JP2010142094A - 超音波モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動位相差を変化させることによる速度制御を行う場合であっても、精度の良好な周波数追尾を行うことが可能な超音波モータを提供すること。
【解決手段】第1の駆動信号及び第2の駆動信号を超音波振動子4に印加して当該超音波振動子4に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動体5を摩擦駆動する超音波モータに、次のような制御を行う制御CPU22を具備させる。前記制御CPU22は、前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号を生成し、前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成し、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号との合成波と、前記振動検出信号と、の位相差が所定の範囲内になるように前記駆動信号生成部を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電素子等から成る振動子の振動を利用する超音波モータに関する。
近年、電磁型モータに代わる新しいモータとして、圧電素子などの振動子の振動を利用した超音波モータが注目されている。この超音波モータは、従来の電磁型モータと比較して、ギア無しで低速高推力が得られる点、保持力が高い点、ストロークが長く高分解能である点、静粛性に富む点、磁気的ノイズを発生せず磁気的ノイズの影響を受けない点等の利点を有している。
超音波モータでは、超音波振動子を、摩擦部材である駆動子を介して、相対運動部材である被駆動部材に押し付けることで、前記駆動子と前記被駆動部材との間に摩擦力を発生させ、この摩擦力によって前記被駆動部材を駆動する。
ところで、超音波モータは、最適な駆動点(振動子に入力すべき駆動信号の周波数の値)が、負荷や温度により変化する。このため、最適な駆動点を維持し続ける為には、例えば、駆動信号と、振動子の振動をモニタした振動検出信号と、の位相差(以降、追尾位相差と称する)を一定値に保ち続けるように駆動周波数を変化させる駆動方法を採用することが好ましい。なお、このような駆動方法は周波数追尾と称されている。
このような周波数追尾を行う超音波モータに関する技術が、特許文献1に開示されている。
すなわち、特許文献1には、駆動方向に直列に配置された2つの積層型圧電素子と、前記積層型圧電素子を保持すると共に振動体として作用する弾性体と、駆動子と、振動検出用圧電素子と、前記駆動子と接触する被駆動体とを有し、縦共振振動と屈曲共振振動を同時に励起して前記駆動子に楕円振動を発生させて前記被駆動体を駆動させる超音波モータの駆動回路であって、前記2つの積層型圧電素子に印加する90度位相のずれた駆動信号を生成する駆動信号生成部であって、前記超音波振動子の共振周波数を中心に所定の幅で駆動信号の周波数を変化することのできる駆動信号生成部と、前記振動子検出用圧電素子の前記共振周波数の検出信号と、前記被駆動体の進行方向の積層型圧電素子に印加する駆動信号との位相差が所定の範囲内になるように前記駆動信号生成部を制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする超音波モータの駆動回路が開示されている。この特許文献1に開示されている技術によれば、駆動回路の構成が複雑になることなく、所望の状態で駆動でき且つ電気−機械変換効率を最大に保つことができる超音波モータの駆動回路が提供される。
特開2003−324975号公報
ところで、超音波モータの速度制御方法の一つとして、振動子に印加する2相の駆動信号の位相差(以降、駆動位相差と称する)を利用した速度制御が知られている。この速度制御方法では、例えば、振動子の振動における縦振動と屈曲振動との割合が互いに等しい駆動位相差90度から、振動子の振動が屈曲振動のみとなる駆動位相差180度へ変化させることで、高速から低速に駆動速度を可変することができる。なお、駆動位相差180度で駆動速度は零となる。このように、駆動位相差を用いた速度制御方法では、速度0となる駆動点が超音波モータの個体差に依存しないので扱いやすいという利点がある。
ここで、特許文献1に開示されている技術では、2相の駆動信号のうち一方の駆動信号を基準として駆動位相差を固定し、追尾位相差を一定とする周波数追尾を行う。このような構成により、正確な周波数追尾が可能となる。つまり、特許文献1に開示されている技術は、2相の駆動信号の駆動位相差を変化させる速度制御方法を採用することを前提とした技術ではない。
従って、特許文献1に開示されている超音波モータの駆動方法において、2相の駆動信号の位相差を変化させる速度制御方法を適用した場合、次のような問題が生じる。
すなわち、駆動位相差を変化させた場合、一方の駆動信号と振動検出信号との位相差(特許文献1に開示されている技術における追尾位相差)が変化してしまう。つまり、正確な周波数追尾を行うことができない。これに対して、追尾位相差を一定に保持した状態で駆動位相差を変化させると、駆動信号の周波数自体が変化してしまう。つまり、所望の駆動を得ることができない。
以上説明したような事情から、駆動位相差を変化させることによる速度制御を行う場合であっても、精度の良好な周波数追尾を行うことが可能な技術が望まれている。
本発明は、前記の事情に鑑みて為されたものであり、駆動位相差を変化させることによる速度制御を行う場合であっても、精度の良好な周波数追尾を行うことが可能な超音波モータを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による超音波モータは、第1の駆動信号及び第2の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動する超音波モータであって、前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成する振動検出部と、前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号との合成波と、前記振動検出信号と、の位相差が所定の範囲内になるように前記駆動信号生成部を制御する周波数追尾制御部と、を具備することを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第2の態様による超音波モータは、第1の駆動信号、及び該第1の駆動信号よりも位相がθだけ遅れている第2の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動する超音波モータであって、前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成する振動検出部と、第1の駆動信号と検出信号との位相差からθ/2を引いた値、または第2の駆動信号と検出信号との位相差にθ/2を加えた値、が所定の範囲内になるように、前記駆動信号生成部を制御する周波数追尾制御部と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、駆動位相差を変化させることによる速度制御を行う場合であっても、精度の良好な周波数追尾を行うことが可能な超音波モータを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る超音波モータについて、図面を参照して説明する。なお、本一実施形態においては、説明の便宜上、超音波モータと該超音波モータを駆動する為の駆動装置とを互いに独立した別体の装置として捉え、これらの装置から成る構成を超音波モータシステムと称して説明する。しかしながら、このような呼称はあくまでも説明の便宜上の呼称であって、駆動装置まで含めて一つの超音波モータとして捉えても勿論よい。
図1は、超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように超音波モータシステム1は、超音波モータ2と、超音波モータ2を駆動する駆動装置3と、を具備する。超音波モータ2は、超音波振動子4と、超音波振動子4により駆動される被駆動体5と、を有する。
前記超音波振動子4は、図2に示すように、矩形板状の圧電セラミックスシート7の片側面にシート状の内部電極(不図示)を設けたものを複数枚積層してなる直方体状の圧電積層体9と、該圧電積層体9のうち前記被駆動体5に対向する面に例えば接着等されて設けられた2個の摩擦接触子10と、を備えている。
なお、符号11が付されているのは外部電極である。各外部電極11には、同種の圧電セラミックスシート7の同一位置に配される全ての内部電極(不図示)が接続されている。これにより、同種の圧電セラミックスシート7の同一位置に配される内部電極(不図示)は、同一の電位とされるようになっている。
なお、外部電極11は、配線(不図示)を介して制御器(不図示)に接続される。配線は、リード線、フレキシブル基板等、可撓性を有する配線であれば任意のものでよい。
以下、圧電積層体9の動作について説明する。
まず、圧電積層体9の長手方向における一端面に形成された4つの外部電極11は、図2において上側から順に、振動検出用のC相であるC−,C+に対応する内部電極(不図示)、駆動用のB相であるB−,B+に対応する内部電極(不図示)に接続された外部電極11である。他方、圧電積層体9の長手方向における他端面に形成された2つの外部電極11は、駆動用のA相であるA+,A−に対応する内部電極(不図示)に接続された外部電極11である。
ここで、A相及びB相に同位相で共振周波数又はその近傍の周波数に対応する周波数の交番電圧を加えると、図3に示すような1次の縦振動が励起される。また、A相とB相とに逆位相で共振周波数に対応する交番電圧を加えると、図4に示されるような2次の屈曲振動が励起される。図3及び図4は、有限要素法によるコンピュータ解析結果を示す図である。
ここで、圧電積層体9に1次の縦振動が発生したときには、摩擦接触子10が圧電積層体9の長さ方向(図3に示されるX方向)に変位させられる。他方、圧電積層体9に2次の屈曲振動が生じたときには、摩擦接触子10が、圧電積層体9の幅方向(図4に示されるZ方向)に変位させられる。
従って、A相とB相とに対応する外部電極11にそれぞれ、位相が90°ずれた共振周波数又はその近傍の周波数に対応する周波数の駆動交番電圧を加える。これにより圧電積層体9においては、1次の縦振動と2次の屈曲振動とが同時に発生して摩擦接触子10の位置で時計回りまたは反時計回りの略楕円振動が生じる(図2における矢印C参照)。
また、超音波振動子に発生している縦振動に応じた電荷が検出用の内部電極(不図示)に励起されることにより、C相(C+,C一)の外部電極11を介して縦振動に比例した信号(以下、この信号を「振動検出信号」という。)が検出される。この振動検出信号は、駆動装置3(図1参照)に供給され、超音波振動子4の制御等に用いられる。
以下、前記駆動装置3について詳細に説明する。図5は、駆動装置3の内部概略構成を示す図である。図5に示すように、駆動装置3は、発振回路(基準信号生成手段)21と、制御CPU22と、信号制御回路23と、パラメータテーブル24と、信号生成回路25と、信号出力制御回路26と、位相差検出回路28と、ドライブ回路30と、エンコーダ33と、エンコーダ信号処理回路35と、モニタ信号制御回路40と、を有する。
前記パラメータテーブル24は、駆動周波数、駆動位相差(後述するA相信号とB相信号との位相差)、分割信号、パルスエッジ遅れ、追尾位相差、位相差等の各種パラメータの設定値、及びエンコーダ33のカウント値等を格納する。
前記発振回路21は、基準信号(クロック信号)を生成し、信号制御回路23、信号生成回路25、信号出力制御回路26、及び位相差検出回路28に出力する。
前記制御CPU22は、パラメータテーブル24に各種パラメータを設定して、超音波振動子4の駆動信号を制御する。また、パラメータテーブル24から各種パラメータ(位相差,エンコーダカウント値等)を読み出し、位置制御、速度制御処理等を行う。すなわち、制御CPU22は、パラメータテーブル24及び後述する位相差検出回路28からのフィードバック値等に基づいて、基準駆動信号の周波数指令値、及びA相B相の位相差指令値等を作成し、出力する。また、前記制御CPU22は、周波数追尾の実行時には後述する追尾位相差を検出する。
前記信号制御回路23は、前記発振回路21から入力される基準信号S1と制御CPU22から入力される周波数指令値とに基づいて、所定の周波数のパルス信号である基準駆動信号S2を生成し、これを信号生成回路25に出力する。ここで、制御CPU22は、基準駆動信号の周波数を超音波振動子4の共振周波数またはその近傍の周波数に設定するための周波数指令値を、信号制御回路23に与える。従って、信号制御回路23からは超音波振動子4の共振周波数と略同じ周波数の基準駆動信号が出力される。
より詳細には、信号制御回路23は、周波数制御回路、位相差制御回路、及びパルスエッジ遅れ制御回路から成る。
信号制御回路23は、前記周波数制御回路として、パラメータテーブル24における周波数の設定値に基づき、発振回路21の出力である基準信号のパルス数を基準にして、駆動信号の周波数を決める基準駆動信号を出力する。
信号制御回路23は、前記位相差制御回路として、パラメータテーブル24における位相差の設定値に基づき、発振回路21の出力である基準信号のパルス数を基準にして、2つの駆動信号であるA相信号とB相信号との位相差を制御する。
前記信号出力制御回路26は、制御CPU22から当該信号出力制御回路26を介して、直接信号生成回路25の出力のON/OFF、A相信号、B相信号の出力順を制御することができる。また、信号出力制御回路26は、パラメータテーブル24に設定された設定値に基づき、信号生成回路25から出力する駆動信号のパルス数や間欠駆動を行うための出力休止時間を制御する。
前記信号生成回路25は、基準駆動信号S2と制御CPU22からのA相B相の位相差指令値とに基づいて、位相差が90°であるA相の基準駆動信号とB相の基準駆動信号とを生成する。なお、出力のON/OFF制御は、信号出力制御回路26によって行われる。
前記ドライブ回路30は、図6に示すように、スイッチング素子で構成されたHブリッジ回路31とインピーダンスマッチング及び昇圧用のコイル32とを備えている。このドライブ回路30に、前記信号生成回路25から各種駆動交番信号が入力されると、図7に示す真理値表に従って、各駆動交番電圧OUTA+、OUTA−、OUTB+、OUTB−が出力される。
このとき、ドライブ回路30はコイル32を有しているので、パルス信号である駆動交番信号は、コイル32の働きにより正弦波に近い波形に変換され、正弦波に近いA相、B相の駆動交番電圧が、超音波振動子4が備えるA相(A+,A−)、B相(B+,B−)の外部電極11にそれぞれ印加される。
ここで、超音波振動子4に励起されている縦振動は、C相(C+,C−)の内部電極により検出され、この縦振動に比例する電気信号がC相(C+,C−)の外部電極11を介して位相差検出回路28に入力される。また、位相差検出回路28には、信号生成回路25から何れか一つの駆動交番信号(例えばA相プラス側の駆動交番信号)が入力される。
そして、位相差検出回路28は、超音波振動子4の外部電極11を介して入力された振動検出信号と、信号生成回路25から入力された駆動交番信号と、の位相差を検出し、該位相差をパラメータテーブル24に出力する。
また、位相差検出回路28は、周波数追尾の実行時においては、制御CPU22によって検出された追尾位相差を定期的にモニタし、制御CPU22は、該追尾位相差が予め定められた設定値になるような駆動信号の周波数の値をパラメータテーブル24に出力する。
前記モニタ信号制御回路40は、外部電極11からの出力信号を波形整形して2値化して前記位相差検出回路28に出力する。
次に、上述したような構成を備える駆動装置3により実現される超音波モータ2の駆動方法について説明する。まず、超音波モータ2の起動時において、発振回路21から信号制御回路23に基準信号が入力される。一方、制御CPU22は、パラメータテーブルに設定されている超音波モータ2の駆動周波数を読み出し、この周波数を周波数指令値として信号制御回路23に与える。
また、制御CPU22は、パラメータテーブル24から初期値として設定されているA相とB相との位相差を読み出し、これを信号生成回路25に与える。これにより、信号制御回路23により超音波振動子4の共振周波数またはその近傍の周波数に設定された基準駆動信号S2が生成されて信号生成回路25に出力される。
信号生成回路25では、基準駆動信号S2及び制御CPU22からの位相差に基づいて所定の位相差をもつA相(A+,A−)に対応する基準駆動信号とB相(B+,B−)に対応する基準駆動信号とが生成される。
A相、B相の駆動交番信号は、ドライブ回路30により正弦波の駆動交番電圧に変換されて、超音波振動子4の各外部電極11に印加される。これにより、超音波振動子には図3及び図4に示すような縦振動と屈曲振動とが同時に励起され、その摩擦接触子10に楕円振動が形成されることにより被駆動体が相対的に移動させられる。
超音波振動子4に励起された縦振動は、C相の内部電極及び外部電極11により検出され、振動検出信号が位相差検出回路28に入力される。位相差検出回路28では、超音波振動子4に励起されている縦振動と信号生成回路25から出力されるA相の駆動交番信号との位相差が検出され、この位相差に応じた電気信号が制御CPU22に出力される。エンコーダ信号処理回路35から通知されるカウント数が予め設定されているカウント数に達すると、制御CPU22は、被駆動体5が所望の位置まで移動したと判断し、信号生成回路25に駆動停止指令を出力する。これにより、信号生成回路25から駆動交番信号が出力されなくなることにより、超音波振動子4の振動が徐々に収束し、停止することとなる。
ところで、本一実施形態に係る超音波モータでは、次の様な速度制御方法を採る。
すなわち、超音波振動子4に印加する2つの駆動信号の位相差を変化させることで、その駆動状態を変化させて速度制御を行う。
詳細には、2相の駆動信号間の位相差を変化させることで、超音波振動子4に励起させる縦振動と屈曲振動との割合を変化させる。つまり、このように2相の駆動信号間の位相差を変化させることは、当該超音波振動子4が被駆動体5を駆動しているときの楕円の形状を変化させることと同義である。
具体的には、超音波振動子4に設けられた外部電極11に入力する駆動信号の位相差を変化させることで、当該超音波振動子4に発生する縦振動及び屈曲振動の割合を変化させる。すなわち、駆動信号の位相差をパラメータテーブル24に設定し、該パラメータテーブル24の設定に基づいて、信号制御回路23によって信号生成回路25から出力される2相の駆動信号の位相差、この場合には超音波振動子4のA相及びB相に入力する駆動信号の位相差を制御する。
なお、駆動位相差180度で駆動速度は零となる。このように、駆動位相差を用いた速度制御方法では、速度0となる駆動点が超音波モータの個体差に依存しないので扱いやすいという利点がある。
以下、本一実施形態に係る超音波モータの周波数追尾方法について詳細に説明する。
外部電極11によって検出される振動検出信号は、A相の駆動信号とB相の駆動信号との合成波に対して現れる。本一実施形態に係る超音波モータでは、これを利用して周波数追尾を行う。
つまり、図8Aに示すように、A相信号とB相信号との合成波と、振動検出信号と、の位相差を追尾位相差(A+B)とする。すなわち、2相の駆動信号の合成波を基準として、振動検出信号との位相差である追尾位相差(A+B)を検出し、該追尾位相差(A+B)を所定の値に保つことで、周波数追尾を正確に行う。
ここで、図8Aに示すように、B相の駆動信号がA相の駆動信号からθだけ位相が遅れていれば、前記合成波の立ち上がりは、A相の駆動信号の立ち上がりからθ/2だけ位相が遅れる。従って、この合成波の立ち上がり地点と、振動検出信号の立ち上がり地点と、の位相差を追尾位相差(A+B)と設定すればよい。なお、信号の立ち下りを基準として追尾位相差を設定しても勿論よい。
なお、従来より駆動信号のうちの一方の信号を基準として振動検出信号との位相差を追尾する周波数追尾が行われている(図8B参照)。しかしながら、この方法を採る場合には、駆動位相差を変化させることによる速度制御方法を行うことができない。なぜなら、駆動位相差を変化させた場合に、一方の駆動信号と振動検出信号との位相差(従来技術における追尾位相差)が変化してしまうからである。本一実施形態に係る超音波モータでは、上述した合成波を基準として設定した追尾位相差(A+B)について周波数追尾を実行することで、駆動位相差を変化させることによる速度制御を行う場合であっても、精度の良好な周波数追尾を行うことが可能となる。
なお、超音波振動子4に入力される駆動信号及び超音波振動子4から検出される振動検出信号は実際には正弦波であり、図8A及び図8Bに示す例ではA相の駆動信号及びB相の駆動信号の信号生成回路25の出力である矩形波、振動検出信号をモニタ信号制御回路40で2値化した正弦波を示している。
以下、図9に示すフローチャートを参照して、本一実施形態に係る超音波モータの追尾モードにおける追尾位相差検出処理を説明する。なお、追尾モードとは、周波数追尾を実行する駆動モードである。
まず、制御CPU22は、パラメータテーブル24を参照して、A相の駆動信号及びB相の駆動信号の周波数を設定する(ステップS1)。続いて、制御CPU22は、パラメータテーブル24を参照して、A相の駆動信号とB相の駆動信号との位相差θを決定する(ステップS2)。
そして、制御CPU22は、信号出力制御回路26を介して、A相の駆動信号を信号生成回路25から出力させる(ステップS3)。ここで、制御CPU22は、発振回路21によって生成されたクロック信号をカウントし、所定時間だけ時間が経過する(クロック信号が所定パルス分だけ生成される)のを待つ(ステップS4)。前記所定時間とは、A相の駆動信号とB相の駆動信号との位相差すなわち駆動位相差を所定の位相差θとする為の待機時間である。
続いて、制御CPU22は、信号出力制御回路26を介して、B相の駆動信号を信号生成回路25から出力させる(ステップS5)。そして、制御CPU22は、位相差検出回路28からの出力を参照して、A相の駆動信号が検出されたか否かを判定する(ステップS6)。なお、このステップS6においては、A相の駆動信号の立ち上がりを検出しても良いし或いは立ち下りを検出してもよい。ここで立ち上がりを検出する場合は、以降のステップにおける信号検出ステップでも立ち上がりを検出し、立ち下がりを検出する場合は、以降のステップにおける信号検出ステップでも立ち下がりを検出する。
前記ステップS6をNOに分岐する場合は、再びステップS6に戻る。つまり、ステップS6はA相の駆動信号が検出されるのを待つステップである。
前記ステップS6をYESに分岐する場合、制御CPU22は、発振回路21によって生成されたクロック信号をカウントし、前記駆動位相差θの1/2倍すなわちθ/2分の位相差に対応する時間だけ、時間が経過するのを待つ(ステップS7)。
ここで、A相信号とB相信号との合成波の立ち上がり/立ち下りは、A相信号の立ち上がり/立ち下りと、B相信号の立ち上がり/立ち下りと、の中間位置に位置する。本一実施形態においては、この事実を利用することで、A相信号とB相信号との合成波を生成して検出する為の回路を設けずとも、上述したように合成波を基準として追尾位相差(A+B)を検出し、周波数追尾を正確に行う。
つまり、ステップS7における処理は、実質的には合成波の立ち上がり/立ち下りを待つ処理である。換言すれば、ステップS7における処理は、A相の駆動信号の立ち上がり/立ち下り時刻から、駆動位相差θの1/2倍に対応する時間だけ経過した時刻すなわち合成波の立ち上がり/立ち下り時刻の到来を待つ処理である。
なお、A相の駆動信号の代わりにB相の駆動信号を基準としても、同様に合成波の立ち上がり/立ち下りを推定することは可能である。この場合にはB相の駆動信号の立ち上がり/立ち下りよりも、θ/2だけ合成波の立ち上がり/立ち下りの位相が早いとする。
前記ステップS7における処理を終えると、制御CPU22は、周波数追尾に係る追尾位相差(A+B)の検出の為に、発振回路21によって生成されたクロック信号のカウントを開始し(ステップS8)、該カウント開始時刻をt1と設定する(ステップS9)。
続いて、制御CPU22は、位相差検出回路28からの出力を参照して、振動検出信号の立ち上がり/立ち下りが検出されたか否かを判定する(ステップS10)。このステップS10をNOに分岐する場合は再びステップS10に戻る。つまり、ステップS10は、振動検出信号の立ち上がり/立ち下りが検出されるのを待つステップである。
前記ステップS10をYESに分岐する場合、制御CPU22は、前記ステップS8において開始したカウントを終了し(ステップS11)、振動検出信号が検出された時刻をt2と設定する(ステップS12)。そして、追尾位相差(A+B)をt2−t1で算出し(ステップS13)、前記ステップS1へ戻る。
なお、制御CPU22は、図9に示すフローチャートの処理で検出した追尾位相差が所定の範囲内に収まるように、A相の駆動信号及びB相の駆動信号を生成する制御すなわち周波数追尾処理を行うが、この技術は従来より当業者に周知の技術である為、ここでは説明を省略する。
なお、説明の便宜上、本一実施形態に係る超音波モータの追尾位相差検出処理等の処理をソフトウェアによる処理として説明したが、ハードウェアにより上述した処理を実行する構成としても勿論よい。
以上説明したように、本一実施形態によれば、駆動位相差を変化させることによる速度制御を行う場合であっても、精度の良好な周波数追尾を行うことが可能な超音波モータを提供することができる。
さらに、本一実施形態に係る超音波モータによれば、追尾位相差の基準としてA相の駆動信号とB相の駆動信号との合成波を用いるのにも関わらず、合成波を生成・検出する為の回路を設ける必要がない為、回路構成の複雑化を招くことがない。しかしながら、A相の駆動信号とB相の駆動信号との合成波を生成・検出する為の回路を設ける構成を採っても勿論よい。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
本発明の一実施形態に係る超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図。 超音波振動子の一構成例を示す図。 圧電積層体の縦振動を示す図。 圧電積層体の屈曲振動を示す図。 駆動装置の内部概略構成を示す図。 ドライブ回路の一構成例を示す図。 ドライブ回路に信号生成回路から各種駆動交番信号が入力された場合における入出力値の真理値表を示す図。 本発明の一実施形態に係る超音波モータにおける駆動信号と振動検出信号と追尾位相差との関係を示す図。 従来技術の超音波モータにおける駆動信号と振動検出信号と追尾位相差との関係を示す図。 本発明の一実施形態に係る超音波モータの追尾モードにおける追尾位相差検出処理のフローチャートを示す図。
符号の説明
1…超音波モータシステム、 2…超音波モータ、 3…駆動装置、 4…超音波振動子、 5…被駆動体、 7…圧電セラミックスシート、 9…圧電積層体、 10…摩擦接触子、 11…外部電極、 21…発振回路、 22…制御CPU、 23…信号制御回路、 24…パラメータテーブル、 25…信号生成回路、 26…信号出力制御回路、 28…位相差検出回路、 30…ドライブ回路、 31…Hブリッジ回路、 32…コイル、 33…エンコーダ、 35…エンコーダ信号処理回路、 40…モニタ信号制御回路。

Claims (3)

  1. 第1の駆動信号及び第2の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動する超音波モータであって、
    前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成する振動検出部と、
    前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号との合成波と、前記振動検出信号と、の位相差が所定の範囲内になるように前記駆動信号生成部を制御する周波数追尾制御部と、
    を具備することを特徴とする超音波モータ。
  2. 第1の駆動信号、及び該第1の駆動信号よりも位相がθだけ遅れている第2の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動する超音波モータであって、
    前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成する振動検出部と、
    第1の駆動信号と検出信号との位相差からθ/2を引いた値、または第2の駆動信号と検出信号との位相差にθ/2を加えた値、が所定の範囲内になるように、前記駆動信号生成部を制御する周波数追尾制御部と、
    を具備することを特徴とする超音波モータ。
  3. 前記周波数追尾制御部は、前記第1の駆動信号、前記第2の駆動信号、及び前記振動検出信号の立ち上がり又は立ち下り時刻を基準にして、前記制御を実行することを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108398979A (zh) * 2018-02-28 2018-08-14 河南师范大学 一种实现超声电机频率跟踪的微型装置及方法

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