JP2010004720A - 超音波モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度センサを設けることなく且つ駆動を妨げることなく超音波モータの温度変化をリアルタイムに検出することができる超音波モータを提供すること。
【解決手段】 超音波振動子4に、所定の位相差及び所定の駆動周波数の2相の交番電圧である駆動信号を印加することで楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動体5を摩擦駆動する超音波モータ2を、次のように構成する。すなわち、前記超音波モータ2に、前記駆動信号を生成する信号生成回路25と、前記超音波振動子4の振動状態を検出して振動検出信号を生成する外部電極11と、前記信号生成回路25により生成された駆動信号と、前記外部電極11により生成された振動検出信号と、の位相差を検出する位相差検出回路28と、前記位相差検出回路28により検出された位相差に基づいて、前記超音波モータの温度を算出する温度算出手段22と、を具備させる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、圧電素子等の振動子の振動を利用する超音波モータに関し、特に当該超音波モータの温度を検出可能な超音波モータに関する。
近年、電磁型モータに代わる新しいモータとして、圧電素子などの振動子の振動を利用した超音波モータが注目されている。この超音波モータは、従来の電磁型モータと比較して、ギア無しで低速高推力が得られる点、保持力が高い点、ストロークが長く、高分解能である点、静粛性に富む点、磁気的ノイズを発生せず磁気的ノイズの影響を受けない点等の利点を有している。
そして超音波モータでは、超音波振動子を、摩擦部材である駆動子を介して、相対運動部材である被駆動部材に押し付けることで、前記駆動子と前記被駆動部材との間に摩擦力を発生させ、この摩擦力によって前記被駆動部材を駆動する。そして、このように摩擦力を用いた駆動を行うこともあり、超音波モータは当然ながら発熱に係る問題を孕んでいる。
ところで、超音波モータを構成する圧電振動子の共振周波数は温度によって変化する。さらに、圧電振動子近傍に配置されたメカ構成部も温度特性を有している。このような事情から、超音波モータは、何らかの温度補償を必要とする。
さらには、上述したような構成の超音波モータは、駆動時において超音波モータの温度上昇によって、周辺部材への悪影響や自身の特性の劣化が生じる場合がある。このような温度上昇に伴う悪影響は、例えば頻繁に駆動した場合や高温下で駆動した場合により顕著に現れる。
以上のような事情に鑑みて、例えば次のような技術が提案されている。すなわち、超音波モータの外部に温度センサを設け、該温度センサを用いて当該超音波モータの温度上昇を測定し、当該超音波モータの温度が所定の温度以上にならないように制御する技術が提案されている。
しかしながら、この技術は、温度センサ及びその周辺回路や超音波モータの構成が大がかりになりコストが高くなるという問題点を有している。なお、温度センサを超音波振動子に直接取り付けた場合、当然ながら超音波振動子の振動に悪影響を及ぼしてしまう。
以上のような問題を解決する為に、例えば特許文献1には次のような技術が開示されている。すなわち、特許文献1には、振動体に駆動波が形成される振動子の電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を印加する駆動回路部を有する振動波装置の駆動装置において、前記振動体の共振周波数から離れた検出周波数の周波電圧を印加することにより前記振動子の容量変化を検出し、温度変化を判定する温度変化判定手段を有することを特徴とする振動波装置の駆動装置が開示されている。
この特許文献1に開示されている技術によれば、振動体の温度変化を、温度検出の為に新たに温度センサを設けることなく検出することが可能な振動波装置の駆動装置が提供される。
特開平10−174468号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術によれば、超音波モータの温度変化を検出する為に、超音波振動子に対して駆動共振周波数から離れた周波数の電圧を印加する必要がある。
詳細には、特許文献1に開示されている技術では、超音波モータの温度変化を検出する為に、超音波モータの駆動時に印加中の電圧の周波数を駆動共振周波数から一旦変更することにより、当該超音波モータの動作を妨げることになる。さらに、このように当該超音波モータの動作を妨げてしまうことに起因して、超音波モータの温度変化をリアルタイムに検出することも困難となる。
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、温度センサを設けることなく且つ駆動を妨げることなく超音波モータの温度変化をリアルタイムに検出することができる超音波モータを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による超音波モータは、振動子に、所定の位相差及び所定の駆動周波数の2相の交番電圧である駆動信号を印加することで楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動する超音波モータであって、前記駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成する振動検出手段と、前記駆動信号生成手段により生成された駆動信号と、前記振動検出手段により生成された振動検出信号と、の位相差を検出する位相差検出手段と、前記位相差検出手段により検出された位相差に基づいて、前記超音波モータの温度を算出する温度算出手段と、を具備することを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第2の態様による超音波モータは、振動子に、所定の位相差及び所定の駆動周波数の2相の交番電圧である駆動信号を印加することで楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動する超音波モータであって、前記駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成する振動検出手段と、前記駆動信号生成手段により生成された駆動信号と、前記振動検出手段により生成された振動検出信号と、の位相差を検出する位相差検出手段と、前記位相差と前記超音波モータの温度との対応関係を示す温度算出情報が格納された記憶手段と、前記記憶手段に格納された前記温度算出情報と、前記位相差検出手段によって検出された前記位相差と、に基づいて前記超音波モータの温度を算出し、該温度に基づいて前記駆動信号を最適化する制御を行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、温度センサを設けることなく且つ駆動を妨げることなく超音波モータの温度変化をリアルタイムに検出することができる超音波モータを提供することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る超音波モータについて、図面を参照して説明する。なお、本第1実施形態においては、説明の便宜上、超音波モータと該超音波モータを駆動する為の駆動装置とを互いに独立した別体の装置として捉え、これらの装置から成る構成を超音波モータシステムと称して説明する。しかしながら、このような呼称はあくまでも説明の便宜上の呼称であって、駆動装置まで含めて一つの超音波モータとして捉えても勿論よい。
図1は、超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように超音波モータシステム1は、超音波モータ2と、超音波モータ2を駆動する駆動装置3と、を具備する。超音波モータ2は、超音波振動子4と、超音波振動子4により駆動される被駆動体5とを有する。
前記超音波振動子4は、図2乃至図4に示されるように、矩形板状の圧電セラミックスシート7の片側面にシート状の内部電極8を設けたものを複数枚積層してなる直方体状の圧電積層体9と、該圧電積層体9のうち前記被駆動体5に対向する面に例えば接着等されて設けられた2個の摩擦接触子10と、を備えている。
ところで、例えば図3及び図4に示される圧電セラミックスシート7は、それぞれ、その略全面に内部電極8を備えている。
詳細には、前記内部電極8は、当該圧電セラミックスシート7の中央部において、圧電セラミックスシート7の長さ方向に沿って設けられた一つの振動検出用内部電極8(C相)と、この振動検出用内部電極8(C相)の近傍に配置され且つこの振動検出用内部電極8(C相)との間に当該圧電セラミックスシート7の幅方向(長手方向と直交する方向)に所定の絶縁距離を有する略同じ大きさの2つの駆動用内部電極8(A相、B相)と、から成る。なお、この2つの駆動用内部電極は、圧電セラミックスシート7の長手方向において互いに所定の絶縁距離を有するように設けられている。
そして、上述した各々の内部電極8は、それぞれ圧電セラミックスシート7の周縁から隙間を空けて配置されるとともに、その一部が圧電セラミックスシート7の周縁まで延びている。
前記圧電積層体9は、上述したような内部電極8を備えた圧電セラミックスシート7、具体的には例えば図3に示される圧電セラミックスシート7と、図4に示される圧電セラミックスシート7と、が交互に複数枚積層されることにより構成されている。ここで、図3に示される圧電セラミックスシート7は、A相、B相、及びC相におけるマイナス電極(A−,B−,C−)としての内部電極8を備えている。他方、図4に示される圧電セラミックスシート7は、A相、B相、及びC相におけるプラス電極(A+,B+,C+)としての内部電極8を備えている。
圧電積層体9の長さ方向の一端面には4個、圧電積層体9の長さ方向の他端面には2個の合計6個の外部電極11が設けられている。各外部電極11には、同種の圧電セラミックスシート7の同一位置に配される全ての内部電極8が接続されている。これにより、同種の圧電セラミックスシート7の同一位置に配される内部電極8は、同一の電位とされるようになっている。
なお、これら外部電極11はそれぞれ、配線(図示せず)を介して制御器(図示せず)に接続されている。配線は、リード線、フレキシブル基板等、可撓性を有する配線であれば任意のものでよい。
以下、圧電積層体9の動作について説明する。
まず、圧電積層体9の長手方向における一端面に形成された4つの外部電極11は、図2において上側から順に、振動検出用のC相であるC−,C+に対応する内部電極8、駆動用のB相であるB−,B+に対応する内部電極8に接続された外部電極11である。同様に、圧電積層体9の長手方向における他端面に形成された2つの外部電極11は、駆動用のA相であるA+,A−に対応する内部電極8に接続された外部電極11である。
ここで、A相及びB相に同位相で共振周波数又はその近傍の周波数に対応する周波数をもつ交番電圧を加えると、図5に示すような1次の縦振動が励起される。また、A相とB相とに逆位相で共振周波数に対応する交番電圧を加えると、図6に示されるような2次の屈曲振動が励起される。図5及び図6は、有限要素法によるコンピュータ解析結果を示す図である。
そして、圧電積層体9に1次の縦振動が発生したときには、摩擦接触子10が圧電積層体9の長さ方向(図5に示されるX方向)に変位させられる。一方、圧電積層体9に2次の屈曲振動が生じたときには、摩擦接触子10が、圧電積層体9の幅方向(図6に示されるZ方向)に変位させられる。
したがって、超音波振動子のA相とB相とに、位相が90°ずれた共振周波数又はその近傍の周波数に対応する周波数をもつ駆動交番電圧を加えることにより、1次の縦振動と2次の屈曲振動とが同時に発生して、図2に矢印Cで示されるように、摩擦接触子10の位置において時計回りまたは反時計回りの略楕円振動が発生する。
また、超音波振動子に発生している縦振動に応じた電荷が検出用の内部電極8に励起されることにより、C相(C+,C一)の外部電極11を介して縦振動に比例した信号(以下、この信号を「振動検出信号」という。)が検出される。この振動検出信号は、駆動装置3(図1参照)に供給され、超音波振動子4の制御及び超音波モータ2の温度検出に用いられる。
以下、前記駆動装置3について詳細に説明する。図7は、駆動装置3の内部概略構成を示す図である。図7に示すように、駆動装置3は、発振回路(基準信号生成手段)21と、制御CPU22と、信号制御回路23と、パラメータテーブル24と、信号生成回路25と、信号出力制御回路26と、位相差検出回路28と、ドライブ回路30と、エンコーダ33と、エンコーダ信号処理回路35と、を有する。
前記発振回路21は、基準信号(クロック信号)を生成し、信号制御回路23、信号生成回路25、信号出力制御回路26、及び位相差検出回路28に出力する。詳細は後述するが、図8は基準信号の一例を示す図である。
前記パラメータテーブル24は、超音波振動子4の駆動周波数、A相とB相との位相差(本第1実施形態においては90°)、後述する分割信号のパルス幅、超音波モータ2の初期位置および停止位置、後述する“温度−位相差テーブル”、及び後述する“位相差”等、当該超音波モータ2を制御するために必要となる各種パラメータを格納している。
前記制御CPU22は、パラメータテーブル24に各種パラメータ(周波数,位相差等)を設定して、超音波振動子4の駆動信号を制御する。また、パラメータテーブル24から各種パラメータ(位相差,エンコーダカウント値等)を読み出し、位置制御、速度制御処理等を行う。すなわち、制御CPU22は、パラメータテーブル24及び後述する位相差検出回路28からのフィードバック値等に基づいて、基準駆動信号の周波数指令値、及びA相B相の位相差指令値等を作成し、出力する。
前記信号制御回路23は、前記発振回路21から入力される基準信号S1と制御CPU22から入力される周波数指令値とに基づいて、所定の周波数のパルス信号である基準駆動信号S2を生成し、これを信号生成回路25に出力する。ここで、制御CPU22は、信号制御回路23に対して、基準駆動信号の周波数を超音波振動子4の共振周波数またはその近傍の周波数に設定するための周波数指令値を与えるので、信号制御回路23からは超音波振動子4の共振周波数と略同じ周波数の基準駆動信号が出力される。図8において示す信号bは、基準駆動信号S2の一例である。基準駆動信号の周期は、基準信号の周期の整数倍とされる。
より詳細には、信号制御回路23は、周波数制御回路、位相差制御回路、及びパルスエッジ遅れ制御回路から成る。
前記周波数制御回路としては、パラメータテーブル24における周波数の設定値に基づき、発振回路21の出力である基準信号のパルス数を基準にして、駆動信号の周波数を決める基準駆動信号を出力する。
前記位相差制御回路としては、パラメータテーブル24における位相差の設定値に基づき、発振回路21の出力である基準信号のパルス数を基準にして、2つの駆動信号、A相信号とB相信号の位相差を制御する。
前記信号出力制御回路26は、制御CPU22から当該信号出力制御回路26を介して、直接信号生成回路25の出力のON/OFF、A相信号、B相信号の出力順を制御することができる。また、パラメータテーブル24に設定された設定値に基づき、信号生成回路25から出力する駆動信号のパルス数や間欠駆動を行うための出力休止時間を制御する。
前記信号生成回路25は、基準駆動信号S2と制御CPU22からのA相B相の位相差指令値とに基づいて、位相差が90°であるA相の基準駆動信号とB相の基準駆動信号とを生成する。前記信号生成回路25は、基準駆動信号S2と制御CPU22からのA相B相の位相差指令値とに基づいて、位相差が90°であるA相の基準駆動信号とB相の基準駆動信号とを生成する。なお、出力のON/OFF制御は、信号出力制御回路26によって行われる。
このとき、A相、B相の駆動交番信号は、プラス側とマイナス側とに分けて生成される。図8において示す信号dは、A相プラス側の駆動交番信号の一例であり、図8において示す信号eはB相プラス側の駆動交番信号の一例であり、図8において示す信号fはA相マイナス側の駆動交番信号の一例であり、図8において示す信号gはB相マイナス側の駆動交番信号の一例である。
図8に示すように、本第1実施形態においては、A相とB相との位相差は90°であり、また、プラス側の駆動交番信号とマイナス側の駆動交番信号とは、正負が逆であり、且つ位相が180°ずれている。
前記信号生成回路25は、A相プラス側の駆動交番信号、B相プラス側の駆動交番信号、A相マイナス側の駆動交番信号、B相マイナス側の駆動交番信号をそれぞれ生成すると、これらの駆動交番信号をドライブ回路30に出力する。
前記ドライブ回路30は、図9に示すように、スイッチング素子で構成されたHブリッジ回路31とインピーダンスマッチング及び昇圧用のコイル32とを備えている。このドライブ回路30に、前記信号生成回路25から各種駆動交番信号が入力されると、図10に示す真理値表に従って、各駆動交番電圧OUTA+、OUTA−、OUTB+、OUTB−が出力される。
このとき、ドライブ回路30はコイル32を有しているので、パルス信号である駆動交番信号は、コイル32の働きにより正弦波に近い波形に変換され、正弦波に近いA相、B相の駆動交番電圧が超音波振動子4が備えるA相(A+,A−)、B相(B+,B−)の外部電極11にそれぞれ印加される。
ここで、超音波振動子4に励起されている縦振動は、C相(C+,C−)の内部電極8により検出され、この縦振動に比例する電気信号がC相(C+,C−)の外部電極11を介して位相差検出回路28に入力される。
また、位相差検出回路28には、信号生成回路25からいずれか一つの駆動交番信号(例えばA相プラス側の駆動交番信号)が入力される。そして、位相差検出回路28は、超音波振動子4の外部電極11を介して入力された振動検出信号と、信号生成回路25から入力された駆動交番信号と、の位相差を検出し、該位相差をパラメータテーブル24に格納する。
次に、上述したような構成を備える駆動装置3により実現される超音波モータ2の駆動方法について説明する。まず、超音波モータ2の起動時において、発振回路21から信号制御回路23に基準信号が入力される。一方、制御CPU22は、パラメータテーブルに設定されている超音波モータ2の駆動周波数を読み出し、この周波数を周波数指令値として信号制御回路23に与える。
また、制御CPU22は、パラメータテーブル24から初期値として設定されているA相とB相との位相差を読み出し、これを信号生成回路25に与える。これにより、信号制御回路23により超音波振動子4の共振周波数またはその近傍の周波数に設定された基準駆動信号S2が生成されて信号生成回路25に出力される。
信号生成回路25では、基準駆動信号S2及び制御CPU22からの位相差に基づいて所定の位相差をもつA相(A+,A−)に対応する基準駆動信号とB相(B+,B−)に対応する基準駆動信号とが生成される。
A相、B相の駆動交番信号は、ドライブ回路30により正弦波の駆動交番電圧に変換されて、超音波振動子4の各外部電極11に印加される。これにより、超音波振動子には図5及び図6に示すような縦振動と屈曲振動とが同時に励起され、その摩擦接触子10に楕円振動が形成されることにより被駆動体が相対的に移動させられる。
超音波振動子4に励起された縦振動は、C相の内部電極8及び外部電極11により検出され、振動検出信号が位相差検出回路28に入力される。位相差検出回路28では、超音波振動子4に励起されている縦振動と信号生成回路25から出力されるA相の駆動交番信号との位相差が検出され、この位相差に応じた電気信号が制御CPU22に出力される。エンコーダ信号処理回路35から通知されるカウント数が予め設定されているカウント数に達すると、制御CPU22は、被駆動体5が所望の位置まで移動したと判断し、信号生成回路25に駆動停止指令を出力する。これにより、信号生成回路25から駆動交番信号が出力されなくなることにより、超音波振動子4の振動が徐々に収束し、停止することとなる。
以下、本第1実施形態に係る超音波モータの主な特徴の一つである前記超音波モータ2の温度検出処理について詳細に説明する。
まず、前記超音波モータ2の温度検出処理の原理を説明する。
前記超音波振動子4に入力される駆動信号(A相の駆動信号であっても、B相の駆動信号であっても、何れの駆動信号でもよい)と、前記超音波振動子4に設けられた前記振動検出用の内部電極8及びC相(C+,C一)の外部電極11から出力される前記振動検出信号と、の位相差(前記位相差)は、負荷及び温度等の外部要因によって変化する特性を有している。
より詳細には、前記超音波振動子4の入出力信号の位相差は、図12に示すように、前記超音波振動子4あるいは超音波モータ2の温度に対して一対一で対応し且つ連続的に変化するという特性を有している。本第1実施形態に係る超音波モータでは、この原理を利用して前記超音波モータ2の温度検出を行う。
従って、図12に示すような位相差と超音波モータ2の温度との関係を示す位相差−温度対応関係データを予め算出し、該位相差−温度対応関係データを前記パラメータテーブル24に格納する。そして、上述したように前記位相差検出回路28によって取得した前記位相差を、前記パラメータテーブル24に予め格納した前記位相差−温度対応関係データと照合して、前記超音波モータ2の温度を求める。
なお、前記位相差−温度対応関係データは、テーブル形式のデータとしてもよいし、数式としても勿論よい。
ところで、上述した前記超音波振動子4の入出力信号の位相差は、負荷変動に対しては瞬間的な変動に対して変化を示すのでその変動の周期が短い。他方、温度変化に対しては、負荷変動に対してよりも長い周期で変動する。
この為、前記超音波モータ2の温度を検出する際には、瞬間的な位相差をモニターするのではなく(換言すれば、或る時刻における位相差の値を温度検出処理に用いるのではなく)、図13に示すように任意の周期における位相差の平均値を求め、この位相差の平均値に基づいて、前記超音波モータ2の温度を求める。
なお、上述した任意の周期とは例えば、少なくとも前記超音波振動子4に駆動信号が入力されてから、当該駆動信号に対して超音波振動子4が応答するまでに要する時間である。具体的には、この時間は例えば数10μ秒オーダーの時間である。
ところで、駆動初期時、駆動中、又は駆動終了時等において任意の周期で検出した前記超音波モータ2の温度変化は、前記パラメータテーブル24に格納される。そして、例えば次のような処理に用いられる。
すなわち、前記制御CPU22は、超音波モータ2の温度に基づいて、種々の駆動パラメータを最適条件に補正する(最適化する)。また、前記制御CPU22は、超音波モータ2の温度が異常温度であると判定した場合には、当該超音波モータ2の駆動を停止する(前記信号生成回路25からの駆動交番信号を停止させる)制御を行う。
なお、当然ながら制御CPU22は、従来の超音波モータにおける通常の駆動処理等も行う。ここでは、本第1実施形態に係る超音波モータの駆動装置に特有の処理に焦点を当てる為に、従来の超音波モータにおける通常の駆動処理等についての説明は省略する。
以上説明したように、本第1実施形態によれば、温度センサを設けることなく且つ駆動を妨げることなく超音波モータの温度変化をリアルタイムに検出することができる超音波モータを提供することができる。
具体的には、本第1実施形態に係る超音波モータによれば、超音波モータ2の温度を検出する為の温度センサを設ける必要がないので、装置の小型化が可能となる。さらに、超音波モータ2の温度を検出する為に駆動交番信号の周波数を変更する必要がないので、駆動を妨げることなくリアルタイムに超音波モータ2の温度検出を行うことが可能となる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る超音波モータについて、図面を参照して説明する。なお、説明の重複を避ける為に前記第1実施形態との相違点のみを説明する。本第2実施形態においては、超音波モータ2の駆動方向(駆動姿勢)に基づいた温度検出処理を行う。
超音波モータ2を重力方向とは逆方向へ駆動する場合(例えば物体を持ち上げる場合)と、重力方向と同一の方向へ駆動する場合(例えば物体を下げ降ろす場合)と、重力方向に対して90°をなす角度へ駆動する場合(例えば物体を地面に垂直な方向へ引っ張る場合)と、ではそれぞれ駆動時に超音波モータ2に掛かる負荷が異なる。
この為、超音波モータ2を重力方向とは逆方向へ駆動する場合と、重力方向と同一の方向へ駆動する場合と、重力方向に対して90°をなす角度へ駆動する場合と、では図14に示すように超音波振動子4の温度と位相差との対応関係が異なる。
ここで、図14において実線で示すグラフ81は、超音波モータ2の駆動方向が重力方向と90°をなす方向の場合の位相差−温度対応関係データを示すグラフである。図14において破線で示すグラフ83は、重力方向と逆方向へ駆動する場合の位相差−温度対応関係データを示すグラフである。図14において一点鎖線で示すグラフ85は、重力方向へ駆動する場合の位相差−温度対応関係データを示すグラフである。
このように、超音波モータ2が同一の温度であっても、それらの温度に対応する位相差の値が異なる。
本第2実施形態においては、このような場合により正確な温度検出を行う為に、これらの超音波モータの駆動方向に応じた位相差-温度対応関係データのテーブルを予め作成し、これらのテーブルを前記パラメータテーブル24に格納する。
なお、ここでは説明の便宜上、位相差−温度対応関係データとして上述した3種類の位相差−温度対応関係データを想定したが、重力方向に対する超音波モータ2の駆動方向(駆動姿勢)をより細かく取ることで、より多くの位相差−温度対応関係データを作成して用いても勿論よい。
図15は、本第2実施形態に係る超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図である。同図に示すように本第2実施形態に係る超音波モータシステムは、当該超音波モータ2の駆動方向(駆動姿勢)を検出する為のセンサ71を具備する。
前記センサ71としては、当該超音波モータ2の駆動方向(駆動姿勢)を電気的に検出するようなセンサを用いてもよいし、機械的に検出するようなセンサを用いても勿論よい。つまり、前記センサ71としては、当該超音波モータ2の駆動方向(駆動姿勢)を検出可能なセンサであればどのようなセンサを用いてもよい。
そして、本第2実施形態に係る超音波モータにおいては、前記制御CPU22は、前記センサ71によって検出された駆動方向(駆動姿勢)に応じて、上述した温度検出処理に用いる位相差−温度対応関係データのテーブル(数式)を決定する。従って、より正確な温度検出が可能となる。
以上、第1実施形態及び第2実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
本発明の第1実施形態に係る超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図。 超音波振動子の一構成例を示す図。 内部電極を備えた圧電セラミックスシートの一構成例を示す図。 内部電極を備えた圧電セラミックスシートの一構成例を示す図。 圧電積層体の縦振動を示す図。 圧電積層体の屈曲振動を示す図。 駆動装置の内部概略構成を示す図。 基準信号の一例を示す図。 ドライブ回路の一構成例を示す図。 ドライブ回路に信号生成回路から各種駆動交番信号が入力された場合における入出力値の真理値表を示す図。 ドライブ回路に与えられる駆動交番信号及び超音波振動子に与えられる駆動交番電圧のグラフを示す図。 位相差と超音波モータの温度との関係を示す位相差−温度対応関係データの一例を示す図。 超音波モータの温度を検出する際に任意の周期における位相差の平均値を求める例を示す図。 超音波モータを重力方向とは逆方向へ駆動する場合と、重力方向と同一の方向へ駆動する場合とで、超音波モータの温度と位相差との対応関係が異なることを示す図。 本発明の第2実施形態に係る超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図。
符号の説明
1…超音波モータシステム、 2…超音波モータ、 3…駆動装置、 4…超音波振動子、 5…被駆動体、 7…圧電セラミックスシート、 8…内部電極、 9…圧電積層体、 10…摩擦接触子、 11…外部電極、 21…発振回路、 22…制御CPU、 23…信号制御回路、 24…パラメータテーブル、 25…信号生成回路、 26…信号出力制御回路、 28…位相差検出回路、 30…ドライブ回路、 31…Hブリッジ回路、 32…コイル、 33…エンコーダ、 35…エンコーダ信号処理回路、 41…振動検出電極、 71…センサ。

Claims (8)

  1. 振動子に、所定の位相差及び所定の駆動周波数の2相の交番電圧である駆動信号を印加することで楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動する超音波モータであって、
    前記駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
    前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成する振動検出手段と、
    前記駆動信号生成手段により生成された駆動信号と、前記振動検出手段により生成された振動検出信号と、の位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記位相差検出手段により検出された位相差に基づいて、前記超音波モータの温度を算出する温度算出手段と、
    を具備することを特徴とする超音波モータ。
  2. 前記位相差と前記超音波モータの温度との対応関係を示す温度算出情報が格納された記憶手段を含み、
    前記温度算出手段は、前記記憶手段に格納された前記温度算出情報と、前記位相差検出手段によって検出された前記位相差と、に基づいて前記超音波モータの温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  3. 前記温度算出情報は、前記位相差と前記超音波モータの温度との対応関係を示すテーブル、又は前記位相差と前記超音波モータの温度との対応関係を示す数式であることを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
  4. 前記記憶手段には、当該超音波モータの駆動方向に応じた複数の前記温度算出情報が格納されていることを特徴とする請求項2に記載の超音波モータ。
  5. 前記温度算出手段は、前記位相差検出手段により検出された前記位相差について、所定期間における前記位相差の平均値を算出し、該平均値と前記温度算出情報とに基づいて前記超音波モータの温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  6. 当該超音波モータの駆動制御を行う制御手段を含み、
    前記制御手段は、前記温度算出手段によって算出された前記超音波モータの温度に基づいて、前記駆動信号を最適化する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  7. 前記制御手段は、前記温度算出手段によって算出された前記超音波モータの温度が所定値以上であると判断した場合、前記駆動信号生成手段による前記駆動信号の出力を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の超音波モータ。
  8. 振動子に、所定の位相差及び所定の駆動周波数の2相の交番電圧である駆動信号を印加することで楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動する超音波モータであって、
    前記駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
    前記振動子の振動状態を検出して振動検出信号を生成する振動検出手段と、
    前記駆動信号生成手段により生成された駆動信号と、前記振動検出手段により生成された振動検出信号と、の位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記位相差と前記超音波モータの温度との対応関係を示す温度算出情報が格納された記憶手段と、
    前記記憶手段に格納された前記温度算出情報と、前記位相差検出手段によって検出された前記位相差と、に基づいて前記超音波モータの温度を算出し、該温度に基づいて前記駆動信号を最適化する制御を行う制御手段と、
    を具備することを特徴とする超音波モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106052851A (zh) * 2016-05-31 2016-10-26 北京国网富达科技发展有限责任公司 高压输电线路微风振动传感器的准确度试验装置

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