JP4685334B2 - 駆動装置およびチューブポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動モータを用いた駆動装置およびチューブポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特許文献1には、アクチュエータとして超音波モータを用いた駆動装置が開示されている。この駆動装置では、ロータの摺動面に超音波モータの振動体を弾性的に押圧して当接する。これにより、圧電素子への交流電圧の印加により励振する振動体の振動が、ロータの摺動面に伝達され、ロータには、回転駆動力が付与される。
【0003】
しかしながら、前記従来の駆動装置では、振動体のロータへの押圧力を大きく設定すると、振動体とロータとの間の接触部位における摩擦力が大きくなり、このため、ロータに対する駆動トルク(駆動力)が増大する反面、ロータの摺動面における振動体の振動の振幅が小さくなる。これにより、振動体による1回の振動で送れるロータの回転量(回転角度)が小さくなり、回転数(回転速度)が減少してしまう。その結果、負荷トルク(負荷)が小さくても、ロータを高速回転で駆動することができない。
【0004】
また、前記従来の駆動装置では、超音波モータとしては、縦振動を主体とする振動体が使用されている。このため、ロータの摺動面に対する振動体の接触角度(図16中のθ)を小さく設定すると、振動体の振動変位の半径方向成分が大きくなり、これにより、振動体とロータとの間の接触部位における摩擦力が増大し、ロータに対する駆動トルクが高められる反面、振動体の振動変位の円周方向成分が減少するため、ロータの回転速度は低下する。その結果、負荷が小さくても、ロータを高速回転で駆動することができない。
【0005】
このように、従来の駆動装置では、振動体のロータへの押圧力やロータの摺動面に対する振動体の接触角度を所定値に設定することにより、駆動トルクと駆動速度との所定の関係特性が得られるが、前記押圧力や接触角度は、一度設定されると、変更することはできなかった。すなわち、駆動トルクと駆動速度との関係特性は、一度設定されると、変更することはできなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−333480号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、振動モータによる変位体の駆動トルク(駆動力)と駆動速度との関係特性を容易かつ確実に変更し得る駆動装置およびチューブポンプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の駆動装置は、摺動面を有し、所望の方向に変位自在な変位体と、
前記摺動面に押圧状態で当接し、電気/機械変換素子を備えた振動体を有し、前記電気/機械変換素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振して前記変位体に対し、その変位方向に駆動力を付与する振動モータと、
前記摺動面に対して前記振動体を所定の押圧力で押圧する加圧手段とを有し、
前記変位体の前記摺動面は、該変位体の変位方向および/または該変位体の変位方向に対して略垂直な方向に沿って変位しており、
前記変位体を変位させ、これにより前記振動体の位置および/または姿勢を変更することによって、前記押圧力を調整する調整手段を有することを特徴とする。
これにより、駆動トルク(駆動力)と駆動速度との関係特性を任意に変更することができ、例えば、高トルク型、高速型等、種々のタイプに容易に変更することができる。
【0009】
すなわち、前記押圧力を増大させることにより、振動体と変位体との間の接触部位における摩擦力が大きくなり、駆動トルク(駆動力)が高くなる(高トルク型となる)。逆に、前記押圧力を減少させることにより、振動体の振動の振幅が大きくなり、これにより振動体による1回の振動で送れる量が大きくなり、駆動速度(回転速度や移動速度)が高くなる(高速型となる)。
【0010】
本発明の駆動装置では、前記加圧手段は、前記摺動面に対して前記振動体を弾性力で押圧する弾性体を有するのが好ましい。
これにより、簡易な構成で、前記押圧力を容易かつ確実に調整することができる。
本発明の駆動装置では、前記調整手段は、前記振動モータにより前記変位体を変位させて前記振動体の位置を変更することによって、前記押圧力を調整するのが好ましい。
これにより、簡易な構成で、前記押圧力を容易かつ確実に調整することができる。
【0011】
本発明の駆動装置では、前記変位体は、回転自在に設けられた回転体で構成され、該回転体の回転軸方向に沿って、該回転体の半径方向に変位した摺動面を有し、
前記調整手段は、前記振動体に対し、前記回転体をその回転軸方向に相対的に移動させることにより前記振動体の位置を変更する調整機構を有し、前記調整機構により前記振動体の位置を変更することによって前記押圧力を調整するのが好ましい。
これにより、前記振動体の位置を容易かつ確実に変更することができ、前記押圧力を容易かつ確実に調整することができる。
また、振動体に対する回転体の相対位置を変更した後は、回転体の回転量によらず、一定の押圧力が得られる。
【0012】
本発明の駆動装置は、摺動面を有し、所望の方向に変位自在な変位体と、
前記摺動面に押圧状態で当接し、電気/機械変換素子を備えた振動体を有し、前記電気/機械変換素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振して前記変位体に対し、その変位方向に駆動力を付与する振動モータと、
前記摺動面に対して前記振動体を所定の押圧力で押圧する加圧手段と、
前記摺動面に対する前記振動体の接触角度を調整する調整手段とを有することを特徴とする。
これにより、駆動トルク(駆動力)と駆動速度との関係特性を任意に変更することができ、例えば、高トルク型、高速型等、種々のタイプに容易に変更することができる。
【0013】
すなわち、前記接触角度を減少させることにより、振動体の振動変位のうちの、変位体の変位方向に対して垂直な方向の成分が大きくなり、これにより、振動体と変位体との間の接触部位における摩擦力が大きくなり、駆動トルク(駆動力)が高くなる(高トルク型となる)。逆に、前記接触角度を増大させることにより、振動体の振動変位のうちの、変位体の変位方向の成分が大きくなり、これにより振動体による1回の振動で送れる量が大きくなり、駆動速度(回転速度や移動速度)が高くなる(高速型となる)。
【0014】
本発明の駆動装置では、前記変位体の前記摺動面は、該変位体の変位方向および/または該変位体の変位方向に対して略垂直な方向に沿って変位しており、
前記調整手段は、前記変位体を変位させ、これにより前記振動体の位置および/または姿勢を変更することによって、前記接触角度を調整するのが好ましい。
これにより、簡易な構成で、前記接触角度を容易かつ確実に調整することができる。
【0015】
本発明の駆動装置では、前記調整手段は、前記振動モータにより前記変位体を変位させて前記振動体の姿勢を変更することによって、前記接触角度を調整するのが好ましい。
これにより、簡易な構成で、前記接触角度を容易かつ確実に調整することができる。
【0016】
本発明の駆動装置では、前記変位体は、回転自在に設けられた回転体で構成されており、
支点を中心にして前記振動体を回動自在に支持する支持アームを有し、前記支持アームの支点は、前記回転体の回転中心と前記振動体の前記摺動面における接触点とを通る直線に対し、前記回転体の回転方向側に位置するのが好ましい。
【0017】
これにより、前記接触角度が減少すると、前記押圧力が増大し、逆に、前記接触角度が増大すると、前記押圧力が減少するように設定することができる。これによって、押圧力および接触角度を同時に、駆動トルクを高くする方向または駆動速度を高くする方向に調整することができる。なお、前記押圧力を増大させ、かつ前記接触角度を減少させることにより、駆動トルクがさらに高くなり、逆に、前記押圧力を減少させ、かつ前記接触角度を増大させることにより、駆動速度がさらに高くなる。
【0018】
本発明の駆動装置では、前記調整手段は、前記振動体の姿勢を変更する調整機構を有し、該調整機構により前記振動体の姿勢を変更して前記接触角度を調整するのが好ましい。
これにより、前記振動体の姿勢を容易かつ確実に変更することができ、前記接触角度を容易かつ確実に調整することができる。
また、振動体の姿勢を変更した後は、変位体の変位量(回転量や移動量)によらず、一定の接触角度が得られる。
【0019】
本発明の駆動装置では、前記変位体は、回転自在に設けられた回転体で構成されているのが好ましい。
これにより、振動体の姿勢を変更した後は、回転体の回転量によらず、一定の接触角度が得られる。
本発明の駆動装置では、前記変位体は、回転自在に設けられた回転体で構成され、該回転体の半径方向に変位した摺動面を有するのが好ましい。
これにより、前記振動体の位置や姿勢を容易かつ確実に変更することができ、前記押圧力や接触角度を容易かつ確実に調整することができる。
【0020】
本発明の駆動装置では、前記回転体の外周面が前記摺動面であり、前記振動体は、前記回転体の外側から前記外周面に押圧状態で当接しているのが好ましい。
これにより、前記振動体の位置や姿勢を容易かつ確実に変更することができ、前記押圧力や接触角度を容易かつ確実に調整することができる。
また、振動体(振動モータ)の組み付けを、回転体の外側から容易に行うことができる。
【0021】
本発明の駆動装置では、前記回転体は、環状をなしており、前記回転体の内周面が前記摺動面であり、前記振動体は、前記回転体の内側から前記内周面に押圧状態で当接しているのが好ましい。
これにより、前記振動体の位置や姿勢を容易かつ確実に変更することができ、前記押圧力や接触角度を容易かつ確実に調整することができる。
また、振動体(振動モータ)を回転体の内周側(内側)に組み付けることができ、装置全体の小型化が図れる。
【0022】
本発明の駆動装置では、前記変位体は、所定の方向に移動自在に設けられた移動体で構成され、該移動体の移動方向に対して略垂直な方向に変位した摺動面を有するのが好ましい。
これにより、前記振動体の位置や姿勢を容易かつ確実に変更することができ、前記押圧力や接触角度を容易かつ確実に調整することができる。
本発明の駆動装置では、前記移動体は、長尺状をなし、その長手方向に移動自在に設けられているのが好ましい。
これにより、前記振動体の位置や姿勢を容易かつ確実に変更することができ、前記押圧力や接触角度を容易かつ確実に調整することができる。
【0023】
本発明の駆動装置では、前記変位体の所定方向の変位を可能にし、かつ前記振動体の前記摺動面に当接する部位と係合して、前記変位体の前記と逆方向への変位を阻止する逆方向変位阻止手段を有するのが好ましい。
これにより、駆動装置に対し、駆動方向と逆方向へ過剰な負荷がかかったとしても、駆動方向と逆方向への駆動を確実に阻止(防止)することができる。
本発明の駆動装置では、前記電気/機械変換素子は、圧電素子であるのが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の駆動装置およびチューブポンプを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の駆動装置の第1実施形態を示す平面図、図2は、図1中のI−I線での断面図、図3は、図1に示す駆動装置のロータを示す平面図、図4は、ロータの半径方向の長さと押圧力との関係を示すグラフである。図5は、ロータの半径方向の各長さにおける駆動トルクと回転数(回転速度)との関係特性を示すグラフである。
【0025】
図1および図2に示すように、駆動装置1は、ベース2と、このベース2に植設した回転軸3と、この回転軸3に回転自在(変位自在)に軸支した回転体としてのロータ(変位体)4と、このロータ4に駆動力を付与する振動モータ5と、この振動モータ5に押圧力を付与する加圧手段としてのバネ部材(弾性体)6と、振動モータ5によるロータ4の摺動面41に対する押圧力を調整する調整手段とを有している。
【0026】
ロータ4は、回転軸3をロータ回転中心Pとする時計周りの回転方向Aに回転(変位)する。そして、ロータ4の外周面は、後述する振動モータ5を構成する振動体50の凸部51が当接される摺動面41を形成する。
このロータ4の摺動面41は、図3に示すように、ロータ回転中心Pからの半径方向の長さ(半径)Rが最も短い最短部位Raと中間部位Rbと最も長い最長部位Rcとを備えたカム面を有する。換言すると、ロータ4の摺動面41は、ロータ4の回転方向(変位方向)に沿って、半径方向(変位方向に対して垂直な方向)に変位している。すなわち、ロータ4のロータ回転中心Pからの半径方向の長さ(半径)Rは、ロータ4の回転方向(変位方向)に沿って変位している。なお、前記中間部位Rbは、前記最短部位Raと前記最長部位Rcとの間の任意の部位である。
振動モータ5の振動体50は、ベース2に対し、ガイド孔2aを介して図1および図2中、上下方向に移動自在に(位置を変更し得るように)配置され、振動体50の凸部51がロータ4の摺動面41に外側から対向するように組み付けられている。
【0027】
バネ部材6は、一端部がベース2側に取り付けられており、その他端部が振動モータ5の振動体50に取り付けられている。また、バネ部材6は、収縮した状態で設置される。これにより、バネ部材6は、振動体50を弾性的に支持し、その弾性力(復元力)によって、振動体50の凸部51がロータ4の摺動面41に対して常に押圧状態を維持して付勢(押圧)するように当接される。換言すると、バネ部材6は、ロータ4の摺動面41の半径方向の変位に応じて、振動体50の凸部51が摺動面41に当接したまま接離方向(図1中上下方向)に移動し得るように、振動体50を支持する。
なお、ロータ4には、回転量(変位量)検出手段としてのロータリエンコーダ7が設置されている。このロータリエンコーダ7の機能は、図8に示す後述する振動モータ5の駆動制御回路とともに説明する。
【0028】
上記したように、ロータ4の摺動面41は、ロータ回転中心Pからの半径方向の長さ(半径)Rが最も短い最短部位Raと中間部位Rbと最も長い最長部位Rcとを備えたカム面を有する。図3に示すように、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位におけるロータ4の半径Rと、摺動面41に対する振動体50の凸部51の、バネ部材6の弾性復元力による押圧力Fa、Fb、Fcとの間には、図4に示すような関係を有する。
【0029】
すなわち、図4に示すように、ロータ4の摺動面41における半径Rが最も短い最短部位Ra、中間部位Rb、最も長い最長部位Rcにおいては(Ra<Rb<Rc)、前記バネ部材6による押圧力は、それぞれ、Fa、Fb、Fc(Fa<Fb<Fc)となる。すなわち、押圧力は、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位におけるロータ4の半径Rの長さに比例して増大する(Fa<Fb<Fc)。
【0030】
ここで、摺動面41に対する振動体50の凸部51の押圧力が大きいほど、振動体50とロータ4との間の接触部位における摩擦力が大きく、駆動トルク(駆動力)が高くなる(高トルク型となる)。逆に、前記押圧力が小さいほど、振動体50の振動の振幅が大きく、振動体50による1回の振動で送れるロータ4の回転量(回転角度)が大きくなり、ロータ4の回転速度(駆動速度)が高くなる(高速型となる)。
このため、前記ロータ4の摺動面41における半径Rが最も短い最短部位Ra、中間部位Rb、最も長い最長部位Rcにおいては(Ra<Rb<Rc)、それぞれ、図5に示す駆動トルク(駆動力)と回転数(回転速度)との関係特性が得られる。
【0031】
なお、図5中において、駆動トルクTa、Tb、Tc(Ta<Tb<Tc)と、ロータ4の回転数(回転速度)Na、Nb、Nc(Na>Nb>Nc)との組み合わせ、すなわち、(Ta、Na)、(Tb、Nb)、(Tc、Nc)は、それぞれ、ロータ4の摺動面41における半径Rが最も短い最短部位Ra、中間部位Rb、最も長い最長部位Rcにおける、同一出力のときの値である。
【0032】
このように、ロータ4を所定の回転位置まで回転させることにより、所定の押圧力が得られ、駆動トルクとロータ4の回転速度との所定の関係特性が得られる(駆動トルクとロータ4の回転速度との所定の組み合わせが得られる)。これにより、ロータ4を回転駆動して押圧力を調整することによって、駆動トルクとロータ4の回転速度との任意の関係特性が得られる(駆動トルクとロータ4の回転速度との任意の組み合わせが得られる)。
【0033】
この場合、例えば、駆動トルクを高くするには、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位が最長部位Rcまたはその近傍となるようにロータ4を回転駆動し、また、ロータ4の回転速度を高くするには、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位が最短部位Raまたはその近傍となるようにロータ4を回転駆動する。
【0034】
すなわち、例えば、高い駆動トルクを必要とするとき、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位が最長部位Rcまたはその近傍となるようにロータ4が回転し、また、高い回転速度を必要とするときや駆動トルクが低くてもよいとき、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位が最短部位Raまたはその近傍となるようにロータ4が回転するように構成する。
【0035】
次に、上記した振動モータの構成およびその駆動制御を図6〜図10に示す実施形態に基づいて説明する。
図6は、振動モータを構成する振動体を示す斜視図、図7は、図6中のII−II線での断面図、図8は、ロータを正転方向に駆動する振動体の励振状態を示す説明図、図9は、ロータを逆転方向に駆動する振動体の励振状態を示す説明図、図10は、振動体を駆動制御する回路構成を示すブロック図である。なお、図6および図7において、振動モータ5を構成する振動体50は、その厚さ方向を誇張して示している。
【0036】
図6および図7に示すように、振動モータ5を構成する振動体50は、ほぼ長方形の板状をなしている。振動体50は、4つの第1の電極52a、52b、52cおよび52dと、電気/機械変換素子(第1の電気/機械変換素子)としての第1の圧電素子53と、補強板54と、電気/機械変換素子(第2の電気/機械変換素子)としての第2の圧電素子55と、4つの第2の電極56a、56b、56cおよび56dとを順に積層して構成されている。この場合、第1の電極52a〜52d、第2の電極56a〜56dは、第1の電極52a〜52dと、第2の電極56a〜56dとが、それぞれ、対応するように配置されている。
【0037】
第1および第2の圧電素子53、55は、それぞれ、長方形状をなしているとともに、これらとほぼ同一の長方形状をなす補強板54の両面にそれぞれ設置(固着)されている。そして、これら第1および第2の圧電素子53、55に交流電圧が印加されると、第1および第2の圧電素子53、55は、その長手方向(長辺の方向)に伸長・収縮する。すなわち、第1および第2の圧電素子53、55のほぼ全体に交流電圧が印加されると、振動体50は、励振され、長手方向(長辺の方向)に微小な振幅で振動(縦振動)し、凸部51が縦振動(往復運動)する。
これら第1および第2の圧電素子53、55の構成材料としては、特に限定されないが、例えばチタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものが好適に用いられる。
【0038】
前記振動体50をより詳細に説明すると、振動体50においては、第1の圧電素子53を4つの長方形の領域にほぼ等しく分割(区分)し、分割された各領域に、第1の電極52a〜52dがそれぞれ設置されている。同様にして、第2の圧電素子55もまた4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、第2の電極56a〜56dが第1の圧電素子53の第1の電極52a〜52dに対して図6および図7中上下対称的にそれぞれ設置されている。
【0039】
第1の圧電素子53の表面側に積層される一方の対角線上の第1の電極52a、52cと、第2の圧電素子55の裏面側に積層される一方の対角線上の第2の電極56a、56cとは、すべて電気的に接続されている。これにより、第1のグループ電極57が形成される。同様にして、第1の圧電素子53の表面側に積層される他方の対角線上の第1の電極52b、52dと、第2の圧電素子55の裏面側に積層される他方の対角線上の第2の電極56b、56dとは、すべて電気的に接続(以下、単に「接続」と言う)されている。これにより、第2のグループ電極58が形成される。そして、第1および第2のグループ電極57、58は、後述する駆動制御回路に接続されている。
【0040】
また、第1および第2の圧電素子53、55間に介在された補強板54は、振動体50全体を補強する機能を有し、振動体50が過振幅、外力等によって損傷するのを防止する。補強板54の構成材料としては、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の弾性を有する各種金属材料であるのが好ましい。
【0041】
また、補強板54は、第1および第2の圧電素子53、55に対する共通の電極としての機能も有している。なお、補強板54は、アース(接地)されている。
この補強板54には、凸部51が一体的に形成されている。
補強板54の厚さは、第1および第2の圧電素子53、55の厚さよりも薄くするのが好ましい。これにより、振動体50、すなわち凸部51を高い効率で振動させることができる。
【0042】
次に、振動モータ5の振動体50によるロータ4への回転駆動力の伝達作用を図8および図9を参照して説明する。なお、図8および図9においては、振動体50の変形状態を誇張して示す。
図8に示すように、ロータ4を正規の回転方向である正転方向(時計回りの方向)A1に回転させる場合、すなわち、ロータ4に対し正規の回転方向である正転方向(時計回りの方向)A1に回転駆動力を伝達する場合には、第1のグループ電極57への通電が行われる。本実施形態では、ロータ4の正規の回転方向が正転方向A1の一方向のみとするが、これに限定されないことは言うまでもない。
【0043】
第1のグループ電極57の通電により、振動体50の対角線上に位置する第1の電極52a、52cおよび第2の電極56a、56cが通電される。そして、これらの電極52a、52c、56aおよび56cと、補強板54との間に、交流電圧が印加されると、振動体50の各電極52a、52c、56aおよび56cに対応する部分が、それぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮する。これにより、振動体50の凸部51は、矢印bで示す斜めの方向への変位、つまり、振動(往復運動)、または、矢印cで示すほぼ楕円に沿うような変位、つまり、楕円振動(楕円運動)する。このとき、ロータ4の摺動面41は、振動体50の各電極52a、52c、56aおよび56cに対応する部分が伸長するときに、振動体50の凸部51からの摩擦力、つまり、押圧力を受ける。
【0044】
すなわち、ロータ4は、振動体50の凸部51の振動変位Sの径方向成分S1(ロータ4の径方向の変位)によって、振動体50の凸部51とロータ4の摺動面41との間に大きな摩擦力が与えられ、振動変位Sの周方向成分S2(ロータ4の円周方向の変位)によって、ロータ4には、正転方向A1への駆動トルク(回転駆動力)が付与される。
このように、振動体50が振動すると、ロータ4の摺動面41には、駆動トルク(回転駆動力)が繰り返し作用し、これにより、ロータ4は、正転方向A1に回転する。
このとき、振動体50の他の対角線上に位置する第2のグループ電極58、すなわち、第1の電極52b、52dおよび第2の電極56b、56dには、通電が行われていない。このため、第2のグループ電極58は、振動体50の振動を検出する振動検出手段として利用することも可能である。
一方、仮に、ロータ4を逆転方向(反時計回りの方向)A2に回転させる場合、すなわち、ロータ4に対し逆転方向(反時計回りの方向)A2に回転駆動力を伝達する場合には、図9に示すように、第2のグループ電極58への通電が行われる。
【0045】
第2のグループ電極58の通電により、振動体50の対角線上に位置する第1の電極52b、52dおよび第2の電極56b、56dが通電される。そして、これらの電極52b、52d、56bおよび56dと、補強板54との間に、交流電圧が印加されると、振動体50の各電極52b、52d、56bおよび56dに対応する部分が、それぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮する。これにより、振動体50の凸部51は、矢印bで示す斜めの方向への変位、つまり、振動(往復運動)、または、矢印cで示すほぼ楕円に沿うような変位、つまり、楕円振動(楕円運動)する。このとき、ロータ4の摺動面41は、振動体50の各電極52b、52d、56bおよび56dに対応する部分が伸長するときに、振動体50の凸部51からの摩擦力、つまり、押圧力を受ける。
【0046】
すなわち、ロータ4は、振動体50の凸部51の振動変位Sの径方向成分S1(ロータ4の径方向の変位)によって、振動体50の凸部51とロータ4の摺動面41との間に大きな摩擦力が与えられ、振動変位Sの周方向成分S2(ロータ4の円周方向の変位)によって、ロータ4には、逆転方向A2への駆動トルク(回転駆動力)が付与される。
【0047】
このように、振動体50が振動すると、ロータ4の摺動面41には、駆動トルク(回転駆動力)が繰り返し作用し、これにより、ロータ4は、逆転方向A2に回転する。
このとき、振動体50の他の対角線上に位置する第1のグループ電極57、すなわち、第1の電極52a、52cおよび第2の電極56a、56cには、通電が行われていない。このため、第1のグループ電極57は、振動体50の振動を検出する振動検出手段として利用することも可能である。
【0048】
ここで、上記振動体50の形状・大きさや凸部51の位置などを適宜選択し、屈曲振動(図8および図9中、横方向の振動)の共振周波数を縦振動の周波数と同程度にすると、振動体50の縦振動と屈曲振動とが同時に発生する。これにより、振動体50の凸部51は、図8および図9中の矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振動)させることができる。また、従来知られているように縦振動と屈曲振動を別々に位相をずらして駆動すると、楕円振動の長径と短径の比(長径/短径)を変えることができる。
ところで、第1および第2の圧電素子53、55に印加する交流電圧の周波数は、特に限定されないが、振動体50の振動(縦振動)の共振周波数とほぼ同程度であるのが好ましい。これにより、振動体50の振幅が大きくなり、高い効率でロータ4を回転駆動することができる。
【0049】
また、振動体50は、通常のモータのように磁力で駆動する場合とは異なり、上述したような摩擦力(押圧力)によってロータ4を駆動することから、駆動力(駆動トルク)が高い。このため、変速機構(減速機構)を介さなくても十分な力でロータ4を駆動することができる。これにより、別途減速機構を設ける必要がないため、減速機構でのエネルギーロスがない。しかも、振動体50の面内振動をロータ4の回転に直接変換していることから、この変換に伴なうエネルギーロスが少なく、ロータ4を高い効率で回転駆動することができる。
さらに、ロータ4が振動体50で直接駆動(回転)され、特に、別途減速機構を設ける必要がないため、装置全体の軽量化、小型化(薄型化)に特に有利である。これにより、構造を極めて簡素化することができ、容易に製造することができるとともに、製造コストの低減化を図ることができる。
【0050】
ここで、前記振動体50の「電気/機械変換素子」とは、電気エネルギーが供給されることにより、変形する部材(部分)を有する素子を言う。
なお、本実施形態では、電気/機械変換素子として、圧電素子を用いているが、本発明では、これに限定されない。他の電気/機械変換素子としては、例えば、形状記憶素子、磁歪素子、人工筋肉等が挙げられる。
【0051】
次に、上記した振動モータ5の駆動制御回路を説明する。
図10に示すように、駆動制御回路は、振動体50が接続されるスイッチング回路8と駆動回路9とで構成されている。スイッチング回路8は、互いに連動する第1の切換スイッチ部80Aと第2の切換スイッチ部80Bとを有する。
第1の切換スイッチ部80Aは、振動体50の第1のグループ電極57が接続される端子81および一対の切換端子82、83を有する。同様に、第2の切換スイッチ部80Bは、振動体50の第2のグループ電極58が接続される端子84および一対の切換端子85、86を有する。
【0052】
一方、上記駆動回路9は、発振回路91、増幅回路92および回転量(変位量)制御回路93を備えている。発振回路91の入力側は、第1の切換スイッチ部80Aの切換端子83および第2の切換スイッチ部80Bの切換端子86にそれぞれ接続される。また、増幅回路92の出力側は、第1の切換スイッチ部80Aの切換端子82および第2の切換スイッチ部80Bの切換端子85にそれぞれ接続される。
【0053】
スイッチング回路8には、ロータ4の回転方向、つまり、正転方向A1または逆転方向A2の回転が指示される。このスイッチング回路8は、ロータ4の回転方向の指示情報に基づき、振動体50の第1のグループ電極57または第2のグループ電極58を選択的に切換えて通電する。これにより、第1および第2の圧電素子53、55には、交流電圧が発振回路91および増幅回路92を介して印加される。
【0054】
発振回路91および増幅回路92は、後述する回転量(変位量)制御回路93によりそれぞれ制御される。
回転量制御回路93には、ロータ4の外周部に設置される回転量(変位量)検出手段としてのロータリエンコーダ7が接続される。ロータリエンコーダ7は、複数のスリットが一定間隔で形成されたスリット回転板71と、発光部および受光部を有するセンサ72とで構成される。スリット回転板71は、ロータ4と一体的に回転する。
【0055】
この場合、センサ72としては、例えばフォトリフレクタやフォトインタラプタ等が好適に用いられる。フォトリフレクタは、スリット回転板71の外周部に向けて光を照射する発光素子と、スリット回転板71にて反射した光(反射光)を受光する受光素子(光電変換素子)とで構成される。一方、フォトインタラプタは、スリット回転板71の外周部へ向けて光を照射する発光素子と、スリット回転板71を透過した光(透過光)を受光する受光素子(光電変換素子)とで構成される。
なお、この駆動制御回路により、押圧力を調整する調整手段の主機能が達成される。
【0056】
回転量制御回路93には、ロータ4の回転量や回転速度が指示される。そして、ロータ4が回転すると、ロータリエンコーダ7のスリット回転板71がロータ4と一体的に回転する。このスリット回転板71の回転量や回転速度は、ロータ4の回転量や回転速度に対応する。ロータ4の回転に伴って、センサ72からは、スリット回転板71の回転量に応じたパルス信号が出力される。このパルス信号は、回転量制御回路93に入力される。
【0057】
このとき、回転量制御回路93は、センサ72からのパルス信号を計数し、この計数値に基づいて、ロータ4の回転量を求める。また、ロータ4の回転速度は、センサ72からのパルスの周期または所定時間内のパルス数に基づいて求めることができる。
なお、回転量(変位量)検出手段としては、上記したロータリエンコーダ7のような光学的な検出手段に限らず、磁気的な検出手段であってもよい。
【0058】
上記した駆動制御回路は、電源スイッチがオンの状態において、ロータ4の回転方向、および回転量(ロータ4の回転回数や回転角度)や回転数(回転速度)の指示があると、その指示に基づいて、スイッチング回路8および駆動回路9の回転量制御回路93等が作動する。
ロータ4を正転方向A1に回転させる旨の指示の場合には、スイッチング回路8の端子81と切換端子82とが接続し、端子84と切換端子86とが接続するように、第1のグループ電極57側に切り替わる。これにより、駆動回路9の増幅回路92の出力側と、振動体50の第1の電極52a、52cおよび第2の電極56a、56cとが導通する。一方、第2のグループ電極58側は、駆動回路9の発振回路91の入力側に導通する。これにより、駆動回路9の発振回路91の入力側と、振動体50の第1の電極52b、52dおよび第2の電極56b、56dとが導通する。
【0059】
発振回路91から出力される交流電圧は、増幅回路92で増幅されて、振動体50の各電極52a、52c、56aおよび56cと、補強板54との間に印加される。これにより、上述したように、振動体6の各電極52a、52c、56aおよび56cに対応する部分が、それぞれ繰り返し伸縮する。このような交流電圧の印加により、振動体50の凸部51は、図8の矢印bで示すような斜めの方向への振動(往復運動)、または、矢印cで示すような楕円振動(楕円運動)をする。そして、ロータ4の摺動面41は、振動体50の各電極52a、52c、56aおよび56cに対応する部分が伸長するときに、振動体50の凸部51からの摩擦力(押圧力)を受ける。この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、ロータ4が正転方向A1に回転駆動される。
【0060】
このとき、第2のグループ電極58側は、通電されていないため、駆動していない。このため、振動体50の各電極52b、52d、56bおよび56dは、それぞれ検出電極となり、振動体50の各電極52b、52d、56bおよび56dと、補強板54との間に誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。そして、この誘起電圧(検出電圧)は、発振回路91へ入力され、発振回路91は、その検出電圧に基づいて、振動体50の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、ロータ4を効率良く回転させることができる。
【0061】
また、回転量制御回路93は、指示されたロータ4の回転量(目標値)に基づいて、各電極への通電を制御する。
すなわち、回転量制御回路93は、ロータ4の回転量が、指示されたロータ4の回転量(目標値)になるまで発振回路91および増幅回路92を作動させ、振動体50を駆動し、ロータ4を回転させる。
【0062】
一方、ロータ4を逆転方向A2に回転させる旨の指示の場合には、図10に示すように、スイッチング回路8の端子81と切換端子83とが接続し、端子84と切換端子85とが接続するように、第2のグループ電極58側に切り替わる。これにより、駆動回路9の増幅回路92の出力側と、振動体50の第1の電極52b、52dおよび第2の電極56b、56dとが導通する。また、第1のグループ電極57側は、駆動回路9の発振回路91の入力側に導通する。これにより、駆動回路9の発振回路91の入力側と、振動体50の第1の電極52a、52cおよび第2の電極56a、56cとが導通する。以降の動作は、上述したロータ4を正転方向A1に回転させる旨の指示の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0063】
なお、振動体50の凸部51を縦振動(長手方向に振動)させて、ロータ4を正転方向A1または逆転方向A2に回転させるように構成されていてもよい。
このような振動モータ5は、駆動装置1の小型化(薄型化)を図ることができる利点の他に、通常のモータを用いないことから、従前のような電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺の機器に影響を及ぼすことがないという利点もある。
以上述べたように、駆動装置1によれば、振動体50によるロータ4の摺動面41に対する押圧力を調整する調整手段を有しているので、駆動トルクとロータ4の回転速度との関係特性を容易に調整することができる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、本発明の駆動装置の第2実施形態について説明する。
図11は、本発明の駆動装置の第2実施形態を示す平面図である。
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0065】
図11に示すように、この第2実施形態では、ロータ4に凹陥部10が形成されている。すなわち、ロータ4は、環状をなしている。
この凹陥部10における内周面は、振動モータ5を構成する振動体50の凸部51が当接される摺動面41を形成する。この摺動面41は、ロータ回転中心Pからの半径方向の長さ(内径)がロータ4の回転方向(変位方向)に沿って変位するカム面を有する。すなわち、ロータ4の摺動面41は、ロータ4の回転方向(変位方向)に沿って、半径方向(変位方向に対して垂直な方向)に変位している。
【0066】
振動モータ5の振動体50は、凹陥部10内に位置し、振動体50の凸部51がロータ4の摺動面41に内側から対向するように組み付けられている。
ロータ4の摺動面41におけるロータ回転中心からの半径方向の長さ(内径)が短い部位では、振動体50は、図11中上側(バネ部材6が収縮する方向)に移動し、押圧力が高くなる。
【0067】
また、ロータ4の摺動面41におけるロータ回転中心Pからの半径方向の長さ(内径)が長い部位では、振動体50は、図11中下側(バネ部材6が伸張する方向)に移動し、押圧力が低くなる。
このようにして、摺動面41に対する振動体50の凸部51の押圧力を調整することができる。
【0068】
この第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この第2実施形態では、振動体50をロータ4の内周側(内側)、すなわち、凹陥部10内に設置することができ、装置全体の小型化が図れる。
なお、本実施形態では、後述する各実施形態の任意の1または2以上の構成(特徴)を付加、または置換することができる。
【0069】
(第3実施形態)
次に、本発明の駆動装置の第3実施形態について説明する。
図12は、本発明の駆動装置の第3実施形態を示す平面図、図13は、図12のIII−III線での断面図である。
以下、第3実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0070】
図12および図13に示すように、この第3実施形態では、ロータ4は、円錐台形状をなしている。すなわち、ロータ4の半径は、図13中右側に向かって漸増している。
このロータ4は、回転軸3の方向(変位体の変位方向に対して略垂直な方向)に沿ってロータ4の半径方向に変位した外周面、すなわち、回転軸3の軸方向に傾斜する外周面(傾斜面)を有しており、この外周面を摺動面41とする。
また、ロータ4は、回転軸3に固着されており、この回転軸3と一体的に回転軸3の方向に移動自在になっている。
【0071】
振動モータ5の振動体50は、その凸部51がロータ4の摺動面41に外側から対向するように組み付けられている。
また、ロータ4を回転軸3の方向に移動させることによりロータ4の位置を変更する調整機構11が設けられている。この調整機構11は、スプリング(付勢手段)13と調整ネジ14とで構成されている。
【0072】
プリング13は、ロータ4の図13中左側に設置され、ロータ4を図13中右側に付勢する。一方、調整ネジ14は、その端部が回転軸3の端部に当接するように、ロータ4の図13中右側に設置されている。
調整ネジ14を所定方向に回転操作すると、調整ネジ14が図13中左側に移動し、これにより、回転軸3とともにロータ4が図13中左側に移動する。これにより、振動体50は、図13中上側に移動し、押圧力が高くなる。
【0073】
また、調整ネジ14を前記と逆方向に回転操作すると、調整ネジ14が図13中右側に移動し、これにより、スプリングの付勢力によってロータ4が回転軸3とともに図13中右側に移動する。これにより、振動体50は、図13中下側に移動し、押圧力が低くなる。
このようにして、摺動面41に対する振動体50の凸部51の押圧力を調整することができる。
【0074】
この第3実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この第3実施形態では、ロータ4の位置を変更した後は、ロータ4の回転量によらず、一定の押圧力が得られる。
なお、本実施形態では、前述または後述する各実施形態の任意の1または2以上の構成(特徴)を付加、または置換することができる。
【0075】
(第4実施形態)
次に、本発明の駆動装置の第4実施形態について説明する。
図14は、本発明の駆動装置の第4実施形態を示す平面図である。
以下、第4実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0076】
図14に示すように、この第4実施形態では、変位体は、長尺状をなし、その長手方向、すなわち、直線方向の正逆方向に移動(変位)する移動体15で構成される。
この移動体15は、その移動方向に対して略垂直な方向(厚さ方向)に変位した摺動面16を図14中上側に有している。すなわち、移動体15の厚さ方向の長さtは、その移動方向に沿って変化している(摺動面16は、滑らかな凹凸面を有している)。
【0077】
振動モータ5の振動体50は、その凸部51が移動体15の摺動面16に図14中上側から対向するように組み付けられている。
この振動モータ5の駆動は、移動体15が直線方向の正逆方向に移動するように切換え制御される。
移動体15の摺動面41における厚さ方向の長さtが長い肉厚部位taでは、振動体50は、図14中上側に移動し、押圧力が高くなる。
【0078】
また、移動体15の摺動面41における厚さ方向の長さtが短い薄肉部位tbでは、振動体50は、図14中下側に移動し、押圧力が低くなる。
このようにして、摺動面41に対する振動体50の凸部51の押圧力を調整することができる。
この第4実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、前述または後述する各実施形態の任意の1または2以上の構成(特徴)を付加、または置換することができる。
【0079】
(第5実施形態)
次に、本発明の駆動装置の第5実施形態について説明する。
図15は、本発明の駆動装置の第5実施形態を示す平面図である。
以下、第5実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0080】
図15に示すように、この第5実施形態では、ロータ4の外周面を摺動面41とする。このロータ4の摺動面41は、ロータ回転中心Pからの半径方向の長さ(半径)Rが正転方向A1に向かって漸増するカム面を有する。すなわち、ロータ4のロータ回転中心Pからの半径方向の長さ(半径)Rは、ロータ4の回転方向(変位方向)に向かって漸増している。
また、ロータ4の摺動面41におけるロータ回転中心Pからの半径方向の長さ(半径)Rが大きい大径部位Rsと、前記半径方向の長さ(半径)Rが小さい小径部位Re(Rs>Re)との境界部位には、段差部(逆方向変位阻止手段)42が形成されている。
【0081】
振動モータ5の振動体50は、振動体50の凸部51がロータ4の摺動面41に外側から対向するように組み付けられている。
この第5実施形態では、ロータ4の正規の回転方向が逆転方向A2の一方向のみとされている。
ロータ4を正規の回転方向である逆転方向A2へ回転駆動するときは、振動体50の凸部51は、段差部42を経て、大径部位Rs側から小径部位Re側へ移動することができ、このため、ロータ4は、逆転方向A2へ連続的に回転することができる。
【0082】
しかし、ロータ4が正転方向A1(正規の回転方向と逆方向)へ回転しようとすると、振動体50の凸部51は、段差部42に係合し(係止され)、小径部位Re側から大径部位Rs側へ移動することができず、これにより、ロータ4の正転方向A1への回転が阻止(防止)される。
このため、ロータ4に対し、正規の回転方向と逆方向である正転方向A1に過剰な負荷がかかったとしても、ロータ4の正転方向A1への回転が阻止され、これにより、駆動装置1の駆動方向と逆方向への駆動を確実に阻止(防止)することができる。
この第5実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、前述または後述する各実施形態の任意の1または2以上の構成(特徴)を付加、または置換することができる。
【0083】
(第6実施形態)
次に、本発明の駆動装置の第6実施形態について説明する。
図16は、本発明の駆動装置の第6実施形態を示す平面図、図17は、ロータの半径方向の長さに対する振動体の接触角度の変化を示す説明図、図18は、振動体の各接触角度における駆動トルクと回転数(回転速度)との関係特性を示すグラフである。
【0084】
以下、第6実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
この第6実施形態における上記第1実施形態との主な相違点は、図16に示すように、振動モータ5を構成する振動体50の支持構造にあり、また、第6実施形態は、調整手段により、ロータ4の摺動面41に対する振動体50の接触角度θと、摺動面41に対する振動体50の凸部51の押圧力とを同時に調整し得るように構成されている。
ここで、前記接触角度とは、振動体50の中心軸(長手方向の中心線)をOとし、ロータ4のロータ回転中心Pと、振動体50の凸部51とロータ4の摺動面41との接触点(凸部51の摺動面41における接触点)Gとを通る直線をXとしたとき、前記中心軸Oと前記直線Xとのなす角(角度)θを言う。
【0085】
図16に示すように、第6実施形態では、振動モータ5を構成する振動体50が、固定軸17に回動(回転)自在に軸支されたL字型の支持アーム18の一端部181に取り付けられている。そして、この支持アーム18の他端部182は、振動モータ5に押圧力を付与する加圧手段としての棒状(または板状)の弾性体で形成され、その末端は、固定ピン19に係止されている。また、支持アーム18は、その他端部182が若干弾性変形した状態で設置される。
【0086】
これにより、支持アーム18は、振動体50を弾性的に支持し、その弾性力(復元力)によって、振動体50の凸部51がロータ4の摺動面41に対して常に押圧状態を維持して付勢(押圧)するように当接される。換言すると、支持アーム18は、ロータ4の摺動面41の半径方向の変位に応じて、振動体50の凸部51が摺動面41に当接したまま振動体50が支持アーム18の軸支点Qを中心に回動して姿勢を変更し得るように、その振動体50を支持する。
また、振動モータ5の振動体50は、振動体50の凸部51がロータ4の摺動面41に外側から対向するように組み付けられている。
【0087】
図17(a)、(b)、(c)に示すように、ロータ4の摺動面41における半径Rが最も短い最短部位Ra、中間部位Rb、最も長い最長部位Rcにおいては(Ra<Rb<Rc)、ロータ4の摺動面41に対する振動体50の接触角度θは、それぞれ、θa、θb、θc(θa>θb>θc)となる。すなわち、接触角度θは、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位におけるロータ4の半径Rが短いほど、大きい。
【0088】
ここで、ロータ4の摺動面41に対する振動体50の接触角度θが小さいほど、振動体50の振動変位の径方向成分S1が大きく、これにより、振動体50とロータ4との間の接触部位における摩擦力が大きくなり、駆動トルク(駆動力)が高くなる(高トルク型となる)。逆に、前記接触角度θが大きいほど、振動体50の振動変位の周方向成分S2が大きく、これにより、振動体50による1回の振動で送れるロータ4の回転量(回転角度)が大きくなり、ロータ4の回転速度(駆動速度)が高くなる(高速型となる)。
このため、前記ロータ4の摺動面41における半径Rが最も短い最短部位Ra、中間部位Rb、最も長い最長部位Rcにおいては(Ra<Rb<Rc)、それぞれ、図18に示す駆動トルク(駆動力)と回転数(回転速度)との関係特性が得られる。
【0089】
なお、図18中において、駆動トルクTa、Tb、Tc(Ta<Tb<Tc)と、ロータ4の回転数(回転速度)Na、Nb、Nc(Na>Nb>Nc)との組み合わせ、すなわち、(Ta、Na)、(Tb、Nb)、(Nc、Nc)は、それぞれ、ロータ4の摺動面41における半径Rが最も短い最短部位Ra、中間部位Rb、最も長い最長部位Rcにおける、同一出力のときの値である。
【0090】
このように、ロータ4を所定の回転位置まで回転させることにより、所定の接触角度θが得られ、駆動トルクとロータ4の回転速度との所定の関係特性が得られる(駆動トルクとロータ4の回転速度との所定の組み合わせが得られる)。これにより、ロータ4を回転駆動して接触角度θを調整することによって、駆動トルクとロータ4の回転速度との任意の関係特性が得られる(駆動トルクとロータ4の回転速度との任意の組み合わせが得られる)。
【0091】
この場合、例えば、駆動トルクを高くするには、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位が最長部位Rcまたはその近傍となるようにロータ4を回転駆動し、また、ロータ4の回転速度を高くするには、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位が最短部位Raまたはその近傍となるようにロータ4を回転駆動する。
【0092】
すなわち、例えば、高い駆動トルクを必要とするとき、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位が最長部位Rcまたはその近傍となるようにロータ4が回転し、また、高い回転速度を必要とするときや駆動トルクが低くてもよいとき、振動体50の凸部51の摺動面41への当接部位が最短部位Raまたはその近傍となるようにロータ4が回転するように構成する。
【0093】
また、この第6実施形態では、前記支持アーム18の軸支点Qは、前記直線Xに対し、ロータ4の回転方向側(正転方向A1側)、すなわち、図16中右側に位置している。
これにより、接触角度θが減少すると、押圧力が増大し、逆に、接触角度θが増大すると、押圧力が減少し、これによって、押圧力および接触角度θを同時に調整することができる。すなわち、押圧力および接触角度θをともに、駆動トルクが高くなる方向、またはロータ4の回転速度を高くなる方向へ調整することができる。
【0094】
この第6実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この第6実施形態では、押圧力および接触角度θを同時に調整することができるので、駆動トルクやロータ4の回転速度の調整可能な範囲が広くなる。
なお、本実施形態では、前述または後述する各実施形態の任意の1または2以上の構成(特徴)を付加、または置換することができる。
例えば、前述した第2実施形態のように、ロータ4が環状をなし、その内周面を摺動面41とし、振動体50の凸部51が、ロータ4の内側から摺動面41に押圧状態で当接するように構成してもよい。
【0095】
また、例えば、前述した第3実施形態のように、ロータ4が、回転軸3の方向(変位体の変位方向に対して略垂直な方向)に沿ってロータ4の半径方向に変位した外周面、すなわち、回転軸3の軸方向に傾斜する外周面(傾斜面)を有しており、この外周面を摺動面41とし、調整機構11を設けてもよい。これにより、調整機構11によってロータ4を回転軸3の方向に移動させて、ロータ4の摺動面41に対する振動体50の接触角度θを調整することができる。この場合は、後述する第7実施形態のように、振動体50の姿勢を変更した後は、ロータ4の回転量によらず、一定の接触角度θが得られる。
【0096】
また、例えば、前述した第4実施形態のように、変位体は、長尺状をなし、その長手方向、すなわち、直線方向の正逆方向に移動(変位)する移動体15で構成されていてもよい。
また、例えば、前述した第5実施形態のように、段差部(逆方向変位阻止手段)42を設けてもよい。
【0097】
また、本実施形態では、振動体50が支持される支持アーム18としてL字型形状のアームを用いたが、これに限らず、例えば、前記支持アーム18の他端部182を省略し、一端部181を弾性体で形成し、その一端部181の末端を固定してもよい。これにより、固定ピン19が不要になり、構造が簡略化する。この場合も、振動体50は、支持アーム18の一端部181の末端(軸支点Q)を中心に弾性的に回動して姿勢を変更することができる。
また、本実施形態では、調整手段により、押圧力および接触角度θを調整するように構成されているが、本発明では、調整手段により、接触角度θのみを調整するように構成されていてもよい。
【0098】
(第7実施形態)
次に、本発明の駆動装置の第7実施形態について説明する。
図19は、本発明の駆動装置の第7実施形態を示す平面図、図20は、図19の中のIV−IV線での断面図である。
以下、第7実施形態について、前述した第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0099】
図19および図20に示すように、この第7実施形態では、ロータ4は、平面視でほぼ円形をなしている。すなわち、ロータ4の半径は一定である。
そして、第7実施形態は、振動体50の姿勢を変更する調整機構(角度調整機構)を有し、この調整機構により振動体50の姿勢を変更して接触角度θを調整するよう構成されている。
【0100】
この角度調整機構は、揺動レバー20および固定ネジ23を有している。
揺動レバー20には、振動体50を一端側で支持し、棒状(または板状)の弾性体で形成された支持アーム(加圧手段)18の他端側がピン21で固定されている。
この揺動レバー20は、固定軸22を支点として回動(回転)自在に一端が軸支されている。この固定軸22は、振動体50の凸部51とロータ4の摺動面41との接触点(凸部51の摺動面41における接触点)Gに相当する位置に配置されている。このため、揺動レバー20は、接触点Gを回転中心として固定軸22の軸周りに回転し、支持アーム18で支持された振動体50も同様に、接触点Gを回転中心として固定軸22の軸周りに回転する。これにより、振動体50の姿勢が変更され、接触角度θが変更される。
【0101】
また、揺動レバー20の頭部202には、その頭部202の回転軌道上に沿ってガイド溝201が形成されている。この揺動レバー20のガイド溝201には、固定ネジ23が挿入(係合)され、この固定ネジ23は、ベース2上に螺合している。
この固定ネジ23を緩めると、揺動レバー20を回転させることができ、揺動レバー20を回転操作して、振動体50の姿勢を変更することにより、接触角度θを変更することができる。また、固定ネジ23を締結すると、揺動レバー20が固定され、これにより、振動体50の姿勢、すなわち、接触角度θが固定される。
【0102】
このようにして、ロータ4の摺動面41に対する振動体50の接触角度θを調整することができる。
この第7実施形態によれば、前述した第6実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この第7実施形態では、振動体50の姿勢を変更した後は、ロータ4の回転量によらず、一定の接触角度θが得られる。
なお、本実施形態では、前述した各実施形態の任意の1または2以上の構成(特徴)を付加、または置換することができる。
【0103】
(第8実施形態)
次に、本発明の駆動装置の第8実施形態について説明する。
図21は、本発明の駆動装置をチューブ用開閉装置に適用した場合の第8実施形態(開弁状態)を示す断面図、図22は、本発明の駆動装置をチューブ用開閉装置に適用した場合の第8実施形態(閉弁状態)を示す断面図である。
以下、第8実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0104】
この第8実施形態では、本発明の駆動装置をチューブ用開閉装置に用する。このチューブ用開閉装置(開閉弁機構)30の駆動系は、図21に示すように、ベース2上に回転自在に軸支されるロータ4と、このロータ4を回転駆動する振動モータ5とで構成されている。この場合、振動モータ5の駆動制御および振動体50の支持構造等は、前述した各実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0105】
ロータ4には、カム溝31が円周方向に沿って形成されている。このカム溝31には、クランクピン32が係合されている。このクランクピン32には、棒状の圧閉部材(弁体)33が連結されている。この圧閉部材33は、その先端部331がチューブWの上方に対向するように配置されている。振動モータ5の駆動によりロータ4が回転し、このロータ4の回転運動は、カム溝31を介してクランクピン32に伝達されて、圧閉部材33が昇降するように直線運動に変換される。この圧閉部材33の昇降動作により、チューブWが圧潰変形(圧閉)または元の形状に復元し、これにより、チューブW内の流路の開閉(開弁/閉弁)が行われる。
【0106】
すなわち、まず、ロータ4が図21に示す位置に位置しているときは、圧閉部材33が最高位置に位置し、チューブW内の流路は、完全に開放されている。
そして、ロータ4が図21に示す位置から時計回りの方向に回転すると、圧閉部材33が下降し、その圧閉部材33によりチューブWが圧潰変形してゆき、ロータ4が図22に示す位置まで回転すると、チューブW内の流路が閉鎖される。
【0107】
ロータ4が図22に示す位置から時計回りの方向にさらに回転すると、圧閉部材33が上昇し、チューブWが元の形状に復元してゆき、ロータ4が図21に示す位置まで回転すると、チューブW内の流路が完全に開放される。
ここで、図22に示すように、圧閉部材33が最下位置まで下降し、チューブW内の流路が閉鎖されたとき、振動モータ5を構成する振動体50によるロータ4の摺動面41に対する押圧力が最大となるか、または、振動体50の接触角度θが最小となるように構成する。
【0108】
そして、図21に示すように、圧閉部材33が最高位置まで上昇し、チューブW内の流路が完全に開放されたとき、振動モータ5を構成する振動体50によるロータ4の摺動面41に対する押圧力が最小となるか、または、振動体50の接触角度θが最大となるように構成する。
これにより、圧閉部材33が下降してチューブW内の流路が閉鎖されるとき、およびその前後において、前記押圧力が大きく、または、前記接触角度θが小さくなり、前述したように、高い駆動トルクが得られ、チューブW内の流路を確実に閉鎖することができる。
【0109】
また、圧閉部材33が上昇してチューブW内の流路が完全に開放されるとき、およびその前後において、前記押圧力が小さく、または、前記接触角度θが大きくなり、前述したように、ロータ4の回転速度が高くなり、圧閉部材33が高速で移動する。
このように、本実施形態によれば、チューブW内の流路の開閉を迅速かつ確実に行うことができる。
【0110】
また、本実施形態では、図21に示すように、チューブW内の流路の開放(開弁)時に、カム溝31におけるロータ回転中心Pからの半径方向の長さrが長い部位r1にクランクピン32が位置し、図22に示すように、チューブW内の流路の閉鎖(閉弁)時に、カム溝31におけるロータ回転中心Pからの半径方向の長さrが短い部位r2にクランクピン32が位置するように、諸条件が設定される。
これにより、チューブW内の流路の閉鎖時に、圧閉部材33に対し、振動モータ5からより大な力を与えることができ、チューブW内の流路をより確実に閉鎖することができる。
【0111】
(第9実施形態)
次に、本発明の駆動装置をチューブポンプに適用した場合の第9実施形態について説明する。
第9実施形態では、本発明の駆動装置をチューブポンプ(ローラポンプ)に適用する。
以下、第9実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0112】
この第9実施形態のチューブポンプ(ローラポンプ)の駆動系は、ベース上に回転自在に軸支されるロータと、このロータを回転駆動する振動モータとで構成されている。チューブポンプは、前記ロータの回転により公転(回転)する2つのローラ(圧閉部)を有し、この2つのローラの公転によって、チューブを圧閉しつつ、しごくことにより、流体の移送(送液や送気)を行う。
そして、2つのローラが共にチューブを圧閉するときは、負荷が大きいので、前述した押圧力が大きく、または、前述した接触角度が小さくなり、1つのローラのみがチューブを圧閉するときは、負荷が小さいので、前述した押圧力が小さく、または、前述した接触角度が大きくなるように構成する。
【0113】
これにより、負荷が大きいとき(2つのローラが共にチューブを圧閉するとき)でもチューブを確実に圧閉することができるとともに、負荷が少ないときは、チューブポンプを高速で駆動すること(ロータを高速で回転させてローラを高速で公転させること)ができる。すなわち、流体の移送を確実に行うことができるとともに、移送可能な量を多くすることができる。
【0114】
以上、本発明の駆動装置およびチューブポンプを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、振動モータの個数は、1個であったが、本発明では、振動モータの個数は、2個以上であってもよい。
また、本発明の駆動装置の用途は、前述したチューブ用開閉装置やチューブポンプには限定されず、あらゆる装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の駆動装置の第1実施形態を示す平面図。
【図2】 図1中のI−I線での断面図。
【図3】 ロータを示す平面図。
【図4】 ロータの半径方向の長さと押圧力との関係を示すグラフ。
【図5】 駆動トルクと回転数(回転速度)との関係特性を示すグラフ。
【図6】 振動モータを構成する振動体を示す斜視図。
【図7】 図6中のII−II線での断面図。
【図8】 ロータを正転方向に駆動する振動体の励振状態を示す説明図。
【図9】 ロータを逆転方向に駆動する振動体の励振状態を示す説明図。
【図10】 振動体を駆動制御する回路構成を示すブロック図。
【図11】 本発明の駆動装置の第2実施形態を示す平面図。
【図12】 本発明の駆動装置の第3実施形態を示す平面図。
【図13】 図12中のIII−III線での断面図。
【図14】 本発明の駆動装置の第4実施形態を示す平面図。
【図15】 本発明の駆動装置の第5実施形態を示す平面図。
【図16】 本発明の駆動装置の第6実施形態を示す平面図。
【図17】 振動体の接触角度の変化を示す説明図。
【図18】 駆動トルクと回転数(回転速度)との関係特性を示すグラフ。
【図19】 本発明の駆動装置の第7実施形態を示す平面図。
【図20】 図19中のIV−IV線での断面図。
【図21】 本発明の駆動装置の第8実施形態(開弁状態)を示す断面図。
【図22】 本発明の駆動装置の第8実施形態(閉弁状態)を示す断面図。
【符号の説明】
1…駆動装置、2…ベース、2a…ガイド孔、3…回転軸、4…ロータ(回転体)、41…摺動面、42…段差部、5…振動モータ、50…振動体、51…凸部、52a〜52d…第1の電極、53…第1の圧電素子、54…補強板、55…第2の圧電素子、56a〜56d…第2の電極、57…第1のグループ電極、58…第2のグループ電極、6…バネ部材、7…ロータリエンコーダ、71…スリット回転板、72…センサ、8…スイッチング回路、80A…第1の切換スイッチ部、80B…第2の切換スイッチ部、81…端子、82、83…切換端子、84…端子、85、86…切換端子、9…駆動回路、91…発振回路、92…増幅回路、93…回転量制御回路、10…凹陥部、11…調整機構、13…スプリング、14…調整ネジ、15…移動体、16…摺動面、17…固定軸、18…支持アーム、181…一端部、182…他端部、19…固定ピン、20…揺動レバー、201…ガイド溝、202…頭部、21…ピン、22…固定軸、23…固定ネジ、30…チューブ用開閉装置、31…カム溝、32…クランクピン、33…圧閉部材、331…先端部、W…チューブ

Claims (6)

  1. 回転方向に沿って回転中心からの半径が変化し非円形の摺動面を有するロータと、
    圧電素子を有し、前記圧電素子への電圧の印加により励振する振動体と、
    前記振動体を前記ロータの前記摺動面に押圧し、前記ロータの半径の変化に伴い押圧力が変化する加圧手段とを備え
    前記加圧手段は、前記ロータの回転に応じて前記ロータと前記振動体との接触角度を変更することを特徴とする駆動装置。
  2. 回転方向に沿って回転中心からの半径が変化し非円形の摺動面を有するロータと、
    圧電素子を有し、前記圧電素子への電圧の印加により励振する振動体と、
    前記振動体を前記ロータの前記摺動面に押圧し、前記ロータの半径の変化に伴い押圧力が変化する加圧手段とを備え、
    前記ロータは、回転方向に沿って半径が漸増し、半径が小さい小径部位と半径が大きい大径部位との境界に段差部を有することを特徴とする駆動装置。
  3. 環状形状をなし、内周面に回転中心からの半径が変化し非円形の摺動面を有するロータと、
    圧電素子を有し、前記圧電素子への電圧の印加により励振する振動体と、
    前記振動体を前記ロータの前記摺動面に押圧し、前記ロータの半径の変化に伴い押圧力が変化する加圧手段とを備えることを特徴とする駆動装置。
  4. 前記加圧手段は、前記ロータの回転に応じて前記ロータと前記振動体との接触角度を変更する請求項2または3に記載の駆動装置。
  5. 長尺状をなし、移動方向に沿って厚さが変化した摺動面を有する移動体と、
    圧電素子を有し、前記圧電素子への電圧の印加により励振する振動体と、
    前記振動体を前記移動体の前記摺動面に押圧し、前記移動体の厚さの変化に伴い押圧力が変化する加圧手段とを備えることを特徴とする駆動装置。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の駆動装置を備えることを特徴とするチューブポンプ。
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