JP2003259670A - 可撓体アクチュエータ - Google Patents

可撓体アクチュエータ

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JP2003259670A
JP2003259670A JP2002058073A JP2002058073A JP2003259670A JP 2003259670 A JP2003259670 A JP 2003259670A JP 2002058073 A JP2002058073 A JP 2002058073A JP 2002058073 A JP2002058073 A JP 2002058073A JP 2003259670 A JP2003259670 A JP 2003259670A
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rotor
vibrating
actuator according
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JP2002058073A
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Osamu Miyazawa
修 宮澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で、小型化、特に薄型化に有利であ
り、可撓性を有する長尺の被移動体を円滑かつ確実に移
動させることができる可撓体アクチュエータを提供す
る。 【解決手段】可撓体アクチュエータ1は、可撓性を有す
る長尺の被移動体2を直接駆動(移動)するアクチュエ
ータであり、帯状の被移動体2と、その被移動体2が移
動可能に設置されたアクチュエータ本体3とで構成され
たアクチュエータユニット10を有している。アクチュ
エータ本体3は、一対のベース41、42と、被移動体
2を移動させる振動体6と、被移動体2を移動可能に支
持するロータ51と、2つのガイドローラ111、11
2と、振動体6の各電極への通電パターンを選択しつ
つ、その電極へ通電する通電回路とを有している。被移
動体2の一部は、ロータ51の溝511内に位置し、ロ
ータ51と振動体6の凸部66とで挟み付けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓体アクチュエ
ータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】可撓性を有する長尺の被移動体、例えば
ワイヤーをその長手方向へ移動させる可撓体アクチュエ
ータは、例えば、ロボットハンド等において指の関節な
どを駆動するために用いられる。
【0003】この可撓体アクチュエータは、ワイヤー
と、ワイヤーを巻き付けるリールと、モータ(回転型の
アクチュエータ)と、モータの回転駆動力を減速してリ
ールへ伝達する減速器とを備え、モータを駆動してリー
ルを回転させることにより、ワイヤーをその長手方向へ
移動させるようになっている。
【0004】しかしながら、前記従来の可撓体アクチュ
エータでは、リールや減速器を必要とするとともに、モ
ータが大きいために、小型・軽量化、特に薄型化し難い
という問題がある。したがって、例えば関節や五指など
を動かすために複数の可撓体アクチュエータを搭載する
ためには大きなスペースが必要であり、重量も増加する
ことからいっそう小型化を困難にしていた。
【0005】さらに、前記モータは、ロータやスライダ
ーに特殊な磁気特性を有することが必要であり、長いス
トロークの並進機構を小さくし難く、小型・軽量化に不
利である。
【0006】また、回転運動を直線運動に変換するの
で、この変換に伴うエネルギーロスが大きい。
【0007】また、モータの電磁ノイズが他の機器に影
響を及ぼすおそれがあるという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡単
な構造で、小型化、特に薄型化に有利であり、可撓性を
有する長尺の被移動体を円滑かつ確実に移動させること
ができる可撓体アクチュエータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(19)の本発明により達成される。
【0010】(1) 可撓性を有する長尺の被移動体
と、前記被移動体を移動可能に支持するロータと、前記
被移動体に当接して設けられ、圧電素子を有する振動体
とを備え、前記被移動体の一部は、前記ロータと前記振
動体とで挟み付けられており、前記振動体は、前記圧電
素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動
により、前記被移動体に力を繰り返し加えて前記被移動
体を前記被移動体の長手方向へ移動させるよう構成され
ていることを特徴とする可撓体アクチュエータ。
【0011】(2) 前記被移動体は、線状または帯状
をなしている上記(1)に記載の可撓体アクチュエー
タ。
【0012】(3) 前記ロータの外周面に溝が形成さ
れており、前記被移動体の少なくとも一部は、前記溝内
に位置している上記(1)または(2)に記載の可撓体
アクチュエータ。
【0013】(4) 前記溝の底に前記被移動体の一部
が接触するよう構成されている上記(3)に記載の可撓
体アクチュエータ。
【0014】(5) 前記被移動体が前記溝内で、該溝
の長手方向と直交する方向に移動し得るよう構成されて
いる上記(3)または(4)に記載の可撓体アクチュエ
ータ。
【0015】(6) 前記被移動体は、線状をなしてい
る上記(1)に記載の可撓体アクチュエータ。
【0016】(7) 前記ロータの外周面に溝が形成さ
れており、前記被移動体の少なくとも一部は、前記溝内
に位置している上記(1)または(6)に記載の可撓体
アクチュエータ。
【0017】(8) 前記ロータの外周面に溝が形成さ
れており、前記被移動体の少なくとも一部および前記振
動体の一部は、それぞれ、前記溝内に位置している上記
(1)または(6)に記載の可撓体アクチュエータ。
【0018】(9) 前記被移動体の横断面での形状
は、略円形であり、前記溝の横断面での底部の形状は、
略円弧状であり、前記溝の底部の半径は、前記被移動体
の半径より大きい上記(7)または(8)に記載の可撓
体アクチュエータ。
【0019】(10) 前記被移動体の横断面での形状
は、略円形であり、前記振動体の前記被移動体へ当接す
る部分における前記被移動体の径方向の厚さは、前記被
移動体の半径より大きい上記(6)ないし(9)のいず
れかに記載の可撓体アクチュエータ。
【0020】(11) 前記被移動体は、前記ロータ対
して360°未満巻き付けられ、前記ロータの前記被移
動体が巻き付けられている部分のうちの所定部位と前記
振動体とで挟み付けられている上記(1)ないし(1
0)のいずれかに記載の可撓体アクチュエータ。
【0021】(12) 前記振動体を複数有し、該複数
の振動体により共通の被移動体を移動させるよう構成さ
れている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の
可撓体アクチュエータ。
【0022】(13) 前記複数の振動体は、同一のロ
ータに対して設けられている上記(12)に記載の可撓
体アクチュエータ。
【0023】(14) 前記複数の振動体は、前記ロー
タの外周に沿って配置されている上記(13)に記載の
可撓体アクチュエータ。
【0024】(15) 前記被移動体を挟み付ける前記
ロータと前記振動体とを有する駆動部を複数備え、該複
数の駆動部により共通の被移動体を移動させるよう構成
されている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載
の可撓体アクチュエータ。
【0025】(16) 前記駆動部は、前記被移動体の
長手方向に沿って配置されている上記(15)に記載の
可撓体アクチュエータ。
【0026】(17) 前記振動体は、少なくとも、板
状の圧電素子と、金属材料で構成された補強板とを積層
してなる上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の
可撓体アクチュエータ。
【0027】(18) 前記振動体の前記被移動体へ当
接する部分は、前記補強板と一体的に形成されている上
記(17)に記載の可撓体アクチュエータ。
【0028】(19) 前記振動体から突出して設けら
れた腕部を有し、前記振動体は、前記腕部により支持さ
れている上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の
可撓体アクチュエータ。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可撓体アクチュエ
ータを、添付図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳
細に説明する。
【0030】図1は、本発明の可撓体アクチュエータの
第1実施形態を示す平面図であって、一方のベースを取
り外した状態を示す図、図2は、図1に示す可撓体アク
チュエータのA−A線での断面図、図3は、図1に示す
可撓体アクチュエータにおける振動体の斜視図、図4お
よび図5は、それぞれ、図1に示す可撓体アクチュエー
タにおける振動体が振動する様子を示す平面図、図6
は、図1に示す可撓体アクチュエータの回路構成を示す
ブロック図である。なお、以下の説明では、図1中の上
側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を
「左」と言う。
【0031】これらの図に示す可撓体アクチュエータ1
は、被移動体2を直接駆動(移動)するアクチュエータ
であり、可撓性を有する長尺の被移動体2と、被移動体
2がその長手方向へ移動可能に取り付けられたアクチュ
エータ本体3とで構成された板状のアクチュエータユニ
ット10を備えている。
【0032】ここで、前記被移動体の長手方向とは、被
移動体が直線状の場合の軸方向に限らず、例えば、被移
動体が湾曲または屈曲している場合の被移動体のパター
ンに沿った方向を含む概念である。
【0033】図1、図2および図6に示すように、アク
チュエータ本体3は、互いに平行になるように対向配置
された一対の板状のベース(基板)41、42と、被移
動体2を移動させる振動体6と、被移動体2を移動可能
に支持するロータ51と、2つのガイドローラ(押圧ロ
ーラ)111および112と、被移動体2の移動量を検
出する移動量検出手段7と、振動体6の後述する各電極
への通電パターンを選択しつつ、その電極へ通電する通
電回路20とを有している。振動体6、ロータ51、ガ
イドローラ111および112は、ベース41とベース
42との間に設けられ、被移動体2の一部は、ロータ5
1と振動体6とで挟み付けられている。また、ベース4
1は、図2中の右側端に配置され、ベース42は、図2
中の左側端に配置されている。
【0034】被移動体2は、可撓性を有する長尺のもの
であれば特に限定されないが、線状または帯状をなすも
の(線状体または帯状体)が好ましい。本実施形態で
は、被移動体2は、帯状をなしている。
【0035】ロータ51は、円柱状をなしており、ベー
ス41および42に、ベース41および42と平行な姿
勢(側面とベース41および42とが平行となるような
姿勢)で正逆両方向に回転可能に軸512で支持されて
いる。
【0036】ロータ51の周面(外周面)には、溝(離
脱阻止手段)511が外周に沿って形成されており、こ
の溝511内に、被移動体2の一部が配設されている
(位置している)。これにより、被移動体2は、溝51
1に沿って(溝511で案内されつつ)、移動する。
【0037】なお、前記ロータ51の形状は、円柱状に
限らず、この他、例えば、円筒状等が挙げられる。
【0038】振動体6は、板状をなしており、ベース4
1に、ベース41と平行な姿勢で、かつ、ロータ51の
上側に位置するように設置されている。
【0039】この振動体6は、振動体6の短辺601が
左右方向、すなわち、振動体6の長辺602が上下方向
となる姿勢で、かつ、その凸部66の先端部が被移動体
2に上側から当接(圧接)するように設置されている。
【0040】すなわち、被移動体2の一部は、ロータ5
1と振動体6との間に位置し、ロータ51と振動体6の
凸部66とで挟み付けられている。なお、振動体6につ
いては後に詳述する。
【0041】2つのガイドローラ111および112
は、ベース41および42に、ベース41および42と
平行な姿勢で正逆両方向に回転可能に設置されている。
【0042】ガイドローラ111は、ロータ51の左側
に、ロータ51から所定距離離間して配置され、ガイド
ローラ112は、ロータ51の右側に、ロータ51から
所定距離離間して配置されている。
【0043】被移動体2は、これらガイドローラ111
および112により、上側から下側に向って押し付けら
れ、これにより、被移動体2は、ロータ51に対して所
定量(僅かに)巻き付けられている。
【0044】被移動体2は、ロータ51の前記被移動体
2が巻き付けられている部分のうちの所定部位と振動体
6の凸部66とで挟み付けられている。
【0045】ロータ51に対して前記被移動体2が巻き
付けられる量は、ロータ51の中心角で、360°未満
が好ましく、さらには振動体6の凸部66の幅相当以上
の長さが巻き付いていることが好ましい。
【0046】これにより、ロータ51と振動体6とで被
移動体2をより確実に挟み付けることができ、被移動体
2の離脱をより確実に防止することができる。
【0047】前記振動体6、ロータ51、ガイドローラ
111および112は、それぞれ、図1中下側から見た
とき、それらがすべて、略同一直線上に位置するように
配置されている(略同一平面上に位置するように配置さ
れている)。これにより、可撓体アクチュエータ1全体
の薄型化に特に有利である。
【0048】前記振動体6が振動すると、被移動体2
は、振動体6から摩擦力(押圧力)を繰り返し受けて長
手方向に移動する。この振動体6は、通常のモータ等と
比べ、小型(薄型)である。
【0049】本発明では、この振動体6を用いて被移動
体2を移動させることにより、可撓体アクチュエータ1
全体の小型化、特に薄型化(図2中、左右方向の小型
化)を図ることができる。
【0050】この可撓体アクチュエータ1では、振動体
6の電極を複数に分割し、それらに対して選択的に電圧
を印加して、圧電素子を部分的に駆動することにより、
面内の縦・屈曲の振動を任意に選択し得るようになって
いる。すなわち、振動体6の各電極への通電パターン
(通電状態)の選択により振動体6の振動パターン(振
動状態)を変更して、振動体6の凸部66の振動(振動
変位)の方向を変え、これにより、被移動体2を右側と
左側(正方向と逆方向)のいずれの方向にも移動させる
ことができる(被移動体2の移動方向の切り替えができ
る)ように構成されている。以下、具体例に基づいて説
明する。
【0051】図3および図4に示すように、振動体6
は、ほぼ、長方形の板状をなしている。振動体6は、図
3中の上側から4つの電極61a、61b、61cおよ
び61dと、板状の圧電素子62と、補強板63と、板
状の圧電素子64と、板状の4つの電極65a、65
b、65cおよび65d(図3中、電極65a、65
b、65cおよび65dは、図示せず、各符号のみを括
弧内に示す)とをこの順に積層して構成されている。な
お、図3および図4では、厚さ方向を誇張して示してい
る。
【0052】圧電素子62、64は、それぞれ、長方形
状をなし、交流電圧を印加することにより、その長手方
向(長辺の方向)に伸長・収縮する。圧電素子62、6
4の構成材料としては、特に限定されず、チタン酸ジル
コニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チ
タン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフ
ッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ
酸鉛等の各種のものを用いることができる。
【0053】これらの圧電素子62、64は、補強板6
3の両面にそれぞれ固着されている。
【0054】この振動体6においては、前記圧電素子6
2を4つの長方形の領域にほぼ等しく分割(区分)し、
分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極6
1a、61b、61cおよび61dが設置され、同様
に、前記圧電素子64を4つの領域に分割(区分)し、
分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極6
5a、65b、65cおよび65dが設置されている。
なお、電極61a、61b、61cおよび61dの裏側
に、それぞれ、電極65a、65b、65cおよび65
dが配置されている。
【0055】一方の対角線上の電極61aおよび61c
と、これらの裏側に位置する電極65aおよび65cと
は、すべて電気的に接続され、同様に、他方の対角線上
の電極61bおよび61dと、これらの裏側に位置する
電極65bおよび65dとは、すべて電気的に接続(以
下、単に「接続」と言う)されている。
【0056】前記補強板63は、振動体6全体を補強す
る機能を有しており、振動体6が過振幅、外力等によっ
て損傷するのを防止する。補強板63の構成材料として
は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合
金、銅または銅系合金等の各種金属材料であるのが好ま
しい。
【0057】この補強板63は、圧電素子62、64よ
りも厚さが薄い(小さい)ものであることが好ましい。
これにより、振動体6を高い効率で振動させることがで
きる。
【0058】補強板63は、圧電素子62、64に対す
る共通の電極としての機能をも有している。すなわち、
圧電素子62には、電極61a、61b、61cおよび
61dのうちの所定の電極と補強板63とによって交流
電圧が印加され、圧電素子64には、電極65a、65
b、65cおよび65dのうちの所定の電極と補強板6
3とによって交流電圧が印加される。
【0059】圧電素子62、64は、そのほぼ全体に交
流電圧が印加されると長手方向に繰り返し伸縮し、これ
に伴なって、補強板63も長手方向に繰り返し伸縮す
る。すなわち、圧電素子62、64のほぼ全体に交流電
圧を印加すると、振動体6は、長手方向(長辺の方向)
に微小な振幅で振動(縦振動)し、凸部66が縦振動
(往復運動)する。
【0060】補強板63の図3中の右端部には、凸部6
6が一体的に形成されている。この凸部66は、図1
中、下側の短辺601側であって、補強板63の幅方向
(図1中左右方向)中央に設けられている。
【0061】また、補強板63の図3中の上端部には、
弾性(可撓性)を有する腕部68が一体的に形成されて
いる。
【0062】この腕部68は、図1中、右側の長辺60
2側であって、補強板63の長手方向(図1中上下方
向)ほぼ中央に、長手方向とほぼ垂直な方向に突出する
ように設けられている。腕部68の先端部には、固定部
680が一体的に形成されており、この固定部680に
は、ボルト13が挿入される孔681が形成されてい
る。
【0063】この振動体6は、固定部680において、
ベース41に固定されている。すなわち、振動体6は、
ベース41に設けられたネジ孔410に固定部680の
孔681が重ね合わされ、ボルト13が孔681を挿通
してネジ孔410に螺合・締結され、腕部68によって
支持されている。これにより、振動体6は自由に振動す
ることができ、比較的大きい振幅で振動する。
【0064】また、振動体6は、腕部68の弾性力(復
元力)により、下方向に付勢され、この付勢力により、
振動体6の凸部66は、被移動体2の上側の面(接触
部)へ圧接される(押し付けられる)。これにより、前
述したように、被移動体2の一部は、ロータ51と振動
体6の凸部66とで挟み付けられる。
【0065】凸部66が被移動体2に当接した状態で、
振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、6
5aおよび65cに通電し、これらの電極61a、61
c、65aおよび65cと、補強板63との間に、交流
電圧が印加されると、図4に示すように、振動体6の電
極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分
がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、
振動体6の凸部66は、矢印bで示す斜めの方向に変
位、すなわち振動(往復運動)、または、矢印cで示す
ように、ほぼ楕円に沿って変位、すなわち楕円振動(楕
円運動)する。被移動体2は、振動体6の電極61a、
61c、65aおよび65cに対応する部分が伸長する
ときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り
返しの摩擦力(押圧力)によって、溝511で案内され
つつ、図4中左側(逆方向)に移動する。
【0066】この際、振動体6の対角線上に位置する通
電されていない電極61b、61d、65bおよび65
dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利
用される。
【0067】前記と逆に、振動体6の対角線上に位置す
る電極61b、61d、65bおよび65dに通電し、
これらの電極61b、61d、65bおよび65dと、
補強板63との間に、交流電圧が印加されると、図5に
示すように、振動体6の電極61b、61d、65bお
よび65dに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り
返し伸縮し、これにより、振動体6の凸部66は、矢印
bで示す斜めの方向に変位、すなわち振動(往復運
動)、または、矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って
変位、すなわち楕円振動(楕円運動)する。被移動体2
は、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65
dに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力
(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)に
よって、溝511で案内されつつ、図5中右側(正方
向)に移動する。
【0068】この際、振動体6の対角線上に位置する通
電されていない電極61a、61c、65aおよび65
cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利
用される。
【0069】なお、図4および図5では、それぞれ、振
動体6の変形を誇張して示すとともに、腕部68は図示
されていない。
【0070】ここで、前記振動体6の形状・大きさ、凸
部66の位置などを適宜選択し、屈曲振動(図4および
図5中、横方向の振動)の共振周波数を縦振動の周波数
と同程度にすることにより、振動体6の縦振動と屈曲振
動とが同時におこり、凸部66は、図4および図5中の
矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振
動)させることができる。また、従来知られているよう
に縦振動と屈曲振動を別々に位相をずらして駆動するこ
とにより、楕円振動の長径と短径の比(長径/短径)を
変えることができる。
【0071】前記被移動体2が移動すると、ロータ51
は、その被移動体2に対して滑ることなく回転する。
【0072】また、前記被移動体2の一部は、ロータ5
1の溝511内に位置し、しかも、ロータ51と振動体
6の凸部66とで挟み付けられているので、その被移動
体2のロータ51からの離脱およびずれが阻止される。
【0073】また、被移動体2を振動体6で直接駆動
(移動)するので、軽量化、小型化(薄型化)に特に有
利である。また、構造を極めて簡素化することができ、
製造コストを低減することができる。
【0074】また、本実施形態では、振動体6の面内振
動を被移動体2の運動(移動)に直接変換するので、こ
の変換に伴なうエネルギーロスが少なく、被移動体2を
高い効率で駆動することができる。
【0075】また、振動体6は、通常のモータのように
磁力で駆動する場合と異なり、前記のような摩擦力(押
圧力)によって被移動体2を駆動することから、駆動力
が高い。このため、変速機構(減速機構)を介さなくて
も被移動体2を十分な力で駆動することができる。
【0076】圧電素子62、64に印加する交流電圧の
周波数は、特に限定されないが、振動体6の振動(縦振
動)の共振周波数とほぼ同程度であるのが好ましい。こ
れにより、振動体6の振幅が大きくなり、高い効率で被
移動体2を駆動することができる。
【0077】次に、通電回路20について説明する。図
6に示すように、通電回路20は、発振回路81、増幅
回路82および移動量制御回路83を備えた駆動回路8
と、スイッチ9とを有している。
【0078】スイッチ9は、通電する電極と、振動検出
手段として利用する電極とを切り替える切替手段であ
り、スイッチ9の切り替えにより、被移動体2の移動方
向を切り替える。
【0079】このスイッチ9は、連動する2つのスイッ
チ部91および92を有しており、振動体6の電極61
dは、スイッチ部91の端子97に接続され、電極61
aは、スイッチ部92の端子98に接続されている。
【0080】そして、スイッチ部91の端子93および
スイッチ部92の端子96は、それぞれ、駆動回路8の
増幅回路82の出力側に接続されており、増幅回路82
から各端子93および96に、それぞれ交流電圧が印加
されるようになっている。
【0081】また、振動体6の補強板63は、アース
(接地)されている。また、スイッチ部91の端子94
およびスイッチ部92の端子95は、それぞれ、駆動回
路8の発振回路81の入力側に接続されている。
【0082】次に、移動量検出手段7について説明す
る。移動量検出手段7は、例えば、外周部に複数のスリ
ットが一定間隔で形成されたスリット板71と、発光部
および受光部を有するセンサー72とで構成される。
【0083】センサー72としては、例えば、スリット
板71の外周部(スリットが形成されている部分)へ向
けて光を照射する発光素子と、この発光素子から発せら
れ、スリット板71で反射した光(反射光)を受光(光
電変換)する受光素子とを有するフォトリフレクタや、
スリット板71の外周部へ向けて光を照射する発光素子
と、この発光素子から発せられ、スリット板71のスリ
ットを通過(透過)した光(透過光)を受光(光電変
換)する受光素子とを有するフォトインタラプタ等を用
いることができる。
【0084】スリット板71は、例えば、ロータ51の
側面に固定され、そのロータ51と一体となって回転す
る。
【0085】一方、前述したように、被移動体2が移動
すると、ロータ51は、被移動体2に対して滑ることな
く回転するので、被移動体2の移動量は、ロータ51の
回転量、すなわち、スリット板71の回転量に対応し、
被移動体2の移動速度は、ロータ51の回転数(回転速
度)、すなわち、スリット板71の回転数(回転速度)
に対応する。
【0086】被移動体2が移動し、スリット板71が回
転すると、これに伴って、センサー72からは、パルス
(パルス信号)が出力される。このパルスは、駆動回路
8の移動量制御回路83に供給(入力)され、移動量制
御回路83は、そのパルスを計数し、計数値(パルス
数)に基づいて、被移動体2の移動量を求める。なお、
前記パルスの周期または所定時間内のパルス数に基づい
て、被移動体2の移動速度を求めることもできる。前記
被移動体2の移動量や移動速度の情報は、所定の制御や
処理に利用される。
【0087】なお、移動量検出手段7は、光学的に検出
するものに限らず、例えば、磁気的に検出するものであ
ってもよい。
【0088】次に、図6に基づいて、可撓体アクチュエ
ータ1の作用を説明する。電源スイッチがオンの状態に
おいて、被移動体2の移動方向および移動量の指示があ
ると、それに基づいて、スイッチ9および駆動回路8の
移動量制御回路83が作動する。
【0089】被移動体2を図6中上側(正方向)に移動
させる旨の指示の場合には、図6に示すように、スイッ
チ9の端子93と端子97が接続し、端子95と端子9
8が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これによ
り、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の
電極61b、61d、65bおよび65dとが導通し、
振動体6の電極61a、61c、65aおよび65c
と、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
【0090】駆動回路8の発振回路81および増幅回路
82は、それぞれ、移動量制御回路83により制御され
る。
【0091】発振回路81から出力される交流電圧は、
増幅回路82で増幅され、電極61b、61d、65b
および65dと、補強板63との間に印加される。これ
により、前述したように、振動体6の電極61b、61
d、65bおよび65dに対応する部分がそれぞれ繰り
返し伸縮し、振動体6の凸部66が、図5の矢印bで示
す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示
すように、楕円振動(楕円運動)し、被移動体2は、振
動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対
応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧
力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によっ
て、図6中上側(正方向)に移動する。
【0092】この際、通電されていない(駆動していな
い)各電極61a、61c、65aおよび65cは、そ
れぞれ、検出電極となり、電極61a、61c、65a
および65cと、補強板63との間に誘起される電圧
(誘起電圧)の検出に用いられる。
【0093】前記検出された誘起電圧(検出電圧)は、
発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電
圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出
電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電
圧を出力する。これにより、被移動体2を効率良く移動
させることができる。
【0094】また、移動量制御回路83は、移動量検出
手段7の検出値と、指示された被移動体2の移動量(目
標値)とに基づいて、各電極への通電を制御する。
【0095】すなわち、移動量検出手段7のセンサー7
2から移動量制御回路83へは、パルス(パルス信号)
が入力される。移動量制御回路83は、そのパルスを計
数し、計数値(パルス数)に基づいて、被移動体2の移
動量(実際の値)を求め、その値と、指示された被移動
体2の移動量(目標値)とを比較し、被移動体2の実際
の移動量が指示された移動量になるまで発振回路81お
よび増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動し、被移
動体2を移動させる。
【0096】前記と逆に、被移動体2を図6中下側(逆
方向)に移動させる旨の指示の場合には、スイッチ9の
端子94と端子97が接続し、端子96と端子98が接
続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆
動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極6
1a、61c、65aおよび65cとが導通し、振動体
6の電極61b、61d、65bおよび65dと、駆動
回路8の発振回路81の入力側とが導通する。以降の動
作は、前記被移動体2を図6中上側に移動させる旨の指
示の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0097】この第1実施形態の可撓体アクチュエータ
1によれば、可撓体アクチュエータ1の小型化(薄型
化)を図ることができる利点の他に、被移動体2を移動
させるのに通常のモータを用いないことから、通常のモ
ータのような電磁ノイズが全くないか、あっても僅かで
あるので、周辺の機器に影響を及ぼすことがないという
利点もある。
【0098】そして、被移動体2の一部は、ロータ51
の溝511内に位置し、ロータ51と振動体6の凸部6
6とで挟み付けられているので、被移動体2の離脱およ
びずれを防止(阻止)することができ、被移動体2を円
滑かつ確実に移動させることができる。
【0099】また、被移動体2を駆動していないとき
(停止状態)、すなわち、いずれの電極にも通電してい
ないときには、凸部66が被移動体2に圧接し、凸部6
6と被移動体2との摩擦力により、被移動体2を停止状
態に維持することができる。すなわち、被移動体2が移
動するのを阻止し、被移動体2を所定の位置に保持する
ことができる。
【0100】また、被移動体2の移動量や移動速度を検
出することができ、その情報を利用して種種の制御を行
うことができる。
【0101】また、被移動体2を正・逆両方向(左・右
両方向)に移動させることができるので、汎用性が広
い。
【0102】また、単一の振動体6で被移動体2を両方
向に移動させることができるので、移動方向毎に専用の
振動体を設ける場合に比べ、部品点数を少なくすること
ができ、製造が容易であり、また、可撓体アクチュエー
タ1全体の小型・軽量化に有利である。
【0103】また、前記ガイドローラ111および11
2のような案内手段により、被移動体2の配置パターン
(移動方向)を自在に設定することができる。
【0104】なお、本発明では、振動体6には、被移動
体2へ当接する部分、すなわち、凸部66が、2箇所以
上に設けられていて、その複数の凸部66とロータ51
とで被移動体2を挟み付け、各凸部66で被移動体2へ
摩擦力(押圧力)を与えてその被移動体2を移動させる
ように構成されていてもよい。
【0105】次に、本発明の可撓体アクチュエータの第
2実施形態について説明する。図7は、本発明の可撓体
アクチュエータの第2実施形態における振動体の斜視
図、図8は、本発明の可撓体アクチュエータの第2実施
形態における回路構成を示すブロック図である。
【0106】以下、第2実施形態の可撓体アクチュエー
タ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心
に説明し、同様の事項については、その説明を省略す
る。
【0107】第2実施形態の可撓体アクチュエータ1
は、被移動体2を停止状態に維持する第1のモードと、
被移動体2の移動を可能(被移動体2をフリー状態)に
する第2のモードと、被移動体2を正方向に移動させる
第3のモードと、被移動体2を逆方向に移動させる第4
のモードとを有しており、各電極への通電パターンの選
択により振動体6の振動パターンを変更して、第1のモ
ードと、第2のモードと、第3のモードと、第4のモー
ドとのいずれかを選択し得るよう構成されている。以
下、具体的に説明する。
【0108】図7に示すように、振動体6は、圧電素子
62の図7中上側に、板状の5つの電極61a、61
b、61c、61dおよび61eが設置され、圧電素子
64の図7中下側に、板状の5つの電極65a、65
b、65c、65dおよび65e(図7中、電極65
a、65b、65c、65dおよび65eは、図示せ
ず、各符号のみを括弧内に示す)が設置されている。
【0109】すなわち、圧電素子62を4つの長方形の
領域にほぼ等しく分割(区分)し、分割された各領域
に、それぞれ、長方形状をなす電極61a、61b、6
1cおよび61dが設置され、同様に、圧電素子64を
4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、そ
れぞれ、長方形状をなす電極65a、65b、65cお
よび65dが設置されている。
【0110】そして、圧電素子62の中央部に長方形状
をなす電極61eが設置され、同様に、圧電素子64の
中央部に長方形状をなす電極65eが設置されている。
各電極61eおよび65eは、それぞれ、その長手方向
(長辺の方向)と振動体6の長手方向(長辺の方向)と
が略一致するように配置されている。これら電極61e
および65eは、それぞれ、検出電極であり、電極61
eおよび65eと、補強板63との間に誘起される電圧
(誘起電圧)、すなわち、振動体6の振動の長手方向の
成分(縦振動成分)により誘起される電圧(誘起電圧)
の検出に用いられる。また、前記電極61eおよび65
eは、それぞれ、第2のモードで用いられる。
【0111】なお、電極61a、61b、61c、61
dおよび61eの裏側に、それぞれ、電極65a、65
b、65c、65dおよび65eが配置されている。
【0112】一方の対角線上の電極61aおよび61c
と、これらの裏側に位置する電極65aおよび65cと
は、すべて電気的に接続され、同様に、他方の対角線上
の電極61bおよび61dと、これらの裏側に位置する
電極65bおよび65dとは、すべて電気的に接続され
ている。また、同様に、中央部の電極61eと、この裏
側に位置する電極65eとは、電気的に接続(以下、単
に「接続」と言う)されている。
【0113】図8に示すように、第2実施形態の可撓体
アクチュエータ1の通電回路20は、発振回路81、増
幅回路82および移動量制御回路83を備えた駆動回路
8と、スイッチ9と、スイッチ16とを有している。
【0114】スイッチ9は、通電する電極と、振動検出
手段として利用する電極とを切り替える切替手段であ
り、スイッチ9の切り替えにより、被移動体2の移動方
向を切り替える。
【0115】このスイッチ9は、連動する2つのスイッ
チ部91および92を有しており、振動体6の電極61
dは、スイッチ部91の端子97に接続され、電極61
aは、スイッチ部92の端子98に接続されている。
【0116】そして、スイッチ部91の端子93および
スイッチ部92の端子96は、それぞれ、駆動回路8の
増幅回路82の出力側に接続されており、増幅回路82
から各端子93および96に、それぞれ交流電圧が印加
されるようになっている。
【0117】また、振動体6の補強板63は、アース
(接地)されている。また、スイッチ部91の端子94
およびスイッチ部92の端子95は、それぞれ、駆動回
路8の発振回路81の入力側に接続されている。
【0118】スイッチ16は、連動する2つのスイッチ
部161および162を有している。
【0119】スイッチ部161の端子163は、スイッ
チ9の端子94および95に接続されており、端子16
4は、振動体6の電極61eに接続されている。
【0120】そして、スイッチ部161の端子163
は、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されてい
る。
【0121】また、スイッチ部162の端子166は、
スイッチ9の端子98および振動体6の電極61aに接
続されており、端子168は、スイッチ9の端子97お
よび振動体6の電極61dに接続されている。
【0122】なお、駆動回路8および移動量検出手段7
については、前述した第1実施形態と同様であるので、
説明を省略する。
【0123】次に、各モードについて説明する。第1の
モードでは、振動体6に対し、励振しない。すなわち、
振動体6のいずれの電極へも通電しない。この場合は、
振動体6の凸部66が被移動体2に圧接し、凸部66と
被移動体2との摩擦力により、被移動体2を停止状態に
維持することができる。すなわち、被移動体2が移動す
るのを阻止し、被移動体2を所定の位置に保持すること
ができる。
【0124】また、第2のモードでは、被移動体2の移
動方向に対して略垂直な方向の振動を励振する。すなわ
ち、振動体6の両対角線上の電極61a、61b、61
c、61d、65a、65b、65cおよび65dに通
電し、これらの電極61a、61b、61c、61d、
65a、65b、65cおよび65dと、補強板63と
の間に、交流電圧を印加する。これにより、振動体6
は、長手方向(長辺の方向)に繰り返し伸縮、すなわ
ち、長手方向に微小な振幅で振動(縦振動)する。換言
すれば、振動体6の凸部66は、長手方向(長辺の方
向)に振動(往復運動)する。
【0125】被移動体2は、振動体6が収縮するとき
に、凸部66から離間してその凸部66との間の摩擦力
が無くなるか、または、前記摩擦力が減少し、フリー状
態となり、図8中上側および下側のいずれの方向にも自
由に移動することができる。一方、振動体6が伸張する
ときは、被移動体2は、凸部66から押圧力を受ける
が、その方向は、被移動体2の長手方向に対して略垂直
な方向であるので、被移動体2は、凸部66とロータ5
1とで挟み付けられるだけであり、図8中上側および下
側のいずれの方向にも移動しない。
【0126】従って、振動体6の振動により、被移動体
2は、フリー状態となり、図8中上側および下側のいず
れの方向にも自由に移動することができる。
【0127】また、第3のモードでは、少なくとも被移
動体2の移動方向正方向の振動変位成分を有する振動を
励振する。すなわち、振動体6の対角線上に位置する電
極61b、61d、65bおよび65dに通電し、これ
らの電極61b、61d、65bおよび65dと、補強
板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、第
1実施形態で述べたように、被移動体2は、図8中上側
(正方向)に移動する。この際、振動体6の対角線上に
位置する通電されていない電極61a、61c、65a
および65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手
段として利用される。
【0128】また、第4のモードでは、少なくとも被移
動体2の移動方向逆方向の振動変位成分を有する振動を
励振する。すなわち、振動体6の対角線上に位置する電
極61a、61c、65aおよび65cに通電し、これ
らの電極61a、61c、65aおよび65cと、補強
板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、第
1実施形態で述べたように、被移動体2は、図8中下側
(逆方向)に移動する。この際、振動体6の対角線上に
位置する通電されていない電極61b、61d、65b
および65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手
段として利用される。
【0129】次に、図8に基づいて、可撓体アクチュエ
ータ1の作用を説明する。電源スイッチがオンの状態に
おいて、被移動体2の停止/フリーの指示や、被移動体
2の移動方向および移動量の指示があると、それに基づ
いて、スイッチ9、16および駆動回路8の移動量制御
回路83が作動する。すなわち、前記第1のモード、第
2のモード、第3のモードおよび第4のモードのいずれ
かに設定される。
【0130】被移動体2を図8中上側(正方向)に移動
させる旨の指示(第3のモード)の場合には、図8に示
すように、スイッチ16の端子163と端子167とが
接続し、端子165と端子168とが接続するようにス
イッチ16が切り替わるとともに、スイッチ9の端子9
3と端子97が接続し、端子95と端子98が接続する
ようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路
8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61b、
61d、65bおよび65dとが導通し、振動体6の電
極61a、61c、65aおよび65cと、駆動回路8
の発振回路81の入力側とが導通する。
【0131】駆動回路8の発振回路81および増幅回路
82は、それぞれ、移動量制御回路83により制御され
る。
【0132】発振回路81から出力される交流電圧は、
増幅回路82で増幅され、電極61b、61d、65b
および65dと、補強板63との間に印加される。これ
により、前述したように、振動体6の電極61b、61
d、65bおよび65dに対応する部分がそれぞれ繰り
返し伸縮し、振動体6の凸部66が、図5の矢印bで示
す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示
すように、楕円振動(楕円運動)し、被移動体2は、振
動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対
応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧
力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によっ
て、図8中上側(正方向)に移動する。
【0133】この際、通電されていない(駆動していな
い)各電極61a、61c、65aおよび65cは、そ
れぞれ、検出電極となり、電極61a、61c、65a
および65cと、補強板63との間に誘起される電圧
(誘起電圧)の検出に用いられる。
【0134】前記検出された誘起電圧(検出電圧)は、
発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電
圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出
電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電
圧を出力する。これにより、被移動体2を効率良く移動
させることができる。
【0135】また、移動量制御回路83は、移動量検出
手段7の検出値と、指示された被移動体2の移動量(目
標値)とに基づいて、各電極への通電を制御する。
【0136】すなわち、移動量検出手段7のセンサー7
2から移動量制御回路83へは、パルス(パルス信号)
が入力される。移動量制御回路83は、そのパルスを計
数し、計数値(パルス数)に基づいて、被移動体2の移
動量(実際の値)を求め、その値と、指示された被移動
体2の移動量(目標値)とを比較し、被移動体2の実際
の移動量が指示された移動量になるまで発振回路81お
よび増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動し、被移
動体2を移動させる。
【0137】前記と逆に、被移動体2を図8中下側(逆
方向)に移動させる旨の指示(第4のモード)の場合に
は、スイッチ16の端子163と端子167とが接続
し、端子165と端子168とが接続するようにスイッ
チ16が切り替わるとともに、スイッチ9の端子94と
端子97が接続し、端子96と端子98が接続するよう
にスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の
増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61
c、65aおよび65cとが導通し、振動体6の電極6
1b、61d、65bおよび65dと、駆動回路8の発
振回路81の入力側とが導通する。以降の動作は、前記
被移動体2を図8中上側に移動させる旨の指示の場合と
同様であるので、その説明は省略する。
【0138】また、被移動体2を停止状態に維持する指
示(第1のモード)の場合には、図8に示すように、ス
イッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子
165と端子168とが接続するようにスイッチ16が
切り替わる。
【0139】そして、移動量制御回路83は、発振回路
81および増幅回路82を作動させない。すなわち、振
動体6のいずれの電極へも交流電圧を印加しない。
【0140】被移動体2には、振動体6の凸部66が圧
接(当接)し、凸部66と被移動体2との摩擦力によ
り、被移動体2が停止状態に維持される。すなわち、被
移動体2が移動するのが阻止され、被移動体2は、所定
の位置に保持される。
【0141】なお、第1のモードの場合には、振動体6
のいずれの電極へも交流電圧を印加しなければ、スイッ
チ9および16は、それぞれ、どのように切り替わって
いてもよい。
【0142】また、被移動体2をフリー状態にする指示
(第2のモード)の場合には、スイッチ16の端子16
4と端子167とが接続し、端子166と端子168と
が接続するようにスイッチ16が切り替わる。これによ
り、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の
電極61a、61b、61c、61d、65a、65
b、65cおよび65dとが導通し、振動体6の電極6
1eおよび65eと、駆動回路8の発振回路81の入力
側とが導通する。
【0143】発振回路81から出力される交流電圧は、
増幅回路82で増幅され、61a、61b、61c、6
1d、65a、65b、65cおよび65dと、補強板
63との間に印加される。これにより、前述したよう
に、振動体6の凸部66が、長手方向に振動(往復運
動)し、被移動体2は、フリー状態となり、図8中上側
および下側のいずれの方向にも自由に移動することがで
きる。
【0144】この際、各電極61eおよび65eから
は、それぞれ、電極61eおよび65eと、補強板63
との間に誘起される電圧(誘起電圧)が検出される。そ
の検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ
入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、
振動体6の縦振動の振幅が最大、すなわち、検出電圧が
最大になるような周波数の交流電圧を出力する。これに
より、被移動体2をより円滑に移動させることができ
る。
【0145】なお、第2のモードの場合には、スイッチ
9は、どのように切り替わっていてもよい。
【0146】この第2実施形態の可撓体アクチュエータ
1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得ら
れる。
【0147】そして、この可撓体アクチュエータ1で
は、被移動体2の停止状態を維持する状態、すなわち高
摩擦状態と、被移動体2の移動を可能(被移動体2をフ
リー状態)にする状態、すなわち低摩擦状態と、被移動
体2を正方向へ移動させる状態と、被移動体2を逆方向
へ移動させる状態との4状態のうちから、任意の状態を
選択することができるので、汎用性が広い。
【0148】なお、本発明では、振動体6には、被移動
体2へ当接する部分、すなわち、凸部66が、2箇所以
上に設けられていて、その複数の凸部66とロータ51
とで被移動体2を挟み付け、各凸部66で被移動体2へ
摩擦力(押圧力)を与えてその被移動体2を移動させる
ように構成されていてもよい。
【0149】ここで、前述の振動体6においては、駆動
するための電極を4分割して駆動する場合について説明
したが、それは、縦振動と屈曲振動を選択的に励振する
ための一例を示したのであり、本発明では、前述の振動
体6の構造や駆動の方法に限定されるものではない。
【0150】前記第2実施形態の可撓体アクチュエータ
1を例えばロボットハンドの関節の駆動に使用する場合
には、第2のモードで関節の位置を動かし、同時に移動
量検出手段7で移動量を検出して教示を行うことができ
る。また、第3のモード、第4のモードでは関節を正逆
に動かし、第1のモードでは関節を所望の位置で固定す
ることができる。
【0151】次に、本発明の可撓体アクチュエータの第
3実施形態について説明する。図9は、本発明の可撓体
アクチュエータの第3実施形態を示す平面図であって、
一方のベースを取り外した状態を示す図である。なお、
以下の説明では、図9中の上側を「上」、下側を
「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0152】以下、第3実施形態の可撓体アクチュエー
タ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心
に説明し、同様の事項については、その説明を省略す
る。
【0153】同図に示すように、第3実施形態の可撓体
アクチュエータ1では、アクチュエータ本体3は、2つ
の振動体6を有し、各振動体6により共通の被移動体2
を移動させるよう構成されている。
【0154】すなわち、2つの振動体6が、同一のロー
タ51に対して設けられており、そのロータ51の外周
に沿って配置されている。
【0155】この第3実施形態の可撓体アクチュエータ
1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得ら
れる。
【0156】そして、この可撓体アクチュエータ1で
は、1つの振動体6で被移動体2を移動させる場合に比
べ、被移動体2を強い力で移動させることができる。
【0157】なお、本発明では、振動体6を3つ以上設
けてもよい。また、前述した第2実施形態のように、被
移動体2を停止状態に維持する第1のモードと、被移動
体2の移動を可能(被移動体2をフリー状態)にする第
2のモードと、被移動体2を正方向に移動させる第3の
モードと、被移動体2を逆方向に移動させる第4のモー
ドとを設けてもよい。
【0158】次に、本発明の可撓体アクチュエータの第
4実施形態について説明する。図10は、本発明の可撓
体アクチュエータの第4実施形態を示す平面図であっ
て、一方のベースを取り外した状態を示す図である。な
お、以下の説明では、図10中の上側を「上」、下側を
「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0159】以下、第4実施形態の可撓体アクチュエー
タ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心
に説明し、同様の事項については、その説明を省略す
る。
【0160】同図に示すように、第4実施形態の可撓体
アクチュエータ1では、アクチュエータ本体3は、被移
動体2を挟み付けるロータ51と振動体6とで構成され
る駆動部5を2つ備え、各駆動部5により共通の被移動
体2を移動させるよう構成されている。
【0161】2つの駆動部5は、被移動体2の長手方向
に沿って配置されている。そして、一方の駆動部5は、
他方の駆動部5と上下逆に設置されている。すなわち、
右側の駆動部5は、振動体6が下側、ロータ51が上側
になるように設置されている。
【0162】このため、一方の駆動部5と他方の駆動部
5との間にガイドローラを設けることなく、被移動体2
をロータ51に巻き付けることができ、これにより、部
品点数を削減することができる。
【0163】この第4実施形態の可撓体アクチュエータ
1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得ら
れる。
【0164】そして、この可撓体アクチュエータ1で
は、1つの駆動部5で被移動体2を移動させる場合に比
べ、被移動体2を強い力で移動させることができる。
【0165】なお、本発明では、駆動部5を3つ以上設
けてもよい。また、前述した第3実施形態のように、駆
動部5が、複数の振動体6を有していてもよい。
【0166】また、前述した第2実施形態のように、被
移動体2を停止状態に維持する第1のモードと、被移動
体2の移動を可能(被移動体2をフリー状態)にする第
2のモードと、被移動体2を正方向に移動させる第3の
モードと、被移動体2を逆方向に移動させる第4のモー
ドとを設けてもよい。
【0167】次に、本発明の可撓体アクチュエータの第
5実施形態について説明する。図11は、本発明の可撓
体アクチュエータの第5実施形態を示す断面図(第1実
施形態の図2に相当する図)である。
【0168】以下、第5実施形態の可撓体アクチュエー
タ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心
に説明し、同様の事項については、その説明を省略す
る。
【0169】これらの図に示すように、第4実施形態の
可撓体アクチュエータ1は、複数の板状のアクチュエー
タユニット10を有している。
【0170】この場合、一対の板状のベース41、42
は、各アクチュエータユニット10で共用されている。
【0171】各アクチュエータユニット10は、各被移
動体2の移動方向(配列方向)が略一致し、かつ、振動
体6(アクチュエータユニット10)の厚さ方向に重な
るように配置されている。また、各被移動体2は、図1
1中横方向に1列に並んでいる。
【0172】このように各アクチュエータユニット10
を重ねることにより、各被移動体2を集中(集積)させ
ることができる。
【0173】各振動体6は、固定部680の孔681に
おいて、共通の軸141で支持され、その軸141に固
定されている。
【0174】各振動体6の間、ベース41と振動体6と
の間、およびベース42と振動体6との間であって、固
定部680に対応する位置には、それぞれ、スペーサ1
44が設置されている。
【0175】前記軸141の図11中左側の端部は、ベ
ース42に形成されている孔421に、例えば、圧入さ
れて、ベース42に固定されている。
【0176】一方、軸141の図11中右側の端部に
は、ナット143と螺合するネジ142が形成されてい
る。軸141の図11中右側の端部は、ベース41に形
成されている孔411を挿通し、そのネジ142にナッ
ト143が螺合され、スペーサ144とナット143と
でベース41を挟持することで、ベース41に固定され
ている。
【0177】また、各ロータ51は、共通の軸151
で、正逆両方向に回転可能に支持されている。
【0178】前記軸151の図11中左側の端部は、ベ
ース42に形成されている孔422に、例えば、圧入さ
れて、ベース42に固定されている。
【0179】一方、軸151の図11中右側の端部に
は、2つのナット153および154と螺合するネジ1
52が形成されている。軸151の図11中右側の端部
は、ベース41に形成されている孔412を挿通し、そ
のネジ152にベース41を隔てナット153とナット
154とが螺合され、これらナット153とナット15
4とでベース41を挟持することで、ベース41に固定
されている。
【0180】なお、各アクチュエータユニット10の構
造や作用は、前述した第1実施形態とほぼ同様であるの
で、その説明は省略する。
【0181】この第5実施形態の可撓体アクチュエータ
1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得ら
れる。
【0182】そして、この可撓体アクチュエータ1で
は、各アクチュエータユニット10が振動体6の厚さ方
向に重なっているので、可撓体アクチュエータ1をより
小型化することができる。
【0183】また、この可撓体アクチュエータ1では、
各アクチュエータユニット10が板状(平面状)をなし
ているので、それらを容易に重ねる(積層する)ことが
でき、組み立てを容易に行うことができる。
【0184】なお、本発明では、前述した第3実施形態
のように、駆動部5が、複数の振動体6を有していても
よい。
【0185】また、前述した第4実施形態のように、ア
クチュエータユニット10が、複数の駆動部5を有して
いてもよい。
【0186】また、前述した第2実施形態のように、被
移動体2を停止状態に維持する第1のモードと、被移動
体2の移動を可能(被移動体2をフリー状態)にする第
2のモードと、被移動体2を正方向に移動させる第3の
モードと、被移動体2を逆方向に移動させる第4のモー
ドとを設けてもよい。
【0187】次に、本発明の可撓体アクチュエータの第
6実施形態について説明する。図12は、本発明の可撓
体アクチュエータの第3実施形態を示す平面図、図13
は、図12に示す可撓体アクチュエータのB−B線での
断面図である。なお、以下の説明では、図12中の上側
を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」
と言う。
【0188】以下、第6実施形態の可撓体アクチュエー
タ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心
に説明し、同様の事項については、その説明を省略す
る。
【0189】これらの図に示すように、第6実施形態の
可撓体アクチュエータ1では、被移動体2は、線状をな
している。また、被移動体2の横断面での形状は、略円
形である。
【0190】なお、被移動体2の横断面での形状は、特
に限定されず、円形の他、例えば、半円、楕円、半楕
円、正方形、長方形等の多角形などであってもよい。
【0191】また、この可撓体アクチュエータ1のアク
チュエータ本体3は、1つの板状のベース(基板)41
を有し、このベース41に、振動体6と、ロータ51
と、2つのガイドローラ(押圧ローラ)111および1
12とが、それぞれ設置されている。
【0192】ロータ51の溝511は、溝511の底に
被移動体2の一部が接触するようになっている。すなわ
ち、被移動体2が溝511内で、溝511の長手方向と
直交する方向(図13中横方向)に若干移動し得るよう
構成されている。
【0193】本実施形態では、溝511の横断面での底
部513の形状は、略円弧状であり、この場合は、例え
ば、溝511の底部513の半径を、被移動体2の半径
より大きくすることにより、溝511の底に被移動体2
の一部が接触し、被移動体2が溝511内で図13中横
方向に若干移動し得るようになる。
【0194】これにより、被移動体2が溝511に挟ま
ってしまうのをより確実に防止することができ、被移動
体2を円滑かつ確実に移動させることができる。
【0195】さらに、被移動体2を溝511の底の部分
に位置決めでき、安定して駆動させることができる。
【0196】なお、溝511の形状は、図示の形状に限
定されず、この他、例えば、台形等であってもよい。
【0197】また、振動体6の凸部66における被移動
体2の径方向(図13中横方向)の厚さdは、被移動体
2の半径より大きいのが好ましい。
【0198】これにより、駆動中に、振動体6の凸部6
6が被移動体2から外れてしまうのをより確実に防止す
ることができる。
【0199】また、振動体6の凸部66の一部(先端
部)は、溝511内に位置している。これにより、被移
動体2の離脱をより確実に防止することができる。
【0200】また、ガイドローラ111および112の
周面(外周面)には、それぞれ、溝(離脱阻止手段)1
13および114が外周に沿って形成されており、これ
ら溝113および114内に、被移動体2の一部が配設
されている(位置している)。
【0201】これにより、ガイドローラ111および1
12からの被移動体2の離脱を防止することができる。
【0202】この第6実施形態の可撓体アクチュエータ
1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得ら
れる。
【0203】なお、本発明では、前述した第3実施形態
のように、駆動部5が、複数の振動体6を有していても
よい。
【0204】また、前述した第4実施形態のように、ア
クチュエータユニット10が、複数の駆動部5を有して
いてもよい。
【0205】また、前述した第5実施形態のように、複
数のアクチュエータユニット10を有していてもよい。
【0206】また、前述した第2実施形態のように、被
移動体2を停止状態に維持する第1のモードと、被移動
体2の移動を可能(被移動体2をフリー状態)にする第
2のモードと、被移動体2を正方向に移動させる第3の
モードと、被移動体2を逆方向に移動させる第4のモー
ドとを設けてもよい。
【0207】以上、本発明の可撓体アクチュエータを、
図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を
有する任意の構成のものに置換することができる。
【0208】また、本発明では、前記各実施形態の任意
の2以上の構成(特徴)を適宜組み合わせてもよい。
【0209】また、本発明では、振動体の形状、構造
は、図示の構成に限らず、例えば、圧電素子が1枚のも
のや、補強板を有さないものや、被移動体と当接する部
分に向かって幅が漸減するような形状のもの等であって
もよい。
【0210】なお、本発明の可撓体アクチュエータの用
途は、特に限定されず、例えば、複数のアクチュエータ
ユニットを備えているものの場合、ロボットの指の牽引
(駆動)等が挙げられる。
【0211】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、可
撓性を有する長尺の被移動体の一部を、ロータと振動体
とで挟み付け、その振動体により被移動体を移動させる
ので、被移動体の離脱を防止(阻止)することができ、
被移動体を円滑かつ確実に移動させることができる。
【0212】また、振動体を用いて被移動体を移動、特
に、振動体を用いて被移動体を直接駆動することによ
り、可撓体アクチュエータ全体の小型化、特に薄型化を
図ることができる。
【0213】また、構造を簡素化することができ、製造
コストを低減することができる。また、通常のモータを
用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても
僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の可撓体アクチュエータの第1実施形
態を示す平面図であって、一方のベースを取り外した状
態を示す図である。
【図2】 図1に示す可撓体アクチュエータのA−A線
での断面図である。
【図3】 図1に示す可撓体アクチュエータにおける振
動体の斜視図である。
【図4】 図1に示す可撓体アクチュエータにおける振
動体が振動する様子を示す平面図である。
【図5】 図1に示す可撓体アクチュエータにおける振
動体が振動する様子を示す平面図である。
【図6】 図1に示す可撓体アクチュエータの回路構成
を示すブロック図である。
【図7】 本発明の可撓体アクチュエータの第2実施形
態における振動体の斜視図である。
【図8】 本発明の可撓体アクチュエータの第2実施形
態における回路構成を示すブロック図である。
【図9】 本発明の可撓体アクチュエータの第3実施形
態を示す平面図であって、一方のベースを取り外した状
態を示す図である。
【図10】 本発明の可撓体アクチュエータの第4実施
形態を示す平面図であって、一方のベースを取り外した
状態を示す図である。
【図11】 本発明の可撓体アクチュエータの第5実施
形態を示す断面図(第1実施形態の図2に相当する図)
である。
【図12】 本発明の可撓体アクチュエータの第6実施
形態を示す平面図である。
【図13】 図12に示す可撓体アクチュエータのB−
B線での断面図である。
【符号の説明】
1・・・可撓体アクチュエータ、10・・・アクチュエ
ータユニット、2・・・被移動体、3・・・アクチュエ
ータ本体、41・・・ベース、410・・・ネジ孔、4
11、412・・・孔、42・・・ベース、421、4
22・・・孔、5・・・駆動部、51・・・ロータ、5
11・・・溝、512・・・軸、513・・・底部、6
・・・振動体、601・・・短辺、602・・・長辺、
61a〜61e・・・電極、65a〜65e・・・電
極、62、64・・・圧電素子、63・・・補強板、6
6・・・凸部、68・・・腕部、680・・・固定部、
681・・・孔、7・・・移動量検出手段、71・・・
スリット板、72・・・センサー、8・・・駆動回路、
81・・・発振回路、82・・・増幅回路、83・・・
移動量制御回路、9・・・スイッチ、91、92・・・
スイッチ部、93〜98・・・端子、111、112・
・・ガイドローラ、113、114・・・溝、13・・
・ボルト、141・・・軸、142・・・ネジ、143
・・・ナット、144・・・スペーサ、151・・・
軸、152・・・ネジ、153、154・・・ナット、
16・・・スイッチ、161、162・・・スイッチ
部、163〜168・・・端子、20・・・通電回路
フロントページの続き Fターム(参考) 3C007 CY00 CY36 HS29 5H680 AA06 AA19 BB03 BB13 BB20 BC09 BC10 CC02 CC07 DD02 DD15 DD23 DD27 DD34 DD37 DD65 DD82 DD83 DD95 EE22 EE24 FF24 FF30 FF33 FF38 GG02

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有する長尺の被移動体と、前記
    被移動体を移動可能に支持するロータと、前記被移動体
    に当接して設けられ、圧電素子を有する振動体とを備
    え、 前記被移動体の一部は、前記ロータと前記振動体とで挟
    み付けられており、 前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加すること
    により振動し、この振動により、前記被移動体に力を繰
    り返し加えて前記被移動体を前記被移動体の長手方向へ
    移動させるよう構成されていることを特徴とする可撓体
    アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記被移動体は、線状または帯状をなし
    ている請求項1に記載の可撓体アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記ロータの外周面に溝が形成されてお
    り、前記被移動体の少なくとも一部は、前記溝内に位置
    している請求項1または2に記載の可撓体アクチュエー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記溝の底に前記被移動体の一部が接触
    するよう構成されている請求項3に記載の可撓体アクチ
    ュエータ。
  5. 【請求項5】 前記被移動体が前記溝内で、該溝の長手
    方向と直交する方向に移動し得るよう構成されている請
    求項3または4に記載の可撓体アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記被移動体は、線状をなしている請求
    項1に記載の可撓体アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 前記ロータの外周面に溝が形成されてお
    り、前記被移動体の少なくとも一部は、前記溝内に位置
    している請求項1または6に記載の可撓体アクチュエー
    タ。
  8. 【請求項8】 前記ロータの外周面に溝が形成されてお
    り、前記被移動体の少なくとも一部および前記振動体の
    一部は、それぞれ、前記溝内に位置している請求項1ま
    たは6に記載の可撓体アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 前記被移動体の横断面での形状は、略円
    形であり、前記溝の横断面での底部の形状は、略円弧状
    であり、前記溝の底部の半径は、前記被移動体の半径よ
    り大きい請求項7または8に記載の可撓体アクチュエー
    タ。
  10. 【請求項10】 前記被移動体の横断面での形状は、略
    円形であり、前記振動体の前記被移動体へ当接する部分
    における前記被移動体の径方向の厚さは、前記被移動体
    の半径より大きい請求項6ないし9のいずれかに記載の
    可撓体アクチュエータ。
  11. 【請求項11】 前記被移動体は、前記ロータ対して3
    60°未満巻き付けられ、前記ロータの前記被移動体が
    巻き付けられている部分のうちの所定部位と前記振動体
    とで挟み付けられている請求項1ないし10のいずれか
    に記載の可撓体アクチュエータ。
  12. 【請求項12】 前記振動体を複数有し、該複数の振動
    体により共通の被移動体を移動させるよう構成されてい
    る請求項1ないし11のいずれかに記載の可撓体アクチ
    ュエータ。
  13. 【請求項13】 前記複数の振動体は、同一のロータに
    対して設けられている請求項12に記載の可撓体アクチ
    ュエータ。
  14. 【請求項14】 前記複数の振動体は、前記ロータの外
    周に沿って配置されている請求項13に記載の可撓体ア
    クチュエータ。
  15. 【請求項15】 前記被移動体を挟み付ける前記ロータ
    と前記振動体とを有する駆動部を複数備え、該複数の駆
    動部により共通の被移動体を移動させるよう構成されて
    いる請求項1ないし11のいずれかに記載の可撓体アク
    チュエータ。
  16. 【請求項16】 前記駆動部は、前記被移動体の長手方
    向に沿って配置されている請求項15に記載の可撓体ア
    クチュエータ。
  17. 【請求項17】 前記振動体は、少なくとも、板状の圧
    電素子と、金属材料で構成された補強板とを積層してな
    る請求項1ないし16のいずれかに記載の可撓体アクチ
    ュエータ。
  18. 【請求項18】 前記振動体の前記被移動体へ当接する
    部分は、前記補強板と一体的に形成されている請求項1
    7に記載の可撓体アクチュエータ。
  19. 【請求項19】 前記振動体から突出して設けられた腕
    部を有し、前記振動体は、前記腕部により支持されてい
    る請求項1ないし18のいずれかに記載の可撓体アクチ
    ュエータ。
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