JP7253328B2 - 外用医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性が向上された外用医薬組成物に関する。
ロキソプロフェンナトリウムに代表されるロキソプロフェン類(ロキソプロフェン及び/又はその塩)は、優れた鎮痛・消炎作用を有する薬剤として知られており、外用医薬組成物としても使用されている。ロキソプロフェン類を水系基剤中に含む外用医薬組成物は、水系基剤からの放出性が低いために経皮浸透性に問題がある。このような問題を解決するための方法として、特許文献1には、基剤成分としてゴム系エラストマーを含ませる技術が記載されている。
特開2012-149061号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、実質的に水を含まない構成を必須とするものであり、その製剤形態は、支持体、軟膏層及び剥離ライナーからなる貼付剤に特化しているために、液剤やゲル剤等の塗布用の製剤形態には対応することができない。液剤やゲル剤等の塗布用の製剤形態とするには水系基剤が不可避であり、そうすると、ロキソプロフェン類の放出性は低下することとなる。つまり、ロキソプロフェン類を含む外用医薬組成物において、水系基剤を含むことと、ロキソプロフェン類の経皮浸透性を向上させることとは依然として両立しない課題があった。
そこで本発明は、水を含みながらも、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性に優れた外用医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討の結果、ロキソプロフェン及び/又はその塩を水中に含む外用医薬組成物において、液状油を共存させることによって、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性が向上することを見出した。本発明は、この知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、(B)トコフェロール酢酸エステル、(C)液状油、及び(D)水を含む、外用医薬組成物。
項2. 前記(C)成分がエステル油である、項1に記載の外用医薬組成物。
項3. 前記(C)成分が、ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサノイン、アジピン酸ジイソプロピルからなる群より選択される、項1又は2に記載の外用医薬組成物。
項4. 一価低級アルコールをさらに含む、項1~3のいずれか一項に記載の外用医薬組成物。
項5. 前記(C)成分が、0.1~20重量%含まれる、項1~4のいずれかに記載の外用組成物。
項6. 前記(C)成分が、前記(A)成分1重量部当たり0.1~20重量部含まれる、項1~5のいずれかに記載の外用組成物。
項7. 外用医薬組成物中で、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)トコフェロール酢酸エステルと、(D)水とともに、(C)液状油を共存させる、外用医薬組成物においてロキソプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩の経皮浸透性を向上する方法。
本発明によれば、水を含みながらも、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性に優れた外用医薬組成物が提供される。
1.外用医薬組成物
本発明の外用医薬組成物は、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩(以下、「(A)成分」と表記することもある)、(B)トコフェロール酢酸エステル(以下、「(B)成分」と表記することもある)、(C)液状油(以下、「(C)成分」と表記することもある)、及び(D)水(以下、「(D)成分」と表記することもある)を含有することを特徴とする。以下、本発明の外用医薬組成物について詳述する。
(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩
本発明の外用医薬組成物は、(A)成分としてロキソプロフェン及び/又はその塩を含有する。ロキソプロフェン及び/又はその塩は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の一種として公知の成分である。ロキソプロフェンは、2-[パラ-(2-オキソシクロペンチルメチル)フェニル]プロピオン酸である。ロキソプロフェンの塩としては、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩であれば特に制限されず、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ロキソプロフェンの塩は、水和物であってもよい。
本発明の外用医薬組成物において、(A)成分として、ロキソプロフェン及び/又はその塩の中から1種を選択して単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。(A)成分の中でも、好ましくはロキソプロフェンの塩、より好ましくはロキソプロフェンナトリウム、さらに好ましくはロキソプロフェンナトリウム水和物が挙げられる。
本発明の外用医薬組成物における(A)成分の含有量は、外用医薬組成物に備えさせるべき薬効等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1~10重量%、好ましくは0.5~3重量%が挙げられる。また、水系基剤中にロキソプロフェン及び/又はその塩を含む外用医薬組成物は本来ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性が低いが、本発明の外用医薬組成物ではロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性が向上しているため、外用医薬組成物中のロキソプロフェン及び/又はその塩の含有量が従来と同様の量であっても、また、比較的低含有量であっても、効果的にロキソプロフェン及び/又はその塩を経皮浸透させることができる。
(B)トコフェロール酢酸エステル
本発明の外用医薬組成物は、(B)成分としてトコフェロール酢酸エステルを含有する。トコフェロール酢酸エステルは、血行促進成分として公知の成分であり、具体的には酢酸d-α-トコフェロール、酢酸l-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロールが挙げられる。
本発明の外用医薬組成物における(B)成分の含有量は、外用医薬組成物に備えさせるべき薬効等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.01~1重量%、好ましくは0.03~0.5重量%、更に好ましくは0.05~0.3重量%が挙げられる。
(C)液状油
本発明の外用医薬組成物は、(C)成分として液状油を含有する。水系基剤中にロキソプロフェン及び/又はその塩を含む外用医薬組成物は本来ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性が低いが、本発明の外用医薬組成物では(C)成分を共存させることによって、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性を向上させることができる。
液状油とは、25℃において液状の形態を保つ油である。本発明で使用される液状油としては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、例えば、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ホホバ油等の植物油;オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸;エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリエチルヘキサノイン(トリ2-エチルへキサン酸グリセリル)、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジパラメトキシケイヒ酸-モノエチルへキサン酸グリセリル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコン油;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン等の液状炭化水素油等が挙げられる。
これらの液状油の中でも、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性をより良好に向上させる観点から、好ましくはエステル油が挙げられ、より好ましくは、トリエチルヘキサノイン、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルが挙げられ、特に好ましくは、トリエチルヘキサノイン、ミリスチン酸イソプロピルが挙げられる。
これらの液状油は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の外用医薬組成物における(C)成分の含有量については、使用する(A)成分の種類や含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1~20重量%が挙げられる。ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性をより良好に向上させる観点から、本発明の外用医薬組成物における(C)成分の含有量としては、好ましくは0.5~15重量%、更に好ましくは1~10重量%が挙げられる。
また、本発明の医薬組成物において、(A)成分と(C)成分との比率については、前述する各含有量に応じて定まるが、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性をより良好に向上させる観点から、(A)成分1重量部当たり(C)成分の含有量が0.1~20重量部、好ましくは1~15重量部、より好ましくは2~10重量部、特に好ましくは3.5~7重量部が挙げられる。
(D)水
本発明の外用医薬組成物は、(D)成分として水を含有する。水としては特に制限されず、精製水、蒸留水、イオン交換水、超純水、滅菌水などが挙げられ、好ましくは精製水が挙げられる。本発明の外用医薬組成物における(D)成分の含有量については、製剤形態に応じて適宜設定すればよいが、例えば5~50重量%が挙げられる。水系基剤中にロキソプロフェン及び/又はその塩を含む外用医薬組成物は本来ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性が低いが、本発明の外用医薬組成物ではロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性が向上しているため、このように水を比較的多く含む場合であっても、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性を効果的に向上させることができる。このような本発明の効果を鑑みれば、本発明の外用医薬組成物における(D)成分の含有量として、好ましくは10~40重量%、より好ましくは15~30重量%が挙げられる。
(E)一価低級アルコール
本発明の外用医薬組成物は、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性をより向上させるために、(E)成分として一価低級アルコールをさらに含んでよい。
一価低級アルコールとしては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、ペンタノール等の炭素数1~5の一価アルコールが挙げられる。これらの一価低級アルコールは1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの一価低級アルコールの中でも、好ましくはエタノール、イソプロパノールが挙げられ、特に好ましくはエタノールが挙げられる。
本発明の外用医薬組成物において、一価低級アルコールを含有させる場合、その含有量については、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性を向上させる観点から、好ましくは40~90重量%、より好ましくは60~90重量%が挙げられる。
メントール
本発明の外用医薬組成物は、必要に応じて、メントールが含まれていてもよい。メントールを含有させることにより、適用した皮膚に清涼感を付与し、使用感を良好にすることも可能になる。
メントールは、d体、l体、dl体のいずれであってもよいが、好ましくはl体が挙げられる。
また、本発明の外用医薬組成物は、メントールを含有させるために、メントールを含む精油を使用してもよい。メントールを含む精油は、公知のものから適宜選択して使用することができるが、例えば、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油等が挙げられる。
本発明の外用医薬組成物におけるメントールの含有量については、特に制限されないが、例えば0.1~20重量%、好ましくは1~10重量%が挙げられる。
カプサイシノイド
本発明の外用医薬組成物は、消炎鎮痛作用を高めるため、及び/又は血行促進のために、カプサイシノイドが含まれていてもよい。カプサイシノイドとは、N-アシルワニリルアミドであり、血行促進剤として公知の化合物である。カプサイシノイドにおけるアシル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。また、カプサイシノイドにおけるアシル基の炭素数については、特に制限されないが、例えば5~15、好ましくは6~11が挙げられる。
カプサイシノイドとして、具体的には、ノナン酸バニリルアミド;カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン等のカプサイシン類等が挙げられる。これらのカプサイシノイドは、1種を単独で使用してもよく、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのカプサイシノイドの中でも、好ましくはノナン酸バニリルアミドが挙げられる。
本発明の外用医薬組成物におけるカプサイシノイドの含有量については、特に制限されないが、例えば0.002~0.2重量%、好ましくは0.003~0.05重量%が挙げられる。
ニコチン酸のエステル誘導体
本発明の外用医薬組成物は、消炎鎮痛作用を高めるため、及び/又は血行促進のために、ニコチン酸のエステル誘導体が含まれていてもよい。ニコチン酸のエステル誘導体としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、ニコチン酸メチルエステル等が挙げられる。これらのニコチン酸のエステル誘導体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのニコチン酸のエステル誘導体の中でも、好ましくはニコチン酸ベンジルエステルが挙げられる。
本発明の外用医薬組成物におけるニコチン酸のエステル誘導体の含有量については、特に制限されないが、例えば0.002~0.2重量%、好ましくは0.003~0.05重量%、更に好ましくは0.008~0.015重量%が挙げられる。
その他の成分
本発明の外用医薬組成物には、本発明の効果を妨げない限り、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含んでいてもよい。本発明の外用医薬組成物に配合可能な他の薬理成分については、特に制限されないが、例えば、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルリチン酸ステアリル等の抗炎症剤;ジフェニルイミダゾール、ジフェンヒドラミン及びその薬学的に許容される塩、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;リドカイン及びその薬学的に許容される塩、ジブカイン及びその薬学的に許容される塩、アミノ安息香酸エチル等の局所麻酔剤;アルニカチンキ、オウバクエキス、サンシシエキス、セイヨウトチノキエキス、ロートエキス、ベラドンナエキス、トウキエキス、シコンエキス、サンショウエキス等の生薬等が挙げられる。
更に、本発明の外用医薬組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、外用医薬組成物に通常使用される他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、pH調節剤、界面活性剤、乳化剤、可溶化剤、防腐剤、保存剤、酸化防止剤、安定化剤、キレート剤、増粘剤、香料、着色料等が挙げられる。本発明の外用医薬組成物に配合可能な増粘剤については、特に制限されないが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ヒアルロン酸、キサンタンガム等が挙げられる。
製剤形態
本発明の外用医薬組成物の製剤形態については、経皮適用可能であることを限度として特に制限されず、例えば、液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、フォーム剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液剤又はゲル剤が挙げられる。これらの製剤形態への調製は、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に従って、製剤形態に応じた添加剤を用いて製剤化することにより行うことができる。
使用態様
本発明の外用医薬組成物は、消炎鎮痛が求められる局所(皮膚)に外用投与することにより使用される。本発明の外用医薬組成物は、外用消炎鎮痛剤として、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、腰痛、筋肉痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘等)、打撲痛、ねんざ痛、骨折痛、神経痛、変形性関節症、関節炎等に対する治療目的で使用することができる。
2.ロキソプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩の経皮浸透性を向上する方法
本発明は、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)トコフェロール酢酸エステルと、(D)水とを含む外用医薬組成物の、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮浸透性を向上する方法を提供する。具体的には、本発明のロキソプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩の経皮浸透性を向上する方法は、外用医薬組成物中で、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)トコフェロール酢酸エステルと、(D)水とともに、(C)液状油を共存させる。本発明のロキソプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩の経皮浸透性を向上する方法において、使用される成分の種類や配合量、外用医薬組成物の製剤形態等については、前記「1.外用医薬組成物」の欄に記載の通りである。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1
[外用医薬組成物の調製]
表1に示す組成の外用医薬組成物を調製した。具体的には、以下の手順で調製した。まず、エタノールにロキソプロフェンNa(ロキソプロフェンナトリウム水和物)を混合し、均一になるまで撹拌した。得られた溶液に、トコフェロール酢酸エステル(酢酸dl-α-トコフェロール)と、ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサノイン、又はアジピン酸ジイソプロピルを混合し、均一になるまで攪拌し、さらに、ニコチン酸ベンジルエステル、ノナンバニリルアミド、又はl-メントールとを混合し、均一になるまで撹拌した。最後に、合計量が100gとなるように精製水を添加し、均一になるまで撹拌した。なお、表1において各成分の量を示す数値の単位は、重量%である。
[経皮浸透性の評価]
調製した外用医薬組成物を、以下のフランツセル試験に供した。
縦型フランツセル(型式TP-8S、VIDREX社製)をスターラーの上に固定し、ウォーターバスにつないで32℃程度に保った。ヘアレスマウスから摘出した皮膚(直径約1.5cm、面積約1.77cm2)をフランツセルに角層が上になるように置いた。その上からフランツセルの蓋を止め、金具で固定した。次いで、空気が入らないように、レセプターセルにリン酸緩衝液(PBS)を9.6ml充填した。調製した外用医薬組成物56μlをドナーである上記皮膚の角質層側に塗布した。1時間後、レセプター液を300μl採取し、採取したレセプター液中のロキソプロフェンナトリウムをHPLCで定量分析した。ロキソプロフェンナトリウムの定量値から、以下の式に基づいて、ロキソプロフェンナトリウムの経皮透過率(%)を求めた。なお、レセプターセル中の累積透過ロキソプロフェン重量とは、採取したレセプター液300μl中のロキソプロフェンナトリウムの定量値を、充填量9.6ml当たりに換算した量である。
Figure 0007253328000001
ロキソプロフェンナトリウムの透過率(%)に応じて、経皮浸透性の程度を以下の基準で評価した。
◎10%以上
○1%以上10%未満
×1%未満
得られた結果を表1に示す。表1から明らかなように、水、ロキソプロフェンナトリウム及びトコフェロール酢酸エステルに加えて液状油を含む場合(実施例1~9)には、液状油を含まない場合(比較例1)に比べて、ロキソプロフェンナトリウムの経皮浸透量が飛躍的に増加していた。
Figure 0007253328000002

Claims (6)

  1. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、(B)トコフェロール酢酸エステル、(C)トリエチルヘキサノイン、及び(D)水を含み、
    前記(C)成分が、前記(A)成分1重量部当たり3.5~20重量部含まれる、外用医薬組成物。
  2. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、(B)トコフェロール酢酸エステル、(C)ミリスチン酸イソプロピル、及び(D)水を含み
    前記(C)成分が、前記(A)成分1重量部当たり3.5~20重量部含まれ、且つ、
    ローション剤又はゲル剤である、外用医薬組成物。
  3. (E)一価低級アルコールをさらに含む、請求項1又は2に記載の外用医薬組成物。
  4. 前記(C)成分が、0.1~20重量%含まれる、請求項1~3のいずれか一項に記載の外用組成物。
  5. 外用医薬組成物中で、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)トコフェロール酢酸エステルと、(D)水とともに、(C)トリエチルヘキサノインを、前記(A)成分1重量部当たり3.5~20重量部となるように共存させる、外用医薬組成物においてロキソプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩の経皮浸透性を向上する方法。
  6. ローション剤又はゲル剤である外用医薬組成物中で、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)トコフェロール酢酸エステルと、(D)水とともに、(C)ミリスチン酸イソプロピルを、前記(A)成分1重量部当たり3.5~20重量部となるように共存させる、外用医薬組成物においてロキソプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩の経皮浸透性を向上する方法。

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