JP2010183816A - 超音波モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低速駆動を行う場合であっても、速度特性のばらつきを小さくした超音波モータを提供すること。
【解決手段】パルスデューティ比と駆動速度との関係を示す特性直線上の駆動点を切り替えて駆動速度を制御する制御CPU22を、超音波モータに具備させる。この制御CPU22は、パルスデューティ比、駆動周波数、及び駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点のうち、所望の駆動速度の駆動点のうちパルスデューティ比が最も大きい値である駆動点と、駆動速度が零であり且つパルスデューティ比が最も小さい値である駆動点と、を結んで成る理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を順次切り替えて、駆動速度を変化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電素子等から成る振動子の振動を利用する超音波モータに関する。
近年、電磁型モータに代わる新しいモータとして、圧電素子などの振動子の振動を利用した超音波モータが注目されている。この超音波モータは、従来の電磁型モータと比較して、ギア無しで低速高推力が得られる点、保持力が高い点、ストロークが長く高分解能である点、静粛性に富む点、磁気的ノイズを発生せず磁気的ノイズの影響を受けない点等の利点を有している。
超音波モータでは、超音波振動子を、摩擦部材である駆動子を介して、相対運動部材である被駆動部材に押し付けることで、前記駆動子と前記被駆動部材との間に摩擦力を発生させ、この摩擦力によって前記被駆動部材を駆動する。
このような超音波モータに関連する技術として、例えば特許文献1には次のような技術が開示されている。すなわち、特許文献1には、駆動用の電気機械変換素子および振動検出用の電気機械変換素子を備え、前記駆動用の電気機械変換素子に所定の位相差および所定の駆動周波数の2相の交番電圧を供給することにより、異なる2つの振動モードを同時に発生させて出力端に略楕円振動を生じさせる超音波振動子を備える超音波モータの運転方法であって、前記超音波振動子の出力端を被駆動体に押し付ける押圧力が、前記振動検出用の電気機械変換素子から出力された信号に基づいて、2つの振動モードの機械的共振周波数を一致させるように設定されている超音波モータの運転方法が開示されている。
特許文献1に開示されている技術によれば、複数の振動モードを同時に発生させる超音波モータにおいて、各振動モードを効率よく発生させて、安定して高いモータ出力を得ることができる。
特開2006−304425号公報
ところで、超音波モータの速度制御方法の一つとして、駆動信号のパルスデューティ比を利用した速度制御方法が知られている。この速度制御方法では、駆動信号のパルスデューティ比を変化させることで、振動子に入力する平均的な駆動交番電圧を変化させて超音波モータの駆動速度を制御する。このように、パルスデューティ比を用いた速度制御方法では、駆動交番電圧を変化させるので低速度駆動時に消費電力を低減できるという利点がある。
しかしながら、単純にパルスデューティ比を変化させた場合、駆動速度が低速度の領域において、各々の超音波モータの個体差によって速度特性にばらつきが生じてしまう場合がある。
本発明は、前記の事情に鑑みて為されたものであり、低速駆動を行う場合であっても、速度特性のばらつきを小さくした超音波モータを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様による超音波モータは、2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、前記駆動信号のパルスデューティ比が50%乃至100%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点を切り替えて、前記駆動速度を制御する制御部を具備し、前記制御部は、駆動速度を減少させる場合には、駆動周波数の値を変化させずにパルスデューティ比を増加させて駆動点を切り替え、該駆動点で所定時間だけ駆動した後、パルスデューティ比を変化させずに駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数に近付ける値に設定して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行し、駆動速度を増加させる場合には、駆動周波数の値を変化させずにパルスデューティ比を減少させて駆動点を切り替え、該駆動点で所定時間だけ駆動した後、パルスデューティ比を変化させずに駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数から遠ざける値に設定して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行することを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第2の態様による超音波モータは、2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、前記パルスデューティ比が50%乃至100%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点のうち、所望の駆動速度の駆動点のうちパルスデューティ比が最も小さい値である駆動点と、駆動速度が零であり且つパルスデューティ比が最も大きい値である駆動点と、を結んで成る理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を順次切り替えて、前記駆動速度を変化させる制御部を具備し、前記制御部は、駆動速度を減少させる場合には、前記理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を所望の速度分解能に応じた数だけ選択し、駆動周波数を前記振動子の共振周波数に近付ける方向且つパルスデューティ比を増加させる方向に、前記選択した駆動点を順次切り替えていく制御を行い、駆動速度を増加させる場合には、前記理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を所望の速度分解能に応じた数だけ選択し、駆動周波数を前記振動子の共振周波数から遠ざける方向且つパルスデューティを減少させる方向に、前記選択した駆動点を順次切り替えていく制御を行うことを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第3の態様による超音波モータは、2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、前記パルスデューティ比が50%乃至100%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点を切り替えて、前記駆動速度を変化させる制御部を具備し、前記制御部は、駆動速度を減少させる場合には、パルスデューティ比を増加させて駆動点を切り替えていき、パルスデューティ比が予め定められた所定の値に達すると、駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数に近付ける値に変更して駆動点を切り替える制御を、所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行し、駆動速度を増加させる場合には、パルスデューティ比を減少させて駆動点を切り替えていき、パルスデューティ比が予め定められた所定の値に達すると、駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数から遠ざける値に変更して駆動点を切り替える制御を、所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行することを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第4の態様による超音波モータは、2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、前記駆動信号のパルスデューティ比が0%乃至50%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点を切り替えて、前記駆動速度を制御する制御部を具備し、前記制御部は、駆動速度を減少させる場合には、駆動周波数の値を変化させずにパルスデューティ比を減少させて駆動点を切り替え、該駆動点で所定時間だけ駆動した後、パルスデューティ比を変化させずに駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数に近付ける値に設定して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行し、駆動速度を増加させる場合には、駆動周波数の値を変化させずにパルスデューティ比を増加させて駆動点を切り替え、該駆動点で所定時間だけ駆動した後、パルスデューティ比を変化させずに駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数から遠ざける値に設定して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行することを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第5の態様による超音波モータは、2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、前記パルスデューティ比が0%乃至50%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点のうち、所望の駆動速度の駆動点のうちパルスデューティ比が最も大きい値である駆動点と、駆動速度が零であり且つパルスデューティ比が最も小さい値である駆動点と、を結んで成る理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を順次切り替えて、前記駆動速度を変化させる制御部を具備し、前記制御部は、駆動速度を減少させる場合には、前記理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を所望の速度分解能に応じた数だけ選択し、駆動周波数を前記振動子の共振周波数に近付ける方向且つパルスデューティ比を減少させる方向に、前記選択した駆動点を順次切り替えていく制御を行い、駆動速度を増加させる場合には、前記理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を所望の速度分解能に応じた数だけ選択し、駆動周波数を前記振動子の共振周波数から遠ざける方向且つパルスデューティを増加させる方向に、前記選択した駆動点を順次切り替えていく制御を行うことを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第6の態様による超音波モータは、2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、前記パルスデューティ比が0%乃至50%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点を切り替えて、前記駆動速度を変化させる制御部を具備し、前記制御部は、駆動速度を減少させる場合には、パルスデューティ比を減少させて駆動点を切り替えていき、パルスデューティ比が予め定められた所定の値に達すると、駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数に近付ける値に変更して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行し、駆動速度を増加させる場合には、パルスデューティ比を増加させて駆動点を切り替えていき、パルスデューティ比が予め定められた所定の値に達すると、駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数から遠ざける値に設定して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行することを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第7の態様による超音波モータは、第1の態様乃至第6の態様のうち何れか一つの態様による超音波モータであって、前記パルスデューティ比と前記駆動周波数とが一対一で対応付けされた複数の組からなる駆動点パラメータテーブルを格納する記憶手段を含み、前記制御部は、前記駆動点パラメータテーブルに基づいて駆動点の切り替えを行うことで速度制御を実行することを特徴とする。
本発明によれば、低速駆動を行う場合であっても、速度特性のばらつきを小さくした超音波モータを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図。 超音波振動子の一構成例を示す図。 圧電積層体の縦振動を示す図。 圧電積層体の屈曲振動を示す図。 駆動装置の内部概略構成を示す図。 ドライブ回路の一構成例を示す図。 ドライブ回路に信号生成回路から各種駆動交番信号が入力された場合における入出力値の真理値表を示す図。 駆動速度−パルスデューティ特性グラフを示す図。 駆動交番電圧OUTA+,OUTA−の一例を示す図。 駆動交番電圧OUTA+と駆動交番電圧OUTA−との差を示す図。 駆動交番電圧OUTA+,OUTA−の一例を示す図。 駆動交番電圧OUTA+と駆動交番電圧OUTA−との差を示す図。 駆動交番電圧OUTA+,OUTA−の一例を示す図。 駆動交番電圧OUTA+と駆動交番電圧OUTA−との差を示す図。 駆動交番電圧OUTA+,OUTA−の一例を示す図。 駆動交番電圧OUTA+と駆動交番電圧OUTA−との差を示す図。 駆動交番電圧OUTA+,OUTA−の一例を示す図。 駆動交番電圧OUTA+と駆動交番電圧OUTA−との差を示す図。 パルスデューティ比が0〜50%の範囲内におけるパルスデューティ比と駆動速度との関係の特性グラフを示す図。 パルスデューティ比が50〜100%の範囲内におけるパルスデューティ比と駆動速度との関係の特性グラフを示す図。 パルスデューティ比と駆動速度との関係の特性グラフを示す図。 駆動点選択方法例1により選択された駆動点を示す図。 駆動点選択方法例2により選択された駆動点を示す図。 パルスデューティ比と駆動周波数とを一対一に対応させた組み合わせ(ペア)から成る駆動点テーブルの一例を示す図。 駆動点テーブルにおける指示値と駆動速度との関係の一例を示す図。
以下、本発明の一実施形態に係る超音波モータについて、図面を参照して説明する。なお、本一実施形態においては、説明の便宜上、超音波モータと該超音波モータを駆動する為の駆動装置とを互いに独立した別体の装置として捉え、これらの装置から成る構成を超音波モータシステムと称して説明する。しかしながら、このような呼称はあくまでも説明の便宜上の呼称であって、駆動装置まで含めて一つの超音波モータとして捉えても勿論よい。
図1は、超音波モータシステムの概略一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように超音波モータシステム1は、超音波モータ2と、超音波モータ2を駆動する駆動装置3と、を具備する。超音波モータ2は、超音波振動子4と、超音波振動子4により駆動される被駆動体5と、を有する。
前記超音波振動子4は、図2に示すように、矩形板状の圧電セラミックスシート7の片側面にシート状の内部電極(不図示)を設けたものを複数枚積層してなる直方体状の圧電積層体9と、該圧電積層体9のうち前記被駆動体5に対向する面に例えば接着等されて設けられた2個の摩擦接触子10と、を備えている。
なお、符号11が付されているのは外部電極である。各外部電極11には、同種の圧電セラミックスシート7の同一位置に配される全ての内部電極(不図示)が接続されている。これにより、同種の圧電セラミックスシート7の同一位置に配される内部電極(不図示)は、同一の電位とされるようになっている。
なお、外部電極11は、配線(不図示)を介して制御器(不図示)に接続される。配線は、リード線、フレキシブル基板等、可撓性を有する配線であれば任意のものでよい。
以下、圧電積層体9の動作について説明する。
まず、圧電積層体9の長手方向における一端面に形成された4つの外部電極11は、図2において上側から順に、振動検出用のC相であるC−,C+に対応する内部電極(不図示)、駆動用のB相であるB−,B+に対応する内部電極(不図示)に接続された外部電極11である。他方、圧電積層体9の長手方向における他端面に形成された2つの外部電極11は、駆動用のA相であるA+,A−に対応する内部電極(不図示)に接続された外部電極11である。
ここで、A相及びB相に同位相で共振周波数又はその近傍の周波数に対応する周波数の交番電圧を加えると、図3に示すような1次の縦振動が励起される。また、A相とB相とに逆位相で共振周波数に対応する交番電圧を加えると、図4に示されるような2次の屈曲振動が励起される。図3及び図4は、有限要素法によるコンピュータ解析結果を示す図である。
ここで、圧電積層体9に1次の縦振動が発生したときには、摩擦接触子10が圧電積層体9の長さ方向(図3に示されるX方向)に変位させられる。他方、圧電積層体9に2次の屈曲振動が生じたときには、摩擦接触子10が、圧電積層体9の幅方向(図4に示されるZ方向)に変位させられる。
従って、A相とB相とに対応する外部電極11にそれぞれ、位相が90°ずれた共振周波数又はその近傍の周波数に対応する周波数の駆動交番電圧を加える。これにより圧電積層体9においては、1次の縦振動と2次の屈曲振動とが同時に発生して摩擦接触子10の位置で時計回りまたは反時計回りの略楕円振動が生じる(図2における矢印C参照)。
また、超音波振動子に発生している縦振動に応じた電荷が検出用の内部電極(不図示)に励起されることにより、C相(C+,C一)の外部電極11を介して縦振動に比例した信号(以下、この信号を「振動検出信号」という。)が検出される。この振動検出信号は、駆動装置3(図1参照)に供給され、超音波振動子4の制御等に用いられる。
以下、前記駆動装置3について詳細に説明する。図5は、駆動装置3の内部概略構成を示す図である。図5に示すように、駆動装置3は、発振回路(基準信号生成手段)21と、制御CPU22と、信号制御回路23と、パラメータテーブル24と、信号生成回路25と、信号出力制御回路26と、位相差検出回路28と、ドライブ回路30と、エンコーダ33と、エンコーダ信号処理回路35と、モニタ信号制御回路40と、を有する。
前記パラメータテーブル24は、駆動周波数、駆動位相差(A相の駆動信号とB相の駆動信号との位相差)、分割信号、パルスエッジ遅れ、追尾位相差、パルスデューティ比等の各種パラメータの設定値、エンコーダ33のカウント値、及び駆動周波数とパルスデューティ比とが対応付けされて成る速度制御の為の駆動点テーブル(詳細は後述する)等を格納する。
前記発振回路21は、基準信号(クロック信号)を生成し、信号制御回路23、信号生成回路25、信号出力制御回路26、及び位相差検出回路28に出力する。
前記制御CPU22は、パラメータテーブル24に各種パラメータを設定して、超音波振動子4の駆動信号を制御する。また、パラメータテーブル24から各種パラメータ(位相差,エンコーダカウント値等)を読み出し、位置制御、速度制御処理等を行う。すなわち、制御CPU22は、パラメータテーブル24及び後述する位相差検出回路28からのフィードバック値等に基づいて、基準駆動信号の周波数指令値、及びA相B相の位相差指令値等を作成し、出力する。
前記信号制御回路23は、前記発振回路21から入力される基準信号S1と制御CPU22から入力される周波数指令値とに基づいて、所定の周波数のパルス信号である基準駆動信号S2を生成し、これを信号生成回路25に出力する。ここで、制御CPU22は、基準駆動信号の周波数を超音波振動子4の共振周波数またはその近傍の周波数に設定するための周波数指令値を、信号制御回路23に与える。従って、信号制御回路23からは超音波振動子4の共振周波数と略同じ周波数の基準駆動信号が出力される。
より詳細には、信号制御回路23は、周波数制御回路、位相差制御回路、及びパルスエッジ遅れ制御回路から成る。
信号制御回路23は、前記周波数制御回路として、パラメータテーブル24における周波数の設定値に基づき、発振回路21の出力である基準信号のパルス数を基準にして、駆動信号の周波数を決める基準駆動信号を出力する。
信号制御回路23は、前記位相差制御回路として、パラメータテーブル24における位相差の設定値に基づき、発振回路21の出力である基準信号のパルス数を基準にして、2つの駆動信号であるA相信号とB相信号との位相差を制御する。
前記信号出力制御回路26は、制御CPU22から当該信号出力制御回路26を介して、直接信号生成回路25の出力のON/OFF、A相信号、B相信号の出力順を制御することができる。また、信号出力制御回路26は、パラメータテーブル24に設定された設定値に基づき、信号生成回路25から出力する駆動信号のパルス数や間欠駆動を行うための出力休止時間を制御する。
前記信号生成回路25は、基準駆動信号S2と制御CPU22からのA相B相の位相差指令値とに基づいて、位相差が90°であるA相の基準駆動信号とB相の基準駆動信号とを生成する。なお、出力のON/OFF制御は、信号出力制御回路26によって行われる。
前記ドライブ回路30は、図6に示すように、スイッチング素子で構成されたHブリッジ回路31とインピーダンスマッチング及び昇圧用のコイル32とを備えている。このドライブ回路30に、前記信号生成回路25から各種駆動交番信号が入力されると、図7に示す真理値表に従って、各駆動交番電圧OUTA+、OUTA−、OUTB+、OUTB−が出力される。
このとき、ドライブ回路30はコイル32を有しているので、パルス信号である駆動交番信号は、コイル32の働きにより正弦波に近い波形に変換され、正弦波に近いA相、B相の駆動交番電圧が、超音波振動子4が備えるA相(A+,A−)、B相(B+,B−)の外部電極11にそれぞれ印加される。
ここで、超音波振動子4に励起されている縦振動は、C相(C+,C−)の内部電極により検出され、この縦振動に比例する電気信号がC相(C+,C−)の外部電極11を介して位相差検出回路28に入力される。また、位相差検出回路28には、信号生成回路25から何れか一つの駆動交番信号(例えばA相プラス側の駆動交番信号)が入力される。
そして、位相差検出回路28は、超音波振動子4の外部電極11を介して入力された振動検出信号と、信号生成回路25から入力された駆動交番信号と、の位相差を検出し、該位相差をパラメータテーブル24に出力する。
前記モニタ信号制御回路40は、外部電極11からの出力信号を波形整形して2値化して前記位相差検出回路28に出力する。
次に、上述したような構成を備える駆動装置3により実現される超音波モータ2の駆動方法について説明する。まず、超音波モータ2の起動時において、発振回路21から信号制御回路23に基準信号が入力される。一方、制御CPU22は、パラメータテーブルに設定されている超音波モータ2の駆動周波数を読み出し、この周波数を周波数指令値として信号制御回路23に与える。
また、制御CPU22は、パラメータテーブル24から初期値として設定されているA相とB相との位相差(駆動位相差)を読み出し、これを信号生成回路25に与える。これにより、信号制御回路23により超音波振動子4の共振周波数またはその近傍の周波数に設定された基準駆動信号S2が生成されて信号生成回路25に出力される。
信号生成回路25では、基準駆動信号S2及び制御CPU22からの位相差に基づいて所定の位相差をもつA相(A+,A−)に対応する基準駆動信号とB相(B+,B−)に対応する基準駆動信号とが生成される。
A相、B相の駆動交番信号は、ドライブ回路30により正弦波の駆動交番電圧に変換されて、超音波振動子4の各外部電極11に印加される。これにより、超音波振動子には図3及び図4に示すような縦振動と屈曲振動とが同時に励起され、その摩擦接触子10に楕円振動が形成されることにより被駆動体が相対的に移動させられる。
超音波振動子4に励起された縦振動は、C相の内部電極及び外部電極11により検出され、振動検出信号が位相差検出回路28に入力される。位相差検出回路28では、超音波振動子4に励起されている縦振動と信号生成回路25から出力されるA相の駆動交番信号との位相差が検出され、この位相差に応じた電気信号がパラメータテーブル24に出力される。エンコーダ信号処理回路35から通知されるカウント数が予め設定されているカウント数に達すると、制御CPU22は、被駆動体5が所望の位置まで移動したと判断し、信号生成回路25に駆動停止指令を出力する。これにより、信号生成回路25から駆動交番信号が出力されなくなることにより、超音波振動子4の振動が徐々に収束し、停止することとなる。
本一実施形態に係る超音波モータにおいては、パラメータとして駆動信号のパルスデューティ比を変化させることで、超音波モータの駆動速度を制御する。
ここで、図8に示す“駆動速度−パルスデューティ”特性グラフから分かるように、単純にパルスデューティ比をパラメータとして用いた場合、駆動速度が低速度の領域において、各々の超音波モータの個体差によって当該特性にばらつきが生じてしまう。
しかしながら、以下説明する制御方法を採ることで、本一実施形態に係る超音波モータでは上述した“ばらつき”を抑制する。
以下、パルスデューティ比と駆動交番電圧との関係を詳細に説明する。
図6を参照して説明した構成のドライブ回路30により超音波振動子4に印加する駆動交番電圧OUTA+,OUTA−に関して、パルスデューティ比を50%に設定したときに駆動速度は最大となる。
具体的には、駆動交番電圧OUTA+,OUTA−を、図9Aに示すような信号に設定し、パルスデューティ比を50%から変化させた場合、駆動交番電圧OUTA+,OUTA−は、例えば次のようになる。
《OUTA−信号をOUTA+信号に対して180度遅らせて生成する場合》
(1)パルスデューティ比を50%以下に設定した場合
この場合、駆動交番電圧OUTA+,OUTA−は図10Aに示すような信号になる。すなわち、図10Bに示す駆動交番電圧OUTA+と駆動交番電圧OUTA−との差を示すグラフから分かるように、超音波振動子4が備えるA相(A+,A−)の外部電極11に入力される平均的な駆動交番電圧は減少する。つまり、超音波モータの駆動速度は減少する。
(2)パルスデューティ比を50%以上に設定した場合
この場合、駆動交番電圧OUTA+,OUTA−は図11Aに示すような信号になる。すなわち、図11Bに示す駆動交番電圧OUTA+と駆動交番電圧OUTA−との差を示すグラフから分かるように、超音波振動子4が備えるA相(A+,A−)の外部電極11に入力される平均的な駆動交番電圧は減少する。つまり、超音波モータの駆動速度は減少する。
《OUTA−信号をOUTA+信号に対して反転させて生成する場合》
(1)パルスデューティ比を50%以下に設定した場合
この場合、駆動交番電圧OUTA+,OUTA−は図12Aに示すような信号になる。すなわち、図12Bに示す駆動交番電圧OUTA+と駆動交番電圧OUTA−との差を示すグラフから分かるように、超音波振動子4の伸縮状態が偏り、駆動に寄与する伸縮量が減少する為、駆動速度は減少する。
(2)パルスデューティ比を50%以上に設定した場合
この場合、駆動交番電圧OUTA+,OUTA−は図13Aに示すような信号になる。すなわち、図13Bに示す駆動交番電圧OUTA+と駆動交番電圧OUTA−との差を示すグラフから分かるように、超音波振動子4の伸縮状態が偏り、駆動に寄与する伸縮量が減少する為、駆動速度は減少する。
なお、当然ながら、駆動交番電圧OUTB+,OUTB−についても、上述した駆動交番電圧OUTA+,OUTA−と同様のことが言える。
ここで、駆動速度とパルスデューティ比との関係について詳細に説明する。
《パルスデューティ比が0〜50%の範囲内における特性》
図14Aに示すように、パルスデューティ比が0〜50%の範囲内においては、パルスデューティ比の増加に伴って駆動速度が増加する。つまり、両者は正の相関関係にある。ここで、駆動信号の周波数を超音波振動子4の共振周波数に近づける(駆動周波数を減少させる)と、相関関係を示す特性グラフ101の傾きは大きくなる。なお、駆動速度が0のときパルスデューティ比が最小値となる。
《パルスデューティ比が50〜100%の範囲内における特性》
図14Bに示すように、パルスデューティ比が50〜100%の範囲内においては、パルスデューティ比の増加に伴って駆動速度が減少する。つまり、両者は負の相関関係にある。ここで、駆動信号の周波数を超音波振動子4の共振周波数に近づける(駆動周波数を減少させる)と、相関関係を示す特性グラフ101の傾きは大きくなる。なお、駆動速度が0のときパルスデューティ比が最大値となる。
上述したような事情を鑑みて、本一実施形態に係る超音波モータでは次のような駆動制御を行う。ここでは、パルスデューティ比を50〜100%の範囲内で変化させる場合の制御を例にして説明する。
駆動速度を減少させる場合には、図15に示すように、パルスデューティ比と駆動速度との関係を示す特性直線101に従って速度制御をする際に、減速開始時点での駆動周波数が共振周波数よりも或る程度高い駆動周波数である駆動点を起点として、パルスデューティ比の変化に合わせてバランス良く駆動周波数を共振周波数側へ(矢印111で示す方向へ)変化させていく(減少させていく)。
詳細には、このようにパルスデューティ比及び駆動周波数を変化させていく過程では次のような駆動制御を行う。まず、当該駆動制御に先立って、予め所望の速度分解能に応じた数だけ駆動点(パルスデューティと駆動周波数とを一対一で対応させた駆動点)を設定した駆動点テーブル(詳細は後述する)をパラメータテーブル24に格納する。そして、制御CPU22が、パルスデューティ比及び駆動周波数を変化させていく過程において、前記駆動点テーブルに基づいて順次駆動点を切り替えていく。
例えば、制御CPU22は、予め設定された各々の駆動点(パルスデューティ比)において所定時間だけ駆動した後、同一のパルスデューティ比で駆動速度が増加する方向、すなわち駆動周波数を減少させる方向に駆動周波数を変化させる駆動制御を行ってもよい。なお、前記所定時間は例えば零であっても勿論よい。
一方、駆動速度を増加させる場合にも、同様の原理を利用して駆動制御を行うことができる。すなわち、パルスデューティ比と駆動速度との特性に従って速度制御をする際に、駆動周波数が共振周波数により近い特性直線上の駆動点を起点として、駆動位相差の変化に合わせてバランス良く駆動周波数を共振周波数から遠ざかる側へ(矢印113で示す方向へ)変化させていく(増加させていく)。
この場合にも、上述した駆動速度を減少させる場合と同様に、制御CPU22が、パラメータテーブル24に格納した駆動点テーブルに基づいて順次駆動点を切り替えていく
例えば、制御CPU22は、予め設定された各々の駆動点(パルスデューティ比)において所定時間だけ駆動した後、同一のパルスデューティ比で駆動速度が減少する方向、すなわち駆動周波数を増加させる方向に駆動周波数を変化させる駆動制御を行ってもよい。なお、前記所定時間は例えば零であっても勿論よい。
上述した駆動制御により、駆動速度が零となるパルスデューティ比の値の個体差による“ばらつき”を抑えることができる。
なお、駆動信号の周波数を、速度制御当初から共振周波数により近い周波数とすることで、駆動速度が零となるときのパルスデューティ比の値の“ばらつき”を小さくすることができるが、この場合には速度特性の分解能(パルスデューティ比方向の)が荒くなってしまうため好ましくない。
以下、駆動位相差及び駆動周波数の切り替え方法すなわち駆動点選択方法について詳細に説明する。
《駆動点選択方法例1》
図16において破線で示す直線101は、各々の駆動周波数におけるパルスデューティ比と駆動速度との特性を示す直線である。実線で示す直線107は、後述する理想の速度特性を示す直線である。本例では、パルスデューティ比及び駆動周波数の切り替え方法として、例えば次のような方法を採る。
すなわち、図16に示すように、“所望の駆動速度に対応する駆動点のうちパルスデューティ比が最も小さい駆動点”と、“駆動速度零且つパルスデューティ比が最も大きい駆動点”と、を結んだ直線(理想の速度特性直線)上の駆動点または該直線近傍の駆動点を、共振周波数側へ(矢印111で示す方向へ)順次切り替える駆動制御を、制御CPU22が行う。ここで、選択する駆動点の数としては、必要とする速度分解能に応じて適切な数を選べば良い。
なお、利用する駆動点としては、理想の速度特性直線と、破線で示す各々の駆動周波数に対応する特性直線と、の交点に該当する駆動点またはその近傍の駆動点であることが好ましい。
詳細には、パルスデューティ比を変えて駆動速度を減少させる場合には、制御CPU22は、前記理想の速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を、共振周波数に近付ける側へ(矢印111で示す方向へ)順次切り替える駆動制御を行えばよい。
一方、駆動速度を増加させる場合も、同様の原理を利用して駆動制御を行うことが可能である。すなわち、パルスデューティ比と駆動速度との関係を示す特性に従って速度制御をする際に、制御CPU22は、理想の速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を、共振周波数から遠ざかる側へ(矢印113で示す方向へ)順次切り替える駆動制御を行えばよい。
このような駆動制御により、駆動速度が零となるパルスデューティ比の値の個体差による“ばらつき”を抑えることができる。
《駆動制御方法2》
図17において破線で示す直線101は、各々の駆動周波数におけるパルスデューティ比と駆動速度との特性を示す直線である。実線で示す直線107は、本方法による駆動制御時の駆動点を結んだ直線である。
駆動速度を減少させる際には、図17に示すように、パルスデューティ比と駆動速度との関係を示す特性直線に従って速度制御をする際に、制御CPU22は、予め設定した所定のパルスデューティ比(以降、境界パルスデューティ比と称する)に達する毎に、パルスデューティを共振周波数側へ(矢印111で示す方向へ)変化させていく(減少させていく)。この駆動制御により、駆動速度が零となるパルスデューティ比の値の個体差による“ばらつき”を抑えることができる。図17に示す例では、境界パルスデューティ比はD1,D2,D3,・・・と設定している。
詳細には、パルスデューティ比を変えて駆動速度を減少させる場合には、制御CPU22は、所定の周波数に対応する特性直線に従ってパルスデューティ比を増加させていき、境界パルスデューティ比に達すると所定時間経過後に、駆動速度が増加する方向すなわち駆動周波数を共振周波数に近付ける方向に駆動周波数を変化させる。
一方、パルスデューティ比を変えて駆動速度を増加させる場合も、同様の原理を利用して駆動制御を行うことが可能となる。すなわち、制御CPU22は、所定の駆動周波数に対応する特性直線に従ってパルスデューティ比を減少させていき、境界パルスデューティ比に達すると所定時間経過後に、駆動速度が減少する方向すなわち駆動周波数を共振周波数から遠ざける方向に駆動周波数を変化させる。
なお、前記所定時間は例えば零であっても勿論よい。
以上説明したように、本一実施形態に係る超音波モータにおいては、駆動速度を減少させる場合には、パルスデューティ比と駆動速度との特性直線のうち傾きが小さい特性直線(駆動周波数が大きい場合の特性直線)上の駆動点から、傾きが大きい特性直線(駆動周波数が小さい場合の特性直線)上の駆動点へと順次切り替えていく駆動制御を行う。
一方、駆動速度を増加させる場合には、パルスデューティ比と駆動速度との特性直線のうち傾きが大きい特性直線(駆動周波数が小さい場合の特性直線)上の駆動点から、傾きが小さい特性直線(駆動周波数が大きい場合の特性直線)上の駆動点へと順次切り替えていく駆動制御を行う。
以下、前記駆動点テーブルについて詳細に説明する。
前記駆動点テーブルは、パルスデューティ比と駆動周波数とを一対一に対応付けて設定した組み合わせ(ペア)から成るテーブルであり、パラメータテーブル24に格納される。例えば、図18に示すように、50%または50%より大きい所定の値から駆動速度が零となるときのパルスデューティ比と、超音波振動子4の共振周波数より所定の周波数だけ高い駆動周波数から漸次減少させた駆動周波数と、をそれぞれ一対一で対応付けて駆動点テーブルを設定する。このとき、パルスデューティ比が増加するに従って、対応する駆動周波数の値が小さくなるように(超音波振動子4の共振周波数に近付くように)、各々の値を設定する。
さらに、図18に示す例のように、パルスデューティ比と駆動周波数との各々の組み合わせに対して、それぞれ対応する指示値を割り当てる。図19は、この指示値と駆動速度との関係を表すグラフを示す図である。制御CPU22は、このような指示値と駆動速度との関係を参照して、超音波モータの駆動制御を行っても良い。
なお、パルスデューティ比と駆動周波数との関係は、超音波モータの進行方向(例えば重力に対して水平方向/垂直方向)、駆動速度の減少時、及び駆動速度の増加時等に対してそれぞれ異なる関係として設定しても勿論良い。
ところで、超音波モータにおいては、温度が変化すると超音波振動子4の共振周波数が変化する。従って、温度変化を検出する手段(例えば温度センサ)を更に設け、温度変化に合わせて駆動点テーブルにおける駆動周波数にオフセットを加えたり、温度変化に対応させた複数種類の駆動点テーブルを有させ、温度変化に応じて使い分けることが好ましい。
以上説明したように、本一実施形態によれば、低速駆動を行う場合であっても、速度特性のばらつきを小さくした超音波モータを提供することができる。
なお、説明の便宜上、パルスデューティ比を50〜100%の範囲内で変化させる場合の制御を例にして説明したが、パルスデューティ比を0〜50%の範囲内で変化させる場合についても、上述した原理を利用して制御することができる。
すなわち、駆動速度を減少させる場合には、駆動周波数の値を変化させずにパルスデューティ比を減少させて駆動点を切り替え、該駆動点で所定時間だけ駆動した後、パルスデューティ比を変化させずに駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数により近付ける値に設定して駆動点を切り替える制御を、所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行すればよい。他方、駆動速度を増加させる場合には、駆動周波数の値を変化させずにパルスデューティ比を増加させて駆動点を切り替え、該駆動点で所定時間だけ駆動した後、パルスデューティ比を変化させずに駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数からより遠ざける値に設定して駆動点を切り替える制御を、所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行すればよい。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、例えば次のような変形/応用が可能なことは勿論である。
超音波モータにおいては、温度や負荷の影響に対して最適な駆動点(駆動周波数)を維持する為に、超音波振動子4に入力する駆動信号と超音波振動子4から検出される振動検出信号との位相差を一定に保つように駆動する周波数追尾駆動が用いられる場合がある。
前記一実施形態においてはパルスデューティ比に対して駆動周波数を変化させているが、駆動信号と振動検出信号との位相差を、駆動周波数が減少/増加する方向に変化させる駆動制御方法を採っても勿論よい。つまり、駆動点テーブルにおけるパラメータとして、駆動周波数の代わりに、周波数追尾に用いる追尾位相差を設定しても勿論よい。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
1…超音波モータシステム、 2…超音波モータ、 3…駆動装置、 4…超音波振動子、 5…被駆動体、 7…圧電セラミックスシート、 9…圧電積層体、 10…摩擦接触子、 11…外部電極、 21…発振回路、 22…制御CPU、 23…信号制御回路、 24…パラメータテーブル、 25…信号生成回路、 26…信号出力制御回路、 28…位相差検出回路、 30…ドライブ回路、 31…Hブリッジ回路、 32…コイル、 33…エンコーダ、 35…エンコーダ信号処理回路、 40…モニタ信号制御回路。

Claims (8)

  1. 2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、
    前記駆動信号のパルスデューティ比が50%乃至100%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点を切り替えて、前記駆動速度を制御する制御部を具備し、
    前記制御部は、
    駆動速度を減少させる場合には、駆動周波数の値を変化させずにパルスデューティ比を増加させて駆動点を切り替え、該駆動点で所定時間だけ駆動した後、パルスデューティ比を変化させずに駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数に近付ける値に設定して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行し、
    駆動速度を増加させる場合には、駆動周波数の値を変化させずにパルスデューティ比を減少させて駆動点を切り替え、該駆動点で所定時間だけ駆動した後、パルスデューティ比を変化させずに駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数から遠ざける値に設定して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行する
    ことを特徴とする超音波モータ。
  2. 2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、
    前記パルスデューティ比が50%乃至100%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点のうち、所望の駆動速度の駆動点のうちパルスデューティ比が最も小さい値である駆動点と、駆動速度が零であり且つパルスデューティ比が最も大きい値である駆動点と、を結んで成る理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を順次切り替えて、前記駆動速度を変化させる制御部を具備し、
    前記制御部は、
    駆動速度を減少させる場合には、前記理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を所望の速度分解能に応じた数だけ選択し、駆動周波数を前記振動子の共振周波数に近付ける方向且つパルスデューティ比を増加させる方向に、前記選択した駆動点を順次切り替えていく制御を行い、
    駆動速度を増加させる場合には、前記理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を所望の速度分解能に応じた数だけ選択し、駆動周波数を前記振動子の共振周波数から遠ざける方向且つパルスデューティを減少させる方向に、前記選択した駆動点を順次切り替えていく制御を行う
    ことを特徴とする超音波モータ。
  3. 2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、
    前記パルスデューティ比が50%乃至100%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点を切り替えて、前記駆動速度を変化させる制御部を具備し、
    前記制御部は、
    駆動速度を減少させる場合には、パルスデューティ比を増加させて駆動点を切り替えていき、パルスデューティ比が予め定められた所定の値に達すると、駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数に近付ける値に変更して駆動点を切り替える制御を、所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行し、
    駆動速度を増加させる場合には、パルスデューティ比を減少させて駆動点を切り替えていき、パルスデューティ比が予め定められた所定の値に達すると、駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数から遠ざける値に変更して駆動点を切り替える制御を、所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行する
    ことを特徴とする超音波モータ。
  4. 前記パルスデューティ比と前記駆動周波数とが一対一で対応付けされた複数の組からなる駆動点パラメータテーブルを格納する記憶手段を含み、
    前記制御部は、前記駆動点パラメータテーブルに基づいて駆動点の切り替えを行うことで速度制御を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか1つに記載の超音波モータ。
  5. 2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、
    前記駆動信号のパルスデューティ比が0%乃至50%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点を切り替えて、前記駆動速度を制御する制御部を具備し、
    前記制御部は、
    駆動速度を減少させる場合には、駆動周波数の値を変化させずにパルスデューティ比を減少させて駆動点を切り替え、該駆動点で所定時間だけ駆動した後、パルスデューティ比を変化させずに駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数に近付ける値に設定して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行し、
    駆動速度を増加させる場合には、駆動周波数の値を変化させずにパルスデューティ比を増加させて駆動点を切り替え、該駆動点で所定時間だけ駆動した後、パルスデューティ比を変化させずに駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数から遠ざける値に設定して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行する
    ことを特徴とする超音波モータ。
  6. 2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、
    前記パルスデューティ比が0%乃至50%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点のうち、所望の駆動速度の駆動点のうちパルスデューティ比が最も大きい値である駆動点と、駆動速度が零であり且つパルスデューティ比が最も小さい値である駆動点と、を結んで成る理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を順次切り替えて、前記駆動速度を変化させる制御部を具備し、
    前記制御部は、
    駆動速度を減少させる場合には、前記理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を所望の速度分解能に応じた数だけ選択し、駆動周波数を前記振動子の共振周波数に近付ける方向且つパルスデューティ比を減少させる方向に、前記選択した駆動点を順次切り替えていく制御を行い、
    駆動速度を増加させる場合には、前記理想速度特性直線上の駆動点または該直線近傍の駆動点を所望の速度分解能に応じた数だけ選択し、駆動周波数を前記振動子の共振周波数から遠ざける方向且つパルスデューティを増加させる方向に、前記選択した駆動点を順次切り替えていく制御を行う
    ことを特徴とする超音波モータ。
  7. 2相の駆動信号を振動子に印加して当該振動子に楕円振動を発生させ、該楕円振動から駆動力を得て被駆動部材を摩擦駆動し、前記駆動信号のパルスデューティ比を変化させて駆動速度を制御する超音波モータであって、
    前記パルスデューティ比が0%乃至50%の範囲内における前記パルスデューティ比、前記駆動周波数、及び前記駆動速度の関係を示す特性直線上の駆動点を切り替えて、前記駆動速度を変化させる制御部を具備し、
    前記制御部は、
    駆動速度を減少させる場合には、パルスデューティ比を減少させて駆動点を切り替えていき、パルスデューティ比が予め定められた所定の値に達すると、駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数に近付ける値に変更して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行し、
    駆動速度を増加させる場合には、パルスデューティ比を増加させて駆動点を切り替えていき、パルスデューティ比が予め定められた所定の値に達すると、駆動周波数の値を前記振動子の共振周波数から遠ざける値に設定して駆動点を切り替える制御、を所望の駆動速度に達するまで繰り返し実行する
    ことを特徴とする超音波モータ。
  8. 前記パルスデューティ比と前記駆動周波数とが一対一で対応付けされた複数の組からなる駆動点パラメータテーブルを格納する記憶手段を含み、
    前記制御部は、前記駆動点パラメータテーブルに基づいて駆動点の切り替えを行うことで速度制御を実行することを特徴とする請求項5乃至請求項7のうち何れか1つに記載の超音波モータ。
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