JP2010233316A - 超音波モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動位相差制御による速度制御と、周波数追尾と、を両立し、低速度領域においても安定した駆動状態を得ることができる超音波モータを提供すること。
【解決手段】駆動位相差を変化させて駆動速度を制御する超音波モータに、次の速度制御回路111を具備させる。速度制御回路111は、目標速度に対応した駆動位相差の駆動信号を連続的に生成させる第1の動作モードと、互いに異なる複数の駆動位相差の駆動信号を目標速度に対応して周期的に生成させる第2の動作モードと、を目標速度に基づいて切り替える。前記互いに異なる複数の駆動位相差のうち少なくとも一つの駆動位相差は、前記振動検出信号の振幅値を、前記位相差検出部による位相差検出が可能な振幅値とする駆動位相差(第1の駆動位相差)である。周波数制御部は、第2の動作モードで動作している場合には、第1の駆動位相差の駆動信号による駆動期間中に周波数制御する。
【選択図】図1
【解決手段】駆動位相差を変化させて駆動速度を制御する超音波モータに、次の速度制御回路111を具備させる。速度制御回路111は、目標速度に対応した駆動位相差の駆動信号を連続的に生成させる第1の動作モードと、互いに異なる複数の駆動位相差の駆動信号を目標速度に対応して周期的に生成させる第2の動作モードと、を目標速度に基づいて切り替える。前記互いに異なる複数の駆動位相差のうち少なくとも一つの駆動位相差は、前記振動検出信号の振幅値を、前記位相差検出部による位相差検出が可能な振幅値とする駆動位相差(第1の駆動位相差)である。周波数制御部は、第2の動作モードで動作している場合には、第1の駆動位相差の駆動信号による駆動期間中に周波数制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧電素子等から成る振動子の振動を利用する超音波モータに関する。
近年、電磁型モータに代わる新しいモータとして、圧電素子などの振動子の振動を利用した超音波モータが注目されている。この超音波モータは、従来の電磁型モータと比較して、ギア無しで低速高推力が得られる点、保持力が高い点、ストロークが長く高分解能である点、静粛性に富む点、磁気的ノイズを発生せず磁気的ノイズの影響を受けない点等の利点を有している。
超音波モータでは、超音波振動子を、摩擦部材である駆動子を介して、相対運動部材である被駆動部材に押し付けることで、前記駆動子と前記被駆動部材との間に摩擦力を発生させ、この摩擦力によって前記被駆動部材を駆動する。
このような超音波モータの速度制御方法として、超音波振動子に印加する2相の駆動信号の位相差を制御することにより速度制御を行う方法が知られている。
超音波振動子に印加する駆動信号の位相差(駆動位相差)と駆動速度との関係は、駆動位相差90度のときの駆動速度が最大となり、駆動位相差が0度及び180度に向かって駆動速度が減少する特性を示す。なお、駆動位相差の調整範囲は0度〜90度、90度〜180度の何れの範囲においても速度制御は可能であるが、後者の範囲の方がより安定した制御が可能であるため、後者の範囲が用いられる。
ところで、超音波モータは、最適な駆動点(振動子に入力すべき駆動信号の周波数の値)が、負荷や温度により変化する。このため、最適な駆動点を維持し続ける為には、例えば、駆動信号と、振動子の振動をモニタした振動検出信号と、の位相差(以降、追尾位相差と称する)を一定値に保ち続けるように駆動周波数を変化させる駆動方法を採用することが好ましい。なお、このような駆動方法は周波数追尾と称されている。
このような周波数追尾を行う超音波モータに関する技術が、特許文献1に開示されている。
すなわち、特許文献1には、電気−機械エネルギー変換素子を駆動源とし、弾性体に縦振動及び屈曲振動を発生させて、それらの振動を合成し超音波楕円振動を起こす超音波振動子と、この超音波振動子の一部に押圧されて、超音波振動子に対して相対的に移動する被駆動部材とを具備する超音波リニアモータにおいて、上記超音波振動子は、駆動源としての少なくとも2つの積層型圧電素子と、弾性体としての基本弾性体及び該基本弾性体に対して接合された保持用弾性体とを備え、該各々の積層型圧電素子の両端部は前記保持用弾性体に対しつき当てて接合保持されていることを特徴とする超音波リニアモータが開示されている。
この特許文献1に開示されている技術によれば、超音波振動子の縦振動と屈曲振動とを独立に検出することが可能であり、それらの振動検出信号と駆動電圧信号との位相差が一定になるように駆動周波数を調整したり、振動検出信号の電圧が最大となるように駆動周波数を調整することで、周波数追尾を行うことが可能となる。
ところで、超音波モータの駆動特性として、低速度領域(駆動位相差が180度近傍)ほど駆動が不安定になる。そして、当然ながら、この低速度領域のような駆動が不安定な領域での駆動時ほど、周波数追尾の必要性は増す。
ここで、周波数追尾に用いる追尾周波数を算出する為の振動検出信号は、超音波振動子の縦振動についての振動検出信号である。そして、低速度領域においては、縦振動が小さい為、精度よく検出できない。従って、周波数追尾の必要性が大きい低速度領域において周波数追尾が困難になり、駆動がより不安定になってしまうという問題が存在する。
上述した特許文献1に開示されている技術は、このような問題に関して十分な配慮がなされているとは言い難い。
なお、屈曲振動は駆動位相差180度近傍でも検出できる為、追尾周波数を算出する為に屈曲振動を検出して振動検出信号を生成する方法も考えられる。しかしながら、屈曲振動は押圧状態や駆動状態の影響を受けやすい為、精度の観点からは、周波数追尾に屈曲振動についての振動検出信号を利用するのは好ましくない。
本発明は、前記の事情に鑑みて為されたものであり、駆動位相差制御による速度制御と、周波数追尾と、を両立し、低速度領域においても安定した駆動状態を得ることができる超音波モータを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による超音波モータは、2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、2相の駆動信号間の位相差である駆動位相差を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、前記駆動位相差を制御する速度制御部と、前記速度制御部による制御に基づいて前記2相の駆動信号を生成する信号生成部と、前記振動子の振動を検出して振動検出信号を生成する振動検出部と、前記2相の駆動信号のうち何れか1相の駆動信号と、前記振動検出信号と、の位相差を検出する位相差検出部と、前記位相差検出部により検出された位相差に基づいて、前記駆動信号の周波数を制御する周波数制御部と、を具備し、前記速度制御部は、目標駆動速度に対応した駆動位相差の駆動信号を前記信号生成部に連続的に生成させる第1の動作モードと、互いに異なる複数の駆動位相差の駆動信号を目標駆動速度に対応して前記信号生成部に周期的に生成させる第2の動作モードと、を目標駆動速度に基づいて切り替え、前記第2の動作モードにおいて前記信号生成部に生成させる前記互いに異なる複数の駆動位相差のうち少なくとも一つの駆動位相差は、前記振動検出信号の振幅値を、前記位相差検出部による位相差検出が可能な振幅値とする駆動位相差(第1の駆動位相差)であり、前記周波数制御部は、前記速度制御部が前記第2の動作モードで動作している場合には、前記第1の駆動位相差の駆動信号による駆動期間中に、前記周波数の制御を実行することを特徴とする。
本発明によれば、駆動位相差制御による速度制御と、周波数追尾と、を両立し、低速度領域においても安定した駆動状態を得ることができる超音波モータを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る超音波モータについて、図面を参照して説明する。なお、本一実施形態においては、説明の便宜上、超音波モータと該超音波モータを駆動する為の駆動装置とを互いに独立した別体の装置として捉え、これらの装置から成る構成を超音波モータシステムと称して説明する。しかしながら、この呼称はあくまでも説明の便宜上の呼称であって、駆動装置まで含めて一つの超音波モータとして捉えても勿論よい。
図1は、超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図である。図2は、超音波モータシステムの外観の一例を示す図である。図3は、超音波振動子の一構成例を示す図である。図4は、超音波振動子を構成する圧電積層体の縦振動を示す図である。図5は、圧電積層体の屈曲振動を示す図である。
図1及び図2に示すように超音波モータシステム1は、超音波モータ2と、超音波モータ2を駆動する駆動装置3と、を具備する。超音波モータ2は、超音波振動子4と、超音波振動子4により駆動される被駆動部材5と、を有する。
前記超音波振動子4は、図3に示すように、矩形板状の圧電セラミックスシート7の片側面にシート状の内部電極(不図示)を設けたものを複数枚積層してなる直方体状の圧電積層体9と、該圧電積層体9のうち前記被駆動部材5に対向する面に例えば接着等されて設けられた2個の摩擦接触子10と、を備えている。
なお、符号11が付されているのは外部電極である。各外部電極11には、同種の圧電セラミックスシート7の同一位置に配される全ての内部電極(不図示)が接続されている。これにより、同種の圧電セラミックスシート7の同一位置に配される内部電極(不図示)は、同一の電位とされるようになっている。
なお、外部電極11は、配線(不図示)を介して制御器(不図示)に接続される。配線は、リード線、フレキシブル基板等、可撓性を有する配線であれば任意のものでよい。
以下、圧電積層体9の動作について説明する。
まず、圧電積層体9の長手方向における一端面に形成された4つの外部電極11は、図3において上側から順に、振動検出用のC相であるC−,C+に対応する内部電極(不図示)、駆動用のB相であるB−,B+に対応する内部電極(不図示)に接続された外部電極11である。他方、圧電積層体9の長手方向における他端面に形成された2つの外部電極11は、駆動用のA相であるA+,A−に対応する内部電極(不図示)に接続された外部電極11である。
ここで、A相及びB相に同位相で共振周波数又はその近傍の周波数に対応する周波数の交番電圧を加えると、図4に示すような1次の縦振動が励起される。また、A相とB相とに逆位相で共振周波数に対応する交番電圧を加えると、図5に示されるような2次の屈曲振動が励起される。図4及び図5は、有限要素法によるコンピュータ解析結果を示す図である。
ここで、圧電積層体9に1次の縦振動が発生したときには、摩擦接触子10が圧電積層体9の長さ方向(図4に示されるX方向)に変位させられる。他方、圧電積層体9に2次の屈曲振動が生じたときには、摩擦接触子10が、圧電積層体9の幅方向(図5に示されるZ方向)に変位させられる。
従って、A相とB相とに対応する外部電極11にそれぞれ、位相が90°ずれた共振周波数又はその近傍の周波数に対応する周波数の駆動交番電圧を加える。これにより圧電積層体9においては、1次の縦振動と2次の屈曲振動とが同時に発生して摩擦接触子10の位置で時計回りまたは反時計回りの略楕円振動が生じる(図3における矢印C参照)。
また、超音波振動子に発生している縦振動に応じた電荷が検出用の内部電極(不図示)に励起されることにより、C相(C+,C一)の外部電極11を介して縦振動に比例した信号(以下、この信号を「振動検出信号」と称する)が検出される。すなわち、本例では、被駆動部材の相対的な移動方向が縦振動方向である場合を想定している。前記振動検出信号は、駆動装置3(図1及び図2参照)に供給され、超音波振動子4の制御等に用いられる。
換言すれば、振動検出相であるC相は、超音波振動子4の振動の大きさ(被駆動部材5の相対的な移動方向と平行な振動成分の大きさ)に応じた振動検出信号を発生する。そして、この振動検出信号は、後述する位相差検出回路107に入力される。
以下、図1を参照して、前記駆動装置3について詳細に説明する。駆動装置3は、発振回路101と、移相回路103と、電力増幅回路105と、位相差検出回路107と、周波数制御回路109と、速度制御回路111と、を有する。
前記発振回路101は、周波数制御回路109から出力される周波数制御信号により決定される交番信号を生成する回路であり、この生成した交番信号を移相回路103に供給する。
前記移相回路103は、速度制御回路111から出力される駆動位相差制御信号により決定される駆動位相差θを有する2相の駆動信号を発生し、この駆動信号を電力増幅回路105に供給する。
前記電力増幅回路105は、移相回路103により生成された2相の駆動信号を電力増幅して駆動電圧信号を出力する回路であり、この増幅した駆動電圧信号を前記超音波モータ2に供給する。超音波モータ2は、この供給された駆動電圧信号により駆動される。
前記位相差検出回路107は、前記駆動電圧信号と、前記振動検出信号と、の位相差である追尾位相差φを検出し、この追尾位相差φに応じた追尾位相差情報を、周波数制御回路109に供給する。
前記周波数制御回路109は、前記追尾位相差情報に基づいて、追尾位相差φが所定の値となるように、超音波モータ2に印加する駆動信号の周波数を制御する。
前記速度制御回路111は、超音波モータ2の速度が予め設定された目標駆動速度となるように制御を行う。
以下、図6A及び図6Bを参照して、周波数追尾の概念を説明する。図6A及び図6Bは、超音波モータ2に印加する駆動電圧信号の周波数(駆動周波数)と、駆動速度と、の相関関係の一例を示す図である。
図6Aに示すように、駆動周波数が共振周波数のときに駆動速度は最大となる。そして、駆動周波数が、共振周波数よりも低い周波数領域において低い方に遷移する場合には急激に駆動速度が減少する。一方、駆動周波数が、共振周波数よりも高い周波数領域において高い方に遷移する場合には徐々に駆動速度が減少する。
通常、駆動周波数が共振周波数よりも低い周波数領域においては、超音波モータ2は安定した動作を行うことができない為、駆動周波数が共振周波数よりも高い周波数領域において駆動しなくてはならない。
ここで、駆動周波数と振動検出信号との位相差である追尾位相差φと、駆動周波数と、の関係は、図6Bに示す特性で表される。すなわち、駆動周波数が共振周波数近傍の領域において、駆動周波数に対する追尾位相差φの変化率が最大となる。
従って、追尾位相差φを検出し、この追尾位相差φの値が図6Bに示すΦL乃至ΦUの範囲内に収まるように駆動周波数を制御することにより、共振周波数近傍であって且つ共振周波数よりも高い駆動周波数で安定して超音波モータを駆動することができる。
以下、図7A及び図7Bを参照して、本一実施形態に係る超音波モータに特有の動作制御の概要について説明する。本一実施形態においては、前記速度制御回路111は、目標駆動速度に応じて、後述する“第1の動作モード”又は“第2の動作モード”に切り替えて動作する。
《第1の動作モード》
第1の動作モードは、目標駆動速度の値が閾値速度Vth以上である場合に実行する動作モードである。この第1の動作モードにおいては、所定の駆動位相差の駆動電圧信号を連続的に発生させるように、駆動位相差を制御することで速度制御を行う。
第1の動作モードは、目標駆動速度の値が閾値速度Vth以上である場合に実行する動作モードである。この第1の動作モードにおいては、所定の駆動位相差の駆動電圧信号を連続的に発生させるように、駆動位相差を制御することで速度制御を行う。
前記閾値速度Vthは、振動検出信号の振幅値が『追尾位相差を検出することが可能な最小の振幅値A』となる時の駆動位相差θthに対応する駆動速度である。
上述したように第1の動作モードは、目標駆動速度の値が閾値速度Vth以上である場合の駆動に用いる動作モードであり、速度制御回路111は、目標駆動速度に応じて所定の駆動位相差の駆動電圧信号で連続的に駆動するような駆動位相差制御信号を生成する。
また、駆動開始直後の超音波モータの振動が安定するまでの予備振動期間が経過した後は、速度制御回路111は、周波数制御回路109に対して周波数制御許可信号(周波数追尾の実行を許可する信号)をONとし、常時、周波数追尾制御が行われるようにする。
《第2の動作モード》
第2の動作モードは、目標駆動速度の値が閾値速度Vth未満である場合に実行する動作モードである。換言すれば、従来の技術では精度の良い周波数追尾を行うことが非常に困難な駆動速度時に実行する動作モードである。
第2の動作モードは、目標駆動速度の値が閾値速度Vth未満である場合に実行する動作モードである。換言すれば、従来の技術では精度の良い周波数追尾を行うことが非常に困難な駆動速度時に実行する動作モードである。
この第2の動作モードにおいては、互いに異なる複数の駆動位相差の駆動電圧信号を周期的に発生させて駆動を行い、駆動位相差を制御することで速度制御を行う。詳細には、『目標駆動速度の値が閾値速度Vth未満である場合であっても周波数追尾を可能にする』為に、次のような駆動制御を行う。
以下、図8を参照して、第2の動作モードについて詳細に説明する。
第2の動作モードにおいては、図8に示すように、駆動電圧信号としては、駆動位相差θ1となる駆動電圧信号と、駆動位相差θ2となる駆動電圧信号と、の2種類の駆動電圧信号を周期的に発生させる。これら駆動位相差θ1、θ2は、具体的には次のように設定する。
<駆動位相差θ1>
駆動位相差θ1は、90°〜180°の範囲内において、『位相差検出回路107による追尾位相差φの検出が可能な振幅の振動検出信号を得られる』値の駆動位相差に設定する。
駆動位相差θ1は、90°〜180°の範囲内において、『位相差検出回路107による追尾位相差φの検出が可能な振幅の振動検出信号を得られる』値の駆動位相差に設定する。
ここで、駆動位相差と振動検出信号振幅との関係は、図7Bに示すように、駆動位相差が0°の時に振動検出信号の振幅値は最大となり、駆動位相差が180°に近付くに従って振動検出信号の振幅値は減少する。
図7Bに示すように或る駆動位相差において、振動検出信号の振幅値が、位相差検出回路107により振動検出信号の位相を検出できる下限値Aとなる。このときの駆動位相差をθthとし、駆動位相差θ1の値を90°以上θth以下となるように設定する。
そして、駆動位相差θ1での駆動期間をT1とすると、駆動期間T1は、駆動位相差θ1で駆動を開始してから超音波モータ2の振動が安定するまでの予備振動期間と、周波数制御回路109により周波数制御を行う為に最低限必要となる期間と、を加えた期間となるように設定する。
<駆動位相差θ2>
駆動位相差θ2での駆動期間をT2とする。すると、駆動位相差θ2は、上述した駆動期間T1と、駆動期間T2と、から成る駆動期間T0における平均駆動速度が、目標駆動速度となるように(駆動期間T1における駆動速度と目標駆動速度との速度さを相殺するように)、駆動期間T2における駆動位相差θ2を、θth〜180°の範囲内で目標駆動速度以下の速度に対応する値に設定する。
駆動位相差θ2での駆動期間をT2とする。すると、駆動位相差θ2は、上述した駆動期間T1と、駆動期間T2と、から成る駆動期間T0における平均駆動速度が、目標駆動速度となるように(駆動期間T1における駆動速度と目標駆動速度との速度さを相殺するように)、駆動期間T2における駆動位相差θ2を、θth〜180°の範囲内で目標駆動速度以下の速度に対応する値に設定する。
さらに、駆動期間T2を、
(T1期間の移動距離+T2期間の移動距離)/(T1+T2)=目標駆動速度
を満たすように設定する。
(T1期間の移動距離+T2期間の移動距離)/(T1+T2)=目標駆動速度
を満たすように設定する。
前記速度制御回路111は、駆動期間T1のうち、予備振動期間終了後の期間のみ、周波数制御許可信号を、周波数制御回路109に出力する。前記周波数制御回路109は周波数制御許可信号が入力されている期間のみ、追尾位相差情報に基づいた周波数追尾制御を行う。
以上説明したように、本一実施形態によれば、駆動位相差制御による速度制御と、周波数追尾と、を両立し、低速度領域においても安定した駆動状態を得ることができる超音波モータを提供することができる。
具体的には、目標駆動速度が閾値速度Vth以上の場合、すなわち追尾位相差φを検出する為に十分な大きさの振動検出信号の振幅値を得られる場合には、常時周波数追尾制御を実行する(第1の動作モード)。一方、目標駆動速度が閾値速度Vth未満の場合、すなわち振動検出信号の振幅が小さく追尾位相差φの検出が困難な低速度の場合には、追尾位相差φを検出する為に必要な振幅値を得られる駆動位相差θ1を含む2つの互いに異なる駆動位相差の駆動信号を周期的に発生させて、低速度駆動を行うと共に、駆動位相差θ1による駆動期間でのみ周波数追尾制御を実行する(第2の動作モード)。このような駆動制御を行うことにより、従来の技術では振動検出信号の振幅が小さくなってしまう為に追尾位相差φの検出が不安定な駆動速度範囲においても、周波数追尾制御を実行することができ、安定した駆動を実現した超音波モータを提供することができる。
つまり、本一実施形態に係る超音波モータによれば、高速から低速まで全速度領域において安定した駆動を行うことができる。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、例えば次のような変形及び応用が可能なことは勿論である。
[第1変形例]
本第1変形例においては、第2の動作モード時の駆動制御における駆動位相差の切り替えを連続的又は段階的に行う。以下、図9A乃至図9Cを参照して詳細に説明する。
本第1変形例においては、第2の動作モード時の駆動制御における駆動位相差の切り替えを連続的又は段階的に行う。以下、図9A乃至図9Cを参照して詳細に説明する。
図9Aに示す例は、前記一実施形態に係る超音波モータにおける第2の動作モード時の駆動位相差の切り替えの一例を示す図である。同図に示す例では、駆動位相差θ1と駆動位相差θ2との切り替えを非連続的に行っている。
図9Bに示す例は、本第1変形例における第2の動作モード時の駆動位相差の切り替えの一例を示す図である。同図に示す例では、駆動位相差θ1と駆動位相差θ2との切り替えを連続的に行っている。
図9Cに示す例は、本第1変形例における第2の動作モード時の駆動位相差の切り替えの一例を示す図である。同図に示す例では、駆動位相差θ1と駆動位相差θ2との切り替えを段階的に(ステップ状に)行っている。換言すれば、駆動位相差θ2よりも大きく且つ駆動位相差θ1よりも小さい値の駆動位相差に一旦設定した後に、目的とする駆動位相差へ切り替える。これにより、駆動位相差の切り替え時の変化率を小さくすることができる。
以上説明したように、本第1変形例によれば、前記第1実施形態に係る超音波モータと同様の効果を奏する上に、駆動時の静音性をより高めた超音波モータを提供することができる。
この他にも、第2の動作モードにおいて、以下のような駆動制御を行うことでも駆動時の静音性をより高めることが可能である。
(制御方法1)駆動位相差θ1の駆動時間T1と、駆動位相差θ2の駆動時間T2の比率を一定に保持したまま、駆動電圧信号の周期T0の値をランダムに設定する。
(制御方法2)駆動位相差θ1の駆動期間T1と、駆動位相差θ2の駆動期間T2と、の比率を駆動時の平均速度が変化しない範囲でランダムに設定する。
(制御方法3)平均速度が変化しない範囲で、人間の可聴帯域の上限である20kHzを超えるように、駆動電圧信号の周期T0を設定する。
なお、第2の動作モード時における駆動位相差θ1は、上述したように90°以上θth以下の範囲の値であれば良いが、θ1=θthと設定すると、駆動位相差θ1の駆動期間T1の駆動速度を最も低くすることができ、駆動位相差の切り替え時の変化率をより小さくすることができる。つまり、第2の動作モード時において、駆動位相差の切り替えの際に生じる速度変動(脈動)を小さくすることができる。
[第2変形例]
以上説明した例においては、超音波モータ2の被駆動部材5の相対的な移動方向が縦振動方向である場合を前提としている。
以上説明した例においては、超音波モータ2の被駆動部材5の相対的な移動方向が縦振動方向である場合を前提としている。
しかしながら、被駆動部材5の相対的な移動方向を屈曲振動方向とした場合であっても、上述した例を適用することができ、同様の効果を得ることができる。この場合には、振動検出信号として、超音波振動子4の屈曲振動成分の振動振幅の大きさを検出し、図10A、図10Bに示すように駆動する。
具体的には、前記速度制御回路111は、駆動位相差90°〜0°の範囲内の値を用いて速度制御を行う。第1の動作モード時の駆動位相差は90°〜θth’の範囲内で目標駆動速度に応じて変化させる。第2の動作モード時における駆動位相差θ1は90°〜θth’の範囲内、駆動位相差θ2はθth’〜0°の範囲内で、目標駆動速度に応じて変化させれば良い。なお、θth’とは、振動検出信号の振幅値が追尾位相差を検出することが可能な最も小さい振幅値Aとなるときの駆動位相差である。
以上説明したように、本第2変形例によれば、前記第1実施形態に係る超音波モータと同様の効果を奏する超音波モータを提供することができる。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示した複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示す全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
φ…追尾位相差、 Vth…閾値速度、 θth,θ1,θ2…駆動位相差、 T1,T2,T0…駆動期間、 1…超音波モータシステム、 2…超音波モータ、 3…駆動装置、 4…超音波振動子、 5…被駆動部材、 7…圧電セラミックスシート、 9…圧電積層体、 10…摩擦接触子、 11…外部電極、 90…駆動位相差、 101…発振回路、 103…移相回路、 105…電力増幅回路、 107…位相差検出回路、 109…周波数制御回路、 111…速度制御回路、 180…駆動位相差。
Claims (6)
- 2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、2相の駆動信号間の位相差である駆動位相差を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、
前記駆動位相差を制御する速度制御部と、
前記速度制御部による制御に基づいて前記2相の駆動信号を生成する信号生成部と、
前記振動子の振動を検出して振動検出信号を生成する振動検出部と、
前記2相の駆動信号のうち何れか1相の駆動信号と、前記振動検出信号と、の位相差を検出する位相差検出部と、
前記位相差検出部により検出された位相差に基づいて、前記駆動信号の周波数を制御する周波数制御部と、
を具備し、
前記速度制御部は、
目標駆動速度に対応した駆動位相差の駆動信号を前記信号生成部に連続的に生成させる第1の動作モードと、互いに異なる複数の駆動位相差の駆動信号を目標駆動速度に対応して前記信号生成部に周期的に生成させる第2の動作モードと、を目標駆動速度に基づいて切り替え、
前記第2の動作モードにおいて前記信号生成部に生成させる前記互いに異なる複数の駆動位相差のうち少なくとも一つの駆動位相差は、前記振動検出信号の振幅値を、前記位相差検出部による位相差検出が可能な振幅値とする駆動位相差(第1の駆動位相差)であり、
前記周波数制御部は、
前記速度制御部が前記第2の動作モードで動作している場合には、前記第1の駆動位相差の駆動信号による駆動期間中に、前記周波数の制御を実行する
ことを特徴とする超音波モータ。 - 前記速度制御部は、
前記目標駆動速度が所定の閾値速度以上である場合には、第1の動作モードで動作し、
前記目標駆動速度が所定の閾値速度未満の場合には、第2の動作モードで動作する
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。 - 前記所定の閾値速度は、
前記振動検出信号の振幅値を、前記位相差検出部による位相差検出が可能な最小の振幅値とする駆動位相差に対応する駆動速度である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波モータ。 - 前記速度制御部は、
前記第1の駆動位相差を、前記所定の閾値速度に対応する駆動位相差に設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の超音波モータ。 - 前記互いに異なる複数の駆動位相差は、前記第1の駆動位相差と、前記第1の駆動位相差とは異なる第2の駆動位相差と、から構成され、
前記速度制御部は、前記第1の駆動位相差と、前記第2の駆動位相差と、の切り替えにおいては、連続的に駆動位相差を変化させる制御を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波モータ。 - 前記互いに異なる複数の駆動位相差は、第1の駆動位相差と、前記第1の駆動位相差とは異なる第2の駆動位相差と、から構成され、
前記速度制御部は、前記第1の駆動位相差と、前記第2の駆動位相差と、の切り替えにおいては、段階的に駆動位相差を変化させる制御を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波モータ。
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