JP4526598B2 - 乳化型外用剤およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、乳化型外用剤およびその製造方法に関するものであり、さらに詳細には、有効成分の含量低下や結晶析出がなく安定性に優れ、かつ皮膚刺激が少なく安全性も高い乳化型外用剤およびその製造方法に関する。
医薬品は、有効成分の性状や患者の症状、年齢、投与量等にあわせて適切な効果が発揮できるよう、その投与形態として、経口製剤や非経口製剤等が開発されている。そして、非経口製剤のなかでも、有効成分による副作用の発現や投与直後の血中濃度の急上昇等好ましくない事象を抑制するために、経皮吸収型製剤が開発され、多用されている。
経皮吸収型製剤のなかでも、外用塗布剤としての油性の軟膏剤、ゲル剤に加えて、クリームやローション等の乳化型外用剤は、前記経皮吸収型製剤の特長を保持しながら、患部への塗布時の伸びがよく、また、水で洗い落としやすい等の使用感の面から、患者へのコンプライアンスに優れているものとして、各種有効成分の乳化型外用剤の研究開発が進められている。
上記外用塗布剤としては、消炎鎮痛剤、抗真菌剤、抗掻痒剤を始めそのほかの薬剤全般にわたって開発が進められているが、特に消炎鎮痛剤の分野では、その薬理効果が優れているアリール酢酸系のジクロフェナクナトリウムについて、ゲル化剤が上市されるに至っている。また、同様に優れた鎮痛・抗炎症作用を有するプロピオン酸系のロキソプロフェンナトリウムについても、検討が進められている。
例えば、ジクロフェナクナトリウムを有効成分とし、溶媒として水、低級アルコールおよびグリコール類を使用し、ゲル化剤としてカルボキシビニルポリマーを用いたゲル製剤が開示されている(特許文献1)。また、脂肪酸とカルボン酸ジアルキルエステルを併用することによりジクロフェナクナトリウムの油性成分への溶解性を高める技術が開示されている(特許文献2)。しかしながら、上記のような、低級アルコール、脂肪酸およびカルボン酸ジアルキルエステルの使用は皮膚刺激が問題となる場合があった。
さらに、ロキソプロフェンナトリウムとカルボキシビニルポリマーを混合して非解離型の油状ロキソプロフェンとすることによって、経皮吸収性を向上させることを目的としたゲル製剤が開示されている(特許文献3)。ここで、用いられている増粘剤としてのカルボキシビニルポリマーは、活性成分のロキソプロフェンナトリウムのナトリウムを分子中に取り込んでゲル化しているものである。しかしながら、この技術であってしても、最終的なゲル剤を調製する場合に低級アルコールまたは高級アルコールを配合するため、上記したように、低級アルコールによる皮膚刺激の問題や、高級アルコール配合の場合にはロキソプロフェンとの間でエステルが形成され、有効成分であるロキソプロフェン含有量が低下するという問題があった。
また、ジクロフェナクナトリウムについても、経皮吸収向上を目的として高級アルコールを配合する場合、後述する試験例にて本発明者らが明らかにしたように、ロキソプロフェンナトリウム同様に無視できぬ量のエステル体が生成することから、乳化型外用剤を調製するに当たり、高級アルコールを使用することは不都合であった。
上述したように、従来、外用消炎鎮痛塗布剤の製剤化にあたっては、皮膚刺激性や有効成分の含量低下をもたらす溶媒や可溶化剤等が用いられていた結果、所期の効果を十分には発揮できていないという問題があった。
一方、本発明者らは、消炎鎮痛剤を始めとする各種医薬品の乳化型外用剤を開発すべく、鋭意検討を続けてきたところ、有効成分の化学的性質の違いにより、容易には所望の乳化組成物が得られないという知見に至った。すなわち、消炎鎮痛剤を始めとする各種医薬品の有効成分化合物には、カルボン酸基を有する化合物が多く存在し、この基をアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)またはアルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩)に変換することによって、そのような医薬上許容され得る塩として利用されている。たとえば、消炎鎮痛剤では、上述したように、アリール酢酸系のジクロフェナクや、プロピオン酸系のロキソプロフェンは、そのナトリウム塩とすることにより、その鎮痛・抗炎症作用を効果的に奏することが可能となり、臨床上で広く利用されている。
しかしながら、このようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩には、一般的に水和物を形成し結晶化しやすいという問題がある。たとえば、ロキソプロフェンナトリウムは製造の際に水和物として結晶化してしまうことが知られている。また、水性媒体中に混和すると、結晶性水和物を形成しやすい性質を有しているという問題もある。たとえば、ジクロフェナクナトリウムは、水性媒体中で2水和物または4水和物を生成することが知られている。さらに、これらの非ステロイド系消炎鎮痛剤を始めとするカルボン酸基を有し、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩となっている薬物は、イオン性の性質を持つが、必ずしも水への溶解度が高いわけではなく、薬物自体長期間の室温保存時や低温における保存時に結晶が析出しやすいという特性を有している。
上記したように、カルボン酸基を含有し、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の形態である医薬有効成分化合物を主成分とする乳化型外用剤を調製しようとした場合、従来はその化学的特性に着目することなく、溶解剤、増粘剤等と混合していたに過ぎない。その結果、溶解剤自体による皮膚刺激の発現、有効成分化合物と高級アルコールとのエステル化物の生成による有効成分含量の低下等の問題が生じていた。
特開昭59−76013号公報 特開昭64−13020号公報 特開2001−199883号公報
したがって、非ステロイド系消炎鎮痛剤を始めとする、カルボン酸基を含有し、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の形態を取る医薬有効成分化合物を、その水和物(水性媒体中にて水和物を形成する塩も含む)の形態で含有すると想定される乳化型外用剤を調製するに際し、結晶の析出を有効に抑制することができ、低刺激性であって、かつ有効成分の含有量の低下を抑制することができる手段が求められていた。本発明はそのような外用剤の製造方法およびそれによって得られる乳化型外用剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、カルボン酸系医薬品有効成分化合物のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩の、水和物として結晶化したり、水性媒体中にて水和物を形成するという化学的性質を有するものについても、これを溶解させるための特長ある処方および製造方法を選択することによって、通常の溶解剤を用いることなく、長期的に結晶が析出せず、温度の影響もなく、その上、皮膚刺激性が低く、有効成分含量の低下もないという優れた乳化型外用剤が得られることを見出した。
上記の特長ある処方および製造方法は、当該有効成分を含有する水相と油相とを乳化した乳化物に、あらかじめ塩基性物質により処理した酸性水溶性高分子を添加する処方ないし製造方法であり、これにより、低級アルコールなどの刺激性を有する溶媒またはエステル化を惹起する高級アルコール等を使用しなくとも、有効成分の結晶析出を抑制し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の成分(a)および(b)
(a)カルボン酸基を含有し、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の形態であ る医薬有効成分化合物および水性溶媒を含有する水相
(b)脂肪酸エステル、炭化水素、動植物油およびその硬化油並びに天然由来のロ ウよりなる群から選ばれる1種または2種以上の油性成分を含有する油相
を乳化して得られた乳化物と、
酸性水溶性高分子の全部または一部を水性溶媒中で塩基性物質により処理して得られる処理酸性水溶性高分子溶液とを混合して得られる乳化型外用剤である。
また、本発明は、前記成分(a)および(b)を乳化して乳化物を得、次いでこの乳化物と、酸性水溶性高分子の全部または一部を水性溶媒中で塩基性物質により処理して得られる処理酸性水溶性高分子溶液とを混合することを特徴とする乳化型外用剤の製造方法である。
更に、本発明は、カルボン酸基を含有し、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の形態である医薬有効成分化合物を含む乳化物に、塩基性物質によって処理された酸性水溶性高分子を含有する溶液を混合してなる乳化型外用剤である。
更にまた、本発明は、カルボン酸基を含有し、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の形態である医薬有効成分化合物を含む乳化物に塩基性物質によって処理された酸性水溶性高分子含有溶液を混合する工程を含む、乳化型外用剤の製造方法である。
本発明の乳化型外用剤は、皮膚に対し低刺激性であるため安全性が高く、かつ長期間保存しても有効成分の含有量の低下や結晶析出が生じない安定性の高いものである。特に、クリーム剤とした場合、これら特性に加え、剤の伸びがよく、べたつきが少なく、使用感にすぐれた製剤として有用である。
本発明の乳化型外用剤の有効成分は、非ステロイド系消炎鎮痛剤を始めとするカルボン酸基を含有する医薬品有効成分化合物(以下、「カルボン酸系医薬」という)のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩である。これらの化合物は、皮膚または粘膜から吸収されることにより、その固有の薬理的作用を奏する化合物であるが、その化学的特性として、一般的な基剤中では、水和物として結晶化したり、水性媒体中にて水和物を形成し結晶化する傾向があるものである。
本発明に用いられるカルボン酸系医薬の一例としては、非ステロイド系消炎鎮痛剤を挙げることができる。この非ステロイド系消炎鎮痛剤として、具体的には、フェニル酢酸系またはプロピオン酢酸系の消炎鎮痛剤が例示でき、フェニル酢酸系の消炎鎮痛剤としては、例えばアンフェナク、フェルビナク、ジクロフェナクが挙げられ、このうち特にジクロフェナクが好ましい。一方、プロピオン酢酸系の消炎鎮痛剤としては、ナプロキセン、プラノプロフェン、フルルビプロフェン、ロキソプロフェンが挙げられ、このうち特にロキソプロフェンが好ましい。
また上記カルボン酸系医薬のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩としては、特に限定はされるものではないが、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の塩が挙げられ、これらの中でも、ナトリウム、カリウムの塩が好ましい。
本発明に用いられるカルボン酸系医薬のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩として、すぐれた消炎鎮痛作用を示すジクロフェナクナトリウムおよびロキソプロフェンナトリウム水和物が特に好ましい。
また、本発明が適用され得る非ステロイド系消炎鎮痛剤以外のカルボン酸系医薬のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、バルプロ酸ナトリウム(抗てんかん剤)、アンフェナクナトリウム(消炎鎮痛剤)、インドメタシンナトリウム(消炎鎮痛剤等)、ブロムフェナクナトリウム(消炎鎮痛剤)、クロモグリク酸ナトリウム(アレルギー性疾患治療剤)、カンレノ酸ナトリウム(利尿剤)、アトルバスタチンカルシウム(高脂血症用剤)、ピタバスタチンカルシウム(高脂血症用剤)、プラバスタチンナトリウム(高脂血症用剤)、フルバスタチンナトリウム(高脂血症用剤)、ロスバスタチンカルシウム(高脂血症用剤)、エポプロステノールナトリウム(プロスタグランジンI2製剤)、ベラプロストナトリウム(プロスタサイクリン(PGI2)誘導体)、フシジン酸ナトリウム(化膿性疾患用剤)、ホリナートカルシウム(解毒剤)、ミチグリニドカルシウム(糖尿病用剤)、オザグレルナトリウム(トロンボキサン合成酵素阻害剤)、ペメトレキセドナトリウム(代謝拮抗剤)、タラボルフィンナトリウム(抗腫瘍剤)、ポルフィマーナトリウム(抗腫瘍剤)、ファロペネムナトリウム(抗菌剤)、カルモナムナトリウム(抗菌剤)、アンピシリンナトリウム(抗菌剤)、オキサシリンナトリウム水和物(抗菌剤)、クロキサシリンナトリウム水和物(抗菌剤)、ナフシリンナトリウム水和物(抗菌剤)、ピペラシリンナトリウム(抗菌剤)、セファゾリンナトリウム(抗菌剤)、セファロチンナトリウム(抗菌剤)、セフォジジムナトリウム(抗菌剤)、セフォタキシムナトリウム(抗菌剤)、セフォペラゾンナトリウム(抗菌剤)、セフスロジンナトリウム(抗菌剤)、セフトリアキソンナトリウム(抗菌剤)、セフピラミドナトリウム(抗菌剤)、セフブペラゾンナトリウム(抗菌剤)、セフミノクスナトリウム(抗菌剤)、セフメタゾールナトリウム(抗菌剤)、ブロモキセフナトリウム(抗菌剤)、ラタモキセフナトリウム(抗菌剤)、ムピロシンカルシウム水和物(抗菌剤)、セフチゾキシムナトリウム(抗菌剤)等が挙げられる。上記各化合物において、水和物としては、ヘミ水和物、1水和物、1.5水和物、2水和物、3水和物、4水和物、5水和物等が挙げられる。
上記カルボン酸系医薬のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩あるいはその水和物の乳化型外用剤中の含有量は、0.01〜10質量%(以下単に「%」という)の範囲が好ましく、さらに0.5〜5%が好ましい。0.01よりも低いと、臨床上期待される効果が望めない場合があり、10%よりも高いと、製剤化が困難になること、皮膚刺激性が発現しやすくなる等の問題となる場合がある。
また、本発明において用いられる水性溶媒としては、例えば、水、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン等の多価アルコール等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。水としては、精製水、注射用水等が用いられる。これらの中でも、非凍結性の点からプロピレングリコール、グリセリン等と水との混合溶媒が好ましく用いられる。なお、本発明に用いる水性溶媒には、炭素数1〜3の1価の低級アルコールは皮膚刺激性を有するため含まない。
水性溶媒の乳化型外用剤中の含有量は、40〜90%が好ましく、50〜80%がさらに好ましい。この水性溶媒は、上記本発明に適用可能なカルボン酸系医薬のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩あるいはその水和物(水性媒体中にて水和物を形成する塩を含む;以下同じ)を溶解ないし分散させて水相とするために用いられ、また後述する酸性水溶性高分子を溶解ないし分散させて塩基性物質と処理するためにも用いられる。更に、酸性水溶性高分子のうち一部のみを処理させる場合には、処理しない残りの酸性水溶性高分子を溶解ないし分散させて、水相および油相とともに乳化させて乳化物とするために用いられる。
一方、本発明において油相を形成する油性成分としては、エステル油、炭化水素油、動植物油およびその硬化油並びに天然由来のロウよりなる群から選ばれるものが例示される。
上記エステル油としては、例えばラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ネオペンタン酸イソアラキル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、イソノナン酸オクチル、カプリル酸セチル、オクタン酸イソステアリル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、リノール酸オクチルドデシル、エルカ酸オクチルドデシル、リシノレイン酸セチル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル等が挙げられる。
また、炭化水素油としては、例えばスクワラン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、ポリエチレン末、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、白色ワセリン等が挙げられる。
更に動植物油とその硬化油としては、例えば牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびそれらの硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドウホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびそれらの硬化油等が挙げられる。
更にまた、天然由来のロウとしては、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ、サラシミツロウ(白ロウ)等が挙げられる。
これらの油性成分の中でも、白色ワセリン、スクワランが低刺激性であるため好ましく用いられる。なお、本発明に用いる油性成分には、皮膚刺激性を有する脂肪酸や、有効成分とエステルを形成し、その含有量を低下させる炭素数6以上の1価の高級アルコールは含まない。
上記油性成分は、その1種または2種以上を使用することができ、その乳化型外用剤中の含有量は、10〜40%が好ましく、15〜35%がさらに好ましい。
他方、本発明に用いられる酸性水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、アクリル酸マレイン酸共重合体等が挙げられ、これらの中でもカルボキシビニルポリマーが好ましく用いられる。
これら酸性水溶性高分子のうち、カルボキシビニルポリマーの市販品としては、例えばハイビスワコー(登録商標:和光純薬工業社製)、SYNTHALEN(登録商標:3V社製)、CARBOPOL (登録商標:グッドリッチケミカル社製)等が挙げられ、また、ポリアクリル酸の市販品としてはジュンロン(登録商標:日本純薬社製)等が挙げられ、更に、アクリル酸マレイン酸共重合体の市販品としては、VEMA(登録商標:ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
酸性水溶性高分子の乳化型外用剤中の含有量は、0.01〜10%の範囲が好ましい。0.01%よりも低いと、十分な粘度が得られない場合があり、10%よりも高いと使用時のべたつきが強い場合がある。
本発明において上記酸性水溶性高分子は、これを塩基性物質で処理し、その酸性基の一部または全部を中和して使用される。この塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン(たとえば、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン)等が挙げられ、この中でも水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。
具体的には、酸性水溶性高分子のうち、たとえば、カルボキシビニルポリマーは、その1%水溶液のpHは2〜2.5と強酸性であるが、本発明ではこれを前記塩基性物質によって処理することにより、水性溶液として、例えば、pHが6以上、かつ10以下に調整し、用いられる。
本発明の乳化型外用剤の製造にあたっては、有効成分であるカルボン酸系医薬のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩あるいはその水和物を含有する乳化物と、塩基性物質により処理された酸性水溶性高分子の溶液とをそれぞれ調製してからこれらを混合する必要がある。
より具体的には、上記乳化物は、カルボン酸系医薬のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩あるいはその水和物および水性溶媒を含有する水相(成分(a))と、脂肪酸エステル、炭化水素、動植物油およびその硬化油並びに天然由来のロウよりなる群から選ばれる1種または2種以上の油性成分を含有する油相(成分(b))とを乳化することにより得られる。
水相である成分(a)は、有効成分であるカルボン酸系医薬のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩あるいはその水和物と水性溶媒とを、必要に応じて55〜85℃程度に加熱しながら常法に従って混合することにより調製することができる。
また、油相である成分(b)は、上記油性成分の他、後述する任意成分のうち界面活性剤や防腐剤等を配合する場合にはこれらの成分が含まれ、必要に応じ55〜85℃程度に加熱しながら常法に従って混合することにより調製される。
上記のようにして得られた水相および油相は、転相乳化法等の通常の乳化手段を用いて乳化することにより乳化物を調製する。より具体的には、水相に、油相を撹拌しながら徐々に添加して予備乳化し、真空乳化機で乳化することにより調製することができる。
一方、酸性水溶性高分子は、その全部または一部を前記したような水性溶媒中で塩基性物質により処理されることにより処理酸性水溶性高分子溶液とされ、その後上記乳化物と混合される。この水性溶媒中で塩基性物質により処理される酸性水溶性高分子は、乳化型外用剤に配合される酸性水溶性高分子の全部であっても、また一部であってもよいが、全部である方が製造工程の単純化という点から好ましい。また、一部である場合には、処理された酸性水溶性高分子と未処理の酸性水溶性高分子の質量比率が、1:0.001〜2.5が好ましく、1:0.001〜1がさらに好ましく、1:0.001〜0.3が特に好ましい。
水性溶媒中に、酸性水溶性高分子および塩基性物質を溶解させることにより、酸性水溶性高分子を処理し、処理酸性水溶性高分子を含む溶液とされるが、この溶液のpHが6以上で、10以下となるように塩基性物質を使用することが好ましい。
なお、配合する酸性水溶性高分子の一部のみを処理する場合には、未処理の酸性水溶性高分子は別途水性溶媒に溶解し、この溶液を、上記した水相および油相とともに混合・乳化させて乳化物中に分散させることができる。
以上のようにして、成分(a)と成分(b)を乳化して得られた乳化物と、処理酸性水溶性高分子溶液とを混合することにより、本発明の乳化型外用剤を得ることができる。この混合は常法に従って行うことができるが、乳化物は55℃以下に冷却した後に混合することが好ましい。また、得られる乳化型外用剤は、O/W型乳化のものである。
このようにして得られた乳化型外用剤のpHは6〜9の範囲であることが好ましく、さらに7〜9の範囲が好ましい。このpH範囲は、酸性水溶性高分子の種類や含有量等により、適宜調整することができる。
なお、本明細書において、pHの測定は、試料を水30mLに加えて溶解して、その液を通常のpH測定器(たとえば、メトラートレド社製のSeven Multi S40)を使用して行った。
以上のようにして製造される本発明の乳化型外用剤は、さらに必要に応じ、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、安定化剤、可溶化剤、緩衝剤、着香料、保湿剤等の任意成分を配合することができる。
上記任意成分のうち界面活性剤としては、例えばプロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(以下「POE」という)ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。ここで、脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、オレイン酸等が挙げられる。エステル体としては、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体、セスキエステル体等が含まれる。また、アルキルとしては、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル等が挙げられる。
また酸化防止剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、トコフェロール等が挙げられる。
更に防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。
更にまた、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム、グリシン及びアラニンが、着香料としては、l-メントール及びdl−カンフルが、保湿剤としては、ヒアルロン酸ナトリウムがそれぞれ例示される。
斯くして得られる本発明の乳化型外用剤は、例えばクリーム剤、ローション剤等の剤型とすることができ、医薬外用剤や医薬部外品等として利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらになんら制約されるものではない。
実 施 例 1
クリーム剤の調製(1):
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
白色ワセリン、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、スクワラン、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、l−メントールおよびパラオキシ安息香酸ブチルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相とした。また、プロピレングリコール3重量部および精製水を混合し、55〜85℃に加熱して、これにジクロフェナクナトリウムを加え水相とした。水相と油相を55〜85℃に加熱し、真空乳化機で乳化させ乳化物とした。
一方、カルボキシビニルポリマー全量を濃度が0.5〜10%となるようあらかじめ精製水に溶解し、これにパラオキシ安息香酸メチルを残りのプロピレングリコールに溶かしてから加え、カルボキシビニルポリマー水溶液とした。この水溶液に、製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8、9になる量の水酸化ナトリウムを添加してカルボキシビニルポリマーを処理し、カルボキシビニルポリマー含有水溶液を得た。この水溶液のpHは6〜9であった。このカルボキシビニルポリマー含有水溶液と55℃以下に冷却した乳化物を混合した後冷却し、O/W型のクリーム剤を得た。
実 施 例 2
クリーム剤の調製(2):
実施例1の組成および下記製法によりクリーム剤を調製した。
( 製 法 )
白色ワセリン、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、スクワラン、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、l−メントールおよびパラオキシ安息香酸ブチルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相とした。また、プロピレングリコール3重量部および精製水を混合し、55〜85℃に加熱して、これにジクロフェナクナトリウムを加え水相とした。配合量の75%の量のカルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解して水溶液とした。この水溶液と水相成分および油相成分とを55〜85℃に加熱し、実施例1と同様に乳化させ乳化物とした。
残りのカルボキシビニルポリマーを0.5〜10%の濃度となる量の精製水で溶解し、これにパラオキシ安息香酸メチルを残りのプロピレングリコールに溶かしてから加え、カルボキシビニルポリマー水溶液とした。この水溶液に製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9になる量の水酸化ナトリウムを添加して、カルボキシビニルポリマーを処理し、カルボキシビニルポリマー含有水溶液を得た。この水溶液のpHは6〜9であった。このカルボキシビニルポリマー含有水溶液と55℃以下に冷却した乳化物を混合した後冷却し、O/W型のクリーム剤を得た。
実 施 例 3
クリーム剤の調製(3):
実施例1の組成を用い、配合量の50%の量のカルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解して水溶液とし、これと水相成分および油相成分を混合し、乳化させ乳化物とする以外は、実施例2の製法によりO/W型のクリーム剤を調製した。
実 施 例 4
クリーム剤の調製(4):
実施例1の組成で、配合量の25%の量のカルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解して水溶液とし、これと水相成分および油相成分を混合し、乳化させ乳化物とする以外は、実施例2の製法によりO/W型のクリーム剤を調製した。
実 施 例 5
クリーム剤の調製(5):
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
白色ワセリン、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、流動パラフィン、ステアリン酸ステアリル、硬化ヒマシ油およびパラオキシ安息香酸プロピルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相とした。また、グリセリン3重量部および精製水を混合し、55〜85℃に加熱して、これにジクロフェナクナトリウムを加え水相とした。水相と油相を実施例1と同様に55〜85℃で乳化させ乳化物とした。
一方、カルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水にあらかじめ溶解し、これにパラオキシ安息香酸メチルを残りのグリセリンに溶かしてから加え、カルボキシビニルポリマー水溶液とした。この水溶液に製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9になる量の水酸化カリウムを添加してカルボキシビニルポリマーを処理し、カルボキシビニルポリマー含有水溶液を得た。この水溶液のpHは6〜9であった。このカルボキシビニルポリマー含有水溶液と55℃以下に冷却した乳化物を混合した後冷却し、O/W型のクリーム剤を得た。
実 施 例 6
クリーム剤の調製(6):
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
固形パラフィン、ミツロウ、オレイン酸オクチルドデシル、流動パラフィン、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖ステアリン酸エステルおよびパラオキシ安息香酸ブチルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相とした。また、1,3−ブチレングリコール2重量部および精製水を混合し、55〜85℃に加熱して、これにジクロフェナクナトリウムを加え水相とした。配合量の25%の量のカルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解して水溶液とし、これと水相および油相とを実施例1と同様に55〜85℃で乳化させ乳化物とした。
残りのカルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解し、これにパラオキシ安息香酸メチルを残りの1,3−ブチレングリコールに溶かしてから加え、カルボキシビニルポリマー水溶液とした。この水溶液に製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9になる量のジイソプロパノールアミンを添加してカルボキシビニルポリマーを処理し、カルボキシビニルポリマー含有水溶液を得た。この水溶液のpHは6〜9であった。カルボキシビニルポリマー含有水溶液と55℃以下に冷却した乳化物を混合した後冷却し、O/W型のクリーム剤を得た。
実 施 例 7
クリーム剤の調製(7):
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
セレシン、セラック、パルミチン酸イソプロピル、スクワラン、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(15)ソルビタンおよびジブチルヒドロキシトルエンを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相とした。また、ポリエチレングリコール300 1重量部および精製水を混合し、55〜85℃に加熱して、これにロキソプロフェンナトリウムを加え水相とする。配合する25%のカルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解して水溶液とし、これと水相および油相とを、実施例1と同様に55〜85℃で乳化させ乳化物とした。
残りのカルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解し、これにパラオキシ安息香酸メチルを残りのポリエチレングリコール300に溶かしてから加え、カルボキシビニルポリマー水溶液とした。この水溶液に製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9になる量の水酸化ナトリウムを添加してカルボキシビニルポリマーを処理し、カルボキシビニルポリマー含有水溶液を得た。この水溶液のpHは6〜9であった。このカルボキシビニルポリマー水溶液と55℃以下に冷却した乳化物を混合した後冷却し、O/W型のクリーム剤を得た。
実 施 例 8
クリーム剤の調製(8):
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
白色ワセリン、ラノリン、ミリスチン酸オクチルドデシル、スクワラン、ステアリン酸ポリオキシル、ジブチルヒドロキシアニソール、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油およびパラオキシ安息香酸プロピルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相とした。また、プロピレングリコール3重量部および精製水を混合し、55〜85℃に加熱して、これにロキソプロフェンナトリウムを加え水相とした。水相と油相を実施例1と同様に55〜85℃で乳化させ乳化物とした。
一方、ポリアクリル酸をあらかじめ濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解し、これにパラオキシ安息香酸メチルを残りのプロピレングリコールに溶かしてから加え、ポリアクリル酸水溶液とした。この水溶液に、製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9になる量の水酸化カリウムを添加してポリアクリル酸を処理し、ポリアクリル酸含有水溶液を得た。この水溶液のpHは6〜9であった。このポリアクリル酸含有水溶液と55℃以下に冷却した乳化物を混合した後冷却し、O/W型のクリーム剤を得た。
実 施 例 9
クリーム剤の調製(9):
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
白色ワセリン、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、流動パラフィン、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油およびパラオキシ安息香酸プロピルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相成分とした。また、プロピレングリコール3重量部および精製水を混合し、55〜85℃に加熱して、これにロキソプロフェンナトリウムを加え水相とした。水相と油相を実施例1と同様に55〜85℃で乳化させ乳化物とした。
一方、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体をあらかじめ濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解し、これにパラオキシ安息香酸メチルおよびピロ亜硫酸ナトリウムを残りのプロピレングリコールに溶かしてから加え、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体水溶液とした。この水溶液に、製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9となる量の水酸化カリウムを添加し、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体処理し、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体含有水溶液を得た。この水溶液のpHは6〜9であった。このメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体含有水溶液と55℃以下に冷却した乳化物を混合した後冷却し、O/W型のクリーム剤を得た。
実 施 例 10 ないし 実 施 例 18
ローション剤の調製(1)〜(9):
実施例1から実施例9に示すクリーム剤の処方において、各組成中の酸性水溶性高分子(カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体)の量を半分にする以外は、各実施例の製法でローション剤を得た。
実 施 例 19
クリーム剤の調製(10):
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
白色ワセリン、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、流動パラフィン、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油およびパラオキシ安息香酸プロピルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相成分とした。また、1,3−ブチレングリコール3重量部および精製水を混合し、55〜85℃に加熱して、これにクロモグリク酸ナトリウムを加え水相とした。水相と油相を実施例1と同様に55〜85℃で乳化させ乳化物とした。あらかじめカルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解し、これにパラオキシ安息香酸メチルおよびピロ亜硫酸ナトリウムを残りの1,3−ブチレングリコールに溶かしてから加え、カルボキシビニルポリマー水溶液とした。この水溶液に、製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9となる量のトリエタノールアミンを添加し、カルボキシビニルポリマーを処理し、カルボキシビニルポリマー含有水溶液を得た。この水溶液のpHは6〜9であった。このカルボキシビニルポリマー含有水溶液と55℃以下に冷却した乳化物を混合した後冷却しクリーム剤を得た。
実 施 例 20
クリーム剤の調製(11):
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
ミツロウ、硬化ヒマシ油、ミリスチン酸オクチルドデシル、パーム油、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、セスキオレイン酸ソルビタンおよびパラオキシ安息香酸ブチルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相成分とした。また、1,3−ブチレングリコール3重量部および精製水を混合し、55〜85℃に加熱して、これにプラバスタチンナトリウムを加え水相とした。水相と油相を実施例1と同様に55〜85℃で乳化させ乳化物とした。あらかじめカルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解し、これにパラオキシ安息香酸メチルおよびピロ亜硫酸ナトリウムを残りの1,3−ブチレングリコールに溶かしてから加え、カルボキシビニルポリマー水溶液とした。この水溶液に、製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9となる量のジイソプロパノールアミンを添加し、カルボキシビニルポリマーを処理し、カルボキシビニルポリマー含有水溶液を得た。この水溶液のpHは6〜9であった。このカルボキシビニルポリマー含有水溶液と55℃以下に冷却した乳化物を混合した後冷却しクリーム剤を得た。
実 施 例 21
クリーム剤の調製(12):
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
固形パラフィン、ミツロウ、パルミチン酸イソプロピル、軽質流動パラフィン、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖ステアリン酸エステルおよびパラオキシ安息香酸ブチルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相とした。また、1,3−ブチレングリコール2重量部および精製水を混合し、55〜85℃に加熱して、これにムピロシンカルシウム水和物を加え水相とした。配合量の25%の量のカルボキシビニルポリマーを、濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解して水溶液とし、これと水相および油相とを実施例1と同様に55〜85℃で乳化させ乳化物とした。残りのカルボキシビニルポリマーを濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解し、これにパラオキシ安息香酸メチルを残りの1,3−ブチレングリコールに溶かしてから加え、カルボキシビニルポリマー水溶液とした。この水溶液に製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9になる量のジイソプロパノールアミンを添加してカルボキシビニルポリマーを処理し、カルボキシビニルポリマー含有水溶液を得た。この水溶液のpHは6〜9であった。このカルボキシビニルポリマー含有水溶液と55℃以下に冷却した乳化物を混合した後冷却しクリーム剤を得た。
比 較 例 1
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
白色ワセリン、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、スクワラン、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、l−メントールおよびパラオキシ安息香酸ブチルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相とした。また、ジクロフェナクナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、プロピレングリコールおよび精製水を55〜85℃に加熱して溶解させ、水相とした。水相と油相を実施例1と同様に55〜85℃で乳化させ乳化物とした。
一方、カルボキシビニルポリマーをあらかじめ濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解した水溶液を乳化物と混合し、これに製造後のクリーム剤のpHが8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9になる量の水酸化ナトリウムを添加し、混合した後、冷却し、O/W型のクリーム剤を得た。
比 較 例 2
下記組成および製法によりクリーム剤を調製した。
Figure 0004526598
( 製 法 )
白色ワセリン、ステアリルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、スクワラン、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油およびパラオキシ安息香酸ブチルを55〜85℃に加熱して溶解させ、油相とした。また、ジクロフェナクナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、プロピレングリコールおよび精製水を55〜85℃に加熱して溶解させ、水相とした。水相と油相を実施例1と同様に55〜85℃で乳化させ乳化物とした。
一方、カルボキシビニルポリマーをあらかじめ濃度が0.5〜10%となる量の精製水に溶解した水溶液を得られた乳化物と混合し、これに製造後のクリーム剤のpHが6、7、8、8.3、8.4、8.5、8.6、8.8および9になる量の水酸化ナトリウムを添加し、混合した後冷却し、O/W型のクリーム剤を得た。
試 験 例 1
安定性試験(1):
実施例1〜4および比較例1で得られたクリーム剤のうち、表1中のpHのものについて、−2℃に3ヶ月間保存し、開始時、1週、2週、4週、1ヵ月および3ヵ月目に、結晶析出の有無について観察した。結果を表1に示す。なお、pHの測定は、得られたクリーム剤1gを水30mLに加えて溶かし、その液のpHをSeven Multi S40(メトラートレド社製)を用いて測定した。
Figure 0004526598
試 験 例 2
安定性試験(2):
実施例1〜4および比較例1で得られたクリーム剤のうち、表2中のpHのものについて、4℃で12ヶ月保存し、開始時、2週、4週、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月および12ヵ月目に結晶析出の有無を観察した。結果を表2に示す。
Figure 0004526598
試 験 例 3
安定性試験(3):
実施例1〜4および比較例1〜2で得られたクリーム剤のうち、表3中のpHのものについて40℃に3ヵ月保存し、保存開始前と保存後のクリーム剤中のジクロフェナクナトリウム含量をHPLCにより下記条件で測定した。試験開始前のクリーム剤中のジクロフェナクナトリウム含量に対する保存後のジクロフェナクナトリウム含量の割合(%)を、ジクロフェナクナトリウム残存率とした。また、HPLCにより下記条件でジクロフェナクとステアリルアルコールのエステルの有無を調べた。結果を表3に示す。
Figure 0004526598
(ジクロフェナクナトリウム含量の測定)
HPLC条件:
カラム:Mightysil RP−18 (関東化学)
移動相:0.12%酢酸/メタノール(1:2)
流量:1.0ml/min.
検出波長:282nm
(ジクロフェナクとステアリルアルコールとのエステルの測定)
HPLC条件:
カラム:Symmetry Shield RP−18(日本ウォーターズ)
移動相A:0.1%酢酸
移動相B:0.1%酢酸のメタノール溶液
流量:1.0ml/min.
検出波長:282nm
<グラジェント条件>
時間 移動相A 移動相B
0 〜11分 40→28% 60→72%
11〜35分 28→10% 72→90%
表1、2の結果から明らかなように、カルボキシビニルポリマーを塩基性物質により処理してから添加することにより得られたクリーム剤(実施例1ないし4)は、カルボキシビニルポリマーを処理せずに添加することにより得られる比較例1のクリーム剤と比較して、ジクロフェナクナトリウムの結晶が析出しないことが確認された。また、表3の結果から明らかなように実施例1ないし4のクリーム剤は、比較例のクリーム剤と比較して、保存後のジクロフェナクナトリウムの残存率が高かった。なお、高級アルコールを含む比較例2では、ジクロフェナクナトリウムと高級アルコールのエステルが検出された。
本発明の乳化型外用剤は、酸性の水溶性高分子をあらかじめ塩基性物質にて処理し、例えば、pH6以上、かつ10以下の水溶液として用いることによって非ステロイド系消炎鎮痛剤等のカルボン酸系医薬品化合物のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩の結晶析出を抑制し、また保存中にその含有量の低下も生じない安定性にも優れるものである。さらに、低級アルコールや脂肪酸などを含有せず皮膚刺激性の低い安全性の高いものであり、また、高級アルコールをも含有しないことから、これに由来する有効成分のエステル体の生成もなく、有効成分の含量低下もない。
従って、本発明は、非ステロイド系消炎鎮痛剤等、カルボン酸系医薬のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩を有効成分とする乳化型外用剤およびその製造方法として医薬分野において有利に利用できるものである。

Claims (28)

  1. 次の成分(a)および(b)
    (a)ジクロフェナクナトリウムおよびロキソプロフェンナトリウムよりなる群から選
    ばれる医薬有効成分化合物および水性溶媒を含有する水相
    (b)脂肪酸エステル、炭化水素、動植物油およびその硬化油並びに天然由来のロウよ
    りなる群から選ばれる1種または2種以上の油性成分からなる油相
    を乳化して得られた乳化物と、
    酸性水溶性高分子の全部または一部を水性溶媒中で塩基性物質により処理して得られる処理酸性水溶性高分子溶液とを混合して得られ、pHが6〜9であるO/W型乳化型外用剤。
  2. 成分(a)の水性溶媒が、水、グリコール類および多価アルコールよりなる群から選ばれた1種または2種以上である請求項1記載の乳化型外用剤。
  3. 成分(a)のジクロフェナクナトリウムおよびロキソプロフェンナトリウムよりなる群から選ばれる医薬有効成分化合物の含有量が、0.01〜10質量%である請求項1または2に記載の乳化型外用剤。
  4. 成分(a)のジクロフェナクナトリウムおよびロキソプロフェンナトリウムよりなる群から選ばれる医薬有効成分化合物の含有量が、0.5〜5質量%である請求項記載の乳化型外用剤。
  5. 酸性水溶性高分子が、カルボキシビニルポリマーである請求項1〜4のいずれかの項に記載の乳化型外用剤。
  6. 酸性水溶性高分子を処理する塩基性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアルカノールアミンよりなる群から選ばれた化合物である請求項1〜5のいずれかの項に記載の乳化型外用剤。
  7. 塩基性物質により処理された酸性水溶性高分子と未処理の酸性水溶性高分子の質量比率が、1:0.001〜2.5である請求項1〜6のいずれかの項に記載の乳化型外用剤。
  8. 塩基性物質により処理された酸性水溶性高分子と未処理の酸性水溶性高分子の質量比率が、1:0.001〜1である請求項に記載の乳化型外用剤。
  9. 塩基性物質により処理された酸性水溶性高分子と未処理の酸性水溶性高分子の質量比率が、1:0.001〜0.3である請求項に記載の乳化型外用剤。
  10. 塩基性物質により処理された酸性水溶性高分子溶液のpHが、6以上、かつ10以下である請求項1〜9のいずれかの項に記載の乳化型外用剤。
  11. クリーム剤またはローション剤である請求項1〜10のいずれかの項に記載の乳化型外用剤。
  12. 次の成分(a)および(b)
    (a)ジクロフェナクナトリウムおよびロキソプロフェンナトリウムよりなる群から選
    ばれる医薬有効成分化合物および水性溶媒を含有する水相
    (b)脂肪酸エステル、炭化水素、動植物油およびその硬化油並びに天然由来のロウよ
    りなる群から選ばれる1種または2種以上の油性成分からなる油相
    を乳化して乳化物を得、
    次いでこの乳化物と、酸性水溶性高分子の全部または一部を水性溶媒中で塩基性物質により処理して得られる処理酸性水溶性高分子溶液とを混合し、pHを6〜9とすることを特徴とするO/W型乳化型外用剤の製造方法。
  13. 水性溶媒が、水、グリコール類および多価アルコールよりなる群から選ばれた1種または2種以上である請求項12記載の乳化型外用剤の製造方法。
  14. 成分(a)のジクロフェナクナトリウムおよびロキソプロフェンナトリウムよりなる群から選ばれる医薬有効成分化合物の含有量が、0.01〜10質量%である請求項12または13に記載の乳化型外用剤の製造方法。
  15. 成分(a)のジクロフェナクナトリウムおよびロキソプロフェンナトリウムよりなる群から選ばれる医薬有効成分化合物の含有量が、0.5〜5質量%である請求項14記載の乳化型外用剤の製造方法。
  16. 酸性水溶性高分子がカルボキシビニルポリマーである請求項12〜15のいずれかの項に記載の乳化型外用剤の製造方法。
  17. 塩基性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアルカノールアミンよりなる群から選ばれた化合物である請求項12〜16のいずれかの項に記載の乳化型外用剤の製造方法。
  18. 塩基性物質により処理された酸性水溶性高分子と未処理の酸性水溶性高分子の質量比率が、1:0.001〜2.5である請求項12〜17のいずれかの項に記載の乳化型外用剤の製造方法。
  19. 塩基性物質により処理された酸性水溶性高分子と未処理の酸性水溶性高分子の質量比率が、1:0.001〜1である請求項18に記載の乳化型外用剤の製造方法。
  20. 塩基性物質により処理された酸性水溶性高分子と未処理の酸性水溶性高分子の質量比率が、1:0.001〜0.3である請求項19に記載の乳化型外用剤の製造方法。
  21. 塩基性物質により処理された酸性水溶性高分子含有溶液のpHが、6以上、かつ10以下である請求項12〜20のいずれかの項に記載の乳化型外用剤の製造方法。
  22. 乳化型外用剤がクリーム製剤である請求項12〜21のいずれかの項に記載の乳化型外用剤の製造方法。
  23. 次の成分(a)および(b)
    (a)ジクロフェナクナトリウムおよびロキソプロフェンナトリウムよりなる群から選
    ばれる医薬有効成分化合物および水性溶媒を含有する水相
    (b)脂肪酸エステル、炭化水素、動植物油およびその硬化油並びに天然由来のロウよ
    りなる群から選ばれる1種または2種以上の油性成分からなる油相
    を乳化して乳化物を得、
    次いでこの乳化物と、酸性水溶性高分子の全部または一部を水性溶媒中で塩基性物質により処理して得られる処理酸性水溶性高分子溶液とを混合し、pHを6〜9とすることを特徴とするO/W型乳化型外用剤におけるジクロフェナクナトリウムおよびロキソプロフェンナトリウムよりなる群から選ばれる医薬有効成分化合物の結晶析出抑制方法。
  24. さらに、塩基性物質によって処理されていない酸性水溶性高分子を含有する溶液を混合してなる請求項23記載の結晶析出抑制方法。
  25. 酸性水溶性高分子が、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸およびアクリル酸マレイン酸共重合体からなる群より選ばれたものである請求項23または24に記載の結晶析出抑制方法。
  26. 塩基性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアルカノールアミンからなる群より選ばれたものである請求項23〜25のいずれかの項に記載の結晶析出抑制方法。
  27. 塩基性物質で処理された酸性水溶性高分子を含有する溶液のpHが6以上で、かつ10以下である請求項23〜26のいずれかの項に記載の結晶析出抑制方法。
  28. 乳化型外用剤がクリーム製剤である請求項23〜27のいずれかの項に記載の結晶析出抑制方法。
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