JPH10243669A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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JPH10243669A
JPH10243669A JP9044456A JP4445697A JPH10243669A JP H10243669 A JPH10243669 A JP H10243669A JP 9044456 A JP9044456 A JP 9044456A JP 4445697 A JP4445697 A JP 4445697A JP H10243669 A JPH10243669 A JP H10243669A
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JP
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elastic body
vibration
nodes
longitudinal
detecting
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JP9044456A
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English (en)
Inventor
Tsunemi Gonda
常躬 権田
Yoshiko Shibata
美子 柴田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】弾性体の速度成分を高感度で検出するように配
置した検出用圧電素子を備えた振動アクチュエータを提
供する。 【解決手段】弾性体本体部11の表面に接着された矩形
薄板状の圧電素子12a〜12dに駆動電圧を印加して
励振すると、弾性体本体部11に、相対運動部材21と
の接触面と平行な方向に振動する縦振動と縦振動の振動
方向と交わる方向へ振動する屈曲振動とが発生し、それ
らの調和モードにより、駆動力取出部材13aと13b
が楕円運動して相対運動部材21が直進移動する。弾性
体本体部11の運動を電気信号として検出する検出用圧
電素子12eと12fを、屈曲振動の複数の節のうち中
央部の節を挟む両側の節B4bとB4dの位置の近傍で
節に左右対称にして、しかも弾性体本体部11の長辺の
近傍に局部的に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば圧電素子等
の電気機械変換素子を接合された弾性体に複数の振動モ
ードを調和的に発生させて、弾性体に加圧接触される相
対運動部材との間で相対運動を生じる振動アクチュエ一
夕に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性体の表面に例えば圧電素子,電歪素
子ないしは磁歪素子等からなる電気機械変換素子を例え
ば接着により接合し、この電気機械変換素子に駆動電圧
を印加することにより弾性体に複数の振動モードを調和
的に発生させ、弾性体表面に楕円運動を発生させること
により、弾性体に加圧接触される相対運動部材との間で
相対運動を生じる振動アクチュエータが知られている。
【0003】この種の振動アクチュエータについて、例
えば「光ピックアップ移動を目的とした圧電リニア・モ
ータ」(宮川義郎他:第5回電磁力関連のダイナミック
シンポジウム講演論文集,第393頁〜第398頁)に
は、その構成と負荷特性とが報告されている。
【0004】図8は、特開平7−264882号公報に
開示されたこの種の振動アクチュエータの駆動原理を説
明する図である。図8(a),(b)に示すように、直
方体状の弾性体本体部1aの一方の表面には、圧電素子
2a〜2dが4枚貼付されている。圧電素子2a,2b
は電気エネルギーを機械エネルギーに変換する駆動用圧
電素子であり、一方、圧電素子2c,2dは発生する変
位を電気エネルギーに変換して外部に出力するための振
動モニタ用圧電素子である。
【0005】また、弾性体本体部1aのもう一方の平面
であって弾性体に生じる屈曲振動の腹となる位置には、
突起状に駆動力取出部1b,1cが設けられており、図
示しない相対運動部材に加圧された状態で接触してい
る。
【0006】ここで、駆動用圧電素子2a,2bに図示
しない駆動電圧発生装置から駆動電圧を印加すると、弾
性体本体部1aには図8の(c)に示すような縦振動お
よび屈曲振動が発生する。このような振動発生時に縦振
動および屈曲振動の共通の節となる弾性体本体部1の長
手方向中央部には、ばね等を利用した付勢機構が固定面
を介して取りつけられており、弾性体本体部1を駆動力
取出部1b,1cを介して相対運動部材に付勢する。
【0007】弾性体本体部1に発生する縦振動1次モー
ド(図8(c)のL1a)と屈曲振動4次モード(図8
(c)のB4)との振動の合成により、駆動力取出部1
b,1cの先端部(相対運動部材との接触面側)は楕円
状に変位し、相対運動部材との間で相対運動を発生す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8の
従来技術においては、検出用圧電素子2c,2dは屈曲
振動の節B4a,B4eの位置に無関係に設置されてい
るので、検出用圧電素子2c,2dから取り出される検
出信号には、弾性体本体部1aの屈曲振動による変位と
縦振動による歪の双方を含んだ信号となる。そのため、
検出用圧電素子2c,2dから得られた信号により相対
運動部材を速度制御しようとするとき、屈曲振動による
変位成分はノイズとなってしまい、精度よく速度制御で
きないおそれがある。
【0009】本発明は、弾性体の速度成分を高感度で検
出することができる振動アクチュエータを提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)実施の形態の図1に対応づけて本発明を説明す
る。請求項1の発明は、電気機械変換素子12a〜12
fが接合された直方体状の弾性体10と、弾性体10に
加圧接触される相対運動部材21とを備え、駆動電圧を
印加して電気機械変換素子12a〜12dを励振するこ
とにより、縦振動と、その縦振動の振動方向と交わる方
向へ振動する屈曲振動とを弾性体10に発生させて、弾
性体10と相対運動部材21との間に相対運動を行なわ
せる振動アクチュエータに適用される。そして、弾性体
10の振動状態を電気信号として検出する検出用電気機
械変換素子12eを屈曲振動の複数の節B4a〜B4e
の少なくとも一箇所の近傍にその節B4bを中心として
対称に設けることにより、上述した目的が達成される。 (2)請求項2の発明のように、屈曲振動の複数の節B
4a〜B4eの中で縦振動の歪が最大の節B4cに検出
用電気機械変換素子12i(図5)を設けることができ
る。 (3)請求項3の発明のように、節B4b,B4dの位
置で弾性体10の長辺の近傍に局部的に検出用電気機械
変換素子12e,12fを設けてもよい。 (4)請求項4の発明は、電気機械変換素子12a〜1
2fが接合された直方体状の弾性体10と、弾性体10
に加圧接触される相対運動部材21とを備え、駆動電圧
を印加して電気機械変換素子12a〜12dを励振する
ことにより、1次縦振動と縦振動の振動方向と交わる方
向へ振動する4次屈曲振動とを弾性体10に発生させ
て、弾性体10と相対運動部材21との間に相対運動を
行なわせる振動アクチュエータに適用される。そして、
弾性体10の振動状態を電気信号として検出する検出用
電気機械変換素子12i(図5)を、屈曲振動の節B4
a〜B4eのうち弾性体10の長手方向の中央部に最も
近い節B4cに設けることにより、上述した目的を達成
する。 (5)請求項5の発明のように、弾性体10の振動状態
を電気信号として検出する検出用電気機械変換素子12
g,12h(図4)を、屈曲振動の節B4a〜B4eの
うち弾性体10の長手方向の中央部に最も近い節B4c
の両側の節B4b,B4dに設けることにより、上述し
た目的を達成してもよい。
【0011】以上の課題を解決するための手段の項では
実施の形態の図に対応づけて本発明を説明したが、これ
により本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の各実
施の形態の説明は、振動アクチュエータとして超音波の
振動域を利用したりリニア型超音波アクチュエータを例
にとって行う。
【0013】図1は、本発明の第1実施の形態の超音波
アクチュエータに使用される弾性体の概略構造を示す斜
視図であり、図2は第1実施の形態で用いる弾性体の振
動モードを合わせて示す平面図である。
【0014】図1に示すように、第1の実施の形態の超
音波アクチュエータに使用される弾性体10は、電気機
械変換素子12a〜12fが接合された弾性体本体部1
1と、弾性体本体部11に加圧接触される相対運動部材
21とを備える。この超音波アクチュエータは、駆動電
圧を印加して電気機械変換素子12a〜12dを励振す
ることにより、弾性体10の駆動力取出部に、1次縦振
動と、縦振動の振動方向と交わる方向に振動する4次屈
曲振動とを合成した振動(楕円振動)を発生させて、弾
性体10から相対運動部材21に駆動力を伝達する。す
なわち、弾性体10と相対運動部材21は相対運動を行
う。なお、縦振動も屈曲振動も定在波である。
【0015】第1実施の形態の超音波アクチュエ一夕に
使用される弾性体10を図1および図2(b)を参照し
てさらに説明する。弾性体10は、直方体状の弾性体本
体部11と、弾性体本体部11の一方の平面11aに接
着されて接合された4枚の駆動用圧電素子12a,12
b,12c,12dと、同じ平面11aに接着されて接
合された2枚の検出用圧電素子12e,12fと、弾性
体本体部11の他方の平面11bに短辺方向に設けられ
た駆動力取出部13a,13bと、駆動力取出部13
a,13bが相対運動部材21と接触する面に接着され
て摺動状態を向上させる摺動材14a,14bとを備え
る。なお、圧電素子を弾性体本体11の裏面11bに設
けてもよい。
【0016】弾性体本体部11は、金属またはプラスチ
ック等の弾性部材から直方体状に成形されて構成され
る。圧電素子12a〜12fは、例えばPZTにより薄
板状に形成される。圧電素子12a〜12dは、電気エ
ネルギーを機械エネルギーに変換する駆動用圧電素子で
ある。図示しない駆動電圧発生装置によって、圧電素子
12a,12cには第1の交流電圧が印加される。ま
た、圧電素子12b,12dには第1の交流電圧とは電
気的に位相が(π/2)だけ異なる第2の交流電圧が印
加される。一方、圧電素子12e,12fは、弾性体本
体部11に発生する振動状態をモニタするための検出用
圧電素子であり、制御回路に接続される。弾性体本体部
11は一般的にGND電位に接続される。
【0017】突起状に形成された駆動力取出部13a,
13bは、本実施の形態では、駆動効率の観点から、弾
性体本体部11に生じる屈曲振動の腹となる位置に設け
られる。この実施の形態では腹B4f,B4gに対応し
た箇所に設けている。
【0018】駆動力取出部13a,13bは、本実施の
形態では弾性体本体部11と一体に形成したが、別部品
として組み立ててもよい。また、圧電素子12a〜12
fはそれぞれ別々のものとしたが、1枚の矩形平板状の
圧電素子を弾性体本体部11の面11a上に接着し、そ
の表面の適所に図1と同一形状に電極を形成してもよ
い。コスト的には後者が有利であり、効率の点からは実
施の形態の方式が有利である。
【0019】図2(a)は図1の弾性体10の4次の屈
曲振動モードの各部の振幅APと、1次の縦振動モード
の各部の歪STを示す。B4a〜B4eは屈曲振動モー
ドの振幅が零の節を示し、B4f,B4gは振幅が最大
の腹を示している。図1および図2(b)に示すよう
に、検出用圧電素子12e,12fは、弾性体本体部1
1の屈曲振動の節B4b,B4dに対応させて、弾性体
本体部11の長辺の近傍に駆動用圧電素子12a〜12
dを局部的に切り欠いて形成された領域に、薄板半円筒
状に形成されている。これらの検出用圧電素子12e,
12fは、節B4bとB4dをそれぞれ中心として左右
対称である。検出用圧電素子12e,12fは略同一の
信号を出力するので、いずれか一方だけを設けてもよ
い。
【0020】次に、弾性体本体部11の5個の節のう
ち、中央の節B4cを挟んで両側に位置する節B4bと
B4dに対応させて検出用圧電素子12e,12fを設
けることの意味について説明する。検出用圧電素子12
e,12fにより弾性体本体部11の振動をモニタして
相対運動部材21の速度を演算するためには、縦振動の
歪成分だけを検出すればよく、屈曲振動の振幅成分は必
須ではない。屈曲振動の節に検出用圧電素子を配置する
と屈曲振動成分による信号成分が少なくなり、縦振動成
分の弾性体の歪に応じた信号が効率よく取り出せる。し
かしながら、屈曲振動の腹B4aとB4eは弾性体本体
部11の両端に近く、縦振動による歪は図2(a)の曲
線STが示すように小さい。この第1の実施の形態で
は、上述した通り、弾性体本体部11の5個の節のう
ち、中央の節B4cを挟んで両側に位置する節B4bと
B4dに対応させて検出用圧電素子12e,12fを設
けたので、高感度で縦振動成分を検出することができ
る。その結果、検出用圧電素子12e,12fの面積を
小さくできて駆動用圧電素子の面積を大きくすることが
でき、小型で大出力の超音波アクチュエータを提供する
ことができる。
【0021】図3は弾性体に発生する縦振動および屈曲
振動を経時的に示す説明図である。ここで、図3を参照
しながら、本実施の形態の超音波アクチュエータの動作
原理を経時的に説明する。なお、図3の超音波アクチュ
エータでは、図1の駆動用圧電素子12a〜12dに代
えて2枚の駆動用圧電素子12a’12b’を用いてい
る。
【0022】図3(a)は、超音波アクチュエータに入
力される2相の高周波電圧A,Bの時間的変化を時間t
1〜時間t9で示す。図3(a)の横軸は、高周波電圧
の実効値を示す。図3(b)は、超音波アクチュエータ
の断面の変形の様子を示し、超音波アクチュエータに発
生する屈曲振動の時間的変化(t1〜t9)を示す。図
3(c)は、超音波アクチュ工一夕10の断面の変形の
様子を示し、超昔波アクチュエータ10に発生する縦振
動の時間的変化(t1〜t9)を示す。図3(d)は、
超音波アクチュ工一夕10の駆動力取出部13a,13
bに発生する楕円運動の時間的変化(t1〜t9)を示
す。
【0023】次に、本実施例の超音波アクチュエータの
動作を、時間的変化(t1〜t9)ごとに説明する。時
間t1において、図3(a)に示すように、高周波電圧
Aは正の電圧を発生し、同様に高周波電圧Bは同一の正
の電圧を発生する。図3(b)に示すように、高周波電
圧A,Bによる屈曲運動は互いに打ち消し合い、質点Y
1と質点Z1とが振幅零となる。また、図3(c)に示
すように、高周波電圧A,Bによる縦振動は伸張する方
向に発生する。質点Y2と質点Z2とは矢印で示される
ように、節Xを中心にして最大の伸長を示す。その結
果、図3(d)に示すように、上記両振動が複合され、
質点Y1と質点Y2との運動の合成が質点Yの運動とな
り、また、質点Z1と質点Z2との運動の合成が質点Z
の運動となる。
【0024】時間t2において、図3(a)に示すよう
に、高周波電圧Bは零となり、高周波電圧Aは正の電圧
を発生する。図3(b)に示すように、高周波電圧Aに
よる届曲運動が発生し、質点Y1が正方向に振幅し、質
点Z1が負方向に振幅する。また、図3(c)に示すよ
うに、高周波電圧Aによる縦振動が発生し、質点Y2と
質点Z2とが時間t1のときよりも縮む。その結果、図
3(d)に示すように、上記両振動が複合され、質点Y
と質点Zとが時間t1のときよりも左回りに移動する。
【0025】時間t3において、図3(a)に示すよう
に、高周波電圧Aは正の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同相の負の電圧を発生する。図3(b)に示すよ
うに、高周波電圧AおよびBによる屈曲運動が合成され
て増幅され、質点Y1が時間t2のときよりも負方向に
増幅され、最大の負の振幅値を示す。質点Z1が時間t
2のときよりも正方向に増幅され、最大の正の振幅値を
示す。また、図3(c)に示すように、高周波電圧Aお
よびBによる縦振動が互いに打ち消しあい、質点Y2と
質点Z2とが元の位置に戻る。その結果として、図3
(d)に示すように、上記両振動が複合され、質点Yと
質点Zとが時間t2のときよりも左回りに移動する。
【0026】時間t4において、図3(a)に示すよう
に、高周波電圧Aは零となり、高周波電圧Bは負の電圧
を発生する。図3(b)に示すように、高周波電圧Bに
よる屈曲運動が発生し、質点Y1は時間t3のときより
も振幅が低下し、質点Z1は時間t3のときよりも振幅
が低下する。また、図3(c)に示すように、高周波電
圧Bによる縦振動が発生し、質点Y2と質点Z2が収縮
する。その結果、図3(d)に示すように、上記両振動
が複合され、質点Yと質点Zとが時間t3のときよりも
左回りに移動する。
【0027】時間t5において、図3(a)に示すよう
に、高周波電圧Aは負の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同一の負の電圧を発生する。図3(b)に示すよ
うに、高周波電圧A,Bによる屈曲運動は互いに打ち消
し合い、質点Y1と質点Zlとが振幅零となる。また、
図3(c)に示すように、高周波電圧A,Bによる縦振
動は収縮する方向に発生する。質点Y2と質点Z2とは
矢印で示されるように、節Xを中心にして最大の収縮を
示す。その結果として、図3(d)に示すように、上記
両振動が復合され、質点Yと質点Zとが時間t4のとき
よりも左回りに移動する。
【0028】時間t6〜t9に変化するにしたがって、
上述の原理と同様に屈曲振動および縦振動が発生し、そ
の結果、図3(d)に示すように、質点Yおよび質点Z
が左回りに移動し、楕円運動をする。
【0029】以上の原理により、この超音波アクチュエ
ータは、駆動力取出部13a,13bの先端に楕円運動
を発生させ、駆動力を発生させる構成となっている。し
たがって、駆動力取出部13a,13bの先端を相対運
動部材21に加圧しておけば、弾性体本体部11と相対
運動部材21との間で相対運動が発生する。
【0030】このように、圧電素子12a’,12b’
に電気的に位相が(π/2)だけ異なる交流電圧を印加
することにより、弾性体本体部11に縦振動と屈曲振動
とが生じ、それぞれが駆動方向の運動成分と駆動方向と
垂直な運動成分とになって楕円運動が発生する。
【0031】(第2の実施の形態)図4は第2の実施の
形態の超音波アクチュエータにおける弾性体10の概略
構造を示す斜視図、図2(c)はその平面図である。検
出用圧電素子12g,12hは薄板矩形状に形成され、
弾性体本体部11の屈曲振動の節B4b,B4dの位置
の近傍に、弾性体本体部11の短辺方向のほぼ全域にわ
たって設けられている。すなわち、検出用圧電素子12
gは駆動用圧電素子12aと12bの間の領域におい
て、検出用圧電素子12hは駆動用圧電素子12cと1
2dの間の領域において、それぞれ節B4bとB4dの
近傍で節を中心として左右対称に幅寸法を振分けて設け
られている。
【0032】この場合も、図1の実施の形態の場合と同
様に、検出用圧電素子から出力される検出信号には屈曲
振動の振幅成分が少なくなり、縦振動成分である弾性体
の歪に応じた信号が効率よく取り出せるので、高感度で
縦振動を検出することができる。その結果、駆動用圧電
素子の面積を大きくすることができ、小型で大出力の超
音波アクチュエータを提供することができる。
【0033】(第3の実施の形態)図5は第3の実施の
形態の超音波アクチュエータにおける弾性体の概略構造
を示す斜視図、図2(d)はその平面図である。検出用
圧電素子12iは薄板矩形状に形成され、弾性体本体部
11の屈曲振動の節B4cの位置の近傍に、弾性体本体
部11の短辺方向のほぼ全域にわたって設けられてい
る。すなわち、検出用圧電素子12iは駆動用圧電素子
12bと12cとの間の領域において、節B4cの近傍
に節を中心として左右対称に幅寸法を振分けて設けられ
ている。
【0034】この場合も、図1の実施の形態の場合と同
様に、検出用圧電素子からの検出信号には屈曲振動の振
幅成分が少なくなり、縦振動成分である弾性体の歪に応
じた信号が効率よく取り出せるので、高感度で縦振動を
検出することができる。また、節B4cにおける縦振動
の歪は最大であり、第1および第2の実施の形態に比べ
てさらに高感度に速度成分を検出できる。
【0035】(具体例)図6および図7は図1に示した
第1の実施の形態の超音波アクチュエータのさらに具体
例を示す図である。この超音波アクチュエータの弾性体
本体部111は図7に示すように、弾性体本体部111
の表面に1枚の圧電素子112を接着し、その圧電素子
112の表面に、図1(b)の圧電素子12a〜12d
と同様な形状の電極112a〜112dを形成して駆動
用圧電素子を形成し、さらに、図1(b)の圧電素子1
2e,12fと同様な形状の電極112e,112fを
形成して検出用圧電素子を形成する。さらに、弾性体本
体部111の中央部の両側には弾性体の短辺方向および
長辺方向の位置決め用のピン125が立設されている。
【0036】図6に示すように、相対運動部材210は
基台300上に設置したローラ301上に支持されてい
る。基台300の中央部には門型支持部材302が設け
られ、その支持部材中央部には弾性体110を相対運動
部材121に押圧する付勢機構303が設置されてい
る。付勢機構303は不図示のばねとそのばね力を調節
する調節ネジとで構成される。付勢機構は実施の形態以
外にも各種の方式を採用でかいる。また、ピン125は
門型支持部材302を貫通して弾性体110の短辺方向
および長辺方向の位置を制限する。左右の位置制限機構
も実施の形態に限定されず各種の方式を採用できる。
【0037】このように構成された超音波アクチュエー
タの駆動用電極112a〜112dに交流電圧を印加す
ると、上述したようにして相対運動部材121がローラ
301に支持されながら長手方向に直進運動する。
【0038】
【発明の効果】
(1)本発明によれば、屈曲振動の節の近傍に節を中心
として左右対称に検出用機械電気変換素子を設置したの
で、感度よく縦振動による歪成分に起因した信号を取り
出すことができる。 (2)請求項2の発明のように、縦振動による歪が最大
となる屈曲振動の節の位置に検出用電気機械変換素子を
設置すれば、最も効率よく縦振動による歪成分を取り出
すことができる。 (3)請求項3の発明のように、屈曲振動の節に対応す
る位置であって弾性体の長辺の近傍にのみ検出用電気機
械変換素子を設置すれば、検出用電気機械変換素子を小
さくできるため、その分、駆動用電気機械変換素子の面
積を大きく取ることができる。 (4)請求項4の発明のように、1次縦振動モードと4
次屈曲振動モードの調和振動モードで弾性体の駆動力取
出部材に調和振動を発生させて用いる場合には、弾性体
の中央部に位置する屈曲振動の節に検出用電気機械変換
素子を設置すれば、最も効率よく縦振動による弾性体の
変形を取り出すことができる。この場合、中央部に設け
る代りに、中央部を挟んで左右の節に検出用電気機械変
換素子を設置しても弾性体の両端側の節に設置する場合
に比べて、効率よく縦振動による弾性体の変形を検出で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による超音波アクチュエ
ータに使用される弾性体の概略斜視図
【図2】(a)は本発明の一実施の形態による弾性体の
振動モードを説明する図、(b)は図1の弾性体の平面
図、(c)は図4の弾性体の平面図、(d)は図5の弾
性体の平面図
【図3】本発明による超音波アクチュエータの作動原理
を説明する図
【図4】第2の実施の形態の超音波アクチュエータにお
ける弾性体の概略構造を示す斜視図
【図5】第3の実施の形態の超音波アクチュエータにお
ける弾性体の概略構造を示す斜視図
【図6】本発明による第1の実施の形態による弾性体を
用いたリニア型超音波モータの具体例を示す斜視図
【図7】図6の超音波モータの弾性体の斜視図
【図8】従来の振動アクチュエータを説明する図
【符号の説明】
10,110 弾性体 11,11A,11B,111 弾性体本体部 12a〜12d,112 駆動用圧電素子 12e〜12i 検出用圧電素子 13a,13b 駆動力取出部材 112a〜112d 駆動用電極 112e,112f 検出用電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気機械変換素子が接合された直方体状の
    弾性体と、 前記弾性体に加圧接触される相対運動部材とを備え、 駆動電圧を印加して前記電気機械変換素子を励振するこ
    とにより、縦振動と前記縦振動の振動方向と交わる方向
    へ振動する屈曲振動とを前記弾性体に発生させて、前記
    弾性体と前記相対運動部材との間に相対運動を行なわせ
    る振動アクチュエータにおいて、 前記弾性体の振動状態を電気信号として検出する検出用
    電気機械変換素子を前記屈曲振動の複数の節の少なくと
    も一箇所の近傍にその節を中心として対称に設けること
    を特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】請求項1の振動アクチュエータにおいて、 前記屈曲振動の複数の節の中で前記縦振動の歪が最大の
    節に前記検出用電気機械変換素子を設けることを特徴と
    する振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】請求項1または2の振動アクチュエータに
    おいて、 前記検出用電気機械変換素子は、前記節の位置で前記弾
    性体の長辺の近傍に局部的に設けることを特徴とする振
    動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】電気機械変換素子が接合された直方体状の
    弾性体と、 前記弾性体に加圧接触される相対運動部材とを備え、 駆動電圧を印加して前記電気機械変換素子を励振するこ
    とにより、1次縦振動と前記縦振動の振動方向と交わる
    方向へ振動する4次屈曲振動とを前記弾性体に発生させ
    て、前記弾性体と前記相対運動部材との間で相対運動を
    行なわせる振動アクチュエータにおいて、 前記弾性体の振動状態を電気信号として検出する検出用
    電気機械変換素子を、前記屈曲振動の節のうち前記弾性
    体の長手方向の中央部に最も近い節に設けることを特徴
    とする振動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】電気機械変換素子が接合された直方体状の
    弾性体と、 前記弾性体に加圧接触される相対運動部材とを備え、 駆動電圧を印加して前記電気機械変換素子を励振するこ
    とにより、1次縦振動と前記縦振動の振動方向と交わる
    方向へ振動する4次屈曲振動とを前記弾性体に発生させ
    て、前記弾性体と前記相対運動部材との間で相対運動を
    行なわせる振動アクチュエータにおいて、 前記弾性体の振動状態を電気信号として検出する検出用
    電気機械変換素子を、前記屈曲振動の節のうち前記弾性
    体の長手方向の中央部に最も近い節の両側の節に設ける
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
JP9044456A 1997-02-27 1997-02-27 振動アクチュエータ Pending JPH10243669A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101107763B1 (ko) * 2009-01-21 2012-01-20 임대순 압전모터

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