JP6820587B2 - 水性固形軟膏 - Google Patents

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本発明は、脂肪酸塩の結晶析出を抑制することができ、長期間の保存安定性および低温での保存安定性に優れた水性固形軟膏に関する。さらに詳しくは、本発明は、水性固形軟膏中にショ糖脂肪酸エステルを配合することで、脂肪酸塩の結晶析出を抑制することができ、長期間の保存安定性および低温での保存安定性に優れた水性固形軟膏に関するものである。
固形軟膏は、押し出し式やダイヤル繰り出し式密封容器など適当な容器に充填して用いることで、使用時に手指を汚すことなく患部に塗布することができること、範囲を限定して投与することができること、携帯に便利であることなど多くの利点があり、これまでにさまざまな商品が提案され、上市されている。
固形軟膏は、その原料の違いにより、主に、油性固形軟膏および水性固形軟膏に分類することができる。
油性固形軟膏は、流動パラフィンなどの油性液体成分およびミツロウやパラフィンワックスなどの油性凝固成分を主成分として製造されるため、皮膚に塗布した際にべたつきが生じ、使用感が著しく悪い課題がある。
一方、水性固形軟膏は、低級アルコールなどの揮発性液体成分と脂肪酸塩などの凝固成分を用いて製造される。揮発性成分を配合するため、油性固形軟膏と比較して、皮膚に塗布したの際のべたつきを抑えることができ、また、高い清涼感も得られるため、使用感が極めて良好である。しかしながら、水性固形軟膏は、保存安定性が悪く、長期間の保存や低温での保存により、容易に脂肪酸塩の結晶が析出し、外観の悪化、有効性や安全性に変化が生じる課題があった。
脂肪酸塩の結晶析出を抑制する技術としては、これまでに、特許文献1では多量の多価アルコールを配合する技術、特許文献2では高分子成分と分岐鎖高級脂肪酸を配合する技術、特許文献3ではアルミニウム塩を配合する技術、特許文献4ではイソプロパノールを配合する技術などが開発されている。しかし、いずれの技術も、脂肪酸塩の結晶析出を十分に抑制できるものでは無かった。
したがって、脂肪酸塩の結晶析出を抑制することができ、長期間の保存安定性および低温での保存安定性に優れた水性固形軟膏の開発が望まれていた。
特開昭63−57699号公報 特許第5495409号公報 特開平11−12599号公報 特開2015−027971号公報
本発明の目的は、上記の状況を鑑みてなされたもので、脂肪酸塩の結晶析出を抑制することができ、長期間の保存安定性および低温での保存安定性に優れた水性固形軟膏を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、水性固形軟膏中にショ糖脂肪酸エステルを配合することで、脂肪酸塩の結晶析出を抑制することができ、長期間の保存安定性および低温での保存安定性に優れた水性固形軟膏が得られることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)に示したものである。
(1)ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸塩、低級アルコールおよび有効成分を含むことを特徴とする水性固形軟膏。
(2)ショ糖脂肪酸エステルが、組成中に脂肪酸のモノエステル化体を含むことを特徴とする(1)に記載の水性固形軟膏。
(3)ショ糖脂肪酸エステルの配合量が0.001〜10重量%、脂肪酸塩の配合量が1〜20重量%、低級アルコールの配合量が20〜90重量%および有効成分の配合量が0.1〜30重量%であることを特徴とする(1)または(2)に記載の水性固形軟膏。
(4)有効成分が、消炎鎮痛成分であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の水性固形軟膏。
(5)消炎鎮痛成分が、ジクロフェナク、フルルビプロフェンまたはこれらの塩であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の水性固形軟膏。
以上述べたように、本発明は、脂肪酸塩の結晶析出を抑制することができ、長期間の保存安定性および低温での保存安定性に優れた水性固形軟膏を提供することができる。
以下、本発明の水性固形軟膏を詳細に説明する。なお、本明細書に記載の例示は、本発明を特に限定するものではない。
本発明の「保存安定性」とは、水性固形軟膏を4℃で3箇月間、または25℃で6箇月間保存した際の水性固形軟膏中の脂肪酸塩の結晶析出の状態を意味し、両保存条件にて結晶の析出を認めない場合を「保存安定性が良好である」と判断し、いずれかの保存条件にて結晶の析出を認めた場合を「保存安定性が不良である」と判断した。
本発明に用いる有効成分としては、経皮吸収させることが可能であり、医学的または薬学的に許容できるものであれば、特に限定はないが、例えば、リドカイン、プロカイン、テトラカイン、アミノ安息香酸エチルなどの局所麻酔成分、ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン成分、ケトコナゾール、フルコナゾール、ラノコナゾール、ルリコナゾールなどの抗真菌成分、ロキソプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、フルルビプロフェンおよびこれらの塩などの消炎鎮痛成分などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができるが、好ましくは消炎鎮痛成分であり、より好ましくはジクロフェナク、フルルビプロフェンおよびこれらの塩である。
有効成分の配合量としては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定はないが、0.1〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%である。有効成分の性質、投与量、経皮吸収性、有効血中濃度などを勘案し、適宜、調整して配合することができる。
本発明に用いるショ糖脂肪酸エステルとしては、医学的または薬学的に許容できるものであれば、特に限定はない。
ショ糖に結合する脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられ、単独または2種以上をエステル結合させて用いることができるが、好ましくはラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸であり、より好ましくはステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸である。
ショ糖脂肪酸エステルのエステル化比率としては、モノエステル体を含むものが好ましく、より好ましくはモノエステル化比率が40%以上、さらに好ましくはモノエステル比率が50%以上である。また、結合脂肪酸の種類かつまたはエステル化比率が異なるものを2種類以上混合して用いることもできる。
ショ糖脂肪酸エステルの配合量は、0.001〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜3重量%である。0.001重量%未満では、十分に脂肪酸塩の結晶析出を抑制することができず、10重量%超では、水性固形軟膏中に一部不溶となり、外観が悪くなることから好ましくない。
本発明に用いる脂肪酸塩としては、例えば、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸などの炭素数6〜22の飽和または不飽和脂肪酸の塩が挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができるが、好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸のナトリウム塩またはカリウム塩である。また、ケン化などにより、水性固形軟膏の調製工程中に、脂肪酸塩を反応生成させることもできる。
これらの脂肪酸塩の配合量は、1〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは2〜15重量%、さらに好ましくは3〜10重量%である。
本発明に用いる低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどの炭素数6以下の低級アルコールおよびこれらの変性物などを挙げることができ、単独または2種以上組み合わせて用いることができるが、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの炭素数1〜4の低級アルコールおよびこれらの変性物であり、より好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ゲラニオール変性エタノール、メタノール変性エタノール、八アセチルショ糖変性エタノールである。低級アルコールの配合量は、20〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは30〜85重量%、さらに好ましくは40〜75重量%である。
本発明の水性固形軟膏は、上記必須成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で医薬品を調製するにあたって許容される各種成分、すなわち、多価アルコール成分、pH調整成分、水、高級アルコール成分、界面活性成分、薬物溶解成分、精油成分、保湿成分、酸化防止成分、薬物安定化成分などを適宜配合することができる。
多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
pH調整成分としては、例えば、塩酸、酢酸、酢酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
水としては、例えば、精製水、滅菌水、天然水、常水、注射用水などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
高級アルコール成分としては、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、セタノール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコールなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
界面活性成分としては、例えば、アルキルアリルポリエーテルアルコール、高級アルコール硫酸化物、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ラウロマクロゴール、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム塩、レシチン、水添レシチンなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
薬物溶解成分としては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ヒマシ油、クロタミトン、スクワラン、スクワレン、炭酸プロピレンなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
精油成分としては、例えば、dl−メントール、l−メントール、l−メントン、リモネン、ピネン、ピペリトン、テルピネン、テルピノレン、テルピノール、カルベオール、dl−カンフルなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
保湿成分としては、例えば、尿素、グリセリン、ソルビトール、アセチルグルコサミン、ヒアルロン酸などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
酸化防止成分としては、例えば、酢酸dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロールおよびd−δ−トコフェロールなどのトコフェロール類、ジブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
薬物安定化成分としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、エデト酸ナトリウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の水性固形軟膏の調製に際しては、従来公知の常法または今後新しく提供される方法で調製することができる。その代表的な調製方法としては、有効成分、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸塩、低級アルコールの他、多価アルコール成分、pH調整成分、水、高級アルコール成分、精油成分、界面活性成分、薬物溶解成分、保湿成分、酸化防止成分、薬物安定化成分などを溶解槽に投入し、加熱還流しながら、均一になるまで撹拌する。これを押し出し式やダイヤル繰り出し式などの密閉容器に充填し、室温まで冷却し固化させることにより、調製することができる。
以下に、実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示す配合に基づき、後述する調製法1の方法により調製し、本発明の水性固形軟膏1を得た。得られた水性固形軟膏1を後述する試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められず、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められなかった。結果を表2に示す。
Figure 0006820587
(調製法1)
表1に記載の配合比率で原料を量り取り、溶解槽に投入し、沸点まで加温して均一になるまで還流撹拌した。水性固形軟膏を形成すべき各成分の含有量は、その合計が100重量%となるように、イソプロパノールで適時調整した。その後、これをポリプロピレン製のダイヤル繰り出し式密閉容器に充填し、室温まで冷却して固化させ、ダイヤル繰り出し式密閉容器に充填した本発明の水性固形軟膏を得た。
(試験例1)
結晶析出評価
前述の実施例1の水性固形軟膏、後述する実施例2から6の水性固形軟膏および後述する比較例1から9の固形軟膏を、ダイヤル繰り出し式密閉容器に充填した状態のままポリエチレン/アルミラミネート包材にて包装し、4℃で3箇月間または25℃で6箇月間保存した。次いで、ポリエチレン/アルミラミネート包材および密封容器を開封したのち、固形軟膏部分を繰り出し、結晶析出の有無を確認した。
Figure 0006820587
(実施例2)
実施例1において、ショ糖脂肪酸エステルを0.01重量%から0.10重量%に増やした以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返し、水性固形軟膏2を得た。得られた水性固形軟膏2を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められず、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められなかった。結果を表2に示した。
(実施例3)
実施例1において、ショ糖脂肪酸エステルを0.01重量%から0.50重量%に増やした以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返し、水性固形軟膏3得た。得られた水性固形軟膏3を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められず、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められなかった。結果を表2に示した。
(実施例4)
実施例1において、ショ糖脂肪酸エステルを0.01重量%から1.00重量%に増やした以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返し、水性固形軟膏4得た。得られた水性固形軟膏4を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したとにき認められず、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められなかった。結果を表2に示した。
(実施例5)
実施例1において、ショ糖脂肪酸エステルを0.01重量%から3.00重量%に増やした以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返し、水性固形軟膏5を得た。得られた水性固形軟膏5を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められず、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められなかった。結果を表2に示した。
(実施例6)
実施例4において、ジクロフェナクナトリウムをフルルビプロフェンに変え、pH調整成分として水酸化ナトリウム0.16重量%を加えた以外は実施例4と全く同じ調製法を繰り返し、水性固形軟膏6を得た。得られた水性固形軟膏6を前述の試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められず、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められなかった。結果を表2に示した。
(比較例1)
実施例1において、ショ糖脂肪酸エステルを除いた以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返し、固形軟膏1を得た。得られた固形軟膏1を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められ、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められた。結果を表2に示した。
(比較例2)
実施例4において、ショ糖脂肪酸エステルをクロタミトン(住友化学(株))に変えた以外は、実施例4と全く同じ調製法を繰り返し、固形軟膏2を得た。得られた固形軟膏2を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められ、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められた。結果を表2に示した。
(比較例3)
実施例4において、ショ糖脂肪酸エステルをポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−40、日光ケミカルズ(株))に変えた以外は、実施例4と全く同じ調製法を繰り返し、固形軟膏3を得た。得られた固形軟膏3を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められ、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められた。結果を表2に示した。
(比較例4)
実施例4において、ショ糖脂肪酸エステルをステアリン酸アルミニウム(アルミニウムステアレート600、日油(株))に変えた以外は、実施例4と全く同じ調製法を繰り返し、固形軟膏4を得た。得られた固形軟膏4を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められ、また、25℃で6箇月間保存したときに認められなかった。結果を表2に示した。
(比較例5)
実施例4において、ショ糖脂肪酸エステルをモノカプリル酸プロピレングリコール(sefsol‐218、日光ケミカルズ(株))に変えた以外は、実施例4と全く同じ調製法を繰り返し、固形軟膏5を得た。得られた固形軟膏5を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められ、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められた。結果を表2に示した。
(比較例6)
実施例4において、ショ糖脂肪酸エステル1.00重量%をκ−カラギーナン(東京化成工業(株))0.85重量%およびイソステアリン酸(日産化学工業(株))0.15重量%に変えた以外は、実施例4と全く同じ調製法を繰り返し、固形軟膏6を得た。得られた固形軟膏6は、配合したκ−カラギーナンが溶解せず、外観が著しく悪かった。また、固形軟膏に透明性がないことから結晶析出の評価を行うことができなかった。結果を表2に示す。
(比較例7)
実施例4において、ショ糖脂肪酸エステルをポリビニルピロリドン(K−30W、(株)日本触媒)に変えた以外は、実施例4と全く同じ調製法を繰り返し、固形軟膏7を得た。得られた固形軟膏7を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められ、また、25℃で6箇月間保存したときにも認められた。結果を表2に示した。
(比較例8)
実施例4において、ショ糖脂肪酸エステルをポリオキシエチレンベヘニルエーテル(BB−20、日光ケミカルズ(株))に変えた以外は、実施例4と全く同じ調製法を繰り返し、固形軟膏8を得た。得られた固形軟膏8を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められ、25℃で6箇月間保存したときに認められなかった。結果を表2に示した。
(比較例9)
実施例6において、ショ糖脂肪酸エステルを除いた以外は、実施例6と全く同じ調製法を繰り返し、固形軟膏9を得た。得られた固形軟膏9を試験例1に従って結晶析出評価を行った際の結晶の析出は、4℃で3箇月間保存したときに認められず、25℃で6箇月間保存したときに認められた。結果を表2に示した。
本発明は、脂肪酸塩の結晶析出を抑制することができ、長期間の保存安定性および低温での保存安定性に優れた水性固形軟膏に関するものであって、産業上十分に利用できるものである。

Claims (4)

  1. ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸塩、低級アルコールおよび有効成分を含み、かつ、ショ糖脂肪酸エステルが、組成中に脂肪酸のモノエステル化体を含むことを特徴とする水性固形軟膏。
  2. ショ糖脂肪酸エステルの配合量が0.001〜10重量%、脂肪酸塩の配合量が1〜20重量%、低級アルコールの配合量が20〜90重量%および有効成分の配合量が0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1に記載の水性固形軟膏。
  3. 有効成分が、消炎鎮痛成分であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性固形軟膏。
  4. 消炎鎮痛成分が、ジクロフェナク、フルルビプロフェンまたはこれらの塩であることを特徴とする請求項に記載の水性固形軟膏。
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