JP2018021002A - ロキソプロフェンを含有してなる医薬製剤 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、外用消炎鎮痛剤の有効成分として広く利用されており、これまでに変形性関節症、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛等の疾患並びに症状の消炎・鎮痛等を効能効果とする外用貼付剤(パップ剤、テープ剤等)や外用塗布剤(ゲル剤等)が開発・上市されている(非特許文献2)。
そこで本発明者が、ロキソプロフェンを液状又は半固形状の組成物に安定的に配合する技術を確立するため、ロキソプロフェン又はその塩を含有する液状又は半固形状の組成物を調製し保存安定性を評価したところ、意外にも、高温条件下での保存により経時的に変色が生じ得ることが判明した。
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)トコフェロール類;
を含有する液状又は半固形状の組成物が、ポリオレフィン系樹脂製容器に収容されてなる、医薬製剤を提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)トコフェロール類;
を含有する液状又は半固形状の組成物を、ポリオレフィン系樹脂製容器に収容する工程を含む、組成物の変色の抑制方法を提供するものである。
<成分(A)>
本発明において、「ロキソプロフェン又はその塩」には、ロキソプロフェンそのもののほか、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩、さらにはロキソプロフェンやその薬学上許容される塩と水やアルコール等との溶媒和物も含まれる。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明において、ロキソプロフェン又はその塩としては、ロキソプロフェンナトリウム水和物(化学名: Monosodium 2-[4-[(2-oxocyclopentyl)methyl]phenyl]propanoate dihydrate)が好ましい。
本発明において、「トコフェロール類」とは、トコフェロール、トコトリエノール及びそれらの誘導体(例えば、酢酸エステル、コハク酸エステル、ニコチン酸エステル等のエステル化誘導体など)並びにそれらの塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩など)から選ばれる1種又は2種以上を意味する。ここで、トコフェロールとしては、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールのいずれであってもよいが、α−トコフェロールが好ましい。また、トコトリエノールとしては、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールのいずれであってもよいが、α−トコトリエノールが好ましい。本発明においては、変色抑制作用の観点から、α−トコフェロール、その酢酸エステル、そのコハク酸エステル及びそのニコチン酸エステル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。なお、トコフェロールやトコトリエノールには光学異性体が存在し得るが、本発明においては、特に指定しない限りいずれの異性体も含まれる。すなわち、本発明において、トコフェロール類の成分名として特定の光学異性体を指定しない限り、斯かる成分表記は各種光学異性体単独及びそれらの任意の割合の混合物の全てを包含し、単一の光学異性体であってもよく各種光学異性体の任意の割合の混合物であってもよい(例えば、「α−トコフェロールの酢酸エステル」との記載は、dl−α−トコフェロールの酢酸エステル、d−α−トコフェロールの酢酸エステルのいずれをも包含するものである。)。また、本発明のトコフェロール類としては、第十六改正日本薬局方に収載の「トコフェロール」、「トコフェロールコハク酸エステルカルシウム」、「トコフェロール酢酸エステル」、「トコフェロールニコチン酸エステル」などを好適に用いることができる。
本発明において、「液状又は半固形状の組成物」とは、常温(15〜25℃の範囲内のうちいずれかの温度)において液状あるいは半固形状の組成物を意味する。
本発明において組成物の性状は特に限定されず、溶液、コロイド溶液(ゾル(懸濁液や乳濁液))、ゲル等のいずれであってもよい。また、溶媒あるいは基剤の種類・性質等は特に限定されず、親水性であっても油性等の疎水性であってもよく、さらには異なる複数種の溶媒・基剤を適宜混合・乳化等して用いてもよい。こうした溶媒・基剤としては、具体的には例えば、後記の添加物として例示された成分等が挙げられる。
抗炎症成分としては、例えば、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩類(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等)、グリチルレチン酸、セアプローゼ、セミアルカリプロティナーゼ、セラペプターゼ、プロクターゼ、プロナーゼ、ブロメライン等が挙げられる。
気管支拡張剤としては、例えば、トリメトキノール塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等(例えば、チアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩、セトチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、チアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステル、リン酸リボフラビンナトリウム、パンテノール、パンテチン、パントテン酸ナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸エステル、シアノコバラミン、メコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、ヘスペリジン等)が挙げられる。
制酸剤としては、例えば、アミノ酢酸、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、烏賊骨、石決明、ボレイ等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、マクロゴール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、スクワラン、パラフィン、流動パラフィン、軽質流動パラフィン、ワセリン等の炭化水素類;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル類;べへニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類;ベヘニン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;カルナウバロウ、鯨ロウ、セラック、ホホバ油、ミツロウ、サラシミツロウ、モンタンロウ、ラノリン、精製ラノリン、還元ラノリン等のロウ類;シリコーン油等が挙げられる。
可溶化剤としては、例えば、上記の乳化剤として例示した非イオン性界面活性剤又はイオン性界面活性剤に加え、流動パラフィン、クロタミトン等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、塩酸システイン、クエン酸、大豆レシチン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
軟化剤としては、例えば、アラントイン、アーモンド油、オリブ油、グリセリン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、精製ラノリン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ナタネ油、ヒマシ油、プロピレングリコール、ポリブテン等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、コロイド性ケイ酸アルミニウム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、グァーガム、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸、アルブミン等が挙げられる。
保湿剤としては、ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、尿素、ショ糖、エリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル、安息香酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ベンジル、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、アミノエチルスルホン酸等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、アジピン酸、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、硬化油、システイン等が挙げられる。
経皮吸収促進剤としては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル等の脂肪酸エステル類が挙げられる。
矯味剤・甘味剤としては、例えば、アセスルファムカリウム、ステビア、ソーマチン、スクラロース、パノース、トレハロース、エリスリトール、ラクチトール、還元パラチノース、カップリングシュガー、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、ラフィノース、アスパルテーム、果糖、キシリトール、黒砂糖、サッカリン若しくはその塩、ソルビトール、乳糖、白糖、ハチミツ、ブドウ糖、マルチトール、マルトース、マンニトール、水アメ等が挙げられる。
本発明において、「容器」とは、液状又は半固形状の組成物を直接的に収容する包装体を意味する。容器の形状は、液状又は半固形状の組成物を収容可能であることを限度として特に限定されず、組成物の性状、医薬製剤の剤形、投与経路や用途等に応じて適宜検討して決定すればよい。
このような容器の形状としては、例えば、エアゾール剤用容器、ポンプスプレー剤用容器、ボトル容器(より詳細には例えば、スポンジ状の塗布部材(ヘッド)を備えるボトル容器、ロールオン容器やジャーボトル容器など)、チューブ容器、点眼容器等が挙げられる。なお、これらの容器はいずれも公知であり、公知の方法により製造すればよく、また、市販品を用いてもよい。
(1) スポンジ状の塗布部材を備えるボトル容器のように、容器本体と塗布部材とを備え、前記容器本体に収容された組成物を前記塗布部材に含浸させて使用する容器;
(2) チューブ容器のように、柔軟性を有する容器本体と、吐出口とを備えてなる容器;
が好ましく、(1)の態様の容器が特に好ましい。
斯かる態様の容器の場合、容器本体に収容された組成物を塗布部材に含浸・保持させて、前記塗布部材を被塗布部に接触させることにより、組成物を塗布することができる。この場合において、容器本体と塗布部材は、それぞれ独立の部材として作製してから容器本体に塗布部材を装着してもよく、一体的に成型してもよい。
なお、塗布部材としては、液状又は半固形状の組成物を含浸・保持可能な構成であればよく、例えばスポンジ状のような多孔質の部材や刷毛状の部材等が挙げられる。
より詳細な具体例としては例えば、口部を有する容器本体と、前記口部に装着された、多孔質(スポンジ状など)の塗布部材とを備えてなる容器等が挙げられる。この場合、容器本体に収容された組成物を、孔径・空隙率等が適宜調整された多孔質の塗布部材に含浸・保持させた後、当該塗布部材を被塗布部に接触させることによって、組成物を被塗布部に塗布することができる。
また、別の具体例としては例えば、口部を有する容器本体と、前記口部に装着された、刷毛状の塗布部材とを備えてなる容器等が挙げられる。この場合、容器本体に収容された組成物を、毛の長さ・間隔等が適宜調整された刷毛に含浸・保持させた後、当該塗布部材を被塗布部に接触させることによって、組成物を被塗布部に塗布することができる。
なお、斯かる容器は、収容する組成物が、例えば液状の組成物や低粘性の半固形状の組成物である場合に特に好適に採用できる。
斯かる態様の容器の場合、柔軟性を有する容器本体を押圧すること等により容器内部に圧を加え、容器内部に収容された組成物を吐出口から吐出させることによって、組成物を被塗布部に塗布することができる。なお、斯かる態様の容器において吐出口は容器に予め設けられていなくともよく、使用開始前に容器に穿孔等して吐出口を設ける構成としてもよく、斯かる態様の容器も「柔軟性を有する容器本体と、吐出口とを備えてなる容器」に包含される。
なお、斯かる態様の容器は、収容する組成物が、例えば粘性の高い半固形状の組成物である場合に特に好適に採用できる。
このようなポリオレフィン系樹脂としては、具体的には例えば、ポリエチレン(より詳細には例えば、低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレンを含む)、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリ(4−メチルペンテン)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体等が挙げられ、本発明においては、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明において、ポリオレフィン系樹脂としては、変色抑制作用の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンが特に好ましい。
なお、本発明において、「ポリオレフィン系樹脂製」とは、その材質の少なくとも一部にポリオレフィン系樹脂を含んでいることを意味し、例えば、ポリオレフィン系樹脂と他の樹脂との2種以上の樹脂の混合体(ポリマーアロイ)も「ポリオレフィン系樹脂製」に含まれる。
このような、複数種の素材を積層等させてなる容器としては、具体的には例えば、ポリオレフィン系樹脂で構成された層を最内層とし、その外側に直接あるいは他の層を介してアルミニウム箔を積層し、さらにその外側に必要に応じて任意に他の層を積層してなるラミネートフィルム製の容器等が挙げられる。
本発明において、「医薬製剤」の投与方法・適用方法は特に限定されず、経口及び経皮、経膣等の非経口が挙げられる。本発明においては、液状又は半固形状の組成物の特性(患部の位置、形状や範囲に応じて柔軟に必要な量だけ塗布等することが可能である点)から、非経口が好ましく、経皮投与が特に好ましい。
本発明において医薬製剤としては、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形であるのが好ましく、リニメント剤、ローション剤、外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形であるのがより好ましく、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形であるのが特に好ましい。
本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)トコフェロール類;
を含有する液状又は半固形状の組成物を、ポリオレフィン系樹脂製容器に収容する工程を含む、組成物の変色の抑制方法にも関する。
斯かる態様の発明において、成分(A)を配合する工程、成分(B)を配合する工程、及び組成物をポリオレフィン系樹脂製容器に収容する工程の順序は特に限定されず、成分(A)及び(B)を含有する液状又は半固形状の組成物がポリオレフィン系樹脂製容器に収容された状態が直接的又は間接的に作出されればよい。
なお、斯かる態様の発明において、各種文言の意義、各成分の配合量等は全て「医薬製剤」について説明したのと同様である。
[1] 次の成分(A)及び(B):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)トコフェロール類;
を含有する液状又は半固形状の組成物が、ポリオレフィン系樹脂製容器に収容されてなる、医薬製剤。
[2] 成分(A)が、ロキソプロフェンナトリウム水和物である、[1]に記載の医薬製剤。
[3] 成分(B)が、トコフェロール、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロール酢酸エステル及びトコフェロールニコチン酸エステル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、[1]又は[2]に記載の医薬製剤。
[4] 成分(B)が、dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、dl−α−トコフェロール酢酸エステル及びdl−α−トコフェロールニコチン酸エステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬製剤。
[5] 成分(B)が、dl−α−トコフェロール酢酸エステルである、[1]〜[4]のいずれかに記載の医薬製剤。
[7] 組成物が、更に低級アルコールを含有するものである、[1]〜[6]のいずれかに記載の医薬製剤。
[8] 低級アルコールが、エタノール及びイソプロパノールよりなる群から選ばれる1種以上である、[7]に記載の医薬製剤。
[9] ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン及びポリプロピレンよりなる群から選ばれる1種以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の医薬製剤。
[10] 容器が、エアゾール剤用容器、ポンプスプレー剤用容器、ボトル容器、チューブ容器又は点眼容器である、[1]〜[9]のいずれかに記載の医薬製剤。
[11] 容器が、以下の(1)又は(2):
(1) 容器本体と塗布部材とを備え、前記容器本体に収容された組成物を前記塗布部材に含浸させて使用する容器;
(2) 柔軟性を有する容器本体と、吐出口とを備えてなる容器;
である、[1]〜[9]のいずれかに記載の医薬製剤。
[12] 容器が、スポンジ状の塗布部材を備えるボトル容器、又はチューブ容器である、[1]〜[9]のいずれかに記載の医薬製剤。
[13] 外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、経口液剤、シロップ剤及び経口ゼリー剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1]〜[12]のいずれかに記載の医薬製剤。
[14] 外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1]〜[12]のいずれかに記載の医薬製剤。
[15] リニメント剤、ローション剤、外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1]〜[12]のいずれかに記載の医薬製剤。
[16] ローション剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1]〜[12]のいずれかに記載の医薬製剤。
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)トコフェロール類;
を含有する液状又は半固形状の組成物を、ポリオレフィン系樹脂製容器に収容する工程を含む、組成物の変色の抑制方法。
[18] 成分(A)が、ロキソプロフェンナトリウム水和物である、[17]に記載の方法。
[19] 成分(B)が、トコフェロール、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロール酢酸エステル及びトコフェロールニコチン酸エステル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、[17]又は[18]に記載の方法。
[20] 成分(B)が、dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、dl−α−トコフェロール酢酸エステル及びdl−α−トコフェロールニコチン酸エステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、[17]〜[19]のいずれかに記載の方法。
[21] 成分(B)が、dl−α−トコフェロール酢酸エステルである、[17]〜[20]のいずれかに記載の方法。
[23] 組成物が、更に低級アルコールを含有するものである、[17]〜[22]のいずれかに記載の方法。
[24] 低級アルコールが、エタノール及びイソプロパノールよりなる群から選ばれる1種以上である、[23]に記載の方法。
[25] ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン及びポリプロピレンよりなる群から選ばれる1種以上である、[17]〜[24]のいずれかに記載の方法。
[26] 容器が、エアゾール剤用容器、ポンプスプレー剤用容器、ボトル容器、チューブ容器又は点眼容器である、[17]〜[25]のいずれかに記載の方法。
[27] 容器が、以下の(1)又は(2):
(1) 容器本体と塗布部材とを備え、前記容器本体に収容された組成物を前記塗布部材に含浸させて使用する容器;
(2) 柔軟性を有する容器本体と、吐出口とを備えてなる容器;
である、[17]〜[25]のいずれかに記載の方法。
[28] 容器が、スポンジ状の塗布部材を備えるボトル容器、又はチューブ容器である、[17]〜[25]のいずれかに記載の方法。
表1に示す成分及び分量を含有する液状の組成物を調製し、ポリエチレン製又はガラス製の容器に収容して、それぞれ実施例1、比較例1、2の医薬製剤とした。
得られた各種の医薬製剤を、80℃の暗所に1週間保存し、3日間保存後及び1週間保存後の変色(黄変)の有無を目視により評価した。なお、結果は、変色が生じなかったものを○、変色が生じたものを×として評価した。
結果を表1に示す。
一方、実施例1(dl−α−トコフェロール酢酸エステル配合、ポリエチレン製容器収容)と比較例1(dl−α−トコフェロール酢酸エステル非配合、ポリエチレン製容器収容)との対比より、組成物にさらにdl−α−トコフェロール酢酸エステルを配合したうえでポリエチレン製の容器に収容することによって、1週間保存後の変色も抑制され、十分な変色抑制作用が発揮されることが確認された。
表2に示す成分及び分量を含有する液状の組成物を調製し、ポリエチレン製又はガラス製の容器に収容して、それぞれ実施例2、比較例3、4又は参考例1の医薬製剤とし、試験例1と同様の方法により80℃の暗所に2週間保存した後の変色の有無を評価した。
結果を表2に示す。
そして、実施例2と比較例3(ガラス製容器収容)、比較例4(dl−α−トコフェロール酢酸エステル非配合)との対比より、液状の組成物にさらにdl−α−トコフェロール酢酸エステルを配合し、かつ、ポリエチレン製の容器に収容することにより、斯かる変色を抑制できることが確認された。
表3に示す成分及び分量を含有する液状の組成物を調製し、ポリプロピレン製の容器に収容して実施例3の医薬製剤とし、試験例1と同様の方法により80℃の暗所に2週間保存した後の変色の有無を評価した。
結果を表3に示す。
実施例1の医薬製剤に収容されているものと同一の液状の組成物を調製し、これを、容器において塗布部材として用いられる、低密度ポリエチレン製の連通多孔質体(MAPS:(株)イノアックコーポレーション)に含浸させた後、80℃の暗所に1週間保存したが、明らかな変色は認められなかった。
常法により、下記表4に記載の成分及び分量(g)を100g中に含有する液状の組成物(処方例1〜8)を製造し、ポリプロピレン製の容器本体の口部にスポンジ状のポリウレタン製塗布部材を装着したボトル容器に収容し、それぞれ製造例1−1〜1−8の医薬製剤(ローション剤)とした。
常法により、上記表4に記載の成分及び分量(g)を100g中に含有する液状の組成物(処方例1〜8)を製造し、ポリエチレン製の容器本体の口部にスポンジ状の低密度ポリエチレン製塗布部材(MAPS:(株)イノアックコーポレーション)を装着したボトル容器に収容し、それぞれ製造例2−1〜2−8の医薬製剤(ローション剤)とした。
常法により、下記表5に記載の成分及び分量(g)を100g中に含有する液状の組成物(処方例9〜16)を製造し、ポリプロピレン製の容器本体の口部にスポンジ状のポリウレタン製塗布部材を装着したボトル容器に収容し、それぞれ製造例3−1〜3−8の医薬製剤(ローション剤)とした。
常法により、上記表5に記載の成分及び分量(g)を100g中に含有する液状の組成物(処方例9〜16)を製造し、ポリエチレン製の容器本体の口部にスポンジ状の低密度ポリエチレン製塗布部材(MAPS:(株)イノアックコーポレーション)を装着したボトル容器に収容し、それぞれ製造例4−1〜4−8の医薬製剤(ローション剤)とした。
常法により、下記表6に記載の成分及び分量(g)を100g中に含有する半固形状の組成物(処方例17〜24)を製造し、低密度ポリエチレン製のフィルムを最内層としてその外側(中間層)にアルミニウム箔、さらにその外側に低密度ポリエチレン製のフィルムを積層したラミネートフィルム製のチューブ容器(ラミネートチューブ)に収容し、それぞれ製造例5−1〜5−8の医薬製剤(ゲル剤)とした。
常法により、下記表7に記載の成分及び分量(g)を100g中に含有する半固形状の組成物(処方例25〜32)を製造し、高密度ポリエチレン製のフィルムを最内層としてその外側(中間層)にポリエチレンテレフタレート製のフィルム、さらにその外側に高密度ポリエチレン製のフィルムを積層したラミネートフィルム製のチューブ容器(ラミネートチューブ)に収容し、それぞれ製造例6−1〜6−8の医薬製剤(軟膏剤)とした。
常法により、下記表8に記載の成分及び分量(g)を100g中に含有する半固形状の組成物(処方例33〜40)を製造し、低密度ポリエチレン製のフィルムを最内層としてその外側(中間層)にナイロン製のフィルム、さらにその外側に低密度ポリエチレン製のフィルムを積層したラミネートフィルム製のチューブ容器(ラミネートチューブ)に収容し、それぞれ製造例7−1〜7−8の医薬製剤(クリーム剤)とした。
常法により、下記表9に記載の成分及び分量(mg)を30mL中に含有する液状の組成物(処方例41〜48)を製造し、ポリプロピレン製のボトル容器に収容し、それぞれ製造例8−1〜8−8の医薬製剤(経口液剤)とした。
Claims (8)
- 次の成分(A)及び(B):
(A)ロキソプロフェン又はその塩;
(B)トコフェロール類;
を含有する液状又は半固形状の組成物が、ポリオレフィン系樹脂製容器に収容されてなる、医薬製剤。 - 成分(B)が、トコフェロール、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロール酢酸エステル及びトコフェロールニコチン酸エステル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1に記載の医薬製剤。
- 成分(B)が、dl−α−トコフェロール酢酸エステルである、請求項1又は2に記載の医薬製剤。
- ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン及びポリプロピレンよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- 容器が、エアゾール剤用容器、ポンプスプレー剤用容器、ボトル容器、チューブ容器又は点眼容器である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- 容器が、以下の(1)又は(2):
(1) 容器本体と塗布部材とを備え、前記容器本体に収容された組成物を前記塗布部材に含浸させて使用する容器;
(2) 柔軟性を有する容器本体と、吐出口とを備えてなる容器;
である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬製剤。 - 容器が、スポンジ状の塗布部材を備えるボトル容器、又はチューブ容器である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬製剤。
- 外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、経口液剤、シロップ剤及び経口ゼリー剤よりなる群から選ばれる剤形である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬製剤。
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