JP2007189823A - 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器 - Google Patents

圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】回路効率、応答性、および分解能に優れる圧電アクチュエータの駆動制御を実現する。
【解決手段】指令値を直線的(リニア)に可変できる制御信号Bを用いて、駆動信号C〜Fの駆動パルス幅Dを生成し、基準パルス幅Tに対する駆動パルス幅Dの比率が制御される構成としたので、駆動制御の周期が駆動信号Aの周期に対応し、駆動信号Aの1周期毎に、スピードコントロールを実施できる。これにより、分解能を十分に高くできる。
また、駆動信号Aの1周期毎に駆動パルス幅Dが制御されており、制御信号Bの電圧指令値VDが変わると即、駆動パルス幅Dが変更されるので、応答性を十分に高くできる。
さらに、PWM駆動方式で用いられるような、駆動パルス信号よりも高周波の基準信号は不要であり、低電流化および設計の容易化が図られるとともに、電圧を直接制御しないので、回路効率が低下しない。
【選択図】図6

Description

本発明は、圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器に関する。
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性などに優れているため、近年、圧電素子を有する振動体を備え、この振動体の振動をロータなどの被駆動体に伝達して駆動する圧電アクチュエータ(超音波モータ)が開発されている。
この圧電アクチュエータの電流制御や被駆動体の移動量の制御、すなわちスピードコントロールには、電圧振幅可変駆動方式(例えば、特許文献1)や、PWM(パルス幅変調方式 pulse width modulation)駆動方式(例えば、特許文献2)が使用されている。
特開平4−222476号公報(明細書段落「0011」) 特開平4−133667号公報(第1図)
しかしながら、特許文献1のような電圧振幅可変駆動方式では、電圧が直接制御されているため、トランジスタなどが発熱しやすく、回路効率の低下が問題となる。
一方、特許文献2のようなPWM駆動方式では、圧電アクチュエータの駆動信号のパルス幅を可変とするために、駆動信号の周波数よりも例えば10〜50倍程度にまで達する高い周波数での基準信号が必要となり、回路電流の増加を招くとともに、回路構成の難易度が高い。とりわけ、小型で周波数が非常に高い圧電アクチュエータのドライブ回路では貫通電流が生じやすく、スイッチング効率が低くなる。
また、このようなパルス幅変調の一例として、駆動信号のパルス幅を例えば駆動信号の周波数の1/20〜1/100程度の制御周期で複数の値に切り替えることが考えられるが、応答性や分解能が所定の制御周期における平均となるため、十分な応答性および分解能が得られない。
このような問題に鑑みて、本発明の目的は、回路効率、応答性、および分解能を十分に向上させることができる圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器を提供することである。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法は、圧電素子を有しこの圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備えて前記振動体の振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータの駆動制御方法であって、前記駆動信号を所定の基準パルス幅で発するとともに、直線的に指令値が可変できる制御信号を発し、前記基準パルス幅に対して前記指令値に応じた比率である駆動パルス幅を生成し、前記駆動パルス幅に基いて前記駆動信号のパルス幅を制御することを特徴とする。
また、本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置は、圧電素子を有しこの圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備えて前記振動体の振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータの駆動制御装置であって、前記駆動信号を所定の基準パルス幅で発する駆動信号源と、直線的に指令値が可変できる制御信号を発する制御信号源と、前記基準パルス幅に対して前記指令値に応じた比率である駆動パルス幅を生成し、前記駆動パルス幅に基いて前記駆動信号のパルス幅を制御するパルス幅制御手段とを備えることを特徴とする。
これらの発明によれば、直線的(リニア)に可変される制御信号の指令値に応じて、基準パルス幅に対する駆動パルス幅の比率が制御される構成としたので、駆動信号の1周期毎に、駆動パルス幅を制御信号の指令値に応じて制御し、スピードコントロールを実施できる。すなわち、制御信号がリニアに可変されるため、パルス幅制御手段における制御周期は、駆動信号の周期に対応し、パルス幅制御手段によって駆動信号の1周期毎に、駆動パルス幅が生成される。このため、駆動信号の複数周期を1制御周期として駆動パルス幅を複数の値に切り替えた場合等と比べて分解能を十分に高くできる。
また、駆動信号の1周期毎に駆動パルス幅が制御されており、制御信号の指令値が変わると即、駆動パルス幅が変更されるので、応答性を十分に高くできる。
これにより、圧電アクチュエータの駆動開始時から制御信号の指令値を大きくして駆動パルス幅を増やし、圧電アクチュエータの非駆動状態から、例えば駆動信号の数パルス分などのごく短い期間で被駆動体を高速に駆動することも可能となるため、圧電アクチュエータの応答時間を短縮できる。
また、本発明は、D級増幅器を用いるPWM駆動方式のように駆動パルス幅を可変とするために用いられる、駆動信号よりも高周波数の基準信号は不要である。このため、低電流化できるとともに設計も容易化できる。さらに、本発明では電圧を直接制御しないので、回路効率も低下しない。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、前記制御信号は、電圧の大きさを前記指令値とし、前記電圧をデジタル化して前記パルス幅制御手段に出力するアナログデジタル変換手段を備えることが好ましい。
また、本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、前記制御信号は、ビット列で表すデータ値の大きさを前記指令値とし、前記ビット列として前記指令値を取り出して前記パルス幅制御手段に出力するデータラッチを備えることが好ましい。
さらに、本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、前記制御信号は、パルス幅を前記指令値とし、前記制御信号のパルス幅をカウントして前記パルス幅制御手段に出力するカウンタを備えることが好ましい。
これらの発明によれば、制御信号がそれぞれ、電圧デジタル信号、データ信号、およびPWM信号とされて、その指令値が取りうる最大指令値に対する指令値の比率が的確に把握されるので、この最大指令値に対する指令値の比率に応じて、駆動パルス幅をより適切に制御できる。
本発明の電子機器は、圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータで駆動される被駆動体と、前述の駆動制御装置とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータの駆動制御装置を備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受できる。
すなわち、圧電アクチュエータの駆動制御装置の回路効率が良好であることから、電気エネルギ効率に優れ、また、応答性および分解能の高さにより、電子機器における各種駆動機構の駆動性能向上に繋げることができる。
加えて、圧電アクチュエータにおける利点、すなわち、磁気の影響を受けない、小型薄型化に有利、高トルクなどを実現できる。
なお、電子機器としては、携帯電話、携帯情報端末、可動玩具、カメラ、プリンタ等を例示できる。
本発明の電子機器は、紙送り手段を備えたプリンタであり、前記被駆動体は、前記紙送り手段が有するローラであることが好ましい。
この発明によれば、プリンタの紙送り手段におけるローラを駆動するために本発明を適用することにより、紙送りの応答性および分解能を向上させることができ、印字の高速化に寄与できる。
なお、前述した圧電アクチュエータの駆動制御装置は、ハードウェアで実現することもできるが、制御プログラムを用いて実現することもできる。
この制御プログラムでは、前述の駆動制御装置に組み込まれたコンピュータを、パルス幅制御手段として機能させればよい。
このように構成すれば、前述の駆動制御装置と同様の作用効果を奏することができる。
ここで、この制御プログラムは、ネットワークなどを介してコンピュータに組み込んでもよいし、当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して組み込んでもよい。
このような記録媒体やインターネット等の通信手段で提供される制御プログラム等を時計や携帯機器に組み込めば、プログラムの変更のみで前述の作用効果を実現でき、工場出荷時あるいは利用者が希望する制御プログラムを選択して組み込むこともできる。この場合、プログラムの変更のみで制御方式の異なる各種の時計や携帯機器を製造できるため、部品の共通化等が図れ、モデル展開時の製造コストを大幅に低減できる。
本発明によれば、回路効率、応答性、および分解能を大きく向上させることができる。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[1.全体概略構成]
図1は、本実施形態に係るプリンタ1の概略図である。プリンタ1は、印刷用紙を収容する引き出し式の用紙トレイ2と、印刷された紙PPを受け取る出力トレイ3と、筐体4内部に設置され、紙送り手段を構成するローラ5とを備える。
ローラ5は、用紙トレイ2内の紙を図示しない印刷駆動部に送るものである。
[2.紙送りローラの駆動機構]
ローラ5を駆動する駆動機構は、圧電アクチュエータ(超音波モータ)20と、この圧電アクチュエータ20によって回転駆動される被駆動体としてのロータ30と、ロータ30の回転を減速しつつ伝達する減速輪列40とを備えて構成されている。
減速輪列40は、ロータ30と同軸に配置されてロータ30と一体的に回転する歯車41と、この歯車41に噛合し、かつ、ローラ5の回転軸に固定された歯車42とで構成されている。
なお、圧電アクチュエータ20と、ロータ30および歯車41は、図2,3に示すように、圧電アクチュエータユニット10としてユニット化されている。
[3.圧電アクチュエータユニットの構成]
圧電アクチュエータユニット10は、筐体4のフレーム等に固定される支持プレート11と、支持プレート11に固定された圧電アクチュエータ20と、支持プレート11に回転自在に取り付けられたロータ30および歯車41とを備えて構成されている。
なお、歯車41の回転数は、歯車41の上方に配置された位置センサ(ロータリエンコーダ)15によって検出可能に構成されている。
支持プレート11は、軽量化のために孔12が形成されており、かつ、ネジ等の固定部材13によって地板などに固定されている。また、支持プレート11には圧電アクチュエータ20が取り付けられるスペーサ14が固定されている。
[4.圧電アクチュエータの構成]
圧電アクチュエータ20は、図2、図3に示すように、略矩形板状の補強板21と、補強板21の両面に接着された圧電素子22とからなる振動体20Aを備えている。
補強板21の長手方向略中央には、両側に突出する腕部23が形成されており、これらの各腕部23がビス24によって前記スペーサ14に固定されている。なお、腕部23を備える補強板21は、導電性金属で構成されており、腕部23は圧電素子22に駆動信号を印加するための電極としても利用されている。
補強板21の長手方向一方の端部、具体的にはロータ30に対向する端部には、補強板21の長手方向に沿って突出する突起25が形成され、突起25は、ロータ30の側面に当接されている。この突起25は、ロータ30の外周面に対して所定の力で当接するように、ロータ30との相対位置が設定された状態で、ばねなどの任意の付勢手段によって付勢されており、突起25とロータ30側面との間に適切な摩擦力が働くことで、振動体20Aの振動が効率良くロータ30に伝達されるようになっている。
なお、振動体20Aの突起25の側面および、ロータ30の側面は、摩擦力を一定とするため鏡面仕上げが施されている。
なお、本実施形態では、ロータ30の外周面には溝31(図2)が形成され、この溝31部分に突起25が配置されている。この溝31によって、圧電アクチュエータ20に衝撃が加わった際に、突起25がロータ30の当接面から外れないようにガイドすることができる。
圧電素子22は、略矩形板状に形成され、補強板21両面の略矩形状部分に接着されている。圧電素子22の両面には、めっき、スパッタ、蒸着等によって電極が形成されている。
なお、圧電素子22の補強板21側の面には、その全面に1つの電極が形成され、この電極に接触する補強板21および腕部23を介して駆動制御装置50(図4)に電気的に接続されている(図4中、N参照)。
また、圧電素子22の表面側の面には、図3に示すように、5つに分割された電極が形成されている。すなわち、圧電素子22の表面側の電極は、圧電素子22の幅方向にほぼ三等分され、その中央の電極によって駆動電極221が形成されている。また、駆動電極221の両側の電極は、圧電素子22の長手方向にほぼ二等分され、圧電素子の対角上でそれぞれ対となる駆動電極222および駆動電極223が形成されている。
これらの駆動電極221,222,223はそれぞれリード線などによって駆動制御装置50に接続され(図4中、P1〜P3参照)、補強板21(図4中、N参照)との間で電圧が印加される。なお、駆動制御装置50における電源は、駆動電極221と補強板21との間の電圧印加用と、駆動電極222と補強板21との間の電圧印加用と、駆動電極223と補強板21との間の電圧印加用との3つ、設けられている。
このようなプリンタ1では、駆動制御装置50(図4)によって圧電アクチュエータ20に単相の駆動信号が供給され、ロータ30が回転駆動される。
ここで、所定の正方向に紙送りするか、逆方向に紙送りするかによって圧電素子22に設けられた駆動電極222,223が使い分けられ、ロータ30が両方向に回転駆動される。
すなわち、正方向への駆動時は、駆動電極221と駆動電極222とが電圧印加の対象となり、圧電素子22の伸縮によって振動体20Aが励振する縦振動と屈曲振動との位相差により、振動体20Aの突起25が圧電素子22の長手方向の中心線に対して傾斜した略楕円形状の軌跡E(図3)を描く。この軌跡Eの一部で突起25がロータ30を押圧することによりロータ30が正方向(図3中、矢印方向)に回転する。一方、逆方向への駆動時は、駆動電極222の代わりに駆動電極223が電圧印加の対象となり、駆動電極222と駆動電極223とは、圧電素子22の長手方向の中心線を軸として線対称の位置関係にあることから、縦振動に対する交差方向が駆動電極222に電圧印加した場合とは線対称となる屈曲振動が誘発される。したがって、振動体20Aの突起25の軌跡は、駆動電極222に電圧印加した場合とは線対称に傾斜する略楕円軌跡となり、ロータ30は逆方向に回転駆動される。
このようなロータ30の回転により、ロータ30と一体の歯車41も回転し、歯車41の回転に伴い歯車42が回転し、ローラ5が駆動する。そして、ローラ5の回転によって紙が正方向または逆方向に送られる。
なお、振動体20Aの振動状態を示す振動信号は、ロータ30の正転時には、駆動信号が印加されない駆動電極223を介して検出され、ロータ30の逆転時には、駆動信号が印加されない駆動電極222を介して検出される。
また、回転センサ15による歯車41の回転数の検出を通じて、ロータ30の回転数が検出される。
[5.圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成]
次に、圧電アクチュエータ20の駆動制御装置50の構成を図4に基いて説明する。
図4において、駆動制御装置50は、駆動信号源としての電圧制御発振器(VCO)51と、制御信号源52と、制御信号源52が発した制御信号をデジタル変換するアナログデジタル変換回路53と、パルス幅制御回路54と、ゲートドライバ55と、スイッチ回路56と、電源57と、ロータ30の回転方向の切り替えに関する正逆制御信号源591および正逆切替回路592と、位相差検出手段60とを備える。
電圧制御発振器51は、印加される電圧によって出力信号の周波数を可変できる発振器であり、圧電アクチュエータ20に供給される駆動信号Aを所定の周波数で生成する。このとき、駆動信号Aのパルス幅は、所定の基準パルス幅となっている。
ところで、駆動信号Aの周波数(駆動周波数)については、振動体20Aにおける縦振動の共振点と屈曲振動の共振点などを考慮して決められる。
図5(A)に、振動体20Aにおける駆動周波数とインピーダンスとの関係を示し、図5(B)には、振動体20Aにおける駆動周波数と縦振動の振幅および屈曲振動の振幅との関係を示した。
図5(A)に示すように、駆動周波数に対してインピーダンスが極小であって振幅が最大となる共振点が二点現れ、これらのうち周波数の低い方が縦振動の共振点、高い方が屈曲振動の共振点となる。
すなわち、縦振動の縦共振周波数fr1と屈曲振動の屈曲共振周波数fr2との間で振動体20Aを駆動すると、縦振動および屈曲振動双方の振幅が確保され、圧電アクチュエータ20は高効率で駆動する。なお、縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2とを互いに近接させることで、縦振動および屈曲振動の振幅がより大きくなる駆動周波数を設定することができる。
図4に戻り、制御信号源52は、プリンタ1における紙送り指令などの入力に応じて、制御信号Bを出力するものであり、本実施形態では、この制御信号Bの指令値は電圧であって、指令値を直線的(リニア)に可変することができる。制御信号Bは、アナログデジタル変換回路53でA/D変換され、制御信号の電圧指令値VDがパルス幅制御回路54に入力される。なお、アナログデジタル変換回路53は、駆動信号A等とは別クロックで動作する。
パルス幅制御回路54には、電圧制御発振器51で生成された駆動信号Aと、制御信号源52で生成されA/D変換された制御信号Bの電圧指令値とがそれぞれ入力され、パルス幅制御回路54は、制御信号Bの電圧指令値に応じた駆動パルス幅を生成して、この駆動パルス幅に駆動信号Aのパルス幅を制御する。
ここで、駆動パルス幅をD、駆動信号Aの生成時における基準パルス幅をT、制御信号Bの電圧指令値をVD、制御信号BのA/D変換の際に決まる最大電圧をVDFullと置くと、駆動パルス幅Dの生成は、次式(1)により行われる。すなわち、駆動パルス幅Dは、基準パルス幅Tを100%として、この基準パルス幅Tに対し、制御信号Bの電圧指令値VDに応じて決められた比率(%)として生成される。
Figure 2007189823
また、パルス幅制御回路54は、後述するスイッチ回路56の切替タイミングを制御して貫通電流を抑制するためのデットタイムを生成し、駆動信号のパルス立上がり時または立下り時にデットタイムを設定する。つまり、駆動パルス幅Dは、必要に応じてデットタイム分、減じられる。
ゲートドライバ55は、パルス幅制御回路54から出力された駆動信号に基いてスイッチ回路56のオンオフを制御するドライブ回路であり、本実施形態では2つの第1ゲートドライバ551、第2ゲートドライバ552を備えている。
そして、パルス幅制御回路54から第2ゲートドライバ552に入力される駆動信号はインバータ(NOT回路)58を経由し、第1ゲートドライバ551に入力される駆動信号とは反転した信号となっている。
電源57は、本実施形態では、ロータ30の正逆回転時に使用される第1電源571と、ロータ30の正回転時のみ使用される第2電源572と、ロータ30の逆回転時のみ使用される第3電源573とからなり、これらの第1、第2、第3電源571,572,573により、圧電アクチュエータ20に対して電源VDDおよびVSS間の電位差の電圧、または電源VDDおよびGND間の電位差の電源電圧が印加される。
正逆切替回路592は、正逆制御信号源591から出力される制御信号に基づいて、ロータ30の回転方向を切り替える指令値を第2ゲートドライバ552に出力する。具体的に、ロータ30の正回転時には、駆動電極221,222にそれぞれ対応する指令値を第2ゲートドライバ552に出力し、ロータ30の逆回転時には、駆動電極221,223にそれぞれ対応する信号を選択して第2ゲートドライバ552に出力する。
スイッチ回路56は、PチャネルMOS−FETで構成されるスイッチ561,562,565,567と、NチャネルMOS−FETで構成されるスイッチ563,564,566,568とで構成されている。これらの各スイッチ561〜568は、第1ゲートドライバ551、第2ゲートドライバ552によってゲートに加えられる電圧が制御されることで、オンオフ制御されている。
なお、第2ゲートドライバ552は、正逆切替回路592に接続されており、ロータ30の正回転時には、スイッチ562,563(図5中、P1)およびスイッチ565,566(P2)のみを駆動する。
すなわち、ロータ30の正回転時には、スイッチ561,564を駆動する第1ゲートドライバ551と、スイッチ562,563(P1)およびスイッチ565,566(P2)を駆動する第2ゲートドライバ552とは、互いに反転した駆動信号で動作するため、同じPチャネルMOS−FETのスイッチ561,562は、一方のスイッチ561がオンされている場合には他方のスイッチ562はオフされる。なお、同じPチャネルMOS−FETのスイッチ561,565についても同様である。
また、同様に、NチャネルMOS−FETのスイッチ563,564は、一方のスイッチ563がオンされている場合には他方のスイッチ564はオフされる(NチャネルMOS−FETのスイッチ566,564についても同様)。
そして、直列に接続されたスイッチ561,564は、一方がオンの場合、他方がオフされる。同様に、直列に接続されたスイッチ562,563、あるいは、スイッチ565,566も、一方がオンの場合、他方がオフされる。
これらのスイッチ561〜564(あるいはスイッチ561,565,566,564)は、第1ゲートドライバ551、第2ゲートドライバ552により、圧電素子22に対してブリッジ接続され、ブリッジの対角に位置する一対のスイッチ561,563(またはスイッチ561,566)で構成されるスイッチ回路と、他の一対のスイッチ562,564(またはスイッチ565,564)で構成されるスイッチ回路とは、交互にオンオフ制御される。これにより、電源57によって印加される所定の電源電圧が交番する矩形波電圧に変換され、圧電アクチュエータ20に印加される。すなわち、第1電源571および第2電源572により、駆動電極221,222と補強板21(図3)との間で圧電素子22に交流電圧が印加され、ロータ30は正方向に回転する。
一方、ロータ30の逆回転時には、第2ゲートドライバ551は、スイッチ565,566(P2)の代わりにスイッチ567,568(P3)を駆動し、スイッチ561,562,563,564(またはスイッチ561,567,568,564)が、圧電素子22に対してブリッジ接続され、スイッチ561,563(およびスイッチ561,568)で構成されるスイッチ回路と、スイッチ564,562(またはスイッチ564,567)で構成されるスイッチ回路とが、交互にオンオフ制御される。すなわち、第1電源571および第3電源573により、駆動電極221,223と補強板21(図3)との間で圧電素子22に交流電圧が印加され、ロータ30が逆方向に回転する。
なお、各スイッチ561〜568のオンオフを切り替える際に、直列に接続されたスイッチ561,564や、スイッチ562,563(あるいはスイッチ565,566やスイッチ567,568)が同時にオンとなってしまうと、貫通電流が流れてしまう。この貫通電流は、圧電アクチュエータ20の駆動動作に利用されないために消費電力の浪費になり、かつ、スイッチ素子の焼き付け等の原因となってしまう。このため、パルスコントロール回路52において、一方のスイッチがオフされてから、所定時間(デットタイム)経過後に他方のスイッチをオンすることで、貫通電流を防止している。
位相差検出手段60は、バンドパスフィルタ(BPF)61、信号増幅器(AMP)62、コンパレータ(CMP)63、位相シフト器64、位相比較器65、およびローパスフィルタ(LPF)66を備えて構成されている。
バンドパスフィルタ(単峰フィルタ)61は、圧電アクチュエータ20の振動状態を示す振動信号について、所定の周波数帯域に含まれる周波数成分だけ通過させ、それ以外の周波数成分を減衰させるフィルタである。
なお、振動信号は、ロータ30の正転逆転に応じて、駆動信号が供給されない駆動電極222、駆動電極223のいずれかを通じて(図4のP2,P3参照)検出される。ここで、振動信号は、腕部23(図4中、N)における電位を基準信号として、この基準信号に対する駆動電極222の電位の差、あるいは基準信号に対する駆動電極223の電位の差、つまりは、腕部23に対する駆動電極222,223の差動信号により検出される。
バンドパスフィルタ61を通過した振動信号は、信号増幅器62で増幅され、コンパレータ63で所定の閾値と比較されて2値化される。
位相シフト器64は、コンパレータ63で2値化された振動信号を、予め設定された位相差分、シフトする。
位相比較器65は、位相シフト器64から出力された振動信号の位相と、電圧制御発振器51から出力された駆動信号Aの位相とを比較し、その位相差を出力する。ここで、前述の通り、位相シフト器64は、振動信号の位相を、目標とされる位相差分だけシフトしているので、位相比較器65の出力が零に近づくほど目標位相差に近づいていることになる。
ローパスフィルタ66は、所定の周波数以下の周波数成分だけ通過させ、所定の周波数以上の周波数成分は減衰させるフィルタであり、積分回路として機能する。
以上の位相差検出手段60によれば、位相シフト器64でシフトされた振動信号の位相と駆動信号Aの位相との差分がローパスフィルタ66を介して電圧制御発振器51に出力されることにより、電圧制御発振器51は、当該位相差を解消し得る周波数の駆動信号を発振する。
[6.圧電アクチュエータの駆動制御]
次に、このような構成の駆動制御装置50の駆動制御における駆動信号のパルス幅制御について説明する。
図6は、図4におけるA、B,C,D,E,F,G,Hの各箇所における信号波形をそれぞれ示し、駆動制御装置50におけるタイミングチャートとして参照できる。
図6中、Aは、電圧制御発振器51によって生成される駆動信号の信号波形を示し、この駆動信号Aは、基準パルス幅Tで生成される。
また、Bは、制御信号源52が出力する制御信号を示し、図6では、制御信号Bの電圧を直線的(リニア)に増加させた様子を示した。
そしてC,D,E,Fは、第1、第2ゲートドライバ551,552により、各スイッチ561〜568においてスイッチングされる駆動信号を示し、これらの駆動信号を、圧電アクチュエータ20に供給される交番電圧としても示した(図6中、PN間 N基準)。なお、ブリッジの対角に配置されたスイッチ(図4中、CとE(E2,E3もEに同じ))、あるいはFとD(D2,D3もDに同じ))のそれぞれのオンオフのタイミングはほぼ一致し、これらスイッチは交互にオンオフ制御される。
パルス幅制御回路54では、前述の式(1)により、制御信号Bの電圧Vに応じた比率で、基準パルス幅Tに対する駆動パルス幅Dが生成され、この駆動パルス幅Dに駆動信号C〜Fのパルス幅が制御される。なお、この駆動パルス幅Dは、生成された後、必要に応じてデットタイムの分、減じられる。
ここで、制御信号Bの指令値がリニアに可変されるため、パルス幅制御回路54における制御周期は、駆動信号Aの周期に対応する。パルス幅制御回路54により、駆動信号Aの1周期毎に、駆動パルス幅Dが生成される。
なお、圧電アクチュエータ20の非駆動状態であるブレーキ区間Xでは、スイッチ561,562,565,567をオフ、スイッチ563,564,566,568をオンすることで圧電アクチュエータ20を流れる電流を停止して非駆動状態としている。
図6には、圧電アクチュエータ20の非駆動状態から、紙送り指令などの入力に応じて制御信号Bの電圧Vを徐々に上げ、ロータ30の回転速度を次第に増加させる例を示したが、制御信号Bの指令値が可変する態様は、この例に限定されない。例えば、圧電アクチュエータ20を非駆動状態から駆動状態に切り替える際に即、制御信号Bの電圧指令値VDを大きくして駆動パルス幅Dを大きくすることにより、ブレーキ区間Xから、駆動信号Aの例えば3パルス分などのごく短い期間でロータ30を高速に駆動することも可能となる。このような駆動制御は、紙送り指令等に応じて間欠的に駆動する際に好適である。
さらに、電圧指令値を上下し、ロータ30の回転速度の加速、減速を繰り返すことも可能であり、これにより、ロータ30に設けられた歯車41と、ローラ5に設けられた歯車42との回転時における音鳴りを防止できる。すなわち、駆動制御装置50は、リニアに可変する指令値に応じてロータ30を駆動制御可能であって、分解能が高いため、歯車41,42のギアピッチに対応する僅かな期間における加速および減速をも実現できる。
図7のグラフに、駆動制御装置50による圧電アクチュエータ20の駆動特性を示した。このグラフでは、基準パルス幅Tに対する駆動パルス幅Dの比率を横軸(Duty)にとり、これに対するロータ30の回転数および圧電アクチュエータ20における電流値をそれぞれ示した。すなわち、駆動パルス幅Dが可変に制御されることで、ロータ30の回転ないし圧電アクチュエータ20の電流を可変にでき、スピードコントロールが可能となる。
なお、駆動パルス幅DのDutyと回転数あるいは電流値とをテーブル化してパルス幅制御回路54等に保持し、このテーブル情報に基いて、パルス幅制御回路54で生成する駆動パルス幅Dを調整することにより、駆動パルス幅DのDutyに対する回転数あるいは電流値を線形とすることができ、より容易に駆動制御できる。
本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)プリンタ1の紙送りローラ5を駆動する圧電アクチュエータ20の駆動制御装置50では、指令値をリニアに可変できる制御信号Bを用いて、パルス幅制御回路54により駆動信号C〜Fの駆動パルス幅Dを生成し、基準パルス幅Tに対する駆動パルス幅Dの比率が制御される構成としたので、駆動制御の周期が駆動信号Aの周期に対応し、駆動信号Aの1周期毎に、スピードコントロールを実施できる。このため、駆動信号Aの複数周期を1制御周期として駆動パルス幅を複数の値に切り替えた場合等と比べて分解能を十分に高くできる。
また、駆動信号Aの1周期毎に駆動パルス幅Dが制御されており、制御信号Bの電圧指令値VDが変わると即、駆動パルス幅Dが変更されるので、応答性を十分に高くできる。これにより、制御信号Bの電圧指令値VDを駆動開始時から大きくして、ブレーキ区間Xから、ごく短い期間でロータ30を高速に駆動することも可能となるため、圧電アクチュエータ20の応答時間を短縮できる。
また、このように制御信号Bの電圧指令値VDに応じて駆動パルス幅Dを可変制御するため、D級増幅器を用いるPWM駆動方式において駆動パルス幅を可変とするために用いられる、駆動信号よりも高周波の基準信号は不要である。このため、低電流化できるとともに設計も容易化できる。さらに、電圧を直接制御しないので、回路効率が低下しない。
(2)また、駆動制御装置50では、制御信号Bの指令値は電圧であって、アナログデジタル変換回路53において、電圧指令値の最大電圧に対する比率が的確に把握されるので、その比率に応じて、駆動パルス幅Dをより適切に制御できる。
(3)プリンタ1は、駆動制御装置50の回路効率が良好であることから、電気エネルギ効率に優れる。また、駆動制御装置50をプリンタ1の紙送りローラ5の駆動に用いることにより、紙送りの応答性および分解能を大きく向上させることができ、印字の高速化に寄与できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略する。
第1実施形態では、制御信号として電圧信号が使用されていたが、第2実施形態では、制御信号としてデータ信号を使用する。
図8は、本実施形態における駆動制御装置50Aの構成を示すブロック図である。
駆動制御装置50Aは、データ信号である制御信号Bを発する制御信号源72と、データラッチ73と、パルス制御回路74とを備えている。
制御信号源72は、本実施形態では8ビットのデータ値を指令値とする制御信号Bを発し、制御信号Bが示すデータ指令値が取り得る値は、「00」〜「FF」までとなっている。
データラッチ73は、駆動信号A等とは別クロックで動作し、制御信号源72から入力されるビット列から制御信号Bのデータ指令値を取り出し、そのデータ指令値をパルス制御回路74に出力する。
パルス制御回路74には、電圧制御発振器51で生成された駆動信号Aと、制御信号源72で生成されデータラッチ73で取り出された制御信号Bのデータ指令値とがそれぞれ入力され、パルス制御回路74は、制御信号Bのデータ指令値に応じた駆動パルス幅を生成して、この駆動パルス幅に駆動信号Aのパルス幅を制御する。
ここで、駆動パルス幅をD、駆動信号Aの生成時における基準パルス幅をT、制御信号Bのデータ指令値をBD、8ビットデータ値の最大値、つまり「FF」をBDFullと置くと、駆動パルス幅Dの生成は、次式(2)により行われる。すなわち、駆動パルス幅Dは、基準パルス幅Tを100%として、この基準パルス幅Tに対し、制御信号Bのデータ指令値BDに応じて決められた比率(%)として生成される。
Figure 2007189823
図9は、駆動制御装置50Aにおけるタイミングチャートである。
制御信号Bのデータ指令値を「00」から最大値の「FF」に向かってリニアに可変していった場合、パルス制御回路74において、前述の式(2)により、制御信号Bのデータ指令値BDに応じた比率で、基準パルス幅Tに対する駆動パルス幅Dが生成され、この駆動パルス幅Dに駆動信号C〜Fのパルス幅が制御される。なお、デットタイムを設定する関係上、データ指令値の上限は、実質「FF」未満となる。
本実施形態においても、制御信号Bの指令値がリニアに可変されるため、パルス幅制御手段74における制御周期は、駆動信号Aの周期に対応する。パルス幅制御手段74により、駆動信号Aの1周期毎に、駆動パルス幅Dが生成される。
なお、圧電アクチュエータ20を非駆動状態とするブレーキの構成が第1実施形態とは異なり、本実施形態では、ブレーキ区間Xで、スイッチ561〜568がすべてオフされることで圧電アクチュエータ20の電流を停止して非駆動状態としているが、圧電アクチュエータ20のブレーキの態様は任意に採用できる。
本実施形態によっても、第1実施形態と略同様の効果が得られる。
また、本実施形態の駆動制御装置50Aおよび圧電アクチュエータ20によっても、図7に示したような駆動特性が得られる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、制御信号としてPWM信号を使用する。
図10は、本実施形態における駆動制御装置50Bの構成を示すブロック図である。
駆動制御装置50Bは、PWM信号を発する制御信号源82と、PWM信号のパルス幅をカウントするカウンタ83と、パルス制御回路84とを備えている。
制御信号源82は、PWM信号Bを所定周期で繰り返し発し、カウンタ83に出力する。PWM信号Bは、そのパルス幅を指令値としており、このPWM指令値はリニアに可変される。
カウンタ83は、駆動信号A等とは別クロックで動作し、PWM信号Bのパルス幅をカウントし、カウントしたPWM指令値BHをパルス制御回路84に出力する。
パルス制御回路84には、電圧制御発振器51で生成された駆動信号Aと、制御信号源82で生成されカウンタ83でカウントされた制御信号BのPWM指令値とがそれぞれ入力され、パルス制御回路84は、制御信号BのPWM指令値に応じた駆動パルス幅を生成して、この駆動パルス幅に駆動信号Aのパルス幅を制御する。
ここで、駆動パルス幅をD、駆動信号Aの生成時における基準パルス幅をT、制御信号BのPWM指令値をBH、制御信号Bのパルス幅の最大値をBHFullと置くと、駆動パルス幅Dの生成は、次式(3)により行われる。すなわち、駆動パルス幅Dは、基準パルス幅Tを100%として、この基準パルス幅Tに対し、制御信号BのPWM指令値BHに応じて決められた比率(%)として生成される。
Figure 2007189823
図11は、駆動制御装置50Bのタイミングチャートである。
制御信号Bのパルス幅をリニアに増加させ、PWM指令値をリニアに可変していった場合、パルス制御回路84において、前述の式(3)により、制御信号BのPWM指令値BHに応じた比率で、基準パルス幅Tに対する駆動パルス幅Dが生成され、この駆動パルス幅Dに駆動信号C〜Fのパルス幅が制御される。
本実施形態においても、制御信号Bの指令値がリニアに可変されるため、パルス幅制御手段84における制御周期は、駆動信号Aの周期に対応する。パルス幅制御手段84により、駆動信号Aの1周期毎に、駆動パルス幅Dが生成される。
本実施形態によっても、前記各実施形態と略同様の効果が得られる。
また、本実施形態の駆動制御装置50Aおよび圧電アクチュエータ20によっても、図7に示したような駆動特性が得られる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
前記各実施形態におけるスピードコントロールでは、圧電アクチュエータ20の駆動状態を検出していなかったが、本実施形態以降のように、圧電アクチュエータ20の駆動状態を検出し、これに基いて駆動制御を行ってもよい。
以下、第1実施形態の駆動制御装置50において、圧電アクチュエータ20の駆動状態を検出する手段を付加した例を示す。
図12は、本実施形態における圧電アクチュエータ20の駆動制御装置50Cの構成を示すブロック図である。
駆動制御装置50Cは、第1実施形態の駆動制御装置50(図4)の構成に加えて、圧電アクチュエータ20部分を流れる電流を検出する電流検出器91と、電流指令値を出力する電流指令値源92と、電流検出器91で検出された電流値と、電流指令値源92から出力された電流指令値とに基いて、電圧制御発振器51に対して制御信号を出力する電流制御器93とを備える。
そして、電流制御器93からの出力信号を基に、電圧制御発振器51に電圧信号が出力される。つまり、本実施形態では、圧電アクチュエータ20の電流値によるフィードバック制御が行われる。
このような本実施形態では、前述の効果に加えて、次のような効果も得られる。
(4)電圧制御発振器51に入力される電圧信号が圧電アクチュエータ20における電流値を基に調整可能となるので、圧電アクチュエータ20における振動状態を制御可能となり、これによってロータ30の回転数などを制御することができる。このような電流値のフィードバックにより、圧電アクチュエータ20を安定的に駆動制御することができる。
〔第5実施形態〕
次に本発明の第5実施形態について説明する。
図13は、本実施形態の駆動制御装置50Dを示す。
駆動制御装置50Dは、第1実施形態の駆動制御装置50(図4)の構成に加えて、ロータの回転数を検出する回転数検出器101と、回転数指令値を出力する回転数指令値源102と、回転数検出器101で検出された回転数と、回転数指令値源102から出力された回転数指令値とに基いて、電圧制御発振器51に電圧信号を入力する回転数制御器103とを備える。
回転数検出器101は、例えば、ロータ30と一体の歯車41(図2)の回転数を検出する回転センサ15を含んで構成される。
このような本実施形態では、前述の効果に加えて、次のような効果も得られる。
(5)前記第4実施形態では、圧電アクチュエータ20を流れる電流値に基づいて制御を行っていたが、圧電アクチュエータ20は摩擦によってロータ30を回転駆動するため、すべり等が生じる可能性もあり、電流値の制御だけでは多少の誤差が生じる虞があった。これに対して本実施形態の構成によれば、直接ロータ30ないし歯車41の回転数を検出しているので、より安定的に駆動制御を行うことができる。
〔第6実施形態〕
次に本発明の第6実施形態について説明する。
図14に示す本実施形態の駆動制御装置50Eは、第4実施形態の電流値に基づく駆動制御と、第5実施形態の回転数に基づく駆動制御とを組み合わせたものである。
すなわち、駆動制御装置50Eは、電流検出器91、電流制御器93、回転数検出器101、回転数指令値源102、回転数制御器103を備えている。
回転数制御器103は、回転数指令値源102からの回転数指令値と、回転数検出器101で検出される回転数とに基いて電流制御器93に電流指令値を出力する。
電流制御器93は、回転数制御器103からの電流指令値と、電流検出器91で検出された電流値とに基づいて電圧制御発振器51に電圧信号を出力する。
従って、本実施形態におけるフィードバック制御では、ロータ回転数に基づく制御ループがメジャーループとされ、電流値に基づく制御ループがマイナーループとされている。
このような本実施形態では、前述の効果に加えて、次のような効果も得られる。
(6)圧電アクチュエータ20によって回転駆動されるロータ30の回転数と、圧電アクチュエータ20を流れる電流値との2つのパラメータに基づいて圧電アクチュエータ20における振動状態を制御しているので、ロータの回転数(回転速度)をより正確に制御することができる。
〔本発明の変形例〕
本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変形や改良が許容される。
前記実施形態では、駆動信号は矩形波であったが、これに限らず、駆動信号の波形としてサイン波、のこぎり波、三角波なども採用でき、そのパルス幅の制御に応じて高分解能、高応答性を実現できる。
また、前記実施形態では、駆動信号と振動信号との位相差をフィードバックし、この位相差に駆動信号の周波数を追従させていたが、このような位相差フィードバック制御を行わず、駆動信号の周波数は一定の値に固定されていてもよい。
本発明は、プリンタの紙送り機構に限らず、プリンタのインクジェットヘッドにも適用でき、また、前記実施形態のプリンタに適用されるものに限らず、各種の電子機器に適用可能である。特に小型化が要求される携帯用の電子機器に好適である。
ここで、各種の電子機器としては、電子時計、携帯電話、非接触ICカード、パソコン、携帯情報端末(PDA)等が例示できる。
また、カメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話等の電子機器にも適用可能である。これらカメラ機能を備えた電子機器に適用する場合には、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明の駆動手段を用いることができる。
さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、自動車等のインパネ(instrumental panel)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、乗り物並びに人形などの可動玩具類の駆動機構および姿勢補正機構、超音波モータ等に本発明の駆動制御装置を用いてもよい。
なお、被駆動体としては、回転駆動されるロータ、直線駆動されるリニア駆動体などを採用でき、被駆動体の駆動方向は限定されない。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態におけるプリンタの概略構成図。 前記実施形態における圧電アクチュエータユニットの斜視図。 前記実施形態における圧電アクチュエータユニットの平面図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図。 前記実施形態における振動体について、(A)は、駆動周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフ、(B)は、駆動周波数と縦振動および屈曲振動の振幅との関係を示すグラフ。 前記実施形態における駆動制御装置のタイミングチャート。 前記実施形態における駆動特性を示すグラフ。 本発明の第2実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図。 前記実施形態における駆動制御装置のタイミングチャート。 本発明の第3実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図。 前記実施形態における駆動制御装置のタイミングチャート。 本発明の第4実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図。 本発明の第5実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図。 本発明の第6実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図。
符号の説明
1・・・プリンタ(電子機器)、20・・・圧電アクチュエータ、20A・・・振動体、22・・・圧電素子、30・・・ロータ(被駆動体)、50,50A〜50E・・・駆動制御装置、51・・・電圧制御発振器(駆動信号源)、52,72,82・・・制御信号源、53・・・アナログデジタル変換回路、54,74,84・・・パルス幅制御回路(パルス幅制御手段)、73・・・データラッチ、83・・・カウンタ、A,C〜F・・・駆動信号、B・・・制御信号、BD・・・データ指令値(指令値)、BH・・・カウント指令値(指令値)、D・・・駆動パルス幅、T・・・基準パルス幅、VD・・・電圧指令値(指令値)。

Claims (7)

  1. 圧電素子を有しこの圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備えて前記振動体の振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータの駆動制御方法であって、
    前記駆動信号を所定の基準パルス幅で発するとともに、
    直線的に指令値が可変できる制御信号を発し、
    前記基準パルス幅に対して前記指令値に応じた比率である駆動パルス幅を生成し、
    前記駆動パルス幅に基いて前記駆動信号のパルス幅を制御する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  2. 圧電素子を有しこの圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備えて前記振動体の振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータの駆動制御装置であって、
    前記駆動信号を所定の基準パルス幅で発する駆動信号源と、
    直線的に指令値が可変できる制御信号を発する制御信号源と、
    前記基準パルス幅に対して前記指令値に応じた比率である駆動パルス幅を生成し、前記駆動パルス幅に基いて前記駆動信号のパルス幅を制御するパルス幅制御手段とを備える
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  3. 請求項2に記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    前記制御信号は、電圧の大きさを前記指令値とし、
    前記電圧をデジタル化して前記パルス幅制御手段に出力するアナログデジタル変換手段を備える
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  4. 請求項2に記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    前記制御信号は、ビット列で表すデータ値の大きさを前記指令値とし、
    前記ビット列として前記指令値を取り出して前記パルス幅制御手段に出力するデータラッチを備える
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  5. 請求項2に記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    前記制御信号は、パルス幅を前記指令値とし、
    前記制御信号のパルス幅をカウントして前記パルス幅制御手段に出力するカウンタを備える
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  6. 圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータで駆動される被駆動体と、請求項2から5のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置とを備える
    ことを特徴とする電子機器。
  7. 請求項6の電子機器は、紙送り手段を備えたプリンタであり、
    前記被駆動体は、前記紙送り手段が有するローラである
    ことを特徴とする電子機器。
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