JP3661424B2 - リニア振動モータの駆動制御方法 - Google Patents

リニア振動モータの駆動制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアモータで往復振動を生じさせるリニア振動モータの駆動制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
往復振動を発生させるリニア振動モータは、電磁石又は永久磁石からなる固定子と、永久磁石又は電磁石を備えて振動自在に支持されている可動子と、可動子の変位(振幅や速度、加速度等を含む)を検出する検出手段と、該検出手段の出力に応じて電磁石のコイルへの駆動電流を制御して可動子を振動させる制御手段とによって構成されている。
【0003】
そして、上記検出手段の出力に基づく駆動電流制御は、可動子の振幅の半周期毎に行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、可動子の変位の検出とこの検出に基づく駆動電流制御をその半周期内に終了することをことを半周期毎に繰り返さなくてはならないことから、振動数が高い場合、高い処理能力を備えた制御手段が必要であり、この点がコストアップとなっている。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは駆動制御に関して問題を生じることなくコストダウンを図ることができるリニア振動モータの駆動制御方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明は、電磁石又は永久磁石からなる固定子と、永久磁石又は電磁石を備えて振動自在に支持されている可動子と、可動子の変位を検出する検出手段と、該検出手段の出力に応じて電磁石のコイルへの駆動電流を制御して可動子を振動させる制御手段とからなるとともに制御手段が可動子の振幅の一周期における半周期毎に駆動電流を流す方向を切り換えるリニア振動モータの駆動制御方法であって、上記検出手段の出力に基づく駆動電流制御を可動子の振幅の一周期における半周期で行い、他の半周期の駆動電流制御を予め設定した固定の駆動電流で行うことに特徴を有している。検出手段の出力に基づく駆動電流制御は振幅の半周期のみで行うようにしたものである。
【0007】
この時、検出手段の出力に応じて、他の半周期における固定の駆動電流をカットするようにしてもよい。振幅の一周期における駆動電流制御域を拡大することができる。また、固定の駆動電流のカットにあたり、検出手段の出力に基づく駆動電流制御にカット分の補正を行うようにしてもよい。振幅の一周期における駆動電流の変動幅を小さくすることができる。
【0008】
可動子の変位の検出は、振幅の一周期のいずれか一方の半周期において行えばよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、リニア振動モータの構造の一例について説明すると、コイル11を有する電磁石として形成されてフレーム3に固定された固定子1と、永久磁石20を備えるとともにばね4,4によってフレーム3に対して振動自在に支持されている可動子2とを具備する図2に示すリニア振動モータでは、可動子2に設けられた磁石29の磁気をフレーム3に配した磁気検出コイル39で検出し、磁気検出コイル39の出力をセンサー検出部6で処理することで、可動子2の振幅値もしくは速度もしくは加速度として検出するものとなっている。そしてセンサー検出部6の出力を受けた制御部5は、センサー検出部6の出力(たとえば振幅値)に応じたパルス幅の駆動電流を制御出力部50を通じて上記固定子1におけるコイル11に供給する。
【0010】
すなわち、可動子2が振動を行う時、上記磁気検出コイル39には図1に示すように正弦波の起電圧イが発生するが、この起電圧は振幅の両端において零となり、その最大値は振幅の大きさや速度、振動方向等に応じた値となる。この値に基づいてコイル11に供給する駆動電流ロを制御するのであるが、ここでは図1に示すように、可動子2が振幅の一端にあって上記起電圧イが零となる時点tから所定時間t0後の電圧V0を検出してこの値を振幅値とみなし、この電圧値V0に応じて駆動電流ロのパルス幅制御を行う。つまり、時点tから所定時間t1経過時点からt2経過時まで駆動電流をコイル11に供給するとともに、(t2−t1)時間を上記電圧値V0に応じた時間とするものであり、電圧値V0が大で振幅が大であるならば、(t2−t1)時間を短くし、電圧値V0が小で振幅が小であるならば、(t2−t1)時間を長くする。
【0011】
ただし、検出した振幅(速度)に応じた駆動制御は、振幅の一周期における半周期のみとし、他の半周期については、起電圧イが零となる時点tより予め定めた所定時間t3後から同じく予め定めた所定時間t4時まで駆動電流ロ’をコイル11に供給するものとしている。固定の駆動電流ロ’で駆動する半周期については、制御部5は他の処理にも使用することができることになる。
【0012】
固定である(t4−t3)時間の駆動電流ロ’を供給する半周期において電圧値V0を求め、その次の半周期で電圧値V0に基づく駆動電流制御を行うものとしてもよい。可動子2の変位の検出と、検出値に応じた駆動電流制御とを半周期ずらすために、制御処理が低速のものでも制御できることになる。
【0013】
また、振幅の半周期を固定の駆動電流で制御した場合、振幅の一周期全体についてみれば、駆動電流の制御域が狭くなり、振幅制御域が減少してしまうことになる。このために、検出した電圧値V0によっては、図3に示すように、半周期についての固定の駆動電流をカットしてしまうようにしてもよい。駆動電流の制御域を拡大することができる。
【0014】
さらに、固定の駆動電流をカットする場合、(t2−t1)+(t4−t3)の駆動電流の和の変動が大きくなってしまうことから、上記カットを行う場合、固定の駆動電流のカット分を見込んでt2時刻の補正を行うようにしてもよい。(t2−t1)時間が電圧値V0に基づく本来の値より長くなるようにするわけである。
【0015】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、可動子の変位を検出する検出手段の出力に応じて電磁石のコイルへの駆動電流を制御して可動子を振動させるにあたり、検出手段の出力に基づく駆動電流制御を可動子の振幅の一周期における半周期で行い、他の半周期の駆動電流制御を予め設定した固定の駆動電流で行うことから、他の半周期については同時処理や高速処理が不用となるために、出力の合間の時間で他処理が可能となる。
【0016】
そして、検出手段の出力に応じて、他の半周期における固定の駆動電流をカットするようにしおけば、振幅の一周期における駆動電流制御域を拡大することができるために、振幅制御域を大きくすることができる。また、固定の駆動電流のカットにあたり、検出手段の出力に基づく駆動電流制御にカット分の補正を行うと、振幅の一周期における駆動電流の変動幅を小さくすることができ、スムーズな駆動を行うことができる。
【0017】
可動子の変位の検出は、振幅の一周期のいずれか一方の半周期において行えばよい。高速処理を不用とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の動作説明図である。
【図2】同上のブロック回路図である。
【図3】他例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 固定子
2 可動子
5 制御部
11 コイル

Claims (4)

  1. 電磁石又は永久磁石からなる固定子と、永久磁石又は電磁石を備えて振動自在に支持されている可動子と、可動子の変位を検出する検出手段と、該検出手段の出力に応じて電磁石のコイルへの駆動電流を制御して可動子を振動させる制御手段とからなるとともに制御手段が可動子の振幅の一周期における半周期毎に駆動電流を流す方向を切り換えるリニア振動モータの駆動制御方法であって、上記検出手段の出力に基づく駆動電流制御を可動子の振幅の一周期における半周期で行い、他の半周期の駆動電流制御を予め設定した固定の駆動電流で行うことを特徴とするリニア振動モータの駆動制御方法。
  2. 検出手段の出力に応じて、他の半周期における固定の駆動電流をカットすることを特徴とする請求項1記載のリニア振動モータの駆動制御方法。
  3. 固定の駆動電流のカットにあたり、検出手段の出力に基づく駆動電流制御にカット分の補正を行うことを特徴とする請求項2記載のリニア振動モータの駆動制御方法。
  4. 振幅の一周期のいずれか一方の半周期において可動子の変位を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のリニア振動モータの駆動制御方法。
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