JP7198625B2 - 水性外用医薬組成物 - Google Patents

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本発明は、ロキソプロフェン及び/又はその塩と、カプサイシノイドと、メントールとを含みながらも、白濁が抑制されている水性外用医薬組成物に関する。
ロキソプロフェンナトリウムに代表されるロキソプロフェン類(ロキソプロフェン及び/又はその塩)は、優れた鎮痛・消炎作用を有する薬剤として知られており、外用医薬組成物としても使用されている。また、ロキソプロフェン類は水及びエタノールに溶けることが知られている。
ノナン酸バニリルアミド等のカプサイシノイド(N-アシルワニリルアミド)は、血行促進作用を有する薬剤として知られており、外用医薬組成物としても使用されている。また、カプサイシノイドは水にほとんど溶けず、エタノールに極めて溶けやすいことが知られている。
ロキソプロフェン類を含む外用組成物においては、ロキソプロフェン類による鎮痛・消炎作用に血行促進作用を付与するため、ノナン酸バニリルアミド等のカプサイシノイドが配合される場合がある。このような場合、両方の成分を水中で溶解させるために、エタノールを基剤として含ませることが一般的である。例えば特許文献1には、ロキソプロフェンナトリウムとノニル酸ワニリルアミド(ノナン酸バニリルアミド)を、エタノールと共に含む液剤及びゲル剤が開示されている。
特開2014-224110号公報
本発明者は、ロキソプロフェン類、カプサイシノイド及びエタノールを含む外用組成物の使用感をさらに高めるために、メントールの配合を試みた。しかしながらメントールはエタノールに極めて溶けやすいにも関わらず、外用組成物が白濁するという課題に直面した。この白濁は、例えばN-メチルピロリドンのように非常に高い溶解性を有する溶解助剤を加えても改善されないものであった。
そこで本発明は、ロキソプロフェン及び/又はその塩と、カプサイシノイドと、エタノールとをメントールと共に含む水性外用医薬組成物において、白濁を抑制することが可能な製剤処方を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討の結果、ロキソプロフェン及び/又はその塩と、カプサイシノイドと、エタノールとをメントールと共に含む水性外用医薬組成物において、2価アルコール及び/又は炭素数3以上の1価アルコールを用いることによって、白濁を抑制し得ることを見出した。本発明は、この知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、(B)カプサイシノイド、(C)メントール、(D)エタノール、並びに(E)2価アルコール及び/又は炭素数3以上の1価アルコールを含む、水性外用医薬組成物。
項2. 前記(B)成分がノナン酸バニリルアミドである、項1に記載の水性外用医薬組成物。
項3. 前記(E)成分が1.5~10重量%含まれる、項1又は2に記載の水性外用医薬組成物。
項4. 前記(E)成分が、前記(C)成分1重量部当たり0.2~4重量部含まれる、項1~3のいずれかに記載の水性外用医薬組成物。
項5. 水性外用医薬組成物中で、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)カプサイシノイドと、(C)メントールと及び(D)エタノールとともに、(E)2価アルコール及び/又は炭素数3以上の1価アルコールを共存させる、水性外用医薬組成物において白濁を抑制する方法。
本発明によれば、ロキソプロフェン及び/又はその塩と、カプサイシノイドと、エタノールとをメントールと共に含む水性外用医薬組成物において、白濁を抑制することが可能な製剤処方が提供される。
1.水性外用医薬組成物
本発明の水性外用医薬組成物は、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩(以下、「(A)成分」と表記することもある)、(B)カプサイシノイド(以下、「(B)成分」と表記することもある)、(C)メントール(以下、「(C)成分」と表記することもある)、(D)エタノール(以下、「(D)成分」と表記することもある)、及び(E)2価アルコール及び/又は炭素数3以上の1価アルコール(以下、「(E成分」と表記することもある)を含有することを特徴とする。以下、本発明の水性外用医薬組成物について詳述する。
(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩
本発明の水性外用医薬組成物は、(A)成分としてロキソプロフェン及び/又はその塩を含有する。ロキソプロフェン及び/又はその塩は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の一種として公知の成分である。ロキソプロフェンは、2-[パラ-(2-オキソシクロペンチルメチル)フェニル]プロピオン酸である。ロキソプロフェンの塩としては、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩であれば特に制限されず、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ロキソプロフェンの塩は、水和物であってもよい。
本発明の水性外用医薬組成物において、(A)成分として、ロキソプロフェン及び/又はその塩の中から1種を選択して単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。(A)成分の中でも、好ましくはロキソプロフェンの塩、より好ましくはロキソプロフェンナトリウム、さらに好ましくはロキソプロフェンナトリウム水和物が挙げられる。
本発明の水性外用医薬組成物における(A)成分の含有量は、水性外用医薬組成物に備えさせるべき薬効等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1~10重量%、好ましくは0.5~3重量%が挙げられる。
(B)カプサイシノイド
本発明の水性外用医薬組成物は、(B)成分としてカプサイシノイドを含有する。カプサイシノイドとは、N-アシルワニリルアミドであり、血行促進作用等が知られている公知の成分である。カプサイシノイドは油溶性であるため、ロキソプロフェン及び/又はその塩を含む水性外用医薬組成物においてはエタノールと共に配合して溶解させるが、さらにメントールを配合すると白濁発生を招来する。しかしながら、本発明の水性外用医薬組成物では、カプサイシノイドとロキソプロフェン及び/又はその塩とエタノールとを、メントールと共に含んでいても、白濁発生を抑制することができる。
カプサイシノイドにおけるアシル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。また、カプサイシノイドにおけるアシル基の炭素数については、特に制限されないが、例えば5~15、好ましくは6~11が挙げられる。
カプサイシノイドとして、具体的には、ノナン酸バニリルアミド;及びカプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン等のカプサイシン類等が挙げられ、好ましくはノナン酸バニリルアミドが挙げられる。
また、本発明の水性外用医薬組成物において、カプサイシノイドは、精製品を使用してもよいが、カプサイシノイド以外に他の成分が含まれている混合物を使用してもよい。このようなカプサイシノイドを含む混合物としては、具体的には、カプサイシノイドとして、トウガラシエキス、トウガラシチンキ、トウガラシ末等のトウガラシ類が挙げられる。
本発明の水性外用医薬組成物において、(B)成分として、1種のカプサイシノイドを単独で使用してもよく、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性外用医薬組成物における(B)成分の含有量は、水性外用医薬組成物に備えさせるべき薬効等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.001~0.2重量%、好ましくは0.01~0.1重量%が挙げられる。本発明の水性外用医薬組成物は白濁抑制効果に優れているため、(B)成分が本来的に白濁をより招来しやすい含有量(例えば0.07重量%~0.2重量%、好ましくは0.09~0.2重量%)である場合であっても、効果的に白濁を抑制することができる。
(C)メントール
本発明の水性外用医薬組成物は、(C)成分としてメントールを含有する。メントールを含有させることによって、適用した皮膚に清涼感を付与し、使用感を良好にすることができる。メントールはエタノール易溶性であるにもかかわらず、ロキソプロフェン及び/又はその塩とカプサイシノイドとがエタノールを用いて溶解させられた水性外用医薬組成物に共存させると白濁を生じさせる。しかしながら、本発明の水性外用医薬組成物はロキソプロフェン及び/又はその塩とカプサイシノイドとメントールとがエタノールとともに含まれていても、白濁発生を抑制することができる。
メントールは、d体、l体、dl体のいずれであってもよいが、好ましくはl体が挙げられる。また、本発明の水性外用医薬組成物は、(C)成分として、メントールを含む精油を使用してもよい。メントールを含む精油は、公知のものから適宜選択して使用することができるが、例えば、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油等が挙げられる。
(C)成分の中でも、白濁をより良好に抑制するという観点から、好ましくはメントール、及びこれを含む精油、更に好ましくはl-メントール及びこれを含む精油が挙げられる。
本発明の水性外用医薬組成物における(C)成分の含有量については、水性外用医薬組成物に備えさせるべき薬効等に応じて適宜設定すればよいが、例えば1重量%以上、好ましくは2重量%以上が挙げられる。さらに、本発明の水性外用医薬組成物の白濁をより好ましく抑制する点で、(C)成分の含有量としては、好ましくは2~15重量%、更に好ましくは2~10重量%、特に好ましくは2~7重量%が挙げられる。
本発明の水性外用医薬組成物において、(A)成分と(C)成分との比率については、各成分の前記含有量の範囲に基づいて定まるが、本発明の水性外用医薬組成物の白濁をより好ましく抑制するという観点から、(A)成分1重量部当たり(C)成分が2~15重量部、好ましくは2~10重量部、より好ましくは2~7重量部が挙げられる。
なお、ここで示す(C)成分の配合比率は、(C)成分としてメントールを含む精油を使用する場合には、メントール量に換算した値である。
(D)エタノール
本発明の水性外用医薬組成物は、(D)成分としてエタノールを含む。エタノールは溶剤として使用される。本発明の水性外用医薬組成物において、(D)成分の含有量については特に制限されないが、例えば30~80重量%が挙げられる。
(E)2価アルコール及び/又は炭素数3以上の1価アルコール
本発明の水性外用医薬組成物は、(E)成分として2価アルコール及び/又は炭素数3以上の1価アルコールを含有する。ロキソプロフェン及び/又はその塩とカプサイシノイドとメントールとを含む水性外用医薬組成物は、エタノールが共存していても白濁を生じるが、2価アルコール及び/又は炭素数3以上の1価アルコールを配合することによって、白濁を抑制することができる。
(E)成分として使用される2価アルコールの種類については、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの2価アルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの2価アルコールの中でも、水性外用医薬組成物の白濁をより効果的に抑制するという観点から、好ましくは1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが挙げられる。
(E)成分として使用される炭素数3以上の1価アルコールの種類については、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、炭素数3~6の1価低級アルコールが挙げられ、具体的には、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソプロパノール等が挙げられる。これらの炭素数3以上の1価アルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの炭素数3以上の1価アルコールの中でも、水性外用医薬組成物の白濁をより効果的に抑制するという観点から、好ましくはイソプロパノールが挙げられる。
本発明の水性外用医薬組成物において、(E)成分としては、2価アルコール及び/又は炭素数3以上の1価アルコールの中から1種を選択して使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性外用医薬組成物における(E)成分の含有量については特に制限されないが、総量で、例えば1.5~10重量%が挙げられる。水性外用医薬組成物の白濁をより効果的に抑制するという観点から、好ましくは2~10重量%、より好ましくは2.5~10重量%、さらに好ましくは3~10重量%、一層好ましくは3.5~10重量%が挙げられる。また、(E)成分は、ロキソプロフェン及び/又はその塩、カプサイシノイド、メントール及びエタノールを含む水性外用医薬組成物の白濁を抑制する効果が高いため、少量であっても効果的に白濁を抑制することができる。このような観点から、本発明の水性外用医薬組成物における(E)成分の含有量としては、総量で、好ましくは8重量%以下、より好ましくは7重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下が挙げられる。
本発明の水性外用医薬組成物において、(C)成分と(E)成分との比率については、各成分の前記含有量の範囲に基づいて定まるが、本発明の水性外用医薬組成物の白濁を効果的に抑制するという観点から、(C)成分1重量部当たり(E)成分が0.2~4重量部、好ましくは0.3~3重量部、より好ましくは0.5~3重量部、さらに好ましくは1~3重量部が挙げられる。

本明細書において、「水性外用医薬組成物」とは水を含む外用医薬組成物であり、本発明の水性外用医薬組成物には水が含まれる。水としては特に制限されず、精製水、蒸留水、イオン交換水、超純水、滅菌水などが挙げられ、好ましくは精製水が挙げられる。本発明の水性外用医薬組成物における水の含有量については、その製剤形態等に応じて適宜設定されるが、例えば、15~60重量%が挙げられる。
その他の成分
本発明の水性外用医薬組成物には、本発明の効果を妨げない限り、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含んでいてもよい。本発明の水性外用医薬組成物に配合可能な他の薬理成分については、特に制限されないが、例えば、ジクロフェナク及び/又はその薬学的に許容される塩等の消炎鎮痛剤(上記(A)成分以外);グリチルレチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルリチン酸ステアリル等の抗炎症剤;ジフェニルイミダゾール、ジフェンヒドラミン及びその薬学的に許容される塩、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;リドカイン及びその薬学的に許容される塩、ジブカイン及びその薬学的に許容される塩、アミノ安息香酸エチル等の局所麻酔剤;ニコチン酸のエステル誘導体(具体的には、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、ニコチン酸メチルエステル等)、酢酸トコフェロール等の血行促進剤(上記(B)成分以外);アルニカチンキ、オウバクエキス、サンシシエキス、セイヨウトチノキエキス、ロートエキス、ベラドンナエキス、トウキエキス、シコンエキス、サンショウエキス等の生薬等が挙げられ、好ましくは、ニコチン酸のエステル誘導体及び酢酸トコフェロールが挙げられる。本発明の水性外用医薬組成物がニコチン酸のエステル誘導体を含む場合、その含有量としては、例えば0.001~0.1重量%、好ましくは0.003~0.05重量%、より好ましくは0.005~0.02重量%が挙げられる。本発明の水性外用医薬組成物が酢酸トコフェロールを含む場合、その含有量としては、例えば0.01~1重量%、好ましくは0.03~0.5重量%、更に好ましくは0.05~0.3重量%が挙げられる。
更に、本発明の水性外用医薬組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、水性外用医薬組成物に通常使用される他の基剤や他の添加剤が含まれていてもよい。
他の基剤としては、非極性油、極性油等の油性基剤が挙げられる。非極性油としては、具体的には、パラフィン、イソパラフィン等の炭化水素類;スクワラン、ワックス等が挙げられる。また、極性油としては、具体的には、脂肪族モノカルボン酸エステル、トリグリセライド、脂肪族ジカルボン酸ジエステル、脂肪族ジカルボン酸アルキレングリコールエステル、高級脂肪酸等が挙げられる。
前記脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、イソステアリン酸ヘキサデシル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル等が挙げられる。これらの脂肪族モノカルボン酸エステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記トリグリセライドとしては、例えば、トリアシルグリセロール、トリパルミチン、トリパルミチン酸グリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、1-パルミトイル-2,3-ジオレオイルグリセロール、1,3-ジオレオイル-2-パルミトイルグリセロール、1-パルミトオレオイル-2-ステアロイル-3-リノレオイルグリセロール、1-リノレオイル-2-パルミトオレオイル-3-ステアロイルグリセロール等が挙げられる。これらのトリグリセライドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸ジエステルとしては、例えば、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸ジエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸アルキレングリコールエステルとしては、例えば、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸アルキレングリコールエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記高級脂肪酸としては、例えば、炭素数12~26の脂肪酸が挙げられる。このような高級脂肪酸としては、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等が挙げられる。これらの高級脂肪酸は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
更に、本発明の外用医薬組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、外用医薬組成物に通常使用される他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、pH調節剤(例えば、塩酸、酢酸、乳酸、クエン酸等の薬学的に許容される酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の薬学的に許容されるアルカリ)、界面活性剤、乳化剤、可溶化剤、防腐剤、保存剤、酸化防止剤、安定化剤、キレート剤、増粘剤、香料、着色料等が挙げられる。
製剤形態
本発明の水性外用医薬組成物の製剤形態については、経皮適用可能であることを限度として特に制限されず、例えば、液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、フォーム剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液剤又はゲル剤が挙げられ、特に好ましくは液剤が挙げられる。これらの製剤形態への調製は、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に従って、製剤形態に応じた添加剤を用いて製剤化することにより行うことができる。
使用態様
本発明の水性外用医薬組成物は、消炎鎮痛が求められる局所(皮膚)に外用投与することにより使用される。本発明の水性外用医薬組成物は、外用消炎鎮痛剤として、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、腰痛、筋肉痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘等)、打撲痛、ねんざ痛、骨折痛、神経痛、変形性関節症、関節炎等に対する治療目的で使用することができる。
2.白濁を抑制する方法
前述するように、2価アルコール及び/又は炭素数3以上の1価アルコールは、カプサイシノイドとロキソプロフェン及び/又はその塩とエタノールとを、メントールと共に含む水性外用医薬組成物において、白濁を抑制することができる。従って、本発明は、更に、水性外用医薬組成物中で、(A)成分であるロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)成分であるカプサイシノイドと、(C)成分であるメントールと、(D)成分であるエタノールと共に、(E)成分である2価アルコール及び/又は炭素数3以上の1価アルコールを共存させる、水性外用医薬組成物において白濁を抑制する方法を提供する。
なお、本発明において、白濁を抑制するとは、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む水性外用医薬組成物の外観において、(E)成分を含まない場合に比べて白濁の程度を低減することをいい、具体的には透明(澄明)又は半透明、より好ましくは透明(澄明)にすることをいう。
前記白濁を抑制する方法において、使用する成分の種類や使用量、水性外用医薬組成物の形態等については、前記「1.水性外用医薬組成物」の欄に示す通りである。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1
[水性外用医薬組成物の調製]
表1及び表2に示す組成の水性外用医薬組成物を調製した。具体的には、以下の手順で調製した。まず、ロキソプロフェンナトリウム、ノナン酸バニリルアミド、l-メントールをエタノールに溶解させ、水でメスアップを行い、その後、残りの成分を添加し、撹拌した。
[白濁抑制の評価]
調製した水性外用医薬組成物を、No.6号無色透明スクリュー管に、液面高さが40mmとなるように入れ、透明スクリュー管上部から底面方向を目視し、以下の基準で白濁抑制の程度を評価した。
◎:液色は無色透明(澄明)であり、底面辺縁を明瞭に視認できる。
(白濁が完全に抑制されている)
○:液色はやや白みがかっているが透明性があり(半透明)、底面辺縁を視認できる。
(白濁が抑制されている)
×:液色は白色不透明であり、底面辺縁を視認できない。
(白濁が生じている)
得られた結果を表1及び表2に示す。ロキソプロフェンナトリウム、ノナン酸バニリルアミド及びエタノールを含む水性外用医薬組成物は、白濁が生じない(参考例1)。ロキソプロフェンナトリウム、ノナン酸バニリルアミド及びエタノールを含む水性外用医薬組成物にさらにl-メントールを配合すると、l-メントールがエタノールに極めて溶けやすいにも関わらず、水性外用医薬組成物に白濁が生じた(比較例1)。ロキソプロフェンナトリウム、ノナン酸バニリルアミド及びエタノールとともにl-メントールを含む白濁した水性外用医薬組成物に、3価以上の多価アルコールを加えても、白濁は全く改善しなかった(比較例2~4)。さらに、極めて高い溶解性を有する溶解助剤であるN-メチル-2-ピロリドンを加えてみても、白濁は全く改善しなかった(比較例5)。これに対し、ロキソプロフェンナトリウム、ノナン酸バニリルアミド及びエタノールとともにl-メントールを含む白濁した水性外用医薬組成物に、炭素数3以上の1価アルコールであるイソプロパノールや、2価アルコールであるプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコールを配合すると、わずかな配合量であるにも関わらず、白濁を抑制することができた。
Figure 0007198625000001
Figure 0007198625000002
試験例2
表3に示す組成の水性外用医薬組成物を、試験例1の手順に準じて調製した。具体的には、まず、プロピレングリコール及びジプロピレングリコール以外の成分をエタノールに溶解させ、水でメスアップを行い、その後、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールを添加し、撹拌した。得られた水性外用医薬組成物について、試験例1と同様に白濁抑制の程度を評価した。いずれの水性外用医薬組成物も、白濁が完全に抑制(白濁抑制の程度:◎)されていた。
Figure 0007198625000003

Claims (5)

  1. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩、(B)カプサイシノイド、(C)メントール、(D)エタノール、並びに(E)イソプロパノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及び/又はジプロピレングリコールを含
    前記(B)成分がカプサイシノイドの精製品であり、且つ前記(B)成分が0.07~0.2重量%含まれる、水性外用医薬組成物。
  2. 前記(B)成分がノナン酸バニリルアミドである、請求項1に記載の水性外用医薬組成物。
  3. 前記(E)成分が1.5~10重量%含まれる、請求項1又は2に記載の水性外用医薬組成物。
  4. 前記(E)成分が、前記(C)成分1重量部当たり0.2~4重量部含まれる、請求項1~3のいずれかに記載の水性外用医薬組成物。
  5. A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)カプサイシノイドと、(C)メントールと及び(D)エタノールとを含み、前記(B)成分がカプサイシノイドの精製品であり、且つ前記(B)成分が0.07~0.2重量%含まれる水性外用医薬組成物中に、(E)イソプロパノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及び/又はジプロピレングリコールを共存させる、前記水性外用医薬組成物において白濁を抑制する方法。
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