JP4595453B2 - 超音波モータの駆動回路およびアクチュエータ - Google Patents
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Description
この超音波モータの電流制御や回転数制御には、圧電素子に印加する交流電圧の振幅を調節する電圧振幅可変駆動方式や、PWM駆動方式(チョッパ方式)が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、前記PWM駆動方式の場合は、超音波モータの駆動信号より十分に周波数の高い基準信号が必要となるので、回路電流が増加し、また、回路構成が複雑化するという問題がある。
本発明の超音波モータの駆動回路は、交流電圧の印加により伸縮する圧電素子と被駆動体に対して当接する接触部を有する振動体を備える超音波モータを駆動する駆動回路であって、
周期的なパルス信号を生成するパルス生成手段と、
前記パルス生成手段により生成されたパルス信号の周期を保持しつつ、該パルス生成手段により生成されたパルス信号の単位期間内でのパルス数を調節するパルス数調節手段と、
前記パルス数調節手段により調節されたパルス信号に対応する第1の振幅の交流電圧を前記圧電素子に印加するとともに、前記第1の振幅の交流電圧を前記圧電素子に印加している時間帯と重複しない時間帯において、前記パルス生成手段により生成されたパルス信号に対応する前記第1の振幅の交流電圧より振幅の小さい第2の振幅の交流電圧を前記圧電素子に印加し、前記超音波モータを駆動する駆動手段とを有し、
前記パルス数調節手段によって前記単位期間内のパルス数を調節することにより、前記超音波モータの駆動を制御するよう構成されていることを特徴とする。
また本発明の超音波モータの駆動回路は、交流電圧の印加により伸縮する圧電素子と被駆動体に対して当接する接触部を有する振動体を備える超音波モータを駆動する駆動回路であって、
周期的なパルス信号を生成するパルス生成手段と、
前記パルス生成手段により生成されたパルス信号の周期を保持しつつ、該パルス生成手段により生成されたパルス信号の単位期間内でのパルス数を調節するパルス数調節手段と、
前記パルス数調節手段により調節されたパルス信号に対応する交流電圧を前記圧電素子に印加して前記超音波モータを駆動する駆動手段とを有し、
前記パルス数調節手段によって前記単位期間内のパルス数を調節することにより、前記超音波モータの駆動を制御するよう構成されていることを特徴とする。
また、パルス信号より周波数の高い信号を必要とせず、これにより、回路構成を簡易にすることができる。
また、圧電素子に印加する交流電圧の振幅を調節する電圧振幅可変駆動方式に比べ、超音波モータを高い駆動効率で駆動することができる。
これにより、回路構成を簡易にすることができる。
本発明の超音波モータの駆動回路では、前記駆動手段は、さらに、供給される電圧を低下させる電圧低下手段を有し、前記第1の振幅の交流電圧を前記圧電素子に印加している時間帯と重複しない時間帯において、前記電圧低下手段により低下した電圧を、前記パルス生成手段により生成されたパルス信号に略同期させて前記圧電素子に印加するよう構成されており、該電圧低下手段により低下した電圧を加算してなる交流電圧が、前記第2の振幅の交流電圧とされることが好ましい。
これにより、第2の振幅を、容易に、任意の値に設定することができる。
これにより、回路構成を簡易にすることができる。
本発明の超音波モータの駆動回路では、前記電圧低下手段は、抵抗器であることが好ましい。
これにより、回路構成を簡易にすることができる。
これにより、第2の振幅を、容易に、任意の値に変更することができる。
本発明の超音波モータの駆動回路は、さらに前記単位時間を設定する単位期間設定手段を備えている。
本発明の超音波モータの駆動回路では、前記単位期間設定手段は、前記パルス生成手段により生成されたパルス信号の周期の複数倍の期間を前記単位期間として設定するよう構成されていることが好ましい。
これにより、単位期間を長くすることによって制御分解能を高くするなど、超音波モータの駆動制御をさらに容易かつ確実に行なうことができる。
これにより、目的や用途等に応じて、制御分解能を変更することができる。
本発明の超音波モータの駆動回路では、前記パルス数調節手段は、前記パルス生成手段により生成されたパルス信号のうちの一部のパルス信号を無効にすることにより、該パルス生成手段により生成されたパルス信号の前記単位期間内のパルス数を調節するよう構成されていることが好ましい。
これにより、超音波モータの駆動制御をさらに容易かつ確実に行なうことができる。
これにより、超音波モータの電流制御を容易かつ確実に行なうことができる。
本発明の超音波モータの駆動回路では、前記超音波モータの電流を検出する電流検出手段と、
前記超音波モータの電流を調節する電流調節手段とを有し、
前記電流調節手段は、電流指令値と、前記電流検出手段の検出結果とに基づいて、前記パルス数調節手段を作動させて前記単位期間内のパルス数を調節することにより、前記超音波モータの電流を調節する電流制御を行なうよう構成されていることが好ましい。
これにより、超音波モータの電流制御を容易かつ確実に行なうことができる。
前記パルス数調節手段によって前記単位期間内のパルス数を調節することにより、前記ロータの回転数を調節する回転数制御を行なうよう構成されていることが好ましい。
これにより、回転数制御を容易かつ確実に行なうことができる。
前記ロータの回転数を検出する回転数検出手段と、
前記ロータの回転数を調節する回転数調節手段とを有し、
前記回転数調節手段は、回転数指令値と、前記回転数検出手段の検出結果とに基づいて、前記パルス数調節手段を作動させて前記単位期間内のパルス数を調節することにより、前記ロータの回転数を調節する回転数制御を行なうよう構成されていることが好ましい。
これにより、回転数制御を容易かつ確実に行なうことができる。
前記駆動回路により駆動される前記超音波モータとを有することを特徴とする。
この発明によれば、パルス信号の単位期間内のパルス数を調節することにより、超音波モータの駆動を制御するので、超音波モータの電流制御や回転数制御等の駆動制御を容易かつ確実に行なうことができる。
また、パルス信号より周波数の高い信号を必要とせず、これにより、回路構成を簡易にすることができる。
また、単位期間内の第1の振幅の交流電圧を圧電素子に印加している時間帯と重複しない時間帯において、第2の振幅の交流電圧を圧電素子に印加して超音波モータを駆動するので、単位期間を長くしても問題がなく、これにより、単位期間を長くすることによって制御分解能を高くすることができる。
これにより、超音波モータの電流制御や回転数制御等の駆動制御を容易かつ確実に行なうことができ、これによって、被駆動体の駆動(例えば、回転、移動等の変位)を容易かつ確実に制御することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図(一部ブロック図)、図2は、図1に示す超音波モータの駆動回路を示すブロック図である。
ロータ4は、図示しないベースに対し、回転可能に設置されている。また、超音波モータ2は、そのベースに対し、後述する弾性(可撓性)を有する1対の腕部34により固定設置されている。
また、前記接触部33は、前記補強板31と一体的に形成される(単一部材で形成される)。これにより、接触部33を振動体3に対して強固に設置できる利点がある。特に、接触部33は、アクチュエータ1の駆動時にて、振動体3の振動により高速かつ反復的に、高い押圧力にてロータ4に衝突する。したがって、かかる構成により、接触部31の耐久性を高め得る利点がある。
補強板31の構成材料は、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム系合金、チタン、チタン系合金、銅、銅系合金、ニッケルパーマロイ等の金属や、アルミナ、ジルコニア等の酸化物や、カーボンファイバー等各種のものを用いることができる。この補強板31は、振動体3全体を補強する機能を有し、過振幅や外力等による振動体3の損傷を防止する。
また、圧電素子32は、電圧の印加により伸縮可能な材料で構成される。この圧電素子32の構成材料としては、例えば、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT(商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等各種のものを用いることができる。
振動体3が振動すると、このような力がロータ4に繰り返し作用し、ロータ4は、所定方向に回転する。
なお、超音波モータ2の構成は、前述したものに限定されないことは、言うまでもない。例えば、超音波モータ2は、ロータ4を前記と逆方向に回転させるものであってもよく、また、ロータ4を正逆両方向に回転させることができるものであってもよい。
図2に示すように、駆動回路5は、超音波モータ2の駆動用のパルス信号(パルス)を周期的に生成し、電圧制御によりそのパルス信号の周波数を調節(可変)し得る電圧制御発振器(パルス生成手段)51と、NOT回路(否定回路)52と、カウンタ回路53と、パルス数N設定部54と、パルス数R設定部55と、NAND回路(否定的論理積回路)56と、デットタイム生成回路(貫通電流阻止回路)57と、2つのゲートドライバ58および59と、NOT回路(否定回路)61と、4つのスイッチング素子(スイッチング手段)として4つのFET(電界効果トランジスタ)62、63、64および65と、バンドパスフィルタ71と、信号増幅器(電圧増幅器)72と、コンパレータ(2値化回路)・インバータ(反転回路)73と、位相シフト器74と、位相比較器75と、ローパスフィルタ76とを有している。
電圧制御発振器51から出力されるパルス信号の周波数は、特に限定されないが、例えば、100〜400kHz程度が好ましく、230〜270kHz程度がより好ましい。
カウンタ回路53としては、例えば、パルスダウンカウンタ等を用いることができる。
また、パルス数N設定部54は、カウンタ回路53から出力される信号の電圧レベルをハイレベル(H)に保持する期間を決めるパルス数(カウンタ回路53におけるカウンタ出力パルス数)N(但し、N≦R)を設定する手段である。
このカウンタ回路53の出力側には、NAND回路56の一方の入力端子が接続されている。
また、ゲートドライバ58の出力側には、NAND回路56の他方の入力端子が接続され、また、NOT回路61が接続されている。
このNAND回路56の出力側には、FET62のゲートが接続され、NOT回路61の出力側には、FET63のゲートが接続されている。
FET62、64としては、それぞれ、ゲートに入力される信号(電圧)の電圧レベルがローレベルのとき、オン(ON)し、ハイレベルのとき、オフ(OFF)するPチャネルのFETを用いる。逆に、FET63、65としては、それぞれ、ゲートに入力される信号(電圧)の電圧レベルがハイレベルのとき、オン(ON)し、ローレベルのとき、オフ(OFF)するNチャネルのFETを用いる。
同様に、前記FET64とFET65とは、互いのドレイン同士が接続されており、このFET62のドレインとFET63のドレインとの間に、超音波モータの1対の駆動用の電極の他方が接続されている。
そして、FET62のソースおよびFET64のソースには、駆動電圧VDD(電圧値:VDD)が印加される。
図3は、図1および図2に示すアクチュエータ1のタイミングチャートである。
図3には、図2中のポイントA、B、C、D、E、F、G、H、ポイントFE間における電圧の経時変化(信号)が示されている。なお、ポイントFE間の電圧は、ポイントEの電圧を基準とするものであり、すなわち、ポイントEに対するポイントFの電圧である。
NOT回路52では、パルス信号が反転(ハイレベルとローレベルとが逆転)し(図3のB参照)、その反転したパルス信号は、カウンタ回路53に入力され、このカウンタ回路53において、そのパルス信号のパルス数がカウント(計数)される。
ここで、カウンタ回路53では、パルス信号をR個(但し、R≧2)カウントするまでの期間のうち、パルス信号をN個(但し、N≦R)カウントするまでの期間は、出力信号の電圧レベルをハイレベルに保持し、その他の期間は、出力信号の電圧レベルをローレベルに保持する(図3のC参照)。すなわち、カウンタ回路53から出力される信号の電圧レベルは、1個目のパルス信号の立ち上がりに同期して、ハイレベルに切り換わり、N≠Rの場合は、N+1個目のパルス信号の立ち上がりに同期して、ローレベルに切り換わる。なお、図3には、Rを8に設定(固定)し、Nを3、5、8に調節(変更)した例が示されている。
NAND回路56では、ゲートドライバ58からのパルス信号と、カウンタ回路53からの信号との論理積の否定に対応する信号が生成され、出力される(図3のD参照)。すなわち、NAND回路56からは、各単位期間において、それぞれ、カウンタ回路53から出力される信号の電圧レベルがハイレベルの期間にのみ、ゲートドライバ58からのパルス信号を反転したパルス信号(電圧制御発振器51により生成されたパルス信号を反転したパルス信号)が出力される。
従って、カウンタ回路53、パルス数N設定部54およびNAND回路56により、パルス数調節手段の主要部が構成される。
この単位期間は、パルス数R設定部55におけるRの値の設定により設定され、そのRの値の設定変更により、変更することができる。
なお、例えば、目的や用途等に応じて、前記単位期間(Rの値)を変更することにより、制御分解能を変更することができる。
ここで、前記Rは、2以上であればよいが、例えば、10〜1024程度が好ましく、30〜256程度がより好ましい。
また、NOT回路61では、ゲートドライバ58からのパルス信号が反転し、その反転したパルス信号は、FET63のゲートに入力され、このパルス信号により、FET63のオン/オフが制御される。
例えば、NAND回路56からパルス信号が出力されている期間(カウンタ回路53から出力される信号の電圧レベルがハイレベルの期間)であって、そのパルス信号の電圧レベルがハイレベルのときは、FET62がオフ、FET63がオン、FET64がオン、FET65がオフし、ポイントF側の超音波モータ2の駆動用の電極に、駆動電圧VDD(電圧値:VDD)が印加され、ポイントE側の超音波モータ2の駆動用の電極には、0V(VSS)が印加される(図3のD、E、F参照)。これにより、超音波モータ2の圧電素子32(ポイントEF間)に、+VDDが印加される(図3のFE間参照)。
なお、ゲートドライバ58、59、NOT回路61、FET62,63、64および65により、駆動手段の主要部が構成される。
この誘起電圧(交流電圧)、すなわち、振動信号は、バンドパスフィルタ71に入力され、バンドパスフィルタ71により、その振動信号から高周波成分および低周波成分が除去される。
位相比較器75においては、前記位相シフト器74から出力されたパルス信号の位相と、前記電圧制御発振器51から出力されたパルス信号の位相とが比較され、その位相差に相当する電圧レベルの信号が出力される。この信号は、ローパスフィルタ76に入力され、ローパスフィルタ76により、その信号から高周波成分が除去され、電圧制御発振器51に入力される。電圧制御発振器51では、前記位相差がゼロになるように、生成するパルス信号の周波数が調節(可変)され、これにより、電圧制御発振器51から、前記位相差がゼロになるような周波数のパルス信号が出力される。
以上のようにして、駆動回路5により超音波モータ2が駆動されると(振動体3が振動すると)、前述したように、ロータ4は、その超音波モータ2から回転力が与えられて回転する。この際、駆動回路5は、カウンタ回路53、パルス数N設定部54およびNAND回路56によって、電圧制御発振器51から出力されるパルス信号の単位期間内のパルス数を調節することにより、単位期間内における第1の振幅の交流電圧91の印加時間(波形の数)と、第2の振幅の交流電圧92の印加時間との比率を調節して、超音波モータ2の駆動を制御する。
また、駆動回路5を、カウンタ回路53、パルス数N設定部54およびNAND回路56によって、電圧制御発振器51から出力されるパルス信号の単位期間内のパルス数を調節することにより、ロータ4の回転数(回転速度)を調節する回転数制御(回転速度制御)を行なうよう構成することができる。
また、駆動回路5を、カウンタ回路53、パルス数N設定部54およびNAND回路56によって、電圧制御発振器51から出力されるパルス信号の単位期間内のパルス数を調節することにより、前記回転数制御と、前記電流制御とをそれぞれ行なうよう構成することができる。
また、電圧制御発振器51から出力されるパルス信号より周波数の高い信号を必要とせず、これにより、回路構成を簡易にすることができる。
また、超音波モータの圧電素子に印加する交流電圧の振幅を調節する電圧振幅可変駆動方式に比べ、超音波モータ2を高い駆動効率で駆動することができる。
次に、本発明の超音波モータの駆動回路およびアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図6は、第2実施形態における超音波モータの駆動回路を示すブロック図である。
以下、第2実施形態の超音波モータ2の駆動回路5およびアクチュエータ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
すなわち、図6に示すように、第2実施形態の超音波モータ2の駆動回路5は、さらに、超音波モータ2の電流を検出する電流検出器(電流検出手段)81と、超音波モータ2の電流を調節する電流制御器(電流調節手段)82とを有している。
この駆動回路5では、電流制御器82に、電流指令値(超音波モータ2を流れる電流の目標値)が入力される。
一方、電流検出器81により、超音波モータ2を流れる電流が検出され、その電流値は、電流制御器82に入力される。
この第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この第2実施形態では、超音波モータ2の電流制御を容易かつ確実に行なうことができる。また、電流制御として、超音波モータ2の電流のフィードバック制御を行なうので、超音波モータ2の電流を正確に調節することができる。
次に、本発明の超音波モータの駆動回路およびアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図7は、第3実施形態における超音波モータの駆動回路を示すブロック図である。
以下、第3実施形態の超音波モータ2の駆動回路5およびアクチュエータ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
すなわち、図7に示すように、第3実施形態の超音波モータ2の駆動回路5は、さらに、ロータ4の回転数(回転速度)を検出する回転数検出器(回転数検出手段)83と、ロータ4の回転数を調節する回転数制御器(回転数調節手段)84とを有している。
回転数検出器83の出力側には、回転数制御器84が接続され、回転数制御器84の出力側には、パルス数N設定部54が接続されている。
この駆動回路5では、回転数制御器84に、回転数指令値(ロータ4の回転数の目標値)が入力される。
回転数制御器84は、前記回転数指令値と、前記検出されたロータ4の回転数とに基づいて、前記電流指令値と前記検出されたロータ4の回転数との差がゼロになるように、パルス数N設定部54におけるNの値を調節する。これにより、電圧制御発振器51から出力されるパルス信号の単位期間内のパルス数が調節され、ロータ4の回転数は、目標値になる。
この第3実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、この第3実施形態に、さらに、前記第2実施形態の構成を付加してもよい。すなわち、回転数調節手段が、回転数指令値と、回転数検出手段の検出結果とに基づいて、パルス数調節手段を作動させてパルス信号の単位期間内のパルス数を調節することにより、ロータの回転数を調節する回転数制御を行なうとともに、電流調節手段が、電流指令値と、電流検出手段の検出結果とに基づいて、パルス数調節手段を作動させてパルス信号の単位期間内のパルス数を調節することにより、超音波モータの電流を調節する電流制御を行なうよう構成してもよい。
次に、本発明の超音波モータの駆動回路およびアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図8は、第4実施形態における超音波モータの駆動回路を示すブロック図である。
以下、第4実施形態の超音波モータ2の駆動回路5およびアクチュエータ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
また、回転数検出器83としては、例えば、光学式エンコーダ等の各種エンコーダや、ポテンショメータ等、または、これらと所定の処理回路とを含む装置等を用いることができる。
この駆動回路5では、回転数制御器84に、回転数指令値(ロータ4の回転数の目標値)が入力される。
一方、回転数検出器83により、ロータ4の回転数が検出され、その回転数は、回転数制御器84に入力される。
一方、電流検出器81により、超音波モータ2を流れる電流が検出され、その電流値は、電流制御器82に入力される。
そして、この第4実施形態では、ロータ4の回転数制御を容易、正確かつ確実に行なうことができる。また、回転数制御として、ロータ4の回転数のフィードバック制御を行なうとともに、電流制御として、超音波モータ2の電流のフィードバック制御を行なうので、ロータ4の回転数を正確に調節することができる。
次に、本発明の超音波モータの駆動回路およびアクチュエータの第5実施形態について説明する。
図9は、第5実施形態における超音波モータの駆動回路を示すブロック図である。
以下、第5実施形態の超音波モータ2の駆動回路5およびアクチュエータ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
FET66としては、ゲートに入力される信号(電圧)の電圧レベルがローレベルのとき、オン(ON)し、ハイレベルのとき、オフ(OFF)するPチャネルのFETを用いる。
この駆動回路5では、NOT回路61の出力側(NOT回路61とFET63のゲートとの間)に、FET66のゲートが接続されている。
また、FET66のドレインは、抵抗器67を介して、FET62のドレインとFET63のドレインとの間、すなわち、超音波モータの1対の駆動用の電極の一方に接続されている。
次に、アクチュエータ1の作用を説明する。
図10は、図9に示すアクチュエータ1のタイミングチャートである。
図10には、図9中のポイントA、B、C、D、E、F、G、H、ポイントFE間における電圧の経時変化(信号)が示されている。なお、ポイントFE間の電圧は、ポイントEの電圧を基準とするものであり、すなわち、ポイントEに対するポイントFの電圧である。
ここで、例えば、NAND回路56からパルス信号が出力されている期間(カウンタ回路53から出力される信号の電圧レベルがハイレベルの期間)であって、そのパルス信号の電圧レベルがハイレベルのときは、FET62がオフ、FET63がオン、FET64がオン、FET65がオフ、FET66がオフし、ポイントF側の超音波モータ2の駆動用の電極に、駆動電圧VDD(電圧値:VDD)が印加され、ポイントE側の超音波モータ2の駆動用の電極には、0V(VSS)が印加される(図10のD、E、F参照)。これにより、超音波モータ2の圧電素子32(ポイントEF間)に、+VDDが印加される(図10のFE間参照)。
ここで、前記第1の振幅の交流電圧91の最大値は、+VDD、最小値は、−VDDであり、前記第1の振幅の交流電圧91が圧電素子32に印加されている時間帯と重複しない時間帯における、前記電圧Vaが加算される前(加算されないとした場合)の交流電圧の最大値は、+VDD、最小値は、0であるので、この電圧Vaが加算される前の交流電圧の振幅は、第1の振幅の半分である。従って、第2の振幅は、第1の振幅の半分より大きい。
なお、ゲートドライバ58、59、NOT回路61、FET62,63、64、65、66および抵抗器67により、駆動手段の主要部が構成される。
また、駆動回路5を、カウンタ回路53、パルス数N設定部54およびNAND回路56によって、電圧制御発振器51から出力されるパルス信号の単位期間内のパルス数を調節することにより、ロータ4の回転数(回転速度)を調節する回転数制御(回転速度制御)を行なうよう構成することができる。
また、駆動回路5を、カウンタ回路53、パルス数N設定部54およびNAND回路56によって、電圧制御発振器51から出力されるパルス信号の単位期間内のパルス数を調節することにより、前記回転数制御と、前記電流制御とをそれぞれ行なうよう構成することができる。
そして、この第5実施形態では、抵抗器67の抵抗値の設定により、第2の振幅(第2の振幅の交流電圧92の振幅)を、容易に、任意の値に設定することができる。特に、抵抗器67として可変抵抗器を用いる場合は、その抵抗値の変更により、第2の振幅を、容易に、任意の値に変更することができる。
なお、電圧低下手段は、抵抗器67に限定されないことは、言うまでもない。
次に、本発明の超音波モータの駆動回路およびアクチュエータの第6実施形態について説明する。
図13は、第6実施形態における超音波モータの駆動回路を示すブロック図である。
以下、第6実施形態の超音波モータ2の駆動回路5およびアクチュエータ1について、前述した第5実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
すなわち、図13に示すように、第2実施形態の超音波モータ2の駆動回路5は、さらに、超音波モータ2の電流を検出する電流検出器(電流検出手段)81と、超音波モータ2の電流を調節する電流制御器(電流調節手段)82とを有している。
この駆動回路5では、電流制御器82に、電流指令値(超音波モータ2を流れる電流の目標値)が入力される。
電流制御器82は、前記電流指令値と、前記検出された超音波モータ2の電流値とに基づいて、前記電流指令値と前記検出された超音波モータ2の電流値との差がゼロになるように、パルス数N設定部54におけるNの値を調節する。これにより、電圧制御発振器51から出力されるパルス信号の単位期間内のパルス数が調節され、超音波モータ2の電流値は、目標値になる。
この第6実施形態によれば、前述した第5実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この第6実施形態では、超音波モータ2の電流制御を容易かつ確実に行なうことができる。また、電流制御として、超音波モータ2の電流のフィードバック制御を行なうので、超音波モータ2の電流を正確に調節することができる。
次に、本発明の超音波モータの駆動回路およびアクチュエータの第7実施形態について説明する。
図14は、第7実施形態における超音波モータの駆動回路を示すブロック図である。
以下、第7実施形態の超音波モータ2の駆動回路5およびアクチュエータ1について、前述した第5実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
すなわち、図14に示すように、第7実施形態の超音波モータ2の駆動回路5は、さらに、ロータ4の回転数(回転速度)を検出する回転数検出器(回転数検出手段)83と、ロータ4の回転数を調節する回転数制御器(回転数調節手段)84とを有している。
回転数検出器83の出力側には、回転数制御器84が接続され、回転数制御器84の出力側には、パルス数N設定部54が接続されている。
この駆動回路5では、回転数制御器84に、回転数指令値(ロータ4の回転数の目標値)が入力される。
回転数制御器84は、前記回転数指令値と、前記検出されたロータ4の回転数とに基づいて、前記電流指令値と前記検出されたロータ4の回転数との差がゼロになるように、パルス数N設定部54におけるNの値を調節する。これにより、電圧制御発振器51から出力されるパルス信号の単位期間内のパルス数が調節され、ロータ4の回転数は、目標値になる。
そして、この第7実施形態では、ロータ4の回転数制御を容易かつ確実に行なうことができる。また、回転数制御として、ロータ4の回転数のフィードバック制御を行なうので、ロータ4の回転数を正確に調節することができる。
なお、この第7実施形態に、さらに、前記第6実施形態の構成を付加してもよい。すなわち、回転数調節手段が、回転数指令値と、回転数検出手段の検出結果とに基づいて、パルス数調節手段を作動させてパルス信号の単位期間内のパルス数を調節することにより、ロータの回転数を調節する回転数制御を行なうとともに、電流調節手段が、電流指令値と、電流検出手段の検出結果とに基づいて、パルス数調節手段を作動させてパルス信号の単位期間内のパルス数を調節することにより、超音波モータの電流を調節する電流制御を行なうよう構成してもよい。
次に、本発明の超音波モータの駆動回路およびアクチュエータの第8実施形態について説明する。
図15は、第8実施形態における超音波モータの駆動回路を示すブロック図である。
以下、第8実施形態の超音波モータ2の駆動回路5およびアクチュエータ1について、前述した第5実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
また、回転数検出器83としては、例えば、光学式エンコーダ等の各種エンコーダや、ポテンショメータ等、または、これらと所定の処理回路とを含む装置等を用いることができる。
この駆動回路5では、回転数制御器84に、回転数指令値(ロータ4の回転数の目標値)が入力される。
一方、回転数検出器83により、ロータ4の回転数が検出され、その回転数は、回転数制御器84に入力される。
一方、電流検出器81により、超音波モータ2を流れる電流が検出され、その電流値は、電流制御器82に入力される。
そして、この第8実施形態では、ロータ4の回転数制御を容易、正確かつ確実に行なうことができる。また、回転数制御として、ロータ4の回転数のフィードバック制御を行なうとともに、電流制御として、超音波モータ2の電流のフィードバック制御を行なうので、ロータ4の回転数を正確に調節することができる。
以上、本発明の超音波モータの駆動回路およびアクチュエータを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明では、被駆動体は、ロータに限らず、他の回転構造物であってもよく、また、例えば、スライダのような並進構造物等であってもよい。すなわち、被駆動体の変位は、回転(回動)に限らず、例えば、リニアアクチュエータにおける被駆動体の移動のように、直線に沿った移動や曲線に沿った移動等であってもよい。
Claims (16)
- 交流電圧の印加により伸縮する圧電素子と被駆動体に対して当接する接触部を有する振動体を備える超音波モータを駆動する駆動回路であって、
周期的なパルス信号を生成するパルス生成手段と、
前記パルス生成手段により生成されたパルス信号の周期を保持しつつ、該パルス生成手段により生成されたパルス信号の単位期間内でのパルス数を調節するパルス数調節手段と、
前記パルス数調節手段により調節されたパルス信号に対応する第1の振幅の交流電圧を前記圧電素子に印加するとともに、前記第1の振幅の交流電圧を前記圧電素子に印加している時間帯と重複しない時間帯において、前記パルス生成手段により生成されたパルス信号に対応する前記第1の振幅の交流電圧より振幅の小さい第2の振幅の交流電圧を前記圧電素子に印加し、前記超音波モータを駆動する駆動手段とを有し、
前記パルス数調節手段によって前記単位期間内のパルス数を調節することにより、前記超音波モータの駆動を制御するよう構成されていることを特徴とする超音波モータの駆動回路。 - 前記第2の振幅は、前記第1の振幅の略半分である請求項1に記載の超音波モータの駆動回路。
- 前記駆動手段は、さらに、供給される電圧を低下させる電圧低下手段を有し、前記第1の振幅の交流電圧を前記圧電素子に印加している時間帯と重複しない時間帯において、前記電圧低下手段により低下した電圧を、前記パルス生成手段により生成されたパルス信号に略同期させて前記圧電素子に印加するよう構成されており、該電圧低下手段により低下した電圧を加算してなる交流電圧が、前記第2の振幅の交流電圧とされる請求項1に記載の超音波モータの駆動回路。
- 前記電圧低下手段により低下した電圧が加算される前の交流電圧の振幅は、前記第1の振幅の略半分である請求項3に記載の超音波モータの駆動回路。
- 前記電圧低下手段は、抵抗器である請求項3または4に記載の超音波モータの駆動回路。
- 前記電圧低下手段は、抵抗値を変更し得る可変抵抗器であり、該可変抵抗器の抵抗値の変更により、前記第2の振幅を変更し得るよう構成されている請求項3または4に記載の超音波モータの駆動回路。
- さらに前記単位時間を設定する単位期間設定手段を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の超音波モータの駆動回路。
- 前記単位期間設定手段は、前記パルス生成手段により生成されたパルス信号の周期の複数倍の期間を前記単位期間として設定するよう構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の超音波モータの駆動回路。
- 前記単位期間を変更し得るよう構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の超音波モータの駆動回路。
- 前記パルス数調節手段は、前記パルス生成手段により生成されたパルス信号のうちの一部のパルス信号を無効にすることにより、該パルス生成手段により生成されたパルス信号の前記単位期間内のパルス数を調節するよう構成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の超音波モータの駆動回路。
- 前記パルス数調節手段によって前記単位期間内のパルス数を調節することにより、前記超音波モータの電流値を調節する電流制御を行なうよう構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の超音波モータの駆動回路。
- 前記超音波モータの電流を検出する電流検出手段と、
前記超音波モータの電流を調節する電流調節手段とを有し、
前記電流調節手段は、電流指令値と、前記電流検出手段の検出結果とに基づいて、前記パルス数調節手段を作動させて前記単位期間内のパルス数を調節することにより、前記超音波モータの電流を調節する電流制御を行なうよう構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の超音波モータの駆動回路。 - 前記被駆動体は、回転可能に設けられたロータであり、
前記パルス数調節手段によって前記単位期間内のパルス数を調節することにより、前記ロータの回転数を調節する回転数制御を行なうよう構成されている請求項1ないし12のいずれかに記載の超音波モータの駆動回路。 - 前記被駆動体は、回転可能に設けられたロータであり、
前記ロータの回転数を検出する回転数検出手段と、
前記ロータの回転数を調節する回転数調節手段とを有し、
前記回転数調節手段は、回転数指令値と、前記回転数検出手段の検出結果とに基づいて、前記パルス数調節手段を作動させて前記単位期間内のパルス数を調節することにより、前記ロータの回転数を調節する回転数制御を行なうよう構成されている請求項1ないし12のいずれかに記載の超音波モータの駆動回路。 - 請求項1ないし14のいずれかに記載の超音波モータの駆動回路と、
前記駆動回路により駆動される前記超音波モータとを有することを特徴とするアクチュエータ。 - 前記超音波モータの接触部に当接し、該超音波モータからの駆動力により変位する前記被駆動体を有する請求項15に記載のアクチュエータ。
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