JP2009077573A - 超音波モータの駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な処理により負荷変動の検出を行うことが可能であり所望の駆動を実現することができる超音波モータの駆動装置を提供すること。
【解決手段】被駆動部材に当接する駆動子を備える超音波振動子4に、所定の位相差及び所定の駆動周波数の2相の交番電圧を印加することで超音波振動子4に縦振動と屈曲振動とを同時に発生させて楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を駆動する超音波モータの駆動装置であって、超音波振動子4の振動状態を検出する外部電極11と、超音波振動子4を駆動する為の駆動信号を生成する信号生成回路25と、外部電極11から出力される振動検出信号と、信号生成回路25により生成される駆動信号との位相差を検出し、該位相差の変化量に基づいて負荷変動を検出する制御CPU22と、を具備することを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、超音波モータの駆動装置に関する。
近年、電磁型モータに代わる新しいモータとして、圧電素子などの振動子の振動を利用した超音波モータが注目されている。この超音波モータは、従来の電磁型モータと比較して、ギア無しで低速高推力が得られる点、保持力が高い点、ストロークが長く、高分解能である点、静粛性に富む点、磁気的ノイズを発生せず磁気的ノイズの影響を受けない点等の利点を有している。
そして超音波モータでは、超音波振動子を、摩擦部材である駆動子を介して、相対運動部材である被駆動部材に押し付けることで、前記駆動子と前記被駆動部材との間に摩擦力を発生させ、この摩擦力によって前記被駆動部材を駆動する。
ところで、超音波モータが利用される場面においては、突発的な負荷変動が発生するケースも当然ながら存在する。そして、このような突発的な負荷変動が発生した場合であっても、当該超音波モータの安定駆動を続行することができる技術が望まれている。
このような事情から、例えば特許文献1には、瞬間的な負荷変動が発生しても、振動波モータの駆動を続行することができる振動波装置の駆動制御装置が開示されている。
すなわち、特許文献1に開示された駆動制御装置によれば、設定した目標値と検出した駆動状態とを比較し、駆動状態が目標値となるように振動波モータに印加する駆動用周波信号をフィードバック制御する振動波モータの駆動制御方法において、負荷変動が発生する場合、その間はフィードバック制御によらず負荷変動の発生前の駆動用周波信号を用いて振動波モータを駆動する。
特開2000−23476号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術、すなわち所望の駆動を行うに当たって、エンコーダで回転数を検出して、駆動信号の周波数をフィードバックして速度制御を行い、速度変化に伴う駆動信号の周波数変化から負荷変動を検出する技術は、当該駆動制御装置を小型化する上での技術的阻害要因を含んでいる。
また、特許文献1に開示された駆動制御装置のように、速度フィードバック制御系における負荷変動検出は煩雑な処理を要する。
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な処理により負荷変動の検出を行うことができる超音波モータの駆動装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による超音波モータの駆動装置は、被駆動部材に当接する駆動子を備える振動子に、所定の位相差及び所定の駆動周波数の2相の交番電圧を印加することにより、前記振動子に縦振動と屈曲振動とを同時に発生させることで楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て前記駆動子によって前記被駆動部材を駆動する超音波モータの駆動装置であって、前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成する振動検出手段と、前記振動子を駆動する為の駆動信号を生成する駆動手段と、前記振動検出手段により生成された振動検出信号と、前記駆動手段により生成された駆動信号との位相差を検出する位相差検出手段と、前記位相差検出手段により検出された位相差の変化量に基づいて、負荷変動を検出する負荷変動検出手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、簡易な処理により負荷変動の検出を行うことが可能であり且つ所望の駆動を実現する超音波モータの駆動装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る超音波モータの駆動装置について、図面を参照して説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る超音波モータの駆動装置が適用される超音波モータシステムの一例について、図1を参照して説明する。図1は、超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図である。
図1に示されるように超音波モータシステム1は、超音波モータ2と、超音波モータ2を駆動する駆動装置3とを具備する。超音波モータ2は、超音波振動子4と、超音波振動子4により駆動される被駆動体5とを有する。
前記超音波振動子4は、図2乃至図4に示されるように、矩形板状の圧電セラミックスシート7の片側面にシート状の内部電極8を設けたものを複数枚積層してなる直方体状の圧電積層体9と、該圧電積層体9の一側面に接着された2個の摩擦接触子10とを備えている。
図3及び図4に示される圧電セラミックスシート7はそれぞれ、その略全面に内部電極8を備えている。内部電極8は、圧電セラミックスシート7の中央部において、圧電セラミックスシート7の長さ方向に沿って設けられた一つの検出用内部電極、及びこの内部電極の周囲に配置されて、この内部電極との間に圧電セラミックスシート7の幅方向に絶縁距離を開け、且つ圧電セラミックスシート7の長さ方向に絶縁距離を開けて設けられた、略同じ大きさを有する2つの駆動用内部電極からなる。各内部電極8は、圧電セラミックスシート7の周縁から隙間を空けて配置されるとともに、その一部が圧電セラミックスシート7の周縁まで延びている。
これら内部電極8を備えた圧電セラミックスシート7は、図3に示されるものと、図4に示されるものとが交互に複数枚積層されることにより、直方体状の圧電積層体9を構成している。
圧電積層体9の長さ方向の一端面には4個、圧電積層体9の長さ方向の他端面には2個の合計6個の外部電極11が設けられている。各外部電極11には、同種の圧電セラミックスシート7の同一位置に配される全ての内部電極8が接続されている。これにより、同種の圧電セラミックスシート7の同一位置に配される内部電極8は、同一の電位とされるようになっている。
なお、これら外部電極11はそれぞれ、配線(図示せず)を介して制御器(図示せず)に接続されている。配線は、リード線、フレキシブル基板等、可撓性を有する配線であれば任意のものでよい。
次に、圧電積層体9の動作について説明する。圧電積層体9の長さ方向の一端に形成された4つの外部電極11を、圧電積層体9の他側面の側(図において上側)からC相(C+,C一)及びB相(B+,B一)、他端に形成された2つの外部電極11を、圧電積層体9の他側面の側(図において上側)からA相(A+,A一)とする。ここで、A相及びB相は駆動用の外部電極であり、C相は振動検出用の外部電極である。
A相及びB相に同位相で共振周波数又はその近傍の周波数に対応する周波数をもつ交番電圧を加えると、図5に示すような1次の縦振動が励起される。また、A相とB相とに逆位相で共振周波数に対応する交番電圧を加えると、図6に示されるような2次の屈曲振動が励起される。図5及び図6は、有限要素法によるコンピュータ解析結果を示す図である。
圧電積層体9に1次の縦振動が発生したときには、摩擦接触子10が圧電積層体9の長さ方向(図5に示されるX方向)に変位させられる。一方、圧電積層体9に2次の屈曲振動が生じたときには、摩擦接触子10が、圧電積層体9の幅方向(図6に示されるZ方向)に変位させられる。
したがって、超音波振動子のA相とB相とに、位相が90°ずれた共振周波数又はその近傍の周波数に対応する周波数をもつ駆動交番電圧を加えることにより、1次の縦振動と2次の屈曲振動とが同時に発生して、図2に矢印Cで示されるように、摩擦接触子10の位置において時計回りまたは反時計回りの略楕円振動が発生する。
また、超音波振動子に発生している縦振動に応じた電荷が検出用の内部電極8に励起されることにより、C相(C+,C一)の外部電極11を介して縦振動に比例した信号(以下、この信号を「振動検出信号」という。)が検出される。この振動検出信号は、駆動装置3(図1参照)に供給され、超音波振動子4の制御に用いられる。
以下、前記駆動装置3について詳細に説明する。図7は、駆動装置3の内部概略構成を示す図である。図7に示すように、駆動装置3は、発振回路(基準信号生成手段)21と、制御CPU22と、信号制御回路23と、パラメータテーブル24と、信号生成回路25と、信号出力制御回路26と、位相差検出回路28と、ドライブ回路30と、エンコーダ33と、エンコーダ信号処理回路35とを具備する。
前記発振回路21は、基準信号(クロック信号)を生成し、信号制御回路23、信号生成回路25、信号出力制御回路26、及び位相差検出回路28に出力する。詳細は後述するが、図8は基準信号の一例を示す図である。
前記パラメータテーブル24は、超音波振動子4の駆動周波数、A相とB相との位相差(本一実施形態においては90°)、後述する分割信号のパルス幅、超音波モータ2の初期位置および停止位置、及び後述するエラー検出値等、当該超音波モータ2を制御するために必要となる各種パラメータを格納している。
前記制御CPU22は、パラメータテーブル24に各種パラメータ(周波数,位相差等)を設定して、超音波振動子4の駆動信号を制御する。また、パラメータテーブル24から各種パラメータ(位相差,エンコーダカウント値等)を読み出し、位置制御、速度制御処理等を行う。すなわち、制御CPU22は、パラメータテーブル24及び後述する位相差検出回路28からのフィードバック値等に基づいて、基準駆動信号の周波数指令値、分割信号のパルス幅指令値、分割信号のパルス幅指令値、及びA相B相の位相差指令値等を作成し、基準駆動信号の周波数指令値を信号制御回路23に、A相B相の位相差指令値を信号生成回路25にそれぞれ出力する。
ここで、前記基準駆動信号の周波数指令値は、基準駆動信号の周波数を超音波振動子4の共振周波数に一致させるための指令値である。分割信号のパルス幅指令値は、超音波モータの速度に応じて決定される値であり、予め設定された所定の速度で定速制御を行う場合には、該所定の速度に対応して設定されているパルス幅をパラメータテーブルから読み出し、このパルス幅をパルス幅指令値とする。パルス幅は、速度が早いほど大きい値に設定されている。A相B相の位相差指令値は、A相とB相の位相差を予め設定されている最適な位相差(本実施形態では90°)に一致させるための指令値である。
前記信号制御回路23は、前記発振回路21から入力される基準信号S1と制御CPU22から入力される周波数指令値とに基づいて、所定の周波数のパルス信号である基準駆動信号S2を生成し、これを信号生成回路25に出力する。ここで、制御CPU22は、信号制御回路23に対して、基準駆動信号の周波数を超音波振動子4の共振周波数またはその近傍の周波数に設定するための周波数指令値を与えるので、信号制御回路23からは超音波振動子4の共振周波数と略同じ周波数の基準駆動信号が出力される。図8において示す信号bは、基準駆動信号S2の一例である。基準駆動信号の周期は、基準信号の周期の整数倍とされる。
また、信号制御回路23は、発振回路21から入力される基準信号S1と制御CPU22から入力されるパルス幅指令値とに基づいて、基準駆動信号S2よりも周波数が高く、超音波モータ2の速度に応じたパルス幅をもつ分割信号S3を生成し、これを信号生成回路25に出力する。図8に示す信号cは、分割信号S3の一例である。ここで、分割信号の周期は、必ずしも一定である必要はない。例えば、基準駆動信号のハイレベル期間内において分割信号の周期が変化してもかまわない。また、基準駆動信号の周期は、分割信号の周期の整数倍である必要はない。
より詳細には、信号制御回路23は、周波数制御回路、位相差制御回路、分割信号制御回路、及びパルスエッジ遅れ制御回路から成る。すなわち、周波数制御回路としては、パラメータテーブル24における周波数の設定値に基づき、発振回路21の出力である基準信号のパルス数を基準にして、駆動信号の周波数を決める基準駆動信号を出力する。また、位相差制御回路としては、パラメータテーブル24における位相差の設定値に基づき、発振回路21の出力である基準信号のパルス数を基準にして、2つの駆動信号、A相信号とB相信号の位相差を制御する。さらに、分割信号制御回路としては、パラメータテーブル24における分割信号の設定値(周期,パルス幅)に基づき、発振回路21の出力である基準信号のパルス数を基準にして、周波数制御回路で生成された基準駆動信号のハイレベル期間を更に高い周波数で分割するための信号を出力する。そして、パルスエッジ遅れ制御回路としては、パラメータテーブル24におけるパルスエッジ遅れの設定値に基づき、発振回路21の出力である基準信号のパルス数を基準にして、駆動信号の立ち上がり、又は立ち下がりを遅らせる。
前記信号出力制御回路26は、制御CPU22から当該信号出力制御回路26を介して、直接信号生成回路25の出力のON/OFF、A相信号、B相信号の出力順を制御することができる。また、パラメータテーブル24に設定された設定値に基づき、信号生成回路25から出力する駆動信号のパルス数や間欠駆動を行うための出力休止時間を制御する。
前記信号生成回路25は、基準駆動信号S2と制御CPU22からのA相B相の位相差指令値とに基づいて、位相差が90°であるA相の基準駆動信号とB相の基準駆動信号とを生成し、更に、A相の基準駆動信号のハイレベル期間において信号制御回路23から入力される分割信号をA相の駆動交番信号として出力し、B相の基準駆動信号のハイレベル期間において信号制御回路23から入力される分割信号をB相の駆動交番信号として出力する。
これにより、A相の基準駆動信号のハイレベル期間が分割信号で構成されたA相の駆動交番信号と、B相の基準駆動信号のハイレベル期間が分割信号で構成されたB相の駆動交番信号とが生成される。すなわち、前記信号生成回路25は、基準駆動信号S2と制御CPU22からのA相B相の位相差指令値とに基づいて、位相差が90°であるA相の基準駆動信号とB相の基準駆動信号とを生成する。なお、出力のON/OFF制御は、信号出力制御回路26によって行われる。
このとき、A相、B相の駆動交番信号は、プラス側とマイナス側とに分けて生成される。図8において示す信号dは、A相プラス側の駆動交番信号の一例であり、図8において示す信号eはB相プラス側の駆動交番信号の一例であり、図8において示す信号fはA相マイナス側の駆動交番信号の一例であり、図8において示す信号gはB相マイナス側の駆動交番信号の一例である。
図8に示すように、本一実施形態においては、A相とB相との位相差は90°であり、また、プラス側の駆動交番信号とマイナス側の駆動交番信号とは、正負が逆であり、且つ位相が180°ずれている。
前記信号生成回路25は、A相プラス側の駆動交番信号、B相プラス側の駆動交番信号、A相マイナス側の駆動交番信号、B相マイナス側の駆動交番信号をそれぞれ生成すると、これらの駆動交番信号をドライブ回路30に出力する。
前記ドライブ回路30は、図9に示すように、スイッチング素子で構成されたHブリッジ回路31とインピーダンスマッチング及び昇圧用のコイル32とを備えている。このドライブ回路30に、前記信号生成回路25から各種駆動交番信号が入力されると、図10に示す真理値表に従って、各駆動交番電圧OUTA+、OUTA−、OUTB+、OUTB−が出力される。
このとき、ドライブ回路30はコイル32を有しているので、パルス信号である駆動交番信号は、コイル32の働きにより正弦波に近い波形に変換され、正弦波に近いA相、B相の駆動交番電圧が超音波振動子4が備えるA相(A+,A−)、B相(B+,B−)の外部電極11にそれぞれ印加される。
図11には、信号生成回路25からドライブ回路30に供給されるA相(A+,A−)の駆動交番信号、及び、ドライブ回路30から超音波振動子4のA相(A+,A−)に印加される駆動交番電圧OUT(A+,A−)の一例が示されている。
ここで、超音波振動子4に励起されている縦振動は、C相(C+,C−)の内部電極8により検出され、この縦振動に比例する電気信号がC相(C+,C−)の外部電極11を介して位相差検出回路28に入力される。
また、位相差検出回路28には、信号生成回路25からいずれか一つの駆動交番信号、例えば、A相プラス側の駆動交番信号が入力される。位相差検出回路28は、超音波振動子4の外部電極11を介して入力された振動検出信号と信号生成回路25から入力される駆動交番信号との位相差を検出し、この位相差に比例する電気信号を制御CPU22に出力する。これにより、超音波振動子4の位相に関するフィードバックループが形成され、超音波振動子4の位相差を一定(例えば、90°)とするためのフィードバック制御が制御CPU22において行われる。
次に、上述したような構成を備える駆動装置3により実現される超音波モータ2の駆動方法について説明する。まず、超音波モータ2の起動時において、発振回路21から信号制御回路23に基準信号が入力される。一方、制御CPU22は、パラメータテーブルに設定されている超音波モータ2の駆動周波数を読み出し、この共振周波数を周波数指令値として信号制御回路23に与える。
また、制御CPU22は、初期値として設定されている分割信号の周波数およびパルス幅をパラメータテーブル24から読み出し、これらを信号制御回路23に与える。更に、制御CPU22は、パラメータテーブル24から初期値として設定されているA相とB相との位相差を読み出し、これを信号生成回路25に与える。これにより、信号制御回路23により超音波振動子4の共振周波数またはその近傍の周波数に設定された基準駆動信号S2が生成されて信号生成回路25に出力される。また、信号制御回路23において、制御CPU22により与えられた周波数およびパルス幅のパルス信号である分割信号S3が生成され、これが信号生成回路25に出力される。
信号生成回路25では、基準駆動信号S2及び制御CPU22からの位相差に基づいて所定の位相差をもつA相(A+,A−)に対応する基準駆動信号とB相(B+,B−)に対応する基準駆動信号とが生成され、更に、これら各相のハイレベル期間において分割信号S3が駆動交番信号として出力される。この結果、図8に示す信号eから信号gに示されるように、A相,B相に対応する基準駆動信号のハイレベル期間が分割信号で構成された各駆動交番信号が生成されることとなる。
A相、B相の駆動交番信号は、ドライブ回路30により正弦波の駆動交番電圧に変換されて、超音波振動子4の各外部電極11に印加される。これにより、超音波振動子には図5及び図6に示すような縦振動と屈曲振動とが同時に励起され、その摩擦接触子10に楕円振動が形成されることにより被駆動体が相対的に移動させられる。
超音波振動子4に励起された縦振動は、C相の内部電極8及び外部電極11により検出され、振動検出信号が位相差検出回路28に入力される。位相差検出回路28では、超音波振動子4に励起されている縦振動と信号生成回路25から出力されるA相の駆動交番信号との位相差が検出され、この位相差に応じた電気信号が制御CPU22に出力される。
制御CPU22は、位相差検出回路28により検出された位相差(以下「検出位相差」という。)と目標位相差とを比較し、検出位相差が目標位相差となるような周波数指令値を生成し、これを信号制御回路23に与える。
また、制御CPU22は、エンコーダ信号処理回路35から入力されるカウント値から被駆動体5の移動量を求め、この移動量をサンプリング周期で割ることで超音波モータ2の駆動速度を計算する。そして、この駆動速度が目標速度よりも大きい場合には、分割信号のパルス幅を減少させるパルス幅指令値を作成し、また、駆動速度が目標速度よりも小さい場合には、分割信号のパルス幅を増加させるパルス幅指令値を作成し、これを信号制御回路23に与える。これにより、図12に示されるように、超音波モータ2の速度に応じてパルス幅が調整された分割信号が生成され、出力される。
このようにして、駆動速度や位相差のフィードバック制御が行われながら安定したモータ駆動が行われ、エンコーダ信号処理回路35から通知されるカウント数が予め設定されているカウント数に達すると、制御CPU22は、被駆動体5が所望の位置まで移動したと判断し、信号生成回路25に駆動停止指令を出力する。これにより、信号生成回路25から駆動交番信号が出力されなくなることにより、超音波振動子4の振動が徐々に収束し、停止することとなる。
以下、本一実施形態に係る超音波モータの駆動装置による位置制御について詳細に説明する。
まず、当該超音波モータ2の駆動位置の検出は、次のように行う。すなわち、制御CPU22は、エンコーダ33のカウント値(以降、エンコーダカウント値と称する)をパラメータテーブル24から読み出し、エンコーダカウント値と駆動位置との関係式から、超音波モータ2の現在の駆動位置を求める。
そして、超音波モータ2を所定の位置で停止させるには、次のような方法を採る。すなわち、制御CPU22は、任意の周期でエンコーダカウント値をパラメータテーブル24から読み出し、所定のカウント値、又はカウント値から求めた所定の位置を越えたとき、制御CPU22は信号出力制御回路26に停止信号を出力して駆動信号の出力を停止させ、超音波モータ2の駆動を停止させる。
以下、本一実施形態に係る超音波モータの駆動装置による負荷トルク検出について詳細に説明する。
信号制御回路23の出力である駆動信号、及び振動検出電極として機能するC相の外部電極11の出力である振動検出信号は、位相差検出回路28に入力される。そして、この位相差検出回路28において、駆動信号と振動検出信号との位相差が検出される。
このようにして求められた駆動信号と振動検出信号との位相差は、パラメータテーブル24に格納され、一定周期で更新される。制御CPU22は、任意の周期毎にパラメータテーブル24から駆動信号と振動検出信号との位相差を読み出し、任意の周期における位相差の変化量を検出する。
図13は、駆動信号と振動検出信号との位相差と、超音波モータに掛かる負荷トルクとの関係を表すグラフを示す図である。同図に示すグラフから、当該超音波モータ2に掛かる負荷トルクが大きくなるに従って、駆動信号と振動検出信号との位相差が小さくなることが分かる。
なお、制御CPU22は、負荷トルクの急激な変動を判断する為の基準値(閾値)を予め有しており、任意の周期における駆動信号と振動検出信号との位相差の変化量が前記基準値を超えたとき、当該超音波モータ2では負荷トルクの急激な変動が発生したと判断し、信号出力制御回路26に停止信号を出力して当該超音波モータ2の動作を停止させる。
図14は、駆動中の当該超音波モータ2に掛かる負荷トルクが急激に変化した場合、すなわち前記超音波振動子4に対して例えば大きな外乱や機械的な衝撃が加わる等した場合に、前記制御CPU22によって行われる動作制御のフローチャートを示す図である。
なお、当然ながら制御CPU22は、図14に示すフローチャートの処理と並行して、従来の超音波モータにおける通常の駆動処理等も行う。ここでは、本一実施形態に係る超音波モータの駆動装置に特有の処理に焦点を当てる為に、従来の超音波モータにおける通常の駆動処理等についての説明は省略する。
まず、制御CPU22は、当該超音波モータ2の駆動を開始すると、前記パラメータテーブル24から所定のエラー検出値(当該超音波モータ2に掛かる負荷トルクが急激に変化したか否かを判定する際に用いる閾値;詳細は後述)を読み込み且つ設定する(ステップS1)。
次に、制御CPU22は、駆動信号と振動検出信号との位相差を検出し、該位相差を第1位相差として決定する(ステップS2)。
続いて、制御CPU22は、所定の周期が経過するのを待つ(ステップS3)。この所定の周期が経過したと判断すると、制御CPU22は、再び駆動信号と振動検出信号との位相差を検出し、該位相差を第2位相差として決定する(ステップS4)。
そして、制御CPU22は、前記第1位相差と前記第2位相差との差の絶対値(以降、位相差変化量と称する)を算出する(ステップS5)。さらに、このステップS5において算出した位相差変化量が、前記エラー検出値よりも大きい値であるか否かを判断する(ステップS6)。
このステップS6をNOに分岐する場合は、前記ステップS2へ移行する。一方、前記ステップS6をYESに分岐する場合は、制御CPU22は、前記信号生成回路25による信号出力を停止させる割り込み信号を生成して出力する(ステップS7)。このステップS7における処理により、当該超音波モータ2は駆動停止する。
以上説明したように、本一実施形態によれば、簡易な処理により負荷変動の検出を行うことが可能であり且つ所望の駆動を実現する超音波モータの駆動装置を提供することができる。
すなわち、本一実施形態に係る超音波モータの駆動装置によれば、制御CPU22は、負荷トルクの急激な変動を判断する為の基準値(エラー検出値)を予め有しており、任意の周期における駆動信号と振動検出信号との位相差の変化量が、この基準値を越えたとき、当該超音波モータ2では負荷トルクの急激な変動が発生したと判断し、前記信号生成回路25による信号出力を停止させる割り込み信号を生成して出力する。なお、前記エラー検出値は、ユーザーにより任意の値に設定できるものとする。
従って、本一実施形態に係る超音波モータの駆動装置によれば、例えば駆動モードの切り替え時、外的な衝撃等の想定外の機能障害の発生による急激な負荷変動時、又は突発的な負荷変動等が発生した時等に、速やかに当該超音波モータ2の駆動を停止させることができる。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
本発明の一実施形態に係る超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図。 超音波振動子の一構成例を示す図。 内部電極を備えた圧電セラミックスシートの一構成例を示す図。 内部電極を備えた圧電セラミックスシートの一構成例を示す図。 圧電積層体の縦振動を示す図。 圧電積層体の屈曲振動を示す図。 駆動装置の内部概略構成を示す図。 基準信号の一例を示す図。 ドライブ回路の一構成例を示す図。 ドライブ回路に信号生成回路から各種駆動交番信号が入力された場合における入出力値の真理値表を示す図。 ドライブ回路に与えられる駆動交番信号及び超音波振動子に与えられる駆動交番電圧のグラフを示す図。 超音波モータの速度に応じてパルス幅が調整された分割信号が生成され、出力される様子のグラフを示す図。 超音波モータに掛かる負荷トルクと、駆動信号と振動検出信号との位相差との関係を表すグラフを示す図。 駆動中の当該超音波モータに掛かる負荷トルクが急激に変化した場合に、制御CPUによって行われる処理のフローチャートを示す図。
符号の説明
1…超音波モータシステム、 2…超音波モータ、 3…駆動装置、 4…超音波振動子、 5…被駆動体、 7…圧電セラミックスシート、 8…内部電極、 9…圧電積層体、 10…摩擦接触子、 11…外部電極、 21…発振回路、 22…制御CPU、 23…信号制御回路、 24…パラメータテーブル、 25…信号生成回路、 26…信号出力制御回路、 28…位相差検出回路、 30…ドライブ回路、 31…Hブリッジ回路、 32…コイル、 33…エンコーダ、 35…エンコーダ信号処理回路、 41…振動検出電極。

Claims (4)

  1. 被駆動部材に当接する駆動子を備える振動子に、所定の位相差及び所定の駆動周波数の2相の交番電圧を印加することにより、前記振動子に縦振動と屈曲振動とを同時に発生させることで楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て前記駆動子によって前記被駆動部材を駆動する超音波モータの駆動装置であって、
    前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成する振動検出手段と、
    前記振動子を駆動する為の駆動信号を生成する駆動手段と、
    前記振動検出手段により生成された振動検出信号と、前記駆動手段により生成された駆動信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記位相差検出手段により検出された位相差の変化量に基づいて、負荷変動を検出する負荷変動検出手段と、
    を具備することを特徴とする超音波モータの駆動装置。
  2. 前記負荷変動検出手段は、
    前記位相差検出手段により検出された位相差の変化量と所定の閾値とを比較し、該比較結果に基づいて、前記振動子の駆動を停止させるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により前記振動子の駆動を停止させるとの判断が為された場合、前記振動子の駆動を停止させる為の信号を生成する停止実行手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波モータの駆動装置。
  3. 前記所定の閾値は、任意の値に設定可能であることを特徴とする請求項2に記載の超音波モータの駆動装置。
  4. 前記所定の閾値を格納するパラメータテーブルを具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか一つに記載の超音波モータの駆動装置。
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