JP4932476B2 - 非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有する外用経皮製剤 - Google Patents

非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有する外用経皮製剤 Download PDF

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Description

本発明は、非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有する外用経皮製剤、特に、非ステロイド系消炎鎮痛剤の副作用として発現する光線過敏症を顕著に抑制するための紫外線吸収剤を含有する外用経皮製剤に関する。
ケトプロフェン等の非ステロイド系消炎鎮痛剤は、優れた抗炎症作用および鎮痛作用を有するため、パップ剤やプラスター剤等の貼付剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、リニメント剤等の各種形態の外用経皮製剤に薬効成分として含有されている。しかし、非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有する外用経皮製剤は、副作用として稀に光線過敏症を発現することが報告されている(非特許文献1、特許文献3参照)。また、光分解により副生成物を生じ、製剤の安定性、使用感などに影響を及ぼすことも報告されている(特許文献1参照)。
非ステロイド系消炎鎮痛剤の光による影響を抑制する試みとして、これまで、ケトプロフェン含有外用製剤にベンゾフェノン誘導体からなる紫外線吸収剤を配合し、ケトプロフェンの光分解を防止することで、光分解物の生成を抑制しようとした例(特許文献1参照)や、非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有する貼付剤の支持体に紫外線遮蔽加工を施した例(特許文献2参照)、また、抗炎症皮膚外用剤に酸化チタンを配合した例(特許文献3参照)等が報告されてきた。
一方、紫外線吸収剤としてはジベンゾイルメタン誘導体が知られているが、皮膚外用剤基剤との相溶性が悪いため、ジベンゾイルメタン誘導体を配合した安定な製剤を提供することは困難であった。かかる問題点を解決すべく、液状の多価アルコール脂肪酸エステル(特許文献4参照)、特定の基を有する酸とアルコールのエステル(特許文献5参照)、または特定のジエステル(特許文献6参照)を配合することなどが試みられてきた。また、紫外線防御剤と金属キレート剤とを併用することにより配合成分が変質することなく紫外線防御剤の効果が十分に発揮できる技術(特許文献7参照)等が提案されてきた。
しかしながら、非ステロイド系消炎鎮痛剤の光による影響を抑制するための上記の試みは、いずれも皮膚への副作用を完全に抑制するものとはいえなかった。一方、ジベンゾイルメタン誘導体と上記エステル類等とを配合した皮膚外用剤は、配合成分の経時的安定性や有効性においてなおも問題があり、より一層の製剤的改善が望まれてきた。
特開昭60−155111号公報 国際公開第01/68061号パンフレット 特開平9−169658号公報 特開昭61−215315号公報 特開昭61−215316号公報 特開平9−291019号公報 特開2000−136122号公報 田中千賀子、加藤隆一編「NEW薬理学」改訂第3版、南光堂、1996年11月25日、p474−476
したがって、本発明の課題は、非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有する外用経皮製剤の皮膚への副作用をより確実に抑制し、かつ、製剤の経時的変性を防止して非ステロイド系消炎鎮痛剤の本来有する効果が十分に発揮される外用経皮製剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねる中で、薬剤性の光線過敏症には、薬剤が日光照射を受けた際に非免疫学的機序により生ずる光毒性と、日光への曝露によりハプテン化した薬剤が免疫学的機序を介し組織・細胞に障害をもたらす光アレルギーとがあり、前者は、個体の素因とは無関係に、十分な紫外線照射を受ければ誰にでも発症する可能性があるものであって、後者は、ハプテン化した薬剤にアレルギー性に感作された一部の個体のみに発症し、症状は薬剤の用量や日光照射量とは無関係に発現するものであるから、光線過敏症を確実に防止するにはこの両機序を抑制する必要があることに着目した。
そして、紫外線のうち特に長波長紫外線(UVA:波長320〜400nm)を吸収するUVA吸収剤として、特にジベンゾイルメタン誘導体を製剤中に高濃度に配合することによって、非ステロイド系消炎鎮痛剤に起因する上記光毒性と光アレルギーの両方をより顕著に抑制することが可能となることを見出すとともに、特定の溶解剤を配合することにより、ジベンゾイルメタン誘導体の製剤中での相溶性を改善しつつ、非ステロイド系消炎鎮痛剤の本来有する効果が十分に発揮されることを見出し、本発明の外用経皮製剤を完成するに至った。
すなわち、本発明は、非ステロイド系消炎鎮痛剤と、ジベンゾイルメタン誘導体、および、多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル及びクロタミトンから選択される1種または2種以上とを必須成分として含有する外用経皮製剤に関する。
また、本発明は、非ステロイド系消炎鎮痛剤が、ケトプロフェン、チアプロフェン酸、スプロフェン、ロキソプロフェン、トルメチン、カルプロフェン、ベノキサプロフェン、ピロキシカム、メロキシカム、ベンジダミン、ナプロキセン、フェルビナク、ジクロフェナク、イブプロフェン、ジフルニサール、アザプロパゾン、エトドラック、バルデコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ、フルルビプロフェンおよびこれらの薬学的に許容し得る塩からなる群から選択される1種または2種以上である、前記外用経皮製剤に関する。
また本発明は、さらに、ジベンゾイルメタン誘導体が、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンであることを特徴とする、前記外用経皮製剤に関する。
さらには本発明は、ジベンゾイルメタン誘導体の含有量が0.1〜20重量%であることを特徴とする、前記外用経皮製剤に関する。
本発明は、また、多価アルコール脂肪酸エステルが、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルおよびトリ2−エチルヘキサン酸グリセリルからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、前記外用経皮製剤に関する。
本発明は、またさらに、高級脂肪酸エステルが、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、およびアジピン酸ジオクチルからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、前記外用経皮製剤に関する。
また本発明は、高級脂肪酸エステルが、常温で液体の高級脂肪酸ジエステルから選択される1種または2種以上であることを特徴とする、前記外用経皮製剤に関する。
本発明は、非ステロイド系消炎鎮痛剤の含有量が0.1〜10重量%、ジベンゾイルメタン誘導体の含有量が0.1〜20重量%、かつ、多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル及びクロタミトンから選択される1種または2種以上の含有量が0.1〜10重量%であることを特徴とする、前記外用経皮製剤に関する。
本発明は、また、非ステロイド系消炎鎮痛剤がケトプロフェンであり、ジベンゾイルメタン誘導体が4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンであり、多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル及びクロタミトンから選択される1種または2種以上が、アジピン酸ジイソプロピル、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルおよびクロタミトンからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、前記外用経皮製剤に関する。
本発明はさらに、外用経皮製剤の剤型が、パップ剤またはプラスター剤であることを特徴とする、前記外用経皮製剤に関する。
本発明の外用経皮製剤は、UVA吸収剤としてジベンゾイルメタン誘導体を高濃度で含有することにより、非ステロイド系消炎鎮痛剤に起因する光線過敏症を顕著に抑制することができる。すなわち、本発明の外用経皮製剤は、ジベンゾイルメタン誘導体の配合量に依存して紫外線吸収効果を発揮することによって、非ステロイド系消炎鎮痛剤の光毒性および光アレルギーの両者を顕著に抑制することができる。
また、本発明の外用経皮製剤は、多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル及びクロタミトンから選択される1種または2種以上を溶解剤として配合することにより、従来、他の基剤との相溶性が悪いために安定な製剤とすることが困難であったジベンゾイルメタン誘導体を、製剤中に極めて安定に高濃度で配合することができる。
さらに、本発明の外用経皮製剤は、ジベンゾイルメタン誘導体と前記エステル類やクロタミトンといった溶解剤とを配合しても、薬効成分である非ステロイド系消炎鎮痛剤の製剤からの皮膚への透過性が低下することなく、非ステロイド系消炎鎮痛剤の本来有する効果が十分に発揮できるものである。
すなわち、本発明の外用経皮製剤は、非ステロイド系消炎鎮痛剤の光毒性または光アレルギーに起因する光線過敏症の発現をより確実に抑制しつつ、製剤中に配合されている成分が経時的に変質することなく安定に存在でき、非ステロイド系消炎鎮痛剤の消炎鎮痛効果を十分に奏することができるものであって、かかる効果を有する非ステロイド系消炎鎮痛剤含有の外用経皮製剤は、本発明において初めて実現されたものである。
以下、本発明の外用経皮製剤の実施形態について詳細に説明する。
本発明の外用経皮製剤で用いる非ステロイド系消炎鎮痛剤は、光線過敏症を発現する可能性のある公知の非ステロイド系消炎鎮痛剤であれば、特に限定されることなく、いずれであっても本発明の対象とすることができる。このような非ステロイド系消炎鎮痛剤としては、ケトプロフェン、チアプロフェン酸、スプロフェン、ロキソプロフェン、トルメチン、カルプロフェン、ベノキサプロフェン、ピロキシカム、メロキシカム、ベンジダミン、ナプロキセン、フェルビナク、ジクロフェナク、イブプロフェン、ジフルニサール、アザプロパゾン、エトドラック、バルデコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ、フルルビプロフェンおよび/またはそれらの薬学的に許容できる塩が挙げられ、中でも構造中にベンゾフェノン類似骨格を有するケトプロフェン、チアプロフェン酸、スプロフェン、トルメチンが好ましく、ベンゾフェノン骨格を有するケトプロフェンが特に好ましい。このような非ステロイド系消炎鎮痛剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の外用経皮製剤における上記非ステロイド系消炎鎮痛剤の配合量は特に制限されないが、製剤全量を基準として0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましく、1〜3重量%であることがさらに好ましい。
本発明の外用経皮製剤に用いられるジベンゾイルメタン誘導体は、UVA領域に吸収を持つ化合物であれば特に限定されないが、例えば、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n−ヘキシルエステルなどが挙げられ、中でも特に好ましいジベンゾイルメタン誘導体は、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンである。4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンは約330〜360nmに最大吸収を有する優れたUVA吸収剤であり、市販品としてパルソール1789(Roche社製)などを用いることができる。
本発明の外用経皮製剤におけるジベンゾイルメタン誘導体の配合量は、特に制限されないが、非ステロイド系消炎鎮痛剤に起因する光毒性および光アレルギーに対する抑制効果を発揮させるためには、製剤全量を基準として0.1〜20重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましく、3〜6重量%であることがさらに好ましい。
本発明においては、溶解剤として、多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル及びクロタミトンから選択される1種または2種以上を用いることができる。本発明に用いられる上記溶解剤は、有効成分である非ステロイド系消炎鎮痛剤の溶解性が良いものが好ましい。また、本発明に用いられる非ステロイド系消炎鎮痛剤がカルボキシル基を有する場合には、上記溶解剤と非ステロイド系消炎鎮痛剤とでエステルを形成しないために、上記溶解剤は水酸基を有さない化合物であることが好ましい。さらに、本発明において用いられる多価アルコール脂肪酸エステルとしては、多価アルコールと直鎖、分枝アルキル基を有する炭素数8〜10の脂肪酸のエステルが好ましい。またさらに、本発明において用いられる高級脂肪酸エステルとしては、直鎖、分枝アルキル基を有する炭素数6〜19の脂肪酸と直鎖、分枝、不飽和アルキル基を有する炭素数2〜18のアルコールのエステル、および/または、常温で液体の高級脂肪酸ジエステルが好ましい。
本発明の外用経皮製剤に用いられる多価アルコール脂肪酸エステルは、常温で液状のものであればよく、特に限定されないが、多価アルコールと直鎖、分枝アルキル基を有する炭素数8〜10の脂肪酸のエステルが好ましい。本発明に用いられる多価アルコール脂肪酸エステルの例としては、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールなどが挙げられる。特に好ましい多価アルコール脂肪酸エステルは、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリルである。
本発明の外用経皮製剤に用いられる高級脂肪酸エステルは、直鎖、分枝アルキル基を有する炭素数6〜19の脂肪酸と直鎖、分枝、不飽和アルキル基を有する炭素数2〜18のアルコールのエステル、および/または、常温で液体の高級脂肪酸ジエステルであればよく、特に限定されない。本発明に用いられる直鎖、分枝アルキル基を有する炭素数6〜19の脂肪酸と直鎖、分枝、不飽和アルキル基を有する炭素数2〜18のアルコールのエステルの例としては、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソステリアル、ステアリン酸エチルヘキシル、ステリアン酸2−ヘキシルデシル、イソステリアン酸イソプロピル、イソステリアン酸2−ヘキシルデシルなどが挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチルである。
また、本発明において、常温で液体の高級脂肪酸ジエステルとは、炭素数6〜10の二塩基酸と直鎖、分枝アルキル基を有する炭素数2〜8のアルコールのエステルであればよく、例えば、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチルなどが挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピルである。 なお、本発明において、常温とは摂氏15度〜25度をいう。
本発明の外用経皮製剤におけるクロタミトンは、N−置換−O−トルイジン誘導体の一種であり、脂溶性薬物から親水性薬物まで広範な薬物の溶解性に優れるため、パップ剤やプラスター剤等の貼付剤、軟膏剤、クリーム剤等の製剤に好適に使用される。
本発明の外用経皮製剤において、製剤中の(C)多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル及びクロタミトンから選択される1種または2種以上の配合量は、(B)ジベンゾイルメタン誘導体の配合量に対して1/10〜1であることが好適である。また、製剤中の(C)多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル及びクロタミトンから選択される1種または2種以上の配合量は、製剤の経時的安定性および皮膚への薬効成分の透過性という観点から、製剤全量を基準として0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましく、1〜3重量%であることがさらに好ましい。
なお、本発明の製剤中に(B)ジベンゾイルメタン誘導体、および、(C)多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル及びクロタミトンから選択される1種または2種以上を含有することによって、(A)非ステロイド系消炎鎮痛剤が変質することはなく、また、その皮膚への透過性が低下することもなく、非ステロイド系消炎鎮痛剤の本来有する効果を阻害することもない。
本発明において、「抑制する」とは、上記ジベンゾイルメタン誘導体を含有することにより、光毒性および光アレルギー試験(試験例1および2参照)で評価された光毒性および光アレルギーに関する数値が、上記ジベンゾイルメタン誘導体を含有しない場合に比べそれぞれ減少していることを意味する。減少の程度(抑制率)は、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上、最も好ましくは60%以上である。
本発明の外用経皮製剤においては、上記必須成分の他、その製剤の剤型に応じて各製剤の基剤を配合することができる。また、本発明の外用経皮製剤の剤型としては、パップ剤またはプラスター剤といった貼付剤等が挙げられる。以下に本発明の外用経皮製剤の剤型に応じた基剤並びに処方例について説明する。
以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
例として、プラスター剤について説明する。本発明のプラスター剤に用いられるプラスター基剤は特に限定されず、通常使用されているものの中より選択される。このようなプラスター基剤に含有される成分としては、例えば、高分子基剤(メタアクリル酸エステル類、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルモノマーとの共重合物であるアクリル系組成物、シリコン樹脂、ポリイソプレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等)、油脂または高級脂肪酸(アーモンド油、オリーブ油、つばき油、パーシック油、ラッカセイ油、オレイン油、流動パラフィン、ポリブテン等)、粘着付与剤(ロジン、ロジン変性マレイン酸、水添ロジンエステル等)、脂肪酸金属塩(ウンデシレン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸亜鉛等)、かぶれ防止剤、その他の添加物(サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、l−メントール、カンフル、ノニル酸ワニリルアミド、トウガラシエキス、ハッカ油、エイゾン(登録商標)等)等が挙げられ、これらの中から選択される諸成分を混合してなるプラスター基剤に前述の必須成分を配合することにより、本発明のプラスター剤を得ることができる。
次に、プラスター剤の好適な一製造例(処方例)を示す。すなわち、ホットメルト法で製造する場合は、まず、ニーダー、ミキサー等の混合機を用い120〜160℃で前記高分子基剤、前記油脂または高級脂肪酸、前記粘着付与剤および前記脂肪酸金属塩を加熱混合し、次いで本発明の必須成分である前記非ステロイド系消炎鎮痛剤、前記ジベンゾイルメタン誘導体および前記多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル及びクロタミトンから選択される1種または2種以上を添加混合する。得られた混合物を、直接支持体上に展延するか、あるいは離型処理の施された紙、フィルム等の上に、一旦展延した後に所望の支持体を覆った状態として圧着転写させてもよい。他方、溶剤法で製造する場合は、防爆対応のミキサー等の混合機を用いて前記成分をトルエン、ヘキサン、塩化メチレン等の溶媒中で溶解し、得られた溶液を離型処理の施された紙、フィルム等の上に展延し、乾燥機で溶媒を留去させた後、所望の支持体を覆った状態として圧着転写させる。支持体上の展延塗布上に剥離被覆物を貼付することにより本発明のプラスター剤が得られる。かかる支持体としては、具体的には、布、不織布、織布、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウムシート、またはこれらの複合素材からなるもの等が挙げられる。また、剥離被覆物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコン加工紙からなるもの等が挙げられる。
以上、本発明の外用経皮製剤の剤型に応じた基剤並びに処方例の好適な実施形態について説明したが、剤型並びに処方例はこれらに限定されず、各成分の配合順序も特に限定されるものではない。
また、本発明の外用経皮製剤においては、上記処方に加えてさらに抗酸化剤が配合されてもよい。このような抗酸化剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、チモール、没食子酸プロピル等のフェノール誘導体、トコフェロールおよびそのエステル誘導体、アスコルビン酸およびそのエステル誘導体等が好ましい。このような抗酸化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は特に制限されないが、製剤全量を基準として0〜10重量%であることが好ましく、0〜5重量%であることがより好ましい。
以下、試験例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。また以下の実施例において、特に断らない限り「%」は「重量%」を意味するものとする。
試験例1.光毒性試験(マウスを使用した耳浮腫抑制率試験)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリイソブチレン(PIB)、水添ロジングリセリンエステル(KE−311)、流動パラフィンおよびステアリン酸亜鉛を表1の重量%に従って秤量し、窒素ガス雰囲気下で加熱撹拌して溶解物を得た(工程A)。撹拌時の温度は100〜200℃であり、撹拌時間は30〜120分とした。
次に、ケトプロフェン(KP)、l-メントール、アジピン酸ジイソプロピル(DID)および所定量の4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(BM−DBM)を温度100〜200℃の範囲内で上記工程Aの溶解物に添加し、5〜30分間混合して均一な溶解物を得た(工程B)。工程Bで得られた溶解物を重量が70cmあたり1gとなるように、シリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに展延した後、ポリエステル不織布で覆い圧着転写して所望の大きさに裁断し、本発明のプラスター剤(実施例1〜5)を得た。
Figure 0004932476
実施例1〜5のケトプロフェン製剤を用い、マウスの耳浮腫抑制率試験を、Gerberickらの方法(Food Chem. Toxcol.,27, 813-819(1989))に準じて行った。すなわち、試験動物としてBalb/cマウス(雌性、9〜11週齢)を用い、2%ケトプロフェン(KP)および4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(BM−DBM)を各々0.5、1、3、6、10%含有するプラスター剤(実施例1〜5)を耳介に4時間貼付した後に、UVAを40J/cmで照射した。また、2%ケトプロフェン(KP)のエタノール溶液を塗布した群をコントロール群とした。
UVA照射24時間後の耳厚を測定し、試験開始前の耳厚からの増加分を算出した。各濃度のBM−DBMを含有する製剤のケトプロフェンによる光毒性抑制効果は、コントロール群の耳厚増加分に対し、どの程度増加を抑制し得るかの指標として、耳浮腫抑制率(%)で評価した。得られた結果を表2に示す。
Figure 0004932476
マウスを使用した耳浮腫抑制率試験の結果、表2に示すように、実施例1〜5の4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(BM−DBM)を配合したケトプロフェン含有製剤は、BM−DBMの含有量の増加に伴い用量依存的にケトプロフェンによる光毒性を顕著に減少させる作用が観察された。
試験例2.光アレルギー試験(モルモットを用いた皮膚光アレルギー試験)
実施例3〜5のケトプロフェン製剤を用いて、モルモットを使用した皮膚光アレルギー試験を、佐藤らによるAdjuvant and Strip法(西日本皮膚科, 42, 831-837(1980))に準じて行った。すなわち、ハートレー系白色雌モルモット(一群8匹)の頚背部を除毛し、アジュバントを2×2cmの4隅に投与し、次いでコントロール群としてエタノールに溶解した2%のケトプロフェン溶液を前記2×2cmの部分に塗布、あるいは2%ケトプロフェン(KP)および4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(BM−DBM)を各々3、6、10%含有するプラスター剤(実施例3〜5)(2×2cm)を4時間貼付した。溶液塗布後、またはプラスター剤剥離後1時間後にUVA(10J/cm)を照射した。この感作誘導処置を、5日間連続して実施した。感作開始3週間後に腰背部を除毛し、2×2cmの領域に感作時と同一の検体を適用した後、1時間後にUVA(10J/cm)を照射し光惹起を行った。照射24および48時間後の皮膚反応を、上記佐藤らの基準に従い評価した。配合量の異なるBM−DBM含有製剤(実施例3〜5)の、ケトプロフェンによる光アレルギーに対する抑制効果は、ケトプロフェン溶液を塗布したコントロール群に対する紅斑および浮腫の抑制率(%)で評価した。得られた結果を表3に示す。
Figure 0004932476
表3に示した通り、モルモットを使用した皮膚光アレルギー試験の結果、実施例3〜5の4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(BM−DBM)を配合したケトプロフェン含有製剤は、BM−DBMの含有量の増加に伴いケトプロフェンによる光アレルギーを顕著に抑制することが観察された。
表2および3に示した結果から明らかな通り、薬効成分として非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有する外用経皮製剤において、UVA吸収剤としてジベンゾイルメタン誘導体を配合することにより、非ステロイド系消炎鎮痛剤による光アレルギーおよび光毒性が顕著に抑制されることが理解される。
試験例3.製剤の経時安定性試験
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリイソブチレン(PIB)、水添ロジングリセリンエステル(KE−311)、流動パラフィンおよびステアリン酸亜鉛を下表の重量%に従って秤量し、窒素ガス雰囲気下で加熱撹拌して溶解物を得た(工程A)。撹拌時の温度は100〜200℃であり、撹拌時間は30〜120分とした。
次に、ケトプロフェン(KP)、l-メントール、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(BM−DBM)および所定量のアジピン酸ジイソプロピル(DID)を温度100〜200℃の範囲内で上記工程Aの溶解物に添加し、5〜30分間混合して均一な溶解物を得た(工程B)。工程Bで得られた溶解物を重量が70cmあたり1gとなるように、シリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに展延した後、ポリエステル不織布で覆い圧着転写して所望の大きさに裁断し、本発明のプラスター剤を得た(実施例6および7)。 さらに、上記アジピン酸ジイソプロピルに代えて、クロタミトン3%、並びにジカプリル酸プロピレングリコール1%、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル2%、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル2%としたプラスター剤を得た(実施例8〜11)。 また、比較例として、上記アジピン酸ジイソプロピルに代えて、炭酸プロピレン3%またはトリアセチン3%としたプラスター剤を作製した(比較例1および2)。
Figure 0004932476
各製剤(実施例6〜11、比較例1および2)を常温にて所定期間保存した後、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(BM−DBM)の結晶析出の有無、また、膏体表面のべたつきの有無を観察した結果を表5に示す。
表5の結果に示すとおり、炭酸プロピレン3%を配合した製剤(比較例1)およびトリアセチン3%を配合した製剤(比較例2)では、製造直後に結晶の析出が認められ、凝集力が不足し膏体が軟らかめで、製剤が糸引きを生じ、膏体表面にべたつきの感じられる傾向が認められた。これに対し、実施例6〜11のケトプロフェン製剤はいずれも製剤物性が良好であり、常温保存2ヶ月以上においても結晶の析出が観察されることはなく、膏体表面のべたつきも観察されなかった。
Figure 0004932476
表5に示した結果から明らかな通り、難溶性のジベンゾイルメタン誘導体を配合した非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有する外用経皮製剤において、多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル並びにクロタミトンを溶解剤として用いることによって、経時的安定性に優れた製剤とすることが可能であることが理解される。
試験例4.皮膚透過性試験(ヘアレスマウスを用いたin vitro皮膚透過性試験)
ヘアレスマウス背部皮膚を剥離し、真皮側をレセプター層側に向け、37℃の温水を外周部に循環させたフロースルーセル(0.785cm2)に装着した。角質層側に実施例4および6〜8において得られた製剤を貼付し、0.8ml/時間(hr)の速さで4時間毎に24時間までサンプリングを行った。レセプター層には、生理食塩水を使用した。各時間毎に得られたレセプター液中のケトプロフェン量を高速液体クロマトグラフ法により測定し、1時間当たりの製剤からのケトプロフェンの皮膚透過速度を算出した結果を表6に示す。
Figure 0004932476
表6に示すとおり、アジピン酸ジイソプロピル(DID)配合量を増加させても、ケトプロフェンの皮膚透過速度はほとんど低下しないことが確認された。またクロタミトン3%を配合した場合も皮膚透過速度はほとんど低下しないことが明らかになった。
したがって、本発明による外用経皮製剤は、ジベンゾイルメタン誘導体や多価アルコール脂肪酸エステル、高級脂肪酸エステル、並びにクロタミトンといった溶解剤を配合しても、その製剤中に含有する非ステロイド系消炎鎮痛剤の皮膚透過性を低下させることなく、その薬効を十分に発揮できるものであることが理解される。
以上説明した通り、本発明によれば、非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有する外用経皮製剤において、光毒性および光アレルギーによる光線過敏症をより確実に防止しつつ消炎鎮痛効果を十分に奏することが可能となり、経時的安定性が極めて高い医薬品としての応用が期待される。

Claims (9)

  1. 下記の成分(A)、(B)および(C);
    (A)ケトプロフェン
    (B)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンおよび/または2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n−ヘキシルエステル
    (C)高級脂肪酸エステル及びクロタミトンから選択される1種または2種以上。
    を含有する外用経皮製剤。
  2. 成分(B)が、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンであることを特徴とする、請求項1に記載の外用経皮製剤。
  3. 成分(B)の含有量が0.1〜20重量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の外用経皮製剤。
  4. 高級脂肪酸エステルが、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、およびアジピン酸ジオクチルからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の外用経皮製剤。
  5. 高級脂肪酸エステルが、常温で液体の高級脂肪酸ジエステルから選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の外用経皮製剤。
  6. 成分(A)の含有量が0.1〜10重量%、成分(B)の含有量が0.1〜20重量%、かつ、成分(C)の含有量が0.1〜10重量%であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の外用経皮製剤。
  7. 成分(B)が4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンであり、成分(C)が、アジピン酸ジイソプロピル、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルおよびクロタミトンからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の外用経皮製剤。
  8. 外用経皮製剤の剤型が、パップ剤またはプラスター剤であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の外用経皮製剤。
  9. 成分(C)の配合量が、成分(B)の配合量に対して1/10〜1である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の外用経皮製剤。
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