JP2004312814A - 稼働装置および電気機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】機器全体を小型化できる稼働装置および電気機器を提供すること。
【解決手段】この稼働装置は、ネジ溝43を有するベース4と、ネジ部52を有すると共に、このネジ部52にてベース4のネジ溝43に対して回転可能に螺合される被駆動体5とを有する。また、稼働装置は、交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部66および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層して成ると共に、ベース4に対して固定設置される振動体6を有する超音波モータとを備える。そして、被駆動体5が、振動体6から動力を伝達されて回転し、ネジ溝43とネジ部52との螺合によりその回転軸方向に変位する。
【選択図】図3
【解決手段】この稼働装置は、ネジ溝43を有するベース4と、ネジ部52を有すると共に、このネジ部52にてベース4のネジ溝43に対して回転可能に螺合される被駆動体5とを有する。また、稼働装置は、交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部66および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層して成ると共に、ベース4に対して固定設置される振動体6を有する超音波モータとを備える。そして、被駆動体5が、振動体6から動力を伝達されて回転し、ネジ溝43とネジ部52との螺合によりその回転軸方向に変位する。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、稼働装置および電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、超音波モータによりカメラレンズの移動機構を駆動する稼働装置が知られている。かかる技術としては、特許文献1に記載される技術が知られている。
しかしながら、前記特許文献1に記載されている稼働装置では、棒状の超音波モータ等の大型モータにより、被駆動体の駆動機構を構成していたので、機器全体が大型化するという問題点があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−11636号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機器全体を小型化できる稼働装置および電気機器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の稼働装置は、ベースと、
前記ベースに対して回転可能に設けられた被駆動体と、
交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層してなり、前記ベースに対して固定設置され、前記被駆動体を回転させる平面構造の振動体を有する超音波モータと、
前記被駆動体の回転運動を、前記振動体の面外方向の直線運動に変換し、該被駆動体をその直線方向に変位させる変換機構とを備えることを特徴とする。
【0006】
これにより、被駆動体の回転運動を、振動体の面外方向の直線運動に変換できる利点がある。
また、この超音波モータは、圧電素子と補強板とを積層した構造を有するので、薄型である。したがって、被駆動体の駆動系を薄型に構成できるので、稼働装置を小型化できる利点がある。
そして、特に、振動体は、交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子と、接触部および腕部が一体的に形成された補強板と、交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子とをこの順に積層してなるので、低い電圧で大きな駆動力および高い駆動速度とが得られ、また、面内方向の伸縮を利用して駆動するので、駆動効率を極めて高くすることができる。
【0007】
本発明の稼働装置は、ベースと、
前記ベースに対して回転可能に設けられた被駆動体と、
交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層してなり、前記ベースに対して固定設置され、前記被駆動体を回転させる振動体を有する超音波モータと、
前記被駆動体の回転運動を、その回転軸方向の成分を有する直線運動に変換し、該被駆動体をその直線方向に変位させる変換機構とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、被駆動体の回転運動を、その回転軸方向の成分を有する直線運動に変換できる利点がある。
また、この超音波モータは、圧電素子と補強板とを積層した構造を有するので、薄型である。したがって、被駆動体の駆動系を薄型に構成できるので、稼働装置を小型化できる利点がある。
そして、特に、振動体は、交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子と、接触部および腕部が一体的に形成された補強板と、交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子とをこの順に積層してなるので、低い電圧で大きな駆動力および高い駆動速度とが得られ、また、面内方向の伸縮を利用して駆動するので、駆動効率を極めて高くすることができる。
【0009】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体に設けられた光学系と、前記ベースに設けられた撮像素子とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記直線方向に向けて配置されるのが好ましい。
これにより、被駆動体の変位により光学系が移動して撮像素子との距離が変化し、フォーカスが調整される。
【0010】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体に設けられた撮像素子と、前記ベースに設けられた光学系とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記直線方向に向けて配置されるのが好ましい。
これにより、被駆動体の変位により撮像素子が移動して光学系との距離が変化し、フォーカスが調整される。
【0011】
本発明の稼働装置は、第1ネジ部を有するベースと、
第2ネジ部を有し、該第2ネジ部にて前記ベースの第1ネジ部に対して回転可能に螺合される被駆動体と、
交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層してなり、前記ベースに対して固定設置される振動体を有する超音波モータとを備え、
前記被駆動体が、前記振動体から動力を伝達されて回転し、前記第1ネジ部と前記第2ネジ部との螺合によりその回転軸方向に変位することを特徴とする。
【0012】
これにより、被駆動体の回転運動を、回転軸方向の運動に変換できる利点がある。
また、この超音波モータは、圧電素子と補強板とを積層した構造を有するので、薄型である。したがって、被駆動体の駆動系を薄型に構成できるので、稼働装置を小型化できる利点がある。
そして、特に、振動体は、交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子と、接触部および腕部が一体的に形成された補強板と、交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子とをこの順に積層してなるので、低い電圧で大きな駆動力および高い駆動速度とが得られ、また、面内方向の伸縮を利用して駆動するので、駆動効率を極めて高くすることができる。
【0013】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体に設けられた光学系と、前記ベースに設けられた撮像素子とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記被駆動体の回転軸方向に向けて配置されるのが好ましい。
これにより、被駆動体の変位により光学系が移動して撮像素子との距離が変化し、フォーカスが調整される。
【0014】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体に設けられた撮像素子と、前記ベースに設けられた光学系とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記被駆動体の回転軸方向に向けて配置されるのが好ましい。
これにより、被駆動体の変位により撮像素子が移動して光学系との距離が変化し、フォーカスが調整される。
【0015】
本発明の稼働装置では、前記振動体が、中間機構を介して前記被駆動体を回転させるのが好ましい。
これにより、振動体と被駆動体との配置構成の自由度を高められる利点がある。
本発明の稼働装置では、前記中間機構が、減速機構であるのが好ましい。
これにより、被駆動体を大きなトルクで駆動できる利点がある。
【0016】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体が、周面を備えた被接触部を有し、該被接触部にて直接的に前記接触部に接触して前記振動体から動力を伝達されるのが好ましい。
本発明の稼働装置では、前記振動体と前記被駆動体との間に介在し、前記接触部に接触する被接触部を有し、
前記振動体が、前記被接触部を介して前記被駆動体に動力を伝達するのが好ましい。
本発明の稼働装置では、前記被接触部は、回転可能に設けられたロータであるのが好ましい。
【0017】
本発明の稼働装置では、前記振動体が平面構造を有し、かつ、前記被接触部および前記振動体が略同一平面上に配置されるのが好ましい。
この発明では、被接触部および前記振動体が、同一平面上に配置されるので、被駆動体の駆動機構を平面的に構成できる利点がある。特に、振動体が平面構造を有する場合には、この駆動機構をさらに薄型化できるので、装置全体を小型化(薄型化)できる利点がある。
【0018】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体と前記振動体とが、前記ベースの異なる面上に配置されており、
前記振動体からの動力を前記被駆動体に伝達する中間機構を有するのが好ましい。
本発明の電気機器は、本発明の稼働装置を有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の稼働装置および電気機器(電子機器)を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態にかかる稼働装置を示す斜視図である。図2は、図1に記載した稼働装置を示す平面図である。図3は、図2に記載した稼働装置を示すA−A視断面図である。この稼働装置1は、ベース4と、被駆動体5と、振動体6とを含み構成される。ベース4は、板状部41の平面上に円筒部42を設けた形状を有する。また、ベース4は、円筒部42の内壁面にネジ溝(第1ネジ部)43を形成される。ネジ溝43は、板状部41の平面に対して、軸方向を略垂直に向けて形成される。また、ベース4は、円筒部42の底部に撮像素子(固体撮像素子)22を配置される。この撮像素子22は、例えば、イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)である。稼働装置1は、このベース4にて取付台や壁面等(図示省略)の所定の位置に固定設置される。なお、被駆動体5は、板状部41の内部にデータ処理用のICチップ(図示省略)を有する。
【0021】
被駆動体5は、略円筒形状を有し、内部に光学系21を配置される。この光学系21は、この稼働装置1ではレンズまたはレンズ群であるが、これに限らず、例えば、ピンホールであってもよい。この光学系21とベース4の撮像素子22とは、稼働装置1の撮像ユニットを構成する。また、被駆動体5は、周面の下方部分にネジ部(第2ネジ部)52が形成されると共に、このネジ部52にてベース4のネジ溝43に螺合される。ただし、被駆動体5は、ベース4に対して緩めに螺合されて、外部からの摩擦接触により容易に回転できる。また、被駆動体5は、ベース4に設置された状態にて、光学系21をベース4の撮像素子22に対向させる。ここで、光学系21および撮像素子22は、その光軸が被駆動体5の回転軸方向に沿うように配置される。なお、ベース4および被駆動体5の形状および結合構造は、この第1実施形態の形状に限定されず、稼働装置1の機能に応じて当業者自明の範囲内にて適宜設計変更して良い。
【0022】
振動体6は、略長方形状を有する薄型の板状形状を有し、その長辺の側部に腕部68を有する。振動体6は、ベース4の板状部41に対して、その平面を略平行に向けつつ僅かに浮かせた状態で配置される(図3参照)。これにより、振動体6は、その振動方向を、ベース4の平面方向に向ける。また、振動体6は、ベース4の板状部41に対して、その腕部68にてボルト13を介して固定設置される。また、振動体6は、その短辺の側部に接触部66を有する。振動体6は、この接触部66にて、被駆動体5の周面に接触する。なお、この接触部66が接触する部分もしくは部材を、以下、被接触部と呼び符号51を付す。この第1実施形態では、被駆動体5の上方部分が被接触部51となる。また、振動体6は、接触部66の先端部を、被接触部51(被駆動体5)の半径方向からその周面に当接する。このとき、振動体6は、接触部66を、腕部68の弾性により、被接触部51の側面に対して弾性的に付勢する。これにより、接触部66と被接触部51との間に十分な摩擦力が形成され、振動体6の振動が被接触部51に対して確実に伝達される。また、振動体6は、外部の通電回路(図示省略)に接続されて、その駆動を制御される。そして、振動体6および通電回路は、この稼働装置1を駆動する超音波モータとして機能する。なお、この振動体6の詳細な構成および機能については、後述する。
【0023】
図4は、この第1実施形態にかかる稼働装置の作用を示す説明図である。この稼働装置1において、振動体6は、外部の通電回路から高周波数の交流電流を印加されて高速で伸縮運動し、その接触部66を被接触部51の周面に高速かつ反復的に衝突させる。すると、振動体6側がベース4に固定されているので、接触部66と被接触部51との摩擦接触により、被接触部51が所定方向に回転する。すると、被駆動体5全体が回転してベース4のネジ溝43により送られ、その回転にかかる軸方向、すなわち、ベース4の平面に対して垂直成分を有する方向に変位する。これにより、光学系21と撮像素子22との距離が変化して、撮像ユニットのフォーカスが調整される。
なお、前記ネジ部およびネジ溝43により、被駆動体5の回転運動を、振動体6の面外方向の直線運動(回転軸方向の成分を有する直線運動)に変換し、被駆動体5をその直線方向に変位させる変換機構が構成される。
【0024】
このように、この稼働装置1では、振動体6の駆動により被駆動体5を変位させて、撮像ユニットのフォーカスを任意に調整できるので、特に、フォーカス調整機能を要する電気機器に適用される場合に好ましい。また、被駆動体5の回転方向は、振動体6への交流電流の入力パターンの選択により、任意に変更可能である。これにより、正逆の両方向に被駆動体5を変位させて、フォーカスを遠近両方向に調整できる利点がある。特に、この振動体6は、印加電流の調整により、その駆動量の微調整が可能である。したがって、振動体6の駆動制御により被駆動体5を微少変位させ得るので、撮像ユニットのフォーカスを微調整できる利点がある。なお、振動体6の駆動パターンについては後述する。
【0025】
この稼働装置1によれば、ベース4の平面方向にかかる振動体6の振動により、被駆動体5をベース4の平面に対して垂直成分を有する方向に変位させ得る利点がある。また、被駆動体5の駆動部として薄板構造の振動体6を用いるので、装置全体を薄型化および小型化できる利点がある。また、振動体6が薄板構造を有するので、被駆動体5の駆動部(振動体6)を薄型かつ平面的に構成できる。これにより、稼働装置1全体を小型(薄型)に構成できる利点がある。また、この稼働装置1では、被駆動体5および振動体6がベース4上に配置されるので、その組み立てが容易である。
【0026】
なお、この第1実施形態において、稼働装置1は、撮像ユニット(光学系21および撮像素子22)を有する撮像装置であり、例えば、デジタルカメラ、携帯電話用カメラ、監視カメラ、テレビ電話、カメラ付パーソナルコンピュータその他の電気機器に適用される。特に、この稼働装置1は、振動体6の駆動制御により撮像ユニットのフォーカスを微調整できるので、かかる微調整が要求される電気機器に好適である。
【0027】
図5は、図1に記載した振動体を示す斜視図である。図6および図7は、図5に記載した振動体の動作を示す説明図である。この振動体6は、単一の補強板63を中心に配置し、この補強板63を一対の圧電素子62、64で挟み込み、これらを積層して構成される。また、振動体6は、電極61a〜61dと、電極65a〜65d(図示省略。各符号のみを括弧内に示す。)とを、その表裏の所定の位置に配置される。
【0028】
補強板63は、略長方形の板状構造を有し、その厚みが各圧電素子62、64より薄い。これにより、振動体6を高い効率で振動させ得る利点がある。また、補強板63は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅系合金その他の金属材料から成る。ただし、補強板63の構成材料は、これに限定されない。補強板63は、振動体6全体を補強する機能を有し、過振幅や外力等による振動体6の損傷を防止する。また、補強板63は、圧電素子62、64間にて、これらを導通させる共通の電極として機能する。
【0029】
圧電素子62、64は、補強板63と略合同な長方形の板状構造を有する。圧電素子62、64は、相互に対向して補強板63を表裏から挟み込み、補強板63に対して平面位置を揃えて積層される。また、圧電素子62、64は、補強板63に対して固着され、一体化されて単一構造物を構成する。これにより、振動体6の強度を向上できる利点がある。また、圧電素子62、64は、電圧の印加により伸縮可能な材料から成る。かかる材料としては、例えば、チタン酸ジルコニウム酸鉛、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等がある。
【0030】
電極61a〜61d、65a〜65dは、短冊状の金属部材から成り、圧電素子62、64上の所定の位置に設置される。ここで、これらの電極は、圧電素子62、64の長辺に対して略半分の長さを有し、各圧電素子62、64上の長辺側の縁部に沿って、長手方向にそれぞれ2枚ずつ並べて配置される。これにより、電極61a〜61d、65a〜65dは、各圧電素子62、64上にそれぞれ4枚ずつ並べられ、各圧電素子62、64の長手方向の中心線および幅方向の中心線に対して相互に対称に位置する(図5参照)。また、電極61f、65fは、圧電素子62、64の長辺に対して略同一の長さを有し、各圧電素子62、64の長手方向の中心線上に配置される。
【0031】
ここで、電極61a〜61dと、電極65a〜65dとは、振動体6の表裏にて相互に対向して配置される。図5中にて、括弧書きにて付した符号は、振動体6を挟み相互に対向する電極であることを示している。また、各圧電素子62、64上にて対角線を構成する電極61aおよび電極61cの組、ならびに、電極65aおよび電極65cの組とは、それぞれ各組内にて導通され、外部の通電回路に接続される。同様に、電極61bおよび電極61dの組、ならびに、電極65bおよび65dの組も、それぞれ各組内にて導通され、外部の通電回路に接続される。これにより、電極61a〜61d、65a〜65dは、通電回路からの電圧の印加により、これらの組み合わせにて通電する。なお、いずれの組み合わせにより通電させるかは、後述する通電回路の構成により、任意に選択できる。
【0032】
また、振動体6は、一方の短辺の中央、すなわち、長手方向の先端部の中央に、接触部66を有する。この接触部66は、補強板(振動板)63に対して単一部材により一体的に形成される。すなわち、本実施形態では、接触部66が、振動体6の短辺の一部に突出した凸部により形成される。これにより、接触部66を振動体6に対して強固に設置できる利点がある。特に、接触部66は、稼働装置1の稼働時にて、振動体6の振動により高速かつ反復的に、高い押圧力にて被接触部51に衝突する。したがって、かかる構成により、接触部66の耐久性を高め得る利点がある。また、接触部66は、半円形状の先端部を有する(図5参照)。かかる接触部66は、角形の先端部を有する場合と比較して、被接触部51の側面に安定的に摩擦接触する。これにより、振動体6の作用方向が多少ずれた場合にも、振動体6からの押圧力を確実に被接触部51に伝達できる利点がある。
【0033】
また、振動体6は、一方の長辺の中央、すなわち、長手方向の側部中央に、長辺に対して略垂直に突出する腕部68を有する。この腕部68は、補強板63に対して単一部材により一体的に形成される。これにより、腕部68を振動体6に対して強固に設置できる利点がある。振動体6は、腕部68の先端に設けられた孔681にボルト13を挿入され、このボルト13によりベース4に対して固定設置される。また、振動体6は、腕部68によりベース4の内壁面に対して浮上した状態で支持される(図2参照)。かかる構成では、振動体6とベース4との摩擦がないので、振動体6の振動が拘束され難く、振動体6の自由な振動を実現できる利点がある。また、腕部68は、補強板63が金属材料から成るので、弾性を有する。振動体6は、この弾性により接触部66を被接触部51の側面に付勢し、この状態にて腕部68により支持される。また、振動体6の補強板63は、この腕部68にてアース(接地)されている。
【0034】
ここで、腕部68は、振動体6の側方であって、振動体6の振動の節となる位置に設けられる。この位置は、振動解析その他公知の手法により当業者自明の範囲内にて適宜決定してよい。例えば、この稼働装置1のように、電極61a〜61d、65a〜65dが、振動体6の長手方向および幅方向に対称に設けられる場合には、この振動体6の長手方向の略中央付近が振動の節となる。そこで、この稼働装置1では、腕部68を振動体6の長辺の略中央に設ける。すると、振動体6の振動時にて、腕部68が振動体6の振動を阻害しないので、腕部68から外部への振動エネルギーの消散を抑制できる。これにより、被接触部51を効率的に駆動できる利点がある。
【0035】
図6および図7は、図5に記載した振動体の動作を示す説明図である。図6は、被接触部が図中の反時計回りに回転する場合を示し、図7は、被接触部が図6に示す方向とは逆方向に回転する場合を示している。
図6に示す状態では、まず、振動体6が、外部の通電回路(図示省略)から交流電圧を印加される。すると、振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、65aおよび65cが通電され、これらの電極と補強板63との間に交流電圧が印加される。圧電素子62、64は、この交流電圧により、電極が設置された部分にて、高速かつ反復的に部分的に伸縮する。ここで、圧電素子62、64は、電極61a、61c、65aおよび65cの設置部分にて、図中の矢印aの方向に伸縮する。これにより、振動体6は、全体として略S字状に屈曲した微少振動を行う。この振動により、振動体6の接触部66は、図中の矢印bで示す方向に往復運動するか、もしくは、図中の矢印cで示す方向に楕円運動する。被接触部51は、この運動により接触部66から押圧力を受ける。具体的には、被接触部51は、接触部66の振動変位Sの径方向成分S1(被接触部51の径方向の変位)により、接触部66と外周面511との間に摩擦力を受け、また、振動変位Sの周方向成分S2(被接触部51の円周方向の変位)により、図中の反時計回りの回転力を受ける。そして、被接触部51は、この押圧力を高速かつ反復的に接触部66から受けて、図中の反時計回りに回転する。
【0036】
一方、図7に示す状態では、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dが通電される。すなわち、図6に示す状態とは対称に、電極が通電される。すると、図6に示す状態と対称に振動体6が振動し、被接触部51が接触部66により押圧力を受けて、図中の時計回りに回転する。したがって、通電パターンの選択により、被接触部51を時計回りおよび反時計回りの双方向に駆動できる利点がある。なお、図7に示す状態では、通電されない他の電極61a、61c、65aおよび65cが、振動体6の振動を検出する振動検出手段を構成する。
【0037】
図8は、図1〜図7に記載した振動体の通電回路を示すブロック図である。この通電回路20は、駆動回路8と、スイッチ9とを含み構成される。通電回路20は、振動体6に交流電圧を印加して振動体6を駆動する。また、通電回路20は、通電パターンを切換えて振動体6の振動モードを切り換える機能と、振動体6から電圧を検出して振動をフィードバック制御する機能とを有する。
【0038】
駆動回路8は、発振回路81と、増幅回路82と、回転量制御回路83とを含み構成される。この駆動回路8では、発振回路81が交流電圧を出力し、増幅回路82がこの交流電圧を増幅して、振動体6に印加する。回転量制御回路83は、発振回路81および増幅回路82を制御し、被接触部51の回転量が指示された目標値となるように、振動体6に印加される交流電圧を調整する。
【0039】
スイッチ9は、交流電圧を印加される電極と、振動検出手段を構成する電極とを切り換え、これにより、被接触部51の回転方向を切り換える。このスイッチ9は、連動する2つのスイッチ部91および92を有しており、端子97を振動体6の電極61dに接続され、端子98を電極61aに接続される。また、スイッチ9は、端子93、96をそれぞれ増幅回路82の出力側に接続され、各端子93、96を介して、増幅回路82から交流電圧を印加される。また、スイッチ9は、端子94、95をそれぞれ発振回路81の入力側に接続される。
【0040】
この通電回路20において、まず、被接触部51の駆動にあたり、被接触部51の回転量(回転回数や回転角度)を回転量制御回路83に入力する。そして、被接触部51を図8中の反時計回り(正方向)に回転させる場合には、スイッチ9を切り換えて、端子94と端子97とを接続すると共に、端子96と端子98とを接続する。すると、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cが、増幅回路82の出力側に導通される。これにより、振動体6の圧電素子62、64に交流電圧が印加されて、振動体6が縦振動および屈曲振動し、被接触部51が接触部66に叩かれて図8中の反時計回りに回転する。
【0041】
また、この状態では、他の電極61b、61d、65bおよび65dが、駆動回路8の発振回路81の入力側に導通される。これらの電極は、振動体6の駆動時にて検出電極となり、通電された電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)を検出する。発振回路81は、検出された誘起電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、被接触部51を効率良く移動させ得る利点がある。また、回転量制御回路83は、被接触部51の回転量が指示された目標値になるまで発振回路81および増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動して被接触部51を回転させる。
【0042】
一方、被接触部51を図8中の時計回り(逆方向)に回転させる場合には、スイッチ9を切り換えて、端子93と端子97とを接続すると共に、端子95と端子98とを接続する。すると、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dが、増幅回路82の出力側に導通される。これにより、被接触部51が図8中の反時計回りに回転する。また、この状態では、他の電極61a、61c、65aおよび65cが駆動回路8の発振回路81の入力側に導通され、検出電極として機能する。なお、これらの作用については、被接触部51を反時計回りに回転させる場合と同様なので、その記載を省略する。
【0043】
この稼働装置1によれば、振動体6が薄型の板状形状を有するので、機器全体を薄型化し、また小型化できる利点がある。特に、電気光学機器の分野では、近年、薄型化および小型化に対する要請が極めて強く、当業者がこれに多額の研究開発費を投じる傾向にある。この点において、この振動体6により駆動部を構成された稼働装置1は、極めて有用である。また、振動体6が摩擦力(押圧力)により被接触部51を駆動するので、磁力により駆動されるモータと比較して、高い駆動トルクおよび効率を得られる利点がある。これにより、変速機構(減速機構)を介すことなく、被接触部51を十分な力で駆動できる利点がある。
【0044】
また、この稼働装置1によれば、振動体6の電気ノイズが、磁力により駆動されるモータと比較して極めて小さいので、電気ノイズにより周辺機器が受ける影響を低減できる利点がある。また、変速機構を要しないので、エネルギー損失が少ないという利点もある。また、被接触部51を振動体6で直接駆動し、別途減速機構を設ける必要がないので、機器を軽量化、小型化および薄型化できる利点がある。また、これにより、構造を極めて簡素化できると共に、製品を容易に製造できるので、製造コストを低減できる利点がある。
【0045】
また、この稼働装置1によれば、振動体6の面内振動を被接触部51の回転に直接変換できるので、変換に伴なうエネルギー損失を低減して高い駆動効率を得られる利点がある。また、被接触部51の停止状態にて、振動体6の接触部66が摩擦接触状態にて被接触部51に付勢するので、被接触部51の回転を抑制して、被接触部51を停止位置に安定的に保持できる利点がある。また、単一の振動体6で被接触部51を正逆の両方向に駆動させ得るので、駆動方向毎に専用の振動体を設ける場合と比較して、部品点数を低減できる利点がある。
【0046】
(第2実施形態)
次に、この稼働装置1の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の稼働装置の第2実施形態における振動体の斜視図であり、図10は、本発明の稼働装置の第2実施形態における回路構成を示すブロック図である。
以下、第2実施形態の稼働装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0047】
第2実施形態の稼働装置1は、被接触部51を停止状態に維持、すなわち、被駆動体5を停止状態に維持する第1のモードと、被接触部51の回転を可能(被接触部51をフリー状態)、すなわち、被駆動体5の移動を可能(被駆動体5をフリー状態)にする第2のモードと、被接触部51を正方向に回転させる第3のモードと、被接触部51を逆方向に回転させる第4のモードとを有しており、各電極への通電パターンの選択により振動体6の振動パターンを変更して、第1のモードと、第2のモードと、第3のモードと、第4のモードとのいずれかを選択し得るよう構成されている。以下、具体的に説明する。
【0048】
図9に示すように、振動体6は、圧電素子62の図9中上側に、板状の5つの電極61a、61b、61c、61dおよび61eが設置され、圧電素子64の図9中下側に、板状の5つの電極65a、65b、65c、65dおよび65e(図9中、電極65a、65b、65c、65dおよび65eは、図示せず、各符号のみを括弧内に示す)が設置されている。
【0049】
すなわち、圧電素子62を4つの長方形の領域にほぼ等しく分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極61a、61b、61cおよび61dが設置され、同様に、圧電素子64を4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極65a、65b、65cおよび65dが設置されている。
【0050】
そして、圧電素子62の中央部に長方形状をなす電極61eが設置され、同様に、圧電素子64の中央部に長方形状をなす電極65eが設置されている。各電極61eおよび65eは、それぞれ、その長手方向(長辺の方向)と振動体6の長手方向(長辺の方向)とが略一致するように配置されている。これら電極61eおよび65eは、それぞれ、検出電極であり、電極61eおよび65eと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)、すなわち、振動体6の振動の長手方向の成分(縦振動成分)により誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。また、前記電極61eおよび65eは、それぞれ、第2のモードで用いられる。
なお、電極61a、61b、61c、61dおよび61eの裏側に、それぞれ、電極65a、65b、65c、65dおよび65eが配置されている。
【0051】
一方の対角線上の電極61aおよび61cと、これらの裏側に位置する電極65aおよび65cとは、すべて電気的に接続され、同様に、他方の対角線上の電極61bおよび61dと、これらの裏側に位置する電極65bおよび65dとは、すべて電気的に接続されている。また、同様に、中央部の電極61eと、この裏側に位置する電極65eとは、電気的に接続(以下、単に「接続」と言う)されている。
【0052】
図10に示すように、第2実施形態の稼働装置1の通電回路20は、発振回路81、増幅回路82および回転量制御回路83を備えた駆動回路8と、スイッチ9と、スイッチ16とを有している。
スイッチ9は、通電する電極と、振動検出手段として利用する電極とを切り替える切替手段であり、スイッチ9の切り替えにより、被接触部51の回転方向を切り替える。
【0053】
このスイッチ9は、連動する2つのスイッチ部91および92を有しており、振動体6の電極61dは、スイッチ部91の端子97に接続され、電極61aは、スイッチ部92の端子98に接続されている。
そして、スイッチ部91の端子93およびスイッチ部92の端子96は、それぞれ、駆動回路8の増幅回路82の出力側に接続されており、増幅回路82から各端子93および96に、それぞれ交流電圧が印加されるようになっている。
また、振動体6の補強板63は、アース(接地)されている。
また、スイッチ部91の端子94およびスイッチ部92の端子95は、それぞれ、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
【0054】
スイッチ16は、連動する2つのスイッチ部161および162を有している。
スイッチ部161の端子163は、スイッチ9の端子94および95に接続されており、端子164は、振動体6の電極61eに接続されている。
そして、スイッチ部161の端子167は、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
【0055】
また、スイッチ部162の端子166は、スイッチ9の端子98および振動体6の電極61aに接続されており、端子168は、スイッチ9の端子97および振動体6の電極61dに接続されている。
なお、駆動回路8については、前述した第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0056】
次に、各モードについて説明する。
第1のモードでは、振動体6に対し、励振しない。すなわち、振動体6のいずれの電極へも通電しない。この場合は、振動体6の接触部66が被接触部51に圧接し、接触部66と被接触部51との摩擦力により、被接触部51を停止状態に維持し、これにより、被駆動体5を停止状態に維持することができる。すなわち、被駆動体5が移動するのを阻止し、被駆動体5を所定の位置に保持することができる。
【0057】
また、第2のモードでは、被接触部51の外周面511における接触部66の当接位置での接線に対して略垂直な方向の振動を励振する。すなわち、振動体6の両対角線上の電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dに通電し、これらの電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、振動体6は、長手方向(長辺の方向)に繰り返し伸縮、すなわち、長手方向に微小な振幅で振動(縦振動)する。換言すれば、振動体6の接触部66は、長手方向(長辺の方向)に振動(往復運動)する。
【0058】
被接触部51は、振動体6が収縮するときに、接触部66から離間してその接触部66との間の摩擦力が無くなるか、または、前記摩擦力が減少し、フリー状態となり、図10中の反時計回りおよび時計回りのいずれの方向にも自由に回転することができ、これにより、被駆動体5は、自由に移動することができる。一方、振動体6が伸張するときは、被接触部51は、接触部66から押圧力を受けるが、その方向は、前記接線に対して略垂直な方向であるので、被接触部51は、図10中の反時計回りおよび時計回りのいずれの方向にも回転せず、被駆動体5は、移動しない。
従って、振動体6の振動により、被接触部51、すなわち、被駆動体5は、フリー状態となり、両方向に自由に移動することができる。
【0059】
また、第3のモードでは、少なくとも被接触部51の回転方向正方向の振動変位成分(図4に示す周方向成分S2)を有する振動を励振する。すなわち、振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、65aおよび65cに通電し、これらの電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、第1実施形態で述べたように、被接触部51は、図10中の反時計回り(正方向)に回転する。この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61b、61d、65bおよび65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
【0060】
また、第4のモードでは、少なくとも被接触部51の回転方向逆方向の振動変位成分(図5に示す周方向成分S2)を有する振動を励振する。すなわち、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65dに通電し、これらの電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、第1実施形態で述べたように、被接触部51は、図10中の時計回り(逆方向)に回転する。この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
【0061】
次に、図10に基づいて、稼働装置1の作用を説明する。
電源スイッチがオンの状態において、被接触部51(被駆動体5)の停止/フリーの指示や、被接触部51の回転方向および回転量(被接触部51の回転回数や回転角度)の指示があると、それに基づいて、スイッチ9、16および駆動回路8の回転量制御回路83が作動する。すなわち、前記第1のモード、第2のモード、第3のモードおよび第4のモードのいずれかに設定される。
【0062】
被接触部51を図10中の反時計回り(正方向)に回転させる旨の指示(第3のモード)の場合には、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わるとともに、スイッチ9の端子94と端子97が接続し、端子96と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cとが導通し、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
【0063】
駆動回路8の発振回路81および増幅回路82は、それぞれ、回転量制御回路83により制御される。
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6の接触部66が、図4の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)し、被接触部51は、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分が伸長するときに接触部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、図1中の反時計回り(正方向)に回転する。
【0064】
そして、前記被接触部51とともに被接触部51が図1中の反時計回り(正方向)に回転し、これにより、被駆動体5が運動する。
この際、通電されていない(駆動していない)各電極61b、61d、65bおよび65dは、それぞれ、検出電極となり、電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。
【0065】
前記検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、被駆動体5を効率良く移動させることができる。
また、回転量制御回路83は、指示された被接触部51の回転量(目標値)に基づいて、各電極への通電を制御する。
すなわち、回転量制御回路83は、被接触部51の回転量が、指示された被接触部51の回転量(目標値)になるまで発振回路81および増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動し、被接触部51を回転させる。
【0066】
前記と逆に、被接触部51を図10中の時計回り(逆方向)に回転させる旨の指示(第4のモード)の場合には、図10に示すように、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わるとともに、スイッチ9の端子93と端子97が接続し、端子95と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dとが導通し、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。以降の動作は、前記被接触部51を図10中の反時計回りに回転させる旨の指示の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0067】
また、被接触部51を停止状態に維持する指示、すなわち、被駆動体5を停止状態に維持する指示(第1のモード)の場合には、図10に示すように、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わる。
そして、回転量制御回路83は、発振回路81および増幅回路82を作動させない。すなわち、振動体6のいずれの電極へも交流電圧を印加しない。
【0068】
被接触部51には、振動体6の接触部66が圧接(当接)し、接触部66と被接触部51との摩擦力により、被接触部51が停止状態に維持され、これにより、被駆動体5が停止状態に維持される。すなわち、被駆動体5が移動するのが阻止され、被駆動体5は、所定の位置に保持される。
なお、第1のモードの場合には、振動体6のいずれの電極へも交流電圧を印加しなければ、スイッチ9および16は、それぞれ、どのように切り替わっていてもよい。
【0069】
また、被接触部51をフリー状態にする指示、すなわち、被駆動体5をフリー状態にする指示(第2のモード)の場合には、スイッチ16の端子164と端子167とが接続し、端子166と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dとが導通し、振動体6の電極61eおよび65eと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
【0070】
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の接触部66が、長手方向に振動(往復運動)し、被接触部51、すなわち、被駆動体5は、フリー状態となり、両方向に自由に移動することができる。
【0071】
この際、各電極61eおよび65eからは、それぞれ、電極61eおよび65eと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)が検出される。その検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の縦振動の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数の交流電圧を出力する。これにより、被接触部51をより円滑に回転、すなわち、被駆動体5をより円滑に移動させることができる。
なお、第2のモードの場合には、スイッチ9は、どのように切り替わっていてもよい。
【0072】
この第2実施形態の稼働装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この稼働装置1では、被接触部51(被駆動体5)の停止状態を維持する状態、すなわち高摩擦状態と、被接触部51の回転(被駆動体5の移動)を可能(被接触部51や被駆動体5をフリー状態)にする状態、すなわち低摩擦状態と、被接触部51を正方向へ回転させる状態と、被接触部51を逆方向へ回転させる状態との4状態のうちから、任意の状態を選択することができるので、汎用性が広い。
【0073】
なお、前述の振動体6においては、駆動するための電極を4分割して駆動する場合について説明したが、それは、縦振動と屈曲振動を選択的に励振するための一例を示したのであり、本発明では、前述の振動体6の構造や駆動の方法に限定されるものではない。
また、本発明では、前記第3のモードまたは第4のモードが省略され、被接触部51が一方向にのみ回転するように構成されていてもよく、この場合も単一の振動体6で被駆動体5を、往復運動、すなわち、両方向に移動させることができる。
【0074】
(第3実施形態)
次に、本発明の稼働装置の第3実施形態について説明する。
図11は、本発明の稼働装置の第3実施形態にかかる振動体を示す斜視図である。なお、以下の説明では、図11中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第3実施形態の稼働装置1について、前述した第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0075】
第3実施形態の稼働装置1は、第2実施形態にて記載した第1〜第4のモードに加えて、さらに、縦振動および屈曲振動が複合される第5のモードおよび第6のモードを備える点に特徴を有する。これらのモードは、第1〜第4のモードと同様に、各電極61a〜61d、61f、65a〜65d、65fへの通電パターンの変更により任意に選択され得る。
【0076】
この稼働装置1の振動体6は、第2実施形態の検出電極61e、65eに代えて、圧電素子62の図11中上側に電極61fを備え、また、図11中下側に電極65fを備える。これらの電極61f、65fは、長方形の板状形状を有すると共に振動体6の長手方向の長さと略同一寸法を有し、振動体6の長手方向に沿って、その中央部に配置される。また、電極61fおよび電極65fは、振動体6の表裏にて電気的に接続され、他の電極61a〜61d、65a〜65dと同様に通電回路20側に電気的に接続される(図示省略)。
【0077】
図12は、図11に示す稼働装置における振動体が振動する様子を示す平面図である。
この稼働装置1において、第5のモードでは、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65dが通電され、これらの電極と補強板63との間に交流電圧が印加される。すると、これらの電極に対応する振動体6の部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6全体が屈曲二次振動する。この屈曲二次振動により、振動体6の接触部66が、図12中の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)し、または、矢印cで示すように楕円振動(楕円運動)する。これにより、被接触部51が、接触部66から繰り返し摩擦力(押圧力)を受けて、図12中の反時計回りに回転する。
【0078】
また、この第5のモードでは、さらに、振動体6の中央部の電極61fおよび65fが通電され、圧電素子62、64が、電極61fおよび65fの設置位置にて、高速かつ反復的に部分的に伸縮する。すると、振動体6が、長手方向の中心線上にて、長手方向に沿った部分的な微少振動を行う。これを縦一次振動という。この縦一次振動により、接触部66は、振動体6の長手方向に押圧力を増加され、強い押圧力にて被接触部51に付勢する。これにより、屈曲二次振動のみにより振動体6を駆動する場合と比較して、高い駆動力を得られる利点がある。
【0079】
なお、この第5モードにおいて、通電されていない電極61b、61d、65bおよび65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として機能する。これらの電極は、振動体6の駆動時にて、通電された電極61a、61c、61f、65a、65cおよび65fと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)を検出して、発振回路81に入力する。発振回路81は、検出された誘起電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、誘起電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、被接触部51を効率良く移動させ得る利点がある。なお、これらの通電されていない電極の作用は、第1実施形態と同様である。
【0080】
図13は、図11に記載した振動体が振動する様子を示す平面図である。
この稼働装置1において、第6のモードでは、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65d、並びに、振動体6の中央部の電極61fおよび65fが通電される。そして、振動体6が第5のモードとは対称に振動し、被接触部51を図13中の時計回りに回転させる。これにより、逆方向の回転についても、高い駆動力を得られる利点がある。
【0081】
なお、この第6モードにおいて、通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として機能する。これらの電極は、振動体6の駆動時にて、通電された電極61b、61d、61f、65b、65dおよび65fと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)を検出して、発振回路81に入力する。発振回路81は、検出された誘起電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、誘起電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、被接触部51を効率良く移動させ得る利点がある。なお、これらの通電されていない電極の作用は、第1実施形態と同様である。
【0082】
ここで、図11に示すように、振動体6の本体部の、交流電圧の印加により伸縮する方向(伸縮方向)である長手方向の寸法(接触部66の突出方向にかかる本体部の寸法)、すなわち長辺の長さ寸法を、長さ寸法L(以下、単に寸法Lとも言う)とし、振動体6の本体部の長手方向に対して略垂直な方向の寸法(接触部66の突出方向に対して略垂直な方向にかかる本体部の寸法)、すなわち短辺の長さ寸法を、幅寸法A(以下、単に寸法Aとも言う)としたとき、その長さ寸法Lと幅寸法Aとの比(L/A)は、特に限定されないが、長さ寸法Lと幅寸法Aとの比(L/A)は、2〜5程度が好ましく、3〜4程度がより好ましく、3.54程度が特に好ましい。上記条件では、縦一次振動と屈曲二次振動の共振周波数の関係が適正となり、良好な駆動効率を得ることが出来る。
【0083】
なお、この稼働装置1において、振動体6の振動モードは、上記第1〜第6のモードに限定されず、当業者自明の範囲内にて任意の振動モードを採用してもよい。例えば、図11に記載した振動体6において、▲1▼電極61f、65fのみに交流電圧を印加して、振動体6に縦一次の振動を励起してもよいし、▲2▼電極61a〜61f、65a〜65fのすべてに交流電圧を印加し、かつ所定の電極に対する電圧の印加タイミングをずらし、振動体6に縦一次および屈曲三次の複合振動を励起してもよい。
【0084】
図16は、図11に記載した振動体の電気的特性を示すグラフである。同図では、横軸に振動体6の駆動時における振動周波数[Hz]をとり、縦軸に振動体6が被接触部51を押圧していないときの圧電素子62、64のインピーダンス[Ω]をとる。
図16に示すように、この振動体6は、縦一次振動の共振周波数f1と、屈曲二次の共振周波数f2とを有する。これらの共振周波数f1、f2では、いずれもインピーダンスが極小値をとる。ここで、これらの共振周波数f1、f2は、振動体6固有の周波数である。共振周波数f1、f2は、振動体6の形状や大きさ、接触部66の位置等の選択により、任意に設計変更可能である。この振動体6では、共振周波数f1、f2が相互に近接するように設定される。例えば、この振動体6では、屈曲二次振動の共振周波数f2が、縦一次振動の共振周波数f1に対して、例えば、約1[%]〜2[%]程度大きい。この構成において、これらの近傍の周波数、特に、これらの共振周波数f1、f2の間の周波数にて振動体6を駆動すると、縦一次振動および屈曲二次振動の双方の複合振動が得られる。また、この複合振動は、縦一次振動および屈曲二次振動の双方の共振周波数f1、f2に近いため、双方の駆動特性を顕著に有する。これにより、振動体6の駆動状態にて、縦一次振動および屈曲二次振動の双方の駆動特性を効率的に得られる利点がある。
【0085】
また、この振動体6では、これらの共振周波数f1、f2が、相互に異なる数値となるように設定される(図16参照)。すると、押圧状態では、共振点近傍にて圧電素子62、64のインピーダンス変化が鈍くなり、縦一次振動の共振周波数f1と屈曲二次振動の共振周波数f2の際目が不明瞭となる。また、これらの共振周波数f1、f2の近傍にて、特に、共振周波数f1、f2の間の周波数にて、インピーダンスの値が低い周波数帯を幅広く形成できる。これにより、広い周波数帯にて縦一次振動および屈曲二次振動を結合した励振を行えると共に、駆動時の投入電力を安定化できる利点がある。
【0086】
また、この稼働装置1では、振動体6が、縦一次振動の共振周波数f1と、屈曲二次振動の共振周波数f2との間の振動周波数(駆動周波数)にて駆動される。この場合、振動体6の駆動周波数を縦一次振動の共振周波数f1に近づけると、押圧力を増す方向の振動振幅が大きくなるので、振動体6の接触部66と被接触部51との間の摩擦力が増加して、駆動力が高くなる(高駆動力型となる)。また、振動体6の駆動周波数を屈曲二次振動の共振周波数f2に近づけると、振動体6の振動変位の内、被接触部51の回転方向の成分が大きくなるので、単位回数あたりの被接触部51の回転量が増加して、駆動速度(回転速度)が高くなる(高速型となる)。このように、縦一次振動の共振周波数f1と、屈曲二次振動の共振周波数f2とをずらすと共に、これらの共振周波数f1、f2間の周波数帯にて駆動周波数を適宜設定(選択)することにより、例えば、駆動力や駆動速度に関して、任意の駆動特性を得られる利点がある。
【0087】
また、この振動体6では、屈曲二次振動の共振周波数f2が、縦一次振動の共振周波数f1よりも、f1の0.5[%]〜3[%]程度大きいのが好ましく、1[%]〜2[%]程度大きいのがより好ましい。
屈曲二次振動の共振周波数f2と縦一次振動の共振周波数f1との差を前記範囲内に設定することにより、押圧状態で縦一次振動と屈曲二次振動が同時に起きる(結合する)ので摩擦力と駆動力とが同時に得られ、良好な駆動特性が得られる。
【0088】
なお、これに限らず、縦一次振動の共振周波数f1の方が、屈曲二次振動の共振周波数f2より大きくてもよい。この場合、縦一次振動の共振周波数f1は、屈曲二次振動の共振周波数f2よりも、f2の0.5[%]〜3[%]程度大きいのが好ましく、1[%]〜2[%]程度大きいのがより好ましい。さらに、より大きな電力を投入し、大きな機械的出力を得るためには、駆動周波数において、インピーダンスを下げることが好ましい。
【0089】
また、この振動体6では、屈曲二次振動の共振周波数f2におけるインピーダンスの方が、縦一次振動の共振周波数f1におけるインピーダンスより大きく、また、共振周波数f1、f2間にて、インピーダンスが極大となる周波数f3を有する。そして、振動体6は、この縦一次振動の共振周波数f1と、屈曲二次振動の共振周波数f2との間の所定の駆動周波数にて駆動されるのが好ましく、f3とf2の間の所定の駆動周波数にて駆動されるのがより好ましい。これにより、振動体6の駆動時に縦振動と屈曲振動の振動位相をずらして励振することができる。したがって、接触部66を楕円軌道c(図6および図7参照)に沿って振動させることができ、振動体6から被接触部51に対し、被接触部51を引き戻す力を与えることなく、効率良く力を与えることができる。
なお、上記のように共振周波数f1、f2を異ならせたり、近接させたりする構成は、他の第1実施形態および第2実施形態にて適用してもよい。これにより、同様の効果を得られる利点がある。
【0090】
なお、この第3実施形態の稼働装置1では、各圧電素子62、64上にそれぞれ5枚の電極61a〜61d、61f、65a〜65d、65fを配置して、被接触部51の正転および反転の双方向駆動を実現する(図5〜図8参照)。しかし、これに限らず、被接触部51を一方向にのみ回転させる場合には、振動体6をより簡素な構成としてもよい。
【0091】
図14は、図11に記載した振動体の変形例を示す斜視図である。この振動体6は、図11に記載した振動体6と比較して、電極61a、61c、61fに代えて、これらを結合した単一の電極61gをこれらが配置された位置と同じ位置に設ける。また、電極65a、65c、65fに代えて、これらを結合した単一の電極65g(図示省略。各符号のみを括弧内に示す。)をこれらが配置された位置と同じ位置に設ける。また電極61dを65dとは独立に設ける。そして、他の電極61b、65b、65dを省略する点に特徴を有する。
【0092】
図15は、図14に記載した振動体が振動する様子を示す平面図である。この振動体6では、これらの単一電極61g、65gが通電され、これらが配置された部分にて圧電素子62、64が高速かつ反復的に伸縮する(図15参照)。すると、電極61g、65gの部分のうち、電極61a、61c、65a、65cに対応する部分の伸縮により、第5モードの作用と同様に屈曲二次振動が発生する。また、電極61g、65gの部分のうち、電極61f、65fに対応する部分の伸縮により、第5モードの作用と同様に縦一次振動が発生する。これにより、縦一次振動と屈曲二次振動との複合振動が発生して、第5モードの作用と同様の作用により、被接触部51が図15中の反時計回りに回転する。
【0093】
電極61dは不図示の駆動回路8の発振回路81と接続し、発振周波数を適正な値に保つために使用される。
なお、この振動体6では、被接触部51の駆動方向は、この一方向のみである。この振動体6によれば、図11に記載した振動体6と比較して、電極の数を低減できるので、製品の構造を簡素化できると共に製品の製造工程を短縮化できる利点がある。また、一方向のみの駆動なので通電回路20のスイッチ9を省略でき、これにより、製品をより簡素化できる利点がある。
【0094】
また、電極61b、61d、61fに代えて、これらを結合した単一の電極61(図示省略)を、これらが配置された位置と同じ位置に設ける。また、電極65b、65d、65fに代えて、これらを結合した単一の電極(図示省略)をこれらが配置された位置と同じ位置に設け、他の電極61a、61c、65a、65cを省略してもよい。この場合は、被接触部51は、前記と逆方向(図15中の時計回り)に回転する。
【0095】
(第4実施形態)
次に、本発明の稼働装置1の第4実施形態について説明する。
図17は、本発明の稼働装置の第4実施形態を示す平面図である。
以下、第4実施形態の稼働装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0096】
上記した第1実施形態の稼働装置1では、接触部66が振動体6の一短辺の中央に配置される。しかし、接触部66の位置は、これに限定されない。例えば、図17に示すように、接触部66が、振動体6の短辺の中央からずれた位置、すなわち、振動体6の長手方向の中心線上から外れた位置に設けられてもよい。かかる構成では、▲1▼接触部66の設置位置の偏りにより振動体6の重量にアンバランス、▲2▼振動体6を駆動する電極61a〜61f、65a〜65fの配置のアンバランス、▲3▼被駆動体からの反力が振動体6の中心線から外れて作用することによるアンバランス等が生じる。すると、通電により振動体6が伸縮したときに、縦振動および屈曲振動の複合振動が振動体6に容易に誘発される。これにより、振動体6の駆動効率を高められる利点がある。
【0097】
ここで、上記▲3▼の理由からすれば、接触部66は図9のように短辺全体に突出していても振動体6の中心線に対し被接触部51の中心がずれていれば同等な効果があるので、本発明には、それも含まれる。
同様に、接触部66が短辺の中央部で突出していても振動体6の中心線と被接触部51の中心がずれていれば同等であり、複合振動が誘発される。従って、本発明には、それも含まれる。
【0098】
以下、図19および図20に基づいてさらに説明する。
上記▲1▼〜▲3▼の作用はそれぞれに独立したものであるので、自由に組み合わせることができる。例えば図19に示すように、振動体6の短辺全てにわたって設けられた接触部66に対して振動体6の中心線からずれた位置で被接触部51と接触させる構成とすることで、上記▲2▼と▲3▼の作用により縦振動および屈曲振動の複合振動を振動体6に誘発させ、駆動効率の向上を図ることが出来る。
【0099】
また、同様に図20に示すように、台形形状の本体部を有する振動体6に対しても、長手方向の中心線からずれた位置に接触部66を設け、被接触部51と接触させる事で、被駆動体からの反力を振動体6の中心線から外れて作用させ、振動体6の長手方向と直行する方向の変位を発生させることが可能となり、駆動効率が向上する。
【0100】
なお、この第4実施形態において、単一の電極61、65を圧電素子62、64の全面にそれぞれ設けた構成とすることも可能である。図18は、図17に記載した振動体の変形例を示す斜視図である。かかる構成によっても、上記振動体6のアンバランスにより縦振動および屈曲振動の複合振動が誘発されるので、簡易な電極構成で被接触部51を効率良く駆動できる利点がある。
【0101】
図32は、図18に記載した振動体の変形例を示す斜視図である。同図に示すように、振動体6は、その補強板63の一方の面(片側)に、圧電素子62を設け、単一の電極61を圧電素子62の全面に設けた構成とすることも可能である。
かかる構成によっても、上記振動体6のアンバランスにより縦振動および屈曲振動の複合振動が誘発されるので、簡易な電極構成で被接触部51を効率良く駆動できる利点がある。
【0102】
また、圧電素子62および電極61が補強板63の一方の面(片側)のみに設けられるので、構造が簡易であり、振動体6の厚みを薄くすることができ、また、コストを低減することができる利点がある。
また、この圧電素子62および電極61を補強板63の一方の面(片側)のみに設ける構成は、前述した種々の構成の振動体(超音波モータ)や後述する種々の構成の振動体に適用することができる。また、接触部66の形状、数、位置や、電極の形状、数、位置等は、特に限定されない。
【0103】
すなわち、本発明では、振動体6は、接触部66および腕部68を一体的に形成された補強板63上(補強板63の一方の面側)に、交流電圧の印加により伸縮する圧電素子62を設けた構造(平面構造)としてもよい。
また、このような補強板63の一方の面(片側)のみに圧電素子62を設けた振動体6は、前述した各実施形態や後述する各実施形態に適用することができる。
【0104】
(第5実施形態)
図21は、本発明の稼働装置の第5実施形態における超音波モータを示す断面平面図である。なお、以下の説明では、図21中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第5実施形態の稼働装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0105】
同図に示すように、第5実施形態の稼働装置1(超音波モータ)では、その振動体6の補強板63に、弾性(可撓性)を有する1対(2つ)の腕部68が一体的に形成されている。
1対の腕部68は、補強板63の長手方向(図21中上下方向)ほぼ中央に、長手方向とほぼ垂直な方向であって、かつ、補強板63(振動体6)を介して互いに反対方向に突出するように(図21中左右対称に)設けられている。
この第5実施形態の稼働装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0106】
そして、この稼働装置1では、振動体6に1対の腕部68が設けられているので、支持に対する剛性が高まり、駆動の反力等の外力に対しても安定した支持ができる。さらに、左右対称になるので、図21中時計回り(右方向)の駆動特性と図21中反時計回り(左方向)の駆動特性への影響を均一化でき、正逆方向の特性が等しいものを実現することができる。
また、この第5実施形態に、前述した第2〜第4実施形態や、後述する各実施形態を適用することができ、例えば、第3実施形態を適用することが好ましい。
【0107】
(第6実施形態)
次に、本発明の稼働装置1の第6実施形態について説明する。
以下、第6実施形態の稼働装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
上記第1実施形態の稼働装置1では、振動体6により略円筒形状の被駆動体5を駆動した。しかし、これに限らず、振動体6により他の形状、構造を有する被駆動体を駆動するよう構成してもよい。その被駆動体としては、例えば、円柱形状、断面扇形形状、断面円弧形状等を有する回転構造物等が挙げられる(図示省略)。
【0108】
(第7実施形態)
図22は、この発明の第7実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。同図において、上記した実施形態の稼働装置と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この稼働装置1は、第1実施形態の稼働装置1と比較して、振動体6の構成および配置を工夫した点に特徴を有する。第1実施形態の稼働装置1では、振動体6が、その短辺の略中央に接触部66を有する。そして、被接触部51が、振動体6の長手方向の延長線上に配置される(図2参照)。一方、この第7実施形態の稼働装置1では、振動体6が、その長辺の端部に接触部66を有する。この接触部66は、振動体6の長手方向とは異なる方向に突出する。また、被接触部51が、振動体6の側方、すなわち長手方向の延長線上から外れた位置に配置される(図22参照)。これにより、振動体6と被接触部51とを稼働装置1の厚み方向に対して平面的に重ねて配置できるので、稼働装置1の幅を小さくできる利点がある。なお、振動体6および被接触部51の配置構成について、第1実施形態および第7実施形態のいずれの配置構成を採用するかは、稼働装置1の設置位置や使用目的に応じて、当業者自明の範囲内で適宜選択して良い。
【0109】
(第8実施形態)
図23は、この発明の第8実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。同図において、上記した実施形態の稼働装置と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この稼働装置1は、第1実施形態の稼働装置1と比較して、光学系21および撮像素子22の配置を逆転した点に特徴を有する。すなわち、この稼働装置1では、光学系21がベース4側に配置され、撮像素子22が被駆動体5側に配置される。なお、この稼働装置1では、ベース4の板状部41に開口部44が設けられ、この開口部44内に光学系21が配置される。また、撮像ユニット21、22の撮像方向は、撮像素子22側からこの開口部44を抜けてベース4の背面側に向かう方向となる。この稼働装置1において、振動体6が駆動されて被駆動体5を回転させ、被駆動体5がベース4に対して遠近方向に変位すると、撮像素子22側が変位して光学系21との距離を変化させる。これにより、撮像ユニット21、22のフォーカスが調整される。
【0110】
(第9実施形態)
図24は、この発明の第9実施形態にかかる稼働装置を示す要部断面図である。図25(a)および図26は、図24に記載した稼働装置を示すB−B視断面図(図25(a))およびC−C視断面図(図26)である。これらの図において、上記した実施形態の稼働装置と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この稼働装置1では、被接触部51が、被駆動体5に対して別個に設けられる点に特徴を有する。この被接触部51は、円柱形状を有するロータであり、軸54を介して、ベース4の板状部41の平面上にその回転軸を立てて設置される。振動体6は、この被接触部51の周面に接触部66を摩擦接触させる。軸54には、歯車53が設けられる。また、被駆動体5は、その周面の上部側に歯溝55を形成される。歯車53は、被接触部51よりも大径であり、被駆動体5の歯溝55と噛み合わされて設置される。
【0111】
図27は、図24に記載した稼働装置の動作を示す説明図である。この稼働装置1において、振動体6が外部の通電回路20から高周波電流を印加されて振動すると、被接触部51が振動体6の接触部66に叩かれて軸54周りに回転する。すると、歯車53が軸54を介して被接触部51と共に回転し、被駆動体5と噛み合って被駆動体5を回転させる。すると、被駆動体5が、送られてベース4に対して遠近方向に変位する。これにより、光学系21と撮像素子22との距離が変化して、撮像ユニット21、22のフォーカスが調整される。この稼働装置1によれば、振動体6と被駆動体5との間に介在する中間機構51、53の配置や大きさを変更することにより、被駆動体5に対する振動体6の配置を任意に変更できる利点がある(図2および図24参照)。これにより、振動体6の配置の自由度を高められる。また、この稼働装置1において、例えば、図25(b)に示すように、被接触部51の径を歯車53の径よりも大きくすれば、これら中間機構51、53が減速機構として機能して、被駆動体5がゆっくりと回転する。これにより、被駆動体5を大きなトルクで駆動できる利点がある。
【0112】
(第10実施形態)
図28は、この発明の第10実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。図29および図30は、図28に記載した稼働装置を示す背面図(図29)およびD−D視断面図(図30)である。これらの図において、上記した実施形態の稼働装置と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この稼働装置1では、第9実施形態の稼働装置1と比較して、被駆動体5および歯車53をベース4の前面側に配置し、振動体6および被接触部51をベース4の背面側に配置した点に特徴を有する。振動体6は、ベース4の板状部41の背面側にボルト13を介して固定設置され、被接触部51の周面にその接触部66を摩擦接触させる。被接触部51は、軸54を介して歯車53と結合され、板状部41の背面側に回転可能に設置される。軸54は、ベース4の板状部41を貫通し、ベース4の背面側から前面側に抜ける。歯車53は、ベース4の前面側に配置され、軸54により回転可能に支持される。歯車53は、被駆動体5の周面上部に形成された歯溝55と噛み合う。被駆動体5は、周面下部のネジ部52にて、ベース4の円筒部42に螺合される。
【0113】
この稼働装置1において、振動体6が外部の通電回路20から高周波電流を印加されて振動すると、被接触部51が振動体6の接触部66に叩かれて軸54周りに回転する。すると、歯車53が軸54を介して被接触部51と共に回転し、被駆動体5と噛み合って被駆動体5を回転させる。すると、被駆動体5が、送られてベース4に対して遠近方向に変位する。これにより、光学系21と撮像素子22との距離が変化して、撮像ユニット21、22のフォーカスが調整される。
【0114】
この稼働装置1によれば、振動体6および被接触部51がベース4の背面側に配置されるので、第9実施形態の稼働装置1と比較して、ベース4の前面側を広く使える利点がある。したがって、より大きな光学系21を有する被駆動体5を設けられる利点がある(図24および図28参照)。また、同じ大きさの被駆動体5を用いる場合にあっては、ベース4側を小型化できる利点がある。また、振動体6は、薄型の板状形状を有するので、ベース4の背面側に配置されても、稼働装置1自体の厚みを余り増加させない。したがって、稼働装置1を薄型に維持しつつ、被駆動体5の駆動系を構成できる利点がある。なお、この稼働装置1において、ベース4の背面側に減速機構その他の中間機構をさらに設けても良い(図示省略)。この稼働装置1では、ベース4の背面側を広く使えるので、第9実施形態の稼働装置1と比較して、中間機構を自在に構成できる利点がある。
また、図31に示すように、被駆動体5側にネジ溝(第2ネジ部)52aを設け、ベース4側にネジ部(第1ネジ部)43aを設け、ベース4側が被駆動体5の外側から螺合してもよい。なお、これは、各実施形態でも同様である。
【0115】
以上、本発明の稼働装置および電気機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態にかかる稼働装置を示す斜視図である。
【図2】図1に記載した稼働装置を示す平面図である。
【図3】図2に記載した稼働装置を示すA−A視断面図である。
【図4】第1実施形態にかかる稼働装置の作用を示す説明図である。
【図5】図1に記載した振動体を示す斜視図である。
【図6】図5に記載した振動体の動作を示す説明図である。
【図7】図5に記載した振動体の動作を示す説明図である。
【図8】振動体の通電回路を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態における振動体の斜視図である。
【図10】第2実施形態における回路構成を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態にかかる振動体を示す斜視図である。
【図12】振動体が振動する様子を示す平面図である。
【図13】振動体が振動する様子を示す平面図である。
【図14】振動体の変形例を示す斜視図である。
【図15】振動体が振動する様子を示す平面図である。
【図16】振動体の電気的特性を示すグラフである。
【図17】稼働装置の第4実施形態を示す平面図である。
【図18】振動体の変形例を示す斜視図である。
【図19】振動体の変形例を示す斜視図である。
【図20】振動体の変形例を示す斜視図である。
【図21】第5実施形態の超音波モータを示す断面平面図である。
【図22】第7実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。
【図23】第8実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。
【図24】第9実施形態にかかる稼働装置を示す要部断面図である。
【図25】図24に記載した稼働装置を示すB−B視断面図である。
【図26】図24に記載した稼働装置を示すC−C視断面図である。
【図27】図24に記載した稼働装置の動作を示す説明図である。
【図28】第10実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。
【図29】図28に記載した稼働装置を示す背面図である。
【図30】図28に記載した稼働装置を示すD−D視断面図である。
【図31】第10実施形態の稼働装置の変形例を示す断面図である。
【図32】振動体の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…稼働装置、21…光学系、22…撮像素子、4…ベース、41…板状部、42…円筒部、43、52a…ネジ溝、44…開口部、5…被駆動体、51…被接触部、6…振動体、8…駆動回路、9…スイッチ、13、13A、13B…ボルト、16…スイッチ、20…通電回路、43a、52…ネジ部、53…歯車、54…軸、55…歯溝、61a〜61g、65a〜65g…電極、62、64…圧電素子、63…補強板、66…接触部、68…腕部、681…孔、81…発振回路、82…増幅回路、83…回転量制御回路、91、92…スイッチ部、93〜98、163〜168…端子、161、162…スイッチ部、511…外周面
【発明の属する技術分野】
本発明は、稼働装置および電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、超音波モータによりカメラレンズの移動機構を駆動する稼働装置が知られている。かかる技術としては、特許文献1に記載される技術が知られている。
しかしながら、前記特許文献1に記載されている稼働装置では、棒状の超音波モータ等の大型モータにより、被駆動体の駆動機構を構成していたので、機器全体が大型化するという問題点があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−11636号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機器全体を小型化できる稼働装置および電気機器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の稼働装置は、ベースと、
前記ベースに対して回転可能に設けられた被駆動体と、
交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層してなり、前記ベースに対して固定設置され、前記被駆動体を回転させる平面構造の振動体を有する超音波モータと、
前記被駆動体の回転運動を、前記振動体の面外方向の直線運動に変換し、該被駆動体をその直線方向に変位させる変換機構とを備えることを特徴とする。
【0006】
これにより、被駆動体の回転運動を、振動体の面外方向の直線運動に変換できる利点がある。
また、この超音波モータは、圧電素子と補強板とを積層した構造を有するので、薄型である。したがって、被駆動体の駆動系を薄型に構成できるので、稼働装置を小型化できる利点がある。
そして、特に、振動体は、交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子と、接触部および腕部が一体的に形成された補強板と、交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子とをこの順に積層してなるので、低い電圧で大きな駆動力および高い駆動速度とが得られ、また、面内方向の伸縮を利用して駆動するので、駆動効率を極めて高くすることができる。
【0007】
本発明の稼働装置は、ベースと、
前記ベースに対して回転可能に設けられた被駆動体と、
交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層してなり、前記ベースに対して固定設置され、前記被駆動体を回転させる振動体を有する超音波モータと、
前記被駆動体の回転運動を、その回転軸方向の成分を有する直線運動に変換し、該被駆動体をその直線方向に変位させる変換機構とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、被駆動体の回転運動を、その回転軸方向の成分を有する直線運動に変換できる利点がある。
また、この超音波モータは、圧電素子と補強板とを積層した構造を有するので、薄型である。したがって、被駆動体の駆動系を薄型に構成できるので、稼働装置を小型化できる利点がある。
そして、特に、振動体は、交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子と、接触部および腕部が一体的に形成された補強板と、交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子とをこの順に積層してなるので、低い電圧で大きな駆動力および高い駆動速度とが得られ、また、面内方向の伸縮を利用して駆動するので、駆動効率を極めて高くすることができる。
【0009】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体に設けられた光学系と、前記ベースに設けられた撮像素子とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記直線方向に向けて配置されるのが好ましい。
これにより、被駆動体の変位により光学系が移動して撮像素子との距離が変化し、フォーカスが調整される。
【0010】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体に設けられた撮像素子と、前記ベースに設けられた光学系とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記直線方向に向けて配置されるのが好ましい。
これにより、被駆動体の変位により撮像素子が移動して光学系との距離が変化し、フォーカスが調整される。
【0011】
本発明の稼働装置は、第1ネジ部を有するベースと、
第2ネジ部を有し、該第2ネジ部にて前記ベースの第1ネジ部に対して回転可能に螺合される被駆動体と、
交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層してなり、前記ベースに対して固定設置される振動体を有する超音波モータとを備え、
前記被駆動体が、前記振動体から動力を伝達されて回転し、前記第1ネジ部と前記第2ネジ部との螺合によりその回転軸方向に変位することを特徴とする。
【0012】
これにより、被駆動体の回転運動を、回転軸方向の運動に変換できる利点がある。
また、この超音波モータは、圧電素子と補強板とを積層した構造を有するので、薄型である。したがって、被駆動体の駆動系を薄型に構成できるので、稼働装置を小型化できる利点がある。
そして、特に、振動体は、交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子と、接触部および腕部が一体的に形成された補強板と、交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子とをこの順に積層してなるので、低い電圧で大きな駆動力および高い駆動速度とが得られ、また、面内方向の伸縮を利用して駆動するので、駆動効率を極めて高くすることができる。
【0013】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体に設けられた光学系と、前記ベースに設けられた撮像素子とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記被駆動体の回転軸方向に向けて配置されるのが好ましい。
これにより、被駆動体の変位により光学系が移動して撮像素子との距離が変化し、フォーカスが調整される。
【0014】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体に設けられた撮像素子と、前記ベースに設けられた光学系とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記被駆動体の回転軸方向に向けて配置されるのが好ましい。
これにより、被駆動体の変位により撮像素子が移動して光学系との距離が変化し、フォーカスが調整される。
【0015】
本発明の稼働装置では、前記振動体が、中間機構を介して前記被駆動体を回転させるのが好ましい。
これにより、振動体と被駆動体との配置構成の自由度を高められる利点がある。
本発明の稼働装置では、前記中間機構が、減速機構であるのが好ましい。
これにより、被駆動体を大きなトルクで駆動できる利点がある。
【0016】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体が、周面を備えた被接触部を有し、該被接触部にて直接的に前記接触部に接触して前記振動体から動力を伝達されるのが好ましい。
本発明の稼働装置では、前記振動体と前記被駆動体との間に介在し、前記接触部に接触する被接触部を有し、
前記振動体が、前記被接触部を介して前記被駆動体に動力を伝達するのが好ましい。
本発明の稼働装置では、前記被接触部は、回転可能に設けられたロータであるのが好ましい。
【0017】
本発明の稼働装置では、前記振動体が平面構造を有し、かつ、前記被接触部および前記振動体が略同一平面上に配置されるのが好ましい。
この発明では、被接触部および前記振動体が、同一平面上に配置されるので、被駆動体の駆動機構を平面的に構成できる利点がある。特に、振動体が平面構造を有する場合には、この駆動機構をさらに薄型化できるので、装置全体を小型化(薄型化)できる利点がある。
【0018】
本発明の稼働装置では、前記被駆動体と前記振動体とが、前記ベースの異なる面上に配置されており、
前記振動体からの動力を前記被駆動体に伝達する中間機構を有するのが好ましい。
本発明の電気機器は、本発明の稼働装置を有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の稼働装置および電気機器(電子機器)を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態にかかる稼働装置を示す斜視図である。図2は、図1に記載した稼働装置を示す平面図である。図3は、図2に記載した稼働装置を示すA−A視断面図である。この稼働装置1は、ベース4と、被駆動体5と、振動体6とを含み構成される。ベース4は、板状部41の平面上に円筒部42を設けた形状を有する。また、ベース4は、円筒部42の内壁面にネジ溝(第1ネジ部)43を形成される。ネジ溝43は、板状部41の平面に対して、軸方向を略垂直に向けて形成される。また、ベース4は、円筒部42の底部に撮像素子(固体撮像素子)22を配置される。この撮像素子22は、例えば、イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)である。稼働装置1は、このベース4にて取付台や壁面等(図示省略)の所定の位置に固定設置される。なお、被駆動体5は、板状部41の内部にデータ処理用のICチップ(図示省略)を有する。
【0021】
被駆動体5は、略円筒形状を有し、内部に光学系21を配置される。この光学系21は、この稼働装置1ではレンズまたはレンズ群であるが、これに限らず、例えば、ピンホールであってもよい。この光学系21とベース4の撮像素子22とは、稼働装置1の撮像ユニットを構成する。また、被駆動体5は、周面の下方部分にネジ部(第2ネジ部)52が形成されると共に、このネジ部52にてベース4のネジ溝43に螺合される。ただし、被駆動体5は、ベース4に対して緩めに螺合されて、外部からの摩擦接触により容易に回転できる。また、被駆動体5は、ベース4に設置された状態にて、光学系21をベース4の撮像素子22に対向させる。ここで、光学系21および撮像素子22は、その光軸が被駆動体5の回転軸方向に沿うように配置される。なお、ベース4および被駆動体5の形状および結合構造は、この第1実施形態の形状に限定されず、稼働装置1の機能に応じて当業者自明の範囲内にて適宜設計変更して良い。
【0022】
振動体6は、略長方形状を有する薄型の板状形状を有し、その長辺の側部に腕部68を有する。振動体6は、ベース4の板状部41に対して、その平面を略平行に向けつつ僅かに浮かせた状態で配置される(図3参照)。これにより、振動体6は、その振動方向を、ベース4の平面方向に向ける。また、振動体6は、ベース4の板状部41に対して、その腕部68にてボルト13を介して固定設置される。また、振動体6は、その短辺の側部に接触部66を有する。振動体6は、この接触部66にて、被駆動体5の周面に接触する。なお、この接触部66が接触する部分もしくは部材を、以下、被接触部と呼び符号51を付す。この第1実施形態では、被駆動体5の上方部分が被接触部51となる。また、振動体6は、接触部66の先端部を、被接触部51(被駆動体5)の半径方向からその周面に当接する。このとき、振動体6は、接触部66を、腕部68の弾性により、被接触部51の側面に対して弾性的に付勢する。これにより、接触部66と被接触部51との間に十分な摩擦力が形成され、振動体6の振動が被接触部51に対して確実に伝達される。また、振動体6は、外部の通電回路(図示省略)に接続されて、その駆動を制御される。そして、振動体6および通電回路は、この稼働装置1を駆動する超音波モータとして機能する。なお、この振動体6の詳細な構成および機能については、後述する。
【0023】
図4は、この第1実施形態にかかる稼働装置の作用を示す説明図である。この稼働装置1において、振動体6は、外部の通電回路から高周波数の交流電流を印加されて高速で伸縮運動し、その接触部66を被接触部51の周面に高速かつ反復的に衝突させる。すると、振動体6側がベース4に固定されているので、接触部66と被接触部51との摩擦接触により、被接触部51が所定方向に回転する。すると、被駆動体5全体が回転してベース4のネジ溝43により送られ、その回転にかかる軸方向、すなわち、ベース4の平面に対して垂直成分を有する方向に変位する。これにより、光学系21と撮像素子22との距離が変化して、撮像ユニットのフォーカスが調整される。
なお、前記ネジ部およびネジ溝43により、被駆動体5の回転運動を、振動体6の面外方向の直線運動(回転軸方向の成分を有する直線運動)に変換し、被駆動体5をその直線方向に変位させる変換機構が構成される。
【0024】
このように、この稼働装置1では、振動体6の駆動により被駆動体5を変位させて、撮像ユニットのフォーカスを任意に調整できるので、特に、フォーカス調整機能を要する電気機器に適用される場合に好ましい。また、被駆動体5の回転方向は、振動体6への交流電流の入力パターンの選択により、任意に変更可能である。これにより、正逆の両方向に被駆動体5を変位させて、フォーカスを遠近両方向に調整できる利点がある。特に、この振動体6は、印加電流の調整により、その駆動量の微調整が可能である。したがって、振動体6の駆動制御により被駆動体5を微少変位させ得るので、撮像ユニットのフォーカスを微調整できる利点がある。なお、振動体6の駆動パターンについては後述する。
【0025】
この稼働装置1によれば、ベース4の平面方向にかかる振動体6の振動により、被駆動体5をベース4の平面に対して垂直成分を有する方向に変位させ得る利点がある。また、被駆動体5の駆動部として薄板構造の振動体6を用いるので、装置全体を薄型化および小型化できる利点がある。また、振動体6が薄板構造を有するので、被駆動体5の駆動部(振動体6)を薄型かつ平面的に構成できる。これにより、稼働装置1全体を小型(薄型)に構成できる利点がある。また、この稼働装置1では、被駆動体5および振動体6がベース4上に配置されるので、その組み立てが容易である。
【0026】
なお、この第1実施形態において、稼働装置1は、撮像ユニット(光学系21および撮像素子22)を有する撮像装置であり、例えば、デジタルカメラ、携帯電話用カメラ、監視カメラ、テレビ電話、カメラ付パーソナルコンピュータその他の電気機器に適用される。特に、この稼働装置1は、振動体6の駆動制御により撮像ユニットのフォーカスを微調整できるので、かかる微調整が要求される電気機器に好適である。
【0027】
図5は、図1に記載した振動体を示す斜視図である。図6および図7は、図5に記載した振動体の動作を示す説明図である。この振動体6は、単一の補強板63を中心に配置し、この補強板63を一対の圧電素子62、64で挟み込み、これらを積層して構成される。また、振動体6は、電極61a〜61dと、電極65a〜65d(図示省略。各符号のみを括弧内に示す。)とを、その表裏の所定の位置に配置される。
【0028】
補強板63は、略長方形の板状構造を有し、その厚みが各圧電素子62、64より薄い。これにより、振動体6を高い効率で振動させ得る利点がある。また、補強板63は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅系合金その他の金属材料から成る。ただし、補強板63の構成材料は、これに限定されない。補強板63は、振動体6全体を補強する機能を有し、過振幅や外力等による振動体6の損傷を防止する。また、補強板63は、圧電素子62、64間にて、これらを導通させる共通の電極として機能する。
【0029】
圧電素子62、64は、補強板63と略合同な長方形の板状構造を有する。圧電素子62、64は、相互に対向して補強板63を表裏から挟み込み、補強板63に対して平面位置を揃えて積層される。また、圧電素子62、64は、補強板63に対して固着され、一体化されて単一構造物を構成する。これにより、振動体6の強度を向上できる利点がある。また、圧電素子62、64は、電圧の印加により伸縮可能な材料から成る。かかる材料としては、例えば、チタン酸ジルコニウム酸鉛、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等がある。
【0030】
電極61a〜61d、65a〜65dは、短冊状の金属部材から成り、圧電素子62、64上の所定の位置に設置される。ここで、これらの電極は、圧電素子62、64の長辺に対して略半分の長さを有し、各圧電素子62、64上の長辺側の縁部に沿って、長手方向にそれぞれ2枚ずつ並べて配置される。これにより、電極61a〜61d、65a〜65dは、各圧電素子62、64上にそれぞれ4枚ずつ並べられ、各圧電素子62、64の長手方向の中心線および幅方向の中心線に対して相互に対称に位置する(図5参照)。また、電極61f、65fは、圧電素子62、64の長辺に対して略同一の長さを有し、各圧電素子62、64の長手方向の中心線上に配置される。
【0031】
ここで、電極61a〜61dと、電極65a〜65dとは、振動体6の表裏にて相互に対向して配置される。図5中にて、括弧書きにて付した符号は、振動体6を挟み相互に対向する電極であることを示している。また、各圧電素子62、64上にて対角線を構成する電極61aおよび電極61cの組、ならびに、電極65aおよび電極65cの組とは、それぞれ各組内にて導通され、外部の通電回路に接続される。同様に、電極61bおよび電極61dの組、ならびに、電極65bおよび65dの組も、それぞれ各組内にて導通され、外部の通電回路に接続される。これにより、電極61a〜61d、65a〜65dは、通電回路からの電圧の印加により、これらの組み合わせにて通電する。なお、いずれの組み合わせにより通電させるかは、後述する通電回路の構成により、任意に選択できる。
【0032】
また、振動体6は、一方の短辺の中央、すなわち、長手方向の先端部の中央に、接触部66を有する。この接触部66は、補強板(振動板)63に対して単一部材により一体的に形成される。すなわち、本実施形態では、接触部66が、振動体6の短辺の一部に突出した凸部により形成される。これにより、接触部66を振動体6に対して強固に設置できる利点がある。特に、接触部66は、稼働装置1の稼働時にて、振動体6の振動により高速かつ反復的に、高い押圧力にて被接触部51に衝突する。したがって、かかる構成により、接触部66の耐久性を高め得る利点がある。また、接触部66は、半円形状の先端部を有する(図5参照)。かかる接触部66は、角形の先端部を有する場合と比較して、被接触部51の側面に安定的に摩擦接触する。これにより、振動体6の作用方向が多少ずれた場合にも、振動体6からの押圧力を確実に被接触部51に伝達できる利点がある。
【0033】
また、振動体6は、一方の長辺の中央、すなわち、長手方向の側部中央に、長辺に対して略垂直に突出する腕部68を有する。この腕部68は、補強板63に対して単一部材により一体的に形成される。これにより、腕部68を振動体6に対して強固に設置できる利点がある。振動体6は、腕部68の先端に設けられた孔681にボルト13を挿入され、このボルト13によりベース4に対して固定設置される。また、振動体6は、腕部68によりベース4の内壁面に対して浮上した状態で支持される(図2参照)。かかる構成では、振動体6とベース4との摩擦がないので、振動体6の振動が拘束され難く、振動体6の自由な振動を実現できる利点がある。また、腕部68は、補強板63が金属材料から成るので、弾性を有する。振動体6は、この弾性により接触部66を被接触部51の側面に付勢し、この状態にて腕部68により支持される。また、振動体6の補強板63は、この腕部68にてアース(接地)されている。
【0034】
ここで、腕部68は、振動体6の側方であって、振動体6の振動の節となる位置に設けられる。この位置は、振動解析その他公知の手法により当業者自明の範囲内にて適宜決定してよい。例えば、この稼働装置1のように、電極61a〜61d、65a〜65dが、振動体6の長手方向および幅方向に対称に設けられる場合には、この振動体6の長手方向の略中央付近が振動の節となる。そこで、この稼働装置1では、腕部68を振動体6の長辺の略中央に設ける。すると、振動体6の振動時にて、腕部68が振動体6の振動を阻害しないので、腕部68から外部への振動エネルギーの消散を抑制できる。これにより、被接触部51を効率的に駆動できる利点がある。
【0035】
図6および図7は、図5に記載した振動体の動作を示す説明図である。図6は、被接触部が図中の反時計回りに回転する場合を示し、図7は、被接触部が図6に示す方向とは逆方向に回転する場合を示している。
図6に示す状態では、まず、振動体6が、外部の通電回路(図示省略)から交流電圧を印加される。すると、振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、65aおよび65cが通電され、これらの電極と補強板63との間に交流電圧が印加される。圧電素子62、64は、この交流電圧により、電極が設置された部分にて、高速かつ反復的に部分的に伸縮する。ここで、圧電素子62、64は、電極61a、61c、65aおよび65cの設置部分にて、図中の矢印aの方向に伸縮する。これにより、振動体6は、全体として略S字状に屈曲した微少振動を行う。この振動により、振動体6の接触部66は、図中の矢印bで示す方向に往復運動するか、もしくは、図中の矢印cで示す方向に楕円運動する。被接触部51は、この運動により接触部66から押圧力を受ける。具体的には、被接触部51は、接触部66の振動変位Sの径方向成分S1(被接触部51の径方向の変位)により、接触部66と外周面511との間に摩擦力を受け、また、振動変位Sの周方向成分S2(被接触部51の円周方向の変位)により、図中の反時計回りの回転力を受ける。そして、被接触部51は、この押圧力を高速かつ反復的に接触部66から受けて、図中の反時計回りに回転する。
【0036】
一方、図7に示す状態では、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dが通電される。すなわち、図6に示す状態とは対称に、電極が通電される。すると、図6に示す状態と対称に振動体6が振動し、被接触部51が接触部66により押圧力を受けて、図中の時計回りに回転する。したがって、通電パターンの選択により、被接触部51を時計回りおよび反時計回りの双方向に駆動できる利点がある。なお、図7に示す状態では、通電されない他の電極61a、61c、65aおよび65cが、振動体6の振動を検出する振動検出手段を構成する。
【0037】
図8は、図1〜図7に記載した振動体の通電回路を示すブロック図である。この通電回路20は、駆動回路8と、スイッチ9とを含み構成される。通電回路20は、振動体6に交流電圧を印加して振動体6を駆動する。また、通電回路20は、通電パターンを切換えて振動体6の振動モードを切り換える機能と、振動体6から電圧を検出して振動をフィードバック制御する機能とを有する。
【0038】
駆動回路8は、発振回路81と、増幅回路82と、回転量制御回路83とを含み構成される。この駆動回路8では、発振回路81が交流電圧を出力し、増幅回路82がこの交流電圧を増幅して、振動体6に印加する。回転量制御回路83は、発振回路81および増幅回路82を制御し、被接触部51の回転量が指示された目標値となるように、振動体6に印加される交流電圧を調整する。
【0039】
スイッチ9は、交流電圧を印加される電極と、振動検出手段を構成する電極とを切り換え、これにより、被接触部51の回転方向を切り換える。このスイッチ9は、連動する2つのスイッチ部91および92を有しており、端子97を振動体6の電極61dに接続され、端子98を電極61aに接続される。また、スイッチ9は、端子93、96をそれぞれ増幅回路82の出力側に接続され、各端子93、96を介して、増幅回路82から交流電圧を印加される。また、スイッチ9は、端子94、95をそれぞれ発振回路81の入力側に接続される。
【0040】
この通電回路20において、まず、被接触部51の駆動にあたり、被接触部51の回転量(回転回数や回転角度)を回転量制御回路83に入力する。そして、被接触部51を図8中の反時計回り(正方向)に回転させる場合には、スイッチ9を切り換えて、端子94と端子97とを接続すると共に、端子96と端子98とを接続する。すると、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cが、増幅回路82の出力側に導通される。これにより、振動体6の圧電素子62、64に交流電圧が印加されて、振動体6が縦振動および屈曲振動し、被接触部51が接触部66に叩かれて図8中の反時計回りに回転する。
【0041】
また、この状態では、他の電極61b、61d、65bおよび65dが、駆動回路8の発振回路81の入力側に導通される。これらの電極は、振動体6の駆動時にて検出電極となり、通電された電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)を検出する。発振回路81は、検出された誘起電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、被接触部51を効率良く移動させ得る利点がある。また、回転量制御回路83は、被接触部51の回転量が指示された目標値になるまで発振回路81および増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動して被接触部51を回転させる。
【0042】
一方、被接触部51を図8中の時計回り(逆方向)に回転させる場合には、スイッチ9を切り換えて、端子93と端子97とを接続すると共に、端子95と端子98とを接続する。すると、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dが、増幅回路82の出力側に導通される。これにより、被接触部51が図8中の反時計回りに回転する。また、この状態では、他の電極61a、61c、65aおよび65cが駆動回路8の発振回路81の入力側に導通され、検出電極として機能する。なお、これらの作用については、被接触部51を反時計回りに回転させる場合と同様なので、その記載を省略する。
【0043】
この稼働装置1によれば、振動体6が薄型の板状形状を有するので、機器全体を薄型化し、また小型化できる利点がある。特に、電気光学機器の分野では、近年、薄型化および小型化に対する要請が極めて強く、当業者がこれに多額の研究開発費を投じる傾向にある。この点において、この振動体6により駆動部を構成された稼働装置1は、極めて有用である。また、振動体6が摩擦力(押圧力)により被接触部51を駆動するので、磁力により駆動されるモータと比較して、高い駆動トルクおよび効率を得られる利点がある。これにより、変速機構(減速機構)を介すことなく、被接触部51を十分な力で駆動できる利点がある。
【0044】
また、この稼働装置1によれば、振動体6の電気ノイズが、磁力により駆動されるモータと比較して極めて小さいので、電気ノイズにより周辺機器が受ける影響を低減できる利点がある。また、変速機構を要しないので、エネルギー損失が少ないという利点もある。また、被接触部51を振動体6で直接駆動し、別途減速機構を設ける必要がないので、機器を軽量化、小型化および薄型化できる利点がある。また、これにより、構造を極めて簡素化できると共に、製品を容易に製造できるので、製造コストを低減できる利点がある。
【0045】
また、この稼働装置1によれば、振動体6の面内振動を被接触部51の回転に直接変換できるので、変換に伴なうエネルギー損失を低減して高い駆動効率を得られる利点がある。また、被接触部51の停止状態にて、振動体6の接触部66が摩擦接触状態にて被接触部51に付勢するので、被接触部51の回転を抑制して、被接触部51を停止位置に安定的に保持できる利点がある。また、単一の振動体6で被接触部51を正逆の両方向に駆動させ得るので、駆動方向毎に専用の振動体を設ける場合と比較して、部品点数を低減できる利点がある。
【0046】
(第2実施形態)
次に、この稼働装置1の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の稼働装置の第2実施形態における振動体の斜視図であり、図10は、本発明の稼働装置の第2実施形態における回路構成を示すブロック図である。
以下、第2実施形態の稼働装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0047】
第2実施形態の稼働装置1は、被接触部51を停止状態に維持、すなわち、被駆動体5を停止状態に維持する第1のモードと、被接触部51の回転を可能(被接触部51をフリー状態)、すなわち、被駆動体5の移動を可能(被駆動体5をフリー状態)にする第2のモードと、被接触部51を正方向に回転させる第3のモードと、被接触部51を逆方向に回転させる第4のモードとを有しており、各電極への通電パターンの選択により振動体6の振動パターンを変更して、第1のモードと、第2のモードと、第3のモードと、第4のモードとのいずれかを選択し得るよう構成されている。以下、具体的に説明する。
【0048】
図9に示すように、振動体6は、圧電素子62の図9中上側に、板状の5つの電極61a、61b、61c、61dおよび61eが設置され、圧電素子64の図9中下側に、板状の5つの電極65a、65b、65c、65dおよび65e(図9中、電極65a、65b、65c、65dおよび65eは、図示せず、各符号のみを括弧内に示す)が設置されている。
【0049】
すなわち、圧電素子62を4つの長方形の領域にほぼ等しく分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極61a、61b、61cおよび61dが設置され、同様に、圧電素子64を4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極65a、65b、65cおよび65dが設置されている。
【0050】
そして、圧電素子62の中央部に長方形状をなす電極61eが設置され、同様に、圧電素子64の中央部に長方形状をなす電極65eが設置されている。各電極61eおよび65eは、それぞれ、その長手方向(長辺の方向)と振動体6の長手方向(長辺の方向)とが略一致するように配置されている。これら電極61eおよび65eは、それぞれ、検出電極であり、電極61eおよび65eと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)、すなわち、振動体6の振動の長手方向の成分(縦振動成分)により誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。また、前記電極61eおよび65eは、それぞれ、第2のモードで用いられる。
なお、電極61a、61b、61c、61dおよび61eの裏側に、それぞれ、電極65a、65b、65c、65dおよび65eが配置されている。
【0051】
一方の対角線上の電極61aおよび61cと、これらの裏側に位置する電極65aおよび65cとは、すべて電気的に接続され、同様に、他方の対角線上の電極61bおよび61dと、これらの裏側に位置する電極65bおよび65dとは、すべて電気的に接続されている。また、同様に、中央部の電極61eと、この裏側に位置する電極65eとは、電気的に接続(以下、単に「接続」と言う)されている。
【0052】
図10に示すように、第2実施形態の稼働装置1の通電回路20は、発振回路81、増幅回路82および回転量制御回路83を備えた駆動回路8と、スイッチ9と、スイッチ16とを有している。
スイッチ9は、通電する電極と、振動検出手段として利用する電極とを切り替える切替手段であり、スイッチ9の切り替えにより、被接触部51の回転方向を切り替える。
【0053】
このスイッチ9は、連動する2つのスイッチ部91および92を有しており、振動体6の電極61dは、スイッチ部91の端子97に接続され、電極61aは、スイッチ部92の端子98に接続されている。
そして、スイッチ部91の端子93およびスイッチ部92の端子96は、それぞれ、駆動回路8の増幅回路82の出力側に接続されており、増幅回路82から各端子93および96に、それぞれ交流電圧が印加されるようになっている。
また、振動体6の補強板63は、アース(接地)されている。
また、スイッチ部91の端子94およびスイッチ部92の端子95は、それぞれ、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
【0054】
スイッチ16は、連動する2つのスイッチ部161および162を有している。
スイッチ部161の端子163は、スイッチ9の端子94および95に接続されており、端子164は、振動体6の電極61eに接続されている。
そして、スイッチ部161の端子167は、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
【0055】
また、スイッチ部162の端子166は、スイッチ9の端子98および振動体6の電極61aに接続されており、端子168は、スイッチ9の端子97および振動体6の電極61dに接続されている。
なお、駆動回路8については、前述した第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0056】
次に、各モードについて説明する。
第1のモードでは、振動体6に対し、励振しない。すなわち、振動体6のいずれの電極へも通電しない。この場合は、振動体6の接触部66が被接触部51に圧接し、接触部66と被接触部51との摩擦力により、被接触部51を停止状態に維持し、これにより、被駆動体5を停止状態に維持することができる。すなわち、被駆動体5が移動するのを阻止し、被駆動体5を所定の位置に保持することができる。
【0057】
また、第2のモードでは、被接触部51の外周面511における接触部66の当接位置での接線に対して略垂直な方向の振動を励振する。すなわち、振動体6の両対角線上の電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dに通電し、これらの電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、振動体6は、長手方向(長辺の方向)に繰り返し伸縮、すなわち、長手方向に微小な振幅で振動(縦振動)する。換言すれば、振動体6の接触部66は、長手方向(長辺の方向)に振動(往復運動)する。
【0058】
被接触部51は、振動体6が収縮するときに、接触部66から離間してその接触部66との間の摩擦力が無くなるか、または、前記摩擦力が減少し、フリー状態となり、図10中の反時計回りおよび時計回りのいずれの方向にも自由に回転することができ、これにより、被駆動体5は、自由に移動することができる。一方、振動体6が伸張するときは、被接触部51は、接触部66から押圧力を受けるが、その方向は、前記接線に対して略垂直な方向であるので、被接触部51は、図10中の反時計回りおよび時計回りのいずれの方向にも回転せず、被駆動体5は、移動しない。
従って、振動体6の振動により、被接触部51、すなわち、被駆動体5は、フリー状態となり、両方向に自由に移動することができる。
【0059】
また、第3のモードでは、少なくとも被接触部51の回転方向正方向の振動変位成分(図4に示す周方向成分S2)を有する振動を励振する。すなわち、振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、65aおよび65cに通電し、これらの電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、第1実施形態で述べたように、被接触部51は、図10中の反時計回り(正方向)に回転する。この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61b、61d、65bおよび65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
【0060】
また、第4のモードでは、少なくとも被接触部51の回転方向逆方向の振動変位成分(図5に示す周方向成分S2)を有する振動を励振する。すなわち、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65dに通電し、これらの電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、第1実施形態で述べたように、被接触部51は、図10中の時計回り(逆方向)に回転する。この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
【0061】
次に、図10に基づいて、稼働装置1の作用を説明する。
電源スイッチがオンの状態において、被接触部51(被駆動体5)の停止/フリーの指示や、被接触部51の回転方向および回転量(被接触部51の回転回数や回転角度)の指示があると、それに基づいて、スイッチ9、16および駆動回路8の回転量制御回路83が作動する。すなわち、前記第1のモード、第2のモード、第3のモードおよび第4のモードのいずれかに設定される。
【0062】
被接触部51を図10中の反時計回り(正方向)に回転させる旨の指示(第3のモード)の場合には、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わるとともに、スイッチ9の端子94と端子97が接続し、端子96と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cとが導通し、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
【0063】
駆動回路8の発振回路81および増幅回路82は、それぞれ、回転量制御回路83により制御される。
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6の接触部66が、図4の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)し、被接触部51は、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分が伸長するときに接触部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、図1中の反時計回り(正方向)に回転する。
【0064】
そして、前記被接触部51とともに被接触部51が図1中の反時計回り(正方向)に回転し、これにより、被駆動体5が運動する。
この際、通電されていない(駆動していない)各電極61b、61d、65bおよび65dは、それぞれ、検出電極となり、電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。
【0065】
前記検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、被駆動体5を効率良く移動させることができる。
また、回転量制御回路83は、指示された被接触部51の回転量(目標値)に基づいて、各電極への通電を制御する。
すなわち、回転量制御回路83は、被接触部51の回転量が、指示された被接触部51の回転量(目標値)になるまで発振回路81および増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動し、被接触部51を回転させる。
【0066】
前記と逆に、被接触部51を図10中の時計回り(逆方向)に回転させる旨の指示(第4のモード)の場合には、図10に示すように、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わるとともに、スイッチ9の端子93と端子97が接続し、端子95と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dとが導通し、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。以降の動作は、前記被接触部51を図10中の反時計回りに回転させる旨の指示の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0067】
また、被接触部51を停止状態に維持する指示、すなわち、被駆動体5を停止状態に維持する指示(第1のモード)の場合には、図10に示すように、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わる。
そして、回転量制御回路83は、発振回路81および増幅回路82を作動させない。すなわち、振動体6のいずれの電極へも交流電圧を印加しない。
【0068】
被接触部51には、振動体6の接触部66が圧接(当接)し、接触部66と被接触部51との摩擦力により、被接触部51が停止状態に維持され、これにより、被駆動体5が停止状態に維持される。すなわち、被駆動体5が移動するのが阻止され、被駆動体5は、所定の位置に保持される。
なお、第1のモードの場合には、振動体6のいずれの電極へも交流電圧を印加しなければ、スイッチ9および16は、それぞれ、どのように切り替わっていてもよい。
【0069】
また、被接触部51をフリー状態にする指示、すなわち、被駆動体5をフリー状態にする指示(第2のモード)の場合には、スイッチ16の端子164と端子167とが接続し、端子166と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dとが導通し、振動体6の電極61eおよび65eと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
【0070】
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の接触部66が、長手方向に振動(往復運動)し、被接触部51、すなわち、被駆動体5は、フリー状態となり、両方向に自由に移動することができる。
【0071】
この際、各電極61eおよび65eからは、それぞれ、電極61eおよび65eと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)が検出される。その検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の縦振動の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数の交流電圧を出力する。これにより、被接触部51をより円滑に回転、すなわち、被駆動体5をより円滑に移動させることができる。
なお、第2のモードの場合には、スイッチ9は、どのように切り替わっていてもよい。
【0072】
この第2実施形態の稼働装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この稼働装置1では、被接触部51(被駆動体5)の停止状態を維持する状態、すなわち高摩擦状態と、被接触部51の回転(被駆動体5の移動)を可能(被接触部51や被駆動体5をフリー状態)にする状態、すなわち低摩擦状態と、被接触部51を正方向へ回転させる状態と、被接触部51を逆方向へ回転させる状態との4状態のうちから、任意の状態を選択することができるので、汎用性が広い。
【0073】
なお、前述の振動体6においては、駆動するための電極を4分割して駆動する場合について説明したが、それは、縦振動と屈曲振動を選択的に励振するための一例を示したのであり、本発明では、前述の振動体6の構造や駆動の方法に限定されるものではない。
また、本発明では、前記第3のモードまたは第4のモードが省略され、被接触部51が一方向にのみ回転するように構成されていてもよく、この場合も単一の振動体6で被駆動体5を、往復運動、すなわち、両方向に移動させることができる。
【0074】
(第3実施形態)
次に、本発明の稼働装置の第3実施形態について説明する。
図11は、本発明の稼働装置の第3実施形態にかかる振動体を示す斜視図である。なお、以下の説明では、図11中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第3実施形態の稼働装置1について、前述した第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0075】
第3実施形態の稼働装置1は、第2実施形態にて記載した第1〜第4のモードに加えて、さらに、縦振動および屈曲振動が複合される第5のモードおよび第6のモードを備える点に特徴を有する。これらのモードは、第1〜第4のモードと同様に、各電極61a〜61d、61f、65a〜65d、65fへの通電パターンの変更により任意に選択され得る。
【0076】
この稼働装置1の振動体6は、第2実施形態の検出電極61e、65eに代えて、圧電素子62の図11中上側に電極61fを備え、また、図11中下側に電極65fを備える。これらの電極61f、65fは、長方形の板状形状を有すると共に振動体6の長手方向の長さと略同一寸法を有し、振動体6の長手方向に沿って、その中央部に配置される。また、電極61fおよび電極65fは、振動体6の表裏にて電気的に接続され、他の電極61a〜61d、65a〜65dと同様に通電回路20側に電気的に接続される(図示省略)。
【0077】
図12は、図11に示す稼働装置における振動体が振動する様子を示す平面図である。
この稼働装置1において、第5のモードでは、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65dが通電され、これらの電極と補強板63との間に交流電圧が印加される。すると、これらの電極に対応する振動体6の部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6全体が屈曲二次振動する。この屈曲二次振動により、振動体6の接触部66が、図12中の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)し、または、矢印cで示すように楕円振動(楕円運動)する。これにより、被接触部51が、接触部66から繰り返し摩擦力(押圧力)を受けて、図12中の反時計回りに回転する。
【0078】
また、この第5のモードでは、さらに、振動体6の中央部の電極61fおよび65fが通電され、圧電素子62、64が、電極61fおよび65fの設置位置にて、高速かつ反復的に部分的に伸縮する。すると、振動体6が、長手方向の中心線上にて、長手方向に沿った部分的な微少振動を行う。これを縦一次振動という。この縦一次振動により、接触部66は、振動体6の長手方向に押圧力を増加され、強い押圧力にて被接触部51に付勢する。これにより、屈曲二次振動のみにより振動体6を駆動する場合と比較して、高い駆動力を得られる利点がある。
【0079】
なお、この第5モードにおいて、通電されていない電極61b、61d、65bおよび65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として機能する。これらの電極は、振動体6の駆動時にて、通電された電極61a、61c、61f、65a、65cおよび65fと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)を検出して、発振回路81に入力する。発振回路81は、検出された誘起電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、誘起電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、被接触部51を効率良く移動させ得る利点がある。なお、これらの通電されていない電極の作用は、第1実施形態と同様である。
【0080】
図13は、図11に記載した振動体が振動する様子を示す平面図である。
この稼働装置1において、第6のモードでは、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65d、並びに、振動体6の中央部の電極61fおよび65fが通電される。そして、振動体6が第5のモードとは対称に振動し、被接触部51を図13中の時計回りに回転させる。これにより、逆方向の回転についても、高い駆動力を得られる利点がある。
【0081】
なお、この第6モードにおいて、通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として機能する。これらの電極は、振動体6の駆動時にて、通電された電極61b、61d、61f、65b、65dおよび65fと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)を検出して、発振回路81に入力する。発振回路81は、検出された誘起電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、誘起電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、被接触部51を効率良く移動させ得る利点がある。なお、これらの通電されていない電極の作用は、第1実施形態と同様である。
【0082】
ここで、図11に示すように、振動体6の本体部の、交流電圧の印加により伸縮する方向(伸縮方向)である長手方向の寸法(接触部66の突出方向にかかる本体部の寸法)、すなわち長辺の長さ寸法を、長さ寸法L(以下、単に寸法Lとも言う)とし、振動体6の本体部の長手方向に対して略垂直な方向の寸法(接触部66の突出方向に対して略垂直な方向にかかる本体部の寸法)、すなわち短辺の長さ寸法を、幅寸法A(以下、単に寸法Aとも言う)としたとき、その長さ寸法Lと幅寸法Aとの比(L/A)は、特に限定されないが、長さ寸法Lと幅寸法Aとの比(L/A)は、2〜5程度が好ましく、3〜4程度がより好ましく、3.54程度が特に好ましい。上記条件では、縦一次振動と屈曲二次振動の共振周波数の関係が適正となり、良好な駆動効率を得ることが出来る。
【0083】
なお、この稼働装置1において、振動体6の振動モードは、上記第1〜第6のモードに限定されず、当業者自明の範囲内にて任意の振動モードを採用してもよい。例えば、図11に記載した振動体6において、▲1▼電極61f、65fのみに交流電圧を印加して、振動体6に縦一次の振動を励起してもよいし、▲2▼電極61a〜61f、65a〜65fのすべてに交流電圧を印加し、かつ所定の電極に対する電圧の印加タイミングをずらし、振動体6に縦一次および屈曲三次の複合振動を励起してもよい。
【0084】
図16は、図11に記載した振動体の電気的特性を示すグラフである。同図では、横軸に振動体6の駆動時における振動周波数[Hz]をとり、縦軸に振動体6が被接触部51を押圧していないときの圧電素子62、64のインピーダンス[Ω]をとる。
図16に示すように、この振動体6は、縦一次振動の共振周波数f1と、屈曲二次の共振周波数f2とを有する。これらの共振周波数f1、f2では、いずれもインピーダンスが極小値をとる。ここで、これらの共振周波数f1、f2は、振動体6固有の周波数である。共振周波数f1、f2は、振動体6の形状や大きさ、接触部66の位置等の選択により、任意に設計変更可能である。この振動体6では、共振周波数f1、f2が相互に近接するように設定される。例えば、この振動体6では、屈曲二次振動の共振周波数f2が、縦一次振動の共振周波数f1に対して、例えば、約1[%]〜2[%]程度大きい。この構成において、これらの近傍の周波数、特に、これらの共振周波数f1、f2の間の周波数にて振動体6を駆動すると、縦一次振動および屈曲二次振動の双方の複合振動が得られる。また、この複合振動は、縦一次振動および屈曲二次振動の双方の共振周波数f1、f2に近いため、双方の駆動特性を顕著に有する。これにより、振動体6の駆動状態にて、縦一次振動および屈曲二次振動の双方の駆動特性を効率的に得られる利点がある。
【0085】
また、この振動体6では、これらの共振周波数f1、f2が、相互に異なる数値となるように設定される(図16参照)。すると、押圧状態では、共振点近傍にて圧電素子62、64のインピーダンス変化が鈍くなり、縦一次振動の共振周波数f1と屈曲二次振動の共振周波数f2の際目が不明瞭となる。また、これらの共振周波数f1、f2の近傍にて、特に、共振周波数f1、f2の間の周波数にて、インピーダンスの値が低い周波数帯を幅広く形成できる。これにより、広い周波数帯にて縦一次振動および屈曲二次振動を結合した励振を行えると共に、駆動時の投入電力を安定化できる利点がある。
【0086】
また、この稼働装置1では、振動体6が、縦一次振動の共振周波数f1と、屈曲二次振動の共振周波数f2との間の振動周波数(駆動周波数)にて駆動される。この場合、振動体6の駆動周波数を縦一次振動の共振周波数f1に近づけると、押圧力を増す方向の振動振幅が大きくなるので、振動体6の接触部66と被接触部51との間の摩擦力が増加して、駆動力が高くなる(高駆動力型となる)。また、振動体6の駆動周波数を屈曲二次振動の共振周波数f2に近づけると、振動体6の振動変位の内、被接触部51の回転方向の成分が大きくなるので、単位回数あたりの被接触部51の回転量が増加して、駆動速度(回転速度)が高くなる(高速型となる)。このように、縦一次振動の共振周波数f1と、屈曲二次振動の共振周波数f2とをずらすと共に、これらの共振周波数f1、f2間の周波数帯にて駆動周波数を適宜設定(選択)することにより、例えば、駆動力や駆動速度に関して、任意の駆動特性を得られる利点がある。
【0087】
また、この振動体6では、屈曲二次振動の共振周波数f2が、縦一次振動の共振周波数f1よりも、f1の0.5[%]〜3[%]程度大きいのが好ましく、1[%]〜2[%]程度大きいのがより好ましい。
屈曲二次振動の共振周波数f2と縦一次振動の共振周波数f1との差を前記範囲内に設定することにより、押圧状態で縦一次振動と屈曲二次振動が同時に起きる(結合する)ので摩擦力と駆動力とが同時に得られ、良好な駆動特性が得られる。
【0088】
なお、これに限らず、縦一次振動の共振周波数f1の方が、屈曲二次振動の共振周波数f2より大きくてもよい。この場合、縦一次振動の共振周波数f1は、屈曲二次振動の共振周波数f2よりも、f2の0.5[%]〜3[%]程度大きいのが好ましく、1[%]〜2[%]程度大きいのがより好ましい。さらに、より大きな電力を投入し、大きな機械的出力を得るためには、駆動周波数において、インピーダンスを下げることが好ましい。
【0089】
また、この振動体6では、屈曲二次振動の共振周波数f2におけるインピーダンスの方が、縦一次振動の共振周波数f1におけるインピーダンスより大きく、また、共振周波数f1、f2間にて、インピーダンスが極大となる周波数f3を有する。そして、振動体6は、この縦一次振動の共振周波数f1と、屈曲二次振動の共振周波数f2との間の所定の駆動周波数にて駆動されるのが好ましく、f3とf2の間の所定の駆動周波数にて駆動されるのがより好ましい。これにより、振動体6の駆動時に縦振動と屈曲振動の振動位相をずらして励振することができる。したがって、接触部66を楕円軌道c(図6および図7参照)に沿って振動させることができ、振動体6から被接触部51に対し、被接触部51を引き戻す力を与えることなく、効率良く力を与えることができる。
なお、上記のように共振周波数f1、f2を異ならせたり、近接させたりする構成は、他の第1実施形態および第2実施形態にて適用してもよい。これにより、同様の効果を得られる利点がある。
【0090】
なお、この第3実施形態の稼働装置1では、各圧電素子62、64上にそれぞれ5枚の電極61a〜61d、61f、65a〜65d、65fを配置して、被接触部51の正転および反転の双方向駆動を実現する(図5〜図8参照)。しかし、これに限らず、被接触部51を一方向にのみ回転させる場合には、振動体6をより簡素な構成としてもよい。
【0091】
図14は、図11に記載した振動体の変形例を示す斜視図である。この振動体6は、図11に記載した振動体6と比較して、電極61a、61c、61fに代えて、これらを結合した単一の電極61gをこれらが配置された位置と同じ位置に設ける。また、電極65a、65c、65fに代えて、これらを結合した単一の電極65g(図示省略。各符号のみを括弧内に示す。)をこれらが配置された位置と同じ位置に設ける。また電極61dを65dとは独立に設ける。そして、他の電極61b、65b、65dを省略する点に特徴を有する。
【0092】
図15は、図14に記載した振動体が振動する様子を示す平面図である。この振動体6では、これらの単一電極61g、65gが通電され、これらが配置された部分にて圧電素子62、64が高速かつ反復的に伸縮する(図15参照)。すると、電極61g、65gの部分のうち、電極61a、61c、65a、65cに対応する部分の伸縮により、第5モードの作用と同様に屈曲二次振動が発生する。また、電極61g、65gの部分のうち、電極61f、65fに対応する部分の伸縮により、第5モードの作用と同様に縦一次振動が発生する。これにより、縦一次振動と屈曲二次振動との複合振動が発生して、第5モードの作用と同様の作用により、被接触部51が図15中の反時計回りに回転する。
【0093】
電極61dは不図示の駆動回路8の発振回路81と接続し、発振周波数を適正な値に保つために使用される。
なお、この振動体6では、被接触部51の駆動方向は、この一方向のみである。この振動体6によれば、図11に記載した振動体6と比較して、電極の数を低減できるので、製品の構造を簡素化できると共に製品の製造工程を短縮化できる利点がある。また、一方向のみの駆動なので通電回路20のスイッチ9を省略でき、これにより、製品をより簡素化できる利点がある。
【0094】
また、電極61b、61d、61fに代えて、これらを結合した単一の電極61(図示省略)を、これらが配置された位置と同じ位置に設ける。また、電極65b、65d、65fに代えて、これらを結合した単一の電極(図示省略)をこれらが配置された位置と同じ位置に設け、他の電極61a、61c、65a、65cを省略してもよい。この場合は、被接触部51は、前記と逆方向(図15中の時計回り)に回転する。
【0095】
(第4実施形態)
次に、本発明の稼働装置1の第4実施形態について説明する。
図17は、本発明の稼働装置の第4実施形態を示す平面図である。
以下、第4実施形態の稼働装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0096】
上記した第1実施形態の稼働装置1では、接触部66が振動体6の一短辺の中央に配置される。しかし、接触部66の位置は、これに限定されない。例えば、図17に示すように、接触部66が、振動体6の短辺の中央からずれた位置、すなわち、振動体6の長手方向の中心線上から外れた位置に設けられてもよい。かかる構成では、▲1▼接触部66の設置位置の偏りにより振動体6の重量にアンバランス、▲2▼振動体6を駆動する電極61a〜61f、65a〜65fの配置のアンバランス、▲3▼被駆動体からの反力が振動体6の中心線から外れて作用することによるアンバランス等が生じる。すると、通電により振動体6が伸縮したときに、縦振動および屈曲振動の複合振動が振動体6に容易に誘発される。これにより、振動体6の駆動効率を高められる利点がある。
【0097】
ここで、上記▲3▼の理由からすれば、接触部66は図9のように短辺全体に突出していても振動体6の中心線に対し被接触部51の中心がずれていれば同等な効果があるので、本発明には、それも含まれる。
同様に、接触部66が短辺の中央部で突出していても振動体6の中心線と被接触部51の中心がずれていれば同等であり、複合振動が誘発される。従って、本発明には、それも含まれる。
【0098】
以下、図19および図20に基づいてさらに説明する。
上記▲1▼〜▲3▼の作用はそれぞれに独立したものであるので、自由に組み合わせることができる。例えば図19に示すように、振動体6の短辺全てにわたって設けられた接触部66に対して振動体6の中心線からずれた位置で被接触部51と接触させる構成とすることで、上記▲2▼と▲3▼の作用により縦振動および屈曲振動の複合振動を振動体6に誘発させ、駆動効率の向上を図ることが出来る。
【0099】
また、同様に図20に示すように、台形形状の本体部を有する振動体6に対しても、長手方向の中心線からずれた位置に接触部66を設け、被接触部51と接触させる事で、被駆動体からの反力を振動体6の中心線から外れて作用させ、振動体6の長手方向と直行する方向の変位を発生させることが可能となり、駆動効率が向上する。
【0100】
なお、この第4実施形態において、単一の電極61、65を圧電素子62、64の全面にそれぞれ設けた構成とすることも可能である。図18は、図17に記載した振動体の変形例を示す斜視図である。かかる構成によっても、上記振動体6のアンバランスにより縦振動および屈曲振動の複合振動が誘発されるので、簡易な電極構成で被接触部51を効率良く駆動できる利点がある。
【0101】
図32は、図18に記載した振動体の変形例を示す斜視図である。同図に示すように、振動体6は、その補強板63の一方の面(片側)に、圧電素子62を設け、単一の電極61を圧電素子62の全面に設けた構成とすることも可能である。
かかる構成によっても、上記振動体6のアンバランスにより縦振動および屈曲振動の複合振動が誘発されるので、簡易な電極構成で被接触部51を効率良く駆動できる利点がある。
【0102】
また、圧電素子62および電極61が補強板63の一方の面(片側)のみに設けられるので、構造が簡易であり、振動体6の厚みを薄くすることができ、また、コストを低減することができる利点がある。
また、この圧電素子62および電極61を補強板63の一方の面(片側)のみに設ける構成は、前述した種々の構成の振動体(超音波モータ)や後述する種々の構成の振動体に適用することができる。また、接触部66の形状、数、位置や、電極の形状、数、位置等は、特に限定されない。
【0103】
すなわち、本発明では、振動体6は、接触部66および腕部68を一体的に形成された補強板63上(補強板63の一方の面側)に、交流電圧の印加により伸縮する圧電素子62を設けた構造(平面構造)としてもよい。
また、このような補強板63の一方の面(片側)のみに圧電素子62を設けた振動体6は、前述した各実施形態や後述する各実施形態に適用することができる。
【0104】
(第5実施形態)
図21は、本発明の稼働装置の第5実施形態における超音波モータを示す断面平面図である。なお、以下の説明では、図21中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第5実施形態の稼働装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0105】
同図に示すように、第5実施形態の稼働装置1(超音波モータ)では、その振動体6の補強板63に、弾性(可撓性)を有する1対(2つ)の腕部68が一体的に形成されている。
1対の腕部68は、補強板63の長手方向(図21中上下方向)ほぼ中央に、長手方向とほぼ垂直な方向であって、かつ、補強板63(振動体6)を介して互いに反対方向に突出するように(図21中左右対称に)設けられている。
この第5実施形態の稼働装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0106】
そして、この稼働装置1では、振動体6に1対の腕部68が設けられているので、支持に対する剛性が高まり、駆動の反力等の外力に対しても安定した支持ができる。さらに、左右対称になるので、図21中時計回り(右方向)の駆動特性と図21中反時計回り(左方向)の駆動特性への影響を均一化でき、正逆方向の特性が等しいものを実現することができる。
また、この第5実施形態に、前述した第2〜第4実施形態や、後述する各実施形態を適用することができ、例えば、第3実施形態を適用することが好ましい。
【0107】
(第6実施形態)
次に、本発明の稼働装置1の第6実施形態について説明する。
以下、第6実施形態の稼働装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
上記第1実施形態の稼働装置1では、振動体6により略円筒形状の被駆動体5を駆動した。しかし、これに限らず、振動体6により他の形状、構造を有する被駆動体を駆動するよう構成してもよい。その被駆動体としては、例えば、円柱形状、断面扇形形状、断面円弧形状等を有する回転構造物等が挙げられる(図示省略)。
【0108】
(第7実施形態)
図22は、この発明の第7実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。同図において、上記した実施形態の稼働装置と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この稼働装置1は、第1実施形態の稼働装置1と比較して、振動体6の構成および配置を工夫した点に特徴を有する。第1実施形態の稼働装置1では、振動体6が、その短辺の略中央に接触部66を有する。そして、被接触部51が、振動体6の長手方向の延長線上に配置される(図2参照)。一方、この第7実施形態の稼働装置1では、振動体6が、その長辺の端部に接触部66を有する。この接触部66は、振動体6の長手方向とは異なる方向に突出する。また、被接触部51が、振動体6の側方、すなわち長手方向の延長線上から外れた位置に配置される(図22参照)。これにより、振動体6と被接触部51とを稼働装置1の厚み方向に対して平面的に重ねて配置できるので、稼働装置1の幅を小さくできる利点がある。なお、振動体6および被接触部51の配置構成について、第1実施形態および第7実施形態のいずれの配置構成を採用するかは、稼働装置1の設置位置や使用目的に応じて、当業者自明の範囲内で適宜選択して良い。
【0109】
(第8実施形態)
図23は、この発明の第8実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。同図において、上記した実施形態の稼働装置と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この稼働装置1は、第1実施形態の稼働装置1と比較して、光学系21および撮像素子22の配置を逆転した点に特徴を有する。すなわち、この稼働装置1では、光学系21がベース4側に配置され、撮像素子22が被駆動体5側に配置される。なお、この稼働装置1では、ベース4の板状部41に開口部44が設けられ、この開口部44内に光学系21が配置される。また、撮像ユニット21、22の撮像方向は、撮像素子22側からこの開口部44を抜けてベース4の背面側に向かう方向となる。この稼働装置1において、振動体6が駆動されて被駆動体5を回転させ、被駆動体5がベース4に対して遠近方向に変位すると、撮像素子22側が変位して光学系21との距離を変化させる。これにより、撮像ユニット21、22のフォーカスが調整される。
【0110】
(第9実施形態)
図24は、この発明の第9実施形態にかかる稼働装置を示す要部断面図である。図25(a)および図26は、図24に記載した稼働装置を示すB−B視断面図(図25(a))およびC−C視断面図(図26)である。これらの図において、上記した実施形態の稼働装置と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この稼働装置1では、被接触部51が、被駆動体5に対して別個に設けられる点に特徴を有する。この被接触部51は、円柱形状を有するロータであり、軸54を介して、ベース4の板状部41の平面上にその回転軸を立てて設置される。振動体6は、この被接触部51の周面に接触部66を摩擦接触させる。軸54には、歯車53が設けられる。また、被駆動体5は、その周面の上部側に歯溝55を形成される。歯車53は、被接触部51よりも大径であり、被駆動体5の歯溝55と噛み合わされて設置される。
【0111】
図27は、図24に記載した稼働装置の動作を示す説明図である。この稼働装置1において、振動体6が外部の通電回路20から高周波電流を印加されて振動すると、被接触部51が振動体6の接触部66に叩かれて軸54周りに回転する。すると、歯車53が軸54を介して被接触部51と共に回転し、被駆動体5と噛み合って被駆動体5を回転させる。すると、被駆動体5が、送られてベース4に対して遠近方向に変位する。これにより、光学系21と撮像素子22との距離が変化して、撮像ユニット21、22のフォーカスが調整される。この稼働装置1によれば、振動体6と被駆動体5との間に介在する中間機構51、53の配置や大きさを変更することにより、被駆動体5に対する振動体6の配置を任意に変更できる利点がある(図2および図24参照)。これにより、振動体6の配置の自由度を高められる。また、この稼働装置1において、例えば、図25(b)に示すように、被接触部51の径を歯車53の径よりも大きくすれば、これら中間機構51、53が減速機構として機能して、被駆動体5がゆっくりと回転する。これにより、被駆動体5を大きなトルクで駆動できる利点がある。
【0112】
(第10実施形態)
図28は、この発明の第10実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。図29および図30は、図28に記載した稼働装置を示す背面図(図29)およびD−D視断面図(図30)である。これらの図において、上記した実施形態の稼働装置と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この稼働装置1では、第9実施形態の稼働装置1と比較して、被駆動体5および歯車53をベース4の前面側に配置し、振動体6および被接触部51をベース4の背面側に配置した点に特徴を有する。振動体6は、ベース4の板状部41の背面側にボルト13を介して固定設置され、被接触部51の周面にその接触部66を摩擦接触させる。被接触部51は、軸54を介して歯車53と結合され、板状部41の背面側に回転可能に設置される。軸54は、ベース4の板状部41を貫通し、ベース4の背面側から前面側に抜ける。歯車53は、ベース4の前面側に配置され、軸54により回転可能に支持される。歯車53は、被駆動体5の周面上部に形成された歯溝55と噛み合う。被駆動体5は、周面下部のネジ部52にて、ベース4の円筒部42に螺合される。
【0113】
この稼働装置1において、振動体6が外部の通電回路20から高周波電流を印加されて振動すると、被接触部51が振動体6の接触部66に叩かれて軸54周りに回転する。すると、歯車53が軸54を介して被接触部51と共に回転し、被駆動体5と噛み合って被駆動体5を回転させる。すると、被駆動体5が、送られてベース4に対して遠近方向に変位する。これにより、光学系21と撮像素子22との距離が変化して、撮像ユニット21、22のフォーカスが調整される。
【0114】
この稼働装置1によれば、振動体6および被接触部51がベース4の背面側に配置されるので、第9実施形態の稼働装置1と比較して、ベース4の前面側を広く使える利点がある。したがって、より大きな光学系21を有する被駆動体5を設けられる利点がある(図24および図28参照)。また、同じ大きさの被駆動体5を用いる場合にあっては、ベース4側を小型化できる利点がある。また、振動体6は、薄型の板状形状を有するので、ベース4の背面側に配置されても、稼働装置1自体の厚みを余り増加させない。したがって、稼働装置1を薄型に維持しつつ、被駆動体5の駆動系を構成できる利点がある。なお、この稼働装置1において、ベース4の背面側に減速機構その他の中間機構をさらに設けても良い(図示省略)。この稼働装置1では、ベース4の背面側を広く使えるので、第9実施形態の稼働装置1と比較して、中間機構を自在に構成できる利点がある。
また、図31に示すように、被駆動体5側にネジ溝(第2ネジ部)52aを設け、ベース4側にネジ部(第1ネジ部)43aを設け、ベース4側が被駆動体5の外側から螺合してもよい。なお、これは、各実施形態でも同様である。
【0115】
以上、本発明の稼働装置および電気機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態にかかる稼働装置を示す斜視図である。
【図2】図1に記載した稼働装置を示す平面図である。
【図3】図2に記載した稼働装置を示すA−A視断面図である。
【図4】第1実施形態にかかる稼働装置の作用を示す説明図である。
【図5】図1に記載した振動体を示す斜視図である。
【図6】図5に記載した振動体の動作を示す説明図である。
【図7】図5に記載した振動体の動作を示す説明図である。
【図8】振動体の通電回路を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態における振動体の斜視図である。
【図10】第2実施形態における回路構成を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態にかかる振動体を示す斜視図である。
【図12】振動体が振動する様子を示す平面図である。
【図13】振動体が振動する様子を示す平面図である。
【図14】振動体の変形例を示す斜視図である。
【図15】振動体が振動する様子を示す平面図である。
【図16】振動体の電気的特性を示すグラフである。
【図17】稼働装置の第4実施形態を示す平面図である。
【図18】振動体の変形例を示す斜視図である。
【図19】振動体の変形例を示す斜視図である。
【図20】振動体の変形例を示す斜視図である。
【図21】第5実施形態の超音波モータを示す断面平面図である。
【図22】第7実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。
【図23】第8実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。
【図24】第9実施形態にかかる稼働装置を示す要部断面図である。
【図25】図24に記載した稼働装置を示すB−B視断面図である。
【図26】図24に記載した稼働装置を示すC−C視断面図である。
【図27】図24に記載した稼働装置の動作を示す説明図である。
【図28】第10実施形態にかかる稼働装置を示す平面図である。
【図29】図28に記載した稼働装置を示す背面図である。
【図30】図28に記載した稼働装置を示すD−D視断面図である。
【図31】第10実施形態の稼働装置の変形例を示す断面図である。
【図32】振動体の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…稼働装置、21…光学系、22…撮像素子、4…ベース、41…板状部、42…円筒部、43、52a…ネジ溝、44…開口部、5…被駆動体、51…被接触部、6…振動体、8…駆動回路、9…スイッチ、13、13A、13B…ボルト、16…スイッチ、20…通電回路、43a、52…ネジ部、53…歯車、54…軸、55…歯溝、61a〜61g、65a〜65g…電極、62、64…圧電素子、63…補強板、66…接触部、68…腕部、681…孔、81…発振回路、82…増幅回路、83…回転量制御回路、91、92…スイッチ部、93〜98、163〜168…端子、161、162…スイッチ部、511…外周面
Claims (15)
- ベースと、
前記ベースに対して回転可能に設けられた被駆動体と、
交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層してなり、前記ベースに対して固定設置され、前記被駆動体を回転させる平面構造の振動体を有する超音波モータと、
前記被駆動体の回転運動を、前記振動体の面外方向の直線運動に変換し、該被駆動体をその直線方向に変位させる変換機構とを備えることを特徴とする稼働装置。 - ベースと、
前記ベースに対して回転可能に設けられた被駆動体と、
交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層してなり、前記ベースに対して固定設置され、前記被駆動体を回転させる振動体を有する超音波モータと、
前記被駆動体の回転運動を、その回転軸方向の成分を有する直線運動に変換し、該被駆動体をその直線方向に変位させる変換機構とを備えることを特徴とする稼働装置。 - 前記被駆動体に設けられた光学系と、前記ベースに設けられた撮像素子とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記直線方向に向けて配置される請求項1または2に記載の稼働装置。 - 前記被駆動体に設けられた撮像素子と、前記ベースに設けられた光学系とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記直線方向に向けて配置される請求項1または2に記載の稼働装置。 - 第1ネジ部を有するベースと、
第2ネジ部を有し、該第2ネジ部にて前記ベースの第1ネジ部に対して回転可能に螺合される被駆動体と、
交流電圧の印加により伸縮する第1圧電素子、接触部および腕部を一体的に形成された補強板、ならびに交流電圧の印加により伸縮する第2圧電素子をこの順に積層してなり、前記ベースに対して固定設置される振動体を有する超音波モータとを備え、
前記被駆動体が、前記振動体から動力を伝達されて回転し、前記第1ネジ部と前記第2ネジ部との螺合によりその回転軸方向に変位することを特徴とする稼働装置。 - 前記被駆動体に設けられた光学系と、前記ベースに設けられた撮像素子とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記被駆動体の回転軸方向に向けて配置される請求項5に記載の稼働装置。 - 前記被駆動体に設けられた撮像素子と、前記ベースに設けられた光学系とを有する撮像ユニットを備え、
前記光学系が、該光学系の光軸を前記被駆動体の回転軸方向に向けて配置される請求項5に記載の稼働装置。 - 前記振動体が、中間機構を介して前記被駆動体を回転させる請求項1ないし7のいずれかに記載の稼働装置。
- 前記中間機構が、減速機構である請求項8に記載の稼働装置。
- 前記被駆動体が、周面を備えた被接触部を有し、該被接触部にて直接的に前記接触部に接触して前記振動体から動力を伝達される請求項1ないし7のいずれかに記載の稼働装置。
- 前記振動体と前記被駆動体との間に介在し、前記接触部に接触する被接触部を有し、
前記振動体が、前記被接触部を介して前記被駆動体に動力を伝達する請求項1ないし9のいずれかに記載の稼働装置。 - 前記被接触部は、回転可能に設けられたロータである請求項11に記載の稼働装置。
- 前記振動体が平面構造を有し、かつ、前記被接触部および前記振動体が略同一平面上に配置される請求項10ないし12のいずれかに記載の稼働装置。
- 前記被駆動体と前記振動体とが、前記ベースの異なる面上に配置されており、
前記振動体からの動力を前記被駆動体に伝達する中間機構を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の稼働装置。 - 請求項1ないし14のいずれかに記載の稼働装置を有することを特徴とする電気機器。
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2003
- 2003-04-03 JP JP2003100099A patent/JP2004312814A/ja active Pending
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