JP3711935B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動装置に関し、特にはXY移動ステージ、カメラの撮影レンズ、オーバヘッドプロジェクタの投影レンズ、双眼鏡のレンズ等の駆動に適した駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影レンズ等が取り付けられた係合部材を棒状の駆動部材に所定の摩擦力を有するように結合させると共に、その駆動部材の一方端に圧電素子を固着して構成されたインパクト型圧電アクチュエータからなる駆動装置が知られている。例えば、図17は、カメラの撮影レンズ位置を調節するための駆動装置の概略構成を示す図である。
【0003】
この図17における駆動装置100は、電気機械変換素子である圧電素子101と、圧電素子101により駆動される棒状の駆動部材102と、駆動部材102に所定の摩擦力で結合された係合部材103と、圧電素子101に駆動電圧を印加する駆動回路104とを備えている。
【0004】
圧電素子101は、駆動回路104から印加される駆動電圧に応じて伸縮するものであり、その伸縮方向における一方端が支持部材105に固着されると共に、その他方端が駆動部材102の軸方向における一方端に固着されたものである。係合部材103は、所定箇所に駆動対象物である撮影レンズLが固着され、駆動部材102上を軸方向に沿って移動可能とされている。
【0005】
駆動回路104は、図18に示すように、波形発生器107とパワーアンプ108とで構成される。波形発生器107は、例えば0〜5Vの矩形波からなる駆動電圧を生成してパワーアンプ108に入力し、パワーアンプ108は、波形発生器107から供給される駆動電圧を例えば0〜10Vの矩形波からなる駆動電圧に増幅して圧電素子101に印加する。
【0006】
このように構成された駆動装置100では、駆動回路104から、例えばデューティ比D(D=B/A)が0.25である図19(a)に示すような矩形波形の駆動電圧が圧電素子101に印加される。この駆動電圧を用いた駆動方法は、インパクト型圧電アクチュエータを構成する圧電素子101に結合された駆動部材102の機械共振特性による振幅伝達特性と位相伝達特性とを利用している。
【0007】
図20(a)は振幅伝達特性を示す図であり、縦軸は駆動部材102の振幅を表し、横軸は駆動部材102の機械共振周波数frに対する駆動周波数fdの比(fd/fr)を表す。図20(b)は位相伝達特性を示す図であり、縦軸は位相を表し、横軸は駆動部材102の機械共振周波数frに対する駆動周波数fdの比(fd/fr)を表す。複数の共振のなかで最も低い機械共振周波数fr1の前後に駆動電圧に含まれる基本波信号の周波数fd1(図19(b)参照)と第2高調波の周波数fd2(図19(c)参照)とをfd1<fr1<fd2となるように設定することによって第3高調波の周波数fd3以上の高調波信号成分に対する駆動部材102の機械応答を低下させる。そして、機械共振のただ一つのモードを有する分布を表す単峰特性を利用して基本波信号と第2高調波信号とに対する適当な機械変位の応答を得て、さらに基本波と第2高調波との位相関係を変化させることで最終的に駆動軸の機械変位が図19(d)に示すような鋸波形となるように駆動電圧の振幅、デューティ比D、駆動周波数fd、振幅伝達特性及び位相伝達特性を設定することによって所望のインパクト型圧電アクチュエータの機械負荷速度を得ている。
【0008】
また、駆動装置100の動作としては、駆動電圧が圧電素子101に繰り返し印加されると、圧電素子101の伸縮により係合部材103は繰出方向(圧電素子101から離反する方向)である矢印a方向に駆動部材102とともに移動する(図17参照)。すなわち、図19(d)に示す機械変位の緩慢な立ち上がり部Cでは駆動部材102が緩やかに伸長することになるため、係合部材103と駆動部材102との摩擦係数が大きくなり、係合部材103は駆動部材102と共に繰出方向に移動する一方、急峻な立ち下がり部Dでは駆動部材102が急激に縮小することになるため、係合部材103と駆動部材102との摩擦係数が小さくなり、駆動部材102が戻り方向(矢印aとは逆方向)に移動しても係合部材103は駆動部材102上をスリップして略同位置に留まることになる。このため、図19(a)に示すような波形の駆動電圧が圧電素子101に繰り返し印加されると、係合部材103は矢印a方向に間欠的に移動する。
【0009】
また、係合部材103を戻り方向に移動させる場合は、駆動電圧のデューティ比Dを変化させることで図19(d)に示す立ち上がり部Cを急峻な立ち上がりとなるようにし、立ち下り部Dを緩慢な立ち下りとなるようにする。これにより、機械変位の急峻な立ち上がり部Cでは駆動部材102が繰出方向に急激に伸長することになるため、係合部材103と駆動部材102との摩擦係数が小さくなり、係合部材103は駆動部材102上をスリップして略同位置に留まる一方、緩慢な立ち下がり部Dでは駆動部材102が緩やかに縮小することになるため、係合部材103と駆動部材102との摩擦係数が大きくなり、係合部材103は駆動部材102と共に戻り方向(矢印aとは逆方向)に移動することになる。このため、係合部材103は矢印aの逆方向に間欠的に移動することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記の従来の駆動装置において、振幅伝達特性や位相伝達特性はインパクト型圧電アクチュエータの機械設計によって達成される特性であるため、低コスト化及び小型化等の制約で自由に設計できるものではない。また、駆動信号としては、その振幅とデューティ比Dは操作可能であり、基本波と第2高調波との振幅の合成比は変えることができるが、デューティ比Dを変えても位相は同相のままで変わらないため位相関係を操作することは困難である。そのため、インパクト型圧電アクチュエータの機械設計で位相関係を設定する必要があるが、この場合も低コスト化及び小型化等の制約で自由に設計できるものではない。
【0011】
このような問題を解決するために、出願人は、インパクト型圧電アクチュエータを構成する圧電素子101の有する複数の電極に異なる駆動信号を各々加算して印加し、インパクト型圧電アクチュエータを駆動させる方法を提案している(特願2001−357660)。この場合の係合部材103の駆動する速度を制御する方法としては、圧電素子101に印加される複数の駆動信号の互いの位相関係を可変させる位相差速度制御方法、圧電素子101に印加される複数の駆動電圧を同時に可変させる電圧速度制御方法のいずれかによって行われる。
【0012】
前者の位相差速度制御方法では、係合部材103が停止状態から動作を開始するまでの不感帯は小さいが、圧電素子101に常に電圧が一定である駆動信号を印加するため、圧電素子101の駆動速度に関係なく消費電力が一定で高くなるという問題が生じる。
【0013】
後者の電圧速度制御方法では、圧電素子101に印加する駆動電圧を増減させるため平均の消費電力は位相差速度制御方法に比べて小さいが、係合部材103が停止状態から動作を開始するまでの不感帯が大きくなるという問題が生じる。
【0014】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、係合部材が停止状態から動作を開始するまでの不感帯が小さく、かつ消費電力を抑えることのできる係合部材の速度制御方法を実現可能な駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、駆動信号が印加されることにより伸縮する1の電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向における一方端に固着された支持部材と、前記電気機械変換素子の伸縮方向における他方端に固着された駆動部材と、前記駆動部材に所定の摩擦力で係合された係合部材と、前記電気機械変換素子を駆動する駆動回路とから構成され、前記電気機械変換素子を異なる速度で伸縮させることで前記支持部材と前記係合部材とを相対移動させる駆動装置において、所定の周波数の第1の駆動信号を生成する第1の駆動手段と、前記第1の駆動信号とは異なる所定の周波数の第2の駆動信号を生成する第2の駆動手段と、前記電気機械変換素子に印加する前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号のうち、いずれか一方の駆動信号を固定し、他方の駆動信号を変化させることによって前記係合部材の駆動速度を制御する速度制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、1の電気機械変換素子に印加する第1の駆動信号及び第2の駆動信号のうち、いずれか一方の駆動信号を固定し、他方の駆動信号を無にすることで電気機械変換素子は所定の駆動速度で単振動を繰り返し、駆動部材と係合部材との摩擦力が低下して係合部材は動摩擦によってその位置が固定される。そして、他方の駆動信号を変化させることによって係合部材の駆動速度が制御され、係合部材は動摩擦によってその位置が固定されているため、他方の駆動信号の変化に即座に応答することができ、係合部材が停止状態から動作を開始するまでの不感帯を小さくすることができる。
【0017】
また、第1の駆動手段及び第2の駆動手段の駆動信号を常に一定にした場合、消費電力も高いものとなるが、第1の駆動信号と第2の駆動信号のうちの一方の駆動信号を固定し、他方の駆動信号を変化させるため、消費電力を低く抑えることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、前記一方の駆動信号は、前記係合部材の駆動速度を最大に設定した際に、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段のうちの消費電力が少ない方で生成されることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、通常、駆動信号を常に固定すると消費電力は高くなるが、係合部材の駆動速度を最大に設定した際に、第1の駆動手段と第2の駆動手段のうちの消費電力が少ない方で生成される駆動信号を固定して消費電力を低く抑えることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号は、矩形波信号からなり、前記速度制御手段は、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段のうちの一方の電圧レベルを変化させること、もしくはパルス数を間引くことによって前記他方の駆動信号を変化させることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、第1の駆動信号及び第2の駆動信号が矩形波信号からなり、速度制御手段は、第1の駆動手段と第2の駆動手段のうちの一方の電圧レベルを変化させること、もしくは第1の駆動手段と第2の駆動手段のうちの一方のパルス数を間引くことによって他方の駆動信号を変化させることができる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、前記一方の駆動信号は、デューティ比Dが0.5の矩形波であることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、一方の駆動信号は、デューティ比Dが0.5の矩形波であるため、他方の駆動信号が0の場合でも電気機械変換素子は単振動を行うこととなり、係合部材を動摩擦で停止させることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号は、互いに周波数が同じ信号であり、前記他方の駆動信号のデューティ比Dが0.5でない矩形波であることを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、第1の駆動信号及び第2の駆動信号は、互いに周波数が同じ信号であり、他方の駆動信号のデューティ比Dが0.5でない矩形波である駆動装置にも適用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係るインパクト型圧電アクチュエータからなる駆動装置の基本構成を概略的に示すブロック図である。この図1において、駆動装置10は、駆動部12と、駆動部12を駆動する駆動回路14と、駆動部12に取り付けられている係合部材30の位置を検出する部材センサ16と、駆動部12の基端に配設された基端センサ18と、駆動部12の先端に配設された先端センサ20と、全体の動作を制御する制御部22とを備えている。
【0027】
図2は、駆動部12の構成例を示す斜視図である。この図2において、駆動部12は、素子固定式構造のものであり、支持部材24と、電気機械変換素子である圧電素子26と、駆動部材28と、係合部材30とから構成されている。
【0028】
支持部材24は、圧電素子26及び駆動部材28を保持するものであり、円柱体の軸方向両端部241,242と略中央に位置する仕切壁243とを残して内部を刳り貫くことにより形成された第1の収容空間244及び第2の収容空間245を有している。この第1の収容空間244には、圧電素子26がその分極方向である伸縮方向を支持部材24の軸方向と一致させた状態で収容されている。また、第2の収容空間245には、駆動部材28と係合部材30の一部とが収容されている。
【0029】
圧電素子26は、例えば、所定の厚みを有する複数枚の圧電基板を各圧電基板間に電極を介して積層することにより構成したものであって、その伸縮方向(積層方向)である長手方向の一方端面が第1の収容空間244の一方端部241側端面に固着されている。支持部材24の他方端部242及び仕切壁243には中心位置に丸孔が穿設されると共に、この両丸孔を貫通して断面円形状の棒状の駆動部材28が第2収容空間245に軸方向に沿って移動可能に収容されている。
【0030】
駆動部材28の第1の収容空間244内に突出した端部は圧電素子26の他方端面に固着され、駆動部材28の第2の収容空間245の外部に突出した端部は板ばね32により所定のばね圧で圧電素子26側に付勢されている。この板ばね32による駆動部材28への付勢は、圧電素子26の伸縮動作に基づく駆動部材28の軸方向変位を安定化させるためである。
【0031】
係合部材30は、駆動部材28の軸方向の両側に取付部301を有する基部302と、両取付部301の間に装着される挟込み部材303とを備えており、基部302が駆動部材28に遊嵌されると共に、挟込み部材303が両取付部301に取り付けられた板ばね304により下方に押圧されて駆動部材28に接触することで係合部材30が所定の摩擦力で駆動部材28に結合され、係合部材30に対してその摩擦力よりも大きな駆動力が作用したときに駆動部材28の軸方向に沿って移動可能とされている。なお、係合部材30には駆動対象物である撮影レンズL(図1)が取り付けられる。
【0032】
図3は、駆動回路14の構成例を示す図である。図3に示す駆動回路14は、ブリッジ回路で構成され、第1の駆動手段である第1の駆動回路151と第2の駆動手段である第2の駆動回路152とから構成される。第1の駆動回路151は、エンハンスメント型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)型FET(Field Effect Transistor)であるスイッチ素子Tr1からなる第1スイッチ回路141、同じくエンハンスメント型のMOS型FETであるスイッチ素子Tr2からなる第2スイッチ回路142、図略の駆動電源からの直流電源電圧V1及び波形発生器145で構成される。第2の駆動回路152は、エンハンスメント型のMOS型FETであるスイッチ素子Tr3からなる第3スイッチ回路143、同じくエンハンスメント型のMOS型FETであるスイッチ素子Tr4からなる第4スイッチ回路144、図略の駆動電源からの直流電源電圧V2及び波形発生器146で構成される。
【0033】
第1の駆動回路151は、図略の駆動電源からの直流電源電圧V1がスイッチ素子Tr1のソート電極に供給され、接地される接続点aとの間に第1スイッチ回路141及び第2スイッチ回路142の直列回路が接続される。第2の駆動回路152は、図略の駆動電源からの直流電源電圧V2がスイッチ素子Tr3のソート電極に供給され、接地される接続点aとの間に第3スイッチ回路143及び第4スイッチ回路144の直列回路が接続される。
【0034】
第1スイッチ回路141を構成するスイッチ素子Tr1及び第3スイッチ回路143を構成するスイッチ素子Tr3はPチャンネルFETであり、第2スイッチ回路142を構成するスイッチ素子Tr2及び第4スイッチ回路144を構成するスイッチ素子Tr4はNチャンネルFETである。PチャンネルFETであるスイッチ素子Tr1,Tr3は駆動制御信号がローレベルのときにオンになり、NチャンネルFETであるスイッチ素子Tr2,Tr4は駆動制御信号がハイレベルのときにオンになる。なお、第1スイッチ回路141及び第2スイッチ回路142の接続点cと、第3スイッチ回路143及び第4スイッチ回路144の接続点dとの間に圧電素子26が接続されてブリッジ回路が構成される。
【0035】
波形発生器145からの第1の駆動信号Sd1はスイッチ素子Tr1及びスイッチ素子Tr2のゲート電極に印加され、波形発生器146からの第2の駆動信号Sd2はスイッチ素子Tr3及びスイッチ素子Tr4のゲート電極に印加される。第1の駆動信号Sd1及び第2の駆動信号Sd2は周波数比が整数比の駆動信号であり、本実施の形態においてこの整数比は1:2である。第1の駆動信号Sd1は振幅がV3でデューティ比D1(D1=B1/A1)が0.5の矩形波形であり、第2の駆動信号Sd2は振幅がV4でデューティ比D2(D2=B2/A2)が0.5の矩形波形である。なお、第1の駆動信号Sd1のデューティ比D1と第2の駆動信号Sd2のデューティ比D2とは、D1+D2=1の関係にある。
【0036】
直流電源電圧V1及びV2は、圧電素子26に印加される矩形波駆動電圧の大きさを決める値であり、直流電源電圧V1は第1の駆動信号Sd1に対応する第1の駆動電圧Vd1、直流電源電圧V2は第2の駆動信号Sd2に対応する第2の駆動電圧Vd2となる。第1の駆動電圧Vd1及び第2の駆動電圧Vd2は第1の駆動信号Sd1及び第2の駆動信号Sd2とは逆位相の電圧で、第1の駆動電圧Vd1は圧電素子26の電極A側から、第2の駆動電圧Vd2は圧電素子26の電極B側からそれぞれ印加される。
【0037】
なお、直流電源電圧V1及びV2をV1=V2として電源系統を統一してもよい。この場合、回路構成が簡素化されることとなり、駆動回路の低コスト化及び小型化をさらに実現することができる。
【0038】
図1に戻り、部材センサ16は、係合部材30の移動可能範囲内に配設されたものであり、MRE(Magneto Resistive Effect)素子やPSD(Position Sensitive Device)素子等の適宜のセンサにより構成されている。また、基端センサ18及び先端センサ20は、フォトインタラプタ等の適宜のセンサにより構成されている。これにより、係合部材30の位置が部材センサ16により検出されることで係合部材30の所定位置への移動制御が可能となる一方、係合部材30の位置が基端センサ18及び先端センサ20により検出されることで係合部材30のそれ以上の移動が禁止される。
【0039】
また、制御部22は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、処理プログラム及びデータが記憶されたROM(Read Only Memory)及びデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成されており、部材センサ16、基端センサ18及び先端センサ20から入力される信号に基づいて駆動回路14を駆動制御する。すなわち、制御部22は、第1の駆動回路151において生成される第1の駆動信号Sd1及び駆動電源からの直流電源電圧V1と、第2の駆動回路152において生成される第2の駆動信号Sd2及び駆動電源からの直流電源電圧V2とを制御する。
【0040】
次に、図4〜7を参照して駆動回路14を用いた位相差速度制御方法の説明を行う。図4は、駆動回路14の原理的な動作を説明するための駆動電圧のパルス波形等を示す図である。図4(a)は、波形発生器145から出力される第1の駆動信号Sd1を表す矩形波であり、矩形波の振幅はV3であり、デューティ比D1は0.5である。図4(b)は、圧電素子26に印加される第1の駆動電圧Vd1を表す矩形波である。図4(c)は圧電素子26に印加される第1の駆動周波数fd1の正弦波電圧Vd1cを表す波形である。図4(d)は、波形発生器146から出力される第2の駆動信号Sd2を表す矩形波であり、矩形波の振幅はV4であり、デューティ比D2は0.5である。また、第1の駆動信号Sd1と第2の駆動信号Sd2との周波数の比は1:2であり、デューティ比D1とデューティ比D2との関係はD1+D2=1である。図4(e)は、圧電素子26に印加される第2の駆動電圧Vd2を表す矩形波である。図4(f)は圧電素子26に印加される第2の駆動周波数fd2の正弦波電圧Vd2cを表す波形である。図4(g)は第1の駆動電圧Vd1と第2の駆動電圧Vd2との差に相当する駆動電圧Vdを表す図である。第1の駆動電圧Vd1が圧電素子26の一方側の電極である電極Aから印加され、第2の駆動電圧Vd2が他方側の電極である電極Bから印加される(図3参照)。
【0041】
図5は、駆動装置10を構成する駆動部材28の機械共振特性を示す特性図である。図5(a)は振幅伝達特性を示す図であり、縦軸は駆動部材28の振幅を表し、横軸は駆動部材28の機械共振周波数frに対する駆動周波数fdの比(fd/fr)を表す。図5(b)は位相伝達特性を示す図であり、縦軸は位相を表し、横軸は駆動部材28の機械共振周波数frに対する駆動周波数fdの比(fd/fr)を表す。なお、共振特性の鋭さを表す量であるQの値は、駆動部材に機械負荷が実装されている状態での実効Q値で10としている。
【0042】
駆動部材28の機械共振周波数frの最も低い機械共振周波数fr1付近に、駆動周波数fd1及び駆動周波数fd2を各々設定することによって共振特性の有する振幅伝達特性を利用し、第1の駆動電圧Vd1及び第2の駆動電圧Vd2の高調波成分(デューティ比D1及びD2が0.5なので奇数次の高調波を各々有する)に対する機械変位応答をなくし、基本波成分に相当する応答が得られる。すなわち、第1の正弦波電圧Vd1cと第2の正弦波電圧Vd2cとが圧電素子26に印加される。そのため、駆動周波数fd1,fd2の設定はfr1を基準にして以下の3種類がある。
【0043】
fd1<fd2<fr1・・・・[1]
fd1<fr1<fd2・・・・[2]
fr1<fd1<fd2・・・・[3]
これらの設定は、従来のデューティ矩形波駆動では圧電素子26の振幅伝達特性と位相伝達特性との両立のため、fd1<fr1<fd2(前記式[2])の設定しかできなかった。しかしながら、第1の駆動信号Sd1及び第2の駆動信号Sd2の周波数が、電気機械変換素子である圧電素子26の最も低い機械共振周波数fr1に基づいて設定されるため、例えば、第1の駆動信号Sd1の駆動周波数fd1と第2の駆動信号Sd2の駆動周波数fd2とをfd1<fr1<fd2(前記式[2])となるように設定することや、fr1<fd1<fd2(前記式[3])となるように設定することや、fd1<fd2<fr1(前記式[1])となるように設定することができ、設定の自由度が増すこととなる。
【0044】
なお、支持部材24及び駆動部材28が固着された状態での圧電素子26の機械共振周波数frは、次の式(1)により求めたものである。
【0045】
【数1】
Figure 0003711935
【0046】
上記式(1)におけるfroは圧電素子26の両電極間におけるフリー共振周波数(圧電素子26自体の電極間方向における機械共振周波数)、mpは圧電素子26の質量、mfは駆動部材28の質量をそれぞれ表わしている。なお、支持部材24の質量は、共振系における圧電素子26の機械共振周波数frに関係するが、支持部材24の質量は圧電素子26及び駆動部材28の各質量mp,mfを加算したものに比べて十分大きな値を有しており、機械共振周波数frに与える影響は小さいので演算パラメータとして考慮する必要はない。また、係合部材30は、圧電素子26の共振時には駆動部材28に対して滑りを生じて実質的に共振系の要素として考慮する必要はないので、上記式(1)の演算パラメータとしては含まれていない。
【0047】
図6(a)は、図5(a),(b)のfd1<fr1<fd2(前記式[2])の場合における振幅伝達特性を示す特性図であり、縦軸は駆動部材28の振幅を表し、横軸は駆動部材28の機械共振周波数frに対する駆動周波数fdの比(fd/fr)を表す。図6(b)は、図5(a),(b)のfd1<fr1<fd2(前記式[2])の場合における位相伝達特性を示す特性図であり、縦軸は位相を表し、横軸は駆動部材28の機械共振周波数frに対する駆動周波数fdの比(fd/fr)を表す。また、図7は、本発明に係る駆動装置10に適用される駆動回路14の具体的な動作を説明するための図である。
【0048】
例えば、駆動部材28の共振周波数frの最も低い機械共振周波数fr1の0.75倍(fd1=0.75×fr1)となるように設定する。なお、説明の便宜上、直流電源電圧V1,V2をV1=V2とする。すなわち、第1の駆動電圧Vd1及び第2の駆動電圧Vd2はVd1=Vd2となる。この場合、第1の駆動電圧Vd1は図7(a)に示すような矩形波となり、第2の駆動電圧Vd2は図7(b)に示すような矩形波となる。圧電素子26の両電極A,Bには、第1の駆動電圧Vd1と第2の駆動電圧Vd2との差に相当する駆動電圧Vd(Vd=Vd1−Vd2)が印加される。振幅伝達特性によって、第1の駆動電圧Vd1及び第2の駆動電圧Vd2に対する変位の高調波成分は各々除去され、残った変位の基本波成分は各々振幅と位相の変化を受ける。振幅伝達特性による振幅変化は、図6(a)に示すようにr1:r2=2.25:0.794となる。また、位相伝達特性による位相の変化は、図6(b)に示すようにθ1:θ2=−9.7°:−173.2°となる。駆動部材28の機械変位xは、第1の正弦波電圧Vd1cによる機械変位x1と第2の正弦波電圧Vd2cによる機械変位x2とを合成(x=x1+x2)したものとなる(図7(d))。また、駆動部材28の駆動速度vは、上記機械変位x1を微分した速度v1と機械変位x2を微分した速度v2とを合成(v=v1+v2)したものとなる(図7(e))。
【0049】
ここで、図7(d)に示す合成変位xの波形を見てみると、立ち上がり部Eで大きなふくらみが発生しており、鋸波形とはなっておらず、所望する駆動部材28の機械変位xを得ることができない。また、駆動部材28の速度v1,v2が略同相の場合に、駆動速度vの波形は略台形形状になるが、図7(e)に示す駆動速度vの波形は略台形形状になっておらず、所望する駆動部材28の速度を得ることはできない。そのため、所望する駆動部材28の鋸波形の機械変位を得るためには第1の正弦波電圧Vd1c、第2の正弦波電圧Vd2cの振幅と位相関係を操作する必要がある。この操作は機械共振周波数fr1の特性の変更は困難であるため、振幅の操作に関しては直流電源電圧V1又はV2の可変によって行い、位相の操作に関しては第1の駆動信号Sd1、第2の駆動信号Sd2の位相関係の可変によって行う。
【0050】
そこで、直流電源電圧V1,V2を例えばV1:V2=1:0.7に設定し、第2の駆動信号Sd2の位相を第1の駆動信号Sd1の位相に対して例えば65°進ませる。これによって図7(f)に示すような第2の駆動電圧Vd2''が得られる。このときの第2の正弦波電圧Vd2''による機械変位x2''は図7(g)に示す波形となる。機械変位x1と機械変位x2''とを合成した機械変位x''は図7(g)に示すような鋸波形となり、所望する駆動部材28の機械変位を得ることができるようになる。また、このときの機械速度v2''は図7(g)に示す波形となる。機械速度v1と機械速度v2''とを合成した駆動速度v''は図7(g)に示すような略台形波形となり、所望の駆動速度を得ることができるようになる。
【0051】
図8は、位相差速度制御方法における係合部材の駆動速度と位相との関係を示す図であり、縦軸は駆動速度、横軸は位相を表している。駆動速度が正の場合は係合部材30は図1の矢印a方向に移動し(前進)、駆動速度が負の場合は係合部材30は図1の矢印aとは逆方向に移動する(後退)。位相差速度制御方法では、圧電素子26に常に一定の駆動信号を印加して、かつ駆動部材28の機械変位xが所望の鋸波形となるように、第1の駆動信号Sd1及び第2の駆動信号Sd2の振幅と位相の関係を調整することで所望の係合部材30の駆動速度を得ることができる。このように位相差速度制御方法は、最大の駆動速度が得られるように調整された状態の位相θm+から位相を可変するに従って機械変位xが鋸波形から崩れるため、駆動速度が低下してθ0(=0)となり、さらに反転して逆方向に最大の駆動速度が得られるように調整された状態の位相θm-となる。
【0052】
また、上記位相差速度制御方法以外の係合部材30の駆動する速度の制御方法としては、圧電素子26に印加される第1の駆動電圧Vd1及び第2の駆動電圧Vd2を同時に可変させる電圧速度制御方法がある。
【0053】
図9は、電圧速度制御方法における係合部材の駆動速度と駆動電圧との関係を示す図であり、縦軸は駆動速度、横軸は駆動電圧を表している。なお、図9で駆動電圧の値が0を境に右側が矢印a方向(図1参照)に最大の駆動速度が得られるように位相が調整された状態であり、左側が戻り方向に最大の駆動速度が得られるように位相が調整された状態である。図9に示すように電圧速度制御方法では、入力される駆動電圧の値が小さい場合に係合部材30の駆動速度が0のままである不感帯が大きくなる。これは、係合部材30が駆動部材28に対して静止摩擦で固定されているので、ある一定以上の駆動電圧を印加しなければ係合部材30は固定された状態のままであるためと考えられる。一方、位相差速度制御方法では、係合部材30の駆動速度が0であっても充分に大きい駆動電圧が印加されているため、常に駆動部材28は振動しており、係合部材30は静止摩擦ではなく浮いている状態の動摩擦で固定されている。そのため、位相差速度制御方法において係合部材30は位相の可変に対して敏感に応答することができ、係合部材30が停止状態から動作を開始するまでの不感帯が小さくなる。
【0054】
しかしながら、上記位相差速度制御方法では、係合部材30が停止状態から動作を開始するまでの不感帯が小さくなるが、圧電素子26に常に電圧が一定である駆動信号が印加されているため、係合部材30の駆動速度にかかわらず消費電力が一定で高くなるという問題が生じる。また、上記電圧速度制御方法では、圧電素子26に印加する駆動電圧を増減するため、平均の消費電力は抑えることができるが、係合部材30が停止状態から動作を開始するまでの不感帯が大きくなるという問題が生じる。
【0055】
これらの問題を解決するため、本発明に係る駆動装置は、係合部材30が停止状態から動作を開始するまでの不感帯が小さく、かつ消費電力を低く抑えて係合部材の駆動速度を制御する方法を実現するものである。具体的には、第1の駆動手段と第2の駆動手段のうちの一方の駆動電圧を固定して、他方の駆動電圧を変化させる。
【0056】
図10は、駆動回路における直流電源電圧V2を可変した場合の駆動部材28の振動の様子を示す図であり、図10の(a)は第1の駆動電圧Vd1、図10の(b)は第2の駆動電圧Vd2''を表す。なお、図10(c)〜(j)において、直流電源電圧V1は1.0とする。図10(c)、(d)は直流電源電圧V2=0の場合の駆動部材28の機械変位xと駆動速度vとを表す。図10(c)、(d)に示すように直流電源電圧V2が0の場合、第2の駆動電圧Vd2''も0となり、駆動部材28は駆動速度v=v1で機械変位x=x1の単振動を行い、係合部材30は動摩擦によって静止した状態となる。そして、直流電源電圧V2の増加にともなって駆動部材28は単振動から鋸波形の振動へ移行し、係合部材30は可動を始め、次第に速度を増すこととなる。図10(e)、(f)は、直流電源電圧V2=0.2の場合の駆動部材28の機械変位xと駆動速度vとを表し、図10(g)、(h)は、直流電源電圧V2=0.4の場合の駆動部材28の機械変位xと駆動速度vとを表し、図10(i)、(j)は、直流電源電圧V2=0.7の場合の駆動部材28の機械変位xと駆動速度vとを表す。図10(i)、(j)に示すように直流電源電圧V2=0.7で駆動部材28の機械変位xは鋸波形となり、駆動速度vは最大速度に達することとなる。
【0057】
なお、係合部材30の前進/後進の反転の方法は、例えば第2の駆動信号Sd2の位相を反転させればよい。また、第1の駆動信号Sd1の位相を90°シフトさせてもよい。
【0058】
図11は、第2の駆動信号Sd2の位相を反転させて係合部材30を後進させる場合の駆動部材28の機械変位x及び駆動速度vを示す図である。図11(a)に示すように、第2の駆動信号Sd2の位相を反転させることで図10(i)に示す機械変位x2の位相も反転して、結果、機械変位x1と機械変位x2とを合成した機械変位xは急峻な立ち上がり部分と緩慢な立ち下り部分とが繰り返されることとなり、係合部材30は後進する。また、図11(b)に示すように、第2の駆動信号Sd2の位相を反転させることで図10(j)に示す駆動速度v2の位相も反転して、駆動速度v1と駆動速度v2とを合成した駆動速度vも反転することとなる。
【0059】
図12は、直流電源電圧V2の可変に対する係合部材30の駆動速度の特性を示す図である。なお、図12で直流電源電圧V2の値が0を境に右側が矢印a方向(図1参照)に最大の駆動速度が得られるように位相が調整された状態であり、左側が戻り方向に最大の駆動速度が得られるように位相が調整された状態である。最大の駆動速度が得られるように第2の駆動信号Sd2の位相の調整を行った場合、直流電源電圧V2が0から増加するにつれて係合部材30の駆動速度は正となり、係合部材30は前進することとなる。第2の駆動信号Sd2の位相を反転させた場合、直流電源電圧V2が0から増加するにつれて係合部材30の駆動速度は負となり、係合部材30は後進することとなる。
【0060】
このように、係合部材30が停止時であっても駆動部材28は単振動を行っており動摩擦で位置が固定されているので、わずかな直流電源電圧V2の増加によって係合部材30は動作を始めることができる。したがって、係合部材30が停止状態から動作を開始するまでの不感帯は小さくなる。
【0061】
また、駆動回路における消費電力に関しては、次の式(2)で表すことができる。
【0062】
Pa=Pv1+Pv2・・・・(2)
なお、Paは総消費電力を表し、Pv1,Pv2は直流電源電圧V1,V2で消費される電力を表す。
【0063】
位相差速度制御方法での総消費電力Pa1は、式(2)より以下の式(3)で表すことができる。
【0064】
【数2】
Figure 0003711935
【0065】
なお、Pa1は位相差速度制御方法での総消費電力を表し、V1,V2は直流電源電圧を表し、Cは圧電素子の静電容量を表し、fd1は基本の駆動周波数を表す。
【0066】
本発明に係る制御方法での総消費電力Pa2は、以下の式(4)で表すことができる。
【0067】
【数3】
Figure 0003711935
【0068】
なお、Pa2は本発明に係る制御方法での総消費電力を表し、V1は直流電源電圧を表し、V22 AVEは速度制御期間中の速度制御電圧V2の2乗平均値を表す。
【0069】
位相差速度制御方法の場合、直流電源電圧V1,V2は、V1:V2=1:0.7で一定に設定されているため、制御速度にかかわらず総消費電力は常に一定で高いものとなる。これに対して、本発明に係る制御方法の場合、速度制御期間中のV2の2乗平均値は、0.49(位相差速度制御方法の場合のV22=0.72)よりも小さくなる。そのため、総消費電力もPa1>Pa2となり、本発明に係る制御方法の方が位相差速度制御方法に比べて総消費電力も小さくなることがわかる。
【0070】
本実施の形態では、直流電源電圧V2を可変することによって圧電素子26に印加される第2の駆動電圧Vd2を可変し、係合部材30の駆動速度を制御する場合について述べたが、本発明は特にこれに限定されず、第1の駆動手段と第2の駆動手段のうちの一方の駆動信号を固定して、他方の駆動信号のパルス数を間引くことで係合部材30の駆動速度を制御しても良い。具体的には、直流電源電圧V2の値を一定に保ち、一定周期内の駆動信号である矩形波のパルス数を適切に間引くことによって駆動速度を制御する。例えば、デジタル制御でのサンプリング制御などのように一定周期毎に速度指示が与えられる場合、一定周期内に存在させる矩形波のパルス数とその上限数との比を指示速度に概略比例させて、一定周期内の平均の速度を指示速度に合わせる。
【0071】
図13は、本発明の別の実施の形態における第2の駆動信号Sd2を示す図である。図13に示す第2の駆動信号Sd2は、サンプリング周期(指示速度の周期)を2KHzとし、第1の駆動周波数fd1を60KHzとした場合の第2の駆動周波数fd2を2×60KHzとする。矩形波のパルス数をkとし、そのときの係合部材30の駆動速度をvkとする。矩形波のパルス数kが5の場合に駆動部材28の平均駆動速度はv5となり、矩形波のパルス数kが8の場合に駆動部材28の平均駆動速度はv8となる。図14は、第2の駆動信号Sd2の矩形波のパルス数と指示速度との特性を表す図である。縦軸は矩形波のパルス数kを表し、横軸は指示速度vkを表す。なお、図14で指示速度vkの値が0を境に右側が矢印a方向(図1参照)に最大の駆動速度が得られるように位相が調整された状態であり、左側が戻り方向に最大の駆動速度が得られるように位相が調整された状態である。この制御方法による駆動装置では、矩形波の上限数60(k=2×60÷2)に、最大の駆動速度が得られるように第2の駆動信号Sd2の位相の調整を行った場合の指示速度v+60と、第2の駆動信号Sd2の位相を反転させた最大の指示速度v-60とを各々対応させ、例えば実験などで求めた指示速度vkと矩形波のパルス数kの特性から最適な矩形波のパルス数kを指定し、係合部材30の駆動速度を制御する。
【0072】
このように、駆動信号のパルス数の間引きによる駆動速度の制御は、第1の駆動信号Sd1及び第2の駆動信号Sd2を制御することで行われるため、駆動電圧を可変する場合に比べて電圧制御回路が不要となり、回路構成を簡略化することが可能となる。
【0073】
なお、本実施の形態では、駆動周波数の高い直流電源電圧V2を速度制御電圧としたが、本発明は特にこれに限定されず、駆動周波数の低い直流電源電圧V1を速度制御電圧としてもよい。また、消費電力の削減を考慮すると、所望の最大速度に位相関係を設定した状態において、直流電源電圧V1での消費電力又は直流電源電圧V2での消費電力のうちの値の大きい方を速度制御電圧としたほうがよい。
【0074】
また、消費電力の他の削減方法として、第1の駆動電圧Vd1及び第2の駆動電圧Vd2に正弦波電圧を印加できる駆動回路を用いてもよい。
【0075】
図15は、駆動回路14の別の構成例を示す図である。この図において、駆動回路14'はブリッジ回路で構成され、第1の駆動回路151'と第2の駆動回路152'とから構成される。第1の駆動回路151'は、エンハンスメント型のMOS(MetalOxideSemiconductor)型FET(Field Effect Transistor)であるスイッチ素子Tr1からなる第1スイッチ回路141、同じくエンハンスメント型のMOS型FETであるスイッチ素子Tr2からなる第2スイッチ回路142、図略の駆動電源からの直流電源電圧V1、波形発生器145'、コンデンサC1、入力抵抗R1及び帰還抵抗R2で構成される。第2の駆動回路152'は、エンハンスメント型のMOS型FETであるスイッチ素子Tr3からなる第3スイッチ回路143、同じくエンハンスメント型のMOS型FETであるスイッチ素子Tr4からなる第4スイッチ回路144、図略の駆動電源からの直流電源電圧V2、波形発生器146'、コンデンサC2、入力抵抗R3及び帰還抵抗R4で構成される。このように、第1の駆動回路151'に入力抵抗R1及び帰還抵抗R2を配置することによって、ゲインG1がG1=R2/R1である増幅回路となり、同様に、第2の駆動回路152'に入力抵抗R3及び帰還抵抗R4を配置することによって、ゲインG2がG2=R4/R3である増幅回路となる。ただし、ゲインG1,G2は充分大きいとする。
【0076】
第1の駆動回路151'は、図略の駆動電源からの直流電源電圧V1がスイッチ素子Tr1のソート電極に供給され、接地される接続点aとの間に第1スイッチ回路141及び第2スイッチ回路142の直列回路が接続される。第2の駆動回路152'は、図略の駆動電源からの直流電源電圧V2がスイッチ素子Tr3のソート電極に供給され、接地される接続点aとの間に第3スイッチ回路143及び第4スイッチ回路144の直列回路が接続される。
【0077】
第1スイッチ回路141を構成するスイッチ素子Tr1及び第3スイッチ回路143を構成するスイッチ素子Tr3はPチャンネルFETであり、第2スイッチ回路142を構成するスイッチ素子Tr2及び第4スイッチ回路144を構成するスイッチ素子Tr4はNチャンネルFETである。PチャンネルFETであるスイッチ素子Tr1,Tr3は駆動制御信号がローレベルのときにオンになり、NチャンネルFETであるスイッチ素子Tr2,Tr4は駆動制御信号がハイレベルのときにオンになる。なお、第1スイッチ回路141及び第2スイッチ回路142の接続点cと、第3スイッチ回路143及び第4スイッチ回路144の接続点dとの間に圧電素子26が接続されてブリッジ回路が構成される。
【0078】
第1の駆動信号Sd1'は直流阻止用のコンデンサC1を通じて入力抵抗R1に印加され、第1の駆動電圧Vd1'は第1の駆動信号Sd1'をゲインG1倍した電圧となる。同様に、第2の駆動信号Sd2'は直流阻止用のコンデンサC2を通じて入力抵抗R3に印加され、第2の駆動電圧Vd2'は第2の駆動信号Sd2'をゲインG2倍した電圧となる。
【0079】
図16は、駆動回路14'の原理的な動作を説明するための駆動電圧のパルス波形等を示す図である。図16(a)は、波形発生器145'から出力される第1の駆動信号Sd1'を表す正弦波であり、正弦波の振幅はV3である。図16(d)は、波形発生器146'から出力される第2の駆動信号Sd2'を表す正弦波であり、正弦波の振幅はV4である。また、第1の駆動信号Sd1'と第2の駆動信号Sd2'との周波数の比は整数比であり、本実施の形態においてこの整数比は1:2である。
【0080】
図16(b)は、圧電素子26に印加される第1の駆動電圧Vd1'を表す正弦波電圧であり、図16(e)は、圧電素子26に印加される第2の駆動電圧Vd2'を表す正弦波電圧である。図16(c)は圧電素子26に印加される駆動周波数fd1'の正弦波電圧Vd1c'を表す波形であり、図16(f)は圧電素子26に印加される駆動周波数fd2'の正弦波電圧Vd2c'を表す波形である。図16(g)は第1の駆動電圧Vd1'と第2の駆動電圧Vd2'との差に相当する駆動電圧Vd'を表す図である。この駆動電圧Vd'が圧電素子26の一方側の電極である電極Aと他方側の電極である電極Bとから印加される。
【0081】
このように、第1の駆動信号Sd1'及び第2の駆動信号Sd2'を正弦波とすることで、振幅伝達特性による高調波除去に留意しなくてもよくなるという利点がある。
【0082】
なお、回路構成を簡略化するために、第1の駆動電圧Vd1及び第2の駆動電圧Vd2のうちのどちらか一方に正弦波電圧を印加するようにしてもよく、この場合、定常印加する側の駆動電圧に用いたほうがよい。
【0083】
また、本実施の形態では駆動状態を一定とする第1の駆動信号Sd1のデューティ比D1及び駆動状態が可変される第2の駆動信号Sd2のデューティ比D2をともに0.5にするとしたが、本発明は特にこれに限定されず、可変される第2の駆動信号Sd2のデューティ比D2が0.5でない矩形波であってもよい。
【0084】
また、本実施の形態ではカメラの撮影レンズに関する駆動装置で説明したが、本発明は特にこれに限定されず、XY移動ステージ、オーバーヘッドプロジェクタの投影レンズ及び双眼鏡のレンズ等の駆動に適した駆動装置にも適用可能である。
【0085】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、係合部材は動摩擦によってその位置が固定されているため、1の電気機械変換素子に印加する第1の駆動信号及び第2の駆動信号のうち、いずれか一方の駆動信号を固定して他方の駆動信号を変化させることで駆動速度の変化に即座に応答することができ、係合部材が停止状態から動作を開始するまでの不感帯を小さくすることができる。また、第1の駆動信号と第2の駆動信号のいずれか一方の駆動信号を固定して他方の駆動信号を変化させるため、双方を常に固定して駆動速度を制御する場合に比べて消費電力を低く抑えることができる。
【0086】
請求項2に記載の発明によれば、通常、駆動信号を常に固定すると消費電力は高くなるが、係合部材の駆動速度を最大に設定した際に、第1の駆動手段と第2の駆動手段のうちの消費電力が少ない方で生成される駆動信号を固定して消費電力を低く抑えることができる。
【0087】
請求項3に記載の発明によれば、第1の駆動信号及び第2の駆動信号が矩形波信号からなり、速度制御手段は、第1の駆動手段と第2の駆動手段のうちの一方の電圧レベルを変化させること、もしくは第1の駆動手段と第2の駆動手段のうちの一方のパルス数を間引くことによって他方の駆動信号を変化させることができる。
【0088】
請求項4に記載の発明によれば、一方の駆動信号は、デューティ比Dが0.5の矩形波であるため、他方の駆動信号が0の場合でも電気機械変換素子は単振動を行うこととなり、係合部材を動摩擦で停止させることができる。
【0089】
請求項5に記載の発明によれば、第1の駆動信号及び第2の駆動信号は、互いに周波数が同じ信号であり、他方の駆動信号のデューティ比Dが0.5でない矩形波である駆動装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るインパクト型圧電アクチュエータからなる駆動装置の基本構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】 駆動部の構成例を示す斜視図である。
【図3】 駆動回路の構成例を示す図である。
【図4】 駆動回路の原理的な動作を説明するための駆動電圧のパルス波形等を示す図である。
【図5】 駆動装置を構成する支持部材及び駆動部材が固着された状態での圧電素子の機械共振特性を示す特性図である。
【図6】 本発明に係る駆動装置の振幅伝達特性及び位相伝達特性を示す特性図である。
【図7】 本発明に係る駆動装置に適用される駆動回路の具体的な動作を説明するための図である。
【図8】 位相差速度制御方法における圧電素子の駆動速度と位相との関係を示す図である。
【図9】 電圧速度制御方法における電圧素子の駆動速度と駆動電圧との関係を示す図である。
【図10】 駆動回路における直流電源電圧V2を可変した場合の駆動部材の振動の様子を示す図である。
【図11】 第2の駆動信号の位相を反転させて係合部材を後進させる場合の駆動部材の機械変位及び駆動速度を示す図である。
【図12】 直流電源電圧V2に対する係合部材の駆動速度の特性を示す図である。
【図13】 本発明の別の実施の形態における第2の駆動信号Sd2を示す図である。
【図14】 第2の駆動信号の矩形波のパルス数と指示速度との特性を表す図である。
【図15】 駆動回路の別の構成例を示す図である。
【図16】 別の構成例である駆動回路の原理的な動作を説明するための駆動電圧のパルス波形等を示す図である。
【図17】 従来例の駆動装置の概略構成を示す図である。
【図18】 図10に示す駆動装置の駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【図19】 図11に示す駆動回路の出力波形を示す図である。
【図20】 従来例の駆動装置の振幅伝達特性及び位相伝達特性を示す特性図である。
【符号の説明】
10 駆動装置
14 駆動回路
22 制御部(速度制御手段)
26 圧電素子(電気機械変換素子)
28 駆動部材
30 係合部材
141 第1のスイッチング回路
142 第2のスイッチング回路
143 第3のスイッチング回路
144 第4のスイッチング回路
145 第1の波形発振器
146 第2の波形発振器
151 第1の駆動回路(第1の駆動手段)
152 第2の駆動回路(第2の駆動手段)
Tr1 第1のスイッチ素子
Tr2 第2のスイッチ素子
Tr3 第3のスイッチ素子
Tr4 第4のスイッチ素子

Claims (5)

  1. 駆動信号が印加されることにより伸縮する1の電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向における一方端に固着された支持部材と、前記電気機械変換素子の伸縮方向における他方端に固着された駆動部材と、前記駆動部材に所定の摩擦力で係合された係合部材と、前記電気機械変換素子を駆動する駆動回路とから構成され、前記電気機械変換素子を異なる速度で伸縮させることで前記支持部材と前記係合部材とを相対移動させる駆動装置において、
    所定の周波数の第1の駆動信号を生成する第1の駆動手段と、前記第1の駆動信号とは異なる所定の周波数の第2の駆動信号を生成する第2の駆動手段と、前記電気機械変換素子に印加する前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号のうち、いずれか一方の駆動信号を固定し、他方の駆動信号を変化させることによって前記係合部材の駆動速度を制御する速度制御手段とを備えることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記一方の駆動信号は、前記係合部材の駆動速度を最大に設定した際に、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段のうちの消費電力が少ない方で生成されることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  3. 前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号は、矩形波信号からなり、前記速度制御手段は、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段のうちの一方の電圧レベルを変化させること、もしくはパルス数を間引くことによって前記他方の駆動信号を変化させることを特徴とする請求項1又は2記載の駆動装置。
  4. 前記一方の駆動信号は、デューティ比Dが0.5の矩形波であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の駆動装置。
  5. 前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号は、互いに周波数が同じ信号であり、前記他方の駆動信号のデューティ比Dが0.5でない矩形波であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の駆動装置。
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