JP2003348888A - リニアアクチュエータの駆動制御装置およびそれを用いたリニアアクチュエータ - Google Patents

リニアアクチュエータの駆動制御装置およびそれを用いたリニアアクチュエータ

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JP2003348888A
JP2003348888A JP2002152993A JP2002152993A JP2003348888A JP 2003348888 A JP2003348888 A JP 2003348888A JP 2002152993 A JP2002152993 A JP 2002152993A JP 2002152993 A JP2002152993 A JP 2002152993A JP 2003348888 A JP2003348888 A JP 2003348888A
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vibrator
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drive control
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Mikihiro Yamashita
幹弘 山下
Atsushi Takahashi
篤史 高橋
Seiichi Iwao
誠一 岩尾
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動子の振幅が微細となり、検出出力が得ら
れない場合でもリニアアクチュエータの駆動を継続させ
る。 【解決手段】 永久磁石9を備える振動子3が、電磁石
を構成する固定子5に対して往復運動(振動)すると
き、固定子5の電磁石を構成する巻線に、巻線電圧が誘
起される。検出回路11は、その巻線電圧に基づいて、
検出出力を発生させて駆動制御装置10に送信する。し
かし、振動子3の振動が非常に小さくなり、検出出力が
得られなくなった場合、その検出出力が得られたと仮定
した擬似的な検出出力を、駆動制御装置10で発生させ
る。そして、その擬似的な検出出力に基づいて、所定の
周波数およびパルス幅を有する駆動パルスを駆動制御装
置10で発生させる。その発生した駆動パルスを、アン
プ15で増幅して電力として固定子5の巻線に供給し、
振動子3の往復運動を継続させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定子に対して振
動子を往復運動させるリニアアクチュエータの駆動制御
装置に関し、特に、検出出力に基づいたフィードバック
制御が不能となった場合でも駆動可能なリニアアクチュ
エータの駆動制御装置に関する。そして、この駆動制御
装置を用いたリニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小型家電製品(例えば電気カミソ
リ)に適用されるリニアアクチュエータは、電磁石また
は永久磁石を備える固定子と、永久磁石または電磁石を
備える振動子と、振動子の変位、速度および加速度など
を検出する検出回路と、電磁石を構成する巻線に電力を
供給する電力供給回路と、検出回路の検出出力に基づい
て巻線への供給電力を制御する駆動制御装置とを備えて
いる。
【0003】駆動制御装置は、検出回路の検出出力に基
づいて電力を供給するための駆動パルスを発生させ、そ
の駆動パルスに基づいて固定子に対して振動子が往復運
動するように制御するフィードバック制御を行う。一
方、検出回路は、例えば、フォトセンサ(光センサ)や
電圧センサなどのセンシング素子を備えており、センシ
ング素子によって振動子の振動子の変位や速度などを検
出する。ここで、フォトセンサは、光を利用して振動子
の変位や速度を検出する、フォトセンシングを行うセン
サである。また、電圧センサは、振動子の往復運動によ
って生じる誘導起電圧を利用して振動子の変位や速度を
検出する、電圧センシングを行うセンサである。
【0004】このようなリニアアクチュエータは、振動
子の振幅が約1〜4mmと比較的大きいため、上記フォ
トセンシングや電圧センシングによって検出されるセン
シング信号(検出信号)の検出レベルは、リニアアクチ
ュエータや駆動制御装置における、回路、CPUおよび
A/D変換部などで処理しやすいレベルであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、電動歯ブラシに適用される場合には、振動子は、振
幅が例えば約1mm〜0.1mmという微細な振動領域
で動作するため、センシング素子の分解能を下回ってし
まう。そのため、検出回路から適切な検出出力が得られ
ずにフィードバック制御が不能となってしまうという問
題があった。
【0006】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、振動子の振動が微細な振動領
域となり、検出出力に基づいたフィードバック制御が不
能となった場合でも制御可能なリニアアクチュエータの
駆動制御装置を提供することにある。そして、このよう
な駆動制御装置を適用したリニアアクチュエータを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明に係るリニアアクチュエータの駆動制御装
置は、電磁石または永久磁石を備える固定子と、永久磁
石または電磁石を備える振動子と、前記振動子の変位、
速度および加速度のうち少なくとも1つを検出する検出
回路とを備えるリニアアクチュエータに対し、前記検出
回路の検出出力に基づいて前記固定子に対して前記振動
子が往復運動するように周波数およびパルス幅のうち少
なくとも一方を制御した駆動パルスで前記電磁石に電力
を供給するリニアアクチュエータの駆動制御装置におい
て、前記検出出力に基づいて前記駆動パルスの制御が不
能となった場合に、予め設定した周波数およびパルス幅
に前記駆動パルスを制御することを特徴としている。
【0008】このように本発明に係るリニアアクチュエ
ータの駆動制御装置は、固定子の電磁石へ電力(電流)
を供給して振動子を振動させる。そして、振動子が振動
した結果、固定子の電磁石に発生する信号を検出回路で
検出し、検出回路からの検出出力に基づいて駆動パルス
を発生させ、再び電磁石に電力供給を行うという制御、
すなわち、フィードバック制御が不能となるとき、前記
検出出力が得られたと仮定した擬似的な検出出力を駆動
制御装置で発生させる。
【0009】そして、その擬似的な検出出力に基づいて
設定された駆動パルスを、駆動制御装置内で発生させ、
アンプで増幅させて電力として電磁石へ供給する。
【0010】これにより、振動子の振幅が非常に小さい
領域で動作する場合でもリニアアクチュエータの駆動制
御を継続させることが可能となる。
【0011】また、前記周波数は、前記リニアアクチュ
エータに固有の共振周波数であってもよい。
【0012】それによると、検出回路からの検出出力が
得られなくなり、フィードバック制御が不能となる場
合、リニアアクチュエータ固有の共振周波数を予め計測
しておき、振動子が振動するときに、その予め計測され
た共振周波数と同じ周波数となるような周波数およびパ
ルス幅を有した駆動パルスを、駆動制御装置内で発生さ
せる。それにより、振動子の振幅が非常に小さい領域で
動作する場合でもリニアアクチュエータの駆動を継続さ
せることが可能となる。
【0013】また、フィードバック制御が不能となる場
合でもリニアアクチュエータを共振周波数で駆動できる
ため、つまり、リニアアクチュエータの負荷に応じた、
振動子の周波数と振幅との共振関係を示す特性曲線の極
大値での周波数で駆動できるため、振動子の振幅が最大
のリニアアクチュエータを得ることができる。
【0014】また、前記周波数およびパルス幅は、前記
検出が可能であるときの前記検出出力に基づいて算定さ
れたものであることが好ましい。
【0015】それによると、フィードバック制御が不能
になったときに発生させる駆動パルスの周波数およびパ
ルス幅を、フィードバック制御が不能となる以前の、検
出回路からの検出出力の情報に基づいて予測計算して求
める。それにより、フィードバック制御が不能となると
きの、リニアアクチュエータ固有の共振周波数を予め測
定しておく必要がなく、あるいは、予め測定して得られ
た共振周波数を用いる必要がなく、個々のリニアアクチ
ュエータの駆動状態に応じて、その都度算定された最適
な共振周波数を得ることができる。
【0016】また、例えば、予測計算に相加平均を用い
れば、急激な負荷の変化に対して極端に共振周波数から
離れた周波数を有する擬似的なセンシング信号を発生さ
せてしまうことを抑制する、周波数飛び幅のリミッタと
しての役割を持たせることができる。
【0017】また、前記検出出力に基づいて前記駆動パ
ルスの制御が不能となった場合に、前記検出出力に基づ
いて前記電力供給の制御が可能であった場合のパルス幅
に比べて前記パルス幅を小さくしてもよい。
【0018】また、前記検出出力に基づいて前記駆動パ
ルスの制御が不能となった場合、前記駆動パルスのパル
ス数を間引いてもよい。
【0019】それらによると、電磁石に発生する信号の
検出区間が拡大され、検出不能であった信号を、検出区
間の範囲内に復帰させて検出しやすくすることができ
る。
【0020】また、本発明に係るリニアアクチュエータ
は、電磁石または永久磁石を備える固定子と、永久磁石
または電磁石を備える振動子と、前記振動子の変位、速
度および加速度のうち少なくとも1つを検出する検出回
路とを備え、前記検出回路の検出出力に基づいて前記固
定子に対して前記振動子が往復運動するように周波数お
よびパルス幅のうち少なくとも一方を制御した駆動パル
スで前記電磁石に電力を供給する駆動制御装置を用いた
リニアアクチュエータにおいて、前記駆動制御装置は、
前記検出出力に基づいた前記駆動パルスの制御が不能と
なった場合に、予め設定した周波数およびパルス幅に前
記駆動パルスを制御することを特徴としている。
【0021】これにより、振動子の振幅が非常に小さい
領域で動作する場合でもリニアアクチュエータの駆動制
御を継続させることができるリニアアクチュエータを得
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面に基づいて説明する。
【0023】図1は、本発明の実施の形態に係るリニア
アクチュエータの駆動制御装置とリニアアクチュエータ
との構成図である。
【0024】先ず、リニアアクチュエータ1について以
下に説明する。リニアアクチュエータ1は、筐体2、振
動子3、バランス重量4、固定子5、軸6、バネ7、検
出回路11およびアンプ15を備えて構成されている。
なお、リニアアクチュエータ1は、例えばリニア振動モ
ーターである。
【0025】筐体2は、その内部に空間8が形成された
円筒形状をしている。筐体2の長手方向の両側の側板に
は貫通穴が形成されており、その貫通穴には軸6が通さ
れている。振動子3とバランス重量4は、所定の間隔で
軸6に設けられており、振動子3、バランス重量4およ
び筐体2の両側板との間にバネ7を挟んで空間8の中に
収納されている。筐体2は、例えば、電動歯ブラシの把
持部を構成する。
【0026】振動子3は、円柱形状をしており、その両
端部に永久磁石9が配設されている。振動子3の両端部
の永久磁石9は、それぞれ互いに極性が異なるように着
磁されている。一方、固定子5は、筐体2の空間8部の
内壁に固設された、巻線(コイル)からなる円筒形状の
電磁石であり、振動子3と磁力によって相互作用する位
置に設けられている。
【0027】固定子5の電磁石の巻線には、電力(電
流)が供給され、その電流の流れる向きに応じて固定子
5のN極およびS極の極性が互いに反転する。固定子5の
極性が反転するごとに、固定子5と振動子3(永久磁石
9)との間に磁力によって生じる吸引力および反発力
は、交互に入れ替わる。その結果、振動子3は、固定子
5に対して軸6の長手方向(図1に示す矢印Aの方向)
で往復運動する。
【0028】バランス重量4は、振動子3の安定した振
動を保つための重りである。バランス重量4は、筐体2
の側板および振動子3との間のバネ7によって自由振動
することができ、振動子3による不安定な振動が生じた
とき、その不安定な振動を打ち消すように自由振動す
る。検出回路11(センシング回路)は、振動子3の変
位、速度および加速度のうち少なくとも1つを検出(セ
ンシング)する部位であり、固定子5の巻線に電気的に
接続されている。
【0029】ここで、振動子3が振動すると、固定子5
との磁力による相互作用により固定子5の巻線に誘導起
電圧(以降、誘導起電圧を巻線電圧と称す)が発生す
る。検出回路11には、例えば電圧センサなどのセンシ
ング素子が備えられており、その巻線電圧を検出する。
なお、電圧センサは、振動子3の往復運動によって生じ
る誘導起電圧を利用して振動子3の変位や速度を検出す
る、電圧センシングを行うセンサである。誘導起電圧
は、振動子3の変位、速度および加速度などに応じて変
化する。例えば、振動子3がその往復運動の振幅の一端
に達した時、永久磁石9の動きが止まって磁束の変化が
なくなるために電圧値が略零となり、振幅中央位置に達
した時、振動子3の速度が最大になると共に電圧値も最
大となる。よって、最大速度を検出すれば振動子3の最
大速度および位置を検出することができ、上述の零点を
検出すれば移動方向反転時点(死点到達時点)を検出す
ることができる。
【0030】アンプ15は、固定子5の巻線に電気的に
接続されおり、後段で説明する駆動制御装置10からの
駆動パルスを増幅して、固定子5の巻線に電力供給す
る。
【0031】次に、上記リニアアクチュエータ1の駆動
制御装置10について以下に説明する。
【0032】駆動制御装置10は、主に、メモリや中央
処理装置(CPU)などからなり、検出回路11および
アンプ15と電気的に接続されている。駆動制御装置1
0は、検出回路11からの検出出力に基づいて駆動パル
スを発生し、その駆動パルスを、アンプ15で増幅させ
て、固定子5の巻線に電流を供給することによって振動
子3を振動させる。
【0033】ここで、図10は、フィードバック制御が
可能な状態における固定子の巻線における電流および巻
線電圧を示す図である。
【0034】図10に示すような波形の電流103を固
定子5の巻線に供給すると、振動子3が振動し、その振
動に伴って、固定子5の巻線に、差動電圧である巻線電
圧104が誘起される。
【0035】検出回路11は、巻線電圧104(センシ
ング信号)における0点クロス102…を検出し、その
センシング信号から得られた、0点クロス102の位置
の情報に基づいてタイミング信号(検出出力)を発生す
る。
【0036】ただし、0点クロスは、巻線電圧104の
符号が反転する点、あるいは、巻線電圧104の電圧が
ゼロになる点である。
【0037】検出回路11で発生させたタイミング信号
は、駆動制御装置10に入力される。駆動制御装置10
は、このタイミング信号に同期させて、+(プラス)側
および−(マイナス)側の駆動パルスを、それぞれ交互
に発生させる。
【0038】上記タイミング信号を基に駆動制御装置1
0で発生した駆動パルスは、アンプ15に入力されて増
幅される。そして、増幅された駆動パルスは、電流10
3として巻線に供給されて固定子5を磁化する。すなわ
ち、巻線に電流103が供給されることによって、振動
子3の振動に必要なエネルギーが与えられる。
【0039】そして、巻線を流れる電流103の向きに
応じて固定子5の極性が反転すると、永久磁石9・9と
相互作用して生じる吸引力および反発力も反転し、振動
子3は往復運動することができる。
【0040】以上におけるリニアアクチュエータ1の駆
動制御は、巻線へ電流103を供給して振動子3を振動
させ、その結果発生する巻線電圧104の0点クロス1
02を検出し、その検出情報を利用して駆動パルスを発
生させ、駆動パルスを増幅して電流103として、再び
巻線に戻すという制御、すなわち、フィードバック制御
である。
【0041】ここで、図11は、リニアアクチュエータ
の駆動制御装置の固定子の巻線における電流103およ
び巻線電圧104であり、図10に示す電流103と巻
線電圧104とをそれぞれ分離して示している。ただ
し、電流103と巻線電圧104とのそれぞれの時間軸
おける各時間は対応している。
【0042】上述の、検出回路11における巻線電圧1
04の0点クロス102…の検出は、巻線に電流103
が流れていない間の検出区間110…で行わなければな
らない。
【0043】しかし、振動子3の振幅が、例えば約1m
m〜0.1mmという微細な振動の領域で振動子3を動
作させる場合、すなわち、リニアアクチュエータ1の負
荷が大きな場合、0点クロス102が消失してしまい、
あるいは、0点クロス102の位置が明確でなくなって
しまい、検出信号が得られなくなり正常なセンシングが
不能となり、センシング信号を基にしたタイミング信号
を発生できなくなる。
【0044】なお、この0点クロス102の消失は、光
センシングや電圧センシングするときのセンシング信号
のレベルが、センシング素子の分解能よりも小さくなり
(分解能を下回り)、センシングの元となる信号を得る
ことができず、すなわち、センシング信号の情報が正確
に検知できず、制御不能となって起こる場合と、巻線電
圧104の周波数や位相がずれて検出区間110から外
れることにより検出不能となって起こる場合とがある。
【0045】ここで、図2は、リニアアクチュエータ1
の駆動制御のモードを示す図であり、(a)は同期モー
ドを示し、(b)は非同期モードを示す。また、図3
は、リニアアクチュエータ1の位相、振幅および周波数
の共振関係を示す。
【0046】以下、図2および図3を用いて、リニアア
クチュエータ1の駆動制御に関する同期モードおよび非
同期モードについて説明する。ただし、以下、同一の符
号を付記して引用しているものは同じ構成を示してお
り、その説明を省略する。
【0047】図2(a)に示すように、リニアアクチュ
エータ1から得られたセンシング信号は、検出回路11
で検出される。検出されたセンシング信号は検出回路1
1で波形整形され、その波形整形された情報を基に、検
出回路11はタイミング信号を発生する。このタイミン
グ信号は駆動制御装置10に入力される。
【0048】駆動制御装置10では、入力されたタイミ
ング信号の信号間隔を測ることによって駆動中の振動子
3の周波数を知ることができる。駆動制御装置10は、
その得られた周波数に基づいて駆動パルスを発生させて
アンプ15へ入力する。そして、アンプ15で駆動パル
スを増幅させ、その結果生じた電流103を、固定子5
の巻線に供給し、リニアアクチュエータ1を駆動する。
この時の動作を、同期モードと称す。
【0049】一方、図2(b)に示すように、リニアア
クチュエータ1にかかる外部からの負荷が大きくなり、
つまり、リニアアクチュエータ1が重負荷あるいは過負
荷となり、上記センシング信号が極めて小さくなり、検
出回路11でのタイミング信号の発生が不能となった場
合、駆動制御装置10は、タイミング信号が受信され
ず、タイミング信号が無くなったことを条件(スイッ
チ)として、擬似的なタイミング信号を駆動制御装置1
0の内部で発生させ、それに基づいて駆動パルスを発生
させ、アンプ15へ出力する。そして、アンプ15で駆
動パルスを増幅させ、増幅した結果生じた電流103を
巻線に供給し、リニアアクチュエータ1を駆動する。こ
の時の動作を、非同期モードと称す。
【0050】ここで、リニアアクチュエータ1は、駆動
する場合、図3に示すような、位相(位相曲線31)、
振幅(振幅特性曲線32)および周波数(グラフの横
軸)の共振関係がある。
【0051】上記の同期モードまたは非同期モードに対
して、以下のような順序で、位相、振幅および周波数が
決定する。
【0052】すなわち、同期モードの場合、まず、駆動
制御装置10が、検出回路11によって検出されたセン
シング信号に基づいて発生したタイミング信号に合わせ
て、駆動パルス(出力パルス)の位相33を決める。次
に、その決められた位相33のときに、リニアアクチュ
エータ1の振動子3がエネルギー的に動きやすくなる周
波数34に自動的に落ち着く。
【0053】その結果、リニアアクチュエータ1の振幅
特性曲線32により、その周波数34に対応する振幅3
5が決定する。
【0054】一方、非同期モードの場合、まず、駆動制
御装置10が周波数36を決める。次に、周波数36を
有する駆動パルスを出力すると、それに応じて振動子3
が振動し、その振動に応じた振幅37となる。その結
果、リニアアクチュエータ1の位相曲線31に応じた位
相38に自動的に落ち着く。
【0055】ところで、リニアアクチュエータ1に負荷
をかけた場合、上記の振幅特性曲線32で示されるよう
な、リニアアクチュエータ1の特性曲線は、図12のよ
うに変動する。
【0056】すなわち、負荷を増大させて、特性曲線1
20を特性曲線121まで変化させていくと、各特性曲
線の極大値である共振周波数は、矢印123の方向にず
れていき、大きくなっていく。これに伴い、その共振周
波数に対する振幅が小さくなっていく。このように負荷
が増大していく途中で、上述のようにセンシング信号に
基づいた駆動パルスの発生が不能となる。
【0057】なお、一般的に、共振周波数は、リニアア
クチュエータ1の負荷の変化に応じて、共振周波数が大
きくなる方向である+側、または、共振周波数が小さく
なる方向である−側のいずれかの方向にずれる。
【0058】本実施の形態に係るリニアアクチュエータ
1の駆動制御装置10による、同期モードおよび非同期
モード時の駆動制御につき、以下に詳細に説明する。
【0059】ここで、図4は、リニアアクチュエータ1
の同期モードから非同期モードへの移行過程を説明する
図であり、リニアアクチュエータ1の負荷を増大させた
ときの、同期モードから非同期モードへの移行過程にお
ける、振動子3の振動時の周波数の変化の様子を示して
いる。
【0060】図4に示すように、負荷を増大させていっ
た場合、上述と同様に共振周波数が大きくなると共に振
幅が小さくなり、特性曲線は、特性曲線42から特性曲
線43および特性曲線44を経て、特性曲線45へ移行
していく。特性曲線42〜44までは同期モードであ
り、特性曲線42〜44に対応する共振周波数は、それ
ぞれ共振周波数46〜48である。
【0061】したがって、同期モードにおける共振周波
数46から共振周波数48までは、検出されたセンシン
グ信号に基づいて発生されたタイミング信号を利用した
フィードバック制御が可能である。
【0062】しかし、非同期モードにおける、例えば、
特性曲線44上の共振周波数48から、特性曲線44よ
りも小さな共振周波数を有する特性曲線45上の所定の
周波数への移行過程を示す移行過程49では、リニアア
クチュエータ1の負荷が高く、振幅が微小となってセン
シング信号が極めて小さくなり、検出回路11でセンシ
ング信号の情報を正確に検知できなくなる。その結果、
センシング信号を基にしたタイミング信号は検出回路1
1で発生できなくなり、タイミング信号に基づいた駆動
パルスの制御が不能となる。すなわち、フィードバック
制御が不能となる。
【0063】ここで、フィードバック制御が不能となる
場合、駆動制御装置10は、センシング信号を基にして
発生するタイミング信号が得られたと仮定した、擬似的
なタイミング信号を発生させる。そして、駆動制御装置
10は、その擬似的なタイミング信号に基づいて、所定
の周波数およびパルス幅を有する駆動パルスを発生させ
る。すなわち、フィードバック制御が不能となる場合、
駆動制御装置10は、予め設定した周波数およびパルス
幅に駆動パルスを制御する。
【0064】駆動制御装置10で発生したその駆動パル
スは、アンプ15に送信される。そして、アンプ15は
その駆動パルスを増幅して電流103を発生させ、リニ
アアクチュエータ1の巻線へ電流103を供給する。電
流103が供給された振動子3は往復運動を行う。
【0065】したがって、動作モードから非動作モード
に切り替わったとしても、リニアアクチュエータ1の振
動子3は、所定の周波数50a(記号f0)で駆動する
ことができる。それにより、振動子3の振幅が非常に小
さい領域(例えば振幅が約1mm〜0.1mmの振動領
域)で動作する場合でもリニアアクチュエータ1の駆動
制御を継続させることが可能となる。
【0066】すなわち、振動子3の振幅が十分大きく、
検出回路11がタイミング信号を発生できる時は同期モ
ードで、また逆に、振動子3の振幅が非常に小さく、検
出回路11がタイミング信号を発生できない時は非同期
モードで駆動させ、これら2つのモードを適宜切り替え
ることにより状態遷移させ、かつ、非同期モードのとき
は、予め設定した周波およびパルス幅を有する駆動パル
スを利用することによって、リニアアクチュエータ1の
駆動を継続させることが可能となる。
【0067】ところで、上記のように、非同期モード時
に、予め設定した周波数およびパルス幅を有する前記駆
動パルスに基づいた所定の周波数(図4の周波数50
a)を用いることによって、リニアアクチュエータ1の
駆動制御の継続を可能にしたが、非同期モード時におい
て、駆動制御を継続させるために擬似的に設定する周波
数について以下に説明する。
【0068】図5は、図4と同様、リニアアクチュエー
タ1の同期モードから非同期モードへの移行過程を説明
する図である。
【0069】図5に示すように、リニアアクチュエータ
1の負荷が増大し、検出回路11でセンシング信号の情
報が正確に検知できなくなり、フィードバック制御が不
能となる場合、すなわち、特性曲線50〜52と同期モ
ードで移行し、さらに、特性曲線53の非同期モードに
移行するとき、共振周波数54から、予め計測または理
論計算して得られたリニアアクチュエータ1固有の共振
周波数55(記号f1)へ移行させることによって、リ
ニアアクチュエータ1の駆動制御を継続させてもよい。
【0070】なお、この場合、振動子3の駆動周波数が
共振周波数55となるような駆動パルスを、すなわち、
駆動パルスを発生させるための擬似的なタイミング信号
を、駆動制御装置10内で発生させる。
【0071】上記リニアアクチュエータ1固有の共振周
波数55を利用して非同期モード時のリニアアクチュエ
ータ1の駆動制御する場合、Q値の高い(特性曲線の山
のピークが高い)リニアアクチュエータ1にも対応で
き、また、リニアアクチュエータ1を共振周波数で駆動
できるため、同期モードにおける特性曲線52から非同
期モードにおける特性曲線53へ移行するとき、それに
伴って共振周波数54から共振周波数55へ移行できる
ため、特性曲線53の振幅において、(各特性曲線が示
すモーター特性の中で)最大の振幅を利用することがで
きる。
【0072】すなわち、振動子3の周波数と振幅との共
振関係を示す特性曲線上における極大の点、つまり、極
大値での周波数で駆動できるため、振動子3の振幅が最
大となるリニアアクチュエータ1を得ることができる。
【0073】ここで、Q値の低い(特性曲線の山のピー
クが低い)リニアアクチュエータの場合について図13
を用いて説明する。
【0074】Q値の低いリニアアクチュエータ1を、例
えば、リニアアクチュエータA130およびリニアアク
チュエータB131とする。ここで、同図中における移
行過程132および移行過程134は、それぞれ、リニ
アアクチュエータA130およびリニアアクチュエータB
131の同期モードにおける移行過程である。また、移
行過程133および移行過程135は、それぞれ、リニ
アアクチュエータA130およびリニアアクチュエータB
131の非同期モードにおける移行過程である。
【0075】それぞれのリニアアクチュエータ1の負荷
を増大させ、共振周波数を大きくしていくと、同期モー
ドから非同期モードに移行し、それぞれ所定の周波数1
36で駆動した場合、周波数136に対応するリニアア
クチュエータA130およびリニアアクチュエータB13
1それぞれの振幅に殆ど差がなく、つまり、振幅にばら
つきがなく、安定したリニアアクチュエータ1の駆動特
性を得ることができる。
【0076】一方、Q値の高いリニアアクチュエータ1
では、非同期モードに移行したときの所定の周波数(図
13の周波数136に相当)に対するそれぞれの振幅に
ばらつきがある。
【0077】ここで、図6は、上記図4・5と同様、リ
ニアアクチュエータ1の同期モードから非同期モードへ
の移行過程を説明する図である。
【0078】図6に示すように、フィードバック制御が
可能である同期モードから、フィードバック制御が不能
である非同期モードに移行する場合、フィードバック制
御が可能であるときの検出回路11からのタイミング信
号に基づいて、フィードバック制御が不能となるときの
振動子の周波数および振幅を予測計算(算定)する。そ
して、駆動時の振動子3の周波数が、その予測計算した
周波数となるような駆動パルスを駆動制御装置10内で
発生させて駆動制御を継続させる。
【0079】すなわち、特性曲線60〜62と同期モー
ドで移行し、さらに、特性曲線63の非同期モードに移
行するとき、特性曲線63の共振周波数67および振幅
68の値を、同期モード時の共振周波数64、共振周波
数65および共振周波数66などの情報を利用して予測
計算する。このことは、同期モード時における駆動制御
を可能とするために設定される周波数および振幅を、非
同期モード時の特性曲線63以前の周波数および振幅の
変化から予測して求めるとも表現できる。
【0080】それにより、フィードバック制御が不能と
なるときの、リニアアクチュエータ1固有の共振周波数
を予め測定しておく必要がなく(あるいは、予め測定し
て得られた共振周波数を用いる必要がなく)、個々のリ
ニアアクチュエータ1の駆動状態に応じてその都度算定
された最適な共振周波数を得ることができる。
【0081】ここで、例えば、上記予測計算に相加平均
を用いれば、急激な負荷の変化に対して極端に共振周波
数から離れた周波数を有する擬似的なタイミング信号を
発生させてしまうことを抑制することができる。つま
り、駆動制御装置10は、振動子3の周波数の飛び幅を
小さくするための、リミッタとしての役割を担うことが
できる。
【0082】ここで、図7は、上記図4〜6と同様、リ
ニアアクチュエータ1の同期モードから非同期モードへ
の移行過程を説明する図である。
【0083】図7に示すように、特性曲線70〜72と
同期モードで移行し、さらに、特性曲線73の非同期モ
ードに移行する場合、すなわち、リニアアクチュエータ
1の負荷が増大し、検出回路11によるセンシング信号
の検出が不能となりフィードバック制御が不能となる場
合、センシング信号が検出できなくなる直前に検出され
た共振周波数74を、非同期モードの周波数75として
用いてもよい(周波数75は共振周波数74と同じ周波
数を有している)。ただし、共振周波数74の周波数と
なるような駆動パルスを発生させるための擬似的なタイ
ミング信号は、駆動制御装置10内で発生させる。
【0084】同期モードから非同期モードに移行すると
きの振動子3の周波数の差が、図5における共振周波数
54と共振周波数55との周波数の差のように大きい場
合、リニアアクチュエータ1の動作に不連続が生じてし
まうが、上記のように、検出回路11によるセンシング
信号の検出が不能となる直前に検出された共振周波数7
4を、非同期モードの周波数75として用いると、各モ
ード間の移行時における周波数の不連続、つまり、周波
数の値の飛びをなくすことができる。
【0085】ここで、図8は、駆動制御装置10で発生
させる駆動パルスのパルス幅を小さくしたときの電流8
6および巻線電圧87を示す。
【0086】巻線電圧104の周波数や位相がずれて、
巻線電圧104の0点クロス102の位置が、検出区間
110から外れることによって0点クロス102が検出
不能になる場合、図8に示すように、駆動パルスがアン
プ15で増幅された結果生じる電流86における電流パ
ルス幅81が、電流パルス幅82となるように駆動パル
スのパルス幅を狭めて(絞って)小さくする。
【0087】それにより、センシングに利用できる検出
区間110を、検出区間84から検出区間85に拡大で
き、周波数や位相のずれで検出不能であった0点クロス
83を、検出区間85の範囲内に復帰させて検出しやす
くすることができる。
【0088】また、図9は、駆動制御装置10で発生さ
せる駆動パルスのパルス数を間引いたときの電流90お
よび巻線電圧93を示す。
【0089】上記と同様、周波数や位相がずれて、巻線
電圧104の0点クロス102の位置が、検出区間11
0から外れることによって0点クロス102が検出不能
になる場合、図9に示すように、正負の駆動パルスのう
ち、片側の出力、例えば負側の駆動パルスを停止させ
て、駆動パルスのパルス数を少なくする、すなわち、駆
動パルスを間引く。そして、パルス数が少なくなった駆
動パルスを、アンプ15で増幅させて電流90として巻
線に供給する。
【0090】それにより、検出区間110を、電流90
の半周期分拡大することができ、0点クロス91を検出
区間92の範囲内に復帰させて検出しやすくすることが
できる。
【0091】なお、本発明の実施の形態に係るリニアア
クチュエータの駆動制御装置は、電磁石または永久磁石
からなる固定子と、永久磁石または電磁石を備えた振動
子と、電磁石を構成する巻線への供給電力を制御する制
御出力部とを備えて、固定子に対して振動子を往復運動
させるリニア振動モーターの駆動制御方法に関するもの
であるといえる。
【0092】また、本発明の実施の形態に係るリニアア
クチュエータの駆動制御装置は、電磁石または永久磁石
からなる固定子と、永久磁石または電磁石を備えた振動
子と、電磁石を構成する巻線への電力供給を制御する制
御出力部とを備えて、固定子に対して振動子を往復運動
させるリニア振動モーターで、かつ、振動子の変位、巻
線に発生する起電圧、電流などの信号をセンシングする
手段を有し、その信号を元に巻線へ供給する電流の周波
数と時間(パルス幅)を制御するフィードバック制御方
式をとるモーターにおいて、負荷などの外的要因により
センシングの信号が得られない大きさまで振幅が減少し
たときに、設定した周波数と時間(パルス幅)で、動作
を継続するものであるといえる。
【0093】また、負荷などの外的要因によりセンシン
グの正常な信号が得られない大きさまで振幅が減少した
ときに、正常なセンシングの信号が得られたと仮定し
て、動作を継続するものであるともいえる。
【0094】また、本発明の実施の形態に係るリニアア
クチュエータの駆動制御装置は、センシングの信号が得
られなくなった時、固定の周波数、パルス幅で駆動する
ものであるといえる。
【0095】また、本発明の実施の形態に係るリニアア
クチュエータの駆動制御装置は、一定の周波数を、あら
かじめ計測したモーター固有の(機械)共振周波数とす
るものであるといえる。
【0096】また、本発明の実施の形態に係るリニアア
クチュエータの駆動制御装置は、センシングの信号が得
られなくなった時、直前の得られた周波数およびパルス
幅でモーターを駆動するといえる。
【0097】また、本発明の実施の形態に係るリニアア
クチュエータの駆動制御装置は、センシングの信号が得
られなくなった時、数サイクル前からのセンシング情報
より演算して求めた周波数およびパルス幅でモーターを
駆動するものであるといえる。
【0098】また、本発明の実施の形態に係るリニアア
クチュエータの駆動制御装置は、特にモーターの誘導起
電圧からセンシングを行うモーターにおいて、センシン
グの正常な信号が得られなくなった時、駆動パルスのパ
ルス幅を狭くして、センシングの信号を検出しやすくす
るものであるといえる。
【0099】さらに、本発明の実施の形態に係るリニア
アクチュエータの駆動制御装置は、特にモーターの誘導
起電圧からセンシングを行うモーターにおいて、センシ
ングの正常な信号が得られなくなった時、駆動パルスを
間引いて、次の周期のセンシングの信号を検出しやすく
するものであるともいえる。
【0100】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るリニアアク
チュエータの駆動制御装置は、固定子の電磁石へ電力
(電流)を供給して振動子を振動させ、その結果、電磁
石に発生するセンシング信号を検出回路で検出し、その
検出回路からの検出出力に基づいた駆動パルスを発生さ
せ、再び電磁石に電力供給を行うというフィードバック
制御が、前記検出出力が得られず駆動パルスを発生させ
ることができないために制御不能となるとき、駆動制御
装置は、前記検出出力が得られたと仮定した擬似的な検
出出力を駆動制御装置内で発生させ、その擬似的な検出
出力に基づいて発生させた、予め設定した周波数および
パルス幅となる駆動パルスをアンプに送信し、アンプで
その駆動パルスを増幅して電力として電磁石へ供給す
る。
【0101】これにより、振動子の振幅が非常に小さい
領域で動作する場合でもリニアアクチュエータの駆動制
御を継続させることが可能となる。
【0102】また、前記周波数は、前記リニアアクチュ
エータに固有の共振周波数であってもよい。
【0103】それによると、検出回路からの検出出力が
得られなくなり、フィードバック制御が不能となる場
合、リニアアクチュエータ固有の共振周波数を予め計測
しておき、振動子が振動するときに、その予め計測され
た共振周波数と同じ周波数となるような周波数およびパ
ルス幅を有した駆動パルスを、駆動制御装置内で発生さ
せる。それにより、振動子の振幅が非常に小さい領域で
動作する場合でもリニアアクチュエータの駆動を継続さ
せることが可能となり、また、フィードバック制御が不
能となる場合でもリニアアクチュエータを共振周波数で
駆動できるため、振動子の振幅が最大のリニアアクチュ
エータを得ることができる。
【0104】また、前記周波数およびパルス幅は、前記
検出が可能であるときの前記検出出力に基づいて算定さ
れたものであることが好ましい。
【0105】それによると、フィードバック制御が不能
になったときに発生させる駆動パルスの周波数およびパ
ルス幅を、フィードバック制御が不能となる以前の、検
出回路からの検出出力の情報に基づいて予測計算して求
める。したがって、フィードバック制御が不能となると
きの、リニアアクチュエータ固有の共振周波数を予め測
定しておく必要がなく、個々のリニアアクチュエータの
駆動状態に応じて、その都度算定された最適な共振周波
数を得ることができる。
【0106】また、例えば、予測計算に相加平均を用い
れば、急激な負荷の変化に対して極端に共振周波数から
離れた周波数を有する擬似的なセンシング信号を発生さ
せてしまうことを抑制する、周波数飛び幅のリミッタと
しての役割を持たせることができる。
【0107】さらに、前記検出出力に基づいて前記駆動
パルスの制御が不能となった場合に、前記検出出力に基
づいて前記電力供給の制御が可能であった場合のパルス
幅に比べて前記パルス幅を小さくしてもよい。
【0108】また、前記検出出力に基づいて前記駆動パ
ルスの制御が不能となった場合、前記駆動パルスのパル
ス数を間引いてもよい。
【0109】それらによると、電磁石に発生する信号の
検出区間が拡大され、検出不能であった信号を、検出区
間の範囲内に復帰させて検出しやすくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るリニアアクチュエ
ータの駆動制御装置とリニアアクチュエータとの構成図
である。
【図2】 上記リニアアクチュエータの駆動制御のモー
ドを示す説明図であり、(a)は同期モードを示し、
(b)は非同期モードを示す。
【図3】 上記リニアアクチュエータの位相、振幅およ
び周波数の共振関係を示す説明図である。
【図4】 上記リニアアクチュエータの同期モードから
非同期モードへの移行過程の説明図である。
【図5】 上記リニアアクチュエータの同期モードから
非同期モードへの移行過程の説明図である。
【図6】 上記リニアアクチュエータの同期モードから
非同期モードへの移行過程の説明図である。
【図7】 上記リニアアクチュエータの同期モードから
非同期モードへの移行過程の説明図である。
【図8】 上記駆動制御装置で発生させる駆動パルスの
パルス幅を小さくしたときの電流および巻線電圧を示す
説明図である。
【図9】 上記駆動制御装置で発生させる駆動パルスの
パルス数を間引いたときの電流および巻線電圧を示す説
明図である。
【図10】 フィードバック制御が可能な状態における
固定子の巻線における電流および巻線電圧を示す図であ
る。
【図11】 リニアアクチュエータの駆動制御装置の固
定子の巻線における電流および巻線電圧を示す説明図で
ある。
【図12】 リニアアクチュエータの負荷および共振周
波数の関係を示す説明図である。
【図13】 Q値の低いリニアアクチュエータの同期モ
ードから非同期モードへの移行過程の説明図である。
【符号の説明】
1 リニアアクチュエータ 3 振動子 5 固定子 9 永久磁石(振動子の永久磁石) 10 駆動制御装置 11 検出回路 55 共振周波数(リニアアクチュエータに固有の共振
周波数) 103 電流(電力)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩尾 誠一 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 5H540 AA10 BA10 BB06 EE05 EE06 FA05 FC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁石または永久磁石を備える固定子
    と、永久磁石または電磁石を備える振動子と、前記振動
    子の変位、速度および加速度のうち少なくとも1つを検
    出する検出回路とを備えるリニアアクチュエータに対
    し、前記検出回路の検出出力に基づいて前記固定子に対
    して前記振動子が往復運動するように周波数およびパル
    ス幅のうち少なくとも一方を制御した駆動パルスで前記
    電磁石に電力を供給するリニアアクチュエータの駆動制
    御装置において、 前記検出出力に基づいて前記駆動パルスの制御が不能と
    なった場合に、予め設定した周波数およびパルス幅に前
    記駆動パルスを制御することを特徴とするリニアアクチ
    ュエータの駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記周波数は、前記リニアアクチュエー
    タに固有の共振周波数であることを特徴とする請求項1
    に記載のリニアアクチュエータの駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数およびパルス幅は、前記検出
    が可能であるときの前記検出出力に基づいて算定された
    ものであることを特徴とする請求項1に記載のリニアア
    クチュエータの駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記検出出力に基づいて前記駆動パルス
    の制御が不能となった場合に、前記検出出力に基づいて
    前記電力供給の制御が可能であった場合のパルス幅に比
    べて前記パルス幅を小さくすることを特徴とする請求項
    1ないし請求項3のいずれか1項に記載のリニアアクチ
    ュエータの駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記検出出力に基づいて前記駆動パルス
    の制御が不能となった場合、前記駆動パルスのパルス数
    を間引くことを特徴とする請求項1ないし請求項4のい
    ずれか1項に記載のリニアアクチュエータの駆動制御装
    置。
  6. 【請求項6】 電磁石または永久磁石を備える固定子
    と、永久磁石または電磁石を備える振動子と、前記振動
    子の変位、速度および加速度のうち少なくとも1つを検
    出する検出回路とを備え、前記検出回路の検出出力に基
    づいて前記固定子に対して前記振動子が往復運動するよ
    うに周波数およびパルス幅のうち少なくとも一方を制御
    した駆動パルスで前記電磁石に電力を供給する駆動制御
    装置を用いたリニアアクチュエータにおいて、 前記駆動制御装置は、前記検出出力に基づいた前記駆動
    パルスの制御が不能となった場合に、予め設定した周波
    数およびパルス幅に前記駆動パルスを制御することを特
    徴とするリニアアクチュエータ。
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