JP4691752B2 - 振動アクチュエータの駆動装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、振動アクチュエータに関する。より具体的には交流電圧を電気機械変換素子(圧電素子、電歪素子など、以下代表して圧電素子と記す)に印加することにより発生する振動により相対運動を行う振動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の振動アクチュエータとして、超音波の振動領域を利用した超音波アクチュエータが知られている。超音波アクチュエータでは弾性体に接合した圧電素子に交流電圧を印加して、弾性体に縦振動と屈曲振動を調和的に発生させることにより、駆動力を得る超音波アクチュエータが開発されており、例えば「光ピックアップ移動を目的とした圧電リニア・モータ」(富川義朗 他:第5回電磁力関連のダイナミックシンポジウム講演論文集p393〜398)の中で構成と負荷特性が、「新版超音波モータ」(上羽貞行、富川義朗著、トリケップス刊、p145〜146)には、自走式の装置が示されている。このアクチュエータは図1に示すように平板状の弾性体11を有しており、弾性体は
【0003】
【数1】
【0004】
【数2】
【0005】
で与えられる縦振動1次モードの共振周波数と屈曲振動4次モードの共振周波数が非常に近くなるように設計されている。
また、制御部は図6に示す構成となっている。各部について以下に説明する。発振器21は前述の2つのモードの共振周波数に近いA相・B相の2つの駆動信号を出力する。B相駆動信号は、移相器22で90°(π/2)位相を遅らせた後、増幅器23−2で増幅され、圧電素子上の電極12b、12d入力される。一方A相駆動信号は、発振器21から移相器22に入るが、位相は変化することなく増幅器23−1に出力され、増幅された後圧電素子上の電極12a,12cに入力される。
このように、共振周波数に近い周波数であって90°の位相差を持つ2つの交流電圧を圧電素子上の電極12a,12cと圧電素子上の電極12b,12dとにそれぞれ印加することで、弾性体には縦振動1次モードと屈曲振動4次モードが調和的に発生し、屈曲振動の4つある腹位置のうち外側の2カ所に設けられた突起部13a,13bの先端が楕円運動を行い駆動力を得ている。また、印加する2つの交流電圧の位相関係を逆転することで駆動方向を変えることが出来る。
図7は次の条件で振動アクチュエータを駆動したときの駆動特性を示す資料である。
(条件)弾性体形状
50mm(相対移動方向長さ)×10mm(幅)×3mm(厚さ)
弾性体材質 ステンレス
電気機械変換素子材 チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)
電極形状 10mm×8mm、4個
入力電圧 約30Vrms
駆動周波数 約47KHz
図7(a)において電流とは超音波アクチュエータの電極に流入した電流の合計を示している。また、図7(b)において菱形の点を結んだ点線で示される特性は、電極に流入した電流の合計を示し、四角の点を結んだ破線で示される特性は、相対運動部材の移動速度を示し、三角の点を結んだ実線で示される特性は、駆動効率を示している。このように、従来において効率は最大約16%であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来超音波アクチュエータを駆動する際、2つの交流電圧(駆動信号)は、位相に進遅関係を持つにもかかわらず、等しい電圧で圧電体に印加されていた。そのため必ずしも電気エネルギーを効率的に利用していたわけではなかった。一方、超音波アクチュエータを電池等で駆動する場合がある。電池駆動の超音波アクチュエータの場合、電気エネルギーを効率的に利用できないと電池の寿命が短くなり実用上支障をきたす恐れがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1記載の発明では、弾性体11と、弾性体11に接合され複数の電極12a〜12dを有する電気機械変換素子12と、複数の電極12a〜12dのうちの第1の電極に第1相の交流電圧を印加し、かつ、前記複数の電極12a〜12dのうちの前記第1の電極とは異なる第2の電極に前記第1相よりも位相の遅れた第2相の交流電圧を印加し、弾性体11に振動を発生させる制御部とを有し、弾性体11と弾性体11に対向する相対運動部材15との間に相対運動を発生させて振動アクチュエータを駆動する際に、前記第2の電極による回路に流入する電流を前記第1の電極による回路に流入する電流よりも小さくするようにした。
【0008】
また、請求項2記載の発明では、制御部60は振動として相対移動の方向と略同方向に振動する1次の縦振動と縦振動の振動面に略垂直な方向に振動する4次の屈曲振動とが組み合わされた振動であることとしている。
【0009】
また、請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の発明において制御部60は交流電圧を印加される部分の面積と印加される電圧値の少なくとも一方によって調整を行っている。
【0010】
また、請求項4記載の発明では、前記複数の電極が4個の場合第1相(位相が進んでいる相)の交流電圧を4個の電極のうちの2個に印加し、第2相(位相が遅れている相)の交流電圧を4個の電極のうちの1個に印加することにより交流電圧の印加力を調整している。
また、請求項5の発明では、請求項1または2記載の発明において、前記制御部は、前記複数の電極のうち、前記第1相の交流電圧を印加する電極の数と、前記第2相の交流電圧を印加する電極の数とを異ならせている。
また、請求項6の発明では、請求項5記載の発明において、前記制御部は、前記第2相の交流電圧を印加する電極の数を、前記第1相の交流電圧を印加する電極の数より少なくしている。
また、請求項7の発明では、請求項1または2記載の発明において、前記制御部は、前記第1相の交流電圧と前記第2相の交流電圧を増幅する増幅部を有し、前記増幅部による増幅率を、前記第1相の交流電圧と前記第2相の交流電圧とで異ならせている。
また、請求項8の発明では、請求項7記載の発明において、前記制御部は、前記第2相の交流電圧の増幅率を、前記前記第1相の交流電圧の増幅率よりも低くしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面などを参照しながら、実施の形態をあげ本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態では、振動アクチュエータとして超音波領域で作動する超音波アクチュエータを例にして説明するが、本発明は超音波アクチュエータに限られものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の超音波アクチュエータの駆動部を示す斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態による超音波アクチュエータの制御部の構成を示すブロック図である。
【0012】
第1実施形態の超音波アクチュエータの駆動部10は、弾性体11と、弾性体に振動を発生させる圧電素子12と、圧電素子12に交流電圧を印加するための電極12a〜12dと、相対運動部材15に駆動(相対運動)力を伝える突起部13a,13bとを備えている。
【0013】
弾性体11は本実施形態ではSUS304により矩形平板状に形成されているが、弾性体の材質としては鉄鋼、りん青銅、エリンバー材といった共振先鋭度が大きい金属材料により構成されていてもよい。また、弾性体11の寸法は、発生する相対運動方向と略同一方向に振動する1次の縦振動L1および1次の縦振動L1の振動面に略垂直な方向に振動する4次の屈曲振動B4それぞれの固有振動数が略一致するように設定されている。
【0014】
弾性体11の一方の平面には、電気機械変換素子である圧電素子12が接着される。また、弾性体11の他方の平面には弾性体11の幅方向に2つの角棒状の突起部13a,13bが接着されている。突起部13a,13bは高分子材等を主成分とした摺動部材である。高分子材としてはPTFE、イリミド樹脂、PEN、PPS、PEEK等が例示される。また、弾性体11に溝部を設け突起部13a,13bを嵌め込んでもよい。
【0015】
この突起部13a,13bは、弾性体11に発生する4次の屈曲振動B4の4つの腹位置のうちの外側の2つの腹位置に一致するように設けられている。なお、突起部13a,13bは、上記2つの腹位置に正確に一致する位置に設けられる必要はなく、この腹位置の近傍に設けられていてもよい。
圧電素子12は、本実施形態では薄板状のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)で構成されている。この圧電素子12には4個の電極部12a〜12dが設けられており、各電極には駆動信号を印加するリード線がハンダ付けされている。そして、このリード線を介して、A相(第1相)およびB相(第2相)の駆動信号が、圧電素子12に印加されて振動を発生させている。なお、本実施例では、電極として銀電極を用いている。
【0016】
この電極12a〜12dは、4次の屈曲振動B4の腹の位置に設けられ、これらの電極に90°(π/2)位相のずれた駆動信号を印加することで、弾性体11に1次の縦振動L1と4次の屈曲振動B4を調和的に発生させる構造となっている。4次の屈曲振動B4は相対運動部材15と突起部13a,13bとの間でクラッチ的機能を持つ振動であり、1次の縦振動L1は駆動力を発生する機能を持つ振動であることが知られている。本実施形態では電極12a〜12dに加えられる信号の内小さいインピーダンスを有する回路に入力される位相の遅れた信号の電圧を小さくすることで効率的駆動を行っている。
弾性体11に発生した調和的振動により、突起部13a、13bの先端に楕円運動が発生する。突起部13は不図示の付勢部材により相対運動部材15に加圧接触しており、発生した楕円運動によって相対運動部材15を駆動している。
本実施形態の相対運動部材15は、ステンレス鋼により帯板状に構成されているが、銅合金やアルミニウム合金さらには高分子材等によって構成されていてもよい。
【0017】
図3に示すように本実施形態の駆動装置20は、発振器21と、移相器22と、増幅器23−1、23−2と、スイッチ24−1、24−2とを有している。発振器21は、駆動信号(交流電圧)を周波数可変に出力するものであり、可変出来る範囲は弾性体11の1次の縦振動L1および4次の屈曲振動B4それぞれの共振周波数を含む範囲となっている。
発振器21から出力された1次の縦振動L1および4次の屈曲振動B4いずれの固有振動数よりもわずかに高い周波数のA相、B相の駆動信号のうちB相の駆動信号は、移相器22で−90°(−π/2)位相がずらされ、増幅器23−2に入力される。一方、A相の駆動信号は、発振器21から出力された後、移相器22に入力されるが移相は変化せず増幅器23−1に入力される。
【0018】
増幅器23−1,23−2では、入力された駆動信号を圧電素子12が振動し弾性体11に所望の振動を起こさせる電圧に増幅している。なお、増幅器23−1、23−2の増幅率は同程度になっている。
【0019】
増幅器23−1、23−2から出力された駆動信号は、スイッチ24−1、24−2で移動方向によって印加する電極位置が決められる。スイッチ24−1とスイッチ24−2は連動するスイッチであり、スイッチ24−1が接点▲1▼の時はスイッチ24−2も接点▲1▼となり(モード1)、スイッチ24−1が接点▲2▼の時はスイッチ24−2も接点▲2▼となる(モード2)構造になっている。このモード1とモード2との切換によって、相対移動方向の切換を行っている。
【0020】
モード1が選択されているときスイッチ24−1、24−2は共に接点▲1▼と短絡しており、増幅されたA相の駆動信号は電極12a、12cに印加され、増幅されたB相の駆動信号は電極12bのみに印加している。また、モード2が選択されているときスイッチ24−1、24−2は共に接点▲2▼と短絡しており、増幅されたA相の駆動信号は電極12b、12dに印加され、増幅されたB相の駆動信号は電極12cのみに印加している。つまり、モード1とモード2とを切換ることにより電極12a、12cと12b、12dとに印加される駆動信号の位相関係を逆転させ、相対移動方向の切換を行っている。
【0021】
このように本実施形態では、A相に対して位相の遅れているB相の駆動信号は4個の電極うち1個の電極に印加され、A相の駆動信号は4個の電極のうち2個の電極に印加される。また、実験的に判明したことであるが、遅れた位相が入力される回路のインピーダンスは、位相の進んだ回路のインピーダンスよりも小さくなる。そのため、同じ様に交流電圧を印加すると遅れた位相が入力される回路では大きな電圧が消費されてしまうことが判った。
【0022】
本実施形態では、位相の進んだA相(第1相)の駆動信号を4個ある電極のうちの2個の電極に印加し、位相の遅れたB相(第2相)の駆動信号を1個の電極に印加している。このように、A相とB相とで印加する電極の数を異ならせることにより、超音波アクチュエータの駆動効率向上がなされている。
【0023】
(第1実施例)
図8(a),(b)に本実施例の駆動特性であり、条件および図の見方は従来技術で説明した駆動特性と同じなので、説明を省略する。本実施例では位相の進んだ駆動信号は2つの電極に入力され、位相の遅れた駆動信号は1つの電極にのみ入力されている。図8(a),(b)から判るように第1実施例の効率は、最大約22%が得られた。従来の超音波アクチュエータの特性と本実施形態の超音波アクチュエータの特性を比較すると、本実施形態の超音波アクチュエータが従来の超音波アクチュエータに比べ駆動効率が4割程度向上していることが判る。
【0024】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。図4は第2実施形態の制御部の構成を示すブロック図である。なお、以降の各実施形態の説明は、前述した第1実施形態と相違する部分について行い、重複する説明を省略する。
本実施形態の超音波アクチュエータが、第1実施例の超音波アクチュエータと相違するのは、増幅率設定器35−1、35−2を設けた点である。
本実施形態では、移相器22はA相とB相と間に90°(π/2)の位相差を作り出している。A相とB相の進遅関係は、相対移動部材15の移動方向に応じて主制御装置60によって設定される。
移相器22から増幅器23−1、23−2に入力されたA相、B相の駆動信号は、所望される駆動状態に応じて増幅されるが、増幅率はA相とB相とで異なっている。つまり、増幅率設定器35−1、35−2は2つの駆動信号のうち位相の遅れている駆動信号の増幅率を、位相の進んでいる駆動信号の増幅率よりも低く設定するように指示を出している。なお、増幅率設定器35−1、35−2は、主制御装置60から送られる最適な増幅率データに基づいて前記指示を出している。最適な増幅率は、弾性体、電気機械変換素子等の条件により異なるが、位相の進んでいる駆動信号の増幅率を100とした場合、位相の遅れている駆動信号の増幅率は5〜50の範囲とすることができ、20〜40の範囲が好ましい。
増幅器23−1、23−2で増幅された駆動信号は、電極12a〜12dに印加し、圧電素子12を励振している。
【0025】
本実施形態では、増幅率設定器35−1、35−2によって、増幅器23−1、23−2での駆動信号の増幅率を設定するため、より細かい調整が可能となる。
【0026】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を説明する。図5は本実施形態の制御部の構成を示すブロック図であり、図2は第1実施形態の電極12a〜12dに対応する本実施形態における電極12a'〜12d'の構造を示す平面図である。本実施形態の超音波アクチュエータが、第1実施形態の超音波アクチュエータと相違するのは、第1実施形態では、駆動信号の印加する電極の数で流入する電流を調整していたのに対して、本実施形態では、印加する電極の面積を少なくすることで流入する電流を調整する点である。
【0027】
本実施形態の圧電素子12には、図2に示すような電極12a'〜12d'が設けられている。電極12a'は部分電極a1〜a3から、電極12b'は部分電極b1〜b3から、電極12c'は部分電極c1〜c3から、電極12d'は部分電極d1〜d3から構成されている。
【0028】
部分電極a1〜a3、b1〜b3、c1〜c3、d1〜d3は、それぞれの部分電極間、例えばa1とa2の間に細い隙間を持った銀電極となっており、駆動信号を印加するリード線がハンダ付けされている。
部分電極のうちa2、b2、c2、d2は、それぞれ4次の屈曲振動B4の腹の位置に設けられている。また、電極12a' では両脇の部分電極a1,a3を合わせたの面積と中央の部分電極a2の面積とは略一致するようになっており、他の電極12b'〜12d'においても、電極12a' で例示したように、両脇の部分電極を合わせた面積と中央の部分電極の面積とは略一致している。
【0029】
つぎに本実施形態の制御部40の説明をする。制御部40は、発振器21で発生したA相・B相の駆動信号を移相器22に入れている。移相器22はA相とB相と間に90°(π/2)の位相差を作り出している。なお、A相とB相の進遅関係は、相対移動部材15の移動方向に応じて主制御装置60によって設定される。
【0030】
移相器22から出た駆動信号は、増幅器23−1、23−2で所望する駆動状態に応じて増幅し、スイッチ44−1〜44−4に入る。
【0031】
スイッチ44−1、44−2、44−3、44−4は連動するスイッチとなっている。つまり、1つのスイッチが接点▲1▼に接続されているときは、残りの3つのスイッチも接点▲1▼に接続されており、1つのスイッチが接点▲2▼に接続されているときは、残りの3つのスイッチも接点▲2▼に接続する構成となっている。
【0032】
また、B相の駆動信号がA相の駆動信号よりも遅れているときには、スイッチ44−1〜44−4は接点▲1▼に接続され、A相の駆動信号がB相の駆動信号よりも遅れているときには、スイッチ44−1〜44−4は接点▲2▼に接続される。このようにスイッチ44−1〜44−4の切り替えは移相器22と連動しており、不図示の主制御装置によって行われる。
【0033】
A相・B相の駆動信号は、スイッチ44−1〜44−4によって選択された部分電極に印加し、圧電素子12を起振している。ここで、例えばスイッチ44−1が接点▲1▼に接続されているときは、部分電極a1、a2、a3に駆動電圧が印加されている。部分電極a1、a2、a3は近接しており、同じ駆動信号が印加されるため、a1、a2、a3は連なり1つの電極として振動を引き起こす。また、スイッチ44−1が接点▲2▼に接続されているときは、部分電極a2のみに駆動信号が印加されるため部分電極a2のみが電極として振動を引き起こしている。
【0034】
また、部分電極a2、b2、c2、d2は、4次の屈曲振動B4の腹の位置に設けられているため、電極の面積が小さくなっても効率的に起振することができる。
【0035】
本実施形態ではこのように、圧電素子12の交流電圧の印加する部分の面積によって印加力を調整することによって駆動効率向上をなしている。
本実施形態では、各電極において両脇の部分電極を合わせたの面積と中央の部分電極の面積とは略一致する構成としたが、本発明はこれに限られることなく、両脇の部分電極を合わせたの面積と中央の部分電極の面積の比を、1対2、1対3、2対1、3対1のように超音波アクチュエータにあわせて自由に設定できるものである。
【0036】
さらに、本実施形態では各電極は3つの部分電極を有するが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つまたは4つ以上の部分電極とすることもできる。要は各電極の面積を変えることによって電流の大きさを調整できることである。各実施形態の説明では、アクチュエータが、超音波の振動領域を利用した超音波アクチュエータである場合を例にとった。しかし、本発明は、超音波アクチュエータに限定されるものではなく、超音波以外の他の振動域を利用した振動アクチュエータについても同様に適用される。
【0037】
また、各実施形態の説明では、略矩形平板状の外形を有し、1次の縦振動と4次の屈曲振動とを発生する弾性体(振動子)を用いた場合を例にとった。しかし、本発明は、この形態に限定されない。例えば、文献「VIBROMOTORS FOR PRECISION MICROROBOTS」の第37頁における第2.8表に開示された各種の振動子や、「新版 超音波モータ」(上羽貞行氏、富川義朗氏共著、トリケプッス刊)に開示された円板状振動子、円環状振動子、棒状振動子、板状振動子さらにはリニア状振動子の各種の振動子についても、等しく適用される。
【0038】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、第1の交流電力と第2の交流電力の調整が可能となり、振動アクチュエータを高い駆動効率で駆動できる。そのため、電池で振動アクチュエータを駆動させる場合は電池の寿命を延ばすことができる。また相対移動の方向と略同方向に振動する1次の縦振動と縦振動の振動面に略垂直な方向に振動する4次の屈曲振動とが組み合わされた振動の場合より効果的である。また交流電圧を入力する電極の数を変えることにより容易に交流電圧を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動アクチュエータの駆動部を示す斜視図である。
【図2】第3実施形態の電極を示す模式図である。
【図3】第1実施例の駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【図4】第2実施例の駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【図5】第3実施例の駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【図6】従来の駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【図7】従来の駆動効率を示す説明図である。
【図8】第1実施例の第1実施形態の駆動効率を示す説明図である。
【符号の説明】
10 駆動部
11 弾性体
12 圧電素子
12a〜12d 電極
13a、13b 突起部
15 相対運動部材
21 発振器
22 移相器
23−1、23−2 増幅器
24−1、24−2 スイッチ
35−1、35−2 増幅率設定器
Claims (8)
- 弾性体と、
該弾性体に接合され複数の電極を有する電気機械変換素子と、
前記複数の電極のうちの第1の電極に第1相の交流電圧を印加し、かつ、前記複数の電極のうちの前記第1の電極とは異なる第2の電極に前記第1相よりも位相の遅れた第2相の交流電圧を印加し、該弾性体に振動を発生させる制御部とから構成され、
該弾性体と該弾性体に対向する相対運動部材との間に相対運動を発生させて振動アクチュエータを駆動する際に、前記第2の電極による回路に流入する電流を前記第1の電極による回路に流入する電流よりも小さくすること
を特徴とする振動アクチュエータの駆動装置。 - 前記制御部は、前記振動として前記相対移動の方向と略同方向に振動する1次の縦振動と該縦振動の振動面に略垂直な方向に振動する4次の屈曲振動とが組み合わされた振動を発生させることを特徴とする請求項1に記載の振動アクチュエータの駆動装置。
- 前記制御部は、前記交流電圧を印加される部分の面積と印加される電圧との少なくとも一方によって調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動アクチュエータの駆動装置。
- 前記複数の電極は4個であり、前記第1相の交流電圧を前記4個の電極のうちの2個の電極に印加し、前記第2相の交流電圧を前記4個の電極のうちの1個の電極に印加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動アクチュエータの駆動装置。
- 前記制御部は、前記複数の電極のうち、前記第1相の交流電圧を印加する電極の数と、前記第2相の交流電圧を印加する電極の数とを異ならせることを特徴とする請求項1または2に記載の振動アクチュエータの駆動装置。
- 前記制御部は、前記第2相の交流電圧を印加する電極の数を、前記第1相の交流電圧を印加する電極の数より少なくすることを特徴とする請求項5に記載の振動アクチュエータの駆動装置。
- 前記制御部は、前記第1相の交流電圧と前記第2相の交流電圧を増幅する増幅部を有し、前記増幅部による増幅率を、前記第1相の交流電圧と前記第2相の交流電圧とで異ならせることを特徴とする請求項1または2に記載の振動アクチュエータの駆動装置。
- 前記制御部は、前記第2相の交流電圧の増幅率を、前記前記第1相の交流電圧の増幅率よりも低くすることを特徴とする請求項7に記載の振動アクチュエータの駆動装置。
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