JP2019142856A - ロキソプロフェン配合皮膚用外用剤 - Google Patents

ロキソプロフェン配合皮膚用外用剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ロキソプロフェンに特定の有効成分を含有させることによって、これまでのロキソプロフェン外用剤やその製剤技術に比べ、経皮吸収性を顕著に向上させた外用剤を提供すること。【解決手段】下記(a)から(e)の成分を含有する皮膚外用剤。(a)ロキソプロフェン(b)l−メントール(c)エタノール(d)ノナン酸バニリルアミド、グリチルレチン酸、ニコチン酸ベンジルエステル及びビタミンE類より選ばれる1種または2種以上(e)クロルフェニラミンマレイン酸塩。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた鎮痛消炎作用を有するロキソプロフェンを含有する皮膚外用剤に関する。より詳しくは、ロキソプロフェンに特定の有効成分を含有させることによって、これまでのロキソプロフェン外用剤やその製剤技術に比べ、経皮吸収性を顕著に向上させた外用剤に関する。
プロピオン酸系非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤(NSAIDs)であるロキソプロフェンは、他のNSAIDsと同様にプロスタグランジン生合成の抑制作用に基づく解熱・鎮痛・消炎作用を有する。なお、ロキソプロフェンは経口投与後に胃粘膜刺激作用の弱い未変化体のまま消化管から吸収され、体内で活性体となるプロドラッグであるため、活性体よりも胃粘膜障害は少ないという特徴を有することでも知られている(例えば、非特許文献1参照)。
近年、ロキソプロフェンは外用消炎鎮痛剤としてもパップ剤、テープ剤及びゲル剤が市販され、臨床に供されている(例えば、非特許文献2参照)。なお、ロキソプロフェンは、皮膚においてもケトン還元酵素によってトランス−OH体(活性体)に変換されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
クロルフェニラミンマレイン酸塩は外用剤では抗ヒスタミン成分として蕁麻疹や皮膚疾患に伴うそう痒 (湿疹・皮膚炎, 皮膚そう痒症, 薬疹)の治療薬に使用されている。l−メントールは外用剤としては血行促進成分として使用されるほか、医薬品添加剤では清涼化剤や香料として使用されている。グリチルレチン酸は外用剤としては抗炎症成分として使用されている。ノナン酸バニリルアミドは外用剤としては温感刺激成分及び血行改善成分として使用されている。ニコチン酸ベンジルエステルは外用剤としては血行改善成分として使用されるほか、医薬品添加剤では溶解補助剤として使用されている。ビタミンEは外用剤としては血行改善成分として使用されるほか、医薬品添加剤では安定化剤、抗酸化剤として使用されている。
これまでに、ロキソプロフェンを含有する外用剤において、カルボキシビニルポリマーを配合してロキソプロフェンの経皮吸収を高めた外用ゲル製剤(特許文献2参照)や、プロピレングリコール及びプロピレングリコール脂肪酸エステルを添加剤として配合することでロキソプロフェンの経皮吸収を高めたことが開示されている(特許文献3参照)。また、皮膚外用液剤の使用感を高めるために、プロピレングリコール、ブチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールを添加することが多いが、これらの多価アルコールが、薬効成分の経皮吸収促進剤として使用されていることが知られている(特許文献4参照)。
また、抗ヒスタミン剤が、非ステロイド性消炎鎮痛剤の皮膚透過性を亢進し、かつ、主剤の薬理効果をあげることが知られている(特許文献5参照)。さらに、ロキソプロフェンとイソプロパノールを配合して保存安定性を改善した製剤において、グリチルレチン酸、ノナン酸バニリルアミド、クロルフェニラミンマレイン酸塩等をさらに添加した液剤も知られている(特許文献6)。
しかし、ロキソプロフェン及びl−メントールを含有する外用剤に、グリチルレチン酸、ニコチン酸ベンジルエステル、ノナン酸バニリルアミド及びビタミンE等から選ばれる1種または2種以上の成分を配合すると、ロキソプロフェンナトリウムの皮膚浸透性が低下することは知られていない。さらに、かかる外用剤においてクロルフェニラミンマレイン酸塩がロキソプロフェンの経皮吸収にどのように影響するかについては全く知られていない。
特開2008−074873公報 特許第4195178号公報 特開2016−79180公報 特開平5−000946公報 特開2002−128698公報 特開2017−200909公報
薬理と治療 Vol.16 No.2 1988 p.611−619 JAPIC 医療用医薬品集2013 丸善 2012
本発明の課題は、ロキソプロフェン及びその他有効成分を含有する皮膚外用剤(配合剤)において、ロキソプロフェンの経皮吸収をさらに高める成分を見出すことである。
本発明者らは、ロキソプロフェン、l−メントール及びエタノールを含有する皮膚外用剤(配合剤)において、抗炎症作用及び温感刺激作用及び血行促進作用等の付与または増強を目的として、グリチルレチン酸、ニコチン酸ベンジルエステル、ノナン酸バニリルアミド及びビタミンE等の成分をさらに含有する外用剤を開発するため、それらの有効成分を含有する外用剤の経皮吸収性について調べた。その結果、ロキソプロフェン、l−メントール及びエタノールを含有する皮膚外用剤にグリチルレチン酸、ノナン酸バニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル及びビタミンE類から選ばれる1種又は2種以上を配合することにより、ロキソプロフェンの経皮吸収性が減少することを見出した。そして、これらの外用剤に、さらにクロルフェニラミンマレイン酸塩を配合することにより、ロキソプロフェンの経皮吸収性が顕著に改善されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)下記(a)から(e)の成分を含有する皮膚外用剤。
(a)ロキソプロフェン
(b)l−メントール
(c)エタノール
(d)ノナン酸バニリルアミド、グリチルレチン酸、ニコチン酸ベンジルエステル及びビタミンE類より選ばれる1種または2種以上
(e)クロルフェニラミンマレイン酸塩
(2)成分(d)としてノナン酸バニリルアミドを含む(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)成分(d)としてグリチルレチン酸を含む(1)または(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)成分(d)としてニコチン酸ベンジルエステルを含む(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)成分(d)としてビタミンE類を含む(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
(6)成分(d)としてノナン酸バニリルアミド及びニコチン酸ベンジルエステルを含む(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
(7)さらに、多価アルコールを含有する、(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
(8)多価アルコールがプロピレングリコールまたは1,3−ブチレングリコールである(7)に記載の皮膚外用剤。
(9)製剤pHが5.0〜7.5である、(1)乃至(8)のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
(10)鎮痛消炎用である、(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
(11)剤形が外用液剤、軟膏剤、クリーム剤、スプレー剤、ゲル剤、貼付剤または外用固形剤である、(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
(12)剤形が外用液剤である、(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
である。
本発明の皮膚外用剤は、使用感に優れ、配合成分によるロキソプロフェンの経皮吸収性低下が抑制され、消炎・鎮痛作用が保たれ、温感刺激作用、血行促進作用、抗ヒスタミン作用等が増強または付与されており、臨床上極めて有用である。
本発明において、「ロキソプロフェン」とは、ロキソプロフェンまたはその塩(含水塩を含む)であり、好ましくは、ロキソプロフェンナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウム・2水和物であり、より好ましくは、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物である。
本発明のロキソプロフェンは、ロキソプロフェンナトリウム水和物として第17改正日本薬局方に収載されている。
本発明におけるl−メントールは、第17改正日本薬局方や医薬品添加物辞典2016に収載されている。
本発明におけるエタノール(エチルアルコール、アルコールともいう)は、医薬品添加物辞典2016(薬事日報社、2016)に収載されており、可溶化剤、基剤、保存剤、溶剤、溶解補助剤等の用途で外用剤に用いられる。エタノール含量が99.5体積%以上のものは無水エタノールとも呼ばれるが、本発明におけるエタノールにはこれも含まれる。
本発明におけるノナン酸バニリルアミド(ノニル酸ワニリルアミドともいう)は、医薬品添加物辞典2016(薬事日報社、2016)に収載されている。
本発明におけるグリチルレチン酸は、日本薬局方外医薬品規格2002に収載されている。
本発明におけるニコチン酸ベンジルエステル(ニコチン酸ベンジルともいう)は、日本薬局方外医薬品規格2002に収載されている。
本発明におけるビタミンE類は、ビタミンEまたはその誘導体のことであり、具体的には、トコフェロール、d−σ−トコフェロール、トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル等を挙げることができる、これらは第17改正日本薬局方や医薬品添加物辞典2016に収載されている。
本発明におけるクロルフェニラミンマレイン酸塩は、第17改正日本薬局方に収載されている。
本発明における多価アルコールとは、可溶化剤、基剤、湿潤剤、粘稠剤、溶剤、溶解補助剤等の用途で外用剤に用いられる、分子内に水酸基が2個以上あるアルコールであり、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、マクロゴール(ポリエチレングリコールともいう)、D−ソルビトールであり、医薬品添加物辞典2016に収載されている。好ましくは、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールまたはその組み合わせである。
本発明の外用剤における、ロキソプロフェンの含有量は、ロキソプロフェンナトリウム・2水和物として、好ましくは、0.1〜10重量%であり、より好ましくは、0.5〜8.5重量%である。
また、本発明の外用剤におけるl−メントールの含有量は、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは、0.5〜7.5重量%である。
本発明の外用剤におけるエタノールの含有量は、好ましくは、10.0〜70.0重量%であり、より好ましくは、30.0〜60.0重量%である。
また、本発明の外用剤におけるノナン酸バニリルアミドの含有量は、好ましくは0.001〜0.1重量%であり、より好ましくは0.005〜0.05重量%である。
また、本発明の外用剤におけるグリチルレチン酸の含有量は、好ましくは0.01〜1.0重量%であり、より好ましくは0.02〜0.75重量%である。
また、本発明の外用剤におけるニコチン酸ベンジルの含有量は、好ましくは0.001〜0.15重量%であり、より好ましくは0.005〜0.05重量%である。
また、本発明の外用剤におけるビタミンE類の含有量は、好ましくは0.001〜5重量%であり、より好ましくは0.05〜1重量%である。
また、本発明の外用剤におけるクロルフェニラミンマレイン酸塩の含有量は、好ましくは0.01〜1重量%であり、より好ましくは、0.05〜1重量%である。
本発明の外用剤において、多価アルコールを含有させる場合の多価アルコールの含有量は特に限定されないが、好ましくは0.5〜20重量%であり、より好ましくは、1.0〜15重量%である。
また、本発明の外用剤のpHの範囲は、好ましくは5.0〜7.5であり、より好ましくは6.0〜7.5である。
本発明においては、エタノール以外の低級アルコールを添加することができる。本発明における低級アルコールとは、可溶化剤、基剤、保存剤、溶剤、溶解補助剤等の用途で外用剤に用いられる炭素数1〜4個の脂肪族アルコール類であり、例えば、メタノール、プロパノール、イソプロパノール(イソプロピルアルコールとも言う)、ブチルアルコール等である。
さらに、本発明の外用剤において、上記成分以外の鎮痛消炎用の皮膚外用剤に通常使用される、薬物や医薬品添加物を添加することができる。
かかる薬物としては、例えば、グリチルリチン酸等の抗炎症剤、ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤、クロタミトン等の鎮痒剤、トウガラシエキス等の局所刺激成分、アルニカチンキ等の生薬成分等を挙げることができ、これらの薬物は、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
上記成分以外の医薬品添加物は、例えば、経時的な含量安定性や使用感の更なる向上等を目的として必要に応じて添加するものであり、例えば、基剤、粘稠剤、溶解剤、湿潤剤、粘着剤、pH調節剤、抗酸化剤や清涼化剤等を挙げることができる。
本発明における基剤としては、例えば、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体、ポリイソブチレン、流動パラフィン、ポリアクリル酸部分中和物、ポリビニルアルコール(部分けん化物)等を挙げることができる。
本発明における粘稠剤としては、例えば、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、キサンタンガム、マクロゴール、グリセリン、カルボキシビニルポリマー等を添加することができる。
本発明における溶解剤としては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート等を添加することができる。
本発明における湿潤剤としては、例えば、dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ポリソルベート40液等を添加することができる。
本発明における粘着剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、水素ロジングリセリンエステル等を添加することができる。
本発明におけるpH調節剤としては、例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、乳酸、有機酸、有機アミン、りん酸等を用いることができる。
本発明における抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、クエン酸水和物、無水クエン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル等を用いることができる。
本発明における清涼化剤としては、例えば、カンフル、dl−カンフル、ハッカ油、ユーカリ油等を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤の剤形としては、例えば、外用液剤、クリーム剤、ゲル剤、スプレー剤(ポンプスプレー剤、外用エアゾール剤)、軟膏剤、貼付剤(テープ剤、パップ剤)、外用固形剤等を挙げることができる。これらの剤形を製造する際には、適当な添加物を使用し、第17改正日本薬局方等に記載される通常の方法に従い、製造することができる。
また、本発明の皮膚外用剤の製剤は、アルミニウム等の金属製の容器・包装、または、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂製の容器・包装に収容することができる。
本発明の皮膚外用剤は、鎮痛消炎用として、痛みや炎症を有する患者、例えば、腰痛、打撲、捻挫、肩こりに伴う肩の痛み、腱鞘炎、肘の痛み、関節痛等の患者に使用することができる。本発明の皮膚外用剤は、前記患者に対し、これを1日1〜数回、適量を患部に塗布、噴霧または貼付する。
以下に、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
(製剤例)
上記の表1〜4に記載した成分を攪拌・混合して溶解後、処方例1〜23の皮膚用外用剤を得ることができる。
製造方法としては、上記成分及び分量を取り、日本薬局方製剤総則「外用液剤」、「外用固形剤」、「ゲル剤」の項に準じて製造することができる。
(試験例1)ロキソプロフェン含有皮膚外用剤の皮膚透過性試験1
(1)試験材料
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共ケミカルファーマ(株)製のものを、グリチルレチン酸、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ニコチン酸ベンジルエステル、ノナン酸バニリルアミドは東京化成工業(株)製のものを、トコフェロール酢酸エステルは理研ビタミン(株)製のものを、l−メントールは鈴木薄荷(株)製のものを、塩酸は関東化学(株)製のものを、プロピレングリコールは丸石製薬(株)製のものを、無水エタノールは今津薬品工業(株)製のものを、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40は日光ケミカルズ(株)製のものを、ポリソルベート80は日光ケミカルズ(株)製のものを、それぞれ使用した。
(2)検体の調製
以下の表5に記載した成分を混合して溶解後、検体1〜9の液剤を得た。
(3)試験方法
再生ヒト表皮モデル(EPISKIN large、有効拡散面積1.07cm2、ロット番号#17EPIS002、株式会社ニコダームリサーチ)を12well組織培養プレート(IWAKI、旭硝子株式会社)に設置し、各wellに2mLの1/15 Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.4)(PBS)を分注し、これをレシーバ液とした。ドナー側には、各検体を200μL入れ、組織培養プレートの蓋をかぶせて、32℃のインキュベーター内に静置して皮膚透過性試験を実施した。透過後のレシーバ液を採取し、レシーバ液中のロキソプロフェンナトリウム濃度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することで単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム皮膚透過量を算出した。試験は各検体3回ずつ行い、それらの平均値を算出し、その値から、透過2時間後におけるコントロール(検体1)の単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム累積皮膚透過量を100としたときの相対透過量として算出した。
なお、ロキソプロフェンナトリウムの定量は液体クロマトグラフィーにより行い、その条件は以下の通りである。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)、カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス間に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんしたもの、カラム温度:40°C、移動相:メタノール/水/リン酸(550: 450:1)
(4)試験結果
結果を表5に示す。
表5の検体1及び検体2の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール及びエタノールを含有する外用剤(配合剤)において、さらにグリチルレチン酸、ニコチン酸ベンジルエステル及びノナン酸バニリルアミドを配合することにより、ロキソプロフェンの経皮吸収が低下することを見出した。一方、検体1、検体2及び検体3の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール、グリチルレチン酸、ニコチン酸ベンジルエステル及びノナン酸バニリルアミドを配合した外用剤において、さらにクロルフェニラミンマレイン酸塩を配合することにより、低下したロキソプロフェンの経皮吸収が回復することを見出し、さらにロキソプロフェン、l−メントール及びエタノールのみを含有する外用剤と比較しても経皮吸収が増加することを見出した。
また、検体1及び検体5の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール及びエタノールを含有する外用剤(配合剤)において、さらにノナン酸バニリルアミドを配合することにより、ロキソプロフェンの経皮吸収が低下することを見出した。一方、検体1、検体4及び検体5の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール、エタノール及びノナン酸バニリルアミドを配合した外用剤において、さらにクロルフェニラミンマレイン酸塩を配合することにより、低下したロキソプロフェンの経皮吸収が回復することを見出した。
さらに、検体1及び検体6の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール及びエタノールを含有する外用剤(配合剤)において、さらにトコフェロール酢酸エステルを配合することにより、ロキソプロフェンの経皮吸収が低下することを見出した。一方、検体6及び検体7の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール、エタノール及びトコフェロール酢酸エステルを配合した外用剤において、さらにクロルフェニラミンマレイン酸塩を配合することにより、低下したロキソプロフェンの経皮吸収が回復することを見出した。
さらに、検体1及び検体8の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール及びエタノールを含有する外用剤(配合剤)において、さらにグリチルレチン酸、ニコチン酸ベンジルエステル、ノナン酸バニリルアミド及びトコフェロール酢酸エステルを配合することにより、ロキソプロフェンの経皮吸収が低下することを見出した。一方、検体8及び検体9の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール、エタノール、グリチルレチン酸、ニコチン酸ベンジルエステル、ノナン酸バニリルアミド及びトコフェロール酢酸エステルを配合した外用剤において、さらにクロルフェニラミンマレイン酸塩を配合することにより、低下したロキソプロフェンの経皮吸収が回復することを見出した。
(試験例2)ロキソプロフェン含有皮膚外用剤の皮膚透過性試験2
(1)試験材料
ロキソプロフェンナトリウム・2水和物は第一三共ケミカルファーマ(株)製のものを、グリチルレチン酸、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ニコチン酸ベンジルエステル、ノナン酸バニリルアミドは東京化成工業(株)製のものを、トコフェロール酢酸エステルは理研ビタミン(株)製のものを、l−メントールは鈴木薄荷(株)製のものを、塩酸は関東化学(株)製のものを、プロピレングリコールは丸石製薬(株)製のものを、無水エタノールは今津薬品工業(株)製のものを、それぞれ使用した。
(2)検体の調製
以下の表6に記載した成分を混合して溶解後、検体10〜14の液剤を得た。
(3)試験方法
再生ヒト表皮モデル(EPISKIN large、有効拡散面積1.07cm2、ロット番号#17EPIS028、株式会社ニコダームリサーチ)を12well組織培養プレート(IWAKI、旭硝子株式会社)に設置し、上記皮膚透過性試験1と同様に実施した。透過後のレシーバ液を採取し、レシーバ液中のロキソプロフェンナトリウム濃度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することで単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム皮膚透過量を算出した。試験は各検体3回ずつ行い、それらの平均値を算出し、その値から、透過2時間後におけるコントロール(検体10)の単位面積当たりのロキソプロフェンナトリウム累積皮膚透過量を100としたときの相対透過量として算出した。
なお、ロキソプロフェンナトリウムの定量は液体クロマトグラフィーにより行い、その条件は、上記皮膚透過性試験1と同じである。
表6の検体10及び検体12の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール及びエタノールを含有する外用剤(配合剤)に、さらにグリチルレチン酸及びノナン酸バニリルアミドを配合することにより、ロキソプロフェンの経皮吸収が低下することを見出した。一方、検体10、検体11及び検体12の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール、エタノール、グリチルレチン酸及びノナン酸バニリルアミドを配合した外用剤において、さらにクロルフェニラミンマレイン酸塩を配合することにより、低下したロキソプロフェンの経皮吸収が回復することを見出した。
さらに、検体10及び検体14の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール及びエタノールを含有する外用剤(配合剤)において、さらにグリチルレチン酸及びニコチン酸ベンジルエステルを配合することにより、ロキソプロフェンの経皮吸収が低下することを見出した。一方、検体13及び検体14の比較により、ロキソプロフェン、l−メントール、エタノール、グリチルレチン酸及びニコチン酸ベンジルエステルを配合した外用剤において、さらにクロルフェニラミンマレイン酸塩を配合することにより、低下したロキソプロフェンの経皮吸収が回復することを見出した。
本発明のロキソプロフェンを含有する皮膚外用剤は、使用感に優れ、配合成分によるロキソプロフェンの経皮吸収性低下が抑制され、消炎・鎮痛作用が保たれ、温感刺激作用、血行促進作用、抗ヒスタミン作用等が増強または付与されており、極めて有用である。

Claims (12)

  1. 下記(a)から(e)の成分を含有する皮膚外用剤。
    (a)ロキソプロフェン
    (b)l−メントール
    (c)エタノール
    (d)ノナン酸バニリルアミド、グリチルレチン酸、ニコチン酸ベンジルエステル及びビタミンE類より選ばれる1種または2種以上
    (e)クロルフェニラミンマレイン酸塩
  2. 成分(d)としてノナン酸バニリルアミドを含む請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 成分(d)としてグリチルレチン酸を含む請求項1または2に記載の皮膚外用剤。
  4. 成分(d)としてニコチン酸ベンジルエステルを含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 成分(d)としてビタミンE類を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  6. 成分(d)としてノナン酸バニリルアミド及びニコチン酸ベンジルエステルを含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  7. さらに、多価アルコールを含有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  8. 多価アルコールがプロピレングリコールまたは1,3−ブチレングリコールである請求項7に記載の皮膚外用剤。
  9. 製剤pHが5.0〜7.5である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  10. 鎮痛消炎用である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  11. 剤形が外用液剤、軟膏剤、クリーム剤、スプレー剤、ゲル剤、貼付剤または外用固形剤、である、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  12. 剤形が外用液剤である、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
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