JPH05276770A - 超音波アクチュエータ - Google Patents

超音波アクチュエータ

Info

Publication number
JPH05276770A
JPH05276770A JP4093438A JP9343892A JPH05276770A JP H05276770 A JPH05276770 A JP H05276770A JP 4093438 A JP4093438 A JP 4093438A JP 9343892 A JP9343892 A JP 9343892A JP H05276770 A JPH05276770 A JP H05276770A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric vibrator
voltage
electrode
ultrasonic actuator
piezoelectric ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4093438A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Toda
耕司 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP4093438A priority Critical patent/JPH05276770A/ja
Publication of JPH05276770A publication Critical patent/JPH05276770A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い電圧の電源で駆動でき、電源効率に優
れ、構成が簡単な駆動回路を含み、小型軽量で安価な超
音波アクチュエータを提供する。 【構成】 圧電振動子1に高周波電力が供給されると、
圧電振動子1の側面に振動変位が励振され、該振動によ
り圧電振動子1に接触している移動体が移動される。駆
動回路において電流検出部11はダイオードD1、D2か
ら成る。電圧増幅部12はインバータIC1を増幅素子
とし、帰還抵抗R1を備える。コンデンサC1、C2は直
流遮断用である。電力増幅部13では、直流電源から供
給される電流をトランジスタQ1に導き、Q1でその電流
を断続することによりコイルL1に 逆起電圧を発生さ
せ、電源電圧VCCより高い電圧で圧電振動子1を励振す
る。電力増幅部13の出力電流の位相の信号は電圧増幅
部12で反転され、電力増幅部13に正帰還される。こ
のようにして自励発振回路を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気読み取り装置にお
けるカード送り機構やカーテン遠隔開閉装置におけるカ
ーテン送り機構のような、小型でしかも高トルクを要す
るアクチュエータとして注目されている超音波アクチュ
エータに関する。
【0002】
【従来の技術】超音波モータの基本原理は、振動子によ
って発生させた弾性振動を摩擦力を介して可動体に伝達
し、該可動体に一方向の駆動力を与えることである。こ
とのき、前記振動子表面での変位は、一般に楕円起動を
描く。進行波型超音波モータでは、進行波が弾性体に励
振され、その表面の質点は楕円起動を描くので、可動体
に一方向の駆動力が生じるのである。進行波型超音波モ
ータは、カメラのオートフォーカス機構などに実用化さ
れている。しかし進行波型超音波モータは直線運動に応
用する場合、振動系の規模が大きくなり、効率が低くな
るという問題点がある。
【0003】進行波型超音波リニアモータは、細棒の両
端部に圧電振動子を設けることによって該棒に進行波を
励振させる方法である。進行波は受波側振動子の負荷抵
抗を選ぶことによって完全になり、その進行波は送波と
受波を入れ替えることにより切換が可能である。しか
し、この方式は振動系の規模が大きく、効率が低いとい
う問題点がある。
【0004】定在波を利用するタイプの超音波リニアモ
ータの代表的なものとして、矩形平板状圧電振動子を利
用するものがある。その場合、振動子の定在波である縦
振動の1次共振モードと屈曲共振モードを用いている。
一方向性の駆動力は、振動子に接着された直線状金属平
板の端部の楕円運動から得られ、この部分にローラを加
圧接触させることによって回転動力を得ている。この方
式は小型化が可能であり、紙送りデバイス等への応用が
期待できるが、2相式の高周波電源が必要であるという
問題点がある。
【0005】本願の発明者が特願昭63−129122
号で出願した超音波アクチュエータは、構造が極めて単
純で小型化が容易であり、しかも圧電振動子に供給する
電源が単相で足り、その上に回転方向の制御も極めて容
易である等の利点を有している。前記超音波アクチュエ
ータは圧電振動子とロータとから成り、前記超音波アク
チュエータの駆動方式は、圧電振動子の縦振動と径方向
振動との合成を利用するもので、圧電振動子の側面に発
生する弾性振動によって該圧電振動子に接触しているロ
ータに回転動力を与えるものである。ところで、前記超
音波アクチュエータがこのように小型であるにもかかわ
らず、該超音波アクチュエータを駆動するためには比較
的複雑な回路構成を必要とし、また、高い直流電圧の電
源を必要とした。さらに、消費電力に関し効率の面で問
題があった。そのうえ、回路を構成する部品の数、該部
品の重量、該部品の価格にも問題があった。つまり、前
記超音波アクチュエータが小型でその性能が良ければ良
いほど、その超音波アクチュエータを駆動するための回
路も小型で高性能である必要がある。
【0006】前記超音波アクチュエータの駆動源である
圧電振動子の駆動回路は、高周波の高電圧を発生させ、
しかも該圧電振動子の共振周波数を追尾する必要があ
る。これは、圧電振動子の共振周波数が温度または負荷
の変動によって変化するからである。具体的には、直径
が10mmおよび5mmの円柱状圧電振動子の共振周波
数は、それぞれ約140kHzおよび280kHzであ
り、印加電圧は、20〜130Vp−pの範囲であっ
て、これ以上の電圧を前記圧電振動子に印加すると、前
記圧電振動子の側面の振動変位の強さが飽和し、これ以
下の電圧では前記圧電振動子に接触しているロータが停
止する。また、電力は最大で3W程度である。図12
は、直径が10mmの円柱状圧電振動子の動作状態での
表面温度および共振周波数の変化を測定した結果を示し
ている。圧電振動子は後述する3端子方式の自励回路で
駆動されており、温度測定には白金抵抗体を用いてい
る。時間と共に共振周波数が1kHzも変動することが
わかる。圧電振動子の共振周波数は、この他にも圧電振
動子の荷重負荷の変動を含めて、いろいろな要因で変化
する。
【0007】一方、圧電振動子の側面に生じる振動変位
は共振周波数で強く、その周波数を外れると弱い。従っ
て、効率的に圧電振動子を励振するための駆動回路は共
振周波数を追尾する機能を持つことが望まれる。つま
り、超音波アクチュエータの駆動回路は共振周波数、電
圧、電力などの諸元を満足すると同時に、共振周波数の
自動追尾機能を具備しなければならない。
【0008】圧電振動子の共振周波数に出力の周波数を
自動的に追尾させることのできる駆動回路には周波数自
動追尾の原理に関して2つの方式がある。第1の方式は
自動追尾発振方式である。自動追尾発振方式は、圧電振
動子の共振周波数を検出し、共振周波数に一致させるよ
う自動的に発振器の周波数をシフトさせる方式であり、
PLL(Phase Locked Loop)方式がよく利用される。
第2の方式は自励発振方式である。自励発振方式は、発
振と電圧・電力増幅が一体となった回路構成を採用して
おり、内部に独自の発振回路を持つことなく圧電振動子
の共振を利用して発振させる方式であり、図9〜11に
従来の回路例を示す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図9はCR結合増幅回
路で円柱状圧電振動子を駆動する場合を示している。C
R結合増幅回路は、抵抗R1での直流電圧降下が大き
く、電源の利用度が悪いという問題点がある。また、電
源電圧がそのまま圧電振動子の駆動電圧となるので、高
い直流電圧の電源を必要とするという欠点がある。
【0010】図10はスイッチング電源回路や超音波機
器用電源に良く使用されているDC−ACインバータ回
路で、円柱状圧電振動子を駆動する場合を示している。
DC−ACインバータ回路は、低電圧駆動が可能という
利点があるが(電源電圧2Vで円柱状圧電振動子の駆動
可能)、円柱状圧電振動子の消費電力に比較してトラン
スでの損失が大きく、効率の面で問題がある。
【0011】図11はトランス結合増幅回路で円柱状圧
電振動子を駆動する場合を示している。トランス結合増
幅回路は、高域の周波数特性が悪く、トランスT1の価
格、重量の問題がある。
【0012】また、先に挙げたPLLを用いた自動追尾
発振方式には複雑で高価な回路を必要とするという欠点
がある。
【0013】そこで、本発明の目的は、圧電振動子の所
要駆動電圧より低い電圧の電源から電力を受けてその所
要駆動電圧の高周波交流電力を出力でき、しかも電力効
率に優れ、回路構成が簡単で安価で、小型軽量な超音波
アクチュエータの提供にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の超音波
アクチュエータは、柱状の圧電磁器の両端面にそれぞれ
電極AおよびBを設けてなる圧電振動子を励振すること
により前記圧電磁器の側面に発生する振動変位を、前記
圧電磁器の側面に直接接触されるかまたは該側面に被せ
られている被覆に接触されている接触体に伝達する超音
波アクチュエータにおいて、前記圧電磁器の分極軸は前
記両端面に垂直であって、前記電極AおよびBのうちで
少なくとも電極Aは互いに絶縁された電極A1およびA
2に分割されていて、前記電極Bと前記電極A1または
A2との間に前記圧電磁器の共振周波数とほぼ等しい周
波数の電圧を印加することにより、前記圧電振動子を駆
動する回路が備えてあり、前記駆動回路は、前記電極B
と前記電極A1またはA2との間に流れる電流の位相を
検出する手段と、この電流検出手段の出力信号を増幅し
て得た高周波電力を前記電極Bと前記電極A1またはA
2との間に加える電力増幅手段とを備え、前記電力増幅
手段の出力の高周波信号は、前記電流検出手段により該
電力増幅手段に正帰還され、前記電力増幅手段の終段増
幅素子はトランジスタでなり、該トランジスタに電力を
供給する流路に昇圧用のコイルが挿入してあることを特
徴とする。
【0015】請求項2に記載の超音波アクチュエータ
は、前記駆動回路が、前記圧電振動子に供給する電圧と
して交流パルス電圧を出力し、該交流パルス電圧の電圧
値を調節する手段と、該交流パルス電圧のパルス幅およ
びパルス繰り返し周波数を調節する手段とを備えること
を特徴とする。
【0016】請求項3に記載の超音波アクチュエータ
は、前記電流検出手段が前記圧電振動子に直列に接続さ
れた第1のダイオードと、この第1のダイオードに並列
に該第1のダイオードとは逆の極性に接続された第2の
ダイオードとから成ることを特徴とする。
【0017】請求項4に記載の超音波アクチュエータ
は、前記圧電振動子によって移動される前記接触体の移
動方向が、前記圧電磁器の分極軸の方向と平行であるこ
とを特徴とする。
【0018】請求項5に記載の超音波アクチュエータ
は、前記接触体と接触することによって自ら移動する移
動方向が、前記圧電磁器の分極軸の方向と平行であるこ
とを特徴とする。
【0019】請求項6に記載の超音波アクチュエータ
は、前記圧電磁器が、直径と高さとの寸法比がほぼ1に
等しい円柱であることを特徴とする。
【0020】請求項7に記載の超音波アクチュエータ
は、前記電極A1およびA2が、前記端面の直径をほぼ
2:1に分割する点を通り該直径に垂直な直線で分割さ
れていることを特徴とする。
【0021】請求項8に記載の超音波アクチュエータ
は、前記圧電磁器が、3辺のうち少なくとも2辺の寸法
比がほぼ1に等しい矩形角柱であることを特徴とする。
【0022】請求項9に記載の超音波アクチュエータ
は、前記電極A1およびA2は、前記圧電磁器における
互いにほぼ等しい2辺を有する端面の面積をほぼ2:1
に分割し該2辺のうちの1辺に平行な直線で分割されて
いることを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明の超音波アクチュエータの駆動回路で
は、2端子方式の自励発振方式を採用している。2端子
方式とは、圧電振動子との接続のために2つの端子を有
する方式のことである。柱状圧電振動子の両端面にそれ
ぞれ設けられている電極AおよびBに端子が各々接続さ
れる駆動回路の方式が2端子方式である。本発明におい
ては、自励発振方式の駆動回路(以下、自励回路と略記
する)を採用することにより、圧電振動子の共振周波数
の変動に追随した周波数で圧電振動子を励振する。
【0024】図8は電流検出部11、電圧増幅部12お
よび電力増幅部13から構成される2端子方式の自励回
路を示すブロック図である。電流検出部11は圧電振動
子に流れる電流の位相を検出するためのものであり、圧
電振動子に直列に接続されている。電圧増幅部12は電
流検出部11で検出した微小な電圧信号を増幅し、次段
の電力増幅部13をドライブする信号を発生するもので
ある。圧電振動子の片側の電極(前述の電極A1または
A2)は電圧を印加するドライブ電極Dとして使用さ
れ、もう一方の電極(前述の電極B)はグランド電極G
として接地されている。
【0025】前記圧電振動子は電力増幅部13から電圧
が印加されると共振子として動作する。電流検出部11
は印加された電圧のうちの共振周波数成分を検出する。
検出された電圧は電圧増幅部12および電力増幅部13
の2段の増幅器によって増幅され、同相の電圧が前記圧
電振動子に印加される。これにより、正帰還のフィード
バックループが構成され自励発振する。
【0026】この発振回路の構成では、動作原理からも
明らかなように圧電振動子に流れる電流と電圧の位相が
等しい周波数で自励発振する。圧電振動子で電流と電圧
の位相差がゼロになる周波数は、第1共振周波数及び軸
反対称1次振動モードをはじめ多く存在するが、最も周
波数が低く、電気機械結合係数の大きい第1共振周波数
で自励発振する。
【0027】
【実施例】図1は本発明の超音波アクチュエータの一実
施例を示す断面図である。本実施例において円柱状の圧
電振動子1および駆動回路部2とから成る超音波アクチ
ュエータは、スライダ3、移動体4、支持具5、支持台
6、ベアリング7、スプリング8とともに本体の内部に
納められている。圧電振動子1の一方の端面にはドライ
ブ電極Dとフィードバック電極Fが設けられていて、も
う一方の端面にはグランド電極G(本図では描かれてい
ない)が設けられている。スライダ3の上部はベアリン
グ7と接触することにより、直線運動することができる
ようになっている。移動体4は摩擦材料で成り、接着剤
によりスライダ3に固着されている。圧電振動子1と移
動体4とはスプリング8によって圧接されている。この
ようにして、駆動回路部2によって圧電振動子1に電圧
を印加することにより、圧電振動子1の側面に振動変位
を発生させることができ、該振動変位によって、移動体
4は移動される。但し図1では、圧電振動子1に電圧を
印加するための端子は省いて描かれている。圧電振動子
1は支持具5によって支持されるとともに、スポンジ製
の支持台6に支持されている。支持台6がスポンジ製で
あることにより、圧電振動子1と移動体4との密着性を
向上させることができ、また、圧電振動子1自身の振動
が拘束されるのを防ぐことができる。
【0028】図2は図1の超音波アクチュエータの側面
図である。移動体4は、矢印の方向に直線運動すること
ができる。移動体4の進行方向を切り換える手段を駆動
回路部2に備えることにより、移動体4は直線運動を繰
り返すことができる。
【0029】図3および図4は、移動体4の進行方向と
圧電振動子1の電極との関係を示す図である。HIとL
Oは印加する電圧の極性を示す。aの位置にスイッチを
切り換えると、移動体4はA方向に移動し、bの位置に
スイッチを切り換えると、移動体4はB方向に移動す
る。図3は圧電振動子1の片側電極だけを2分割する場
合を示す。この場合、切換のためのリレー回路が1個で
すむという利点を有する。図4は圧電振動子1の両方の
電極を2分割する場合を示す。この場合、リレー回路は
2個必要であるが、図3の回路に比べて移動体4の移動
方向による速度差を減少させることができる。図3およ
び図4のどちらの手段を用いても図1に示す超音波アク
チュエータの移動体4の移動方向を制御できる。
【0030】図5は図1の超音波アクチュエータの駆動
回路部2の一実施例を示す図である。本実施例は、電流
検出部11と、電圧増幅部12と、電力増幅部13とか
ら構成される。2端子方式の自励回路では圧電振動子の
電極は2個あれば足りるが、この実施例に示す2端子方
式の自励回路では、圧電振動子1の側面に生じる振動変
位を強くするために、圧電振動子1の片側の電極をドラ
イブ電極Dおよびフィードバック電極Fに2分割し、フ
ィードバック電極Fとグランド電極Gを短絡して使用し
ている。圧電振動子1の他方の電極Gは接地されてい
る。
【0031】電力増幅部13は、Q1、L1、C3 および
R3 から構成される逆起電圧回路である。トランジスタ
Q1 はスイッチング用であり、スイッチング速度とドラ
イブの簡単なことを考慮し、パワーMOS FETを使
用している。L1は逆起電圧を発生させ圧電振動子1に
電源電圧Vccより高い電圧の電力を供給するためのも
のであり、C3 は逆起電圧の時定数調整用である。C3
を大きくすると時定数が延びるが、最大電圧が低くな
る。C3 を小さくした場合は、その逆である。C3は円
柱状圧電振動子1の側面変位が大きくなるように調整さ
れる。
【0032】電流検出部11は検波整流用ダイオードD
1 及びD2 から構成され、圧電振動子1に流れる電流の
位相を検出することを目的としている。回路図に示すよ
うに電流検出部11は圧電振動子1と直列に接続されて
おり、電流検出部11のインピーダンスが大きいほど圧
電振動子1に分圧される電圧は小さくなる。このため電
流検出部11の条件としてはインピーダンスが低い方が
よい。しかし、インピーダンスが低すぎると検出される
電圧も小さくなり自励の立ちがり時間が遅くなる。
【0033】本発明の超音波アクチュエータの駆動回路
部2では電流検出部11にダイオードが使用されてい
る。ダイオードは電流電圧特性から明らかなように、自
励発振の立ち上がり時の電圧の低い時は高抵抗として動
作し、自励が安定し電圧が高い時は低抵抗として動作す
るから、電流検出部11の素子として好都合である。
【0034】電圧増幅部12は、IC1、C1、C2、R1
およびR2 で構成され、電流検出部11で検出した微
小な電圧信号を増幅し、次段の電力増幅部13をドライ
ブすることを目的としている。圧電振動子1の駆動に十
分な高周波電力を得るには、電力増幅手段がトランジス
タ等で構成される場合、高速で大きな利得を得るために
複数の電圧増幅器で成る電圧増幅部を使用しなければな
らない。この実施例では電圧増幅部12にCMOSロジ
ックICで成るインバータIC1 が使用されている。こ
の電圧増幅部12はCMOS ICのインバータIC1に
抵抗R1 で帰還をかけると、スレシホールド付近で止ま
った状態となり、アナログアンプとして動作することを
利用したものである。この電圧増幅部12の回路には高
速でゲインが大きいという特徴があるが、電源の電圧に
制限があるから、本回路では5.1Vのツェナーダイオ
ードZD1 を使用して、インバータIC1 に所定の電圧
を得ている。なお、C1 及びC2 は直流カット用のコン
デンサである。
【0035】図6は図5のからに示す箇所の電圧波
形を示している。電流検出部11の波形と電圧増幅部
12の波形との位相および電圧増幅部12の波形と
電力増幅部13の波形の位相がそれぞれ逆位相になっ
ているのが確認できる。また、電圧増幅部12には波形
と波形の差に示される位相遅れが存在し、この影響
により円柱状圧電振動子1に印加される電圧(波形)
と圧電振動子1に流れる電流(波形)の間に位相差が
発生する。このことから2端子方式の自励回路では、第
1共振周波数から少しずれた周波数で自励発振している
ことが確認できる。また、波形で明かなように電力増
幅部13の出力電圧は50Vp−pであり、電源電圧V
cc(=12V)の4倍である。コイルL1 が、低い電
源電圧で高い電圧による駆動を可能にしている。
【0036】2端子方式の自励回路に適する円柱状圧電
振動子1の電極形状を検討した結果が図7に示されてい
る。横軸は2端子方式自励回路の電源電圧、縦軸は移動
体4の移動速度である。移動速度は直径を2:1に分割
した電極の方が1:1に分割したものよりも高速であ
る。この原因として、2端子方式では第1共振周波数で
自励発振するから、縦振動が強くなる電極形状の方が有
利であることが考えられる。電極の直径比が2:1の方
が縦振動成分でのインピーダンスが低くなり、結果的に
高速性に優れている。また、電極の直径比を更に大きく
することによりインピーダンスを更に低くし、これによ
る高速化を実現することは困難である。これは、電極の
非対称性が弱まり軸反対称な径方向振動が弱くなること
から、側面変位の一方向性の実現が困難になるからであ
る。結果として電極の直径比はほぼ2:1が良いことが
わかる。
【0037】なお、以上に円柱状圧電振動子を用いた超
音波アクチュエータを駆動する例について説明したが、
本発明では角柱状の圧電振動子をも駆動できることは明
かである。
【0038】図5の実施例では、電源の電圧が12Vの
ときに50Vp−pの駆動電圧が得られた。このように
して、電源電圧の4倍のピーク電圧で圧電振動子1を駆
動できる。圧電振動子1を駆動できる最小電圧は20V
p−pであるから、電源電圧は5V以上であれば圧電振
動子1を駆動できる。低い電源電圧で超音波アクチュエ
ータを駆動できることは、超音波アクチュエータの用途
を広くする点で効果は極めて大きい。
【0039】本発明の超音波アクチュエータの駆動回路
部2では、上述の低電圧駆動を可能にする昇圧手段とし
て、スイッチング用のトランジスタQ1 とコイルL1 を
用いている。昇圧手段としては図10、図11のような
トランスもある。しかし、同じ程度に昇圧するのにトラ
ンジスタ+コイルの組み合せとトランスとを比べると、
トランジスタ+コイルの方がトランスより小型、軽量、
安価である。本発明の超音波アクチュエータにおける圧
電振動子は直径10mm、長さ10mm程度またはそれ
以下の極く小型のものであるから、駆動回路部2も小型
であることが実用上必須である。この点で本発明の超音
波アクチュエータの駆動回路はトランスを昇圧手段とす
る図10、図11の従来回路に比べて実用性において格
段に優れている。
【0040】また、本発明の超音波アクチュエータの駆
動回路部2では、電力増幅部13の負荷回路がコイルL
1 およびコンデンサC3 で成り、抵抗器を含まないか
ら、図9の従来回路に比べて電源の電力利用効率、すな
わち電力効率において優れている。
【0041】
【発明の効果】以上に実施例を挙げて詳しく説明したよ
うに、本発明によれば、圧電振動子の所要駆動電圧より
低い電圧の電源から直流電力を受けてその所要駆動電圧
の高周波交流電力を出力でき、しかも電力効率に優れ、
回路構成が簡単で安価で、小型軽量な超音波アクチュエ
ータを提供できる。しかもその駆動回路は外部温度など
の環境変化にも対応しうる駆動回路である。
【0042】圧電振動子と駆動回路とから成る本発明の
超音波アクチュエータにおいて、圧電振動子と接触して
いる接触体の運動方向は、前記圧電振動子を形成する圧
電磁器の分極軸の方向と平行であることから、この接触
体は、圧電磁器の分極軸の方向に沿った直線運動をする
ことができる。さらに、接触体として耐摩耗性に優れた
摩擦材を使用することにより、圧電振動子の振動変位を
無駄なく接触体に伝達させることができるとともに、圧
電振動子の接触体に対する制御性を向上させることがで
きる。
【0043】圧電振動子と駆動回路とから成る本発明の
超音波アクチュエータでは、超音波アクチュエータを固
定しておいて接触体を移動させる上述の方式の他に、該
方式とは逆に接触体を固定しておいて超音波アクチュエ
ータ自身を移動させる方式とがある。この場合、超音波
アクチュエータは圧電振動子の振動変位によって自らを
移動させることになり、その移動方向は圧電磁器の分極
軸の方向と平行である。
【0044】また、圧電振動子に供給する励振電圧とし
て交流パルス電圧を出力し、該交流パルス電圧の電圧値
を調節する手段と、該交流パルス電圧のパルス幅および
パルス繰り返し周波数を調節する手段とが駆動回路に備
えられていることから、移動体の移動距離および移動方
向を極めて正確にステップ状にも制御することができ、
微小な距離の移動も可能である。
【0045】本発明の超音波アクチュエータの駆動回路
は、小型軽量で低消費電力駆動が可能であるばかりでな
く、騒音も無く、低速・高トルク駆動が可能なので、ギ
ヤが不要であるから、装置のさらなる小型化かつ軽量化
を実現できる。しかも、磁石の使用を必要としないこと
から、強磁場中での使用も可能である。さらに、接触体
に対し自らを移動させることができるから、リモートコ
ントロールによる遠隔操作も可能となり、人間の立ち入
ることのできない狭い空間や、液体中や、危険な場所で
の使用も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波アクチュエータの一実施例を示
す断面図。
【図2】図1の超音波アクチュエータの側面図。
【図3】移動体4の進行方向と圧電振動子1の電極との
関係を示す図。
【図4】移動体4の進行方向と圧電振動子1の電極との
関係を示す図。
【図5】図1の超音波アクチュエータの駆動回路部2の
一実施例を示す図。
【図6】図5の回路について観測したオシロスコープ電
圧波形を示す図。
【図7】図1の超音波アクチュエータの圧電振動子1に
おける電極の形状と、移動体4の移動速度との関係を示
す図。
【図8】2端子方式で自励発振する駆動回路の基本構成
を示す図。
【図9】従来の自励式駆動回路の例を示す図。
【図10】従来の自励式駆動回路の例を示す図。
【図11】従来の自励式駆動回路の例を示す図。
【図12】円柱状圧電振動子における表面温度および共
振周波数の時間変化を示す図。
【符号の説明】
1 圧電振動子 2 駆動回路部 3 スライダ 4 移動体 5 支持具 6 支持台 7 ベアリング 8 スプリング 11 電流検出部 12 電圧増幅部 13 電力増幅部 D、F、G 電極 IC1 CMOS IC インバータ Vcc 電源電圧 L1 昇圧用コイル Q1 トランジスタ ZD1 ツェナーダイオード D1、D2 ダイオード C1、C2、C3 コンデンサ R1、R2、Q3、Q4 抵抗

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱状の圧電磁器の両端面にそれぞれ電極
    AおよびBを設けてなる圧電振動子を励振することによ
    り前記圧電磁器の側面に発生する振動変位を、前記圧電
    磁器の側面に直接接触されるかまたは該側面に被せられ
    ている被覆に接触されている接触体に伝達する超音波ア
    クチュエータにおいて、 前記圧電磁器の分極軸は前記両端面に垂直であって、 前記電極AおよびBのうちで少なくとも電極Aは互いに
    絶縁された電極A1およびA2に分割されていて、 前記電極Bと前記電極A1またはA2との間に前記圧電
    磁器の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧を印加する
    ことにより、前記圧電振動子を駆動する回路が備えてあ
    り、 前記駆動回路は、前記電極Bと前記電極A1またはA2
    との間に流れる電流の位相を検出する手段と、この電流
    検出手段の出力信号を増幅して得た高周波電力を前記電
    極Bと前記電極A1またはA2との間に加える電力増幅
    手段とを備え、 前記電力増幅手段の出力の高周波信号は、前記電流検出
    手段により該電力増幅手段に正帰還され、 前記電力増幅手段の終段増幅素子はトランジスタでな
    り、該トランジスタに電力を供給する流路に昇圧用のコ
    イルが挿入してあることを特徴とする超音波アクチュエ
    ータ。
  2. 【請求項2】 前記駆動回路は、前記圧電振動子に供給
    する電圧として交流パルス電圧を出力し、該交流パルス
    電圧の電圧値を調節する手段と、該交流パルス電圧のパ
    ルス幅およびパルス繰り返し周波数を調節する手段とを
    備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波アクチ
    ュエータ。
  3. 【請求項3】 前記電流検出手段は前記圧電振動子に直
    列に接続された第1のダイオードと、この第1のダイオ
    ードに並列に該第1のダイオードとは逆の極性に接続さ
    れた第2のダイオードとから成ることを特徴とする請求
    項1または2に記載の超音波アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記圧電振動子によって移動される前記
    接触体の移動方向は、前記圧電磁器の分極軸の方向と平
    行であることを特徴とする請求項1、2または3に記載
    の超音波アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記接触体と接触することによって自ら
    移動する移動方向は、前記圧電磁器の分極軸の方向と平
    行であることを特徴とする請求項1、2、または3に記
    載の超音波アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記圧電磁器は、直径と高さとの寸法比
    がほぼ1に等しい円柱であることを特徴とする請求項
    1、2、3、4または5に記載の超音波アクチュエー
    タ。
  7. 【請求項7】 前記電極A1およびA2は、前記端面の
    直径をほぼ2:1に分割する点を通り該直径に垂直な直
    線で分割されていることを特徴とする請求項6に記載の
    超音波アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記圧電磁器は、3辺のうち少なくとも
    2辺の寸法比がほぼ1に等しい矩形角柱であることを特
    徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の超音波
    アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 前記電極A1およびA2は、前記圧電磁
    器における互いにほぼ等しい2辺を有する端面の面積を
    ほぼ2:1に分割し該2辺のうちの1辺に平行な直線で
    分割されていることを特徴とする請求項8に記載の超音
    波アクチュエータ。
JP4093438A 1992-03-19 1992-03-19 超音波アクチュエータ Pending JPH05276770A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4093438A JPH05276770A (ja) 1992-03-19 1992-03-19 超音波アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4093438A JPH05276770A (ja) 1992-03-19 1992-03-19 超音波アクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05276770A true JPH05276770A (ja) 1993-10-22

Family

ID=14082327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4093438A Pending JPH05276770A (ja) 1992-03-19 1992-03-19 超音波アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05276770A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998045933A1 (fr) * 1997-04-09 1998-10-15 Seiko Instruments Inc. Moteur a ultrasons et appareil electronique pourvu d'un moteur a ultrasons
EP0877429A2 (en) * 1997-05-08 1998-11-11 Seiko Instruments Inc. Ultrasonic wave motor device and electronic apparatus having ultrasonic wave motor device
EP0926745A2 (en) * 1997-12-09 1999-06-30 Seiko Instruments Inc. Ultrasonic motor and control circuitry thereof
KR100393183B1 (ko) * 1996-10-31 2003-10-17 삼성전자주식회사 마이크로액츄에이터의상보형정전구동장치

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100393183B1 (ko) * 1996-10-31 2003-10-17 삼성전자주식회사 마이크로액츄에이터의상보형정전구동장치
WO1998045933A1 (fr) * 1997-04-09 1998-10-15 Seiko Instruments Inc. Moteur a ultrasons et appareil electronique pourvu d'un moteur a ultrasons
EP0877429A2 (en) * 1997-05-08 1998-11-11 Seiko Instruments Inc. Ultrasonic wave motor device and electronic apparatus having ultrasonic wave motor device
EP0877429A3 (en) * 1997-05-08 2000-09-13 Seiko Instruments Inc. Ultrasonic wave motor device and electronic apparatus having ultrasonic wave motor device
EP0926745A2 (en) * 1997-12-09 1999-06-30 Seiko Instruments Inc. Ultrasonic motor and control circuitry thereof
EP0926745A3 (en) * 1997-12-09 2000-11-08 Seiko Instruments Inc. Ultrasonic motor and control circuitry thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100204460B1 (ko) 초음파모터의 속도제어방법
US4888514A (en) Driving apparatus for ultrasonic motor
JPH0685343A (ja) 電力用圧電トランスコンバータ
US6133701A (en) Driving circuit for oscillatory actuator
US5561337A (en) Ultrasonic vibrating actuator
JPH05276770A (ja) 超音波アクチュエータ
JP2000014190A (ja) 振動型アクチュエ―タの駆動回路
JPS631379A (ja) 超音波モ−タ用駆動回路
JPH05276771A (ja) 超音波アクチュエータ
JP3722050B2 (ja) 駆動装置
JP3111202B2 (ja) 超音波霧化装置
JPH07123750A (ja) 超音波モータの駆動回路
JPH0833366A (ja) 超音波モータの駆動方法とその駆動回路
JP2005323450A (ja) 駆動装置
JP3551420B2 (ja) 超音波アクチュエータ
JPH04313369A (ja) 超音波アクチュエータ駆動回路
KR960024282A (ko) 정전형 변환수단의 구동장치
JP3551421B2 (ja) 超音波アクチュエータ
JP3308711B2 (ja) 超音波モータの駆動装置
JP4433266B2 (ja) 超音波モータの駆動装置及び駆動方法
JPH09163766A (ja) 超音波モータの駆動方法およびその駆動回路
JPH04145876A (ja) 超音波アクチュエータ駆動回路
JP3769735B2 (ja) 超音波励振器
JPH06151995A (ja) 圧電セラミック振動子
JPH0549272A (ja) 超音波アクチユエータ駆動回路