50Aでは、駆動パルス信号が3値化され、第1周波数、第2周波数、第3周波数から選択される点が第1実施形態とは相違する。
電圧制御発振器51には、第1周波数、第2周波数、これら第1周波数と第2周波数との間の略中間の値となる第3の周波数、の3つの周波数が設定されており、これらの設定周波数のいずれかで、駆動パルス信号が生成されている。
具体的に、本実施形態では、第1周波数は245kHz、第3周波数は248kHz、第2周波数は252kHzに決められている。
ここで、第1周波数は、図14に示されたように、ロータ30の状態を回転数がほぼ0となる第1駆動状態d1とするもので、第2周波数は、ロータ30の回転数が最大となる第2駆動状態d2とするもので、第3周波数は、ロータ30の回転数を最大回転数の略半分(第3駆動状態d3)とするものとなっている。
具体的に、本実施形態では、第1周波数は245kHz、第3周波数は248kHz、第2周波数は252kHzに決められている。
ここで、第1周波数は、図14に示されたように、ロータ30の状態を回転数がほぼ0となる第1駆動状態d1とするもので、第2周波数は、ロータ30の回転数が最大となる第2駆動状態d2とするもので、第3周波数は、ロータ30の回転数を最大回転数の略半分(第3駆動状態d3)とするものとなっている。
一方、位相シフト器60では、シフトする位相差として、前述の第1位相差、第2位相差に加えて、第3位相差を有する。
本実施形態では、第1、第2、第3位相差はそれぞれ、150°、115°、100°とされる。
これらの位相差は、第1、第2、第3周波数とそれぞれ対応しており、図14に示されたように、第1位相差は、ロータ30の状態を第1駆動状態d1とするもので、第2位相差は、ロータ30の状態を第2駆動状態d2とするもので、第3位相差は、ロータ30の状態を第3駆動状態d3とするものとなっている。
本実施形態では、第1、第2、第3位相差はそれぞれ、150°、115°、100°とされる。
これらの位相差は、第1、第2、第3周波数とそれぞれ対応しており、図14に示されたように、第1位相差は、ロータ30の状態を第1駆動状態d1とするもので、第2位相差は、ロータ30の状態を第2駆動状態d2とするもので、第3位相差は、ロータ30の状態を第3駆動状態d3とするものとなっている。
そして、PWM信号源59から出力される制御信号Bの電圧に応じて、位相シフト器60においてシフトされる位相差が第1、第2、第3位相差から選択され、位相比較器61から出力された位相差で駆動パルス信号Aが生成されることを通して、駆動パルス信号Aの周波数が第1、第2、第3周波数から選択される。
図9は、駆動制御装置50Aの駆動制御におけるタイミングチャートである。
本実施形態において、PWM信号源59が出力する制御信号Bは、Hi(電圧が高)、Lo(電圧が低)に加えて、高インピーダンス(Hiz)の3状態を有する。この制御信号BがLoのときは駆動パルス信号Aの周波数は第1周波数Loが選択され、制御信号BがHizのときは第3周波数Midが選択され、制御信号BがHiのときは、第2周波数Hiが選択される。そして、制御パルス信号Bは、LoとHiz、HizとHi、の間でそれぞれ切替可能に構成される。
PWM信号源59は、制御信号Bの信号状態をLoとHizとに切り替える第1モードM1と、HizとHiとを切り替える第2モードM2との2つのモードを有し、これらのモードM1、M2が適宜選択されるようになっている。
本実施形態において、PWM信号源59が出力する制御信号Bは、Hi(電圧が高)、Lo(電圧が低)に加えて、高インピーダンス(Hiz)の3状態を有する。この制御信号BがLoのときは駆動パルス信号Aの周波数は第1周波数Loが選択され、制御信号BがHizのときは第3周波数Midが選択され、制御信号BがHiのときは、第2周波数Hiが選択される。そして、制御パルス信号Bは、LoとHiz、HizとHi、の間でそれぞれ切替可能に構成される。
PWM信号源59は、制御信号Bの信号状態をLoとHizとに切り替える第1モードM1と、HizとHiとを切り替える第2モードM2との2つのモードを有し、これらのモードM1、M2が適宜選択されるようになっている。
本実施形態の駆動制御装置50Aの動作について説明する。
図9において、当初、PWM信号源59は、第1モードM1であり、制御信号BはLoとHizとの間でスイッチングされる。制御信号Bにおいて、一定期間t(Lo+Hiz)におけるHizである期間の比率が50%以上となると(図9中、30%、60%と変化した後)、PWM信号源59は第2モードに移行し、制御信号Bは、HizとHiとの間でスイッチングされる。なお、第2モードM2において、30%と図示したのは、一定期間t(Hiz+Hi)におけるHiである期間の比率である。
図9において、当初、PWM信号源59は、第1モードM1であり、制御信号BはLoとHizとの間でスイッチングされる。制御信号Bにおいて、一定期間t(Lo+Hiz)におけるHizである期間の比率が50%以上となると(図9中、30%、60%と変化した後)、PWM信号源59は第2モードに移行し、制御信号Bは、HizとHiとの間でスイッチングされる。なお、第2モードM2において、30%と図示したのは、一定期間t(Hiz+Hi)におけるHiである期間の比率である。
このような制御信号Bのスイッチング制御により、制御信号Bのモードが第1モードM1のときは、駆動パルス信号Aの周波数として第1周波数Loと第3周波数Midとがそれぞれ選択される期間t−l、t−mの比率が可変とされる。
また、制御信号Bのモードが第2モードM2のときは、駆動パルス信号Aの周波数として第3周波数Midと第2周波数Hiとがそれぞれ選択される期間t−m、t−hの比率が可変とされる。
また、制御信号Bのモードが第2モードM2のときは、駆動パルス信号Aの周波数として第3周波数Midと第2周波数Hiとがそれぞれ選択される期間t−m、t−hの比率が可変とされる。
なお、本実施形態における制御信号Bの各モードM1,M2それぞれにおける一定期間tでのHiz期間の比率、および一定期間tでのHi期間の比率(ここではデューティ比と言う)、ロータ30の回転数、圧電素子22に流れる電流値との関係については、前掲の図7に示されている。前述したように、ロータ30の回転数および圧電アクチュエータ20に流れる電流値は、デューティ比に対してほぼ線形に変化する。
本実施形態によれば、前述の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(8)駆動パルス信号Aの周波数が第1、第2、第3周波数に3値化され、制御信号Bのスイッチングにより、第1周波数選択期間t−lおよび第3周波数選択期間t−mの比率、また、第3周波数選択期間t−mおよび第2周波数選択期間t−hの比率がそれぞれ可変とされるので、分解能を高くでき、より適切な駆動制御が可能となる。
(8)駆動パルス信号Aの周波数が第1、第2、第3周波数に3値化され、制御信号Bのスイッチングにより、第1周波数選択期間t−lおよび第3周波数選択期間t−mの比率、また、第3周波数選択期間t−mおよび第2周波数選択期間t−hの比率がそれぞれ可変とされるので、分解能を高くでき、より適切な駆動制御が可能となる。
(9)また、制御信号Bの信号状態として、低電圧、高電圧、高インピーダンス状態の3状態を採用したため、1の信号出力に3つの状態を持たせることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について、図10を参照して説明する。
第1実施形態および第2実施形態では、圧電アクチュエータ20を最大効率で駆動するための駆動制御を行っていたが、本実施形態は、圧電アクチュエータ20で駆動される駆動対象の駆動量を調整可能に駆動制御する点で前記各実施形態とは相違する。
図10は、本実施形態の駆動制御装置50Bを示す。
駆動制御装置50Bは、前述の駆動制御装置50(図4)の構成に加えて、圧電アクチュエータ20部分を流れる電流を検出する電流検出器71と、電流指令値を出力する電流指令値源72と、電流検出器71で検出された電流値と、電流指令値源72から出力された電流指令値とに基いて、PWM信号源59に対して制御信号を出力する電流制御器73とを備える。
次に、本発明の第3実施形態について、図10を参照して説明する。
第1実施形態および第2実施形態では、圧電アクチュエータ20を最大効率で駆動するための駆動制御を行っていたが、本実施形態は、圧電アクチュエータ20で駆動される駆動対象の駆動量を調整可能に駆動制御する点で前記各実施形態とは相違する。
図10は、本実施形態の駆動制御装置50Bを示す。
駆動制御装置50Bは、前述の駆動制御装置50(図4)の構成に加えて、圧電アクチュエータ20部分を流れる電流を検出する電流検出器71と、電流指令値を出力する電流指令値源72と、電流検出器71で検出された電流値と、電流指令値源72から出力された電流指令値とに基いて、PWM信号源59に対して制御信号を出力する電流制御器73とを備える。
そして、電流制御器73からの出力信号を基に、PWM信号源59において制御パルス信号のパルス幅が決められる。つまり、本実施形態では、圧電アクチュエータ20の電流値によるフィードバック制御が行われる。
このような本実施形態では、前述の効果に加えて、次のような効果も得られる。
(10)PWM信号源59が出力する制御パルス信号のパルス幅が圧電アクチュエータ20における電流値を基に調整可能となるので、これらパルス幅の調整によって圧電アクチュエータ20における振動状態を制御可能となり、これによって駆動対象の駆動量(ロータの場合は回転数)などを制御することができる。このため、速度調整(スピードコントロール)が必要な駆動対象の駆動源としても圧電アクチュエータ20を利用できる。また、このような電流値のフィードバックにより、圧電アクチュエータ20を安定して駆動制御することができる。
(10)PWM信号源59が出力する制御パルス信号のパルス幅が圧電アクチュエータ20における電流値を基に調整可能となるので、これらパルス幅の調整によって圧電アクチュエータ20における振動状態を制御可能となり、これによって駆動対象の駆動量(ロータの場合は回転数)などを制御することができる。このため、速度調整(スピードコントロール)が必要な駆動対象の駆動源としても圧電アクチュエータ20を利用できる。また、このような電流値のフィードバックにより、圧電アクチュエータ20を安定して駆動制御することができる。
〔第4実施形態〕
次に本発明の第4実施形態について、図11を参照して説明する。
本実施形態では、第3実施形態とは異なる手段により、第3実施形態と略同様に、圧電アクチュエータ20の駆動対象であるロータの回転数が調整可能に駆動制御される。
次に本発明の第4実施形態について、図11を参照して説明する。
本実施形態では、第3実施形態とは異なる手段により、第3実施形態と略同様に、圧電アクチュエータ20の駆動対象であるロータの回転数が調整可能に駆動制御される。
図11は、本実施形態の駆動制御装置50Cを示す。
駆動制御装置50Cは、前述の駆動制御装置50(図4)の構成に加えて、ロータの回転数を検出する回転数検出器81と、回転数指令値を出力する回転数指令値源82と、回転数検出器81で検出された回転数と、回転数指令値源82から出力された回転数指令値とに基いて、PWM信号源59に対して制御信号を出力する回転数制御器83とを備える。
回転数検出器81は、例えば、第1実施形態においてロータ30と一体の歯車41(図2)の回転数を検出する回転センサ15を含んで構成される。
駆動制御装置50Cは、前述の駆動制御装置50(図4)の構成に加えて、ロータの回転数を検出する回転数検出器81と、回転数指令値を出力する回転数指令値源82と、回転数検出器81で検出された回転数と、回転数指令値源82から出力された回転数指令値とに基いて、PWM信号源59に対して制御信号を出力する回転数制御器83とを備える。
回転数検出器81は、例えば、第1実施形態においてロータ30と一体の歯車41(図2)の回転数を検出する回転センサ15を含んで構成される。
このような本実施形態では、前記第1,2実施形態で得られる効果に加えて、次のような効果も得られる。
(11)前記第3実施形態では、圧電アクチュエータ20を流れる電流値に基づいてPWM信号源59が制御を行っていたが、圧電アクチュエータ20は摩擦によってロータ30を回転駆動するため、すべり等が生じる可能性もあり、電流値の制御だけでは多少の誤差が生じる虞があった。これに対して本実施形態の構成によれば、直接ロータ30ないし歯車41の回転数を検出しているので、より正確な駆動制御を行うことができる。
(11)前記第3実施形態では、圧電アクチュエータ20を流れる電流値に基づいてPWM信号源59が制御を行っていたが、圧電アクチュエータ20は摩擦によってロータ30を回転駆動するため、すべり等が生じる可能性もあり、電流値の制御だけでは多少の誤差が生じる虞があった。これに対して本実施形態の構成によれば、直接ロータ30ないし歯車41の回転数を検出しているので、より正確な駆動制御を行うことができる。
〔第5実施形態〕
次に本発明の第5実施形態について、図12を参照して説明する。
本実施形態の駆動制御装置50Dは、第3実施形態の電流値に基づく駆動制御と、第4実施形態の回転数に基づく駆動制御とを組み合わせたものである。
すなわち、駆動制御装置50Dは、電流検出器71、電流制御器73、回転数検出器81、回転数指令値源82、回転数制御器83を備えている。
次に本発明の第5実施形態について、図12を参照して説明する。
本実施形態の駆動制御装置50Dは、第3実施形態の電流値に基づく駆動制御と、第4実施形態の回転数に基づく駆動制御とを組み合わせたものである。
すなわち、駆動制御装置50Dは、電流検出器71、電流制御器73、回転数検出器81、回転数指令値源82、回転数制御器83を備えている。
回転数制御器83は、回転数指令値源82からの回転数指令値と、回転数検出器81で検出される回転数とに基いて電流制御器73に電流指令値を出力する。
電流制御器73は、回転数制御器83からの電流指令値と、電流検出器71で検出された電流値とに基づいてPWM信号源59に制御信号を出力する。
従って、本実施形態におけるフィードバック制御では、ロータ回転数に基づく制御ループがメジャーループとされ、電流値に基づく制御ループがマイナーループとされている。
電流制御器73は、回転数制御器83からの電流指令値と、電流検出器71で検出された電流値とに基づいてPWM信号源59に制御信号を出力する。
従って、本実施形態におけるフィードバック制御では、ロータ回転数に基づく制御ループがメジャーループとされ、電流値に基づく制御ループがマイナーループとされている。
このような本実施形態では、前記第1〜4の各実施形態で得られる効果に加えて、次のような効果も得られる。
(12)圧電アクチュエータ20によって回転駆動されるロータ30の回転数と、圧電アクチュエータ20を流れる電流値との2つのパラメータに基づいて圧電アクチュエータ20における振動状態を制御しているので、ロータの回転数(回転速度)をより正確に制御することができる。
(12)圧電アクチュエータ20によって回転駆動されるロータ30の回転数と、圧電アクチュエータ20を流れる電流値との2つのパラメータに基づいて圧電アクチュエータ20における振動状態を制御しているので、ロータの回転数(回転速度)をより正確に制御することができる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
図13は、本実施形態における駆動制御装置50Eを示している。
駆動制御装置50Eは、前述の位相シフト器、位相比較器、ローパスフィルタなどを備えていないが、その他の構成は、第1実施形態における駆動制御装置50と同様に構成されている。
そして、駆動制御装置50Eでは、PWM信号源59から直接、制御パルス信号が電圧制御発振器51に出力される。
すなわち、制御パルス信号の電圧が低のとき、電圧制御発振器51では、第1周波数(Lo)が選択され、制御パルス信号の電圧が高のときは、電圧制御発振器51で第2周波数(Hi)が選択される。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
図13は、本実施形態における駆動制御装置50Eを示している。
駆動制御装置50Eは、前述の位相シフト器、位相比較器、ローパスフィルタなどを備えていないが、その他の構成は、第1実施形態における駆動制御装置50と同様に構成されている。
そして、駆動制御装置50Eでは、PWM信号源59から直接、制御パルス信号が電圧制御発振器51に出力される。
すなわち、制御パルス信号の電圧が低のとき、電圧制御発振器51では、第1周波数(Lo)が選択され、制御パルス信号の電圧が高のときは、電圧制御発振器51で第2周波数(Hi)が選択される。
本実施形態では、駆動信号の位相制御が行われないが、PWM信号源59からの制御パルス信号の入力により、各設定周波数が選択される期間t−l、t−hなどの比率が可変とされて、圧電アクチュエータの電流値、およびロータの駆動状態を任意の状態とすることができる点では、前記各実施形態と相違しない。
本実施形態によれば、第1、第2実施形態で述べた効果と同様の効果が得られる。
また、駆動制御装置の構成を一層簡略化できる。
本実施形態によれば、第1、第2実施形態で述べた効果と同様の効果が得られる。
また、駆動制御装置の構成を一層簡略化できる。
〔本発明の変形例〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、駆動信号の周波数として選択される設定周波数を決める際に参照される駆動対象の駆動量、圧電アクチュエータの振動状態を規定する電流値などは、前記各実施形態で示したものに限定されない。よって、第1周波数、第2周波数、第3周波数の具体的な数値も前記各実施形態に限定されない。
駆動対象の駆動量として、前記各実施形態では、ロータ30の回転数がほぼ最大となる駆動状態(第2駆動状態d2)、回転数がほぼ0となる駆動状態(第1駆動状態d1)が選択されていたが、これに限らず、例えば、第1駆動状態として、回転数が最大回転数の1/2や1/3などになる状態を選択し、これを実現する周波数を第1周波数として選択してもよい。
駆動対象の駆動量として、前記各実施形態では、ロータ30の回転数がほぼ最大となる駆動状態(第2駆動状態d2)、回転数がほぼ0となる駆動状態(第1駆動状態d1)が選択されていたが、これに限らず、例えば、第1駆動状態として、回転数が最大回転数の1/2や1/3などになる状態を選択し、これを実現する周波数を第1周波数として選択してもよい。
また、前記各実施形態では、一定期間tにおける駆動信号の各設定周波数が選択される期間t−l、t−hなどの比率が可変とされることにより、ロータ30の回転数が自在に調整されていたが(スピードコントロール)、このような駆動信号の各設定周波数選択期間t−l、t−h等の比率により、温度や負荷などの駆動条件が変化して駆動に適する周波数が変動した際などでも、圧電アクチュエータを所定の振動状態に保ち、また、駆動対象を所定の駆動状態に保つことが可能となる。
さらに、設定周波数の数に関して、前記各実施形態では、2値または3値であったが、必要に応じて、4値、5値などとすることも検討できる。
また、圧電アクチュエータの駆動対象としては、回転駆動するロータに限らず、直線駆動するスライダなどであってもよい。
また、圧電アクチュエータの駆動対象としては、回転駆動するロータに限らず、直線駆動するスライダなどであってもよい。
また、本発明は、前記実施形態の電子時計に適用されるものに限らない。すなわち、本発明の圧電アクチュエータの駆動方法や、駆動装置を採用した電子機器としては、腕時計、置時計、柱時計等の電子時計に限らず、各種の電子機器に本発明が適用可能であり、特に小型化が要求される携帯用の電子機器に好適である。
ここで、各種の電子機器としては、時計機能を備えた電話、携帯電話、非接触ICカード、パソコン、携帯情報端末(PDA)、カメラ等が例示できる。
また、時計機能を備えないカメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話等の電子機器にも適用可能である。これらカメラ機能を備えた電子機器に適用する場合には、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明の駆動手段を用いることができる。
さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、可動玩具の駆動機構、自動車等のインパネ(instrumental panel)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、プリンタの紙送り機構、乗り物並びに人形などの玩具類の駆動機構、超音波モータ等に本発明の駆動手段を用いてもよい。
ここで、各種の電子機器としては、時計機能を備えた電話、携帯電話、非接触ICカード、パソコン、携帯情報端末(PDA)、カメラ等が例示できる。
また、時計機能を備えないカメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話等の電子機器にも適用可能である。これらカメラ機能を備えた電子機器に適用する場合には、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明の駆動手段を用いることができる。
さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、可動玩具の駆動機構、自動車等のインパネ(instrumental panel)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、プリンタの紙送り機構、乗り物並びに人形などの玩具類の駆動機構、超音波モータ等に本発明の駆動手段を用いてもよい。
また、前記各実施形態では、圧電アクチュエータを電子時計1の時刻表示針(指針)の駆動に用いていたが、これに限らず、電子時計1の日付表示機構の駆動に用いてもよい。
また、時計の種類は腕時計に限定されず、懐中時計、壁掛け時計、置時計などに本発明を適用できる。
また、時計の種類は腕時計に限定されず、懐中時計、壁掛け時計、置時計などに本発明を適用できる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1・・・電子時計(時計)、20・・・圧電アクチュエータ、20A・・・振動体、22・・・圧電素子、25・・・突起(当接部)、30・・・ロータ(駆動対象)、50・・・駆動制御装置、50A・・・駆動制御装置、50B・・・駆動制御装置、50C・・・駆動制御装置、50D・・・駆動制御装置、50E・・・駆動制御装置、51・・・電圧制御発振器(周波数選択手段)、59・・・PWM信号源(制御信号源)、60・・・位相シフト器、61・・・位相比較器、A・・・駆動パルス信号(駆動信号)、B・・・制御パルス信号(制御信号)、d1・・・第1駆動状態、d2・・・第2駆動状態、d3・・・第3駆動状態、fr1・・・縦共振周波数(縦振動の共振周波数)、fr2・・・屈曲共振周波数(屈曲振動の共振周波数)、Hi・・・第2周波数、Lo・・・第1周波数、Mid・・・第3周波数、t・・・一定期間、t−l・・・第1周波数選択期間、t−h・・・第2周波数選択期間、t−m・・・第3周波数選択期間。
Claims (8)
- 所定の周波数の駆動信号が圧電素子に供給されることで振動する振動体と、この振動体に設けられるとともに駆動対象に当接される当接部とを備えた圧電アクチュエータの駆動制御装置であって、
前記駆動信号の周波数を予め設定された複数の設定周波数から選択して切替える周波数選択手段を備え、
前記複数の設定周波数には、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを第1駆動状態とする第1周波数と、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを前記第1駆動状態とは異なる第2駆動状態とする第2周波数とが含まれ、
前記周波数選択手段により、一定期間における前記第1周波数が選択される第1周波数選択期間と前記第2周波数が選択される第2周波数選択期間との比率が可変とされる
ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。 - 請求項1に記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
前記複数の設定周波数には、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを前記第1駆動状態および前記第2駆動状態とは異なる第3駆動状態とする第3周波数が含まれ、
前記周波数選択手段により、一定期間内で前記第1周波数と前記第3周波数とに切替えられるともに、一定期間内で前記第2周波数と前記第3周波数とに切替えられ、
一定期間における前記第1周波数選択期間と前記第3周波数が選択される第3周波数選択期間との比率、および、一定期間における前記第2周波数選択期間と前記第3周波数選択期間との比率が、それぞれ可変とされる
ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
前記周波数選択手段に制御信号を入力する制御信号源を備え、
前記制御信号は、複数の電圧で生成され、
前記設定周波数は、前記制御信号の電圧に応じて選択される
ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
前記駆動信号および前記振動体の振動状態を表す検出信号の位相差を検出する位相差検出手段を備え、
前記位相差検出手段は、前記検出信号の位相を予め設定された複数の位相差のいずれかだけシフトする位相シフト器と、この位相シフト器の出力と前記駆動信号との位相を比較して位相差を出力する位相比較器とを備えて構成され、
前記複数の位相差には、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを前記第1駆動状態とする第1位相差と、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを前記第2駆動状態とする第2位相差とが含まれ、
前記位相シフト器により、一定期間における前記第1位相差が選択される第1位相差選択期間と前記第2位相差が選択される第2位相差選択期間との比率が可変とされ、
前記周波数選択手段は、前記位相比較器から出力された位相差に基いて、前記駆動信号の位相を設定する
ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
前記振動体は、略矩形板状に形成され、
前記設定周波数は、前記振動体の長手方向に沿った方向に振動する縦振動の共振周波数と、この縦振動と交差する方向に振動する屈曲振動の共振周波数との間の値である
ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。 - 圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータで駆動される駆動対象と、請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置とを備える
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項6に記載の電子機器は、計時部と、前記計時部で計時された計時情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計である
ことを特徴とする電子機器。 - 所定の周波数の駆動信号が圧電素子に供給されることで振動する振動体と、この振動体に設けられるとともに駆動対象に当接される当接部とを備えた圧電アクチュエータの駆動制御方法であって、
前記駆動信号の周波数を予め設定された複数の設定周波数から選択して切替え、
前記複数の設定周波数には、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを第1駆動状態とする第1周波数と、前記駆動対象および前記圧電アクチュエータのいずれかを前記第1駆動状態とは異なる第2駆動状態とする第2周波数とが含まれ、
一定期間における前記第1周波数が選択される第1周波数選択期間と前記第2周波数が選択される第2周波数選択期間との比率が可変とされる
ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
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