JP4433266B2 - 超音波モータの駆動装置及び駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波モータを駆動する超音波モータの駆動装置及び駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、圧電素子等が発生した高周波弾性振動を摩擦力を使って機械的出力に変換する超音波モータが実用されている。この超音波モータは、電磁式のモータに比べて低速で高いトルクが得られるとともに応答速度も速いため、次世代アクチュエータとして注目されている。
超音波モータとして、一般に円板型のものが多く、図9に示すように、円板型の超音波モータ100は、リング状に形成された金属等からなる弾性体101に圧電セラミックス等の圧電素子102を接着した振動体103と、振動体103との接触面に摩擦材104が設けられた移動体105とから構成されている。
圧電素子102は、図10に示すように、振動体103の厚さ方向に分極しており、この圧電素子102には、たわみ振動の半波長相当の長さの電極106が複数個設けられている。このような圧電素子102に対し1/4波長ずれた2つの交流電力を加えると、振動体103に1/4波長ずれたたわみ振動の2つの定在波が励振される。
【0003】
振動体103に2つの定在波が励振されると、図11に示すように、振動体103の表面の任意の点が楕円の軌跡を描くように運動し、振動体103に擬似的な進行波が励振される。擬似的に進行波が生じている振動体103に対し移動体105を加圧すると、摩擦材104による摩擦力で振動体103が進行波の進行方向と逆の方向に回転することとなる。
【0004】
このように超音波モータ100は、1/4波長ずらして形成された複数の圧電素子102の電極106に対し位相が90°ずれた2相の交流電圧が印加されることにより振動体103がたわみ振動の進行波を励振し、この振動体103の振動に応じて移動体105が回転移動する。
また、振動体103の駆動端子からみた等価回路は、図12に示すように、圧電素子102単体の電気的性質を示す回路である電気腕121と、超音波モータ100の機械的性質を表す回路である機械腕122との並列回路で表される。機械腕121は、キャパシタンスCdで表され、機械腕122は、キャパシタンスCm、インダクタンスLm、抵抗Rmで表される。
このような振動体103の駆動端子からみたアドミッタンスの周波数特性は、例えば図13に示すようになり、振動体103の振動の大きさは、端子106に流れる電流の大きさに比例する。同じ電圧で駆動すれば、電流はアドミッタンスに比例することとなる。従って図13においてBに示すような振動体103の共振周波数近傍で駆動すれば、比較的に低い駆動電圧で振幅の大きな振動を得ることができ、移動体105が高い効率で回転移動する。
【0005】
一方、超音波モータの駆動装置として特許文献1に示すような駆動装置が知られている。この超音波モータの駆動装置は、振動体を構成する圧電素子に供給される交流電圧を検出する駆動電圧検出部と、圧電素子に供給される交流電圧により圧電素子に流れる交流電流を検出する駆動電流検出部と、飽和レベルにまで増幅された電圧検出信号と電源電圧とを比較し電圧検出信号のゼロクロス点でオンオフするパルス信号を発生する第1及び第2のコンパレータと、対応する第1または第2のコンパレータから出力されるパルス信号の立上りエッジのタイミングで電圧位相(電流位相)トリガパルスを発生する第1及び第2のモノマルチバイブレータと、電圧位相トリガパルスと電流位相トリガパルスとの位相差に応じた時間幅のパルス信号を出力するフリップフロップ回路と、フリップフロップ回路から出力されたパルス信号を平滑化する積分回路と、入力されたアナログ制御電圧に応じてクロック信号を発生するVCOとを備えている。
【0006】
また、この超音波モータの駆動装置は、更に、正弦波または90°位相がずれた余弦波の1波長分の振幅データをn分割してサンプリングし0〜(n−1)のアドレスに対応させ、カウントした値のアドレスの振幅データを読み出す第1及び第2の波形発生部と、正弦波信号または余弦波信号を電力増幅して振動体に供給する第1及び第2のパワーアンプと、駆動電流検出部により検出された検出信号をピークホールドしてピーク値を検出するピークホールド回路と、ピークホールド回路からのピーク値と速度制御のための基準電圧とを比較して駆動電圧を可変するゲイン制御回路と、インピーダンス補償を行ってサーボ制御の安定性を高める外部インダクタとを備えて構成されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−78472号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9に示すような円板型の超音波モータ100においては、圧電素子102からの信号をもとに共振周波数での発振信号を発生させ、これにより振動体103に交流電圧を印加し駆動させるという方法が一般的であるが、この場合、共振周波数を検出する圧電振動子が駆動用の他に余分に必要となりモータの小型化には不向きであるという欠点がある。
また、検出用の圧電振動子からの信号を移相回路により発振条件となる位相に調整して増幅器で増幅し、駆動用の圧電素子102に加え自励発振させ駆動する場合、振動体103、及び移相回路は位相を変化させる素子であるため、位相条件が適さない場合があり、この時には発振しないという課題がある。
また、別個の発振回路により駆動する場合は、温度、負荷等の条件により共振周波数が変化した場合、超音波モータ100の駆動効率が低下するという課題がある。
一方、特許文献1に記載された超音波モータの駆動装置においては、共振周波数により駆動制御を行うよう構成されているが、精密な駆動制御を必要としない超音波モータ用としては、駆動装置を構成する回路構成に用いる部品点数が多く非常に複雑であり、従って製造に多くの時間を要するとともに、コスト的にも高価になるという欠点があった。
【0009】
本発明は、以上のような課題に鑑みなされたもので、簡易な構成で発振周波数を制御し、これにより超音波モータの小型化が容易であり、かつ位相条件の変化や共振周波数の変化にも適切に対応することができ、しかも使用する部品点数を低減し、これにより製造が容易であるとともに低コスト化をも可能にする超音波モータの駆動装置及び駆動方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる超音波モータの駆動装置は、上述した課題を解決すべく、交流電圧の供給により振動する振動体と、この振動体の振動により移動する移動体とを備える超音波モータの駆動装置において、前記振動体に与える交流電圧を昇圧する昇圧駆動手段と、前記交流電圧の電圧レベルを検出しトリガ信号を出力する検出手段と、前記トリガ信号を基準として所要の発振周波数で所定の時間幅のパルス信号を生成し前記昇圧駆動手段の入力に帰還させることにより自励発振させ、これにより前記振動体を振動させる帰還パルス生成手段と、前記発振周波数のパルスデューティを所定の値に設定するパルスデューティ設定手段と、前記交流電圧を取り込む第1のインバータ、微分回路及び第2のインバータを備え前記交流電圧の波形にマスキングを施して前記トリガ信号を出力するマスキング手段を有し、前記第1のインバータは前記交流電圧から予め設定された所定の第1の閾値を越える電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しローレベル出力を行い、交流電圧から予め設定された所定の第2の閾値より低い電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しハイレベル出力を行い、該第2のインバータは前記微分回路からの立下りの出力時に前記帰還パルス生成手段へのトリガ信号を出力して双方でヒステリシスを設けるようにしたものである。
そのため、振動体に与える交流電圧を昇圧駆動手段により昇圧するとともに、検出手段により当該交流電圧から所要の閾値を越える電圧レベルを検出してトリガ信号を出力し帰還パルス生成手段に入力する。そして、帰還パルス生成手段によりトリガ信号を基準として所要の発振周波数で所定の設定時間幅のパルス信号を生成し昇圧駆動手段に帰還させることで自励発振させ、これにより振動体を安定して効率良くたわみ振動させ、移動体を効率良く移動させる。
【0011】
また、本発明に係わる超音波モータの駆動装置は、複数相の各交流電圧の供給に対応して振動する複数群の振動体と、これらの振動体の振動により移動する移動体とを備え、前記複数群の振動体に与える各交流電圧を昇圧する複数の昇圧駆動手段と、前記交流電圧の電圧レベルを検出しトリガ信号を出力する検出手段と、前記トリガ信号を基準として所要の発振周波数で所定の時間幅のパルス信号を、位相を異ならせて生成し前記複数の昇圧駆動手段の入力に帰還させることにより自励発振させ、これにより前記複数群の振動体を振動させる複数の帰還パルス生成手段と、前記発振周波数のパルスデューティを所定の値に設定するパルスデューティ設定手段と、前記交流電圧を取り込む第1のインバータ、微分回路及び第2のインバータを備え前記交流電圧の波形にマスキングを施して前記トリガ信号を出力するマスキング手段を有し、前記第1のインバータは前記交流電圧から予め設定された所定の第1の閾値を越える電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しローレベル出力を行い、交流電圧から予め設定された所定の第2の閾値より低い電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しハイレベル出力を行い、該第2のインバータは前記微分回路からの立下りの出力時に前記帰還パルス生成手段へのトリガ信号を出力して双方でヒステリシスを設けるようにしたものである。
そのため、検出手段により昇圧駆動手段が昇圧した交流電圧から所要の閾値を越える電圧レベルを検出したことによるトリガ信号を基準とし、複数の帰還パルス生成手段により所要の発振周波数で所定の設定時間幅のパルス信号を位相を異ならせて生成し複数の昇圧駆動手段に帰還させることで自励発振させ、これにより複数群の振動体を安定して効率良くたわみ振動させる。
【0012】
また、本発明に係わる超音波モータの駆動方法は、交流電圧の供給により振動する振動体と、この振動体の振動により移動する移動体とを備える超音波モータの駆動方法において、前記振動体に与える交流電圧を昇圧し、前記交流電圧の電圧レベルをある閾値で検出してトリガ信号を出力し、前記トリガ信号を基準として所要の発振周波数で所定の時間幅のパルス信号を生成し前記交流電圧に帰還させることにより自励発振させ、これにより前記振動体を振動させ、前記発振周波数のパルスデューティを所定の値に設定し、前記交流電圧を取り込む第1のインバータ、微分回路及び第2のインバータを備えるマスキング手段が前記交流電圧の波形にマスキングを施して前記トリガ信号を出力し、前記第1のインバータが、前記交流電圧から予め設定された所定の第1の閾値を越える電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しローレベル出力を行い、交流電圧から予め設定された所定の第2の閾値より低い電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しハイレベル出力を行い、該第2のインバータが前記微分回路からの立下りの出力時に前記帰還パルス生成手段へのトリガ信号を出力し、前記交流電圧から前記トリガ信号を検出する際ヒステリシスを設けるようにしたものである。
そのため、振動体に与える交流電圧を昇圧するとともに、当該交流電圧から所要の閾値を越える電圧レベルを検出したことによるトリガ信号を基準として所要の発振周波数で所定の時間幅のパルス信号を生成し当該交流電圧に帰還させることで自励発振させ、これにより振動体を安定して効率良くたわみ振動させる。
【0013】
また、本発明に係わる超音波モータの駆動方法は、複数相の各交流電圧の供給に対応して振動する複数群の振動体と、これらの振動体の振動により移動する移動体とを備える超音波モータの駆動方法において、前記複数群の振動体に与える各交流電圧を昇圧し、前記交流電圧の電圧レベルをある閾値で検出してトリガ信号を出力し、前記トリガ信号を基準として所要の発振周波数で所定の時間幅の複数のパルス信号を、位相を異ならせて生成し前記各交流電圧に個別に帰還させることにより自励発振させ、これにより前記複数群の振動体を振動させ、前記発振周波数のパルスデューティを所定の値に設定し、前記交流電圧を取り込む第1のインバータ、微分回路及び第2のインバータを備えるマスキング手段が前記交流電圧の波形にマスキングを施して前記トリガ信号を出力し、前記第1のインバータが、前記交流電圧から予め設定された所定の第1の閾値を越える電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しローレベル出力を行い、交流電圧から予め設定された所定の第2の閾値より低い電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しハイレベル出力を行い、該第2のインバータが前記微分回路からの立下りの出力時に前記帰還パルス生成手段へのトリガ信号を出力し、前記交流電圧から前記トリガ信号を検出する際ヒステリシスを設けるようにしたものである。
そのため、交流電圧から所要の閾値を越える電圧レベルを検出したことによるトリガ信号を基準とし、所要の発振周波数で所定の時間幅の複数のパルス信号を位相を異ならせて生成し当該複数相の交流電圧に個別に帰還させることで自励発振を行わせ、これにより複数群の振動体を安定して効率良くたわみ振動させる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1を参照し本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の構成を示す回路構成図である。
図1に示すように、本例の超音波モータの駆動装置は、昇圧駆動手段2、検出手段としての抵抗VR12、帰還パルス生成手段としてのモノマルチバイブレータIC11などを備えて構成されている。
昇圧駆動手段2は、トランジスタTr1と、例えば+5Vのレギュレータ電圧を供給する電源とトランジスタTr1のコレクタとの間に接続されたインダクタンスLと、レギュレータ電圧を供給する電源とトランジスタTr1のベースとの間に接続された抵抗R12と、トランジスタTr1のエミッタとベースとの間に接続されたキャパシタンスC12とを備えて構成されている。
【0015】
抵抗VR12は、トランジスタTr1のコレクタ側に接続されており、抵抗値を可変にすることが可能である。抵抗VR12は、トランジスタTr1を介し昇圧された交流電圧を分圧するとともに、この分圧交流波形からある閾値を越える電圧レベル(例えば共振周波数の電圧レベル)を検出し、モノマルチバイブレータIC11に対しトリガ信号を出力する。
モノマルチバイブレータIC11は、Lレベルに設定されたポート12、抵抗VR12からのトリガ信号を入力するポート13、Hレベルに設定されたCLR用のポート14、キャパシタンスC11の接続用のポート15、可変抵抗VR11の接続用のポート16、内部で生成したパルス信号の出力用のポート17、及び内部で生成したパルス信号の反転出力用のポート18を備えており、ポート15にはキャパシタンスC11が接続されるとともに、ポート16には電源に通じる可変抵抗VR11が接続されている。またキャパシタンスC11の他方端はポート16側に接続されている。
このモノマルチバイブレータIC11は、前記トリガ信号を基準として所要の発信周波数を設定するとともに、この発振周波数で所定の設定時間幅を有するパルス信号を生成する。また、モノマルチバイブレータIC11は、内部で生成したパルス信号をポート17から抵抗R11を介してトランジスタTr1のベースに帰還させ、これにより自励発振を行わせる。
なお、モノマルチバイブレータIC11が生成するパルス信号の設定時間幅を調整するための時間幅調整手段は、ポート15に接続されたキャパシタンスC11と、電源とポート16との間に接続された可変抵抗VR11とで構成されている。
【0016】
次に、第1の実施の形態の超音波モータの駆動装置の動作について説明する。
まず、インダクタンスLにレギュレータ電圧が供給されると、発振作用が生じ抵抗VR12から分圧された交流電圧を取り出すことが可能となり、かつ抵抗VR12の抵抗値の関係で交流電圧から所要の閾値を越える電圧レベルのトリガ信号が出力される。
このトリガ信号はモノマルチバイブレータIC11のポート13に入力されるため、このときモノマルチバイブレータIC11が、トリガ信号を基準として発振周波数を設定するとともに、時間幅調整手段としてのキャパシタンスC11の容量、及び可変抵抗VR11の抵抗値の設定にも対応した所定の設定時間幅のパルス信号を生成する。そして、発振周波数及び所定の時間幅の設定されたパルス信号は、ポート17から抵抗R11を介してトランジスタTr1のベースに帰還される。
【0017】
この場合、昇圧駆動手段2としてのトランジスタTr1側ではパルス信号の入力に対応した発振周波数の交流電圧を生成するとともに、モノマルチバイブレータIC11へのトリガ信号の再入力に伴うパルス信号の引き続く帰還に応じて安定した発振周波数で昇圧された交流電圧を定め、かつこの交流電圧を超音波モータを構成する圧電素子102へ供給し超音波モータを安定して駆動する。これにより超音波モータの振動体103を安定して効率良くたわみ振動させ、超音波モータの移動体105を効率良く移動させることができる。
一方、モノマルチバイブレータIC11の可変抵抗VR11の抵抗値を調節することによりパルス信号に変化を与え、これにより超音波モータの駆動速度を変化させることも可能である。
したがって、第1の実施の形態の超音波モータの駆動装置によれば、共振周波数を検出する構成の簡素化が容易であり超音波モータの小型化に適する他、位相条件に適宜対応し確実に自励発振を継続することができる。このため、超音波モータの駆動効率を向上させることができ、しかも使用する部品点数が少なく製造が容易であり低コスト化を実現する上で有利となる。
なお、本例の超音波モータの駆動装置1を構成する回路構成にあっては、あらかじめ組み込んだインダクタンスLを用いて対応しているが、図2に示すように、インダクタンスLの代わりに図12の等価回路に示した圧電素子102を示すインダクタンスLmを用いても良く、上述と同様の作用効果を奏することは勿論である。
【0018】
次に、図3を参照し本発明の第2の実施の形態について説明する。
図3は本発明の第2の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の構成を示す回路構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図3に示すように、本例の超音波モータの駆動装置は、トランジスタTr1のコレクタ側に対し接続したキャパシタンス(結合コンデンサ)C13、キャパシタンスC13と接地との間に接続した圧電素子102を示すインダクタンスLm、インダクタンスLmに対し並列に接続した抵抗VR12などを備えて構成されている。
トランジスタTr1により昇圧された交流電圧、すなわちモノマルチバイブレータIC11から発振周波数、及び時間幅の設定されたパルス信号が帰還されることにより自励発振し、かつ昇圧された交流電圧は、キャパシタンスC13を通して圧電素子102であるインダクタンスLmに供給される。
以上説明したように、第2の実施の形態の超音波モータの駆動装置においても、第1の実施の形態と同様に、モノマルチバイブレータIC11へのトリガ信号の再入力に伴うパルス信号の引き続く帰還に応じて安定した発振周波数で昇圧された交流電圧を定め、かつこの交流電圧を超音波モータへ供給することで、超音波モータの振動体103を安定して効率良くたわみ振動させ、超音波モータの移動体105を効率良く移動させることができる。
したがって、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、構成の簡素化によって超音波モータを小型化し、位相条件に適宜対応し確実に自励発振を継続することができ、超音波モータの駆動効率を向上させることができ、部品点数を削減して低コスト化を実現する上で有利となる。
なお、図3に示すように、本例では、昇圧駆動手段2のインダクタンスには符号L11が付されているが、これは図1に示した場合と基本的に同一のものであると考えても良く、あるいは特性が異なるものであると考えても良い。
【0019】
次に、図4を参照し本発明の第3の実施の形態について説明する。
図4は本発明の第3の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の構成を示す回路構成図であり、図3と同一部分には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図4に示すように、本例の超音波モータの駆動装置は、図3に示す回路構成に対し発振周波数を設定するモノマルチバイブレータIC21を備えるとともに、モノマルチバイブレータIC11にパルスデューティ設定手段としての機能をもたせたものである。
モノマルチバイブレータIC21は、Lレベルに設定されたポート22、抵抗VR12からのトリガ信号を入力するポート23、Hレベルに設定されたCLR用のポート24、キャパシタンスC14の接続用のポート25、可変抵抗VR13の接続用のポート26、内部で生成した所要の発振周波数のパルス信号出力用のポート27、及び内部で生成した所要の発振周波数のパルス信号反転出力用のポート28を備えており、ポート25にはキャパシタンスC14が接続されるとともに、ポート26には電源に通じる可変抵抗VR13が接続されている。またキャパシタンスC14の他方端はポート26側に接続されている。
【0020】
このモノマルチバイブレータIC21は、前記トリガ信号を基準として所要の発信周波数を設定するとともに、この発振周波数で所定の設定時間幅を有するパルス信号を生成し、このパルス信号を反転してポート28からモノマルチバイブレータIC11の入力用のポート13に対し出力する。
ただしパルス信号を反転し出力する場合、トリガ信号の立上りに対しディレーを与え、これにより発振周波数に変化を与えるものでもある。また具体的には、モノマルチバイブレータIC21は、トリガ信号を基準としてキャパシタンスC14、及び可変抵抗VR13で設定した時間分のパルスをLレベルとして出力する。
すなわちキャパシタンスC14、及び可変抵抗VR13には発振周波数の調整手段としての働きがあり、可変抵抗VR13の調整で発振周波数を任意に設定することが可能である。
【0021】
モノマルチバイブレータIC11は、モノマルチバイブレータIC21から入力された発振周波数及び時間幅の設定されているパルス信号に対し、可変抵抗VR11の調整に応じたパルスデューティを設定し、パルスデューティの設定されたパルス信号をポート17から抵抗R11を介してトランジスタTr1のベースに帰還させ、これにより自励発振を行わせる。
また具体的には、モノマルチバイブレータIC11は、モノマルチバイブレータIC21からのパルス信号の立上りを基準としてキャパシタンスC11及び抵抗VR11で設定した時間分をHレベルとするパルス信号を出力する。
すなわち、本例の場合、キャパシタンスC11及び可変抵抗VR11にはパルスデューティを調整する調整手段としての働きがあり、従って可変抵抗VR11を調整することにより発振周波数のデューティを変化させ、トランジスタTr1により昇圧された交流電圧の波形にも変化を与えるものである。
【0022】
また、第3の実施の形態の超音波モータの駆動装置においても、第1、第2の実施の形態と同様に、安定した発振周波数で昇圧された交流電圧を定め、かつこの交流電圧を超音波モータへ供給することで、超音波モータの振動体103を安定して効率良くたわみ振動させ、超音波モータの移動体105を効率良く移動させることができる。
したがって、第3の実施の形態においても、第1、第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0023】
次に、図5を参照し本発明の第4の実施の形態について説明する。
図5は本発明の第4の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の構成を示す回路構成図であり、図4と同一部分には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図5に示すように、本例の超音波モータの駆動装置は、図4に示す回路構成に対し昇圧された交流電圧の波形にマスキングを施してトリガ信号を出力するマスキング手段3を備えたものである。なお、図5では圧電素子102を示すインダクタンスLmの代わりにインダクタンスPAを図示している。
マスキング手段3は、抵抗VR12により分圧した交流電圧を取り込む第1のシュミットトリガインバータIC32と、微分回路を構成するキャパシタンスC3及び抵抗R3と、第2のシュミットトリガインバータIC33とを備えて構成されている。
第1のシュミットトリガインバータIC32はあらかじめ設定したある値のHレベルを第1の閾値とし、かつある値のLレベルを第2の閾値とし、図6に示すように、交流電圧から第1の閾値を越える電圧レベルを検出した場合にキャパシタンスC3に対し反転出力(すなわちL出力)を行う一方で、交流電圧から第2の閾値より低い電圧レベルを検出した場合にキャパシタンスC3に対し更に反転出力(すなわちH出力)を行う。第2のシュミットトリガインバータC33は微分回路からの立下りの出力時にモノマルチバイブレータIC21へのトリガ信号を出力する。
【0024】
すなわちマスキング手段3を備えた場合、交流電圧の波形に対しHレベルの第1の閾値、及びLレベルの第2の閾値を設定し双方でヒステリシスを設けるため、図6に示すように、交流電圧に通常発生する高調波成分、もしくは発振条件で発生する高調波成分等を含むチャタリングが生じても支障なくトリガ信号を出力し超音波モータを安定して駆動することができる。
また、第4の実施の形態の超音波モータの駆動装置においても、第1乃至第3の実施の形態と同様に、安定した発振周波数で昇圧された交流電圧を定め、かつこの交流電圧を超音波モータへ供給することで、超音波モータの振動体103を安定して効率良くたわみ振動させ、超音波モータの移動体105を効率良く移動させることができる。
したがって、第4の実施の形態においても、第1乃至第3の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0025】
次に、図7を参照し本発明の第5の実施の形態について説明する。
図7は本発明の第5の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の構成を示す回路構成図であり、図5と同一部分には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図7に示すように、図5に示したものに等しいモノマルチバイブレータIC11は第1のパルスデューティ設定手段を構成し、同じくモノマルチバイブレータIC21は第1の発振周波数の設定手段(すなわち第1の帰還パルス生成手段に相当する)を構成する。
また、本例では図5に示した昇圧駆動手段2に等しい第1の昇圧駆動手段2を備える。また、第1の昇圧駆動手段2で昇圧した交流電圧を与えるべき圧電素子(すなわち図5にはインダクタンスLmで示している)102としては、振動体103の各々の圧電素子102,102のうち、一方の第1群の圧電素子102であり、これをインダクタンスPAとして図示し適用するものである。
そのため、本例の超音波モータの駆動装置は、図5に示す回路構成に対し、配線回路Sを介して取り込んだトリガ信号を基準として位相が90°ずれた発振周波数で所定の設定時間幅のパルス信号を生成する第2の発振周波数の設定手段、すなわち第2の帰還パルス生成手段に相当するモノマルチバイブレータIC41と、第2のパルスデューティ設定手段に相当するモノマルチバイブレータIC51と、第2の昇圧駆動手段4とを備えたものである。
また、特に第2の昇圧駆動手段4が昇圧した交流電圧を与える圧電素子102としては、本例では、振動体103の各々の圧電素子102,102のうち、位相が90°ずれる交流電圧を受けて振動する他方の第2群の圧電素子102であり、これをインダクタンスPBとして図示し適用するものである。
【0026】
モノマルチバイブレータIC41は、Lレベルに設定されたポート42、配線回路Sを介し抵抗VR12からのトリガ信号を入力するポート43、Hレベルに設定されたCLR用のポート44、キャパシタンスC24の接続用のポート45、可変抵抗VR23の接続用のポート46、内部で生成した所要の発振周波数のパルス信号出力用のポート47、及び内部で生成した所要の発振周波数のパルス信号反転出力用のポート48を備えている。
ポート45にはキャパシタンスC24が接続されるとともに、ポート46には電源に通じる可変抵抗VR23が接続されている。またキャパシタンスC24の他方端はポート46側に接続されている。
したがって、モノマルチバイブレータIC41には、キャパシタンスC24、可変抵抗VR23、及びスイッチ手段SWにより位相調整手段が構成されている。
可変抵抗VR23はパルス信号の位相を例えば90°ずらす働きを有するものである。なお、可変抵抗VR23の調整によって位相を任意に変更することも可能である。
【0027】
このモノマルチバイブレータIC41は、前記トリガ信号を基準とし、可変抵抗VR23により位相が90°遅れるか進むかした所要の発信周波数を設定するとともに、この発振周波数で所定の時間幅を有するパルス信号を生成し、このパルス信号を反転してポート48からモノマルチバイブレータIC51の入力用のポート53に対し出力する。
ただし、この場合もパルス信号を反転し出力する場合、トリガ信号の立上りに対しディレーを与え、これにより発振周波数に変化を与えるものでもあるが、いずれにせよ位相を90°ずらすことで超音波モータのCW/CCWを制御することが可能となる。
【0028】
モノマルチバイブレータIC51は、Lレベルに設定されたGND用のポート52、モノマルチバイブレータIC41からのパルス信号を入力するポート53、CLR用のポート54、キャパシタンスC21の接続用のポート55、可変抵抗VR21の接続用のポート56、内部で生成したパルス信号の出力用のポート57、及び内部で生成したパルス信号の反転出力用のポート58を備えており、ポート55にはキャパシタンスC21が接続されるとともに、ポート56には電源に通じる可変抵抗VR21が接続されている。またキャパシタンスC21の他方端はポート56側に接続されている。
【0029】
モノマルチバイブレータIC51は、モノマルチバイブレータIC41から入力された発振周波数及び時間幅の設定されているパルス信号に対し、可変抵抗VR21の調整に応じたパルスデューティを設定し、パルスデューティの設定されたパルス信号をポート57から抵抗R21を介して第2の昇圧駆動手段4のトランジスタTr2のベースに供給する。
また、具体的には、モノマルチバイブレータIC51は、モノマルチバイブレータIC41からのパルス信号の立上りを基準としてキャパシタンスC21及び可変抵抗VR21で設定した時間分をHレベルとするパルス信号を出力する。
【0030】
すなわち、キャパシタンスC21及び可変抵抗VR21にはパルスデューティを調整する調整手段としての働きがあり、従って可変抵抗VR21を調整することにより発振周波数のデューティを変化させ、トランジスタTr2により昇圧された交流電圧の波形にも変化を与えるものである。
【0031】
第2の昇圧駆動手段4は、トランジスタTr2と、例えば+5Vのレギュレータ電圧を供給する電源とトランジスタTr2のコレクタとの間に接続されたインダクタンスL21と、レギュレータ電圧を供給する電源とトランジスタTr2のベースとの間に接続された抵抗R22と、トランジスタTr2のエミッタとベースとの間に接続されたキャパシタンスC22とを備えて構成されている。また、トランジスタTr2のコレクタ側にはキャパシタンスC23を介し上述した圧電素子102を示すインダクタンスPBが接続されている。
【0032】
次に、図7及び図8を参照し第5の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の動作について説明する。
まず、モノマルチバイブレータIC11の電源ON状態において、モノマルチバイブレータIC11のポートからパルス信号の出力がない初期の段階で、トランジスタTr1からインダクタンスL11へのレギュレータ電圧の供給に伴う交流電圧が出力(図8[B]参照)されると、キャパシタンスC13を通して抵抗VR12から分圧された交流電圧が第1のシュミットトリガインバータIC32に入力される。
【0033】
このとき第1のシュミットトリガインバータIC32では、微分回路のキャパシタンスC3に対しヒステリシスに伴うLレベル及びHレベルの出力(図8[C]参照)を行い、微分回路から微分回路固有の出力(図8[D]参照)を行わせ、かつ微分回路の出力を第2のシュミットトリガインバータIC33に入力させることにより第2のシュミットトリガインバータIC33から微分回路からの出力の立下りに伴うトリガ信号を出力(図8[E]参照)させ、このトリガ信号をモノマルチバイブレータIC21及びモノマルチバイブレータIC41に対し同時に入力させる。
【0034】
この段階で、モノマルチバイブレータIC21は、トリガ信号を基準とし、かつキャパシタンスC14及び可変抵抗VR13により設定された時間幅をLレベルにしたパルス信号を出力(図8[F]参照)し、このパルス信号をモノマルチバイブレータIC11に入力する。
続いて、モノマルチバイブレータIC11は、当該パルス信号の立上りを基準とし、かつキャパシタンスC11及び可変抵抗VR11により設定された時間幅をHレベルにしたパルス信号を出力(図8[A]参照)し、このパルス信号を抵抗R11を介しトランジスタTr1のベースに帰還(図8[A][G]参照)させることによりトランジスタTr1から自励発振を行わせる。
以下、これを繰り返すことにより発振周波数及び時間幅の安定した自励発振を継続させ(図8[A][B][C][D][E][F]参照)、圧電素子102すなわちインダクタンスPAに安定したたわみ振動の進行波を発生させる。
【0035】
一方、この間、モノマルチバイブレータIC41では、前記トリガ信号を基準とし、かつキャパシタンスC24及び可変抵抗VR23により設定された例えば位相が90°遅れた状態にある発振周波数で所定の時間幅のパルス信号を反転出力する。
モノマルチバイブレータIC51では、キャパシタンスC21及び可変抵抗VR21によりその発振周波数のパルス信号のパルスデューティを所定の値に設定し、抵抗VR21を介しトランジスタTr2のベースに供給(図8[H1]参照)することにより例えば位相が90°遅れた発振を継続させ、圧電素子102すなわちインダクタンスPBに例えば位相が90°遅れる安定したたわみ振動の進行波を発生させる。
なお、モノマルチバイブレータIC51では、位相が90°進んだ状態のパルス信号をトランジスタTr2のベースに供給(図8[H2]参照)することも可能である。
第5の実施の形態の超音波モータの駆動装置においても、第1乃至第4の実施の形態と同様に、安定した発振周波数で昇圧された交流電圧を定め、かつこの交流電圧を超音波モータへ供給することで、超音波モータの複数群の振動体103を安定して効率良くたわみ振動させ、超音波モータの移動体105を効率良く移動させることができる。
したがって、第5の実施の形態においても、第1乃至第4の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の超音波モータの駆動装置および駆動方法によれば、共振周波数を検出する構成の簡素化が容易であり超音波モータの小型化に適する他、位相条件に適宜対応し確実に自励発振を継続することができ、従って超音波モータの駆動効率を向上させることができ、しかも使用する部品点数が少なく製造が容易であり低コスト化をも実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の構成を示す回路構成図である。
【図2】第1の実施の形態の変形例を示す回路構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の構成を示す回路構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の構成を示す回路構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の構成を示す回路構成図である。
【図6】交流電圧の波形とマスキングとの関係を説明する説明図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置の構成を示す回路構成図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係わる超音波モータの駆動装置及び駆動方法の動作を説明するタイムチャートである。
【図9】超音波モータの一例を示す一部切欠の分解斜視図である。
【図10】超音波モータの圧電素子に設けられた電極と圧電素子に与える交流電圧との関係を説明する説明図である。
【図11】超音波モータの振動体に発生する進行波を説明する説明図である。
【図12】超音波モータの振動体の等価回路を示す回路図である。
【図13】振動体のアドミッタンスの周波数特性を示す特性図である。
【符号の説明】
2……昇圧駆動手段(第1の昇圧駆動手段)、3……マスキング手段、4……第2の昇圧駆動手段、12〜18,22〜28,42〜48,52〜58……ポート、C3,C11〜C14,C21〜C24……キャパシタンス、IC11,IC21,IC41,IC51……モノマルチバイブレータ、IC32……第1のシュミットトリガインバータ、IC33……第2のシュミットトリガインバータ、L,L11,L12,Lm,PA,PB……インダクタンス、R3,R11,R12,R21,R22,VR12……抵抗、Tr1,Tr2……トランジスタ、VR11,VR13,VR21……可変抵抗、VR23……可変抵抗、S……配線回路、SW……スイッチ手段。
Claims (9)
- 交流電圧の供給により振動する振動体と、この振動体の振動により移動する移動体とを備える超音波モータの駆動装置において、
前記振動体に与える交流電圧を昇圧する昇圧駆動手段と、
前記交流電圧の電圧レベルを検出しトリガ信号を出力する検出手段と、
前記トリガ信号を基準として所要の発振周波数で所定の時間幅のパルス信号を生成し前記昇圧駆動手段の入力に帰還させることにより自励発振させ、これにより前記振動体を振動させる帰還パルス生成手段と、
前記発振周波数のパルスデューティを所定の値に設定するパルスデューティ設定手段と、
前記交流電圧を取り込む第1のインバータ、微分回路及び第2のインバータを備え前記交流電圧の波形にマスキングを施して前記トリガ信号を出力するマスキング手段を有し、
前記第1のインバータは前記交流電圧から予め設定された所定の第1の閾値を越える電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しローレベル出力を行い、交流電圧から予め設定された所定の第2の閾値より低い電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しハイレベル出力を行い、該第2のインバータは前記微分回路からの立下りの出力時に前記帰還パルス生成手段へのトリガ信号を出力して双方でヒステリシスを設ける
ことを特徴とする超音波モータの駆動装置。 - 複数相の各交流電圧の供給に対応して振動する複数群の振動体と、これらの振動体の振動により移動する移動体とを備える超音波モータの駆動装置において、
前記複数群の振動体に与える各交流電圧を昇圧する複数の昇圧駆動手段と、
前記交流電圧の電圧レベルを検出しトリガ信号を出力する検出手段と、
前記トリガ信号を基準として所要の発振周波数で所定の時間幅のパルス信号を、位相を異ならせて生成し前記複数の昇圧駆動手段の入力に帰還させることにより自励発振させ、これにより前記複数群の振動体を振動させる複数の帰還パルス生成手段と、
前記発振周波数のパルスデューティを所定の値に設定するパルスデューティ設定手段と、
前記交流電圧を取り込む第1のインバータ、微分回路及び第2のインバータを備え前記交流電圧の波形にマスキングを施して前記トリガ信号を出力するマスキング手段を有し、
前記第1のインバータは前記交流電圧から予め設定された所定の第1の閾値を越える電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しローレベル出力を行い、交流電圧から予め設定された所定の第2の閾値より低い電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しハイレベル出力を行い、該第2のインバータは前記微分回路からの立下りの出力時に前記帰還パルス生成手段へのトリガ信号を出力して双方でヒステリシスを設ける
ことを特徴とする超音波モータの駆動装置。 - 前記検出手段は、抵抗値を可変にし得る抵抗を通して前記トリガ信号を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の超音波モータの駆動装置。
- 前記帰還パルス生成手段は、モノマルチバイブレータを用いて構成してなることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波モータの駆動装置。
- 前記帰還パルス生成手段は、生成するパルス信号の時間幅を調整する時間幅調整手段を備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波モータの駆動装置。
- 前記複数の帰還パルス生成手段のうち何れかは、パルス信号の位相を調整する位相調整手段を備えてなることを特徴とする請求項2に記載の超音波モータの駆動装置。
- 交流電圧の供給により振動する振動体と、この振動体の振動により移動する移動体とを備える超音波モータの駆動方法において、
前記振動体に与える交流電圧を昇圧し、
前記交流電圧の電圧レベルをある閾値で検出してトリガ信号を出力し、
前記トリガ信号を基準として所要の発振周波数で所定の時間幅のパルス信号を生成し前記交流電圧に帰還させることにより自励発振させ、これにより前記振動体を振動させ、
前記発振周波数のパルスデューティを所定の値に設定し、
前記交流電圧を取り込む第1のインバータ、微分回路及び第2のインバータを備えるマスキング手段が前記交流電圧の波形にマスキングを施して前記トリガ信号を出力し、
前記第1のインバータが、前記交流電圧から予め設定された所定の第1の閾値を越える電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しローレベル出力を行い、交流電圧から予め設定された所定の第2の閾値より低い電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しハイレベル出力を行い、
該第2のインバータが前記微分回路からの立下りの出力時に前記帰還パルス生成手段へのトリガ信号を出力し、
前記交流電圧から前記トリガ信号を検出する際ヒステリシスを設ける
ことを特徴とする超音波モータの駆動方法。 - 複数相の各交流電圧の供給に対応して振動する複数群の振動体と、これらの振動体の振動により移動する移動体とを備える超音波モータの駆動方法において、
前記複数群の振動体に与える各交流電圧を昇圧し、
前記交流電圧の電圧レベルをある閾値で検出してトリガ信号を出力し、
前記トリガ信号を基準として所要の発振周波数で所定の時間幅の複数のパルス信号を、位相を異ならせて生成し前記各交流電圧に個別に帰還させることにより自励発振させ、これにより前記複数群の振動体を振動させ、
前記発振周波数のパルスデューティを所定の値に設定し、
前記交流電圧を取り込む第1のインバータ、微分回路及び第2のインバータを備えるマスキング手段が前記交流電圧の波形にマスキングを施して前記トリガ信号を出力し、
前記第1のインバータが、前記交流電圧から予め設定された所定の第1の閾値を越える電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しローレベル出力を行い、交流電圧から予め設定された所定の第2の閾値より低い電圧レベルを検出した場合に前記キャパシタンスに対しハイレベル出力を行い、
該第2のインバータが前記微分回路からの立下りの出力時に前記帰還パルス生成手段へのトリガ信号を出力し、
前記交流電圧から前記トリガ信号を検出する際ヒステリシスを設ける
ことを特徴とする超音波モータの駆動方法。 - 前記複数群の振動体に関係する発振周波数の位相調整に際し、位相を適宜進ませるか、位相を適宜遅らせるかの何れかを選択することを特徴とする請求項7または8に記載の超音波モータの駆動方法。
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