JP2012049866A - 発振回路及び霧化装置 - Google Patents

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Satoshi Ichihara
聡 市原
Motoyasu Nakao
元保 中尾
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Abstract

【課題】 昇圧電源回路を要することなく電源電圧の2倍以上の振幅を持った発振信号を得ることができ、かつ、コストをより低減することが可能な発振回路を提供する。
【解決手段】 発振回路1は、入力される信号を増幅する増幅部10と、増幅された信号を昇圧する昇圧部20と、該昇圧部20から出力される信号を増幅部10の入力に帰還させる帰還部30とを備える。増幅部10は、トランジスタQ1を用いたエミッタ接地型増幅回路である。昇圧部20は、一端が電源Vccに接続される第1コイルL1、及び、一端が該第1コイルL1の他端に接続され、他端がトランジスタQ1のエミッタに接続される第2コイルL2を有する。帰還部30は、第1コイルL1と第2コイルL2との接続部に一端が接続されるとともに、他端が圧電振動子40を介してトランジスタQ1のベースに接続され、信号の位相を90°遅らせて帰還させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発振回路、及び該発振回路を用いた霧化装置に関する。
従来から、発振回路は、さまざまな電子機器において広く利用されている。例えば、特許文献1には、発振回路を利用して超音波振動子を振動させて液体の噴霧を行う噴霧装置が開示されている。このような噴霧装置では、液体の霧化を促進するため、より高い電圧で超音波振動子を駆動することが好ましい。そこで、特許文献1に記載の回路では、電源電圧を昇圧する昇圧電源回路(DC−DCコンバータ)を設け、電源電圧を該昇圧電源回路で噴霧に必要な電圧まで昇圧して発振回路に印加している。そのため、この発振回路によれば、電源電圧よりも高い電圧振幅で超音波振動子を駆動することができる。
また、特許文献2には、発振回路を構成する増幅回路と帰還回路との間に、トランジスタと昇圧コイルとからなる昇圧回路が設けられた発振回路が開示されている。このトランジスタのベースは増幅回路の出力端に接続され、エミッタは接地され、コレクタは昇圧コイルと接続されている。この発振回路によれば、昇圧コイルによって昇圧された信号で圧電振動子を励振駆動することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の回路では、発振回路の前段に、電源電圧を昇圧するための昇圧電源回路(DC−DCコンバータ)を設ける必要があるため、部品点数が増加し、ひいてはコストの増大や実装面積の増大といった問題が生じる。また、特許文献2に開示されている発振回路では、受動素子で等価的に表される圧電振動子や水晶振動子等を用いた場合には、振動子が安定して自励振を続ける際に、その振動中心に相当する電位、すなわち電源電圧を中心として上下に等しい電圧幅だけ電圧振幅が得られる。そのため、この発振回路で得られる昇圧発振出力の振幅は、電源電圧の2倍までが限界となる。
一方、特許文献3には、増幅部にトランス(変圧器)を導入した発振回路が開示されている。この発振回路では、増幅部を構成するトランジスタのコレクタにトランスの一次側コイルが接続されている。また、該トランスの二次側コイルとコンデンサとが並列に接続されて並列共振回路が形成されるとともに、トランスで昇圧された電圧が圧電トランス(圧電振動子)に印加される構成となっている。この発振回路によれば、昇圧電源回路を要することなく電源電圧の2倍以上の振幅を得ることができる。
特開昭58−76157号公報 特許第2952815号公報 特公昭60−5346号公報
しかしながら、特許文献3に開示されている発振回路では、信号の昇圧にトランスを用いているため、コストの更なる低減を図ることが難しかった。そのため、昇圧電源回路を要することなく電源電圧の2倍以上の振幅を得ることができ、かつ、コストを低減することができる発振回路が望まれていた。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、昇圧電源回路を要することなく電源電圧の2倍以上の振幅を持った発振信号を得ることができ、かつ、コストをより低減することが可能な発振回路、及び該発振回路を用いた霧化装置を提供することを目的とする。
本発明に係る発振回路は、入力される信号を増幅する増幅部と、該増幅部により増幅された信号を昇圧する昇圧部と、該昇圧部から出力される信号を増幅部の入力に帰還させる帰還部とを備える発振回路において、昇圧部が、一端が電源に接続される第1コイル、及び、一端が第1コイルの他端に接続され、他端が増幅部の出力端に接続される第2コイルを有し、帰還部が、第1コイルと第2コイルとの接続部に一端が接続されるとともに、他端が振動子を介して増幅部の入力端に接続されていることを特徴とする。
本発明に係る発振回路によれば、昇圧部の第1コイル、第2コイルそれぞれに生じる誘導電流IL1,IL2が互いに逆方向(逆位相)に流れることで、それぞれのコイルに生じる誘導起電圧−L1・(dIL1/dt)、−L2・(dIL2/dt)が互いに逆位相で励起される。そのため、第1コイルと第2コイルとの接続部での信号を、電源電圧Vccを基準として、L1・(dIL1/dt)+L2・(dIL2/dt)だけ昇圧することができる。また、2つのコイルで信号を昇圧できるため、トランスを用いる場合よりも、コストをより低減することができる。その結果、昇圧電源回路を要することなく電源電圧の2倍以上の振幅を持った発振信号を得ることができ、かつ、コストをより低減することが可能となる。
本発明に係る発振回路では、上記増幅部が、トランジスタを用いたエミッタ接地型増幅回路であり、該トランジスタのコレクタに第2コイルの他端が接続され、該トランジスタのベースに帰還部の他端が接続されていることが好ましい。
このようにすれば、トランジスタのスイッチング動作により、第1コイルと第2コイルとの接続部(ノード)を基準として、逆方向の誘導電流IL1,IL2が発生し、最大でL1・(dIL1/dt)+L2・(dIL2/dt)の昇圧効果を得ることができる。なお、トランジスタのコレクタ電位Vcは基本的にはGND電位以下にはならないが、第1コイルと第2コイルとの接続部では、第2コイルに励起される誘導起電力によって、GND以下の電位が励起されるようになるので、電源電圧の2倍以上の昇圧を行うことが可能となる。
本発明に係る発振回路では、帰還部が、信号の位相を90°遅らせて帰還させることが好ましい。このように、帰還部の位相回転量が−90°で発振するように設定された場合、常に、それぞれの誘導電流IL1,IL2が、第1コイルと第2コイルとの接続部から逆方向に流れるようにできるため、第1コイルと第2コイルとの接続部の信号を効果的に昇圧することが可能となる。なお、帰還部としては、コルピッツ型の帰還回路が好適に用いられる。
本発明に係る発振回路では、振動子が、圧電振動子であることが好ましい。この場合、振動子として周波数安定性が高い圧電振動子を用いることにより、安定した発振信号を得ることが可能となる。
本発明に係る霧化装置は、上記発振回路と、圧電振動子に液体を供給する供給手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る霧化装置によれば、上述した発振回路を備えているため、電源電圧の2倍以上の振幅を持つ発振信号(自励振信号)により圧電振動子を駆動することができる。よって、霧化に好適な振幅を持った発振信号を圧電振動子に印加することができる。その結果、好ましい粒子径の霧を大量に発生させることが可能となる。
本発明によれば、昇圧電源回路を要することなく電源電圧の2倍以上の振幅を持った発振信号を得ることができ、かつ、コストをより低減することが可能となる。
実施形態に係る発振回路の構成を示す回路図である。 圧電振動子の等価回路を示す回路図である。 実施形態に係る発振回路の動作を説明するための図である。 実施形態に係る発振回路の動作シミュレーション結果を示す図である。 実施形態に係る超音波霧化装置の霧化粒子噴射部を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係る発振回路1の構成について説明する。図1は、発振回路1の構成を示す回路図である。
発振回路1は、直流電源電圧Vccに制限されることなく、圧電振動子40に適切な電圧を印加して、発振させることができるコルピッツ型の発振回路である。そのため、発振回路1は、入力(又は帰還)される発振信号を増幅する増幅部10と、直列に接続された第1コイル(インダクタ)L1と第2コイル(インダクタ)L2とからなり、増幅部10から出力される発振信号を昇圧する昇圧部20と、昇圧された発振信号を圧電振動子40を介して増幅部10に帰還させる帰還部30とを備えている。なお、増幅部10及び昇圧部20の(ゲイン、位相回転量)を(Av、θv)とし、帰還部30の(ゲイン、位相回転量)を(Aβ、θβ)とした場合に、発振回路1は、次式(1)(2)の発振条件(振幅条件及び位相条件)を満たしている。
振幅条件: Av・Aβ≧1 ・・・(1)
位相条件: θv+θβ=360・n (n=0,1,2,・・) ・・・(2)
ただし、本実施形態において、帰還部30の位相回転量θβは、−90°に設定されている。続いて、発振回路1の各構成要素をより具体的に説明する。
増幅部10は、励振用のNPNトランジスタQ1と、そのバイアス抵抗R1,R2,R3、によって構成されたエミッタ接地型の増幅回路である。より詳細には、電源Vcc−GND間に挿入された抵抗R1と抵抗R2との接続部に、トランジスタQ1のベースが接続されており、該ベースには帰還部30を介して帰還される発振信号が入力される。一方、トランジスタQ1のエミッタは、抵抗R3を介して接地されている。また、コレクタには、昇圧部20を構成する第2コイルL2が接続されており、増幅部10で増幅された信号は、この昇圧部20で昇圧される。
昇圧部20は、直列接続された第1コイル(インダクタ)L1と第2コイル(インダクタ)L2とから構成されている。第1コイルL1の一端は電源Vccに接続され、第1コイルL1の他端は第2コイルL2の一端と接続されている。第2コイルL2の他端は、トランジスタQ1のコレクタに接続されている。昇圧部20は、第1コイルL1、第2コイルL2に生じる誘導電流IL1,IL2が互いに逆位相に流れることで、それぞれのコイルL1,L2に生じる誘導起電力−L1・(dIL1/dt)、−L2・(dIL2/dt)が互いに逆位相で励起されることを利用し、増幅部10から出力される発振信号を昇圧する。そのため、第1コイルL1と第2コイルL2との接続部(以下「X点」ともいう)では、電源電圧Vccを基準として、L1・(dIL1/dt)+L2・(dIL2/dt)だけ昇圧される。昇圧部20によって昇圧された発振信号は、第1コイルL1と第2コイルL2との接続部(X点)から出力され、帰還部30を構成する圧電振動子40に印加されるとともに、該圧電振動子40(帰還部30)を介して上述した増幅部10を構成するトランジスタQ1のベースに戻される。
帰還部30は、圧電振動子40と帰還コンデンサC1,C2とからなる所謂コルピッツ型の帰還回路として構成されている。具体的には、圧電振動子40の入力端子が、第1コイルL1と第2コイルL2との接続部に接続されるとともに、圧電振動子40の出力端子が増幅部10のトランジスタQ1のベースに接続されている。また、圧電振動子40の入力端子がコンデンサC1を介して接地されるとともに、圧電振動子40の出力端子がコンデンサC2を介して接地されている。帰還部30は、昇圧部20から出力された信号を90°位相を遅らせて増幅部10へ帰還させるように回路定数が設定されている。よって、発振信号は90°位相が遅れて、トランジスタQ1のベースに入力される。
圧電振動子40は、例えば、PZTやチタン酸バリウム等の圧電セラミックスから形成されている。圧電振動子40は、図2に示されるように、コイルLs、コンデンサCs、及び抵抗器Rsの直列回路と、コンデンサCpとが並列接続された等価回路で表される。圧電振動子40は、特定の周波数で共振特性を示し、電圧が印加されると逆圧電効果によって強い機械的振動を起こし、その機械的振動に見合った電圧を圧電効果によって出力する。なお、この機械的振動が、例えば、液体の霧化等に利用される。
次に、図1〜図3を併せて参照しつつ、発振回路1の動作について説明する。ここで、図3は、発振回路1の動作を説明するための図であり、発振回路1各部の動作波形を(a)(b)に示す。具体的には、図3(a)はトランジスタQ1のベース電位Vb(V)を示し、(b)は第1コイルL1と第2コイルL2との接続部(X点)の電位(すなわち発振回路1の出力)Vx(V)を示す。ここでは、発振が開始されて安定し、X点電位Vxとして電源電圧Vccを基準に昇圧された出力が得られている状態において、上記各動作波形を第1区間(1)〜第4区間(4)(図3において破線で区切られた(1)〜(4)に対応)に分け、トランジスタQ1のベース電位VbとX点での電位Vxとの関係から、第1コイルL1、第2コイルL2それぞれに生じる誘導電流IL1,IL2の向きについて説明する。なお、第2コイルL2とトランジスタQ1のコレクタとの接続部をC点とする。
(1)第1区間
第1区間は、ベース電位Vbが、トランジスタQ1の閾値Vth(例えば0.7V)よりも大きく、かつ単調増加する区間である。また、第1区間は、X点電位Vxが電源電圧Vccよりも大きく、かつ単調減少する区間である。この第1区間では、トランジスタQ1がオン状態であるので、コレクタ電位Vc≒GNDである。ここで、X点の電位は単調減少しているため、X点からVcc側へ第1コイルL1に流れる電流は減少傾向となり、X点からC点の方向へ第2コイルL2に流れる電流も減少傾向となる。よって、第1コイルL1には、X点からVcc側へ流れる電流の減少を妨げる方向、すなわち、X点からVcc側(矢印A1方向)へ誘導電流IL1が流れる。一方、第2コイルL2には、X点からC点の方向へ流れる電流の減少を妨げる方向、すなわち、X点からC点の方向(矢印A2方向)へ誘導電流IL2が流れる。よって、第1区間では、第1コイルL1と第2コイルL2には、X点を基準として、逆方向に誘導電流IL1,IL2が流れる。
(2)第2区間
第2区間は、さらに2つの区間(第2−1区間、第2−2区間)に分けて説明する。まず、第2−1区間は、ベース電位VbがトランジスタQ1の閾値Vthよりも大きく、かつ単調減少する区間である。また、第2−1区間は、X点電位Vxが、電源電圧Vccよりも小さく、GNDよりも大きく、かつ単調減少する区間である。この第2−1区間では、トランジスタQ1がオン状態であるので、コレクタ電位Vc≒GNDである。ここで、X点の電位は単調減少しているため、Vcc側からX点へ第1コイルL1に流れる電流は増加傾向となり、X点からC点の方向へ第2コイルL2に流れる電流は減少傾向となる。よって、第1コイルL1には、Vcc側からX点へ流れる電流の増加を妨げる方向、すなわち、X点からVcc側(矢印A1方向)へ誘導電流IL1が流れる。一方、第2コイルL2には、X点からC点の方向へ流れる電流の減少を妨げる方向、すなわち、X点からC点の方向(矢印A2方向)へ誘導電流IL2が流れる。よって、第2−1区間では、第1コイルL1と第2コイルL2には、X点を基準として、逆方向に誘導電流IL1,IL2が流れる。
次に、第2−2区間は、ベース電位VbがトランジスタQ1の閾値Vthよりも大きく、かつ単調減少する区間である。また、第2−2区間は、X点電位VxがGNDよりも小さく、かつ単調減少する区間である。この第2−2区間では、トランジスタQ1がオン状態であるので、コレクタ電位Vc≒GNDである。ここで、X点の電位は単調減少しているため、Vcc側からX点へ第1コイルL1に流れる電流は増加傾向となり、C点からX点の方向へ第2コイルL2に流れる電流は増加傾向となる。よって、第1コイルL1には、Vcc側からX点へ流れる電流の増加を妨げる方向、すなわち、X点からVcc側(矢印A1方向)へ誘導電流IL1が流れる。一方、第2コイルL2には、C点からX点の方向へ流れる電流の増加を妨げる方向、すなわち、X点からC点の方向(矢印A2方向)へ誘導電流IL2が流れる。よって、第2−2区間では、第1コイルL1と第2コイルL2には、X点を基準として、逆方向に誘導電流IL1,IL2が流れる。
(3)第3区間
第3区間は、ベース電位VbがトランジスタQ1の閾値Vthよりも小さく、かつ単調減少する区間である。また、第3区間は、X点電位Vxが電源電圧Vccよりも小さく、かつ単調増加する区間である。この第3区間では、トランジスタQ1がオフ状態であるので、C点はオープンとなり、第2コイルL2を流れる電流は略ゼロとなる。また、Vcc側からX点へ第1コイルL1に流れる電流は減少傾向となる。よって、第2コイルL2では電流値がゼロとなる。一方。第1コイルL1には、Vcc側からX点へ流れる電流の減少を妨げる方向、すなわち、Vcc側からX点(矢印A3方向)へ誘導電流IL1が流れる。
(4)第4区間
第4区間は、ベース電位VbがトランジスタQ1の閾値Vthよりも小さく、かつ単調増加する区間である。また、第4区間は、X点電位Vxが電源電圧Vccよりも大きく、かつ単調増加する区間である。この第4区間では、トランジスタQ1がオフ状態であるので、C点はオープンとなり、第2コイルL2を流れる電流は略ゼロとなる。また、X点からVcc側へ第1コイルL1に流れる電流は増加傾向となる。よって、第2コイルL2では電流値がゼロとなる。一方。第1コイルL1には、X点からVcc側へ流れる電流の増加を妨げる方向、すなわち、Vcc側からX点(矢印A3方向)へ誘導電流IL1が流れる。
上述したように、第1区間及び第2区間においては、第1コイルL1、第2コイルL2それぞれに生じる誘導電流IL1,IL2の向きが逆方向になっており、X点には、誘導起電力−L1・(dIL1/dt)、−L2・(dIL2/dt)だけ昇圧された信号が出力される。一方、第3区間、第4区間においては、第1コイルL1に生じる誘導電流IL1に応じた誘導起電力−L1・(dIL1/dt)だけ昇圧された信号が出力される。ちなみに、帰還部30の位相回転量が−90°以外で発振するように発振条件を満たした場合には、すべての区間1〜4において誘導電流IL1,IL2が逆方向に流れるとは限らないため、X点での昇圧効率が低下する。
次に、発振回路1の動作について回路シミュレータ(SPICE)を用いて検討した。発振回路1のシミュレーション結果を図4に示す。ここで、図4(a)はトランジスタQ1のベース電位Vb(V)のシミュレーション結果であり、(b)はX点の電位Vx(V)のシミュレーション結果である。また、(c)は第2コイルL2の電流波形(mA)のシミュレーション結果であり、(d)は第1コイルL1の電流波形(mA)のシミュレーション結果である。
シミュレーションでは、圧電振動子40の等価回路定数として、抵抗Rs=170(Ω)、コイルLs=48.671(mH)、コンデンサCs=39.106(pF)、コンデンサCp=1066.99(pF)と設定した(図2参照)。また、回路定数として、抵抗R1=R2=10(kΩ)、第1コイルL1=390(μH)、第2コイルL2=68(μH)、抵抗R3=10(Ω)、コンデンサC1=C2=18000(pF)と設定した。また、トランジスタQ1としてQC1815(2SC1815)を想定し、電源電圧Vcc=5(V)としてシミュレーションを行った。
シミュレーションの結果、図4(b)に示されるように、電源電圧Vccの2倍以上の発振振幅が得られることが確認された。なお、実際の回路を用いた動作検証でも同一の結果が得られた。
本実施形態によれば、昇圧部20の第1コイルL1、第2コイルL2それぞれに生じる誘導電流IL1,IL2が互いに逆方向(逆位相)に流れることで、それぞれのコイルL1,L2に生じる誘導起電圧−L1・(dIL1/dt)、−L2・(dIL2/dt)が互いに逆位相で励起される。そのため、第1コイルL1と第2コイルL2との接続部(X点)での発振信号を、電源電圧Vccを基準として、L1・(dIL1/dt)+L2・(dIL2/dt)だけ昇圧することができる。また、2つのコイルL1,L2で信号を昇圧できるため、トランスを用いる場合よりも、コストをより低減することができる。その結果、昇圧電源回路を要することなく電源電圧Vccの2倍以上の振幅を持った発振信号を得ることができ、かつ、コストをより低減することが可能となる。また、トランスを用いる必要がないため、発振回路をより小型・軽量化することができる。
本実施形態によれば、増幅部10が、トランジスタQ1を用いたエミッタ接地型増幅回路であり、該トランジスタQ1のコレクタに第2コイルL2が接続され、該トランジスタQ1のベースに帰還部30(圧電振動子40)の他端が接続されている。そのため、トランジスタQ1のスイッチング動作により、第1コイルL1と第2コイルL2との接続部(X点)を基準として、逆方向の誘導電流IL1,IL2が発生し、最大でL1・(dIL1/dt)+L2・(dIL2/dt)の昇圧効果を得ることができる。なお、トランジスタQ1のコレクタ電位Vcは基本的にはGND電位以下にはならないが、第1コイルL1と第2コイルL2との接続部(X点)では、第2コイルL2に励起される誘導起電力によって、GND以下の電位が励起されるようになるので、電源電圧Vccの2倍以上の昇圧を行うことが可能となる。
本実施形態によれば、帰還部30が、信号の位相を90°遅らせて帰還させるように設定されている。このように、帰還部30の位相回転量が−90°で発振するように設定された場合、上述したすべての区間(1)〜(4)において、誘導電流IL1,IL2が、第1コイルL1と第2コイルL2との接続部(X点)から逆方向に流れるようにできるため、第1コイルL1と第2コイルL2との接続部(X点)の信号を効果的に昇圧することが可能となる。
また、本実施形態によれば、振動子として周波数安定性が高い圧電振動子40を用いているため、より安定した発振信号を得ることができる。
続いて、図5を参照しつつ、発振回路1を用いた超音波霧化装置100について説明する。図5は、超音波霧化装置100の霧化粒子噴射部を示す模式図である。
超音波霧化装置100の霧化粒子噴射部は、フレーム101に支持された円盤状の圧電振動子(圧電セラミック)40と、圧電振動子40の中心部に形成され、該圧電振動子40の振動面に液体を供給するオリフィス(供給手段)102とを備えている。圧電振動子40には、該圧電振動子40を超音波振動させる発振回路1が接続されている。また、オリフィス102には、図示省略した貯留タンクから配管を通して、例えば芳香剤を含む液体などが供給される。
このような超音波霧化装置100において、発振回路1の電源がONされた場合、発振回路1から出力される発振信号によって圧電振動子40が駆動されて超音波振動を開始するとともに、オリフィス102から例えば芳香剤を含む液体などが圧電振動子40の振動面に供給される。ここで、圧電振動子40から機械的エネルギーを得て液体の霧化に利用する場合は、圧電振動子40に高電圧を印加することが好ましい。そのため、超音波霧化装置100では、発振回路1の電源電圧Vccを3Vとし、発振回路1を構成する増幅部10及び昇圧部20(第1コイルL1並びに第2コイルL2)によって発振信号を増幅・昇圧し、電源電圧Vcc以上の自励振振幅を得ている。より具体的には、安定して霧化を得るために、圧電振動子40の共振周波数において、10Vppにて自励振させている。その結果、圧電振動子40が超音波振動することによって、圧電振動子40の表面に供給される例えば芳香剤を含む液体が霧化され、霧化粒子噴射部から外部へ放出される。
本実施形態によれば、圧電振動子40を駆動する発振回路に上述した発振回路1を適用しているため、電源電圧Vccの2倍以上の振幅を持つ発振信号(自励振信号)を圧電振動子40に供給することができる。よって、霧化に好適な振幅を持った発振信号で圧電振動子40を駆動することができる。その結果、用途に適した好ましい粒子径の霧を大量に発生させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、帰還部30をコルピッツ型の帰還回路で構成したが、これに代えて、例えばハートレー型の帰還回路等で構成することもできる。
上記実施形態では、トランジスタQ1としてバイポーラ型のトランジスタを用いたが、MOS型のトランジスタ(FET)を用いることもできる。この場合、第2コイルL2は、トランジスタのドレインに接続される。
また、上記実施形態では、振動子として圧電振動子を用いたが、これに代えて、例えば水晶振動子等を用いてもよい。なお、発振回路1〜3の適用対象は超音波霧化装置には限られない。
1 発振回路
10 増幅部
Q1 トランジスタ
20 昇圧部
L1 第1コイル
L2 第2コイル
30 帰還部
40 圧電振動子
100 超音波霧化装置

Claims (6)

  1. 入力される信号を増幅する増幅部と、該増幅部により増幅された信号を昇圧する昇圧部と、該昇圧部から出力される信号を前記増幅部の入力に帰還させる帰還部と、を備える発振回路において、
    前記昇圧部は、一端が電源に接続される第1コイル、及び、一端が前記第1コイルの他端に接続され、他端が前記増幅部の出力端に接続される第2コイルを有し、
    前記帰還部は、前記第1コイルと第2コイルとの接続部に一端が接続されるとともに、他端が振動子を介して前記増幅部の入力端に接続されていることを特徴とする発振回路。
  2. 前記増幅部は、トランジスタを用いたエミッタ接地型増幅回路であり、該トランジスタのコレクタに前記第2コイルの他端が接続され、該トランジスタのベースに前記帰還部の他端が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の発振回路。
  3. 前記帰還部は、信号の位相を90°遅らせて帰還させることを特徴とする請求項1又は2に記載の発振回路。
  4. 前記帰還部は、コルピッツ型の帰還回路により構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発振回路。
  5. 前記振動子は、圧電振動子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発振回路。
  6. 請求項5に記載の発振回路と、
    前記圧電振動子に液体を供給する供給手段と、を備えることを特徴とする霧化装置。
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