JP2008278721A - 超音波アクチュエータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】微動送り時に間欠周波数で、駆動信号を間欠的に制御するため、間欠周波数が人間の可聴範囲に入り、騒音が課題となっていた。
【解決手段】間欠周波数を、前記間欠周波数は、前記駆動周波数以下で、可聴周波数以上することで、騒音の少ない超音波アクチュエータを提供できる。また、間欠駆動時のON時間 を駆動周波数の1周期の整数倍にすることで、さらに騒音の少ない超音波アクチュエータを提供できる。
【選択図】図8b
【解決手段】間欠周波数を、前記間欠周波数は、前記駆動周波数以下で、可聴周波数以上することで、騒音の少ない超音波アクチュエータを提供できる。また、間欠駆動時のON時間 を駆動周波数の1周期の整数倍にすることで、さらに騒音の少ない超音波アクチュエータを提供できる。
【選択図】図8b
Description
本発明は、超音波アクチュエータ装置に関するものである。
特許文献1に係る超音波アクチュエータ装置は、振動子と、相対運動部材と、振動子に、連続する高周波の第1の駆動信号を入力して相対運動部材との間に連続する相対運動を発生させ、微動送りをするために、1kHz以上の間欠周波数で、図13に示すように駆動信号を間欠的に制御する手段を設けた超音波アクチュエータ装置である。
特開2001−45773公報
特許文献1に記載の超音波モータは、微動送りをするために、1kHz以上の間欠周波数で、駆動信号を間欠的に制御するため、間欠周波数が人間の可聴範囲に入るため、騒音が課題となっていた。
本発明は、上記課題に鑑み、微動駆動のときでも、静音化した超音波アクチュエータ装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の超音波アクチュエータ装置は、圧電素子を有し振動を行うアクチュエータ本体と、前記圧電素子上に設けられた駆動力を出力する駆動子と、前記駆動子により、相対的に駆動される駆動体と、前記アクチュエータ本体および前記圧電素子に駆動周波数の駆動電圧を印加する電源部とを有し、前記電源部は、前記駆動周波数の駆動電圧を前記アクチュエータに印加するON期間と前記駆動周波数の駆動電圧を前記アクチュエータに印加しないOFF期間とを間欠周波数で周期的に繰り返し行い、1周期内における前記ON期間とOFF期間の割合を変化させることで速度を制御する微動モードを有し、前記間欠周波数は、前記駆動周波数以下で、可聴周波数以上であることを特徴とする超音波アクチュエータ装置である。
本発明によれば、微動モードのときでも静音化された超音波アクチュエータを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
−超音波アクチュエータの構成−
図1は、本実施形態1に係る超音波アクチュエータ5の斜視図であり、図2aは、超音波アクチュエータの配線図であり、図2bは超音波アクチュエータ5とドライバ回路の回路図である。図3は、超音波アクチュエータ5にかかる電圧波形であり、図4は圧電素子の変位波形、図5aは微動時の各種信号のタイムチャート、図5bは超音波アクチュエータ5にかかる電圧波形、図5cはシステムのブロック図である。
−超音波アクチュエータの構成−
図1は、本実施形態1に係る超音波アクチュエータ5の斜視図であり、図2aは、超音波アクチュエータの配線図であり、図2bは超音波アクチュエータ5とドライバ回路の回路図である。図3は、超音波アクチュエータ5にかかる電圧波形であり、図4は圧電素子の変位波形、図5aは微動時の各種信号のタイムチャート、図5bは超音波アクチュエータ5にかかる電圧波形、図5cはシステムのブロック図である。
図1〜図3に示すように、超音波アクチュエータは、圧電素子12を備えている。この圧電素子12は、互いに対向する一対の主面と、この主面と直交して圧電素子12の主面の長手方向に延びる、互いに対向する一対の端面と、これらの主面及び端面の両方と直交して圧電素子12の主面の短手方向に延びる、互いに対向する一対の側面とを有している。主面、端面及び側面が圧電素子12の外面を構成し、端面及び側面が圧電素子12の周囲面を構成している。本実施形態では、主面、端面及び側面のうち主面が最大の面積を有している。
圧電素子12は、3つの支持部13a〜13cを介してケース11(支持体)に収容支持されている。圧電素子12の一方の端面には駆動子8が設けられており、これらの駆動子8は平板状の駆動体9を支持している。圧電素子12の他方の端面(駆動子8が設けられた端面とは反対側の端面)の支持体13cは、駆動子8を駆動体9に押圧している。これにより、駆動子8の先端部と駆動体9との摩擦力が高められ、圧電素子12の振動が駆動子8を介して確実に駆動体9に伝搬される。
駆動子8は、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、タングステンカーバイドなどで、圧電素子12に、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などで接着されている。
図2に示すように、圧電素子12は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛などのセラミック材料からなる圧電体であり、厚み方向(紙面に垂直方向)に向かって分極されている。さらに圧電素子には表面に4分割された給電電極6a,6b,6c,6dと裏面に全面電極6g(図示せず)が形成されている。給電電極は、対角上の2は接続手段7によって電気的に接続されている。具体的には給電電極6a、給電電極6cは電気的に接続されており給電電極6bと給電電極6dは電気的に接続されている。給電電極6aは素子の端まで引き出されており、導電性を持つ支持部材13aを介して、ワイヤ10aにつながっており、Achに接続されている。同様に給電電極6bと給電電極6dは、支持部材13b、ワイヤ10bを介して、Bchと接続されている。また圧電素子の裏面に形成された全面の給電電極6gは支持部材13c、ワイヤ10cを介してGchに接続されている。導電性を持つ支持部材としては、シリコン系のゴムに金属粒子を混入させた導電ゴムなどである。
つまり、外部電源からAchとGchの間に電圧をかけることにより、圧電素子の表面の対角線上の給電電極6a、給電電極6cと素子裏面に形成された全面の給電電極6gの間の圧電体に電圧を加えることが出来る。BchとGchに関しても同様に給電電極6bと給電電極6dと給電電極6gの間の圧電体に電圧を加えることが出来る。
今回は、圧電体の表面のみに電極を形成する単板タイプで説明をしたが、圧電体と電極を交互に積層する積層タイプでも同様である。また、電気的接続は素子側面から、導電ゴムで取り出したが、圧電素子に直接ワイヤをハンダ付けしても問題ない。
なお、今回は、給電電極を4分割電極で説明したが、2分割電極やS字状の電極など、他の構成でも、問題ない。
なお、裏面の給電電極は全面電極で、AchとBchの共通のグランドとして説明したが、チャンネルごとに分割しても問題ない。
なお、4分割された給電電極の接続は、表面のワイヤにより接続したが、内部電極や圧電体表面に形成された外部電極によって接続しても良いし、4本別々のワイヤにて外部で接続しても良い。
−超音波アクチュエータの動作−
以下、超音波アクチュエータ5の動作について説明する。図10は、本実施形態に係る1次モードの伸縮振動の変位図であり、図11は、2次モードの屈曲振動の変位図であり、図12は、圧電素子12の動作を示す概念図である。なお、図6〜図8においては、圧電素子12の主面はその紙面と平行な位置関係にある。
以下、超音波アクチュエータ5の動作について説明する。図10は、本実施形態に係る1次モードの伸縮振動の変位図であり、図11は、2次モードの屈曲振動の変位図であり、図12は、圧電素子12の動作を示す概念図である。なお、図6〜図8においては、圧電素子12の主面はその紙面と平行な位置関係にある。
圧電素子12は、伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数は、それぞれ圧電素子12の材料や形状等により決定される。そして、圧電素子12の材料や形状等は、伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数が略一致するように決められている。
例えば、ワイヤ10a,10cを介して給電電極6a、6cと給電電極層6gとの間に、前記略一致させた共振周波数近傍の周波数の基準交流電圧を印加し、ワイヤ10b、10cを介して給電電極6b、6dと給電電極層6gとの間に、位相が基準交流電圧と90°又は−90°だけ異なる、基準交流電圧とほぼ同じ大きさ・周波数の交流電圧を印加すると、圧電素子12には、図10に示す1次モードの伸縮振動と図11に示す2次モードの屈曲振動とが調和的に誘起される。
そして、圧電素子12の形状が、図12(a)〜(d)に示すような順で変化する。その結果、圧電素子12に設けられた駆動子8が、図12の紙面を貫く方向から見て略楕円運動する。つまり、圧電素子12の伸縮振動及び屈曲振動の合成振動により駆動子8が楕円運動する。この楕円運動により駆動子8に支持された駆動体9が圧電素子12との間で相対運動して、図1に示す矢印A又は矢印Bの方向に動く。
ここで、伸縮振動の伸縮方向は、圧電素子12の主面の長手方向、つまり、駆動体9の可動方向であり、屈曲振動の振動方向は、駆動子8が駆動体9を支持する方向である。圧電素子12の積層方向は、伸縮振動の伸縮方向及び屈曲振動の振動方向の両方と垂直な方向である。
図5aは本発明による、駆動装置のブロック図の実施の形態である。駆動体9の位置を検出する位置検出部からの情報より、速度指令は決定され制御部に速度指令が出される。制御部は速度指令を受けて、通常モードか微動モードを判断する。通常モードであれば間欠周波数発生部に、常にONの信号を発生させるようにし、駆動周波数発生部には、指令速度に応じた周波数でON/OFFが周期的に変わる信号を発生させる。
微動モードであれば、間欠周波数発生部には、指令速度に応じたON期間をもつ可聴域以上(20kHz以上)の周波数の間欠信号を発生させ、駆動周波数部には規定の周波数の信号を発生させる。片側のチャンネルの信号は、位相シフト回路により駆動周波数の90度もしくは−90度位相分だけ位相をずらす。このようにして作成した駆動信号と間欠信号をAND回路にて信号処理したものを、ドライバ部に入力する。
図7にドライバ部を示す。2個のハーフブリッジの構成により、図のAch、Bchには、Vddの電源電圧と0Vの独立した矩形波が印可されるが、超音波アクチュエータに直列に接続されたLと超音波モータのCでローパスフィルターを構成し、矩形波の高周波成分を除去することにより、電源電圧近傍とOVの正弦波を得ている。ドライバ部に入力される信号がONのとき、E点の電圧が電源電圧に、OFFのときは、グランド電圧になる。
図5bに、微動モード時のドライバへの入力のタイムチャートを示す。間欠周波数発生部から発生された、間欠信号により、Ach,Bchの駆動信号を間欠的に制御し間欠信号のON期間で、速度を制御している。
図5cに、間欠駆動時の超音波アクチュエータ5にかかる信号波形を示す。ドライバへ入力された矩形波が、ドライバ回路により、正弦波の信号となって超音波アクチュエータに入力される。
以下に実際の超音波アクチュエータ5の動作を説明する。
圧電素子12の形状は、長さ6.0mm×幅1.7mm×厚み1.0mmであり、縦振動の振動方向は長さ方向で、屈曲振動の振動方向は幅方向である。その長さ方向と厚み方向からなる面の屈曲振動の腹の部分に駆動子8が形成されている。長さ方向と幅方向からなる面の表面に4分割電極、裏面に全面電極が形成されている。
制御部は、位置情報から目標速度を計算し、目標速度により通常モードと微動モードを切り替えている。通常モードの駆動体9の最低速度は、微動モードの最高速度より若干低く設定されており、通常モードと微動モードが滑らかにつながるようになっている。
図6aに通常モード時の駆動周波数と速度の関係を示す。縦軸が速度、横軸が駆動周波数である。通常モード時は、周波数発生部より、圧電素子12の共振周波数270kHzのより高い周波数が発生され、駆動体9の速度を増したいときには周波数をより低く、駆動体9の速度を減じたいときには、周波数をより高く変更することで、駆動体9の速度を制御している。これは、超音波アクチュエータ5の駆動速度が山形の周波数特性をしており、安定制御の観点より、最高速度を示す270kHzより高周波の駆動周波数で駆動するためである。具体的には、共振周波数より若干高い最低駆動周波数(275kHz)から、最高駆動周波数(295kHz)の間で制御している。しかしながら、図6aに示すように、さらに低速に制御するために、駆動周波数を上げていくと、駆動体9の速度がある速度より低くなると、駆動体9が突然止まってしまう。このように、超音波アクチュエータ5には速度の不感帯があるので、微動モードを設け間欠的に駆動することで、低速域を制御をしている。
図6bに微動モード時のOn期間と速度の関係を示す。微動モード時は、通常モード時の最低速度を示す最高駆動周波数(295kHz)より低い周波数の290kHz固定の周波数を発生させる。このことにより、微動モードの最高駆動速度は、通常モードの最低駆動速度より若干高くすることが出来る。このようにすることで、通常モードと微動モードを滑らかに繋ぐことができる。微動モードの駆動周波数を通常モードの最高周波数に近づけることで、微動モードの最高速度が遅くなり、よりきめの細かい微動モードでの速度制御が出来る。また、超音波アクチュエータ5の効率の周波数特性は共振周波数に近いほど高くなるので、微動モードの駆動周波数を通常モードの最低周波数に近いたとえば275kHzの周波数で駆動することで、より効率の高い微動モード駆動が実現できる。しかし、その場合は、微動モードの最高速度が、通常モードの最低速度よりかなり大きくなってしまうので、きめの細かい周波数制御のためには、電源電圧を下げるなど微動モードの最高速度を通常モードの最低速度に近づける必要がある。
間欠周期発生部では、図3に示すように、間欠周波数29kHzに設定して、間欠駆動を行った。微動モード時の速度の調整は、間欠周期内の駆動波形を発生する期間(Onduty)で制御する。On期間ごとの、駆動体の速度を表1に示す。速度の値は、On期間100%のときの駆動体の速度を100%としたときの割合である。
間欠周波数ついては、可聴音より高くすると、間欠に起因する騒音が低減できるが、間欠周波数をあまり高くしすぎると、一回の間欠周期内に入る基準信号の数が少なくなるので、駆動特性が不十分になる。
図4に、超音波アクチュエータ5の振動の様子を示す。横軸は時間で、縦軸は超音波アクチュエータ5の振動の振幅大きさである。本実施の超音波アクチュエータ5は、共振振動を用いているので、超音波アクチュエータ5に駆動電圧が印加されてから、数波は振動の振幅が徐々に大きくなる特徴がある。前述のとおり超音波アクチュエータには、振動の振幅に対して速度の不感帯があるので、そのため駆動体の駆動は、駆動電圧が印加されてから最初の数波(1〜3波)は移動しないが、その後振幅が大きくなるに従って、駆動速度が大きくなっていく特徴がある。
したがって、間欠駆動の駆動周波数が、あまり高くなりすぎると、一回の間欠周期内に入る駆動信号が少なくなりすぎて、駆動体が移動しなくなる恐れがある。したがって、間欠周波数は、駆動周波数の1/5以上にするのが望ましい。つまり間欠周波数が、可聴域を超える20kHzとすると、駆動周波数が5倍の100kHzになるので、圧電体の共振周波数が100kHz以上の圧電素子を使用するのが望ましい。その場合は、一回の間欠周期内に駆動信号が最大5波は入るので、駆動物の微動送りが可能になる。圧電体の共振周波数を100kHz以上にするためには、圧電素子の縦振動の共振周波数は、素子長さに反比例するので、素子長さは16mm以下にするのが望ましい。
なお、微動モードは、On期間と速度の線形性がないので、予め制御部にOn期間と速度の関係のテーブルを備えておき、制御部が参照しながら制御するとより、安定な制御が出来る。
(実施形態2)
図8aは微動時の各種信号のタイムチャート、図8bは超音波アクチュエータ5にかかる電圧波形、図8cはシステムのブロック図である。実施の形態2では、実施の形態1と違う点のみ説明する。
図8aは微動時の各種信号のタイムチャート、図8bは超音波アクチュエータ5にかかる電圧波形、図8cはシステムのブロック図である。実施の形態2では、実施の形態1と違う点のみ説明する。
図8aは本発明による、駆動装置のブロック図の実施の形態である。駆動体9の位置を検出する位置検出部からの情報より、速度指令は決定され制御部に速度指令が出される。制御部は速度指令を受けて、通常モードか微動モードを判断する。通常モードであれば間欠周波数発生部に、常にONの信号を発生させるようにし、駆動周波数発生部には、指令速度に応じた周波数でON/OFFが周期的に変わる信号を発生させる。
微動モードであれば、間欠周波数発生部には、指令速度に応じたOn期間を持つ可聴域以上の周波数の間欠信号を発生させ、駆動周波数部には規定の周波数の信号を発生させる。Bchの信号は、位相シフト回路により当該周波数の90度もしくはー90度位相分だけタイミングをずらす。スイッチ部は、駆動周波数発生部から発生された駆動周波数を間欠周波数発生部からの間欠信号によりON/OFFをスイッチするが、そのスイッチのタイミングは、駆動信号がOFF時のみ行うものである。つまり、間欠信号がONになってから、初めて駆動信号がONになったときから、ドライバへ駆動波形を出力し、間欠信号がOFFになった瞬間から初めて、駆動信号がOFFなったとき以降のドライバへの出力を停止するものである。このことにより、超音波アクチュエータ5へは、駆動周波数の一周期の基準信号(駆動パルス)の整数倍の駆動信号しか印加されなくなる。実際の回路構成は、FPGAやマイコンなどデジタル制御により実現している。
図8bに、微動モード時のドライバへの入力のタイムチャートを示す。間欠周波数発生部から発生された、間欠信号により、Ach,Bchの駆動信号を間欠的に制御し間欠信号のON期間で、速度を制御している。間欠信号によって、間欠駆動されている駆動波形は、間欠信号がONになってから初めて立ち上がるタイミングで、駆動電圧がONになり、間欠信号がOFFになってから初めて立ち下がるタイミングで、駆動電圧がOFFになっている。このことにより、ドライバに入力される駆動信号は、駆動周波数の基準信号の整数倍の信号が入力される。
AchとBchの駆動波形は、同じ形状で、駆動電圧開始時刻および終了時刻が駆動周波数の一周期の1/4だけずれた波形にすることにより、両チャンネルとも、基準信号の整数倍の駆動電圧を与えることが出来る。つまり、駆動周波数が285kHz、位相差90度のとき、AchはBchより0.88us早く駆動信号がONになり、間欠駆動のON期間の終了も、0.88us早くになる。
図8cに、間欠駆動時の超音波アクチュエータ5にかかる駆動電圧波形を示す。ドライバへ入力された矩形波が、ドライバにより、正弦波の信号となって超音波アクチュエータに入力される。ドライバへの入力信号が、駆動周波数の整数倍の信号が入るので、超音波アクチュエータにかかる電圧も基準周波数の一周期の整数倍の駆動電圧が印加される。駆動電圧は、グランド電圧から始まりグランド電圧で終わるのが望ましい。
図9に超音波アクチュエータ5のインピーダンスの周波数特性を示す。超音波アクチュエータ5は、略直方体の形状をしているので、今回利用する縦振動の一次、屈曲振動の二次(いずれも270kHz付近)以外に多くの共振を持っており、それが高周波のインピーダンスを大きく乱している。圧電体12に偶発的に駆動とは別の共振の共振周波数の電圧が加わった場合は、圧電体12には大きな電流が流れ、大きな変位を示す。したがって、圧電体12に不用意に高周波の電圧を印加すべきでない。
本実施例の効果はとくに、不規則な超音波アクチュエータ5および駆動体9の振動により、実施例1よりもさらに静音化を実現するものである。
本発明の実施例のように、超音波アクチュエータ5にかかる駆動信号が、基準信号の整数倍でない場合は、間欠信号の最初と最後の駆動波形が、基準信号より短くなり、実効的に超音波アクチュエータ5への基準信号より、高周波の電圧がかかることになる。(図5b)さらに、駆動周波数が間欠周波数の整数倍の周波数でない場合は、間欠周期の前後の不完全な波形の形は毎回異なり、超音波アクチュエータ5にかかる高周波は、いろいろな周波数を持つこととなる。また、その周期は間欠周波数より低い周波数で周期的に変動するため、可聴域のうなりとなって静音化の妨げになる。
また、超音波アクチュエータ5は前述のとおり、高周波に多くの共振を持ちインピーダンスの乱れがあるので、間欠信号の最初と最後の駆動波形の変化による高周波成分が、不規則なタイミングで超音波アクチュエータ5の高次の共振をたたき、電流が流れ、超音波アクチュエータ5および駆動体が振動し、このことにより、間欠振動が可聴域を超えていても、不規則なタイミングで超音波アクチュエータ5および駆動体が振動することにより、間欠周期より低周波の可聴域の振動つまりは、騒音が発生する。
超音波アクチュエータ5にかかる電圧を、駆動周波数の一周期分の基準信号にすることで、超音波アクチュエータ5に、駆動周波数の基準信号より高周波が印加されることがなくなり、不規則な振動を起こさなくなるので、さらに静音化した超音波アクチュエータ5を提供することが出来る。
なお、今回は超音波アクチュエータ5が固定され、駆動物が移動する例で説明したが、逆に駆動物を固定し、超音波アクチュエータが移動しても同様の効果が得られる。
なお、今回は、縦振動と屈曲振動を調和的に融合した超音波アクチュエータ5のみの例を示したが、進行波型超音波モータやインチワーム型、圧電素子の伸びの速度と縮む速度の差を用いた超音波モータなどでも効果がある。
なお、今回は、圧電体の振動をON/OFFする方法として、ドライバへの駆動信号を直接ストップさせたが、他の方法により超音波アクチュエータ5を超音波領域でON/OFFさせても同様の効果が得られる。たとえば、AchとBchの位相差を変更しても良いし、基準信号のOnDutyを極端に小さくしても良い、また周波数を大きく変えても良い。
なお、今回は、AchとBchの電圧位相差は±90度のみの例を示したが、それ以外の位相差でも同様の効果が得られる。
なお、今回の例では、微動モードのときには、間欠駆動のON期間のみで速度を制御したが、周波数や基準信号のDuty、位相差などを合わせて変更することでさらに細かい段階の微動が制御できる。
なお、微動モードの制御は間欠周波数一定で、On期間のみを変更する例で説明したが、OnもしくはOFF時間一定で間欠周波数を変更することにより速度を制御しても良い。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、微動モードでも騒音を発生しない超音波アクチュエータ等に有用である。
5 超音波アクチュエータ
6a,6b,6c,6d,6g 給電電極
7 給電電極接続手段
8 駆動子
9 駆動体
10a,10b,10c ワイヤ
11 ケース
12 圧電素子
13a,13b、13c 支持体
6a,6b,6c,6d,6g 給電電極
7 給電電極接続手段
8 駆動子
9 駆動体
10a,10b,10c ワイヤ
11 ケース
12 圧電素子
13a,13b、13c 支持体
Claims (13)
- 振動を行う圧電素子と、前記圧電素子および駆動力を出力する駆動子を有するアクチュエータ本体と、前記駆動子により相対的に駆動される駆動体と、前記アクチュエータ本体および前記圧電素子に駆動周波数の駆動電圧を印加する電源部とを有し、前記電源部は、前記駆動周波数の駆動電圧を前記アクチュエータに印加するON期間と前記駆動周波数の駆動電圧を前記アクチュエータに印加しないOFF期間とを間欠周波数で周期的に繰り返し行い、1周期内における前記ON期間とOFF期間の割合を変化させることで速度を制御する微動モードを有し、
前記間欠周波数は、前記駆動周波数以下で、可聴周波数以上であることを特徴とする超音波アクチュエータ装置。 - アクチュエータを駆動する駆動周波数は、間欠周波数の5倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の超音波アクチュエータ装置。
- 電源部は、同一駆動周波数で位相が違う第一の駆動電圧と第二の駆動電圧を出力する請求項1に記載の超音波アクチュエータ装置。
- 振動は、縦振動一次と屈曲振動二次を調和的に融合させた振動である請求項1に記載の超音波アクチュエータ装置。
- 振動を行うアクチュエータの最大部の寸法が、16mm以下のアクチュエータを用いた請求項4記載の超音波アクチュエータ装置。
- アクチュエータに駆動電圧を印加するON期間は、駆動周波数の一周期の整数倍である請求項1に記載の超音波アクチュエータ装置。
- 微動モード時の、第一の駆動電圧と第二の駆動電圧は、駆動周波数の一周期の1/4だけずれた同一信号であることを特徴とする請求項3に記載の超音波アクチュエータ装置。
- 微動モード時のON期間とOFF期間の変わり目は、駆動電圧がグランド電位の請求項1記載の超音波アクチュエータ装置。
- 微動モード時の第一の駆動電圧と第二の駆動電圧の双方のON期間とOFF期間の変わり目は、駆動電圧がグランド電位の請求項3記載の超音波アクチュエータ装置。
- 圧電素子は、圧電素体と圧電素体の両側に形成された給電電極からなり、ON期間とOFF期間の切り替わり時は、圧電素体の両側の給電電極の電位差がない請求項1記載の超音波アクチュエータ装置。
- 微動モードとともに、間欠駆動を行わない通常モードを有し、通常モードは、駆動周波数により速度を制御し、微動モードは間欠のON時間の割合を変化させることにより速度を制御する請求項1に記載の超音波アクチュエータ装置。
- 通常モードの最低速度は、微動モードの最高速度より低い請求項11に記載の超音波アクチュエータ装置。
- 通常モードの最高周波数は、微動モードの駆動周波数より高い請求項11記載の超音波アクチュエータ装置。
Priority Applications (1)
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JP2019126220A (ja) * | 2018-01-18 | 2019-07-25 | キヤノン株式会社 | 振動型アクチュエータ及び電子機器 |
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2007
- 2007-05-07 JP JP2007122596A patent/JP2008278721A/ja active Pending
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